JP6241963B1 - ステンレス製床の施工方法及びステンレス製床の構造 - Google Patents
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Abstract
Description
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
本項に記載のステンレス製床の施工方法は、コンクリート打設工程においてコンクリートを打設する際に、床コンクリートを打設する高さまで延びる複数のボルトを、施工対象位置に立設した状態で、床コンクリートを打設する。すなわち、複数のボルトは、その天端が僅かに床コンクリートの表面に出る態様で、コンクリート内に立設することになる。これにより、床コンクリート上に敷設されるステンレス製床ユニットが、複数のボルトによって支持され、適切な高さに維持される。更に、立設した複数のボルトは、根太組よりもコンクリートが回り込み易いため、床コンクリートの打設が円滑に行われることとなる。なお、複数のボルトを立設する間隔は、床コンクリートが固まる前にステンレス製床ユニット上に作業者が乗っても、ステンレス製床ユニットの撓みが発生しないような適切な間隔とする。
本項に記載のステンレス製床の施工方法は、コンクリート打設工程において立設する複数のボルトの先端に、袋ナットを取り付けるものである。このとき、複数のボルトの長さは、袋ナットが取り付けられた状態で、袋ナットの先端が僅かに床コンクリートの表面に出るような長さとする。これにより、複数のボルトの先端が露出することを防止しながら、ステンレス製床ユニットを適切な高さに維持することになる。
本項に記載のステンレス製床の施工方法は、ステンレス製床ユニットを構成する各ステンレス製床材の裏面に、補強材を溶接するものである。補強材は、例えば、断面L型のアングル補強材やフラット補強材等を用い、ステンレス製床材の裏面の外周部や中仕切り部分にグリッド状に溶接する。これにより、ステンレス製床ユニットの打込み時や打込み後に、ステンレス製床ユニットの反りや撓み等の変形が抑制される。更に、補強材の交差部分に切欠きを設けることとすれば、ステンレス製床ユニットの打込み時に、ステンレス製床ユニットと床コンクリートとの間に溜まることが懸念される空気の抜け道が確保されるため、そのような空気溜まりが抑制されるものである。
本項に記載のステンレス製床の施工方法は、ステンレス製床ユニットを構成する各ステンレス製床材に、表面から裏面まで貫通する貫通孔を設けるものである。これにより、上記(4)項に記載したように、ステンレス製床ユニットの打込み時に、ステンレス製床ユニットと床コンクリートとの間に溜まることが懸念される空気の抜け穴として貫通孔を利用し、空気溜まりを抑制するものである。なお、貫通孔を設ける位置や数量は、ステンレス製床材の大きさや、打込み時のステンレス製床ユニットの姿勢等を考慮して、空気が効率よく抜けるような適切な位置や数量に設定すればよい。
本項に記載のステンレス製床の施工方法は、コンクリート打設工程に先立ち、施工対象範囲の外周部に型枠を構築する型枠構築工程を含むものである。更に、この型枠構築工程では、型枠の少なくとも一部に沿って、基準部材を設置する。この基準部材は、ユニット打込み工程においてステンレス製床ユニットを打込む際に、特に型枠沿いに打込むステンレス製床ユニットの基準位置として利用されるものである。これにより、型枠沿いに打込むステンレス製床ユニットの位置精度が高まることになる。更に、型枠沿いに打込んだステンレス製床ユニットを基準として、その隣に打込むステンレス製床ユニットの位置精度も高まることになるため、延いては、全てのステンレス製床ユニットの位置精度が高まることになる。又、型枠沿いにステンレス製床ユニットを打込む際に、基準部材にステンレス製床ユニットを仮固定することとすれば、ステンレス製床ユニットの位置精度に加えて、打込み作業の作業性が高まるものである。
本項に記載のステンレス製床の施工方法は、ユニット打込み工程の後に、床コンクリート上のステンレス製床ユニットの表面に、例えばバイブレータ等で振動を与える振動付与工程を含むものである。これにより、ステンレス製床ユニットに溶接されたアンカー部材の周りの、コンクリートの充填性がより高められるため、ステンレス製床ユニットがより強固に固定され、更に、ステンレス製床ユニットと床コンクリートとの密着性がより高まるものである。
(12)上記(11)項において、前記ボルトの先端に袋ナットが取り付けられているステンレス製床の構造。
(13)上記(10)から(12)項において、前記ステンレス製床ユニットを構成する各ステンレス製床材の裏面に、補強材が溶接されているステンレス製床の構造。
そして、(10)から(14)項に記載のステンレス製床の構造は、各々、上記(1)から(5)項のステンレス製床の施工方法によって構築されるものであり、上記(1)から(5)項のステンレス製床の施工方法と同等の作用を奏するものである。
図1は、本発明の実施の形態に係るステンレス製床の施工方法の一例を示すフロー図である。この図1のフロー図に沿って、図2〜図7を参照しながら、本発明の実施の形態に係るステンレス製床の施工方法を具体的に説明する。
S60(ユニット打込み判定):全施工対象範囲にステンレス製床ユニット30を打込んだか否かを判定する。そして、全施工対象範囲にステンレス製床ユニット30を打込んだ場合(YES)は、S70へ移行し、まだステンレス製床ユニット30を打込んでいない施工対象範囲が残っている場合(NO)は、上記S30へ復帰する。すなわち、全施工対象範囲にステンレス製床ユニット30を打込むまで、上記S30からS50を繰り返し行うものである。換言すれば、本実施例では、施工対象範囲を複数の領域に区切って、領域毎に上記S30からS50を連続して行っているが、施工対象範囲の大きさ等に応じて、全施工対象範囲に対して上記S30からS50を連続して行ってもよい。
一方、図8に示すような本発明の実施の形態に係るステンレス製床の構造10は、上術した本発明の実施の形態に係るステンレス製床の施工方法によって構築されるものであり、本発明の実施の形態に係るステンレス製床の施工方法と同等の作用効果を奏するものである。
Claims (8)
- 複数枚のステンレス製床材を用いてステンレス製床を施工する方法であって、
裏面にアンカー部材を溶接した少なくとも2枚の前記ステンレス製床材を平面方向に溶接して、平面視矩形のステンレス製床ユニットへと加工するユニット加工工程と、
施工対象位置に床コンクリートを打設するコンクリート打設工程と、
前記床コンクリートが固まる前に、該床コンクリート上に複数の前記ステンレス製床ユニットを打込むユニット打込み工程と、
前記床コンクリート上で隣接する前記ステンレス製床ユニット同士を溶接するユニット溶接工程と、を含むことを特徴とするステンレス製床の施工方法。 - 前記コンクリート打設工程において、前記施工対象位置に、前記床コンクリートを打設する高さまで延びる複数のボルトを立設した状態で、前記床コンクリートを打設することを特徴とする請求項1記載のステンレス製床の施工方法。
- 前記ユニット加工工程において、前記ステンレス製床材の裏面に補強材を溶接することを特徴とする請求項1又は2記載のステンレス製床の施工方法。
- 前記ユニット加工工程において、前記ステンレス製床材に表面から裏面まで貫通する貫通孔を設けることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のステンレス製床の施工方法。
- 前記ユニット打込み工程において、平面視矩形の前記ステンレス製床ユニットの、4つの辺のうちの1つの辺側が下方になるように、前記ステンレス製床ユニットを斜めに楊重した状態で、前記1つの辺側を前記床コンクリートに打込み、前記ステンレス製床ユニットの前記1つの辺側と対向する辺側を徐々に下げることで、前記ステンレス製床ユニットの全体を前記床コンクリートに打込むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のステンレス製床の施工方法。
- 前記ユニット打込み工程において、打込み済みのステンレス製床ユニットの隣に新たなステンレス製床ユニットを打込む際に、前記新たなステンレス製床ユニットの、前記打込み済みのステンレス製床ユニットに隣接する一辺側が下方になるように、前記新たなステンレス製床ユニットを斜めに楊重した状態で、前記一辺側を前記床コンクリートに打込み、前記新たなステンレス製床ユニットの前記一辺側と、該一辺側に隣接する前記打込み済みのステンレス製床ユニットの隣接辺側とを仮溶接した後、前記新たなステンレス製床ユニットの前記一辺側と対向する辺側を徐々に下げることで、前記新たなステンレス製床ユニットの全体を前記床コンクリートに打込むことを特徴とする請求項5記載のステンレス製床の施工方法。
- 前記コンクリート打設工程に先立ち、施工対象範囲の外周部に型枠を構築し、該型枠の少なくとも一部に沿って、前記ユニット打込み工程において前記ステンレス製床ユニットを打込む位置の基準となる基準部材を設置する型枠構築工程を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載のステンレス製床の施工方法。
- 前記ユニット打込み工程の後に、前記床コンクリート上の前記ステンレス製床ユニットの表面に振動を与える振動付与工程を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載のステンレス製床の施工方法。
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