JP6240300B1 - ショウガオール含有組成物の製造方法 - Google Patents

ショウガオール含有組成物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6240300B1
JP6240300B1 JP2016236123A JP2016236123A JP6240300B1 JP 6240300 B1 JP6240300 B1 JP 6240300B1 JP 2016236123 A JP2016236123 A JP 2016236123A JP 2016236123 A JP2016236123 A JP 2016236123A JP 6240300 B1 JP6240300 B1 JP 6240300B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gingerol
ginger
containing composition
temperature
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016236123A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018088878A (ja
Inventor
正喜 大川原
正喜 大川原
博文 渡邉
博文 渡邉
又平 芳春
芳春 又平
孝之 深澤
孝之 深澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SUNSHO PHARMACEUTICAL CO.LTD
Original Assignee
SUNSHO PHARMACEUTICAL CO.LTD
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SUNSHO PHARMACEUTICAL CO.LTD filed Critical SUNSHO PHARMACEUTICAL CO.LTD
Priority to JP2016236123A priority Critical patent/JP6240300B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6240300B1 publication Critical patent/JP6240300B1/ja
Publication of JP2018088878A publication Critical patent/JP2018088878A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Preparation Of Fruits And Vegetables (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】ジンゲロールを、短時間で効率的にショウガオールに変換させて、ショウガオールを豊富に含むショウガオール含有組成物が得られる方法を提供する。【解決手段】ショウガ由来のジンゲロール含有物を、圧力1〜10MPa、温度120〜250℃の亜臨界水で処理する。ジンゲロール含有物を固形分含量0.1〜50.0質量%の含水物となるように水分調整して、前記亜臨界水による処理を行うことが好ましく、更に、亜臨界水が120〜250℃の温度範囲まで昇温した後、該温度範囲で10秒〜60分保持することが好ましく、更に、ジンゲロール含有物は、ショウガ粉砕物、ショウガ搾り汁、ショウガ絞り粕、又はこれらの抽出液からなる群から選ばれた1種又は2種以上であることが好ましい。【選択図】図2

Description

本発明は、ジンゲロール含有物に含まれるジンゲロールを、短時間で効率よく、ショウガオールに変換できるようにしたショウガオール含有組成物の製造方法に関する。
ショウガ(生姜、Zingiber officinale)は、ショウガ科の多年草であり、主にその地下茎(根茎)は、古来より食材や生薬として利用されている。ショウガの地下茎には、辛味成分として、ジンゲロールとショウガオールが含まれている。これら成分には、血管を拡張する作用、抗酸化作用などの作用があり、特にジンゲロールには殺菌作用、免疫細胞を活性化させる作用、また、ショウガオールには血流を高め深部の熱を作り出す作用があることが知られている。生のショウガに含まれるのはほとんどがジンゲロールであり、ショウガオールは微量しか含まれていない。
ジンゲロールは、加熱により脱水が起こり、ショウガオールに変換されることが知られている。例えば、非特許文献1には、生ショウガを60分間茹で、又は蒸し加熱をすることで、ジンゲロールがショウガオールに変換され、ジンゲロールとショウガオールの質量比が98:2から、93:7、又は92:8となることが記載されている。また、特許文献1には、ショウガ抽出物を100〜130℃で24〜60時間加熱することで、ジンゲロールに対するショウガオールの重量比が1.6以上となることが記載されている。
上記加熱による方法の他にも、特許文献2には、ショウガ抽出物を有機酸の存在下、系内の水分量を5〜10%の状態にして、110〜130℃で3〜8.5時間、130〜140℃で1〜8.5時間、又は140〜150℃で1〜3時間加熱することで、ジンゲロールがショウガオールに変換され、ジンゲロールに対するショウガオールの含有量比が3以上となることが記載されている。また、特許文献3には、ショウガを常圧または減圧下で密閉容器につめて密封し、当該密封容器中で85℃24時間、又は90℃で4時間加熱したことでショウガオール含量が高まったことが記載されている。
特許5700980号公報 特開2015−44766号公報 特許4819635号公報
吉田真美ら、ショウガ中の6-ジンゲロールの加熱調理による変化、日本調理科学会誌、Vol. 48 (2015) No. 6 p. 398-404
しかしながら、非特許文献1に記載の方法では、ジンゲロールとショウガオールの質量比が98:2から93:7とショウガオールの質量比が増加したものの、ジンゲロールからショウガオールへの変換が十分に行われているとは言えず、ショウガオールを豊富に富むショウガオール含有組成物を得ることができない。
また、特許文献1に記載の方法では、110〜130℃下での加熱時間が24〜60時間であり、特許文献3に記載の方法では、90℃下での加熱時間が4時間であって、いずれも時間がかかる。さらに、特許文献2に記載の方法では、有機酸を用いるため中和などの後処理工程が必要となる。
このように、いずれの方法もショウガオールを豊富に含むショウガオール含有組成物の生産効率は高いものではなかった。
したがって、本発明の目的は、ジンゲロールを短時間で効率的にショウガオールに変換させて、ショウガオールを豊富に含む組成物を得ることができるショウガオール含有組成物の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、ショウガ由来のジンゲロール含有物を、圧力1〜10MPa、温度120〜250℃の亜臨界水で処理することを特徴とするショウガオール含有組成物の製造方法を提供するものである。
本発明のショウガオール含有組成物の製造方法によれば、ショウガ由来のジンゲロールを、短時間で効率的にショウガオールに変換させて、ショウガオールを豊富に含むショウガオール含有組成物を製造することができる。また、溶媒として水しか使用しないため、発煙や発火の恐れはなく安全であり、中和などの後工程を必要とせず、原料の調製が容易である。また、高温高圧下で処理するので、その過程で殺菌することができる。
本発明のショウガオール含有組成物の製造方法においては、前記ジンゲロール含有物を固形分含量0.1〜50.0質量%の含水物となるように水分調整して、前記亜臨界水による処理を行うことが好ましい。これによれば、水分を多く含んだ原料でも、乾燥工程を必要とせず、水を添加するなどして水分を調整するだけで処理できるので、製造作業性を良好にすることができる。
本発明のショウガオール含有組成物の製造方法においては、120〜250℃の温度範囲まで昇温した後、該温度範囲で10秒〜60分保持することが好ましい。これによれば、ジンゲロールを更に効果的にショウガオールに変換させて、ショウガオールを富化させることができる。
本発明のショウガオール含有組成物の製造方法においては、前記ジンゲロール含有物は、ショウガ粉砕物、ショウガ搾り汁、ショウガ絞り粕、又はこれらの抽出液からなる群から選ばれた1種又は2種以上であることが好ましい。これによれば、入手しやすい原料を、出発原料として使用することができる。
本発明のショウガオール含有組成物の製造方法によれば、ショウガ由来のジンゲロールを、短時間で効率的にショウガオールに変換させて、ショウガオールを豊富に含むショウガオール含有組成物を製造することができる。溶媒として水しか使用しないため、発煙や発火の恐れはなく安全であり、中和などの後工程を必要とせず、原料の状態に依存しない。また、高温高圧下で処理するので、その過程で殺菌することができる。
図1は、亜臨界処理装置の概略を示す図である。 図2は、未処理および各温度において亜臨界水処理を行った生ショウガ搾り粕中に含まれる6−ジンゲロールと6−ショウガオールの定量値を示す図である。 図3は、未処理および180℃で各保持時間で亜臨界水処理を行った生ショウガ粉砕物中に含まれる6−ジンゲロール及び6−ショウガオールの定量値を示す図である。 図4は、未処理および180℃・保持時間30分で亜臨界水処理を行ったショウガ抽出エキス中に含まれる6−ジンゲロール及び6−ショウガオールの定量値を示す図である。
本発明のショウガオール含有組成物の製造方法は、ショウガ由来のジンゲロール含有物を、圧力1〜10MPa、温度120〜250℃の亜臨界水で処理することを含む。
本発明に用いるショウガは、ショウガ属に属するショウガ(Zingiber officinale)のことをいう。ショウガの品種などは特に限定されず、おたふくショウガ、近江ショウガなどの大ショウガ、三州ショウガ、黄ショウガなどの中ショウガ、金時ショウガ、谷中ショウガなどの小ショウガなどが挙げられる。
ショウガにはジンゲロール、ショウガオールなどの辛味成分が含まれている。生のショウガに含まれる辛味成分は、そのほとんどがジンゲロールであり、ショウガオールはごく僅かしか含まれていない。ここで、ジンゲロールには、6−ジンゲロール、8−ジンゲロール、10−ジンゲロールなどが含まれ、6−ジンゲロールが主成分である。一方、ショウガオールは、それぞれのジンゲロールが6−ショウガオール、8−ショウガオール、10−ショウガオールに変換されることによって産生される。ショウガオールにおいても、6−ジンゲロールから変換された6−ショウガオールが主成分である。
本明細書では、「ジンゲロール」には、6−ジンゲロール、8−ジンゲロール、及び10−ジンゲロールが含まれるものとし、また「ショウガオール」は、6−ショウガオール、8−ショウガオール、及び10−ショウガオールが含まれるものとする。
ショウガは、根茎、茎、葉から構成される植物であるが、本発明に用いるショウガとしては、ジンゲロールを含有していれば植物体のどの部分でも用いることができ、ショウガの植物全体を用いてもよい。なかでも、ジンゲロールを多く含む根茎を用いることが好ましい。
本発明に用いるショウガ由来のジンゲロール含有物は、ショウガ粉砕物、ショウガ搾り汁、ショウガ絞り粕、又はこれらの抽出物などからなる群から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。このように、本発明のショウガオール含有組成物の製造方法において用いる原料は、入手しやすい原料を出発原料として使用することができる。
これらのショウガ由来のジンゲロール含有物は、生の状態であっても、蒸す、茹でる等の加熱処理した状態であっても、乾燥した状態であってもよい。生あるいは加熱処理した状態であれば、冷蔵保存あるいは冷凍凍結したものでもよい。乾燥した状態は生ショウガを乾燥したものであっても、加熱したショウガを乾燥したものであってもよい。乾燥したものは公知の方法で得ることができ、その方法は特に限定されず、自然乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥、流動層乾燥、噴霧乾燥、低温乾燥などによる方法が挙げられる。
また、これらのショウガ由来のジンゲロール含有物の、粉砕物とは、ショウガを公知の方法で粉砕したものである。粉砕の方法は特に限定されず、ミキサー、マスコロイダー、コミットロール、サイレントカッターなどの粉砕処理装置を用いて行う方法が挙げられる。
搾り汁とは、ショウガを搾って、そこから粕(搾り粕)が除かれたものである。搾る方法は特に限定されず、パルパー、スクリュープレス、ギナーなどの搾汁機を用いて行う方法が挙げられる。
抽出物とは、ショウガを公知の方法で抽出したものである。抽出の方法は特に限定されず、水蒸気蒸留法、溶媒抽出法、超臨界抽出法、炭酸ガス抽出法などの方法が挙げられ、温度条件や使用する溶媒などについては、適宜選択することができる。この場合、ショウガは、抽出効率を高めるために、粉砕物、搾り汁、搾り粕とした状態で抽出に用いることができる。
溶媒抽出法による場合には、抽出溶媒としては水または有機溶媒を用いることができ、また、水と有機溶媒を任意の混合比で混合した溶媒を用いることもできる。有機溶媒としては低級アルコール(メタノール、エタノール等)、酢酸エチル、アセトン、ヘキサンなどが挙げられる。これらの抽出の方法は、1回のみ行っても良いし、2回以上行っても良い。具体例を挙げると、乾燥ショウガ粉砕物を、その全質量に対して1〜50倍、好ましくは10〜30倍量の水又は有機溶媒を加え、1〜24時間程度、室温〜使用溶媒の沸点の範囲で浸漬・加熱抽出を行う。必要に応じて、加圧下に抽出を行ってもよい。
本発明のショウガオール含有組成物の製造方法は、ショウガ由来のジンゲロール含有物を、亜臨界水で処理することを含む。
ここで、亜臨界水とは、水を大気圧での沸点(100℃)から臨界温度(374.15℃)の範囲で加圧した際に液状を保持している状態の水である。亜臨界水は、温度が高くなるにつれて、イオン積が増加し、比誘電率が下がる特性を持つ。イオン積の増加は加水分解力が強まることを意味し、比誘電率の低下は有機溶媒に似た性質を持つようになることを意味する。
亜臨界水での処理は、市販のバッチ式亜臨界処理装置などを使用して、公知の方法で行うことができる。この処理装置の一例の概略を図1に基づいて説明する。密閉可能な圧力容器1には、加熱用ヒーター2が備えられ、また、窒素ガス注入ライン3が接続されている。圧力容器1内部には、処理効率向上のための攪拌機4、容器内温度をモニタリングするための温度計5が備えられている。さらに、圧力容器1外部には、亜臨界状態を完了させるための冷却水槽6を備える。
上記のように構成された亜臨界処理装置によるショウガ由来のジンゲロール含有物の処理工程の一例を説明する。ジンゲロール含有物と、適度な量の純水とを、圧力容器1に入れて密閉する。ここで、窒素ガス注入ライン3により圧力容器1内に窒素ガスを注入し、予め容器内の初期圧を高める。攪拌機4で攪拌し、温度計5で温度をモニタリングしながら、加熱用ヒーター2で所定の温度及び圧力まで加熱し、圧力容器1内に亜臨界状態を作り出す。内圧を高めることで、加熱された圧力容器1の内壁面での混合物の沸騰を抑制するこができる。所定の温度、及び/又は時間の経過後、圧力容器1ごと冷却水槽6に浸して急冷し、亜臨界状態を完了させる。冷却により圧力容器1の内部温度が充分下がったことを確認して、内部の窒素ガスを抜き、圧力容器1のふたを開け、処理物を取り出す。
上記のように、圧力容器に溶媒として入れるのは、シジンゲロール含有物の他には水のみであるため、発煙や発火の恐れはなく安全で、ジンゲロール含有物の状態に依存せずに亜臨界水で処理をすることができる。また、中和などの後工程を必要とせず、ショウガオール含有組成物の生産効率が高くなる。さらに、高温高圧処理になるので、ショウガオール含有組成物は殺菌、滅菌された状態となっている。
本発明のショウガオール含有組成物の製造方法においては、ショウガ由来のジンゲロール含有物を、好ましくは120〜250℃、より好ましくは160〜200℃の亜臨界水で処理する。処理温度が120℃未満では、亜臨界水処理における加水分解作用自体が弱過ぎてしまい、十分にジンゲロールをショウガオールに変換させることができない。処理温度が250℃を超えると、ジンゲロールとショウガオールの総量が減少したり、加水分解作用が強すぎてしまい処理物に焦げや苦味が付与される傾向がある。
また、本発明のショウガオール含有組成物の製造方法においては、ショウガ由来のジンゲロール含有物を、好ましくは1〜10MPa、より好ましくは3〜5MPaの亜臨界水で処理する。処理圧力が1MPa未満では、圧力容器内の水が沸騰し、亜臨界状態に達しない。また処理圧力が10MPa以上になると、その圧力に耐えうる特別に設計された圧力容器を準備する必要があるので、コストがかかる傾向があり好ましくない。
さらに、本発明のショウガオール含有組成物の製造方法においては、120〜250℃の温度範囲まで昇温した後、該温度範囲で、好ましくは10秒〜60分、より好ましくは10〜30分、保持する。10秒以上保持することで、更に効率的にショウガオールに変換させて、ショウガオールを富化させることができる。一方、60分を超えて保持すると、加水分解作用が強すぎてしまい、処理物に焦げや苦味が付与される傾向がある。
本発明のショウガオール含有組成物の製造方法においては、ショウガ由来のジンゲロール含有物の固形分含量が、好ましくは0.1〜50.0質量%、より好ましくは0.1〜30.0%、さらに好ましくは0.1〜10%の含水物となるように水分を調節して、亜臨界水による処理を行うことが好ましい。固形分含量が0.1質量%未満では、得られるショウガオール含有組成物のショウガオール含有量が低くなるために、後工程で乾燥や濃縮などの手間がかかり製造作業性が低くなってしまう。50質量%を超えると亜臨界水での処理の間攪拌しにくくなり、処理効率が低くなる傾向がある。
こうして得られるショウガオール含有組成物は、ジンゲロール含有物に含まれていたジンゲロールが効率的にショウガオールに変換されている。好ましい例においては、当初含まれていたジンゲロールの20%以上がショウガオールに変換され、より好ましい例においては、当初含まれていたジンゲロールの40%以上がショウガオールに変換される。
上記のように得られたショウガオール含有組成物は、亜臨界水で処理した処理物をそのまま用いてもよく、残渣があるものは残渣を取り除いてもよい。さらには、希釈して用いてもよく、濃縮して用いてもよく、又は乾燥粉末として用いてもよい。具体的な一例としては、亜臨界水で処理した処理物の残渣を取り除き、中鎖脂肪酸油やサフラワー油などの食用油脂を10〜20質量%程度加えたあと、エバポレーターなどを用いて水分を取り除き、油脂中に濃縮させて用いる。
ショウガオール含有組成物のショウガオール含有量は、原料としたジンゲロール含有物のジンゲロール含有量によっても異なる。油脂中に含有させる場合、好ましい例においては、油脂中にショウガオールを0.1〜4.0%含有する組成物が得られ、より好ましい例においては、油脂中にショウガオールを1.5〜4.0%含有する組成物が得られる。ショウガオール含有組成物中のショウガオールの濃度は、食用油脂を添加することにより希釈し、所望する規定値に合わせることができる。
こうして得られたショウガオール含有組成物は、これを人や動物が摂取することによって、血行促進、体温の低下抑制、体温維持効果、免疫力向上、痩身、鎮痛などの効果が期待できる。
本発明で得られたショウガオール含有組成物は、食品、医薬品、医薬部外品、機能性食品、栄養補助食品、サプリメント、健康食品、動物用医薬品、動物用医薬部外品、動物用機能性食品、動物用栄養補助食品、動物用サプリメント、又は動物用健康食品などに用いることができる。
本発明で得られたショウガオール含有組成物は、単独で用いてもよく、又は必要に応じて、上記のような製品に通常使用されている賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、界面活性剤、溶解補助剤、還元剤、緩衝剤、吸着剤、流動化剤、帯電防止剤、抗酸化剤、甘味剤、矯味剤、清涼化剤、遮光剤、着香剤、香料、芳香剤、コーティング剤、可塑剤などを添加して用いることができる。
本発明で得られるショウガオール含有組成物の製品形態は、特に限定されず、例えば、液状(液剤)、シロップ状(シロップ剤)、粉末状(顆粒、細粒)、錠剤(錠剤、タブレット)、カプセル状(カプセル剤)、ソフトカプセル状(ソフトカプセル剤)、固形状、半液体状(ゼリー)、クリーム状、ペースト状などが挙げられる。
本発明で得られるショウガオール含有組成物の摂取量は、特に限定されず、摂取者の性別、年齢、体格などによって適宜決定することができるが、特に、前述したような効果をもたらすのに有効な摂取量としては、ショウガオールの摂取量として、成人1日当たり、0.3〜50mgであることが好ましく、1〜10mgであることがより好ましい。1日1回〜数回に分け、又は任意の期間及び間隔で服用され得る。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を何ら限定するものではない。なお、特に断らない限り、含有率を示す%は、質量%を表す。
<試験例1>
1.ジンゲロール含有物
市販の生ショウガを食品用のすりおろし器ですりおろした。それを濾し布で搾り取り、この搾り粕(固形分含量83.4%)を試験に供した。
2.亜臨界水処理
上記搾り粕90gと純水910gを圧力容器に入れ、バッチ式亜臨界処理装置により亜臨界水処理を行った。亜臨界水の最高温度は120,150,160,180,又は250℃に設定し、初期圧力は3MPaとした。加熱用ヒーターにより圧力容器を加熱し、内部温度が最高温度に達した直後に、圧力容器ごと冷却水に浸し急冷した。十分冷却したのち、圧力容器内の生ショウガの絞り粕を含む処理物を取り出した。
3.6−ジンゲロール、6−ショウガオール含有量の測定
上記処理物0.1gをアセトニトリルで、10mLにメスアップした。これを20μLHPLCにインジェクトし、分析を行った。6−ジンゲロール及び6−ショウガオールは、いずれも標準品(和光純薬工業株式会社)を用いて作成した検量線をもとに定量値を算出した。HPLC分析条件は以下のとおりである。
[HPLC分析条件]
カラム:COSMOSIL Packed Column 5C18-MS-II 4.6×250mm(ナカライテスク株式会社)

流速:1mL/min
温度:40℃
検出:UV=228nm
溶媒:A=0.05% トリフルオロ酢酸水溶液、B=0.05% トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液
グラジェントプログラム:
A/B=70/30→10/90(20min)、A/B=10/90(10min)、A/B=10/90→70/30(1min)、A/B=70/30(9min)
6−ジンゲロールの溶出時間:11.9分
6−ショウガオールの溶出時間:16.0分
4.結果
未処理および各温度において亜臨界水処理を行った生ショウガ搾り粕中に含まれる6−ジンゲロールと6−ショウガオールの定量値を図2に示す。なお、図では、亜臨界水処理をしていないジンゲロール含有物(未処理)における6−ジンゲロールと6−ショウガオールの定量値の総量を1としたときの、それぞれの相対値を示している。
生ショウガ搾り粕中に含まれる6−ショウガオール量は、亜臨界水処理温度が高くなるにつれて増加した。特に、120℃で亜臨界水処理を行うことで生ショウガ搾り粕中に含まれる6−ショウガオールの量を7倍に富化させることができた。
未処理および各温度において亜臨界水処理を行った生ショウガ搾り粕中に含まれる6−ジンゲロールと6−ショウガオールの割合を表1に示す。なお、表では、各温度における6−ジンゲロールと6−ショウガオールの総量を100%としたときの、それぞれの割合を示している。
180℃で亜臨界水処理を行うことで、6−ジンゲロールよりも6−ショウガオールの量を多くさせることができた。
<試験例2>
1.ジンゲロール含有物
生ショウガ(西村青果株式会社)を、ミキサーを使って粉砕して生ショウガ粉砕物(固形分含量9.6%)とし、これを試験に供した。
2.亜臨界水処理
生ショウガ粉砕物50gと純水950gを圧力容器に入れ、バッチ式亜臨界処理装置により亜臨界水処理を行った。亜臨界水の最高温度は180℃に設定し、初期圧力は3MPaとした。加熱用ヒーターにより圧力容器を加熱し、亜臨界水の温度が180℃に達した後、この温度で0分,10分,20分,30分保持し、さらにその後圧力容器ごと冷却水に浸し急冷した。十分冷却したのち、圧力容器内の生ショウガ粉砕物を含む処理物を取り出した。
試験例1と同様に、処理物の6−ジンゲロール、6−ショウガオール含有量を測定した。
3.結果
未処理および各保持時間で亜臨界水処理を行った生ショウガ粉砕物中に含まれる6−ジンゲロール及び6−ショウガオールの定量値を図3に示す。また、その割合を表2に示す。
亜臨界水処理において、最高温度180℃での保持時間を長くするにつれ、生ショウガ粉砕物中に含まれる6−ショウガオールの量を更に富化させることができた。
<試験例3>
1.ジンゲロール含有物
市販の乾燥ショウガ(西村青果株式会社)をミキサーで粉砕し、その粉砕末125gに50%含水エタノールを1L加えた。超音波(アズワン株式会社 超音波洗浄器 UTー306)を20分間照射した後、吸引ろ過により固液分離を行った。このろ液をエバポレーターにより減圧濃縮してエタノールを除去した。これによって得られた濃縮水溶液(固形分含量3.56%)をショウガ抽出エキスとし、これを試験に供した。
2.亜臨界水処理
ショウガ抽出エキス68.815gと純水931.185gを圧力容器に入れ、バッチ式亜臨界処理装置により亜臨界水処理を行った。亜臨界水の最高温度は180℃に設定し、初期圧力は3MPaとした。加熱用ヒーターにより圧力容器を加熱し、亜臨界水の温度が180℃に達した後、この温度で30分保持し、さらにその後圧力容器ごと冷却水に浸し急冷した。十分冷却したのち、圧力容器内のショウガ抽出エキスを含む処理物を取り出した。
試験例1と同様に、処理物の6−ジンゲロール、6−ショウガオール含有量を測定した。
3.結果
未処理および180℃・保持時間30分で亜臨界水処理を行ったショウガ抽出エキス中に含まれる6−ジンゲロール及び6−ショウガオールの定量値を図4に示す。また、その割合を表3に示す。
最高温度を180℃とし、この温度での保持時間を30分とした場合、ショウガ抽出エキス中に含まれる6−ショウガオールの量を更に富化させることができた。
1 圧力容器
2 加熱用ヒーター
3 窒素ガス注入ライン
4 攪拌機
5 温度計
6 冷却水槽

Claims (5)

  1. ショウガ粉砕物、ショウガ搾り汁、及びショウガ搾り粕からなる群から選ばれた1種又は2種以上の抽出エキスからなるジンゲロール含有物を、圧力1〜10MPa、温度120〜250℃の亜臨界水で処理することを特徴とするショウガオール含有組成物の製造方法。
  2. 前記ジンゲロール含有物を固形分含量0.1〜50.0質量%の含水物となるように水分調整して、前記亜臨界水による処理を行う、請求項1に記載のショウガオール含有組成物の製造方法。
  3. 120〜250℃の温度範囲まで昇温した後、該温度範囲で10秒〜60分保持する、請求項1又は2に記載のショウガオール含有組成物の製造方法。
  4. 前記抽出エキスの抽出溶媒が、有機溶媒、水、又は水と有機溶媒の混合溶媒である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のショウガオール含有組成物の製造方法。
  5. 前記有機溶媒が、メタノール、エタノール、酢酸エチル、アセトン、ヘキサンから選ばれたものである、請求項4に記載のショウガオール含有組成物の製造方法。
JP2016236123A 2016-12-05 2016-12-05 ショウガオール含有組成物の製造方法 Active JP6240300B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016236123A JP6240300B1 (ja) 2016-12-05 2016-12-05 ショウガオール含有組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016236123A JP6240300B1 (ja) 2016-12-05 2016-12-05 ショウガオール含有組成物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6240300B1 true JP6240300B1 (ja) 2017-11-29
JP2018088878A JP2018088878A (ja) 2018-06-14

Family

ID=60477142

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016236123A Active JP6240300B1 (ja) 2016-12-05 2016-12-05 ショウガオール含有組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6240300B1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7507015B2 (ja) 2019-06-21 2024-06-27 三生医薬株式会社 唾液分泌促進用組成物及びその製造方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010034971A2 (en) * 2008-09-23 2010-04-01 Gary William Wheatley Sub-critical water extraction of medicinal plants

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010034971A2 (en) * 2008-09-23 2010-04-01 Gary William Wheatley Sub-critical water extraction of medicinal plants

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JOURNAL OF PHYSICS: CONFERENCE SERIES, 2014, 495(1), PP.1-6, JPN6017022498 *
SEPARATION AND PURIFICATION TECHNOLOGY, 2014, 124, PP.141-147, JPN6017022495 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018088878A (ja) 2018-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI469737B (zh) Can be processed into high green base of coffee beans method
JP5081388B2 (ja) ケルセチン含有組成物の製造方法
TWI604796B (zh) 苦茶油及其製備方法
JP2012249553A (ja) ショウガ加工物の製造方法
JP5969096B1 (ja) ショウガ加工物の製造方法
JP6945856B2 (ja) ショウガオール類が富化されたショウガ加工物を含有する組成物、及びショウガ加工物を抽出原料として得られる抽出物の製造方法
Velisdeh et al. Optimization of sequential microwave-ultrasound-assisted extraction for maximum recovery of quercetin and total flavonoids from red onion (Allium cepa L.) skin wastes
JPH0217145B2 (ja)
JP6240300B1 (ja) ショウガオール含有組成物の製造方法
JP6445992B2 (ja) ショウガオール類が富化されたショウガ加工物の製造方法およびショウガオール類の富化方法
JP7351510B2 (ja) トマトパウダー、トマトパウダーの製造方法、及びトマトパウダー抽出物の製造方法
CN104305234A (zh) 一种香辣鸡肉丁及其加工方法
JP2019108283A (ja) ショウガオール含有組成物の製造方法
KR101814731B1 (ko) 잣송이 추출물 및 잣기름 초임계 추출 방법
KR102287279B1 (ko) 고추 분말 제조방법 및 그 제조방법에 의해 제조된 고추 분말
KR101825434B1 (ko) 한방 육수를 이용한 국밥 및 그의 제조방법
JP6642923B2 (ja) 玉ネギエキスの製造方法及び当該方法で製造された玉ネギエキス
JP2001086931A (ja) ウコン含有食用油脂とその製造方法。
JP6890801B2 (ja) ショウガ加工品の製造方法
KR101946278B1 (ko) 터셔리부틸하이드로퀴논(tBHQ)을 처리하여 천연식이성 유황을 이용한 유황오리 진액 제조방법
KR101761998B1 (ko) 풋내가 제거된 생들깨 추출물의 제조 방법
CN105010615A (zh) 茵陈饮料
KR102641665B1 (ko) 유해 성분이 저감된 식용 기름 제조 방법
KR102725779B1 (ko) 햄프씨드유박을 이용하여 항 콜레스테롤 효과를 증진시킨 곱창 제조방법 및 곱창
JP5529353B1 (ja) ニンニク卵黄組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170519

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20170519

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20170601

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170627

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170828

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170828

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171003

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6240300

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250