JP2001086931A - ウコン含有食用油脂とその製造方法。 - Google Patents

ウコン含有食用油脂とその製造方法。

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 原料ウコンから腸に吸収されやすい有効成分
を生成させることと、ウコンのクルクミン及び精油等の
油溶性成分を食用油脂中に溶出させて腸に吸収されやす
くすることと、ウコン特有の異臭と苦みを除いて得られ
たウコン含有食用油脂の提供を目的とする。 【構成】 ウコンに水の存在下遠赤外線を照射した後乾
燥させたウコンの一種又は数種を混ぜ合わせた混合物を
食用油脂に浸漬し、さらに遠赤外線を照射して油溶性成
分を溶出させたウコン含有食用油脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウコン含有食用油
脂とその製造方法、特に、ウコンのクルクミン及び精油
等の油溶性成分を食用油脂中に溶出させて腸に吸収され
易くすると共に、ウコン特有の異臭と苦みを除去したウ
コン含有食用油脂及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、薬草ウコンは根茎部を煎薬と
して土瓶で煎じて服用していた。土瓶で煎じるには適量
の水にスライスした乾燥ウコンを数つまみ加えて煮沸
し、30分〜1時間水が半分になるまで徐々に煮詰めて
から濾して服用するのが一般的であった。また、生ウコ
ンの根茎部をおろし金でワサビのようにすりおろしたも
のを水で服用していた。また、ウコンを焼酎や泡盛など
に漬けてウコン酒として飲酒することも一部の愛好者間
では好まれている。
【0003】最近では手軽さを求めて原料ウコンを熱風
で乾燥させて粉末化し、粉剤あるいは錠剤の形にして市
販され、水で服用するのが一般的な利用方法である。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、従来の
ウコンの利用方法には次のような欠点、問題点があっ
た。 1、前記土瓶で煎じるのは手間も時間もかかり面倒であ
ること。 2、おろし金ですりおろした生のウコンは特有な異臭と
苦みがあり飲みにくいばかりでなく、後記する理由によ
ってクルクミンおよび精油等の油溶性成分が腸に吸収さ
れ難いこと。 3、ウコン酒には、クルクミンおよび精油等の腸に吸収
されやすい油溶性成分の他に異臭成分と苦み成分も溶出
しているので特有な異臭と苦みがあり飲み難いこと。 4、錠剤に加工した場合は比較的使用しやすいが、後に
述べる理由によって薬効成分が腸に吸収され難いこと。 5、粉剤はすりおろした生ウコン同様に特有の異臭と苦
みがあり飲み難いばかりでなく、油溶性の薬効成分が腸
に吸収され難いこと。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の欠点と問題点につ
いてさらに説明すると、ウコンの成分は、主としてクル
クミンと精油、又はまとめて精油成分と称される油溶性
成分と、異臭成分と苦み成分に代表される水溶性成分と
からなっている。これら油溶性成分はエタノール、油脂
には溶けるが水には溶けない。また、異臭成分の一部と
苦み成分などの水溶性成分は酒類、水には溶けるが油脂
には溶けない。
【0006】前記粉剤、錠剤またはすりおろした生のウ
コンを水で服用した場合、油溶性成分は、ウコンの粉末
に閉じ込められたまま、腸から吸収されずに大部分は体
外に排泄される等の多くの課題が残っていた。
【0007】また、本来、土瓶で煎じて有効成分を生成
させてから、生成された有効成分とクルクミン及び精油
との混合によって相乗効果を上げて服用すべきウコン
を、煎じの工程を省き、乾燥して粉末化しているだけの
前記粉剤や錠剤は有効成分が生成されていないのでクル
クミン及び精油との相乗効果が期待できず、土瓶で煎じ
たものより効き目が低い。したがって、粉剤、錠剤また
はすりおろした生のウコンを水で服用しても、健康維持
・増進にウコンとしての薬効は少なかった。
【0008】また、ウコンを焼酎、泡盛等に漬け込んだ
ウコン酒にはエタノールによって油溶性成分が十分に溶
出しているため、クルクミン及び精油等の油溶性成分が
腸から吸収され易い。さらに、ウコン特有の異臭成分や
苦み成分は水溶性であるため、エタノールと水との混合
物である酒には異臭成分と苦み成分が油溶性成分と共に
溶け出している。このためウコン酒に特有な異臭と苦み
を与えることになって、ウコン酒の飲み難い欠点となっ
ている。
【0009】本発明者は、上記の点に鑑みウコンのクル
クミンと精油などの油溶性成分を食用油脂に溶出させる
ことにより、油溶性成分を腸に吸収され易くすると共
に、ウコンを食用油脂に浸漬することによって、ウコン
の異臭成分や苦み成分を食用油脂に溶出させずに油溶性
成分のみを選択的に溶出させて、食用油脂から異臭成分
や苦み成分を排除することに成功した。
【0010】また、ウコンに水の存在下、遠赤外線を照
射すれば有効成分を生成する事ができることから、ウコ
ンを予め水に浸して水分を含ませた後、ウコンに遠赤外
線を照射して有効成分を新たに生成させる。それから前
記処理を施したウコンを食用油脂に浸漬して、ウコン中
に本来存在するクルクミン及び精油と共に新たに生成さ
れた油溶性の成分も一緒に溶出させることに着目した。
【0011】さらにまた、クルクミン及び精油等の油溶
性成分を溶出させて、異臭と苦みを取り除いた食用油脂
を通常の方法で料理に使用するだけで、クルクミン及び
精油等の薬効成分を日常的に無理なく確実に摂取できる
優れたウコン製品を作る事を目的に鋭意研究の結果、本
発明を完成するに至ったものである。
【0012】前記クルクミンと精油は食用油脂に溶ける
が、ウコンから容易に溶出できるわけではない。そこ
で、ウコンの油溶性成分を食用油脂に溶出させる方法と
して、ウコンを食用油脂に浸漬して80〜120℃程度
に加熱する方法。また、ウコンを浸漬した食用油脂を加
熱、加圧してウコンの油溶性成分を短時間に溶出させる
と共に精油の揮発を抑制する方法。また、ウコンを浸漬
した食用油脂を20〜35℃程度の温度で数十日間放置
する方法。また、袋に入れたウコンに食用油脂を加え、
木製の棒で袋を打ちつけてウコンの成分を溶出させる方
法。また、ウコンを浸漬した食用油脂に超音波を当てて
ウコンの成分を溶出させる方法。また、ウコンを浸漬し
た食用油脂に遠赤外線を照射することによって、前記数
十日間放置する方法に比べて成分を溶出する時間を1〜
数日に大幅に短縮する方法。あるいは、ウコンを浸漬し
た食用油脂に前記遠赤外線を照射する方法と超音波を当
てる方法を組み合わせる方法などがある。
【0013】いずれの溶出方法を用いてウコンの成分を
溶出してもよいが、ウコンを浸漬した食用油脂に遠赤外
線を照射する方法によって処理すれば、1〜数日の短時
間で溶出できるのと、35〜70℃程度の温度で溶出で
きるので薬効成分若しくは有効成分の揮発と分解を抑制
することができて好ましい製品を得ることができる。照
射する時間は、より長いほうが成分を十分に溶出させる
には有利な条件であるが、経済的な効率から見れば1〜
数日程度が好ましい。
【0014】また、食用油脂に溶出させる以外の処理方
法で予め油溶性成分をウコンから抽出分離しておき、そ
の後分離された油溶性成分を食用油脂に加えればウコン
の油溶性成分を含有するウコン含有食用油脂を得ること
ができる。ウコンから異臭成分と苦み成分を除いたクル
クミンのみを抽出分離する技術については、特開平6−
9479に開示されている。
【0015】前記技術などによってウコンから抽出分離
された油溶性成分はかなりの高濃度に食用油脂に溶解す
ることができる。油溶性成分が高濃度に溶解しているウ
コン含有食用油脂は、濃度を適度に薄めて料理用の食用
油脂として使用する他、カプセルに封入してカプセル剤
として使用することができる。また、ウコン成分のクル
クミンはサフラン様の鮮やかな黄色を呈する染料の一種
である。ウコン含有食用油脂を料理に使用することによ
って料理を黄色に着色させ、料理に高級感を持たせるこ
とが出来る。
【0016】食用油脂に浸漬するウコンは、前処理とし
て十分に乾燥させた後、微粉砕することにより表面積が
大きくなって溶出しやすくなる。
【0017】本発明で使用する食用油脂は、例えばオリ
ーブ油、ゴマ油、落花生油、菜種油、コーン油、大豆油
などの植物性油、若しくはラード、牛脂、魚油のスクア
レン、DHAなどの動物性油脂である。これらの油脂は
単品若しくは数種を混合してもよく、使用する料理の素
材、料理人の好みに応じて使い分ける事ができる。健康
維持・増進によいとされるオリーブ油、ゴマ油、大豆油
などの植物性油が好ましい。さらに、一種の食用油脂例
えばオリーブ油に予めウコンの油溶性成分を溶出させて
おき、このウコン含有食用油脂を他の例えばウコンを含
有しないスクアレン等の食用油脂に混合して、好みに応
じた製品を得ることが出来る。
【0018】土瓶煎じと同等あるいはそれ以上の有効成
分を生成させるには、原料ウコンを水に浸して幾らか水
分を含ませた上、水の存在下遠赤外線を照射して、その
後乾燥すれば有効成分が十分に包含された乾燥ウコンを
容易に得ることができる。
【0019】本発明で使用するウコンとは、ショウガ科
に属するクルクマ属の仲間で、世界中で約50種が認め
られている。高温多湿を好みアジア・アフリカ・インド
・中南米の各大陸の熱帯から亜熱帯にかけて広く自生分
布し、又栽培されている。日本では沖縄県・鹿児島県が
主な産地となっている。日本で栽培されているウコンと
総称されている仲間で特になじみの深いのがウコン(学
名:Curucuma longa)、キョウオウ(学
名:Curucuma aromatica)、ガジュ
ツ(学名:Curucuma zedoaria)の三
つである。
【0020】公知資料によれば、ウコンはその根茎部の
粉末をカレー料理に、またタクアンの黄色の染料、化粧
品、薬品、健康食品などに幅広く使用されている。特に
肝臓病、糖尿病、高血圧などの生活習慣病に薬効がある
として日本をはじめアメリカでも研究が進められてい
る。ウコンの成分、薬効については次の資料に開示され
ている。「自然薬草ウコンの克力」 尾崎寿著 現代書
林。
【0021】ウコン(Curucuma longa)
(以下紛らわしいので俗称秋ウコンという)には、クル
クミンが約3.6%、精油が1〜6%含まれている。ま
た、キョウオウ(以下春ウコンという)には、クルクミ
ンが約0.3%、精油が約6%含まれている。また、ガ
ジュツ(以下紫ウコンという)には、クルクミンが0
%、精油が1〜1.5%含まれている。また、ミヤンマ
ーで自生しているウコンの仲間には、クルクミンが約
9.7%、精油が約7.22%も含まれているとのデー
タもある。以上の如く、同じクルクマ属といっても成分
的にはかなりの違いがみられる。
【0022】クルクミン及び精油に代表されるウコンの
成分の中には性質の異なる多種類の成分が含まれてお
り、一説には4000〜5000もの成分が含まれてい
るとの研究もある。クルクミンも精油も共に健康増進に
効果があるのは公知であるが、秋ウコン、春ウコン、紫
ウコン等に含有される成分はそれぞれ異なる薬理効果を
有するので、ウコンをそれぞれ単独で使用するよりも所
要の分量のウコンを一緒に混ぜて使用したほうが、含ま
れる成分同士の相互作用によって、より効き目が大きい
結果を得る事ができるとの医学的な報告がある。
【0023】数種のウコンの油溶性成分を食用油脂に含
有させるために、秋ウコン、春ウコン、紫ウコンなどの
数種類のウコンを予め混ぜ合わせたものを食用油脂に浸
漬して溶出させる方法の他、前記ウコンのそれぞれを単
独に食用油脂に浸漬して、それぞれの成分のみを含有す
るウコン含有食用油脂を生産しておき、その後、得られ
たそれぞれの生産物の所要量を混合して最終製品を製造
するのが好ましい方法である。この方法はハーブ、生薬
などをウコンに加える場合についても同様である。
【0024】さらに、ウコンに例えば朝鮮人参、田七人
参などの生薬を加えて溶出させることによって、ウコン
の薬効と共に加えた生薬の薬効が相乗的に作用してより
よい効果を生じさせることができる。
【0025】また、特開平8−214825によれば、
ウコンを乳酸菌醗酵させることによって、ウコンから苦
みを除くことができる。この方法は、乾燥させて粉砕し
たウコンの根茎に精穀残渣及び糖類を加え、これに乳酸
菌を培養基として加えて醗酵させた後加熱乾燥して苦み
を除いたウコンを得る。この醗酵させたウコンは、通称
発酵ウコンとしてティーパックにして湯を注ぎお茶とし
て愛飲されている。しかしながら、本発明に詳しく記述
されているように醗酵処理によってもウコン中のクルク
ミンや精油などの油溶性成分は湯水に溶出されることは
ない。湯水に溶出されるのは、水溶性成分のみである。
そのため、醗酵処理されたウコンのクルクミンや精油の
大部分は体外に排泄され、腸に吸収されることは少な
い。そこで、醗酵処理されたウコンを本発明に基づいて
処理すれば、クルクミンや精油と共に醗酵によって新た
に生成された薬効のある油溶性成分も一緒になって食用
油脂中に溶出されることとなり、効果の大きいウコン含
有食用油脂を得ることができる。
【0026】本発明における生薬とは、例えば朝鮮人
参、五加皮、ツルドクダミ、ネズミモチ、五味、杜仲、
大棗、 天麻、生姜、田七人参などの漢方生薬。さらに
例えばクコ、椎茸、アガリスク茸、プロポリスなどのよ
うな健康食品と称されているものの他、ハーブ類、若し
くは以上のものに限らず油溶性の薬効成分を含む薬草を
指す。
【0027】ウコンに遠赤外線を照射すればウコンから
有効成分が生成するのは、前記の土瓶煎じと同じ理由に
よるものである。すなわち、一般的に煎じとは、薬草若
しくは生薬を入れた土瓶に適量の水を加え煮沸して水が
半分になるまで約30〜60分煮詰めることである。こ
の時加熱された土瓶から遠赤外線が放射され、特に4〜
14ミクロン波長程度の遠赤外線を生薬若しくは薬草中
の有機高分子物質に特異的に作用させることにより、前
記高分子物質の一部を腸から吸収されやすい分子量50
00以下の低分子にまで分解させること、さらに高分子
物質の低分子化にともない抗酸化物質の新たなる生成
と、薬効成分の活性化が知られている。遠赤外線を高分
子物質に照射することによって高分子物質が低分子にま
で分解され、さらに薬効成分が活性化されることは、以
下の資料に開示されている。「食品工業」第35巻、1
992年、P42〜54,丹羽靭負著、光琳。特許公報
平05−19531。
【0028】また、水の存在下、薬草若しくは生薬に遠
赤外線を照射することにより、腸に吸収されやすい有効
成分が生成されて薬効をより高める効果のあることは、
前記「食品工業」第35巻の49ページに、水分を含ん
だ生の漢方生薬を焙煎することにより効果が大きく増強
したことが記述されている。ちなみに焙煎とは100〜
200℃程度に加熱した土鍋から遠赤外線を放射させて
穀類などを炒ることであり、記述されている生の生薬を
焙煎することは、水を含んだ生薬に遠赤外線を照射する
ことである。これは煎じることと同じ原理である。前記
原理を利用して、薬草に水の存在下、遠赤外線を照射し
て薬草から抗酸化物質を生成させる技術は、本発明者が
平成10年11月5日に出願した特願平10−3142
29に開示されている。
【0029】食用油脂に浸漬する乾燥ウコンの量はウコ
ンに含まれる薬効成分の含有量と目的とする溶出濃度に
よって選択される。一般的には食用油脂1000mlに
対し乾燥ウコン20〜200g程度であるが、料理にそ
のまま使用するには5〜30g程度が好ましい。また、
目的とする料理によって、ウコンの成分が高濃度に溶出
されたウコン含有食用油脂を所要の濃度に薄めて使用し
ても何ら差し支えない。さらに、ウコン含有食用油脂に
香味を付けるためにウコンと共に食用のハーブ等を浸漬
するとにより好ましい香味の付いた生産物を得ることが
できる。ハーブ等の浸漬はウコンの油溶性成分の溶出に
何ら影響を及ぼすものではない。
【0030】食用油脂に香辛料および又は香味野菜を浸
漬し、遠赤外線を照射して香辛料成分や香味成分を溶出
する技術に関しては、特開平5−316989に開示さ
れている。この資料の発明は、香辛料および又は香味野
菜に物理的、化学的、微生物的な処理を何ら施さないで
食用油脂に浸漬した後、食用油脂に遠赤外線を照射して
熟成させると共に、短時間(4〜24時間)で香味油を
製造する技術である。
【0031】しかしながら、本発明は、ウコンを食用油
脂に浸漬する前に、ウコンに予め遠赤外線を照射してウ
コンから腸に吸収されやすい抗酸化物質等の有効成分を
新たに生成させた後で食用油脂に浸漬し、その後食用油
脂に遠赤外線を照射してウコンの油溶性成分と共に有効
成分を溶出するなど、単にウコンの成分として天然に存
在している物以上の有効成分の生成と溶出を実現してい
る。また、ウコンの異臭成分と苦み成分が水溶性であ
り、食用油脂で油溶性成分を溶出する段階で油溶性成分
のみを選択的に溶出させ、異臭成分と苦み成分を食用油
脂から排除できる事を発見し本発明に至っており、前記
特開平5−316989とは目的、方法、生産物が異な
るものである。
【0032】本発明によって、ウコンの油溶性成分を溶
出した後の滓には異臭成分や苦み成分を含む多種類の水
溶性成分が含まれており、これらの水溶性成分も又、胃
腸病などに効く薬効成分であると考えられている。そこ
で、前記滓を水蒸気蒸留などによって滓から水溶性成分
を分離して、新たな薬剤として利用することができる。
【0033】
【実施例1】スライスして乾燥した秋ウコン約100g
を約20分間水に浸して得た原料ウコンに遠赤外線ヒー
ター(セラコンポ・ヒーター)で50cmの距離から約
24時間、遠赤外線を照射した後、熱風で乾燥させて秋
ウコン得た。次に、春ウコン、紫ウコン、ミャンマー産
ウコンを、前記秋ウコンと同じように処理して乾燥させ
た春ウコン、紫ウコン、ミャンマー産ウコンをそれぞれ
得た。
【0034】得られた乾燥ウコンの各々を紛砕機にかけ
て微粉砕した秋ウコン30g、春ウコン30g、紫ウコ
ン30g、ミャンマー産ウコン30gを混合した後、前
記混合物120gをステンレス容器に入れた1000m
lのオリーブ油に浸漬した。その後、オリーブ油に前記
遠赤外線ヒーターで50cmの距離から約48時間、遠
赤外線を照射してウコンの油溶性成分を溶出させた。次
に前記ウコンの微粒子が混濁したオリーブ油を濾過して
透明なウコン含有オリーブ油を得た。遠赤外線を照射し
たオリーブ油の温度が上がり過ぎない様に風を送って約
70℃に調節した。その間オリーブ油を攪拌した。
【0035】
【実施例2】実施例1と同じ方法で得られた秋ウコン3
0g、春ウコン30g、紫ウコン30g、ミャンマー産
ウコン30gの粉末を混合した後、前記混合物120g
をステンレス容器に入れた1000mlのオリーブ油に
浸漬した。前記ステンレス容器を25〜32℃の室内に
約45日間放置した後、濾過して透明なウコン含有オリ
ーブ油を得た。その間オリーブ油を時々攪拌した。
【0036】
【実施例3】特開平8−214825に開示された方法
によって醗酵された醗酵ウコン120gをステンレス容
器に入れた1000mlのオリーブ油に浸漬した。その
後、実施例1と同じ方法で、オリーブ油に前記遠赤外線
ヒーターで50cmの距離から約48時間、遠赤外線を
照射してオリーブ油にウコンの油溶性成分を溶出させ
た。次に前記ウコンの微粒子が混濁したオリーブ油を濾
過して透明なウコン含有オリーブ油を得た。遠赤外線を
照射したオリーブ油の温度が上がり過ぎない様に風を送
って約70℃に調節した。その間オリーブ油を攪拌し
た。
【0037】
【実施例4】実施例1,2,3で使用したオリーブ油に
換えて、ゴマ油、大豆油、コーン油、菜種油でそれぞれ
ウコン含有食用油脂の製造実験を行ったが、結果は、実
施例1,2,3で得られた結果と同じであった。
【0038】
【発明の効果】実施例1,2、3で得られたウコン含有
オリーブ油は、クルクミン及び精油を十分に溶出してク
ルクミン特有の黄緑色を呈しやや粘性があり、ウコン特
有のほのかな香りを有した。しかし、すりおろした生の
ウコンやウコン酒のような特有な異臭や苦みはなかっ
た。得られたウコン含有オリーブ油を料理に使用した
が、焼そば、野菜炒め、焼き肉、汁もの等に、さらには
サラダにかけて普通のオリーブ油と同じように使用でき
た。得られた料理はそれぞれ黄緑色に薄く着色し、食欲
をそそると共に薬効成分がたっぷりと摂取できることを
実感した。料理にはウコン特有の異臭や苦みは無かっ
た。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウコンの根茎から溶出したウコン油溶性
    成分を食用油脂に含有してなることを特徴とするウコン
    含有食用油脂。
  2. 【請求項2】 前記ウコン油溶性成分が、ウコンの異臭
    成分や苦み成分を除いたものである請求項1記載のウコ
    ン含有食用油脂。
  3. 【請求項3】 前記ウコンがウコン属(クルクマ属)の
    ウコン、キョウオウ、ガジュツから選ばれる1又は複数
    の混合物である請求項1又は2記載のウコン含有食用油
    脂。
  4. 【請求項4】 前記ウコン含有食用油脂に、さらに他の
    一種又は複数種の薬草の油溶性成分を含有させてなる請
    求項1又は2記載のウコン含有食用油脂。
  5. 【請求項5】 ウコンを食用油脂に浸漬することによ
    り、ウコン中に存在する油溶性成分を選択的に食用油脂
    中に溶出させることを特徴とするウコン含有食用油脂の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 ウコンを食用油脂に浸漬した状態で遠赤
    外線を照射してウコンから油溶性成分を溶出させる請求
    項5記載のウコン含有食用油脂の製造方法。
  7. 【請求項7】 ウコンを食用油脂に浸漬した状態で超音
    波を当ててウコンから油溶性成分を溶出させる請求項5
    又は6記載のウコン含有食用油脂の製造方法。
  8. 【請求項8】 ウコンに遠赤外線を照射した後、該ウコ
    ンを食用油脂に浸漬する請求項5、6又は7記載のウコ
    ン含有食用油脂の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記ウコンが、ウコン根茎の乾燥粉末で
    ある請求項5、6又は7記載のウコン含有食用油脂の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 前記ウコンがウコン根茎を醗酵処理し
    た醗酵ウコンである請求項5、6又は7記載のウコン含
    有食用油脂の製造方法。
  11. 【請求項11】 ウコンと共にウコン以外の一種又は複
    数種の薬草を浸漬して、ウコンの油溶性成分と共に前記
    薬草の油溶性成分を食用油脂に溶出させる請求項5、6
    又は7記載のウコン含有食用油脂の製造方法。
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