JP6233592B2 - バックル取外装置 - Google Patents
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Description
また自動車では、使い勝手の向上のためにシートの側方(車幅方向)には、コンソールボックス(本願の車両内装部品に相当)が据え付けられているものがある。その中には、バックル位置を越える高さ寸法をもつコンソールボックスが用いられることもある。
バックルが挟まれた場合、バックルには、大きな荷重が加わるため、バックルが変形したり破損したりするおそれがある。このような事態が生じると、バックルからタングが取り外し難くなる。
そこで、本発明の目的は、シートベルトによる乗員の保持が確保されつつ、バックルがシートと車両内装部品間に挟まれ、タングが外し難くなる場合に、外部操作によりバックルが外せるようにしたバックル取外装置を提供する。
好ましくは、押し機構部は、操作部と、支持軸の端面と対向する車両内装部品の外面部分に設けられた押圧子と、操作部からの操作により、押圧子を車両内装部品から突き出す駆動機構部とを有するものとした(請求項3)。
図1は本発明を適用した車両(例えば自動車)の一部を示していて、図1中1は、車室内を示している。車室内1は、ドア(図示しない)やセンタピラー3など形成される内壁
部、フロア部材5、ルーフ部材(図示しない)などで囲まれる空間で形成される。
この車室内1のフロア面には、車幅方向両側にそれぞれシート7,9が据え付けられている。ちなみにシート7,9は、いずれも例えば左右一対のシートレール11及び枠形のシートフレーム13を介してフロア部材5に据付けられるシートクッション15と、同シートクッション15に組み付くシートバック17とを有して構成される。
各シート7,9には、それぞれシートベルト装置21が装備されている。シートベルト装置21は、例えばセンタピラー3の下段側に配置したリトラクタ23、シート7,9とコンソールボックス19との間にそれぞれ配置したバックル25とを有している。ちなみにコンソールボックス19は、車両側面視において、シート7,9やバックル25の位置よりも高く、シート7,9やバックル25と重畳(オーバラップ)している。
例えば図3に示されるように支持構造部42は、短軸の軸部材で構成されるバックル支持軸46(本願の支持軸に相当)を有する。このバックル支持軸46は、シートフレーム13のコンソールボックス19側の縦壁部13aの長手方向と直交または略直交する方向に挿通可能に挿通されている。そして、バックル支持軸46の先端側を縦壁部13aからコンソールボックス19(車幅方向)へ突出させている。このバックル支持軸46の、一端側となる基端部(シートフレーム13側)の同一外周面には、複数の突没可能な支持軸用の係止爪48(軸係止部)が設けられている。係止爪48は、斜辺48aをバックル支持軸46の基端側に配置した三角形状の部材から構成される。これら係止爪48によりバックル支持軸46は、シート7方向へは変位するが、コンソールボックス19方向へは規制される。つまり、バックル支持軸46の基端部を、シートフレーム13に挿通可能に支持している。また縦壁部13aには、縦壁部13aの内側に配置された係止爪48を覆うよう環状の係止解除具50が設けられている。係止解除具50の内周面には、係止爪48の斜辺48aと向き合う斜めの斜辺50aが形成されている。これにより、係止爪48は、バックル支持軸46がシート7側へ変位し、シート7側に向く斜辺48aが、同じ向きの斜辺50aと当接すると、バックル支持軸46の外周面に押し込められる構造となっている。ちなみに係止解除具50の端部には、縦壁部13aを貫通して、縦壁部13aの外側へ突き出てステー部材26近傍まで延びるバックル支持軸46と平行または略平行な複数の位置決め突起50bが形成されている。
そして、解除ボタン62と押圧子66との間が駆動機構部、ここでは本体部19bの壁部内部に収められたリンク機構68(大小複数のリンク68a,68bを組合わせて構成)で連結され、解除ボタン62を押すと、待機位置に有る押圧子66が少なくともステー部材26の孔部26aを通過する程度に突き出されるようにしている。この押圧子66は、リンク機構68の設定により、解除ボタン62が押操作されると、押圧子66の車両幅方向外側の面と没入ガイド57内のバックル支持軸46端の面が、面接触しながら当接して、ステー部材26から外れるまで押し出される。
この点を図4および図5を参照して詳細に説明すると、例えば図1に示されるように車両側部で衝突が発生したとする(側面衝突)。
このときには、タング33が外し難いので、例えば乗員αの脱出を助ける人の手を借り、図4および図5(b)に示されるようにコンソールボックス19の蓋部19aを開き、露出する解除ボタン62を押操作する。これにより、押操作力は、リンク機構68を介して押圧子66へ伝わり、押圧子66を突出させる。
これにより、ステー部材26とともにタング33が締結された状態のままバックル25は、シート7から外れる。つまり、乗員αは、シートベルト27による保持から開放される。
しかも、ステー部材26の係止には、突没可能な係止爪53(係止部)を用いたり、同係止爪53の係止解除には、コンソールボックス19に設けた没入ガイド57(没入ガイド部)を用いて、バックル25がコンソールボックス19へ接近するにしたがい係止爪53を没入させる構造を用いたので、支持構造部42は、簡単な構造ですむ。
もちろん、バックル25の取外しは、乗員自体が操作することも可能であり、乗員以外、例えば救助者が操作することも可能である。
本実施形態は、第1の実施形態の変形例で、ステー部材26が不用意にバックル支持軸46から外れることがないよう、ステー部材26の側部に、係止爪53の周囲を覆い隠すようバックル支持軸46の周りを囲う環状のガード部材70を設けたものである。むろん、ガード部材70は、没入ガイド57の外周面に挿脱可能な外径寸法に設定されていて、係止爪53の動きに影響を与えることはない。
好ましくは、図6中の一点鎖線に示されるように環状のガード部材70の車両幅方向内側の端部に、同端部から径方向に向けてバックル支持軸46と重ならない長さを有し、かつ没入ガイド57の外周面と当接した場合に阻害することなく曲がる、ゴムなどの弾性体の環状のガード部材片部70aを設けることにより、一層、外部から係止爪53が触れ難くなる。
なお、上述した実施形態における各構成およびそれの組合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能であることはいうまでもない。また本発明は、実施形態によって限定されることはなく、「特許請求の範囲」によってのみ限定されることはいうまでもない。例えば上述した実施形態では、係止爪、没入ガイド、リンク機構、コンソールボックスなどを用いたが、他の部品や他の電気的なアクチュエータを用いても構わない。
7 シート
19 コンソールボックス(車両内装部品)
25 バックル
26 ステー部材
40 バックル取外装置
42 支持構造部
44 取外機構部
46 バックル支持軸(支持軸)
53 係止爪(係止部)
57 没入ガイド(没入ガイド部、係止解除部)
60 押し機構(押し機構部)
62 解除ボタン(操作部)
66 押圧子
68 リンク機構(駆動機構部)
Claims (4)
- 車室内に設けられたシートと、
前記シートと車幅方向に並んで配置された車両内装部品と、
前記シートと前記車両内装部品との間に配置されるシートベルトのバックルおよび同バックルと一体なステー部材と、
前記ステー部材を前記シートのシートフレームに取外し可能に支持する支持構造部と、
前記バックルを取外す取外機構部と、
を備え、
前記支持構造部は、
一端側が前記シートフレームに挿通可能に支持され、他端側が前記ステー部材に挿通可能に挿通される支持軸と、
前記ステー部材を前記支持軸に係止する係止部と、
側面衝突時におけるシート変位により、前記バックルが前記車両内装部品に接近するのに伴い、前記ステー部材の係止を解除する係止解除部と、
を有し、
前記取外機構部は、
前記バックルと前記車両内装部品が衝突した際に、外部操作により、前記支持軸を前記シート側へ押圧する押し機構部を有する、
ことを特徴とするバックル取外装置。 - 前記係止部は、前記支持軸の外周面に突没可能に設けられた係止爪を有し、
前記係止解除部は、前記係止爪を没入させる没入ガイド部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のバックル取外装置。 - 前記押し機構部は、
操作部と、
前記支持軸の端面と対向する前記車両内装部品の外面部分に設けられた押圧子と、
前記操作部からの操作により、前記押圧子を前記車両内装部品から突き出す駆動機構部と、
を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバックル取外装置。 - 前記ステー部材は、前記係止部の周囲を覆い隠すよう前記支持軸を囲う環状のガード部を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載のバックル取外装置。
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