JP6223257B2 - 車両用ブレーキシステム - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ブレーキシステムに関する。
例えば特許文献1には、摩擦ブレーキと回生ブレーキを併用する回生制動制御装置が記載されている。特許文献1に記載される回生制動制御装置は、運転者がブレーキ操作すると、摩擦ブレーキと回生ブレーキによって、運転者のブレーキ操作量に対応する制動力(要求制動力)を車両に発生するように構成されている。
国際公開番号WO2012/053609
特許文献1に開示される回生制動制御装置は、例えば回生トルクを発生するモータジェネレータが故障するなど、回生ブレーキの作動が不可能な状態になった場合には回生ブレーキが停止する。
回生ブレーキが停止すると、車両に発生する制動力が減少する。
このような制動力の減少を運転者が認知すると、運転者はブレーキ操作量を増やして制動力を増大する。この状態で、運転者の要求制動力を車両に発生させるために摩擦ブレーキによる制動力を増大させると、増えたブレーキ操作量に対応して生じる制動力が当初の要求制動力に上乗せされることになって、車両に過大な制動力が発生する。そして、過大な制動力が車両に発生すると、運転者はブレーキ操作量を減らして制動力を減少する。
このように、回生ブレーキの停止による制動力の減少を運転者が認知してブレーキ操作量を変化させると、車両に発生する制動力が変動してブレーキフィールが低下する。
そこで本発明は、制動時に電動ブレーキ手段が発生する摩擦制動力と回生ブレーキ手段が発生する回生制動力を併用するとともに、回生制動力が発生できない状態になったときのブレーキフィールの低下を軽減できる車両用ブレーキシステムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため本発明は、電動機で回転駆動される駆動輪を含んだ車輪を有する車両に備わり、電動ブレーキアクチュエータによって作動液に発生する作動圧をホィールシリンダに供給して摩擦制動力を前記車輪に付与する電動ブレーキ手段と、前記電動機で発生する回生制動力を前記駆動輪に付与する回生ブレーキ手段と、ブレーキ操作部が操作された制動時に、前記ブレーキ操作部の操作量に応じた要求制動力を算出するとともに、前記回生ブレーキ手段および前記電動ブレーキ手段に指令を与えて、前記摩擦制動力および前記回生制動力で前記要求制動力を前記車輪に付与する制御手段と、を有する車両用ブレーキシステムとする。そして、前記制御手段は、前記制動時に前記回生ブレーキ手段の異常を検出した後に、前記要求制動力に対する前記摩擦制動力と前記回生制動力の割合を変更するとともに、前記異常の検出から故障の確定までの確定時間に基づいて前記摩擦制動力を制御することを特徴とする。
この発明によると、制動時に回生制動力を発生する回生ブレーキ手段の異常を検出した場合、制御手段が、駆動輪に付与される回生制動力を低下するなどして、要求制動力に対する油圧制動力と回生制動力の割合を変化させるとともに、その異常を検出してから当該異常を発生させている故障を確定するまでの確定時間に基づいて摩擦制動力を制御(増大)する。例えば、確定時間が長い場合、回生制動力の付与が禁止されたことによる制動力の低下を運転者が認知して制動力を増大するようにブレーキ操作部を操作することもあるが、この場合に摩擦制動力を増大する速度を低くすると、確定時間の間に運転者がブレーキ操作部を操作したことによる過大な制動力の発生を抑制でき、ブレーキフィールの低下を軽減できる。
また本発明の前記制御手段は、前記確定時間が所定値を越えたとき、前記確定時間が前記所定値以下の場合よりも前記摩擦制動力を増大する速度を低くすることを特徴とする。
この発明によると、確定時間が長い場合には確定時間が短い場合よりも、摩擦制動力を増大する速度を低くすることができる。
また本発明の前記制御手段は、前記故障を確定してから前記摩擦制動力を増大することを特徴とする。
この発明によると、故障が確定されないときには、回生制動力を駆動輪に付与して、回生制動力と摩擦制動力で好適な制動力を車両に発生させることができるとともに、不確定な状態で回生制動力を低下させないため、燃費の悪化が回避される。
本発明によると、制動時に電動ブレーキ手段が発生する摩擦制動力と回生ブレーキ手段が発生する回生制動力を併用するとともに、回生制動力が発生できない状態になったときのブレーキフィールの低下を軽減できる車両用ブレーキシステムを提供できる。
車両用ブレーキシステムの概略構成図である。 (a)は駆動輪と非駆動輪に付与される摩擦制動力を示す図、(b)は駆動輪に回生制動力が付与された状態を示す図である。 (a)は回生制動力の発生が停止したときに急増する摩擦制動力の状態を示す図、(b)は回生制動力の状態を示す図、(c)は車両に発生する制動力を示す図である。 (a)は回生制動力の発生が停止したときに緩やかに増大する摩擦制動力の状態を示す図、(b)は回生制動力の発生が停止する状態を示す図、(c)は車両に発生する過大な制動力を示す図である。 制御手段が回生ブレーキ手段の異常を検出した場合に、制御手段が摩擦制動力を発生する手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用ブレーキシステムの概略構成図である。また、図2の(a)は駆動輪と非駆動輪に付与される摩擦制動力を示す図、(b)は駆動輪に回生制動力が付与された状態を示す図である。
図1に示す車両用ブレーキシステム10は、通常時用として、電気信号を伝達してブレーキを作動させるバイ・ワイヤ(By Wire)式のブレーキシステムと、フェイルセイフ時
用として、液圧(ブレーキ液圧)を伝達してブレーキを作動させる旧来の液圧式のブレーキシステムの双方を備えて構成される。
このため、図1に示すように、車両用ブレーキシステム10は、基本的に、運転者によってブレーキペダル12等のブレーキ操作部が操作されたときにその操作の入力に応じた液圧を、作動液であるブレーキ液に発生させる液圧発生装置(入力装置14)と、ブレーキペダル12が踏み込み操作されたときの操作量(ストローク)を計測するペダルストロークセンサStと、各車輪(右側前輪WFR,左側後輪WRL,右側後輪WRR,左側前輪WFL)のホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLに供給される作動圧(ブレーキ液圧)を作動液(ブレーキ液)に発生する電動ブレーキアクチュエータ(モータシリンダ装置16)と、車両挙動の安定化を支援する車両挙動安定化装置18(以下、VSA(ビークルスタビリティアシスト)装置18という、VSA;登録商標)とを別体として備えて構成されている。
これらの入力装置14、モータシリンダ装置16、及び、VSA装置18は、例えば、ホースやチューブ等の管材で形成された管路(液圧路)によって接続されているとともに、バイ・ワイヤ式のブレーキシステムとして、入力装置14とモータシリンダ装置16とは、図示しないハーネスで電気的に接続されている。
このうち、液圧路について説明すると、図1中(中央やや下)の連結点A1を基準として、入力装置14の接続ポート20aと連結点A1とが第1配管チューブ22aによって接続され、また、モータシリンダ装置16の出力ポート24aと連結点A1とが第2配管チューブ22bによって接続され、さらに、VSA装置18の導入ポート26aと連結点A1とが第3配管チューブ22cによって接続されている。
図1中の他の連結点A2を基準として、入力装置14の他の接続ポート20bと連結点A2とが第4配管チューブ22dによって接続され、また、モータシリンダ装置16の他の出力ポート24bと連結点A2とが第5配管チューブ22eによって接続され、さらに、VSA装置18の他の導入ポート26bと連結点A2とが第6配管チューブ22fによって接続されている。
VSA装置18には、複数の導出ポート28a〜28dが設けられる。第1導出ポート28aは、第7配管チューブ22gによって右側前輪WFRに設けられたディスクブレーキ機構30aのホィールシリンダ32FRと接続される。第2導出ポート28bは、第8配管チューブ22hによって左側後輪WRLに設けられたディスクブレーキ機構30bのホィールシリンダ32RLと接続される。第3導出ポート28cは、第9配管チューブ22iによって右側後輪WRRに設けられたディスクブレーキ機構30cのホィールシリンダ32RRと接続される。第4導出ポート28dは、第10配管チューブ22jによって左側前輪WFLに設けられたディスクブレーキ機構30dのホィールシリンダ32FLと接続される。
この場合、各導出ポート28a〜28dに接続される配管チューブ22g〜22jによってブレーキ液がディスクブレーキ機構30a〜30dの各ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLに対して供給され、各ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL内のブレーキ液圧が上昇することにより、各ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLが作動し、対応する車輪(右側前輪WFR,左側後輪WRL,右側後輪WRR,左側前輪WFL)との摩擦力が高くなって制動力が付与される。このように、各ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL内のブレーキ液圧が上昇して生じる制動力を、以下、摩擦制動力Poilと称する。
また、右側前輪WFR、左側後輪WRL、右側後輪WRR、左側前輪WFLのそれぞれには、車輪速を検出する車輪速センサ35a,35b,35c,35dがそれぞれ備わり、各車輪速センサ35a,35b,35c,35dで計測された計測信号は制御手段150に導入される。
なお、本実施形態の車両用ブレーキシステム10は、例えば、エンジン(内燃機関)と電動機200を動力源とするハイブリッド自動車、電動機200のみを動力源とする電気自動車など、電動機200を動力源として備える車両に対して搭載可能である。
電動機200は、例えば2つの前輪(右側前輪WFR,左側前輪WFL)を駆動するように車両に備わる。この場合、2つの前輪が駆動輪となり、2つの後輪(左側後輪WRL,右側後輪WRR)が非駆動輪となる。
電動機200には回生制御装置201が接続されている。回生制御装置201は、電動機200が駆動輪から入力されるトルクで発電する電力(回生電力)をバッテリ202に充電する機能を有し、制御手段150から送信される指令によって制御される。
回生制御装置201は制御手段150と通信回線を介して接続されて、データ通信(例えば、シリアル通信)可能に構成される。そして、回生制御装置201は、制御手段150から送信される指令に基づいて電動機200を制御する。例えば、制御手段150から、電動機200で回生電力を発電させて制動力(回生制動力Pmot)を発生する指令が送信されると、回生制御装置201は電動機200が発電する回生電力をバッテリ202に充電するように切り替わる。
また、回生制御装置201は、例えば電動機200に供給する界磁電流を変更して電動機200による回生電力の発電量を調節するなどして、電動機200による回生制動力Pmotの強さを調節可能に構成される。
このように、本実施形態の車両用ブレーキシステム10は、回生制御装置201が制御手段150から送信される指令に基づいて電動機200を制御して回生制動力Pmotを発生し、制御手段150、電動機200および回生制御装置201を含んで回生ブレーキ手段が構成される。
なお、回生制御装置201には、電動機200が発電する回生電力を計測する回生電力計測手段(電流計203a,電圧計203b)が備わっている。電流計203aおよび電圧計203bが計測する計測値は回生制御装置201と制御手段150のデータ通信によって制御手段150に入力され、制御手段150は電流計203aから入力される計測値に基づいて電動機200が発電する回生電力の電流値を取得できる。また、制御手段150は電圧計203bから入力される計測値に基づいて電動機200が発電する回生電力の電圧値を取得できる。
入力装置14は、運転者によるブレーキペダル12の操作によってブレーキ液に液圧を発生可能なタンデム式のマスタシリンダ34と、前記マスタシリンダ34に付設されたリザーバ(第1リザーバ36)とを有する。このマスタシリンダ34のシリンダチューブ38内には、前記シリンダチューブ38の軸方向に沿って所定間隔離間する2つのピストン(セカンダリピストン40a,プライマリピストン40b)が摺動自在に配設される。セカンダリピストン40aは、ブレーキペダル12に近接して配置され、プッシュロッド42を介してブレーキペダル12と連結される。また、プライマリピストン40bは、セカンダリピストン40aよりもブレーキペダル12から離間して配置される。
また、シリンダチューブ38の内壁には、プライマリピストン40bの外周に摺接する一対のリング状を呈するカップシール44Pa,44Pb、およびセカンダリピストン40aの外周に摺接する一対のリング状を呈するカップシール44Sa,44Sbが装着されている。さらに、セカンダリピストン40aとプライマリピストン40bの間には、ばね部材50aが配設され、プライマリピストン40bとシリンダチューブ38の閉塞端側の側端部38aと間には、他のばね部材50bが配設される。
また、シリンダチューブ38の側端部38aからプライマリピストン40bの摺動方向に沿ってガイドロッド48bが延設され、プライマリピストン40bは、ガイドロッド48bにガイドされて摺動する。
また、プライマリピストン40bのセカンダリピストン40a側の端部からセカンダリピストン40aの摺動方向に沿ってガイドロッド48aが延設され、セカンダリピストン40aは、ガイドロッド48aにガイドされて摺動する。
そして、セカンダリピストン40aとプライマリピストン40bはガイドロッド48aで連結されて直列に配置される。ガイドロッド48a,48bの詳細は後記する。
また、マスタシリンダ34のシリンダチューブ38には、2つのサプライポート(第2サプライポート46a、第1サプライポート46b)と、2つのリリーフポート(第2リリーフポート52a、第1リリーフポート52b)と、2つの出力ポート54a、54bとが設けられる。この場合、第2サプライポート46a、第1サプライポート46b及び第2リリーフポート52a、第1リリーフポート52bは、それぞれ合流して第1リザーバ36内の図示しないリザーバ室と連通するように設けられる。
さらに、セカンダリピストン40aの外周に摺接する一対のカップシール44Sa,44Sbは、セカンダリピストン40aの摺動方向に第2リリーフポート52aを挟んで配置される。また、プライマリピストン40bの外周に摺接する一対のカップシール44Pa,44Pbは、プライマリピストン40bの摺動方向に第1リリーフポート52bを挟んで配置される。
また、マスタシリンダ34のシリンダチューブ38内には、運転者がブレーキペダル12を踏み込む踏力に対応した液圧を発生する第2圧力室56a及び第1圧力室56bが設けられる。第2圧力室56aは、第2液圧路58aを介して接続ポート20aと連通するように設けられ、第1圧力室56bは、第1液圧路58bを介して他の接続ポート20bと連通するように設けられる。
第1圧力室56bと第2圧力室56aの間は、一対のカップシール44Pa,44Pbによって液密に封じられる。また、第2圧力室56aのブレーキペダル12側は、一対のカップシール44Sa,44Sbによって液密に封じられる。
第1圧力室56bは、プライマリピストン40bの変位に応じた液圧を発生するように構成され、第2圧力室56aは、セカンダリピストン40aの変位に応じた液圧を発生するように構成される。
また、セカンダリピストン40aはブレーキペダル12とプッシュロッド42を介して連結され、ブレーキペダル12の動作にともなってシリンダチューブ38内を変位する。さらに、プライマリピストン40bは、セカンダリピストン40aの変位によって第2圧力室56aに発生する液圧によって変位する。つまり、プライマリピストン40bはセカンダリピストン40aに応動して変位する。
マスタシリンダ34と接続ポート20aとの間であって、第2液圧路58aの上流側には圧力センサPmが配設されるとともに、第2液圧路58aの下流側には、ノーマルオープンタイプ(常開型)のソレノイドバルブからなる第2遮断弁60aが設けられる。この圧力センサPmは、第2液圧路58a上において、第2遮断弁60aよりもマスタシリンダ34側である上流側の液圧を計測するものである。
マスタシリンダ34と他の接続ポート20bとの間であって、第1液圧路58bの上流側には、ノーマルオープンタイプ(常開型)のソレノイドバルブからなる第1遮断弁60bが設けられるとともに、第1液圧路58bの下流側には、圧力センサPpが設けられる。この圧力センサPpは、第1液圧路58b上において、第1遮断弁60bよりもホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL側である下流側の液圧を計測するものである。
この第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bにおけるノーマルオープンとは、ノーマル位置(通電されていないときの弁体の位置)が開位置の状態(常時開)となるように構成されたバルブをいう。なお、図1において、第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bは、ソレノイドが通電されて、図示しない弁体が作動した閉弁状態をそれぞれ示している。
マスタシリンダ34と第1遮断弁60bとの間の第1液圧路58bには、前記第1液圧路58bから分岐する分岐液圧路58cが設けられ、前記分岐液圧路58cには、ノーマルクローズタイプ(常閉型)のソレノイドバルブからなる第3遮断弁62と、ストロークシミュレータ64とが直列に接続される。この第3遮断弁62におけるノーマルクローズとは、ノーマル位置(通電されていないときの弁体の位置)が閉位置の状態(常時閉)となるように構成されたバルブをいう。なお、図1において、第3遮断弁62は、ソレノイドが通電されて、図示しない弁体が作動した開弁状態を示している。
このストロークシミュレータ64は、バイ・ワイヤ制御時に、ブレーキペダル12の踏み込み操作に対してストロークと反力を与えて、あたかも踏力によって制動力が発生しているかのように運転者に思わせる装置であり、第1液圧路58b上であって、第1遮断弁60bよりもマスタシリンダ34側に配置されている。前記ストロークシミュレータ64には、分岐液圧路58cに連通する液圧室65が設けられ、前記液圧室65を介して、マスタシリンダ34の第1圧力室56bから導出されるブレーキ液(ブレーキフルード)が吸収可能に設けられる。
また、ストロークシミュレータ64は、互いに直列に配置されたばね定数の高い第1リターンスプリング66aとばね定数の低い第2リターンスプリング66bと、前記第1及び第2リターンスプリング66a,66bによって付勢されるシミュレータピストン68とを備え、ブレーキペダル12の踏み込み前期時にペダル反力の増加勾配を低く設定し、踏み込み後期時にペダル反力を高く設定してブレーキペダル12のペダルフィーリングが、既存のマスタシリンダ34を踏み込み操作したときのペダルフィーリングと同等になるように設けられている。
つまり、ストロークシミュレータ64は、第1圧力室56bから導出されるブレーキ液の液圧に応じた反力を発生し、この反力をマスタシリンダ34を介してブレーキペダル12に与えるように構成される。なお、マスタシリンダ34の詳細については後記する。
液圧路は、大別すると、マスタシリンダ34の第2圧力室56aと複数のホィールシリンダ32FR,32RLとを接続する第2液圧系統70aと、マスタシリンダ34の第1圧力室56bと複数のホィールシリンダ32RR、32FLとを接続する第1液圧系統70bとから構成される。
第2液圧系統70aは、入力装置14におけるマスタシリンダ34(シリンダチューブ38)の出力ポート54aと接続ポート20aとを接続する第2液圧路58aと、入力装置14の接続ポート20aとモータシリンダ装置16の出力ポート24aとを接続する配管チューブ22a,22bと、モータシリンダ装置16の出力ポート24aとVSA装置18の導入ポート26aとを接続する配管チューブ22b,22cと、VSA装置18の導出ポート28a,28bと各ホィールシリンダ32FR,32RLとをそれぞれ接続する配管チューブ22g,22hとによって構成される。
第1液圧系統70bは、入力装置14におけるマスタシリンダ34(シリンダチューブ38)の出力ポート54bと他の接続ポート20bとを接続する第1液圧路58bと、入力装置14の他の接続ポート20bとモータシリンダ装置16の出力ポート24bとを接続する配管チューブ22d,22eと、モータシリンダ装置16の出力ポート24bとVSA装置18の導入ポート26bとを接続する配管チューブ22e,22fと、VSA装置18の導出ポート28c,28dと各ホィールシリンダ32RR,32FLとをそれぞれ接続する配管チューブ22i,22jとを有する。
モータシリンダ装置16は、電動機(電動モータ72)と、アクチュエータ機構74と、前記アクチュエータ機構74によって付勢されるシリンダ機構76と、を有する。
アクチュエータ機構74は、電動モータ72の出力軸72b側に設けられ、複数のギヤが噛合して電動モータ72の回転駆動力を伝達するギヤ機構(減速機構)78と、前記ギヤ機構78を介して前記回転駆動力が伝達されることにより軸方向に沿って進退動作するボールねじ軸80a及びボール80bを含むボールねじ構造体80とを有する。
本実施形態においてボールねじ構造体80は、ギヤ機構78とともにアクチュエータハウジング172の機構収納部173aに収納される。
シリンダ機構76は、略円筒状のシリンダ本体82と、前記シリンダ本体82に付設された第2リザーバ84とを有する。第2リザーバ84は、入力装置14のマスタシリンダ34に付設された第1リザーバ36と配管チューブ86で接続され、第1リザーバ36内に貯留されたブレーキ液が配管チューブ86を介して第2リザーバ84内に供給されるように設けられる。なお、配管チューブ86に、ブレーキ液を貯留するタンクが備わっていてもよい。
そして、略円筒状を呈するシリンダ本体82の開放された端部(開放端)がハウジング本体172Fとハウジングカバー172Rからなるアクチュエータハウジング172に嵌合してシリンダ本体82とアクチュエータハウジング172が連結され、モータシリンダ装置16が構成される。
シリンダ本体82内には、前記シリンダ本体82の軸方向に沿って所定間隔離間する第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bが摺動自在に配設される。第2スレーブピストン88aは、ボールねじ構造体80側に近接して配置され、ボールねじ軸80aの一端部に当接して前記ボールねじ軸80aと一体的に矢印X1又はX2方向に変位する。また、第1スレーブピストン88bは、第2スレーブピストン88aよりもボールねじ構造体80側から離間して配置される。
また、本実施形態における電動モータ72は、シリンダ本体82と別体に形成されるモータケーシング72aで覆われて構成され、出力軸72bが第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bの摺動方向(軸方向)と略平行になるように配置される。
そして、出力軸72bの回転駆動がギヤ機構78を介してボールねじ構造体80に伝達されるように構成される。
ギヤ機構78は、例えば、電動モータ72の出力軸72bに取り付けられる第1ギヤ78aと、ボールねじ軸80aを軸方向に進退動作させるボール80bをボールねじ軸80aの軸線を中心に回転させる第3ギヤ78cと、第1ギヤ78aの回転を第3ギヤ78cに伝達する第2ギヤ78bと、の3つのギヤで構成され、第3ギヤ78cはボールねじ軸80aの軸線を中心に回転する。
本実施形態におけるアクチュエータ機構74は、前記した構造によって、電動モータ72の出力軸72bの回転駆動力をボールねじ軸80aの進退駆動力(直線駆動力)に変換する。
第1スレーブピストン88bの外周面には、環状段部を介して、一対のスレーブカップシール90a,90bがそれぞれ装着される。一対のスレーブカップシール90a,90bの間には、後記するリザーバポート92bと連通する第1背室94bが形成される。
なお、第2及び第1スレーブピストン88a,88bの間には、第2リターンスプリング96aが配設され、第1スレーブピストン88bとシリンダ本体82の側端部と間には、第1リターンスプリング96bが配設される。
また、第2スレーブピストン88aの外周面と機構収納部173aとの間を液密にシールするとともに、第2スレーブピストン88aをその軸方向に対して移動可能にガイドする環状のガイドピストン90cが、第2スレーブピストン88aの後方に、シリンダ本体82をシール部材として閉塞するように備わっている。第2スレーブピストン88aが貫通するガイドピストン90cの内周面には、図示しないスレーブカップシールが装着され、第2スレーブピストン88aとガイドピストン90cの間が液密に構成されることが好ましい。さらに、第2スレーブピストン88aの前方の外周面には、環状段部を介して、スレーブカップシール90bが装着される。
この構成によって、シリンダ本体82の内部に充填されるブレーキ液がガイドピストン90cによってシリンダ本体82に封入され、アクチュエータハウジング172の側に流れ込まないように構成されている。
なお、ガイドピストン90cとスレーブカップシール90bの間には、後記するリザーバポート92aと連通する第2背室94aが形成される。
シリンダ機構76のシリンダ本体82には、2つのリザーバポート92a,92bと、2つの出力ポート24a,24bとが設けられる。この場合、リザーバポート92a(92b)は、第2リザーバ84内の図示しないリザーバ室と連通するように設けられる。
また、シリンダ本体82内には、出力ポート24aからホィールシリンダ32FR,32RL側へ出力されるブレーキ液圧を制御する第2液圧室98aと、他の出力ポート24bからホィールシリンダ32RR,32FL側へ出力されるブレーキ液圧を制御する第1液圧室98bが設けられる。
この構成によると、ブレーキ液が封入される第2背室94a、第1背室94b、第2液圧室98a、及び第1液圧室98bは、シリンダ本体82におけるブレーキ液の封入部であり、シール部材として機能するガイドピストン90cによって、アクチュエータハウジング172の機構収納部173aと液密(気密)に区画される。
なお、ガイドピストン90cがシリンダ本体82に取り付けられる方法は限定するものではなく、例えば、図示しないサークリップで取り付けられる構成とすればよい。
第2スレーブピストン88aと第1スレーブピストン88bとの間には、第2スレーブピストン88aと第1スレーブピストン88bの最大ストローク(最大変位距離)と最小ストローク(最小変位距離)とを規制する規制手段100が設けられる。さらに、第1スレーブピストン88bには、第1スレーブピストン88bの摺動範囲を規制して、第2スレーブピストン88a側へのオーバーリターンを阻止するストッパピン102が設けられ、これによって、特にマスタシリンダ34で制動するバックアップ時において、1つの系統が失陥したときに、他の系統の失陥が防止される。
VSA装置18は、公知のものからなり、右側前輪WFR及び左側後輪WRLのディスクブレーキ機構30a,30b(ホィールシリンダ32FR,32RL)に接続された第2液圧系統70aを制御する第2ブレーキ系110aと、右側後輪WRR及び左側前輪WFLのディスクブレーキ機構30c、30d(ホィールシリンダ32RR,32FL)に接続された第1液圧系統70bを制御する第1ブレーキ系110bとを有する。なお、第2ブレーキ系110aは、左側前輪WFL及び右側前輪WFRに設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統からなり、第1ブレーキ系110bは、右側後輪WRR及び左側後輪WRLに設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統であってもよい。さらに、第2ブレーキ系110aは、車体片側の右側前輪WFR及び右側後輪WRRに設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統からなり、第1ブレーキ系110bは、車体片側の左側前輪WFL及び左側後輪WRLに設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統であってもよい。
この第2ブレーキ系110a及び第1ブレーキ系110bは、それぞれ同一構造からなるため、第2ブレーキ系110aと第1ブレーキ系110bで対応するものには同一の参照符号を付しているとともに、第2ブレーキ系110aの説明を中心にして、第1ブレーキ系110bの説明を括弧書きで付記する。
第2ブレーキ系110a(第1ブレーキ系110b)は、ホィールシリンダ32FR,32RL(32RR,32FL)に対して、共通する管路(第1共通液圧路112及び第2共通液圧路114)を有する。このうち、第1共通液圧路112は、ホィールシリンダ32FR,32RL(32RR,32FL)にブレーキ液圧を供給する供給路となる。
VSA装置18は、導入ポート26a(26b)と第1共通液圧路112との間に配置されたノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなるレギュレータバルブ116と、前記レギュレータバルブ116と並列に配置され導入ポート26a(26b)側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から導入ポート26a(26b)側へのブレーキ液の流通を阻止する)第1チェックバルブ118と、第1共通液圧路112と第1導出ポート28a(第4導出ポート28d)との間に配置されたノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなる第1インバルブ120と、前記第1インバルブ120と並列に配置され第1導出ポート28a(第4導出ポート28d)側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から第1導出ポート28a(第4導出ポート28d)側へのブレーキ液の流通を阻止する)第2チェックバルブ122と、第1共通液圧路112と第2導出ポート28b(第3導出ポート28c)との間に配置されたノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなる第2インバルブ124と、前記第2インバルブ124と並列に配置され第2導出ポート28b(第3導出ポート28c)側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から第2導出ポート28b(第3導出ポート28c)側へのブレーキ液の流通を阻止する)第3チェックバルブ126とを備える。
第1インバルブ120および第2インバルブ124は、ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLに、ブレーキ液圧を供給する管路(第1共通液圧路112)を開閉する開閉手段である。そして、第1インバルブ120が閉弁すると、ホィールシリンダ32FR,32FLへの第1共通液圧路112からのブレーキ液圧の供給が遮断される。また、第2インバルブ124が閉弁すると、ホィールシリンダ32RR,32RLへの第1共通液圧路112からのブレーキ液圧の供給が遮断される。
さらに、VSA装置18は、第1導出ポート28a(第4導出ポート28d)と第2共通液圧路114との間に配置されたノーマルクローズタイプのソレノイドバルブからなる第1アウトバルブ128と、第2導出ポート28b(第3導出ポート28c)と第2共通液圧路114との間に配置されたノーマルクローズタイプのソレノイドバルブからなる第2アウトバルブ130と、第2共通液圧路114に接続されたリザーバ装置132と、第1共通液圧路112と第2共通液圧路114との間に配置されて第2共通液圧路114側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から第2共通液圧路114側へのブレーキ液の流通を阻止する)第4チェックバルブ134と、前記第4チェックバルブ134と第1共通液圧路112との間に配置されて第2共通液圧路114側から第1共通液圧路112側へブレーキ液を供給するポンプ136と、前記ポンプ136の前後に設けられる吸入弁138及び吐出弁140と、前記ポンプ136を駆動するモータMと、第2共通液圧路114と導入ポート26a(26b)との間に配置されたノーマルクローズタイプのソレノイドバルブからなるサクションバルブ142とを備える。
なお、第2ブレーキ系110aにおいて、導入ポート26aに近接する管路(液圧路)上には、モータシリンダ装置16の出力ポート24aから出力され、前記モータシリンダ装置16の第2液圧室98aで制御されたブレーキ液圧を計測する圧力センサPhが設けられる。各圧力センサPm、Pp、Phで計測された計測信号は、制御手段150に導入される。また、VSA装置18では、VSA制御のほか、ABS(アンチロックブレーキシステム)も制御可能である。
さらに、VSA装置18に代えて、ABS機能のみを搭載するABS装置が接続される構成であってもよい。
本実施形態に係る車両用ブレーキシステム10は、基本的に以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
車両用ブレーキシステム10が正常に機能する正常時には、ノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなる第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bが励磁されて弁閉状態となり、ノーマルクローズタイプのソレノイドバルブからなる第3遮断弁62が励磁されて弁開状態となる。従って、第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bによって第2液圧系統70a及び第1液圧系統70bが遮断されているため、入力装置14のマスタシリンダ34で発生した液圧がディスクブレーキ機構30a〜30dのホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLに伝達されることはない。
このとき、マスタシリンダ34の第1圧力室56bで発生した液圧は、分岐液圧路58c及び弁開状態にある第3遮断弁62を経由してストロークシミュレータ64の液圧室65に伝達される。この液圧室65に供給された液圧によってシミュレータピストン68が第1及び第2リターンスプリング66a,66bのばね力に抗して変位することにより、ブレーキペダル12のストロークが許容されるとともに、擬似的なペダル反力を発生させてブレーキペダル12に付与される。この結果、運転者にとって違和感のないブレーキフィーリングが得られる。
このようなシステム状態において、制御手段150は、運転者によるブレーキペダル12の踏み込みを検出すると(つまり、ブレーキペダル12が操作されたときに)制動時と判定し、モータシリンダ装置16の電動モータ72を駆動させてアクチュエータ機構74を付勢し、第2リターンスプリング96a及び第1リターンスプリング96bのばね力に抗して第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bを図1中の矢印X1方向に向かって変位させる。この第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bの変位によって第2液圧室98a及び第1液圧室98b内のブレーキ液がバランスするように加圧されて所望のブレーキ液圧が発生する。
具体的に、制御手段150は、ペダルストロークセンサStの計測値に応じてブレーキペダル12の踏み込み操作量(以下、適宜「ブレーキ操作量」と称する)を算出し、このブレーキ操作量に基づいて、回生制動力Pmotを考慮した上で目標となるブレーキ液圧を設定し、設定したブレーキ液圧をモータシリンダ装置16に発生させる。
図2の(a)に示すように、制御手段150(図1参照)は、ブレーキ操作量に基づいて、目標となる制動力(運転者が要求する要求制動力Preq)を設定する。例えば、ブレーキ操作量と要求制動力Preqの関係を示すマップが予め設定されて制御手段150の記憶部であるROM(図示せず)に記憶されている構成とすれば、制御手段150は当該マップを参照することによってブレーキ操作量に対応する要求制動力Preqを算出できる。
さらに制御手段150(図1参照)は、電動機200(図1参照)に接続される回生制御装置201(図1参照)に指令を与えて、電動機200が発生する電力をバッテリ202(図1参照)に充電するように回生制御装置201を切り替える。
そして制御手段150は、電動機200が回生電力を発電することで生じる回生制動力Pmotを、設定した要求制動力Preqから減算した制動力を算出し、算出した制動力を摩擦制動力Poilの目標値とする。そして制御手段150は、この目標値の摩擦制動力Poilを発生するためのブレーキ液圧を設定する。
なお、エンジンが備わる車両の場合、駆動輪(例えば、右側前輪WFR,左側前輪WFL)には、エンジンブレーキによる制動力(エンジン制動力Pen)が付与されるため、制御手段150(図1参照)は、エンジン制動力Penに相当する量だけ小さく摩擦制動力Poilの目標値を設定する。
そして、図2の(b)に示すように、制御手段150は電動機200(図1参照)を回生制御して、斜線部で示すように駆動輪(右側前輪WFR,左側前輪WFL)に回生制動力Pmotを付与する。さらに、制御手段150は、モータシリンダ装置16を制御して設定したブレーキ液圧を発生する。これによって、モータシリンダ装置16で発生したブレーキ液圧が導入ポート26a,26bからVSA装置18に供給され、さらに、VSA装置18から各ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLに供給されて、摩擦制動力Poilが全ての車輪、すなわち、駆動輪(右側前輪WFR,左側前輪WFL)と非駆動輪(左側後輪WRL,右側後輪WRR)に付与される。
つまり、本実施形態の車両用ブレーキシステム10は、制御手段150が算出するブレーキ液圧をモータシリンダ装置16が発生し、さらに、モータシリンダ装置16が発生したブレーキ液圧を各ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLに供給して全ての車輪に摩擦制動力Poilが付与される。よって、本実施形態では、制御手段150、モータシリンダ装置16、各ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLを含んで電動ブレーキ手段が構成される。
このように、制動時の車両用ブレーキシステム10は、駆動輪(右側前輪WFR,左側前輪WFL)に回生制動力Pmotと摩擦制動力Poilが付与され、非駆動輪(右側後輪WRR,左側後輪WRL)に摩擦制動力Poilが付与される。この結果、図2の(b)に示すように、回生制動力Pmotと摩擦制動力Poilが付与される前輪(右側前輪WFR,左側前輪WFL)には、摩擦制動力Poilのみが付与される後輪(右側後輪WRR,左側後輪WRL)よりも大きな制動力が付与される。
図1の説明に戻る。本実施形態の制御手段150は、例えば、いずれも図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access
Memory)等から構成されるマイクロコンピュータ及び周辺機器からなる。そして、制御手段150は、あらかじめROMに記憶されているプログラムをCPUで実行し、車両用ブレーキシステム10を制御するように構成される。
また、本実施形態における電気信号は、例えば、電動モータ72を駆動する電力や電動モータ72を制御するための制御信号である。
また、ブレーキペダル12の踏み込み操作量(ブレーキ操作量)を計測する操作量計測手段はペダルストロークセンサStに限定されるものではなく、ブレーキペダル12の踏み込み操作量を計測可能なセンサであればよい。例えば、操作量計測手段を圧力センサPmとして、圧力センサPmが計測する液圧をブレーキペダル12の踏み込み操作量に変換する構成であってもよいし、図示しない踏力センサによってブレーキペダル12の踏み込み操作量(ブレーキ操作量)を計測する構成であってもよい。
このモータシリンダ装置16における第2液圧室98a及び第1液圧室98bのブレーキ液圧は、VSA装置18の弁開状態にある第1、第2インバルブ120,124を介してディスクブレーキ機構30a〜30dのホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLに伝達され、前記ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLが作動することにより各車輪に所望の制動力が付与される。
換言すると、本実施形態に係る車両用ブレーキシステム10では、動力液圧源として機能するモータシリンダ装置16やバイ・ワイヤ制御する制御手段150等が作動可能な正常時において、運転者がブレーキペダル12を踏むことで液圧を発生するマスタシリンダ34と各車輪を制動するディスクブレーキ機構30a〜30d(ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL)との連通を第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bで遮断した状態で、モータシリンダ装置16が発生するブレーキ液圧でディスクブレーキ機構30a〜30dを作動させるという、いわゆるブレーキ・バイ・ワイヤ方式のブレーキシステムがアクティブになる。このため、本実施形態では、例えば、電気自動車等のように、旧来から用いられていた内燃機関による負圧が存在しない車両に好適に適用することができる。
一方、モータシリンダ装置16等が作動不能となる異常時では、第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bをそれぞれ弁開状態、第3遮断弁62を弁閉状態としマスタシリンダ34で発生する液圧をディスクブレーキ機構30a〜30d(ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL)にブレーキ液圧として伝達し、前記ディスクブレーキ機構30a〜30d(ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL)を作動させるという、いわゆる旧来の液圧式のブレーキシステムがアクティブになる。
以上のように構成される車両用ブレーキシステム10(図1参照)は、運転者がブレーキペダル12(図1参照)を踏み込み操作すると、制御手段150(図1参照)は電動ブレーキ手段および回生ブレーキ手段を制御して車両に制動力を発生する。
以下、適宜図1〜4を参照して車両に制動力が発生する状態を説明する。
図3の(a)は回生制動力の発生が停止したときに急増する摩擦制動力の状態を示す図、(b)は回生制動力の状態を示す図、(c)は車両に発生する制動力を示す図である。また、図4の(a)は回生制動力の発生が停止したときに緩やかに増大する摩擦制動力の状態を示す図、(b)は回生制動力の発生が停止する状態を示す図、(c)は車両に発生する過大な制動力を示す図である。
図3の(a)は横軸が時間、縦軸が摩擦制動力Poilを示し、(b)は横軸が時間、縦軸が回生制動力Pmotを示し、(c)は横軸が時間、縦軸が車両に発生している制動力を示す。
また、図4の(a)は横軸が時間、縦軸が摩擦制動力Poilを示し、(b)は横軸が時間、縦軸が回生制動力Pmotを示し、(c)は横軸が時間、縦軸が車両に発生している制動力を示す。
そして、図3の(a),(c)、図4の(a),(c)に記載される一点鎖線は、要求制動力Preqを示す。
なお、図3の(b)および図4の(b)にドットで示される領域は、回生制動力Pmotの付与ができなかった場合の領域を示している。この領域は、電動機200(図1参照)による回生電力の発電が停止されるか、電動機200が発生する回生制動力Pmotが駆動輪(右側前輪WFR,左側前輪WFL)に伝達されない領域とする。
本実施形態においては、電動機200による回生発電の発電が停止される領域とする。
例えば、図3の(a)に示すように、時刻t0で運転者がブレーキペダル12を踏み込み操作すると、制御手段150は制動時と判定し、図2の(b)に示すように、ブレーキ操作量に対応した要求制動力Preqを設定する。そして制御手段150は、図3の(b)に示すように回生制動力Pmotを算出し、算出した回生制動力Pmotの値をデータ通信によって回生制御装置201に通知するとともに、図3の(a)に示すように摩擦制動力Poilを発生して駆動輪と非駆動輪(右側後輪WRR,左側後輪WRL)に付与する。回生制御装置201は、制御手段150からデータ通信によって通知された値の回生制動力Pmotを電動機200で発生させて駆動輪(右側前輪WFR,左側前輪WFL)に付与する。これによって、図3の(c)に示すように、要求制動力Preqが車両に発生する。
しかしながら、制動時に回生ブレーキ手段が故障すると、制御手段150が算出する回生制動力Pmotが発生せず、好適な回生制動力Pmotが駆動輪(右側前輪WFR,左側前輪WFL)に付与されなくなる場合がある。
そこで、制御手段150は、回生制動力Pmotによって車両の挙動が不安定になることを回避するために、制動時に回生ブレーキ手段の異常を検出した場合、回生制動力Pmotの駆動輪(右側前輪WFR,左側前輪WFL)への付与を禁止する。
回生ブレーキ手段の異常は、電動機200の故障、回生制御装置201に備わる電流計203a,電圧計203bなどのセンサの故障、回生制御装置201と制御手段150の通信回線の故障、などによって発生する。
例えば、制御手段150は、制動時に回生制御装置201とのデータ通信によって電流計203aおよび電圧計203bの計測値を受信し、受信した計測値に基づいて電動機200が発生している回生電力の電流値および電圧値を算出する。そして、制御手段150は、算出した電流値と電圧値の少なくとも一方が、設定した回生制動力Pmotを発生するのに相当する電流値や電圧値と異なる場合(電流値と電圧値の少なくとも一方が異常な値の場合)に回生ブレーキ手段の異常を検出したと判定する構成とすればよい。
算出した電流値および電圧値が異常な値になる原因としては、電動機200の故障、センサ(電流計203a,電圧計203b)の故障が考えられる。また、回生制御装置201と制御手段150を接続する通信回線に異常が発生してデータ通信が正常でなくなると、制御手段150に入力されるセンサの計測値が異常になるため、この場合も算出した電流値および電圧値が異常になる。
制御手段150は、時刻t1で回生ブレーキ手段の異常を検出すると、時刻t1から回生ブレーキ手段に異常を発生させている異常の判定を開始する。
なお、制御手段150は、回生ブレーキ手段の異常を検出した時刻t1で摩擦制動力Poilを増加するように構成されていてもよい。つまり、制御手段150は、回生ブレーキ手段の異常を検出した時刻t1で要求制動力Preqに対する摩擦制動力Poilと回生制動力Pmotの割合を変化し、摩擦制動力Poilの割合を高めるように構成されていればよい。
また、制御手段150は、時刻t1で回生ブレーキ手段の異常を検出したとき、回生制動力Pmotの駆動輪への付与を禁止することなく、回生制動力Pmotを減少する構成であってもよい。つまり、制御手段150が回生ブレーキ手段の異常を検出した後で、油圧制動力Poilに対して回生制動力Pmotが小さくなるように、摩擦制動力Poilと回生制動力Pmotの割合が変更される構成であればよい。
また、制御手段150が、回生制動力Pmotの駆動輪への付与を禁止することには、回生制動力Pmotをゼロにする以外にも、回生制動力Pmotをゼロ以上でゼロに近い値まで低減させることも含むものとする。
なお、回生制御装置201と制御手段150の通信回線が故障してデータ通信が断絶した場合、制御手段150は回生制動力Pmotの発生を停止させる指令を回生制御装置201に送信できない場合がある。そこで、制御手段150と回生制御装置201のデータ通信が断絶した場合は、時刻t1から通信回線の異常検出を行い、時刻t2で回生制御装置201が制御手段150とのデータ通信が故障したと判定した時に、電動機200による回生電力の発電を停止する構成としてもよい。
また、例えば、電動機200と駆動輪(右側前輪WFR,左側前輪WFL)の間にクラッチ機構(図示せず)が備わり、回生ブレーキ手段の異常を検出した時刻t2で制御手段150が当該クラッチ機構を制御して駆動輪から電動機200へのトルクの入力を遮断する構成であってもよい。
そして、制御手段150は、時刻t1以降に回生制御装置201から電動機200またはセンサ(電流計203a,電圧計203bなど)の故障を通知するデータを受信することで、時刻t2で電動機200やセンサが故障したことを確定でき、電動機200またはセンサの故障と確定できる。
例えば、電動機200の故障およびセンサ(電流計203a,電圧計203b)の故障を検知する故障検知機能が回生制御装置201に備わり、回生制御装置201は電動機200やセンサの故障を検知したときに、電動機200やセンサの故障を制御手段150にデータ通信によって通知する構成とすればよい。
回生制御装置201が備える電動機200の故障検知機能やセンサ(電流計203a,電圧計203bなど)の故障検知機能は公知の技術で構成されるものとすればよい。
また、制御手段150は、回生制御装置201とのデータ通信が断絶したり通信エラーを検出した場合に、時刻t1以降に回生制御装置201とのデータ通信を複数回に亘ってリトライすることによって、誤判定することなく通信回線が故障したことを確定できる。
例えば、制御手段150は、回生制御装置201とのデータ通信をリトライし、リトライによって回生制御装置201とのデータ通信が復旧しないときに通信回線が故障したと確定する構成とすればよい。
この構成であれば、制御手段150は、時刻t1以降に、回生制御装置201とのデータ通信を規定回数リトライし、リトライによって回生制御装置201とのデータ通信が復旧しない場合に通信回線の故障と確定できる。
そこで、制御手段150は、回生制御装置201から電動機200やセンサの故障を通知するデータを受信した場合は電動機200やセンサが故障したと判定し、回生ブレーキ手段に異常を発生させている故障を、電動機200やセンサの故障と確定する(時刻t2)。
また、制御手段150は、規定回数のデータ通信のリトライで回生制御装置201とのデータ通信が正常に復旧しない場合は通信回線が故障したと判定し、回生ブレーキ手段に異常を発生させている故障を、制御手段150と回生制御装置201の通信回線の故障と確定する(時刻t2)。
そして、制御手段150は図3の(a)に示す時刻t2で回生ブレーキ手段に異常を発生させている故障を確定すると、回生制動力Pmotの発生を停止する。さらに、制御手段150は時刻t2以降に摩擦制動力Poilを増大する。
なお、制御手段150は、回生制動力Pmotを徐々に減少させて回生制動力Pmotの発生を停止してもよいし、回生制動力Pmotをステップ状に急峻に減少させて回生制動力Pmotの発生を直ちに停止してもよい。
制御手段150は、時刻t1で電動機200での回生電力の発電を停止した場合はその状態を維持する。また、制御手段150は図示しないクラッチ機構で、駆動輪から電動機200へのトルクの入力を遮断した場合は、時刻t2で回生制御装置201に指令を与えて電動機200での回生電力の発電を停止させる。
なお、制御手段150は時刻t1で回生ブレーキ手段の異常を検出した後に、その異常が解消したと判定した場合(回生制御装置201とのデータ通信が復旧したり、電動機200やセンサが正常であることを通知するデータを受信した場合)には、回生制動力Pmotの付与の禁止を解除する。この場合、制御手段150は、回生制御装置201に指令を与えて電動機200で回生電力を発電させて回生制動力Pmotを発生し、発生した回生制動力Pmotを駆動輪(右側前輪WFR,左側前輪WFL)に付与する。
このような故障の確定において、制御手段150による電動機200やセンサ(電流計203a,電圧計203bなど)が故障したか否かの判定は、回生制御装置201から入力されるデータに基づくものであり、制御手段150は短時間(数10msec程度)で電動機200やセンサが故障したことを確定できる。
一方、制御手段150と回生制御装置201のデータ通信に異常が発生している場合、制御手段150は、規定回数の通信のリトライによって通信回線が故障したか否かを判定する。したがって、制御手段150が通信回線の故障を確定するには、データ通信のリトライに要する時間(数100msec以上)が必要になる。例えば、制御手段150が通信回線の故障を確定するのに300msec以上の時間が必要になる場合もある。
このように、回生ブレーキ手段に異常を発生させる故障の内容に応じて、異常の検出(時刻t1)から故障の確定(時刻t2)まで、故障の確定に要する時間(以下、確定時間CHKtimと称する)が異なる。
前記した一例では、電動機200やセンサが故障した場合、制御手段150が故障を確定するまでの確定時間CHKtimは短く、制御手段150と回生制御装置201の通信回線が故障した場合、制御手段150が故障を確定するまでの確定時間CHKtimは長くなる。
そこで、本実施形態の制御手段150は、時刻t1で回生ブレーキ手段の異常を検出してから時刻t2で故障を確定するまでの時間(確定時間CHKtim)を計測する。つまり、制御手段150は時刻t1から時刻t2までの時間を確定時間CHKtimとして取得する。
なお、本実施形態の制御手段150は、時刻t1から時刻t2までの時間を計測している。しかしながら、時刻t1の時点で故障を確定するまでに要する時間(異常検出に要する時間など)が予め定まっているのであれば時間の計測は必要ない。この場合、予め定まっている時間を確定時間CHKtimとしてもよい。
そして、制御手段150は、確定時間CHKtimが予め設定される所定時間(例えば、300msec)より短い場合、回生制動力Pmotの付与が禁止されたことを運転者が認識できないと判定し、図3の(a)に示すように、時刻t2以降に摩擦制動力Poilを要求制動力Preqまで急増させる。
例えば制御手段150は、モータシリンダ装置16の第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bを最大の速度で変位させてブレーキ液圧を増大し、摩擦制動力Poilを要求制動力Preqまで急増させる。
この構成によって、時刻t1で回生制動力Pmotの付与が禁止されてから、時刻t2で摩擦制動力Poilが要求制動力Preqに増加するまでの時間が非常に短いものとなる。したがって、運転者は回生制動力Pmotの付与が禁止されて、車両に発生している制動力が一時的に要求制動力Preqよりも減少したことを認知することが困難になる。
なお、確定時間CHKtimの所定時間として例示した「300msec」は、人間が刺激を認知するまでの平均時間といわれる時間であって一例にすぎない。例えば、車両に発生する制動力の変化を運転者(人間)が認知できる時間を実験計測等によって求め、このように求められた時間を前記した所定時間としてもよい。
一方、制御手段150は、確定時間CHKtimが前記した所定時間(300msec等)より長いと判定した場合、時刻t2におけるブレーキ操作量から算出される要求制動力Preq(以下、時刻t2での要求制動力Preq(t2)とする)が、時刻t1におけるブレーキ操作量から算出される要求制動力Preq(以下、時刻t1での要求制動力Preq(t1)とする)よりも高いとき、すなわち、時刻t1から時刻t2の間で運転者によってブレーキペダル12が踏み込み操作されてブレーキ操作量が増大したとき、図4の(a)に示すように、制御手段150は時刻t2以降に、摩擦制動力Poilを時刻t2での要求制動力Preq(t2)に向けて緩やかに増大する。このとき制御手段150は、確定時間CHKtimが所定時間より短いときに時刻t2以降に摩擦制動力Poilを増大する場合(図3の(a)に示す場合)よりも緩やかに、摩擦制動力Poilを増大することが好ましい。
例えば、制御手段150は、モータシリンダ装置16の第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bを最大の速度の半分またはそれ以下で変位させてブレーキ液圧を増大し、摩擦制動力Poilを要求制動力Preq(t2)まで緩やかに増大させる。
図4の(b)にドットで示すように、回生制動力Pmotの付与が制御手段150によって時刻t1に禁止され(本実施形態では、電動機200による回生電力の発電が停止され)、車両に発生する制動力が図4の(c)に示すように減少したことを、時刻t2(制御手段150が故障を確定する時刻)以前の時刻t1’で運転者が認知すると、図4の(a)に示すように、運転者は制動力を増大するためにブレーキペダル12(図1参照)をさらに踏み込み操作してブレーキ操作量を増大する場合がある。この場合、図4の(a)に一点鎖線で示すように、制御手段150は時刻t1’で要求制動力Preqが増大したと判定する。なお、時刻t1’で増大した要求制動力Preqが時刻t2における要求制動力Preq(t2)となる。
要求制動力Preqが時刻t1での要求制動力Preq(t1)から要求制動力Preq(t2)に増大したと判定すると、制御手段150は要求制動力Preqの増大に応じて時刻t1’以降に摩擦制動力Poilを増大する。このときの要求制動力Preq(時刻t2での要求制動力Preq(t2))は、時刻t1での要求制動力Preq(t1)よりも増大している。したがって、時刻t2で故障を確定した制御手段150が、回生制動力Pmotの付与を禁止したことによる制動力の低下を補填するために時刻t2以降に摩擦制動力Poilを増大すると、図4の(c)に示すように、時刻t1での要求制動力Preq(t1)よりも高い制動力(過大な制動力)が車両に発生する。
そして、時刻t3で、自身が時刻t1で要求した要求制動力Preq(t1)よりも高い過大な制動力が発生したと運転者が判断してブレーキ操作量を減少させると、図4の(a)に示すように、要求制動力Preqが時刻t1での要求制動力Preq(t1)の近傍まで減少し、制御手段150は時刻t3以降に摩擦制動力Poilを減少する。そして、時刻t4で、摩擦制動力Poilは時刻t1での要求制動力Preq(t1)と略等しくなる。これによって、図4の(c)に示すように、車両には時刻t1での要求制動力Preq(t1)よりも高い制動力(過大な制動力)が時刻t2から時刻t4の間で発生する。
このように、時刻t1’で運転者がブレーキペダル12(図1参照)をさらに踏み込むことによってブレーキ操作量が増大し、時刻t1での要求制動力Preq(t1)よりも高い過大な制動力が車両に発生する。
このとき図4の(a)に太い破線で示すように、制御手段150が時刻t2から摩擦制動力Poilを急増すると、図4の(c)に太い破線で示すように、時刻t2以降に過大な制動力がさらに増大し、時刻t4まで過大な制動力が発生する。これに対し、図4の(a)に実線で示すように、制御手段150が時刻t2から摩擦制動力Poilを緩やかに増大すると、図4の(c)に実線で示すように、車両に発生する制動力が時刻t1での要求制動力Preq(t1)まで減少するのに要する時間(時刻t3から時刻t4までの時間)が短縮され、過大な制動力も小さくなる。
つまり、図4の(a)に実線で示すように、制御手段150が時刻t2から摩擦制動力Poilを緩やかに増大することによって、図4の(c)に示す斜線の領域に相当する分だけ、車両に発生する過大な制動力を小さくできる。このことによって、時刻t2から時刻t4の間で車両に発生する制動力の変動が小さくなり、ひいては運転者が感じるブレーキフィールの低下が軽減される。
また、時刻t2以降に摩擦制動力Poilは緩やかながらも増大するため、運転者が、時刻t1での要求制動力Preq(t1)よりもさらに大きな制動力を要求して時刻t1’でブレーキペダル12を踏み込んだ場合(つまり、時刻t3でブレーキ操作量を減少させない場合)であっても制動力は要求制動力Preq(t2)まで増大する。したがって、運転者が制動力不足を感じることなく、好適な制動力を車両に発生することができる。
なお、確定時間CHKtimが予め設定される所定時間(300msec等)より長い場合であっても、制御手段150が、回生ブレーキ手段の異常を検出した時刻t1から故障を確定する時刻t2の間にブレーキ操作量が増えない場合、制御手段150は、図4の(a)に二点鎖線で示すように、時刻t2以降、摩擦制動力Poilを時刻t1での要求制動力Preq(t1)まで急増させる構成であってもよい。例えば制御手段150は、モータシリンダ装置16の第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bを最大の速度で変位させてブレーキ液圧を増大し、摩擦制動力Poilを要求制動力Preq(t1)まで急増させる構成とすればよい。
この構成によって、図4の(c)に二点鎖線で示すように、時刻t1で回生制動力Pmotの付与が禁止されてから、時刻t2以降で摩擦制動力Poilが要求制動力Preq(t1)に増加するまでの時間を短縮できる。
図5は、制御手段が回生ブレーキ手段の異常を検出した場合に、制御手段が摩擦制動力を発生する手順を示すフローチャートである。図5を参照して、制御手段150が車両に制動力を発生する手順を説明する(適宜図1〜4参照)。なお、図5に記載されるt0〜t4は、図4の(a)に示す時刻t0〜t4に対応している。
制御手段150は、運転者によってブレーキペダル12が踏み込み操作されると、制動時と判定して図5に示す手順をスタートし、ブレーキ操作量に対応する要求制動力Preqを算出する(ステップS1)。この時点を時刻t0とする。また、制御手段150は、この時点で算出する要求制動力Preqを時刻t1における要求制動力Preq(t1)とする。
制御手段150は、算出した要求制動力Preq(t1)に対応する摩擦制動力Poilおよび回生制動力Pmotを算出し(ステップS2)、車輪に付与する。具体的に制御手段150は、回生制動力Pmotを駆動輪(右側前輪WFR,左側前輪WFL)に付与するとともに摩擦制動力Poilを駆動輪と非駆動輪(左側後輪WRL,右側後輪WRR)に付与する。
制御手段150は、回生制御装置201からデータ通信で送信される、電流計203aおよび電圧計203bの計測値が、設定した回生制動力Pmotが発生するのに相当する電流値および電圧値か否か、つまり、電流計203aと電圧計203bの計測値が正常か否かを判定する(ステップS3)。制御手段150は、電流計203aと電圧計203bの両方の計測値が正常な場合は(ステップS3→Yes)、手順をステップS14に進める。
そして、制御手段150は、車両が停車して車速が「0」になるか、運転者がブレーキペダル12を離してブレーキ操作量が「0」になると(ステップS14→Yes)、手順を終了するが、それ以外(ステップS14→No)のときは手順をステップS2に戻す。
一方、ステップS3で電流計203aまたは電圧計203bの少なくとも一方の計測値が正常でないと判定した場合(ステップS3→No)、つまり、電流計203aの計測値が、設定した回生制動力Pmotが発生するのに相当する電流値でないか、電圧計203bの計測値が、設定した回生制動力Pmotが発生するのに相当する電圧値でない場合、制御手段150は回生ブレーキ手段の異常を検出したと判定する(ステップS4)。制御手段150は、この時点を時刻t1とする。そして、制御手段150は、回生制動力Pmotの駆動輪(右側前輪WFR,左側前輪WFL)への付与を禁止する(ステップS5)。例えば、制御手段150は、回生制御装置201に指令を与えて電動機200での回生電力の発電を停止して、回生制動力Pmotの発生を停止する。
なお、ステップS5では、制御手段150が、回生制動力Pmotの駆動輪への付与を禁止せずに、回生制動力Pmotを低減する構成や摩擦制動力Poilを増大する構成(油圧制動力Poilと回生制動力Pmotの割合を変更する構成)であってもよい。
そして、制御手段150は、回生ブレーキ手段に異常を発生させている故障の確定を開始する。
前記したように、制御手段150は、回生制御装置201から、データ通信によって電動機200やセンサ(電流計203a,電圧計203bなど)の故障が通知された場合、回生ブレーキ手段に異常を発生させている故障を、電動機200やセンサの故障と確定する。
また、制御手段150は、回生制御装置201とのデータ通信が断絶した場合や通信エラーを検出した場合には、データ通信を規定回数リトライし、リトライの間に回生制御装置201とのデータ通信が正常に復旧しないとき、回生ブレーキ手段に異常を発生させている故障を、制御手段150と回生制御装置201の通信回線の故障(通信異常)と確定する。そして、制御手段150は、この時点を時刻t2とする。つまり、制御手段150は時刻t2で故障を確定する(ステップS6)。
そして制御手段150は、回生ブレーキ手段の異常を検出した時刻t1から故障を確定した時刻t2までの時間を計測し、この時間を確定時間CHKtimとして算出する(ステップS7)。
制御手段150は算出した確定時間CHKtimが予め設定される所定時間以下の場合(ステップS8→No)、手順をステップS12に進めて、摩擦制動力Poilを要求制動力Preq(t1)まで急増させる。前記したように、制御手段150は、モータシリンダ装置16の第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bを最大の速度で変位させてブレーキ液圧を増大する。さらに、制御手段150は手順をステップS14に進める。
一方、ステップS7で算出した確定時間CHKtimが所定時間より長い場合(ステップS8→Yes)、制御手段150は、時刻t2での要求制動力Preq(t2)を算出し(ステップS9)、さらに、時刻t2での要求制動力Preq(t2)と時刻t1での要求制動力Preq(t1)を比較する(ステップS10)。
そして制御手段150は、時刻t1での要求制動力Preq(t1)よりも時刻t2での要求制動力Preq(t2)が大きい場合(ステップS10→Yes)、摩擦制動力Poilを時刻t2での要求制動力Preq(t2)まで緩やかに増大する(ステップS11)。前記したように、制御手段150は、例えば、モータシリンダ装置16の第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bを最大の速度の半分またはそれ以下で変位させてブレーキ液圧を増大する。その後、ブレーキ操作量が減少した場合、制御手段150はブレーキ操作量の減少に応じて摩擦制動力Poilを減少する(ステップS13)。制御手段150は、ブレーキ操作量が減少した時点を時刻t3とし、摩擦制動力Poilがブレーキ操作量に対応する要求制動力Preqまで減少した時点を時刻t4とする。そして制御手段150は手順をステップS14に進める。
また、ステップS10において時刻t1での要求制動力Preq(t1)よりも時刻t2での要求制動力Preq(t2)が大きくない場合(ステップS10→No)、制御手段150は手順をステップS12に進める。
このように、本実施形態の制御手段150(図1参照)は、時刻t1で回生ブレーキ手段の異常を検出してから、時刻t2で回生ブレーキ手段に異常を発生させている故障を確定するのに要する確定時間CHKtimの長さに応じて、摩擦制動力Poilを増大する速度が変わるように構成される。
例えば、制御手段150(図1参照)が、回生ブレーキ手段の異常を検出して回生制動力Pmotの付与を禁止してから故障を確定して摩擦制動力Poilを増大するまでの時間(確定時間CHKtim)が長い場合、運転者が制動力の低下を認知してブレーキペダル12(図1参照)をさらに踏み込むことがある。運転者によるブレーキペダル12の踏み込みによって、制御手段150が、回生ブレーキ手段の異常を検出した時刻t1での要求制動力Preq(t1)よりも、制御手段150が故障を確定した時刻t2での要求制動力Preq(t2)が大きくなる。
この場合に、制御手段150は時刻t2から摩擦制動力Poilを時刻t2での要求制動力Preq(t2)まで緩やかに上昇させる。したがって、運転者が時刻t3(図4の(a)参照)でブレーキペダル12(図1参照)を戻したとしても、要求制動力Preq(t1)を越える過大な制動力を小さく抑えることができる。
これによって、時刻t2から時刻t4(図4の(a)参照)の間で車両に発生する制動力の変動が小さくなり、ブレーキフィールの低下が軽減される。
また、図1に示す制御手段150は、回生ブレーキ手段の異常を検出してから、回生ブレーキ手段に異常を発生させている故障を確定するまでは摩擦制動力Poilを増大しない。つまり、制御手段150は、回生ブレーキ手段に異常を発生させている故障を確定してから摩擦制動力Poilを増大する。このことによって、図3の(a)に示す時刻t1における異常の検出が誤検出だったときに、制御手段150は、回生制動力Pmotを速やかに駆動輪(右側前輪WFR,左側前輪WFL)に付与し、摩擦制動力Poilと回生制動力Pmotの併用で効果的に車両を制動できる。
なお、本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、本実施形態の制御手段150(図1参照)は、電流計203a(図1参照)の計測値に基づく電流値、または電圧計203b(図1参照)の計測値に基づく電圧値によって、制動時における回生ブレーキ手段の異常を検出する構成とした。
この構成に限定されず、例えば、回生制御装置201(図1参照)や電動機200(図1参照)が異常を通知する信号を発生可能な構成とし、制御手段150は、異常を通知する信号を受信したときに回生ブレーキ手段の異常を検出したと判定する構成であってもよい。
また、本実施形態では、回生ブレーキ手段に異常を発生させる故障を、電動機200(図1参照)の故障、電流計203a(図1参照)や電圧計203b(図1参照)の故障、制御手段150(図1参照)と回生制御装置201(図1参照)の通信回線の故障(断線等)としたが、他の故障が回生ブレーキ手段の故障に含まれる構成であってもよい。
例えば、図示しないトランスミッションの故障(ギヤ抜け等)が回生ブレーキ手段の故障に含まれる構成であってもよい。この場合、トランスミッションを制御する制御装置(図示せず)が、トランスミッションの故障を通知する信号を制御手段150に入力する構成とすれば、制御手段150は当該信号によってトランスミッションが故障したことを判定でき、故障を確定できる。
また、本実施形態の車両用ブレーキシステム10は、図1に示すように、電動モータ72の駆動でモータシリンダ装置16が油圧制動力Poilを発生させる電動ブレーキ手段が備わる構成としたが、マスタシリンダ34に生じる油圧がホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLを直接駆動する油圧ブレーキ手段が備わる車両用ブレーキシステムであってもよい。
また、本実施形態では、2つの駆動輪(右側前輪WFR,左側前輪WFL)に回生制動力Pmotが付与される構成としたが、4つの車輪(右側前輪WFR,左側前輪WFL,左側後輪WRL,右側後輪WRR)の全てに回生制動力Pmotが付与される構成であってもよい。
10 車両用ブレーキシステム
12 ブレーキペダル(ブレーキ操作部)
16 モータシリンダ装置(電動ブレーキアクチュエータ、電動ブレーキ手段)
32FR,32RL,32RR,32FL ホィールシリンダ(電動ブレーキ手段)
150 制御手段(電動ブレーキ手段、回生ブレーキ手段)
200 電動機(回生ブレーキ手段)
201 回生制御装置(回生ブレーキ手段)
CHKtim 確定時間(故障の確定に必要な時間)
WFR 右側前輪(駆動輪、車輪)
WFL 左側前輪(駆動輪、車輪)
WRR 右側後輪(非駆動輪、車輪)
WRL 左側後輪(非駆動輪、車輪)

Claims (3)

  1. 電動機で回転駆動される駆動輪を含んだ車輪を有する車両に備わり、
    電動ブレーキアクチュエータによって作動液に発生する作動圧をホィールシリンダに供給して摩擦制動力を前記車輪に付与する電動ブレーキ手段と、
    前記電動機で発生する回生制動力を前記駆動輪に付与する回生ブレーキ手段と、
    ブレーキ操作部が操作された制動時に、前記ブレーキ操作部の操作量に応じた要求制動力を算出するとともに、前記回生ブレーキ手段および前記電動ブレーキ手段に指令を与えて、前記摩擦制動力および前記回生制動力で前記要求制動力を前記車輪に付与する制御手段と、を有する車両用ブレーキシステムにおいて、
    前記制御手段は、
    前記制動時に前記回生ブレーキ手段の異常を検出した後に、前記要求制動力に対する前記摩擦制動力と前記回生制動力の割合を変更するとともに、前記異常の検出から故障の確定までの確定時間に基づいて前記摩擦制動力を制御することを特徴とする車両用ブレーキシステム。
  2. 前記制御手段は、前記確定時間が所定値を越えたとき、前記確定時間が前記所定値以下の場合よりも前記摩擦制動力を増大する速度を低くすることを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキシステム。
  3. 前記制御手段は、前記故障を確定してから前記摩擦制動力を増大することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用ブレーキシステム。
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