JP6221775B2 - 液体噴射装置、および、液体噴射装置の制御方法 - Google Patents

液体噴射装置、および、液体噴射装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット式記録装置などの液体噴射装置、および、液体噴射装置の制御方法に関し、特に、液体の着弾対象の最大幅に対応可能な長さのノズル群を有する液体噴射ヘッドを備え、着弾対象を搬送させつつ液体噴射ヘッドのノズルから液体を噴射させる液体噴射装置、および、液体噴射装置の制御方法に関するものである。
液体噴射装置は液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射(吐出)する装置である。この液体噴射装置としては、例えば、インクジェット式プリンターやインクジェット式プロッター等の画像記録装置があるが、最近ではごく少量の液体を所定位置に正確に着弾させることができるという特長を活かして各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタを製造するディスプレイ製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置に応用されている。そして、画像記録装置用の記録ヘッドでは液状のインクを噴射し、ディスプレイ製造装置用の色材噴射ヘッドではR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を噴射する。また、電極形成装置用の電極材噴射ヘッドでは液状の電極材料を噴射し、チップ製造装置用の生体有機物噴射ヘッドでは生体有機物の溶液を噴射する。
液体噴射装置としては、種々の構成のものがあるが、ノズルを複数列設してなるノズル(ノズル列)の全長が記録媒体等の液体着弾対象の最大幅に対応可能に設定された液体噴射ヘッド(ライン型液体噴射ヘッド)を備え、当該液体噴射ヘッドを着弾対象に対して移動させることなく液体を噴射するように構成したものが提案されている。この構成によれば、液体噴射ヘッドの主走査方向の移動が不要となり、着弾対象の副走査方向の搬送のみで画像等の着弾パターンを形成することができるので、液体噴射ヘッドを走査させながら液体噴射を行ういわゆるシリアルヘッドを用いる構成と比較して処理時間を短縮化することができる(例えば、特許文献1参照)。
上記液体噴射装置に搭載される液体噴射ヘッドは、液体を噴射させるノズルに連通する圧力室内の液体に圧力変動を生じさせてノズルから液体を噴射させる圧力発生手段として、例えば圧電素子、発熱素子、又は静電アクチュエーターなどを備えている。そして、液体噴射装置では、駆動信号発生部によって生成された駆動波形(駆動パルス)を上記の圧力発生手段に印加することで、当該圧力発生手段を駆動して液体を噴射させる。そして、液体噴射ヘッドを液体の着弾対象に対して移動させることなく、着弾対象の副走査方向の搬送のみで着弾パターンを形成する構成においては、着弾対象の目標とする位置に高精度に液体を着弾させるために、着弾対象の搬送に応じて生成される位置情報に基づくタイミングで上記の駆動波形を発生するように構成されている。
特開2000−280469号公報
ところで、上記の液体噴射装置では、液体噴射後の残留振動によってノズルにおけるメニスカスの挙動が乱れ、続いて行われる液体の噴射動作に悪影響を及ぼす虞がある。このため、液体噴射装置の通常の設計においては、残留振動の影響ができるだけ生じにくいような駆動波形の発生タイミング(すなわち、液体の噴射タイミング)および着弾対象の搬送速度に調整されている。液体噴射装置(特に、業務用としての液体噴射装置)のユーザーによっては、例えば、液体噴射処理速度をより高めるために着弾対象の搬送速度を上げる等、用途に応じて上記の最適なタイミングから外れたタイミングで噴射が行われるような使われ方がされる場合がある。そして、そのタイミングによっては、上記のように残留振動による悪影響により、液体の噴射が不安定となる場合があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、残留振動の影響を抑制して液体の噴射特性を揃えることが可能な液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法を提供することにある。
本発明の液体噴射装置は、上記目的を達成するために提案されたものであり、圧力発生手段に駆動波形を印加して駆動させることによってノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドを備え、
液体の着弾対象を搬送させながら前記液体噴射ヘッドのノズルから前記着弾対象に対して液体を噴射させる液体噴射処理を実行する液体噴射装置であって、
前記着弾対象の搬送速度に応じて、液体噴射の周期を規定する基準信号に対して液体を噴射させるタイミングが互いに異なる複数の駆動波形を選択的に前記圧力発生手段に印加させることを特徴とする。
上記構成において、前記基準信号に対して第1の噴射タイミングに調整された第1の駆動波形と、前記基準信号に対して前記第1の噴射タイミングよりも早い第2の噴射タイミングに調整された第2の駆動波形と、前記基準信号に対して前記第1の噴射タイミングよりも遅い第3の噴射タイミングに調整された第3の駆動波形と、を選択可能である構成を採用することが望ましい。
本発明によれば、着弾対象の搬送速度に応じて、液体噴射の周期を規定する基準信号に対して液体を噴射させるタイミングが互いに異なる複数の駆動波形を選択的に前記圧力発生手段に印加させることで、液体の噴射が不安定となるタイミングで液体の噴射が行われることが防止されるので、着弾対象の搬送速度が通常の設計に設定された速度とは異なる場合においても、噴射される液体の飛翔速度や量(重量・体積)等の噴射特性が、噴射後の残留振動に起因して著しく変動することが抑制される。これにより、着弾対象に対する液体の着弾位置ずれ等の不具合を抑制することが可能となる。
また、上記構成において、前記第2の駆動波形は、前記第1の駆動波形の場合と比較して、噴射される液体の飛翔速度が低下するように設定され、
前記第3の駆動波形は、前記第1の駆動波形の場合と比較して、噴射される液体の飛翔速度が増加するように設定された構成を採用することがより望ましい。
この構成によれば、第2の駆動波形は、第1の駆動波形の場合と比較して、噴射される液体の飛翔速度が低下するように設定され、第3の駆動波形は、第1の駆動波形の場合と比較して、噴射される液体の飛翔速度が増加するように設定されたので、液体の噴射が不安定となるタイミングを避けるべく液体の噴射タイミングを異ならせたとしても、着弾対象に対する着弾位置ずれを抑制することが可能となる。
また、上記構成において、今回噴射時における前記基準信号に対する噴射タイミングを、前回噴射時における前記基準信号に対する噴射タイミングとは異ならせる構成を採用することがより望ましい。
さらに、この構成において、前記第2の駆動波形または前記第3の駆動波形の何れかを選択する場合において、これらの駆動波形のうち前回選択した駆動波形とは異なる駆動波形を選択することが望ましい。
この構成によれば、複数の周期に亘って同じ駆動波形が連続して選択されることがないので、噴射が不安定となることが防止される。
また、上記構成において、前記基準信号は、前記着弾対象の搬送に応じて生成される構成を採用することができる。
また、上記構成において、前記液体噴射ヘッドは、複数のノズルからなる第1のノズル群と、当該第1のノズル群に対し前記着弾対象の搬送方向において隣り合う第2のノズル群と、を有し、
前記第1のノズル群の液体噴射タイミングに対し、前記第2のノズル群の液体噴射タイミングを異ならせる選択することが望ましい。
この構成によれば、搬送方向で隣り合うノズル群同士で液体の噴射が同時に噴射されることがなく、液体噴射時に発生する振動による噴射特性への悪影響(所謂クロストーク)を低減することが可能となる。
そして、本発明の液体噴射装置の制御方法は、圧力発生手段に駆動波形を印加して駆動させることによってノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドを備え、
液体の着弾対象を搬送させながら前記液体噴射ヘッドのノズルから前記着弾対象に対して液体を噴射させる液体噴射処理を実行する液体噴射装置の制御方法であって、
前記着弾対象の搬送速度に応じて、液体噴射の周期を規定する基準信号に対して液体を噴射させるタイミングが互いに異なる複数の駆動波形を選択的に前記圧力発生手段に印加させることを特徴とする。
プリンターの内部構成を説明する平面図である。 プリンターの内部構成を説明する側面図である。 記録ヘッドの構成を説明する要部断面図である。 プリンターの電気的な構成を説明するブロック図である。 駆動パルスの構成を説明する波形図である。 記録処理における駆動パルスの選択制御について説明するフローチャートである。 駆動パルスの選択例について説明するタイミングチャートである。 所定の周期で各噴射駆動パルスをそれぞれ選択したときの噴射タイミングと記録用紙における着弾位置を説明する模式図である。 奇数列に対応する噴射駆動パルスと偶数列に対応する遅延駆動パルスの構成を説明する波形図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
図1は、プリンター1の構成を説明する平面図、図2は、プリンター1の構成の一例を説明する側面図である。プリンター1は、例えばロール紙等の記録用紙14(記録媒体或いは着弾対象の一種)を順次搬送させつつ、記録ヘッド2から記録用紙14に向けて液体の一種であるインクを噴射させて当該記録用紙14上に画像やテキスト等の着弾パターンを形成する所謂ラインヘッド型インクジェット記録装置である。本実施形態におけるプリンター1は、記録ヘッド2と、記録用紙14を搬送ベルト3に供給する給紙ローラー10と、給紙ローラー10を駆動する給紙モーター9と、搬送ベルト3によって記録用紙14を搬送する搬送機構16と、搬送機構16による記録用紙14の搬送量を検出するエンコーダー17(ロータリーエンコーダー)と、を備えて概略構成されている。
給紙ローラー10は、搬送機構16の上流側に配設され、図示しない給紙部から給紙された記録用紙14を狭持した状態で互いに反対方向に同期回転可能な上下一対のローラー10a,10bにより構成されている。この給紙ローラー10は、給紙モーター9からの動力で駆動され、記録用紙14を搬送機構16側に供給するように構成されている。搬送機構16は、搬送ベルト3の駆動源である搬送モーター12と、駆動ローラー4と、搬送モーター12の回転速度を減じて当該搬送モーター12の動力を駆動ローラー4に伝達する減速機構15と、駆動ローラー4よりも上流側に配設された従動ローラー5と、駆動ローラー4及び従動ローラー5の間に張設される無端状の搬送ベルト3と、搬送ベルト3に張力を付与するテンションローラー6と、記録用紙14を搬送ベルト3側に押圧する圧接ローラー11とにより構成されている。テンションローラー6は、駆動ローラー4と、従動ローラー5との間に配設され、搬送ベルト3に内接し、ばね等の付勢部材の付勢力により搬送ベルト3に張力を付与している。また、圧接ローラー11は、搬送ベルト3を挟んで従動ローラー5の直上に配設され、搬送ベルト3に当設している。
駆動ローラー4の回転軸には、エンコーダースケール17aおよび検出ヘッド17bから構成されるエンコーダー17(搬送速度検出部)が設けられている。エンコーダースケール17aは、円盤状プレートの外周縁に沿って等角度間隔で複数のスリット(ストライプ)が円盤全周に形成されたものである。エンコーダースケール17aとしては、光を透過しない円盤状プレートに光を透過するスリットを形成したものあってもよいし、光を透過するプレートに光を透過しないスリットを形成したものであってもよい。また、検出ヘッド17bは、駆動ローラー4の回転に伴って移動するスリットを光学的に検出する。この検出ヘッド17bは、互いに対向配置された一対の発光素子と受光素子(いずれも図示せず)とによって構成され、これらの間を通過するエンコーダースケール17aのスリット部分での受光状態とそれ以外の部分での受光状態の差異に応じてエンコーダーパルスEPを出力するようになっている。このエンコーダーパルスEPは、プリンター1の制御部44(図4参照)に出力される。したがって、制御部44は、このエンコーダーパルスEPに基づいて、搬送機構16による記録用紙14の搬送量および搬送速度を把握することができる。また、このエンコーダーパルスEPは、記録ヘッド2の圧力発生手段である圧電素子23を駆動するための駆動信号(駆動波形)の発生タイミングを規定する。なお、エンコーダー17としては、例示したものには限られず、記録用紙14の搬送量(搬送速度)を検出することができるものであればどのような態様のものであってもよい。
図3は、記録ヘッド2の構成を説明する要部断面図である。この記録ヘッド2は、ケース19と、このケース19内に収納される振動子ユニット20と、ケース19の底面(先端面)に接合される流路ユニット21等を備えている。上記のケース19は、例えば、エポキシ系樹脂により作製され、その内部には振動子ユニット20を収納するための収納空部22が形成されている。振動子ユニット20は、圧力発生手段の一種として機能する圧電素子23と、この圧電素子23が接合される固定板24と、圧電素子23に駆動信号等を供給するためのフレキシブルケーブル25とを備えている。圧電素子23は、圧電体層と電極層とを交互に積層した圧電板を櫛歯状に切り分けることで作製された積層型であって、積層方向(電界方向)に直交する方向に伸縮可能(電界横効果型)な縦振動モードの圧電素子である。
流路ユニット21は、流路形成基板26の一方の面にノズルプレート27を、流路形成基板26の他方の面に振動板28をそれぞれ接合して構成されている。この流路ユニット21には、リザーバー29(共通液室)と、インク供給口30と、圧力室31と、ノズル33とを設けている。そして、インク供給口30から圧力室31を経てノズル33に至る一連のインク流路が、各ノズル33に対応して形成されている。
上記ノズルプレート27は、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル33が列状に穿設されたステンレス等の金属製の薄いプレートである。このノズルプレート27には、記録用紙14の搬送方向に直行する方向に複数配列されたノズル33からなるノズル列34(ノズル群)が、搬送方向に複数並設されている。本実施形態における記録ヘッド2は、図1に示すように、搬送方向の上流側から下流側に向けて第1のノズル列34a、第2のノズル列34b、第3のノズル列34c、および第4のノズル列34dの合計4列のノズル列34を備えている。これらのノズル列34a〜34dは、それぞれ複数のノズル33が記録用紙14の最大幅以上の長さに亘って配列されて構成されている。そして、記録ヘッド2は、これらのノズル33(ノズル列34)が形成されたノズル面を記録用紙14に向け、且つノズル面と記録用紙14との間に僅かな間隙を形成した状態で配設されている。
上記振動板28は、金属製の支持板の表面に樹脂フィルムを弾性体膜としてラミネートした複合板材である。この振動板28には、圧力室31の容積を変化させるダイヤフラム部36が設けられている。ダイヤフラム部36は、エッチング加工等によって支持板を部分的に除去することで作製される。即ち、このダイヤフラム部36は、圧電素子23の自由端部の先端面が接合される島部37と、この島部37を囲む薄肉弾性部38とからなる。そして、上記の島部37には圧電素子23の先端面が接合されているので、この圧電素子23の自由端部を伸縮させることで圧力室31の容積を変動させることができる。この容積変動に伴って圧力室31内のインクに圧力変動が生じる。そして、記録ヘッド2は、この圧力変動を利用してノズル33からインクを噴射させる。
図4は、プリンター1の電気的な構成を説明するブロック図である。本実施形態におけるプリンター1は、搬送機構16、エンコーダー17、および記録ヘッド2等のプリントエンジン41と、プリンターコントローラー40とを有する。
プリンターコントローラー40は、プリンターの各部の制御を行う制御ユニットである。本実施形態におけるプリンターコントローラー40は、外部インターフェース(I/F)部42と、制御部44と、記憶部43と、駆動信号生成部45と、を有する。外部インターフェース部40は、外部装置からプリンター1へ印刷データや印刷命令を送ったり、プリンター1の状態情報を外部装置側に出力したりする際にプリンターの状態データの送受信を行う。制御部44は、プリンター全体の制御を行うための演算処理装置である。記憶部43は、制御部44のプログラムや各種制御に用いられるデータを記憶する素子であり、ROM、RAM、NVRAM(不揮発性記憶素子)を含む。制御部44は、記憶部43に記憶されているプログラムに従って、各ユニットを制御する。また、本実施形態における制御部44は、外部装置からの印刷データに基づき、記録動作時にどのノズル列34のどのノズル33からどのタイミングでインクを噴射させるかを示す噴射データを生成し、当該噴射データを記録ヘッド2のヘッド制御部46に送信する。駆動信号生成部45(駆動波形生成手段)は、駆動信号の波形に関する波形データに基づいて、アナログの信号を生成し、当該信号を増幅して図4に示す駆動信号(駆動パルス)を生成する。
図5は、駆動信号生成部45が発生する駆動パルスの構成の一例を説明する波形図である。駆動パルスは、上記のエンコーダーパルスEPに基づいて生成されるラッチ信号LATにより規定される単位周期Tごとに駆動信号生成部45から繰り返し生成される。単位周期Tは、記録用紙14に印刷する画像等の1画素分に対応する。本実施形態においては、図5(a)に示す第1の噴射駆動パルスDP1(本発明における第1の駆動波形に相当。)、図5(b)に示す第2の噴射駆動パルスDP2(本発明における第2の駆動波形に相当。)、および、図5(c)に示す第3の噴射駆動パルスDP3(本発明における第3の駆動波形に相当。)の3種類の噴射駆動パルスDP3がそれぞれ発生される。そして、印刷処理中において記録用紙14上の記録領域に1行分(1ラスター分)のドットパターンを形成するとき、各圧力室31に設けられている圧電素子23には、これらの駆動パルスDP1〜DP3のうち何れか1つが選択的に印加される。なお、噴射駆動パルスDP1〜DP3の形状は例示したものには限られず、ノズル33から噴射するインクの量等に応じて種々の波形のものを採用することができる。また、これらの駆動パルスDP1〜DP3は、互いに干渉しないように発生可能であれば同一の駆動信号内に含まれる構成であってもよい。
噴射駆動パルスDP1〜DP3は、いずれもノズル33からインクを噴射させるための駆動パルス(本発明における駆動波形に相当)であり、予備膨張部p1、膨張ホールド部p2、収縮部p3、収縮ホールド部p4、および復帰膨張部p5をそれぞれ備えている。予備膨張部p1は、圧力室31を基準電位Vbに対応する基準容積(初期容積)から膨張容積まで膨張させるべく圧電素子23を変位させる波形要素であり、膨張ホールド部p2は、圧力室31の膨張容積を維持させる波形要素である。また、収縮部p3は、圧力室31を膨張容積から基準容積よりも小さい収縮容積まで収縮させてノズル33からインクを噴射させるように圧電素子23を変位させる波形要素であり、収縮ホールド部p4は、圧力室31の収縮容積を維持させる波形要素である。そして、復帰膨張部p5は、圧力室31を収縮容積から基準容積まで復帰させるべく圧電素子23を変位させる波形要素である。
ここで、プリンター1の通常の設計においては、同一のノズル33から連続してインクを噴射させたときの残留振動の影響ができるだけ生じにくいような駆動パルスの発生タイミング(すなわち、液体の噴射タイミング)および記録用紙14の搬送速度に調整されている。ところが、ユーザーによっては、例えば、印刷処理速度をより高めるために搬送速度を上げる等、通常の設計とは異なる設定で印刷が行われる場合がある。そして、本実施形態における駆動信号生成部45は、記録用紙14の搬送に応じて出力されるエンコーダーパルスEPに基づくラッチ信号LATの受信を条件に駆動信号(駆動パルス)を出力する構成であるため、タイミングによっては、上記のように残留振動による悪影響により、インクの噴射が不安定となる場合がある。具体的には、例えば、ある周期でインクを噴射した後の残留振動に対し、その次の周期でインクを噴射する際に生じる圧力振動が極端に強めあったり弱めあったりするタイミングとなる場合に、ノズル33から噴射されるインクの飛翔速度、飛翔方向、液量が目標値から変化する。その結果、記録用紙14に記録された画像等に筋や色ムラ等が生じて画質が低下してしまう。このような問題に鑑み、本発明に係るプリンター1では、記録用紙14の搬送速度に応じて、上記の噴射駆動パルスDP1〜DP3を選択的に圧電素子23に印加させることで、上記不具合を低減していることに特徴を有している。以下、この点について説明する。
図5(a)に示す第1の駆動パルスDP1は、通常の設計において設定された搬送速度(以下、適宜、基準搬送速度と称する。)で印刷処理が行われる場合に波形の構成要素や電圧等のパラメーターが最適化された駆動パルスである。LAT信号から第1の駆動パルスDP1の始端(予備膨張部p1の始端)までの時間はΔt1に設定されている。このΔt1は、基準搬送速度でインクを連続して噴射する際に、噴射されるインクの飛翔速度や液量等が、設計上の目標値から極端に変動するようなことなく安定するような噴射タイミングとなるように設定されている。そして、LAT信号に対してΔt1後に発生される第1の噴射駆動パルスDP1によりインクが噴射されるタイミングが、本発明における第1の噴射タイミングである。一方、図5(b)に示す第2の駆動パルスDP2は、単位周期Tにおいて第1の駆動パルスDP1よりも早いタイミングで発生される駆動パルスである。LAT信号から第2の駆動パルスDP2の始端までの時間Δt2は、Δt1よりも短い値に設定されている。そして、LAT信号に対してΔt2後に発生される第2の噴射駆動パルスDP2によりインクが噴射されるタイミングが、本発明における第2の噴射タイミングである。同様に、図5(c)に示す第3の駆動パルスDP3は、単位周期Tにおいて第1の駆動パルスDP1よりも遅いタイミングで発生される駆動パルスであり、LAT信号から第3の駆動パルスDP3の始端までの時間Δt3は、Δt1よりも長い値に設定されている。そして、LAT信号に対してΔt3後に発生される第3の噴射駆動パルスDP3によりインクが噴射されるタイミングが、本発明における第3の噴射タイミングである。
これらの噴射駆動パルスDP1〜DP3は、互いに電圧(最低電位から最高電位までの電位差)が異なるように設定されている。具体的には、第1の噴射駆動パルスDP1の電圧Vd1に比べて、第2の噴射駆動パルスDP2の電圧Vd2は低く設定されている。また、第1の噴射駆動パルスDP1の電圧Vd1に比べて、第3の噴射駆動パルスDP3の電圧Vd3は高く設定されている。すなわち、これらの噴射駆動パルスDP1〜DP3の電圧は、Vd2<Vd1<Vd3の関係となっている。噴射駆動パルスの電圧が高いほど、ノズル33から噴射されるインクの飛翔速度Vmは増加し、噴射駆動パルスの電圧が低いほど、ノズル33から噴射されるインクの飛翔速度Vmは低下する。したがって、第2の噴射駆動パルスDP2は、第1の噴射駆動パルスDP1の場合よりもノズル33から噴射されるインクの飛翔速度が低下するように設定された駆動波形であり、第3の噴射駆動パルスDP3は、第1の噴射駆動パルスDP1の場合よりもノズル33から噴射されるインクの飛翔速度が高まるように設定された駆動波形である。
図6は、記録処理(印刷処理)における駆動パルスの選択制御について説明するフローチャートである。また、図7は、駆動パルスの選択例について説明するタイミングチャートである。なお、図7(a)は、記録処理において連続する周期Tn,Tn+1,Tn+2でそれぞれ第1の噴射駆動パルスDP1を用いた場合に噴射が不安定とならないとき(例えば、基準搬送速度での記録処理のとき)の駆動パルスの選択パターンを示している。また、図7(b)は、基準搬送速度とは異なる搬送速度での記録処理において連続する周期Tn,Tn+1,Tn+2で第1の噴射駆動パルスDP1を連続して用いた場合に噴射が不安定となるときの選択パターンを示している。なお、図7(a)と図7(b)とで、便宜上、LAT信号の発生間隔を揃えているが、両者で搬送速度が異なる場合、実際にはLAT信号の間隔も異なる。例えば、図7(a)の場合よりも図7(b)における搬送速度が速ければ、図7(b)におけるLAT信号の間隔は図7(a)のものよりも狭くなり、図7(a)の場合よりも図7(b)における搬送速度が遅ければ、図7(b)におけるLAT信号の間隔は図7(a)のものよりも広くなる。
記録用紙14を搬送機構16によって順次搬送させながら画像等の記録処理を行う場合、記録用紙15の搬送量がエンコーダー17によって検出され、その検出信号であるエンコーダーパルスEPが制御部44に送信される。制御部44は、このエンコーダーパルスEPに基づいて搬送速度を検出する(ステップS1)。また、制御部44は、この搬送速度に基づき、次にインクの噴射が行われるタイミングを推定する(ステップS2)。具体的には、例えば、搬送速度および一周期分の搬送量に基づいて次の周期のLAT信号が生成されるタイミングを予測し、このLAT信号からその周期における第1の噴射駆動パルスDP1の始端までの時間Δt1後に次のインクの噴射タイミングが到来すると予測する。
続いて、制御部44は、次のインクの噴射タイミングが、噴射不安定となるタイミングか否かを判定する(ステップS3)。すなわち、今回周期Tnにおけるインクの噴射により生じたメニスカスの残留振動との関係で、次回周期Tn+1における第1の噴射駆動パルスDP1によってインクを噴射させたときに噴射特性が目標値から著しく変動するか否かを判定する。そして、次回周期Tn+1における第1の噴射駆動パルスDP1によってインクを噴射させたときに不安定とならない(あるいは基準搬送速度で記録処理が行われている)と判定した場合(No)、ステップS4に進み、制御部44は、ヘッド制御部47に対し、次回周期Tn+1において第1の噴射駆動パルスDP1を選択して圧電素子23に印加する制御を行わせる(図7(a))。一方、次回周期Tn+1における第1の噴射駆動パルスDP1によってインクを噴射させたときに不安定となる(周期Tnの第1の噴射駆動パルスDP1と周期Tn+1の第1の噴射駆動パルスDP1との間隔が噴射不安定となる間隔である)と判定した場合(Yes)、ステップS5に進み、制御部44は、ヘッド制御部47に対し、次回周期Tn+1において第2の噴射駆動パルスDP2または第3の噴射駆動パルスDP3の何れかを選択して圧電素子23に印加する制御を行わせる。図7(b)の例において、周期Tn+1では、第2の噴射駆動パルスDP2を選択することで、周期Tnの第1の噴射駆動パルスDP1と周期Tn+1の第2の噴射駆動パルスDP2との間隔が、噴射安定となる間隔となり、周期Tn+1における噴射が不安定となることが防止される。なお、噴射不安定となることを抑制できるのであれば、第3の噴射駆動パルスDP3を選択してもよい。
同様に、周期Tn+1の第2の噴射駆動パルスDP2でインクを噴射させた後、次の周期Tn+2において第1の噴射駆動パルスDP1でインクを噴射させた場合にインクの噴射が不安定となる場合(周期Tn+1の第2の噴射駆動パルスDP2と周期Tn+2の第1の噴射駆動パルスDP1との間隔が噴射不安定となる間隔の場合)、周期Tn+2では、噴射が不安定となるタイミングを避けるような噴射駆動パルスが選択される。ここで、記録用紙14の搬送速度は一定であることから、LAT信号の発生周期も一定である、このため、例えば、周期Tn+1で第2の噴射駆動パルスDP2が選択されてインクが噴射された後、仮に次の周期Tn+2で再度第2の噴射駆動パルスDP2が選択されると噴射不安定となる。つまり、複数の周期に亘って同じ駆動パルスが連続して選択されると噴射が不安定となる。このため、周期Tn+1で第2の噴射駆動パルスが選択された場合、続く周期Tn+2では、第2の噴射駆動パルスDP2とは異なる第3の噴射駆動パルスDP3を選択することで、噴射が不安定となるタイミングを避けることができる。すなわち、第2の噴射駆動パルスDP2または第3の噴射駆動パルスDP3の何れかを選択する場合において、これらの駆動パルスのうち前回選択した駆動波形とは異なる駆動パルスを選択する。要は、今回噴射時におけるLAT信号に対する噴射タイミングを、前回噴射時におけるLAT信号に対する噴射タイミングとは異ならせるようにすればよい。なお、例えば、周期Tn+1で第2の噴射駆動パルスが選択された場合において、これに続く周期Tn+2では、噴射不安定となることを抑制できるのであれば、第1の噴射駆動パルスDP1を選択してもよい。
ここで、図8は、所定の周期で噴射駆動パルスDP1〜DP3をそれぞれ選択したときの噴射タイミングと、噴射されたインクの飛翔方向を説明する模式図である。なお、矢印で示す方向が記録用紙14の搬送方向である。また、Xは実際のインク着弾位置、Xaは第1の噴射駆動パルスDP1によりインクが噴射されるタイミングにおける着弾予定位置、Xbは第2の噴射駆動パルスDP3によりインクが噴射されるタイミングにおける着弾予定位置、Xcは第3の噴射駆動パルスDP3によりインクが噴射されるタイミングにおける着弾予定位置をそれぞれ示している。同図において、第1の噴射駆動パルスDP1が選択された場合、着弾予定位置がXaで示す位置にあるときノズル33からインクが噴射されて記録用紙14に向けてインクが飛翔し、着弾予定位置がXで示す位置に移動してきた時点で着弾する。
また、第2の噴射駆動パルスDP2が選択された場合、着弾予定位置がXaよりも上流側となるXbで示す位置にあるタイミングでノズル33からインクが噴射される。上記のように、第2の噴射駆動パルスDP2は、第1の噴射駆動パルスDP1の場合と比較してインクの飛翔速度が低下するように設定されているので、インクが噴射されてから記録用紙14に着弾するまでの飛翔時間が長くなり、その分、インクが着弾するまでの記録用紙14の搬送距離も長くなる。このため、着弾予定位置がXbにあるタイミングで第2の噴射駆動パルスDP2により噴射されたインクは、着弾予定位置が概ねXに移動してきた時点で記録用紙14上に着弾する。同様に、第3の噴射駆動パルスDP3が選択された場合、着弾予定位置がXaよりも下流側となるXcで示す位置にある時点でノズル33からインクが噴射される。第3の噴射駆動パルスDP3は、第1の噴射駆動パルスDP1の場合と比較してインクの飛翔速度が増加するように設定されているので、インクが噴射されてから記録用紙14に着弾するまでの飛翔時間が短くなり、その分、インクが着弾するまでの記録用紙14の搬送距離も短くなる。このため、着弾予定位置がXcにあるタイミングで第3の噴射駆動パルスDP3により噴射されたインクは、着弾予定位置が概ねXに移動してきた時点で記録用紙14上に着弾する。
このように、本発明に係るプリンター1では記録用紙14の搬送速度の搬送速度に応じて、上記の噴射駆動パルスDP1〜DP3を選択的に圧電素子23に印加させることで、搬送速度が通常の設計の設定速度とは異なる場合においても、噴射されるインクの飛翔速度や量(重量・体積)等の噴射特性が、インク噴射後の残留振動に起因して著しく変動することが抑制される。これにより、記録用紙14に対するインクの着弾位置ずれやドットの大きさのばらつきを抑制することが可能となる。また、本実施形態においては、第2の噴射駆動パルスDP2は、第1の噴射駆動パルスDP1の場合と比較して噴射されるインクの飛翔速度が低下するように設定され、第3の噴射駆動パルスDP3は、第1の噴射駆動パルスDP1の場合と比較して噴射されるインクの飛翔速度が増加するように設定されたので、不安定噴射を避けるべくインクの噴射タイミングを異ならせたとしても、記録用紙14に対する着弾位置ずれを抑制することが可能となる。
次に、複数のノズル列34a〜34dを有する記録ヘッド2において、これらのノズル列34を同時に駆動した場合のクロストークの抑制について説明する。本実施形態における記録ヘッド2は、複数のノズル列34が比較的近接した状態で設けられており、しかもノズル列34を構成するノズル33の数が、所謂シリアルプリンターの場合と比較して多くなっている。このため、ノズル列34の多数のノズル33を同時に駆動したときに生じる振動(圧電素子23の駆動によって生じる振動)がより大きくなる傾向にある。そして、隣り合うノズル列34同士で同時にインクを噴射させた場合、これらの振動が相互に伝達してインクの噴射特性に悪影響を及ぼす所謂クロストークが生じやすい。このため、本実施形態においては、ノズル列34a〜34dを例えば上流側からの並び順で奇数列(第1ノズル列34a,第3ノズル列34c)と偶数列(第2ノズル列34b,第4ノズル列34d)に分類し、奇数のノズル列34a,334c(第1のノズル群に相当。)については駆動パルスDP1〜DP3の選択制御が行われ、偶数のノズル列34b,334d(第2のノズル群に相当。)については、図9に示すように、駆動パルスDP1〜DP3よりもタイミングをΔdだけ一律遅らせた遅延駆動パルスDP1′〜DP3′を用いて選択制御が行われる。図9(a)に示すように、第1の遅延駆動パルスDP1′は、第1の噴射駆動パルスDP1と同一の波形に設定され、当該第1の噴射駆動パルスDP1に対しΔtだけ遅延して発生される駆動パルスである。このΔtは、例えば、1〔μs〕以上6〔μs〕以下の値に設定される。この範囲内であれば、記録処理に影響を及ぼすことなく(処理時間を延ばすことなく)、隣接ノズル列における噴射タイミングをずらすことが可能となる。同様に、第2の遅延駆動パルスDP2′は、第2の噴射駆動パルスDP2と同一の波形でΔtだけ遅延して発生される駆動パルスであり、第3の遅延駆動パルスDP3′は、第3の噴射駆動パルスDP3と同一の波形でΔtだけ遅延して発生される駆動パルスである。
そして、上記の駆動パルスの選択制御では、例えば、奇数列について第1の噴射駆動パルスDP1が選択された場合、偶数列については第1の遅延駆動パルスDP1′が選択される。同様に、奇数列について第2の噴射駆動パルスDP2が選択された場合、偶数列については第2の遅延駆動パルスDP2′が選択され、奇数列について第3の噴射駆動パルスDP3が選択された場合、偶数列については第3の遅延駆動パルスDP3′が選択される。このように、奇数列のインク噴射タイミングに対し、偶数列のインク噴射タイミングが異なるように時分割駆動の形で噴射制御が行われるので、搬送方向で隣り合うノズル列34同士でインクの噴射が同時に噴射されることがなく、噴射時に発生する振動による噴射特性への悪影響(クロストーク)を低減することが可能となる。なお、勿論、偶数列を本発明における第1のノズル群とし、奇数列を本発明における第2のノズル群とする構成であってもよい。
なお、本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態においては、噴射駆動パルスDP1〜DP3の電圧Vd1〜Vd2を異ならせることで、これらの駆動パルスにより噴射されるインクの飛翔速度がそれぞれで異なる構成を例示したが、これには限られない。例えば、噴射駆動パルスDP1〜DP3の電圧を一定に揃える一方、ノズル33からインクを噴射させるべく圧力室31を収縮させるように圧電素子23を駆動する収縮要素p3の傾きを各噴射駆動パルスで異ならせることで、これらの駆動パルスにより噴射されるインクの飛翔速度がそれぞれで異なるように構成することも可能である。具体的には、第1の噴射駆動パルスDP1の収縮要素p3の傾きに対し、第2の噴射駆動パルスDP2の収縮要素p3の傾きを緩やかに設定する一方、第3の噴射駆動パルスDP3の収縮要素p3の傾きを急峻に設定してもよい。
なお、上記実施形態では、圧力発生手段として、所謂縦振動型の圧電素子23を例示したが、これには限られず、例えば、所謂撓み振動型の圧電素子を採用することも可能である。この場合、上記実施形態で例示した駆動パルスDPに関し、電位の変化方向、つまり上下が反転した波形となる。
また、圧力発生手段としては圧電素子には限らず、圧力室内に気泡を発生させる発熱素子や静電気力を利用して圧力室の容積を変動させる静電アクチュエーター等の各種圧力発生手段を用いる場合にも本発明を適用することができる。
そして、本発明は、駆動パルスを圧力発生手段に印加して駆動することにより液体流路内の液体を噴射する液体噴射装置であれば、プリンターに限らず、プロッター、ファクシミリ装置、コピー機等、各種のインクジェット式記録装置、あるいは、着弾対象の一種である布帛(被捺染材)に対して液体噴射ヘッドからインクを着弾させて捺染を行う捺染装置にも適用することができる。
1…プリンター,2…記録ヘッド,3…搬送ベルト,14…記録用紙,16…搬送機構,17…エンコーダー,23…圧電素子,31…圧力室,33…ノズル,34…ノズル列,44…制御部,45…駆動信号生成部

Claims (8)

  1. 圧力発生手段に駆動波形を印加して駆動させることによってノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドを備え、
    液体の着弾対象を搬送させながら前記液体噴射ヘッドのノズルから前記着弾対象に対して液体を噴射させる液体噴射処理を実行する液体噴射装置であって、
    前記着弾対象の搬送速度に応じて、液体噴射の周期を規定する基準信号に対して液体を噴射させるタイミングが互いに異なる複数の駆動波形を選択的に前記圧力発生手段に印加させることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記基準信号に対して第1の噴射タイミングに調整された第1の駆動波形と、前記基準信号に対して前記第1の噴射タイミングよりも早い第2の噴射タイミングに調整された第2の駆動波形と、前記基準信号に対して前記第1の噴射タイミングよりも遅い第3の噴射タイミングに調整された第3の駆動波形と、を選択可能であることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記第2の駆動波形は、前記第1の駆動波形の場合と比較して、噴射される液体の飛翔速度が低下するように設定され、
    前記第3の駆動波形は、前記第1の駆動波形の場合と比較して、噴射される液体の飛翔速度が増加するように設定されたことを特徴とする請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 今回噴射時における前記基準信号に対する噴射タイミングを、前回噴射時における前記基準信号に対する噴射タイミングとは異ならせることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の液体噴射装置。
  5. 前記第2の駆動波形または前記第3の駆動波形の何れかを選択する場合において、これらの駆動波形のうち前回選択した駆動波形とは異なる駆動波形を選択することを特徴とする請求項4に記載の液体噴射装置。
  6. 前記基準信号は、前記着弾対象の搬送に応じて生成されることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の液体噴射装置。
  7. 前記液体噴射ヘッドは、複数のノズルからなる第1のノズル群と、当該第1のノズル群に対し前記着弾対象の搬送方向において隣り合う第2のノズル群と、を有し、
    前記第1のノズル群の液体噴射タイミングに対し、前記第2のノズル群の液体噴射タイミングを異ならせることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の液体噴射装置。
  8. 圧力発生手段に駆動波形を印加して駆動させることによってノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドを備え、
    液体の着弾対象を搬送させながら前記液体噴射ヘッドのノズルから前記着弾対象に対して液体を噴射させる液体噴射処理を実行する液体噴射装置の制御方法であって、
    前記着弾対象の搬送速度に応じて、液体噴射の周期を規定する基準信号に対して液体を噴射させるタイミングが互いに異なる複数の駆動波形を選択的に前記圧力発生手段に印加させることを特徴とする液体噴射装置の制御方法。
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