JP6219541B2 - 引張クランプを取り付けるための工具 - Google Patents

Description

ガス発生器へのエアバッグ材料や取り付け板へのエアバッグなど、物品を取り付けるには、特許文献１から周知のものなど、バンドと、バンドの一端部分に配置されるバックルとで構成される引張クランプが使用される。

特許文献２は、バンドとバックルとから予め組み立てられていて物品に載置されるこのような引張クランプが物品の周りで引張を加えられ、続いてバックルがバンドに固定され、外側バンド端部の余分な長さが切り離される工具を開示している。これを行うため、引張クランプを含めて締結対象の物品がホルダに載置され、引張ローラと圧力ローラとの間で外側バンド端部がクランプされ、引張ローラが回転される。所与のバンド引張または圧力ローラの所与の回転に達すると、バネ付勢プランジャを使用してバックル内で変形が行われることにより、バンドがバックルに固定される。同時に、プランジャとともに回転される切削ホイールによって、バックルから突出する外側バンド端部が切り離される。

バックル内でのバンドの変形では、対抗要素としての締結対象の物品が、プランジャにより加えられる力を受ける必要がある。これは、締結対象の物品が破損するリスクを招く。

周知の工具の別の短所として、バンドの切り離しによりバックルから突出する尖鋭エッジの端部片が発生し、これが後の取り扱い時に怪我を引き起こすことがある。

特許文献３から周知のように、引張クランプを取り付けるための別の工具では、対抗作用を行う二つのプライヤジョーによってバックルがバンドに取り付けられ、各プライヤジョーは、バックルの側面窓部と係合する傾斜面を有する。傾斜面は上側では凸状であり、バックルの孔に固定される凸状の隆起部がバンドに設けられる。バンドで発生する高い引張力は、隆起部が孔から滑り出して固定部が開いてしまうというリスクを伴う。

米国特許第８，４２４，１６６ Ｂ２号明細書 米国特許出願第２００９／０１１４３０８Ａ１号明細書 米国特許第３，６４１，６２９号明細書

本発明は、対応の先行技術工具に存在する短所を少なくとも一部は回避するという目的に基づいている。確実な固着に必要とされる力で引張クランプが取り付けられて、締結対象の物品に実質的な影響を与えることのない上記タイプの工具を用意することに、より明確な目的が見られる。

この目的は、請求項１に規定された発明により達成される。請求項１に従って形成される工具では、外側バンド端部分の側部エッジを変形させるためバックルの側面窓部へ動かされる手段を固定装置が有する。変形力は、締結対象の物品の表面に平行に作用し、工具により支持される。こうして、比較的高い変形力がバックルに加えられて確実な固定が達成される時でも、物品または構造部材は、影響を受けないかバックルのエリア内で必要とされない。

固定装置は好ましくは、外側バンド端部分の両方の側部エッジを同時に変形させるためバックルの両側窓部へ移動するのに適応している二つのプライヤジョーを有する。これは横力がバックルに作用するのを防止し、固定は対称的に行われる。

別の実施形態において、プライヤジョーは、変形プロセス中に内側バンド端部分から離れた側に傾斜面を有し、プライヤジョーの幅は、バンドの長手方向に測定された窓部の開口幅に対応する。こうして、窓部のエリア内に位置するバンドの部分に切欠きが形成されて上に曲げられ、バックルの窓部そのものが切欠きのための刃先を形成する。ゆえに発生する摩耗の一部は、工具ではなくバックルで生じる。

バンドを切断するための切断装置は好ましくは、バンドの長手方向に対して横向きの方向に移動可能な切断部材を有し、切断部材は、バンドを切断する際にバックルの一部と協働するため、このプロセスでも摩耗の一部は、工具ではなくバックルで生じる。バックルに面する切断部材のエッジは、引張クランプが挿入される時に材料（例えばコーティング）の摩耗を回避するように丸くされている。

一実施形態において、切断装置は、内側バンド端部分から離れたバックルの端面で外側バンド端部分の両方のエッジに切欠きを形成するための刃先を備える、対抗作用を行う二つのプライヤジョーを有する。好ましくは、プライヤジョーは、切断されるバンド部分の三角部を上に曲げるための傾斜面を有する。この構成では、締結対象の物品に力が作用することなく切断を実施する。

さらなる実施形態において、切欠き形成プロセスおよび／または切断プロセスを実施する固定と切断のそれぞれの装置の表面には、屑の発生に対抗するか、発生した場合にはこれをできる限り小さくするように溝部が形成されている。

好ましくは、バックルの側面窓部へ動かされる固定装置の一部は、切断ステップ中にバックルを固着するように機能することで他の目的を果たすような方法で制御可能である。

固定装置と切断装置とは、好ましくは、切断ステップの後で固定装置がバックルの窓部との係合状態から解放されるような方法で、共通クランクにより制御可能である。

さらなる実施形態において、締結対象の物品の周りでバンドに引張を加えるための装置は、バックルホルダから離間移動可能であって外側バンド端部分をクランプするクランプ機構を有する。引張プロセスを加速するため、クランプ機構の動きは、最初の部分では距離に応じて、それから力に応じて制御され、距離制御から力制御への切り換えは所定の力閾値で行われる。

図面を参照して、本発明の実施形態を以下で説明する。
引張クランプを変形段階で示す。 引張クランプを変形段階で示す。 引張クランプを取り付けるための工具を示す。 引張クランプが挿入された工具の部分図である。 引張クランプを保持して引張を加えるための保持装置を示す。 引張クランプを保持して引張を加えるための保持装置を示す。 引張クランプを保持して引張を加えるための保持装置を示す。 引張クランプを保持して引張を加えるための保持装置を示す。 引張クランプにバックルを固定するための装置を示す。 引張クランプにバックルを固定するための装置を示す。 引張クランプにバックルを固定するための装置を示す。 図８および９に示された固定装置の下部の拡大図である。 別の拡大図で詳細を示す。 余分なバンド長さを切断するための切断装置の実施形態を示す。 余分なバンド長さを切断するための切断装置の実施形態を示す。 余分なバンド長さを切断するための切断装置の実施形態を示す。 余分なバンド長さを切断するための切断装置の実施形態を示す。 余分なバンド長さを切断するための切断装置の実施形態を示す。 代替的保持装置についての図５に類似した図である。

図面の図１ａおよび１ｂに示されている引張クランプ１９は、バンド２０とバックル２１とを含む。両方の部分は、好ましくは金属で製作される。図１ａは、引張クランプ１９のバックル２１が内側バンド端部分２２に固着され、締結対象の物品（不図示）の周りにバンド２０が載置され、外側バンド端部分２３がバックル２１に通された状態を図示している。最終取り付けの間に、バンド２０は、その外側端部分２３を引くことにより、締結対象の物品の周りでバンド２０に引張が加えられ、引張状態では、バックル２１の側面窓部２５のエリアにある側部エッジ（図１ｂ）の部分２４を変形させることにより外側端部分２３が固定され、バックル２１の後端面２６では、余分なバンド長さが除去される。

図２に示された工具は、引張クランプ１９と、クランプにより囲繞される締結対象の物品（不図示）とを保持するための保持装置と、締結対象の物品の周りで引張クランプ１９に引張を加えるための引張装置と、引張状態でバンド２０をバックル２１に固定するための固定装置５０と、余分なバンド長さを切断するための切断装置とを含む。これらの装置については、下で詳しく説明される。

図３および７に示されているように、引張クランプ１９の外側バンド端部分２３は、工具ヘッド３０の下部に設けられた通路３１（図７）へ、クランプ機構の本体に一体化された停止部３４（図５）にバンド２０が当接する最大程度に挿入される。近接センサ３５（図５および７）は、バンドが工具に存在して通路３１へ十分な程度に動かされたかを確認する。

この位置で、図４から７に示されて保持部を構成するとともに、トグルレバー４１により駆動されるプランジャ４２を含むクランプ機構４０により、バンド２０が固着される。開始ボタン（不図示）の操作により、または電子制御により、クランプ機構４０が駆動されると、プランジャ４２が下降して、圧力によりスライダ３３の底部分３２にバンド２９を固着する。

続いて、外側バンド端部分２３を引く引張装置（図４〜６）により、締結対象の物品の周りでバンド２０に引張が加えられる。所定の値の力がロードセル４６により検出されるまで、クランプ機構４０の全体と近接センサ３５およびスライダ３３などすべての関連部品とを右へ移動させるピストンロッド４５を有する電動シリンダにより、引張力が印加される。

引張プロセスに必要とされる時間を短縮するため、最初は距離に応じて、所定の引張に達する移動の最終部分では力に応じて、ピストンロッド４５が制御されうる。

この位置で、図８から１０に示されている固定装置５０は、バックル２１をバンド２０に固定するように作動する。工具ヘッド３０に配設されて制御クランク５１を通して下向きに移動可能である固定装置５０は、ピン５３上で旋回する一対のプライヤジョー５４を含み、各ジョー５４は、その下端部に傾斜面５５（図１０および１２）を有する。

この状態で、バックル２１の窓部２５と係合するようにプライヤジョー５４は制御クランク５１により互いに向かって動かされ、その傾斜面５５は、窓部（図１ｂ参照）のエッジでバンドの側部エッジ部分２４に切欠きを形成してこれを上に曲げる。プライヤジョー５４の幅は、バンドの長手方向に測定された窓部２５の開口幅に対応する。こうして、実質的にあそびのない固定をバンド２０とバックル２１との間に設ける。ダイバックル２１そのものは、バンド２０の側部エッジ部分２４に切欠きを形成するのに使用されるので、バックルは摩耗の一部を引き受ける。

図１１および１２の拡大図に見られるように、側部エッジ部分２４に切欠きが形成される時に、屑の発生に対抗して、発生した場合にはこれをできる限り小さくするため、プライヤジョー５４の傾斜面５５は溝部５６を備えている。

制御クランク５１（図８）がさらに移動することにより、切断装置が上昇して、通路３１の下部６０に形成されている刃先６１（図７および１１）とバックル２１の端面２６のエッジ６２（図１ｂ）との間で、バックル２１から突出する外側バンド端部分２３の長さが切断される。バンド２０の過度の摩耗を回避するため、刃先６１は丸くされている。切断プロセスの間、固定装置５０のプライヤジョー５４によりバックル２１が固着されたままである。

続いてプライヤジョー５４が開口され、これがバックル２１の窓部２５に詰まってバックル２１の解放に失敗することを防止する。

そして、ピストンロッド４５が図面の左へ動かされることにより、クランプ機構４０のプランジャ４２が、まだクランプされている外側バンド部分２３の切断部を解放する。それからスライダ３３が左へ動かされるため、外側バンド部分２３の切断部分は自由になり工具から落下する。

図７および１３を参照して説明される切断装置では、通路３１を形成する工具の一部を上向きに、つまり引張クランプおよび締結対象物品から離れるように動かすことにより、余分なバンド長さが切り離される。バックル２１の端面２６に形成されるエッジはこの切断動作に使用されるので、バックル２１がやはり摩耗の一部を引き受け、工具の節約になる。同時に、バンド２０の尖鋭エッジ端部がバックル２１から突出することが防止される。

図１１に示されているように、余分なバンド部分２３を切断する際にバックル２１のエッジと協働する通路３１の下面は、プライヤジョー５４の溝部５６と類似した形状および寸法を持ち、また屑の発生に抵抗するか、発生した場合にこれをできる限り小さくするという目的を果たす溝部３７を備えている。

図１４に示された切断装置の代替的実施形態では、引張クランプの方向に動かされて通路３１の表面で切断を行うナイフ６５により、余分なバンド長さが切り離される。突出バンドをバックル２１へ押圧することで尖鋭エッジが形成されることを回避するために、ナイフ６５は６６で面取りされている。

図１５に示された切断装置の別の実施形態は、互いに作用してバックル２１の外側でバンド２０の両側に切欠きを形成するプライヤジョー７０を使用する。このプロセスでは、バンド２０の細い中央ウェブが残され、続いてこれが引きちぎられる。やはりこれも工具の節約になる。

図１６に示された切断装置の実施形態では、切断されるバンド部の三角部分７３（図１７）を上に折り曲げるため、固定装置のプライヤジョー５４のものと類似した傾斜面を有するプライヤジョー７２が設けられる。やはりこれは細い中央ウェブ７４を残し、続いてこれが引きちぎられる。

図１４から１７に示された切断装置では、屑の発生に抵抗して、発生した場合にはこれをできる限り小さくするため、バンド部分２３を切断する工具の部分には、図１１の通路３１と類似した溝部が形成されている。

図１８に図示されている代替例において、クランプ機構８０は、ピストンロッド８１によって回転される偏心レバー８２を有する。ピストンロッド８１が右へ移動すると、偏心レバー８２が回転され、スライダの底部３２へこれを押圧することによりバンドを固着する。外側バンド区分の余分な長さが切り離された後、切断されたバンド部分が工具から自由に落下するように、ピストンロッド８１が左へ動かされる。

１９ 引張クランプ
２０ バンド
２１ バックル
２２ 内側バンド端部分
２３ 外側バンド端部分
２４ （２０の）側部エッジ部分
２５ 窓部
２６ （２１の）端面
３０ 工具ヘッド
３１ 通路
３２ （３３の）底部
３３ スライダ
３４ 停止部
３５ 近接センサ
３７ 溝部
４０ クランプ機構
４１ トグルレバー
４２ プランジャ
４５ ピストンロッド
４６ ロードセル
５０ 固定装置
５１ 制御クランク
５３ ピン
５４ プライヤジョー
５５ 傾斜面
５６ 溝部
６０ （３１）の下部
６１ 刃先
６２ （２６の）エッジ
６３ 制御クランク
６５ ナイフ
６６ （６５の）面取り部
７０ プライヤジョー
７２ プライヤジョー
７３ 三角部
７４ 中央ウェブ
８０ クランプ機構
８１ ピストンロッド
８２ 偏心レバー

Claims (17)

1. 締結対象の物品を囲繞する引張クランプ（１９）を取り付けるための工具であって、前記クランプが、締結対象の前記物品を囲繞するバンド（２０）と、第１バンド端部分（２２）に取り付けられて前記バンド（２０）を囲繞するバックル（２１）とを有し、第２バンド端部分（２３）が前記バックル（２１）を通過し、
   締結対象の前記物品を囲繞する前記バンド（２０）を含めて前記バックル（２１）を保持するための保持手段と、
   前記第２バンド端部分（２３）へ引張を印加することにより、締結対象の前記物品の周りで前記バンド（２０）に引張を加えるための引張手段と、
   前記第２バンド端部分（２３）の側部エッジを変形させるため前記バックル（２１）の側面窓部（２５）へ挿入される手段（５４）を有する、前記バンド（２０）に前記バックル（２１）を固定するための固定手段（５０）と、
   余分なバンド長さを切断するための切断手段と、
   を含む工具において、
   前記第２バンド端部分（２３）の側部エッジを変形させるための前記手段（５４）が、前記バンドの長手方向に測定される前記窓部（２５）の開口幅に対応する幅を有し、前記窓部（２５）のエッジで前記側部エッジの一部分（２４）に切欠きを形成して上向きに曲げるように操作可能であることを特徴とする、工具。
2. 前記変形手段が、前記第２バンド端部分（２３）の両方の側部エッジを同時に変形させるため前記バックル（２１）の両側窓部（２５）へ動かされる二つのプライヤジョー（５４）を有する、請求項１に記載の工具。
3. 各プライヤジョー（５４）が、前記変形プロセスで前記第１バンド端部分（２２）から離れた側に傾斜面（５５）を有する、請求項２に記載の工具。
4. 前記傾斜面（５５）が溝部（５６）を備えている、請求項３に記載の工具。
5. 前記切断装置が、前記第１バンド端部分（２２）から離れた前記バックル（２１）の前記端面（２６）で前記第２バンド端部分（２３）を切り離すため前記バンドの前記長手方向に対して横向きの方向に移動可能な切断部材を含む、請求項１〜４のいずれか１項に記載の工具。
6. 前記切断部材が、前記バンド端部分（２３）を切断する面に溝部（３７）を備えている、請求項５に記載の工具。
7. 前記切断部材が、前記バンド（２０）を切り離すため前記バックル（２１）の前記端面（２６）に設けられたエッジ（６２）と協働する、請求項５または６に記載の工具。
8. 前記バックル（２１）から離れた前記切断部材の前記端部が丸くされている、請求項７に記載の工具。
9. 前記切断手段が、前記第１バンド端部分（２２）から離れた前記バックル（２１）の前記端面（２６）で前記第２バンド端部分（２３）の両側に切欠きを形成するための刃先を有して、互いに対して作用する二つのプライヤジョー（７０又は７２）を有する、請求項１に記載の工具。
10. 前記切断手段の前記プライヤジョー（７２）が、切り離される前記バンド部分の三角部（７３）を上に折り曲げるための傾斜面を有する、請求項９に記載の工具。
11. 前記バックル（２１）の側面窓部（２５）へ挿入されうる前記固定手段（５０）の前記装置（５４）が、前記切断ステップ中に前記バックル（２１）を固着させる機能を果たすような方法で制御可能である、いずれかの先行請求項に記載の工具。
12. 前記切断ステップの後に前記バックル（２１）の前記窓部（２５）での係合状態から解放されるような方法で、前記固定手段（５０）が制御可能である、請求項１１に記載の工具。
13. 前記固定手段（５０）と前記切断手段とが共通の制御クランク（５１）により制御可能である、いずれかの先行請求項に記載の工具。
14. 前記引張手段が、前記第２バンド端部分（２３）をクランプするため前記保持手段から離間移動可能であるクランプ機構（４０；８０）を有する、いずれかの先行請求項に記載の工具。
15. 前記引張手段が、前記引張力を監視するための力測定手段（４６）を有する、請求項１４に記載の工具。
16. 前記クランプ機構（４０）の移動が、移動の第１部分では距離に応じて制御可能であり、続いて所定の引張力に達すると力に応じて制御可能である、請求項１５に記載の工具。
17. 前記保持手段が、バンド（２０）が前記工具に存在するかどうかを検出するための近接センサ（３５）を含む、いずれかの先行請求項に記載の工具。
    

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