JP6215690B2 - 高耐熱延伸フィルム - Google Patents

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Description

本発明は高耐熱延伸フィルムに関する。更に詳しくは、高温下での耐熱寸法安定性および機械強度に優れる熱可塑性ポリエステル樹脂組成物からなる高耐熱延伸フィルムに関する。
熱可塑性ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と称することがある)やポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と称することがある)の二軸延伸フィルムは、優れた機械的性質、耐熱性、耐薬品性を有するため、磁気テープ、強磁性薄膜テープ、写真フィルム、包装用フィルム、電子部品用フィルム、電気絶縁フィルム、金属ラミネート用フィルム、ガラスディスプレイ等の表面に貼るフィルム、各種部材の保護用フィルム等の素材として広く用いられている。
近年、電気あるいは電子回路の小型化の要求に伴い、これら各種用途の構成部材についても小型化や実装化が進んでおり、更なる耐熱性が要求されるようになってきた。また、自動車用途においては、運転室内での使用のみならず、エンジンルーム内にまで使用範囲が拡大しており、より高温下での寸法安定性に適した構成部材が要求されている。
各種用途の中で、例えばフレキシブル回路基板に着目してみると、フレキシブル回路は可撓性を有する基板上に電気回路を配置してなるものであり、基板となるフィルムに金属箔を貼りあわせたり、メッキ等を施した後にエッチングを行って回路を形成し、加熱処理、回路部品の実装等が行われ作成されるものである。従来、フレキシブル回路基板用フィルムとしては、回路との密着性、回路部品実装時のハンダ付けでの耐熱性等が良好であるとの理由からポリイミド(以下「PI」と称する場合がある)フィルムが一般的に使用されてきた。
フレキシブル回路に対して小型化、高密度化が要求される一方で、基板材料に対してより廉価な材料が求められている。PETフィルムは廉価であり、また耐薬品性、絶縁性等が良好であるとの理由から一部で使用されている。しかしながら、最近の高密度化した回路基板フィルムとしては耐熱性が十分でないことがあった。また、環境対応の点から、最近鉛フリーハンダが使用されつつあり、鉛フリーハンダリフロー工程では従来のフローハンダに比べてハンダ付け温度を高くすることがあるため、PETフィルムでは依然として耐熱性が不足する。
このような背景から、従来のPIフィルムやPETフィルムに代わるプラスチックフィルムの探索が行われており、耐熱性を有するプラスチックフィルムの中では比較的安価なポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムが検討され、例えば特許文献1にはフレキシブル回路基板用フィルムをPENフィルムにすることが提案されている。しかしながら、最近の回路の高密度化に対して要求されている高温下での寸法安定性が不足するため、このままでは回路部品実装工程でのハンダ付け後にフィルムにシワが入ったり、回路の平面性が崩れ凹凸が発生することがある。
ポリエチレンナフタレートフィルムの耐熱寸法安定性を高める方法として、例えば特許文献2には、フィルムに熱弛緩処理を施すことによって200℃で10分間加熱処理したときの熱収縮率がフィルムの長手方向および幅方向共それぞれ1.5%以下であり、230℃で10分間加熱処理したときの熱収縮率がフィルムの長手方向および幅方向共それぞれ2.0%以下であるPENフィルムが得られることが記載されている。また特許文献3には、熱弛緩処理方法を特定の条件で行うことにより、200℃で10分間加熱処理した際にフィルム長手方向に0%以上1%以下収縮し、かつ幅方向に0%以上0.5%以下伸張するPENフィルムが得られることが記載されている。
また特許文献4にはPENフィルムの主たる結晶構造をβ晶構造にすることで高温下での260℃近辺でのハンダ加工耐性が得られることが記載されている。
しかしながら、例えばフレキシブル回路基板に適用する場合、高温下での寸法安定性と同時に高温下でのフィルムの機械強度を確保することが肝要であるが、ポリエチレンナフタレートの融点近傍の260℃程度での収縮を十分に抑え、かつ機械的強度についても満足するPENフィルムを簡便に得る方法はまだ提供されていないのが現状である。
特開昭62−93991号公報 特開平11−168267号公報 特開2001−191405号公報 特開2011−157442号公報
本発明の目的は、高温下での耐熱寸法安定性および機械強度に優れる熱可塑性ポリエステル樹脂組成物からなる高耐熱延伸フィルムを簡便な方法で提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討した結果、従来、熱可塑性ポリエステルフィルムでは検討されていなかったガラス短繊維を用いることで、ガラス短繊維の補強効果により、融点近くの温度で従来よりも短い熱固定時間で熱収縮率とともに機械特性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明によれば、本発明の目的は、ガラス短繊維を含む熱可塑性ポリエステル樹脂組成物からなる延伸フィルムであって、かかるガラス短繊維の直径が0.1〜5.0μm、平均繊維長が1〜300μmであり、該延伸フィルムの粘弾性測定における260℃の貯蔵弾性率がフィルム長手方向において200MPa以上であり、かつ260℃、10分間熱処理したときのフィルム長手方向および幅方向の熱収縮率がともに1.0%以下である高耐熱延伸フィルムによって達成される。
また本発明の高耐熱延伸フィルムは、好ましい態様として、前記熱可塑性ポリエステル樹脂がポリエチレンナフタレンジカルボキシレートであること、前記樹脂組成物の重量を基準として該ガラス短繊維の含有量が5重量%を超え50重量%以下の範囲であること、フィルム全層厚さが10〜300μmであること、の少なくともいずれか1つを具備するものも包含する。
本発明によれば、本発明の高耐熱延伸フィルムは熱可塑性ポリエステルを主成分とするフィルムでありながら、融点近傍の高温領域での耐熱寸法安定性および機械強度に優れているため、これまでに適用の難しかったフレキシブル回路基板用に好適に用いることができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
<熱可塑性ポリエステル>
本発明における熱可塑性ポリエステルは、ジオールとジカルボン酸との重縮合によって得られるポリマーであり、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートが好ましく例示され、特に高温領域での強度、寸法安定性の観点からポリエチレンナフタレンジカルボキシレートが好ましく、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが最も好ましい。
本発明における熱可塑性ポリエステルは、ポリエステルの重量を基準としてポリエチレンナフタレンジカルボキシレートあるいはポリエチレンテレフタレートを50重量%以上含むことが好ましく、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上である。また、かかる主成分以外のポリエステルとして例示されている他の種類のポリエステルを含有することができるほか、その他の公知のポリエステル樹脂を用いてもよい。
また、本発明における熱可塑性ポリエステルはホモポリマーであっても共重合ポリエステルであってもよく、共重合ポリエステルである場合はポリエステルの全繰り返し単位を基準としてエチレンナフタレンジカルボキシレートあるいはエチレンテレフタレートが80モル%以上であることが好ましく、さらに好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95モル%以上である。共重合ポリエステルの場合、従たる共重合成分として、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分などの中から主たる成分以外の成分を用いることが好ましい。
本発明における熱可塑性ポリエステルは、従来公知の方法、例えばジカルボン酸とジオール、および必要に応じて共重合成分をエステル化反応させ、次いで得られる反応生成物を重縮合反応させてポリエステルとする方法で製造することができる。また、これらの原料モノマーの誘導体をエステル交換反応させ、次いで得られる反応生成物を重縮合反応させてポリエステルとする方法で製造してもよい。
<ガラス短繊維>
本発明の高耐熱延伸フィルムはフィルム中にガラス短繊維を含み、その直径は0.1μm以上、7.0μm以下、好ましくは0.1μm以上5.0μm以下、さらに好ましくは0.1μm以上3.0μm以下である。また、該ガラス短繊維の繊維長は1μm以上300μm以下、好ましくは3μm以上100μm以下、さらに好ましくは5μm以上50μm以下である。
本発明において、ガラス短繊維はシランカップリング剤で表面処理されたものを用いることが好ましい。シランカップリング剤としては、従来から用いられているものであれば特に限定されず、アミノシラン系、エポキシシラン系、アリルシラン系、ビニルシラン系などが挙げられる。
また、本発明においては、ガラス短繊維を潤滑剤で処理してもよい。潤滑剤としてはシリコンオイルなどを使用できるが、カリックスアレーンが特に好ましい。
ガラス短繊維の含有量は、ガラス短繊維を含む熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の重量を基準として5.0重量を超え50重量%以下であることが好ましく、より好ましい下限は7重量%、さらに好ましくは10重量%である。また、該ガラス短繊維の含有量の上限は、より好ましくは30重量%、さらに好ましくは25重量%である。
ガラス短繊維の含有量が下限に満たない場合、実用レベルの熱固定温度及び処理時間で十分な耐熱寸法安定性と優れた機械強度とを両立できないことがある。一方、上限を超えるガラス短繊維を用いても、それ以上の寸法安定性が得られにくくなる一方で、延伸が困難になり、またフィルム表面が荒れやすくなり、フレキシブル回路基板への適用が難しくなることがある。
<貯蔵弾性率>
本発明の高耐熱延伸フィルムは、粘弾性測定における260℃での貯蔵弾性率がフィルム長手方向において200MPa以上であり、さらに好ましくは400MPa以上、特に好ましくは500MPa以上である。
本発明の高耐熱延伸フィルムは融点近傍の260℃程度の高温領域での機械強度および耐熱寸法安定性が高いことが特徴であり、その達成手段として、特定サイズのガラス短繊維を含有することに加え、フィルム製膜工程において260℃近傍で、通常適用される熱固定時間の範囲内で熱処理することで、260℃での機械強度が向上する。
<熱収縮率>
本発明の高耐熱延伸フィルムは、260℃で10分間熱処理したときのフィルム長手方向および幅方向の熱収縮率がともに1.0%以下であり、好ましくは0.5%以下である。本発明の高耐熱延伸フィルムは融点近傍の260℃程度の高温領域での機械強度および耐熱寸法安定性が高いことが特徴であり、その達成手段として、特定サイズのガラス短繊維を含有することに加え、フィルム製膜工程において260℃近傍で、通常適用される熱固定時間の範囲内で熱処理することで、260℃での機械強度を向上させつつ、260℃での熱収縮率も低減させることができる。
<層構成>
本発明の高耐熱延伸フィルムは、ガラス短繊維を含む熱可塑性ポリエステル樹脂組成物からなる、少なくとも1層からなる延伸フィルムであり、前記のガラス短繊維を含む熱可塑性ポリエステル樹脂層の少なくとも片面にさらにガラス短繊維を含まないか少量のガラス短繊維を含む熱可塑性ポリエステル樹脂層を有してもよい。また、前記のガラス短繊維を含む熱可塑性ポリエステル樹脂層を芯層とし、さらにガラス短繊維を含まないか少量のガラス短繊維を含む熱可塑性ポリエステル樹脂層を表層とする3層フィルムとしてもよい。
積層構成とする場合、さらに積層させる熱可塑性ポリエステル樹脂層を構成する熱可塑性ポリエステルとして、ガラス短繊維を含む熱可塑性ポリエステル樹脂組成物として例示されている熱可塑性ポリエステルの中から選択できる。なかでも、ガラス短繊維を含む層と同じ種類の熱可塑性ポリエステルを用いることがより好ましく、また熱可塑性ポリエステルの含有量は該層を構成する樹脂組成物の重量を基準として好ましくは95重量%、さらに好ましくは99重量%、特に好ましくは99.5重量%である。
ガラス短繊維を含む層に積層させる熱可塑性ポリエステル樹脂層は、ガラス短繊維を含まないか、またガラス短繊維を含む場合はガラス短繊維を含む層のガラス短繊維含有量よりも少ないことが好ましく、多くても層重量に対して5重量%以下、さらには1重量%以下、特に0.5重量%以下であることが好ましい。これらの中でも、ガラス短繊維を含む層に積層させる熱可塑性ポリエステル樹脂層は、ガラス短繊維を含まない態様であることが好ましい。
ガラス短繊維を含む層に積層させる熱可塑性ポリエステル樹脂層のガラス短繊維含有量が上記範囲内であることにより、回路を形成するフィルム面を平滑化でき、より線幅の細い回路を形成することができる。
積層構成の場合、積層フィルムの全厚さに対してガラス短繊維をより多く含む熱可塑性ポリエステル樹脂層の厚み比が20%〜90%であることが好ましく、30%〜80%であることがより好ましい。ガラス短繊維を含む熱可塑性ポリエステル樹脂層の厚み比がかかる範囲にあることにより、積層させる熱可塑性ポリエステル樹脂層の最表面がガラス短繊維の影響を受けにくくなり、回路を形成するフィルム面をより平坦化できる。
<フィルム厚み>
本発明の高耐熱延伸フィルムのフィルム厚みは10μm以上300μm以下であることが好ましく、より好ましくは50〜250μmであり、適宜フィルム厚みを選択することができる。
<フィルム製造方法>
本発明の高耐熱延伸フィルムは、少なくとも1方向に延伸された延伸フィルムであることが好ましく、さらに二軸延伸フィルムであることが好ましい。
二軸延伸フィルムを例としてフィルム製造方法について説明すると、公知の逐次二軸延伸方法や、同時二軸延伸方法を用いて製膜することができ、その方法は特に制限されない。
まず、ガラス短繊維の添加時期は、マスターチップの製造段階、樹脂組成物のブレンド段階、樹脂組成物を押出機に投入する段階のいずれの段階で添加してもよく、これらの方法を組み合わせてもよい。
逐次延伸法を用いる製膜方法として、樹脂組成物を押出機に供給してTダイよりシート状に成形し、表面温度10〜60℃の冷却ドラムで冷却固化後、例えばロール加熱または赤外線加熱によって加熱し、長手方向(縦方向、MD方向と称することがある)に延伸し、縦延伸フィルムを得る。縦延伸温度は組成物のガラス転移点(Tg)より高い温度、更にはTgより20〜40℃高い温度とするのが好ましい。縦延伸倍率は、使用する用途の要求に応じて適宜調整すればよいが、好ましくは2.5倍以上5.0倍以下、更に好ましくは3.0倍以上4.5倍以下である。
続いて幅方向(横方向、TD方向と称することがある)に延伸を行い、横延伸処理は組成物のガラス転移点(Tg)より20℃以上高い温度から始め、樹脂組成物の融点(Tm)より(20〜30)℃低い温度まで昇温しながら行う。また横延伸最高温度は、好ましくはTmより(100〜40)℃低い温度である。
横延伸倍率は、使用する用途の要求に応じて適宜調整すればよいが、好ましくは2.5倍以上5.0倍以下、更に好ましくは3.0倍以上4.5倍以下である。
その後、必要に応じて熱固定、熱弛緩の処理を順次施して二軸配向フィルムとするが、かかる処理はフィルムを走行させながら行う。熱固定を行うに際し、250〜270℃の温度範囲で熱固定処理を行い、また本発明における熱固定時間は30〜300秒で行うのが好ましい。本発明のフィルムは、260℃というポリエステルの融点近傍の耐熱寸法安定性と機械特性とを高めるにあたり、特定サイズのガラス短繊維を存在させることにより、短い熱固定時間で260℃もの高温で耐熱寸法安定性を高めることができる。熱固定時間は上限を超えて施してもよいが、実用的にはかかる範囲内で熱固定を行うことが好ましい。
また積層構成とする場合は、別々の押出機に各層用の樹脂組成物を供給し、フィードブロックを用いて溶融状態で積層させた後、Tダイよりシート状に成形する方法が好ましく、その後の延伸工程は上述の方法に従って製造すればよい。
塗布層をさらに設ける場合、フィルム延伸工程において塗布する方法が挙げられる。この場合、塗布液は水性塗布液の形態で使用されることが好ましい。水性塗布液の固形分濃度は、通常20重量%以下、好ましくは1〜10重量%である。
<用途>
本発明の高耐熱延伸フィルムは、260℃という高温領域で優れた強度および耐熱寸法安定性を有することから、フレキシブル回路基板用フィルムとして好適に使用することができる。フレキシブルプリント回路基板は、本発明の高耐熱延伸フィルムの少なくとも片面に銅箔または導電ペーストからなる金属層を積層させ、金属層に微細な回路パターンを形成することによって得られる。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、各特性値は以下の方法で測定した。また、実施例中の部および%は、特に断らない限り、それぞれ重量%および重量%を意味する。
(1)フィルム厚み
電子マイクロメータ(アンリツ(株)製の商品名「K−312A型」)を用いて針圧30gにてフィルム厚みを測定した。
(2)貯蔵弾性率
フィルムサンプルを幅5mm、長さ35mmに切り、(株)パーキンエルマー製の動的粘弾性測定装置(DMA8000)を用い、周波数1Hzで室温から260℃まで2℃/分で昇温して測定した。得られたチャートより各温度での貯蔵弾性率を求めた。
(3)熱収縮率
フィルムサンプルに30cm間隔で標点をつけ、荷重をかけずに260℃の温度のオーブンで10分間熱処理を実施し、熱処理後の標点間隔を測定して、フィルム長手方向(MD方向)と幅方向(TD方向)において、それぞれ下記式(1)にて熱収縮率を算出した。各方向ともサンプル5点について測定し、その平均値を各方向の熱収縮率とした。
熱収縮率(%)=((L−L)/L)×100・・・(1)
(式中、Lは熱処理前の標点間距離、Lは熱処理後の標点間距離をそれぞれ示す。)
(4)ガラス繊維径およびガラス繊維長
ミクロトーム(RM2255、ライカ社製)にてフィルム断面を削り、走査型電子顕微鏡(S−4700、日立製)で400倍の倍率で観察し、ガラス短繊維の繊維径と繊維長を測定した。
(5)ガラス短繊維の含有量
試料を450℃で3時間加熱し、加熱前後の重量からガラス短繊維含有量を算出した。
(6)ハンダ耐熱性評価
フィルムを溶融はんだ浴上に浮かせ、260℃×30秒間処理を行い、その外観を下記の基準で評価した。
◎:変化なし
○:フィルムエッジに若干のシワが発生するもののほとんど変化なし
△:多少のシワは見られるが、試験前の形態を維持している。
×:試験前の形態を維持していない。
[ペレットの作製]
P1:固有粘度0.60dl/gのポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを得た。
P2:固有粘度0.60dl/gのポリエチレンテレフタレートを得た。
P3:二軸押出成形機を用い、溶融したP1に対して30重量%(樹脂組成物100重量%を基準として)となるように直径3μm、繊維長150μmのガラス短繊維を添加し、溶融混練を行ってペレットを作製した。
P4:二軸押出成形機を用い、溶融したP1に対して30重量%(樹脂組成物100重量%を基準として)となるように直径5μm、繊維長200μmのガラス短繊維を添加し、溶融混練を行ってペレットを作製した。
P5:二軸押出成形機を用い、溶融したP2に対して30重量%(樹脂組成物100重量%を基準として)となるように直径3μm、繊維長150μmのガラス短繊維を添加し、溶融混練を行ってペレットを作製した。
[実施例1]
ガラス短繊維の含有量が10重量%となるようにP1とP3を表1の組成割合で準備し、170℃で6時間乾燥後、300℃に加熱された押出機に供給し、ダイスリットより溶融押出してキャスティングドラム上で冷却固化させ、未延伸フィルムを作成した。この未延伸フィルムを表1に示す条件で縦方向(MD方向)、横方向(TD方向)に二軸延伸し、さらに表1に示す条件で金枠に固定して熱処理を施した。本実施例のフィルムは260℃の熱固定温度で1分間の熱固定時間でありながら、260℃での熱収縮が小さく、ハンダ耐熱評価ではフィルムに多少のシワは見られるものの形状は維持していた。さらに本実施例は260℃での貯蔵弾性率も高く、機械特性にも優れていた。
[実施例2]
熱処理条件を260℃×2minに変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。得られたフィルムの特性を表1に示す。
本実施例のフィルムは260℃での熱収縮が小さく、ハンダ耐熱評価ではフィルムに多少のシワは見られるものの形状は維持していた。さらに本実施例は260℃での貯蔵弾性率も高く、機械特性にも優れていた。
[実施例3]
熱処理温度を260℃×5minに変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。得られたフィルムの特性を表1に示す。
本実施例のフィルムは260℃での熱収縮が小さく、ハンダ耐熱評価ではフィルムに多少のシワは見られるものの形状は維持していた。さらに本実施例は260℃での貯蔵弾性率も高く、機械特性にも優れていた。
[実施例4]
ガラス短繊維の含有量が20重量%となるようにP1、P3を表1の組成割合に変更し、また延伸倍率を表1の条件に変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。得られたフィルムの特性を表1に示す。本実施例のフィルムは260℃での熱収縮が小さく、ハンダ耐熱評価ではフィルム外観に変化はなかった。さらに本実施例は260℃での貯蔵弾性率も高く、機械特性に優れていた。
[実施例5]
ガラス短繊維の含有量が20重量%となるようにP1、P3を表1の組成割合に変更し、また延伸倍率を表1の条件に変更、熱処理温度を260℃×2minに変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。得られたフィルムの特性を表1に示す。本実施例のフィルムは260℃での熱収縮が小さく、ハンダ耐熱評価ではフィルム外観に変化はなかった。さらに本実施例は260℃での貯蔵弾性率も高く、機械特性に優れていた。
[実施例6]
ガラス短繊維の含有量が20重量%となるようにP1、P3を表1の組成割合に変更し、また延伸倍率を表1の条件に変更、熱処理温度を260℃×5minに変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。得られたフィルムの特性を表1に示す。本実施例のフィルムは260℃での熱収縮が小さく、ハンダ耐熱評価ではフィルム外観に変化はなかった。さらに本実施例は260℃での貯蔵弾性率も高く、機械特性に優れていた。
[実施例7]
ガラス短繊維の含有量が20重量%となるようにP1、P4を表1の組成割合に変更、また延伸倍率を表1の条件に変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。得られたフィルムの特性を表1に示す。本実施例のフィルムは実施例1で得られたフィルムよりも260℃の熱収縮が小さく、ハンダ耐熱評価ではフィルムエッジに若干シワが入ったものの、フィルム外観にほとんど変化はなかった。さらに本実施例は260℃での貯蔵弾性率も高く、機械特性にも優れていた。
[実施例8]
熱処理温度を260℃×2minに変更した以外は実施例7と同様の操作を行った。得られたフィルムの特性を表1に示す。本実施例のフィルムは260℃での熱収縮が小さく、ハンダ耐熱評価ではフィルムエッジに若干シワが入ったものの、フィルム外観にほとんど変化はなかった。さらに本実施例は260℃での貯蔵弾性率も高く、機械特性にも優れていた。
[実施例9]
熱処理温度を260℃×5minに変更した以外は実施例7と同様の操作を行った。得られたフィルムの特性を表1に示す。得られたフィルムの特性を表1に示す。本実施例のフィルムは260℃での熱収縮が小さく、ハンダ耐熱評価ではフィルムエッジに若干シワが入ったものの、フィルム外観にほとんど変化はなかった。さらに本実施例は260℃での貯蔵弾性率も高く、機械特性にも優れていた。
[実施例10]
ガラス短繊維を含むポリエステルの種類をP4からP5に変更し、熱処理温度を260℃×5minに変更した以外は実施例7と同様の操作を行った。得られたフィルムの特性を表1に示す。本実施例のフィルムは260℃での熱収縮が小さく、ハンダ耐熱評価ではフィルムに多少のシワは見られるものの形状は維持していた。さらに本実施例は260℃での貯蔵弾性率も高く、機械特性にも優れていた。
[比較例1]
ガラス短繊維を含まないP1のみからなる組成割合に変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。得られたフィルムの特性を表1に示す。ガラス短繊維を含まないポリエチレンナフタレートフィルムの場合、実施例と同じ熱固定条件(260℃で1分間)では260℃での熱収縮率が大きく、また機械特性も特に260℃での低下が大きく、ハンダ耐熱評価ではフィルムが変形してしまった。
[比較例2]
ガラス短繊維を含まないP1のみからなり、熱処理温度を260℃×2minに変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。得られたフィルムの特性を表1に示す。ハンダ耐熱評価ではフィルムが変形してしまった。
[比較例3]
ガラス短繊維を含まないP1のみからなり、熱処理温度を260℃×5minに変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。得られたフィルムの特性を表1に示す。ハンダ耐熱評価ではフィルムが変形してしまった。
[比較例4]
ガラス短繊維を含まないP2のみに変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。得られたフィルムの特性を表1に示す。ハンダ耐熱評価ではフィルムが変形してしまった。
[比較例5]
ガラス短繊維を含まないP2のみからなり、熱処理温度を260℃×2minに変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。得られたフィルムの特性を表1に示す。ハンダ耐熱評価ではフィルムが変形してしまった。
[比較例6]
ガラス短繊維を含まないP2のみからなり、熱処理温度を260℃×5minに変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。得られたフィルムの特性を表1に示す。ハンダ耐熱評価ではフィルムが変形してしまった。
[比較例7]
ガラス短繊維の含有量が5重量%となるようにP1、P3を表1の組成割合に変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。得られたフィルムの特性を表1に示す。ハンダ耐熱評価ではフィルムが変形してしまった。
[比較例8]
ガラス短繊維の含有量が5重量%となるようにP1、P3を表1の組成割合に変更し、熱処理温度を260℃×2minに変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。得られたフィルムの特性を表1に示す。ハンダ耐熱評価ではフィルムが変形してしまった。
[比較例9]
ガラス短繊維の含有量が5重量%となるようにP1、P3を表1の組成割合に変更し、熱処理温度を260℃×5minに変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。得られたフィルムの特性を表1に示す。ハンダ耐熱評価ではフィルムが変形してしまった。
[比較例10]
表1に示すようにP1のみの組成に変更し、熱処理温度を260℃×240minに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、50μm厚みの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。ガラス短繊維を含まない場合、本発明と同等の耐熱寸法安定性および機械特性を得るためには、熱固定時間を相当長くする必要があり、実用的には適用が難しい製造条件が必要であった。
Figure 0006215690
本発明の高耐熱延伸フィルムは、熱可塑性ポリエステルを主成分とするフィルムでありながら、簡便な方法で融点近傍の高温領域での耐熱寸法安定性および機械強度に優れるフィルムが得られるため、これまでに適用の難しかったフレキシブル回路基板用に好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. ガラス短繊維を含む熱可塑性ポリエステル樹脂組成物からなる延伸フィルムであって、かかるガラス短繊維の直径が0.1〜5.0μm、平均繊維長が1〜300μmであり、該延伸フィルムの粘弾性測定における260℃の貯蔵弾性率がフィルム長手方向において200MPa以上であり、かつ260℃、10分間熱処理したときのフィルム長手方向および幅方向の熱収縮率がともに1.0%以下であることを特徴とする高耐熱延伸フィルム。
  2. 前記熱可塑性ポリエステル樹脂がポリエチレンナフタレンジカルボキシレートである請求項1に記載の高耐熱延伸フィルム。
  3. 前記樹脂組成物の重量を基準として該ガラス短繊維の含有量が5重量%を超え50重量%以下の範囲である、請求項1〜2のいずれかに記載の高耐熱延伸フィルム。
  4. フィルム全層厚さが10〜300μmである請求項1〜3のいずれかに記載の高耐熱延伸フィルム。
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