JP6215515B2 - クリノプチロライト成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、細孔分布が制御された新規なクリノプチロライト成形体に関するものである。
クリノプチロライトは特定の分子のみを選択的に吸着分離する分子篩剤、気体や液体の脱水剤、水溶液中の特定のイオンを選択的に交換するイオン交換体として工業的に利用されている。
クリノプチロライトには天然に産出される天然クリノプチロライト(引用文献1〜4)や、人工的に合成した合成クリノプチロライト(引用文献5、非特許文献1)が知られている。合成クリノプチロライトはその製造が困難である一方、天然クリノプチロライトは豊富に産出される。そのため、工業的には天然クリノプチロライトが広く使用されている。
これまでに吸着剤として使用されるクリノプチロライトとしては、各種のイオンで交換された天然クリノプチロライトを粉砕、整粒したものが報告されている(例えば、特許文献1)。また、天然クリノプチロライトを各種粘土と混練することで、いわゆるマクロ細孔が付与された成形体としたもの(特許文献2〜4)が報告されている。
特開昭63−162519号公報 特開昭62−132727号公報 特開平4−21639号公報 特表2007−514537号公報 特開平8−26721号公報
Nature,vol.304,21July,P255,1983
天然クリノプチロライトは組成にバラつきがあることに加え、相当量の不純物(可溶性ケイ酸塩など)を含有する。天然クリノプチロライトを所望のカチオンでイオン交換するためには、これら不純物を除去し、なおかつ、大過剰量のカチオンを使用してイオン交換する必要があった。
さらに、天然クリノプチロライトは強固な凝塊状で産出される。そのため、これを成形体とするためには天然クリノプチロライトを一度粉末とした後に、これを成形する必要がある。しかしながら、凝塊状の天然クリノプチロライトは、粉砕による粒子形状が不均一な粉末となる。このような天然クリノプチロライト粉末を成形して得られる成形体は不均一な細孔構造を有するため、イオン交換が不均一となるだけでなく、得られるイオン交換後のクリノプチロライト成形体の吸着特性が十分なものではなかった。そのため、工業的には吸着剤として天然クリノプチロライトの成形体を使用することができず、数μm〜数mmの適当な大きさに粉砕および整粒された天然クリノプチロライト使用されるのみであった。
本発明は、上記の課題を解決し、イオン交換が容易であり、なおかつ、細孔分布が制御されたクリノプチロライトの新規な成形体を提供する。
本発明者は、工業的に使用可能なクリノプチロライト成形体について検討した。その結果、特定の細孔直径を有する細孔容積を制御すること、及び、これが制御されたクリノプチロライト成形体がイオン交換性に優れ、なおかつ、吸着剤として優れた成形体となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は直径3〜250,000nmの細孔の全容積に対する、直径50〜1,000nmの細孔の容積が50%以上のクリノプチロライト成形体である。
以下、本発明のクリノプチロライト成形体について説明する。
本発明は、クリノプチロライト成形体であり、クリノプチロライト粉末と少なくとも1種の結合剤を含んだクリノプチロライトである。そのため、クリノプチロライト粉末のみを加圧し押し固めた、いわゆるクリノプチロライト圧粉体や、塊状のクリノプチロライトを粉砕して得られるクリノプチロライト粒子とは異なる。
本発明のクリノプチロライト成形体は、直径3〜250,000nmの細孔の全容積に対する、直径50〜1,000nmの細孔の容積(以下、「マクロ細孔容積」とする)が50%以上であり、65%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、75%以上であることが更に好ましい。マクロ細孔容積が50%以上であれば、イオン交換を効率よく行うことができ、大過剰のイオン交換溶液を使用することなく目標とするイオン交換率までイオン交換が可能となる。マクロ細孔容積が高くなるほど、この効果が得られやすくなる傾向にある。更に、この様なクリノプチロライト成形体をイオン交換して得られる吸着剤は、吸着分離における吸脱着速度が速く、高い吸着特性を有する。一方、マクロ細孔容積が50%未満では、イオン交換特性が低く、吸着特性に優れた吸着剤が得られない。また、本発明のクリノプチロライト成形体が高いイオン交換率と適度な機械的強度を有すためのマクロ細孔容積として、例えば、80%以下を挙げることができる。
また、本発明のクリノプチロライト成形体は、全細孔容積に対する直径100μm以上の細孔容積が10%以下となりやすい。本発明のクリノプチロライト成形体は、クリノプチロライト粉末と結合剤とを含むため、クリノプチロライト粉末粒子間に形成される直径100μm付近の細孔が少なくなる。一方、クリノプチロライト圧粉体等では、全細孔容積に対する直径100μm以上の細孔が35〜40%程度と高くなりやすい。
本発明のクリノプチロライト成形体は天然クリノプチロライトからなる成形体であってもよい。しかしながら、天然クリノプチロライトで本発明のマクロ細孔容積を有する成形体は現実的に得られない。そのため、本発明のクリノプチロライト成形体は合成クリノプチロライトからなる成形体であることが好ましい。
本発明のクリノプチロライト成形体が含有する結合剤は、クリノプチロライト100重量部に対して5重量部以上であることが好ましく、10重量部以上であることがより好ましい。結合剤が5重量部以上であることで、工業的に利用可能な程度の耐圧強度が得られやすい。一方、結合剤は30重量部以下であれば工業的に利用可能な耐圧強度を有しつつ、高い吸着特性を有する成形体となる傾向にある。
本発明のクリノプチロライト成形体が含有する結合剤の種類は適宜選択することができる。好ましい結合剤として、カオリン、アタパルジャイト、セピオライト、モンモリロナイトなどの粘土鉱物、あるいはシリカ、アルミナなどの無機系バインダーなどを例示することができる。
本発明のクリノプチロライト成形体は、結合剤と合わせて成形助剤を含有していてもよい。成形助剤は、成形体を製造する際の成形性を向上させるために用いられるものであり、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、トリポリリン酸ナトリウム又はこれらの混合物などを例示することができる。成形助剤の含有量は、クリノプチロライト100重量部に対して1重量部以上、10重量部以下を例示することができる。
本発明のクリノプチロライト成形体の形状は目的に応じて選択することができる。好ましい形状として、円柱状、球状、三つ葉型、リング状、ハニカム型又は膜状などの形状を例示することができる。
本発明のクリノプチロライト成形体の耐圧強度は5N以上であることが好ましく、30N以上であることがより好ましく、35N以上であることが更に好ましい。耐圧強度が5N以上であることで本発明のクリノプチロライト成形体を吸着剤等として使用した際の破損などが生じにくくなる。一方、耐圧強度は必要以上に高い必要はなく、例えば、耐圧強度が50N以下であればよい。
本発明のクリノプチロライト成形体は、成形体中のクリノプチロライトが金属イオン交換型クリノプチロライトであることが好ましい。これにより、本発明のクリノプチロライト成形体を吸着剤として使用する場合の吸着特性が高くなりやすい。金属イオン交換型クリノプチロライトとは、イオン交換サイトに金属イオンを有するクリノプチロライトである。金属イオンとしては、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンの少なくともいずれかであることが好ましく、アルカリ土類金属イオンであることがより好ましく、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)及びバリウム(Ba)の群からなる金属イオンの少なくとも1種であることが更に好ましく、Sr及びCaのいずれかであることが更により好ましい。
なお、金属イオン交換型クリノプチロライトは、イオン交換サイトに占める割合が最も高い金属イオンをもって、当該金属イオン交換クリノプチロライトと称される。例えば、イオン交換サイトに占める金属イオンとして、カルシウムの割合が最も高いクリノプチロライトは、カルシウム交換型クリノプチロライト(Ca交換型クリノプチロライト)と称される。本発明のクリノプチロライト成形体中のクリノプチロライトは、カルシウム交換型クリノプチロライト及びストロンチウム交換型クリノプチロライトのいずれかであることで、窒素吸着特性が高くなりやすい。
次に、本発明のクリノプチロライト成形体の製造方法について説明する。
本発明のクリノプチロライト成形体は上記のマクロ細孔容積を有していれば、その製造方法は適宜選択することができる。本発明のクリノプチロライト成形体の好ましい製造方法として、合成クリノプチロライト粉末と、少なくとも1種の結合剤とを混練後、成形、焼成する製造方法を挙げることができる。
本発明のクリノプチロライト成形体に使用するクリノプチロライト粉末は、平均二次粒子径が15μm以上、かつ二次粒子径分布が5μm以上15μm以下、及び30μm以上100μm以下の2つのピークを有するものが好ましい。これにより、イオン交換処理を行う場合であっても、イオン交換処理後の固液分離及び洗浄を行いやすくなる。
さらに、クリノプチロライト粉末は、圧縮度が15%以上40%以下、かさ密度が0.2g/cm以上0.4g/cm以下、タップ密度が0.30g/cm以上0.45g/cm以下であることがより好ましい。クリノプチロライト粉末の粉末物性がこの範囲なることで取扱いがより容易になりやすい。
なお、かさ密度とは、軽装かさ密度ともいわれる値であり、粉末を自然落下させて充填した状態の粉末密度である。また、タップ密度とは、重装かさ密度ともいわれる値であり、試料を充填した容器を一定の高さからタッピングさせて充填した状態の粉末の密度である。
さらに、本発明のクリノプチロライト成形体に使用するクリノプチロライト粉末は、そのイオン交換サイトにNa及びKを有することが好ましい。このようなクリノプチロライト粉末の組成は以下の式で表すことができる。
x(K,Na)O・Al・ySiO・zH
(但し、x=0.8〜1.2,y=7.0〜12.0,z≧0,K/(K+Na)=0.50〜0.98)
上記一般式において、K/(K+Na)=0.50〜0.98であることがより好ましい。
このようなクリノプチロライト粉末の製造方法として、以下の方法が例示できる。すなわち、ケイ酸アルカリとアルミニウム塩から得られた無定形アルミノシリケートゲル、水、水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムをモル比で、
SiO/Al=8〜20
OH/SiO=0.25〜0.50
K/(K+Na)=0.50〜0.90
O/SiO=10〜100
含有する混合物(以下、原料混合物という)を得、これを攪拌下に100〜200℃に加熱して合成クリノプチロライト粉末を製造することが挙げられる。
本発明のクリノプチロライト成形体は、このようなクリノプチロライト粉末と結合剤とを混練することが好ましい。使用する結合剤の種類は適宜選択することができる。好ましい結合剤として、カオリン、アタパルジャイト、セピオライト、モンモリロナイトなどの粘土鉱物、あるいはシリカ、アルミナなどの無機系バインダーなどを挙げることができる。
また、使用する結合剤の量は、クリノプチロライト100重量部に対して5重量部以上とすることが好ましく、10重量部以上とすることがより好ましい。結合剤が5重量部以上であることで、得られるクリノプチロライト成形体が工業的に利用可能な程度の耐圧強度を有しやすい。
また、成形時の成形性を向上させるため、これらに加えカルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、トリポリリン酸ナトリウム又はこれらの混合物などの成形助剤を適宜使用することができる。成形助剤は、所望の成形性を得られる程度使用することができ、例えば、クリノプチロライト100重量部に対して1重量部以上、10重量部以下を挙げることができる。
成形後の成形体を焼成することが好ましい。これにより、得られるクリノプチロライト成形体の耐圧強度が高くなりやすい。焼成温度は適宜選択することができるが、例えば、400℃以上、700℃以下の温度を例示することができる。
焼成後、本発明のクリノプチロライト成形体をLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr及びBaの群からなる金属イオンの少なくとも1種でイオン交換することが好ましい。これにより、成形体中のクリノプチロライトが金属イオンでイオン交換され、本発明のクリノプチロライト成形体が、目的とする吸着特性を有しやすい。イオン交換に使用する原料は、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩など、水溶性の原料であることが好ましい。イオン交換方法は回分式、流通式のいずれも使用できる。イオン交換の温度は40℃以上、100℃以下で行うことができる。
本発明のクリノプチロライト成形体は、適宜イオン交換することで気体の吸着剤として使用することができる。気体の吸着剤として使用する場合は、使用に先立ち脱水処理を行うことが好ましい。脱水処理は、400℃以上、600℃以下の温度で加熱することで行うことが例示できる。
本発明のクリノプチロライト成形体は、適度なマクロ細孔容積を有する。そのため、大過剰のイオン交換溶液を使用することなくイオン交換が可能となる。本発明のクリノプチロライト成形体を使用することで、吸着分離において吸脱着速度が速く、高い分離特性を有し、なおかつ、工業的に利用可能な吸着剤を得ることができる。
実施例3の細孔径分布 比較例1の細孔径分布 窒素の吸着速度の比較(実施例6、比較例3、比較例4)
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(組成分析)
試料をフッ酸溶液及び硝酸にて溶解し、ICP−AES(使用装置 PERKIN ELMER社製 OPTIMA3000DV)で測定した。Ca、Sr、Mg、Na、Kを測定し、これらの合計に対する各カチオンの濃度をmol%で算出した。
(マクロ細孔容積)
クリノプチロライトを350℃で脱水処理した後に水銀圧入法で評価した。評価装置はMicromeritics社製のオートポア9510を使用した。全細孔容積は細孔直径3〜250,000nmの範囲で求め、細孔直径50〜1,000nmの範囲に占める細孔容積の割合を算出した。
(耐圧強度)
木屋式デジタル硬度計KHT−20N(藤原製作所製)を使用した。試料25個を測定し、その平均値を算出して耐圧強度とした。
(窒素平衡吸着量及び吸着速度)
窒素の平衡吸着特性評価にはBELSORP HP(日本ベル株式会社製)を用いた。試料は全て0.5〜1mmに整粒した。前処理として、試料を350℃で2時間、真空下で加熱処理した。吸着温度は25℃とし、300mmHgにおける平衡吸着量と平衡吸着量に到達するまでの経時変化(吸着速度)を測定した。
実施例1
純水、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、ケイ酸ソーダ及び硫酸アルミから調製した無定形アルミノシリケートゲルを下記の組成となるように混合し、原料混合物を得た。
SiO/Al=11.7
OH/SiO=0.34
K/(K+Na)=0.70
O/SiO=15
得られた原料混合物に、原料混合物の重量に対して2重量%の天然クリノプチロライトを種晶として加え、攪拌しながら150℃で72時間加熱した。加熱後、これを冷却、濾過、洗浄、乾燥してクリノプチロライト粉末を得た。
得られたクリノプチロライト粉末は、SiO/Al=9.6、(Na,K)O/Al=0.99であり、Naが10%、Kが90%であった。平均二次粒子径は46.3μmであり、かつ、二次粒子の粒子径分布は9μmと50μmにピークを有し、いわゆるバイモーダルの粒子径分布であった。また、かさ密度は0.31g/cm、タップ密度は0.38g/cm、圧縮度は18.4%であった。さらに、得られたクリノプチロライト粉末を押し固め、その細孔容積を測定した結果、全細孔容積に対する直径100μm以上の細孔が37%であった。
また、X線回折の結果、クリノプチロライト以外に帰属できるピークはなく、得られたクリノプチロライト粉末はクリノプチロライトの結晶含有率は100%であった。
得られたクリノプチロライト粉末100重量部に対して、アタパルジャイト粘土25重量部、カルボキシメチルセルロース(CMC)5重量部、及び適量の水を添加し、これを混合・混練して混練物を得た。
得られた混練物を直径1.5mmの円柱状に押出し成形したのち、100℃で乾燥し、これを焼成して実施例1のクリノプチロライト成形体を得た。焼成は、箱型のマッフル炉に脱水空気を25L/min導入しながら、600℃で3時間行った。
実施例1のクリノプチロライト成形体のマクロ細孔容積と耐圧強度を表1に示す。
実施例2
アタパルジャイト粘土を20重量部としたこと以外は実施例1と同様な方法により、実施例2のクリノプチロライト成形体を得た。実施例2のクリノプチロライト成形体のマクロ細孔容積と、耐圧強度を表1に示す。
実施例3
アタパルジャイト粘土を15重量部としたこと以外は実施例1と同様な方法により、実施例3のクリノプチロライト成形体を得た。
実施例3のクリノプチロライト成形体のマクロ細孔容積割合と耐圧強度を表1に示し、細孔径分布を図1に示した。実施例3のクリノプチロライト成形体は、260nm付近にピークを有する細孔径分布を有していた。なお、実施例3のクリノプチロライト成形体は、全細孔容積に対する直径100μm以上の細孔容積が4%であった。
実施例4
アタパルジャイト粘土の代わりに、カオリン粘土を使用したこと以外は実施例1と同様な方法により、実施例4のクリノプチロライト成形体を得た。
実施例4のクリノプチロライト成形体のマクロ細孔容積割合と耐圧強度を表1に示す。
実施例5
カオリン粘土を15重量部としたこと以外は実施例4と同様な方法により、実施例5のクリノプチロライト成形体を得た。
実施例5のクリノプチロライト成形体のマクロ細孔容積割合と耐圧強度を表1に示す。
比較例1
凝塊状の日本産の天然クリノプチロライトを粉砕及び整粒して実施例のクリノプチロライト成形体と同様な大きさにし、比較例1のクリノプチロライトとした。比較例1のクリノプチロライトのマクロ細孔容積割合と耐圧強度を表1に示す。
比較例2
凝塊状の米国産の天然クリノプチロライトを粉砕及び整粒して実施例のクリノプチロライト成形体と同様な大きさにし、比較例2のクリノプチロライトとした。比較例2のクリノプチロライトのマクロ細孔容積割合と耐圧強度を表1に示し、細孔径分布を図2に示した。比較例2のクリノプチロライトは、ピークとなる細孔径を有さず、細孔直径4000nm(4μm)から2nmの細孔が同様な割合で存在する細孔径分布であった。
比較例1及び2から明らかなように、天然クリノプチロライトから得られたクリノプチロライトはいずれも、本発明のクリノプチロライト成形体のマクロ細孔容積を有しておらず、なおかつ、耐圧強度が高い強固なものであった。
Figure 0006215515
実施例6
1mol/LのSrCl2、0.14mol/LのNaClを含むSrイオン交換液を調製した。調製したSrイオン交換液1000mLに、実施例1のクリノプチロライト成形体46.3gを添加し、60℃、2時間攪拌してSrイオン交換を行った。Srイオン交換は2回行った。得られたSrイオン交換クリノプチロライト成形体の組成は、Sr55.6%、Ca0.6%、Mg0.1%、Na18.0%、K25.7%であった。
実施例7
実施例6と同様な方法で調製したSrイオン交換液1000mLに、実施例5のクリノプチロライト成形体42.6gを添加し、60℃、2時間攪拌してSrイオン交換を行った。Srイオン交換は2回行った。得られたSrイオン交換クリノプチロライト成形体の組成は、Sr72.0%、Ca0.6%、Mg0.1%、Na10.8%、K16.5%であった。
実施例8
1mol/LのCaCl2、0.14mol/LのNaClを含むCaイオン交換液を調製した。調製したCaイオン交換液1000mLに、実施例5のクリノプチロライト成形体46.2gを添加し、60℃、2時間攪拌してSrイオン交換を行った。Srイオン交換は2回行った。得られたCaイオン交換クリノプチロライト成形体の組成は、Ca65.0%、Mg0.1%、Na15.4%、K19.5%であった。
本発明のクリノプチロライト成形体は、イオン交換するカチオンの種類によらず、高いイオン交換特性を有していることが確認できた。
比較例3
比較例1のクリノプチロライトをSrでイオン交換した。なお、Srイオン交換に先立ち、Kイオン交換を行った。
Kイオン交換は、0.5〜1mmに整粒した天然クリノプチロライトをカラムに充填し、1.05mol/LのKCl溶液を80℃、25ml/minの条件で流通させることで行った。得られたKイオン交換クリノプチロライトの組成は、Na17.0mol%,K47.9mol%,Mg7.7mol%,Ca27.4mol%であった。
次いで、Kイオン交換クリノプチロライトを用いたこと以外は実施例6と同様の方法でSrイオン交換を行い、比較例3のSrイオン交換クリノプチロライトを得た。なお、比較例3のSrイオン交換クリノプチロライトは比較例1のクリノプチロライトと同程度のマクロ細孔容積であった。
得られたSrイオン交換クリノプチロライト成形体の組成はSr44.5%、Ca20.2%、Mg8.0%、Na17.4%、K10.0%であった。
比較例4
比較例2のクリノプチロライト成形体を用いたこと以外は比較例3と同様な方法でKイオン交換及びSrイオン交換を行い、比較例4のSrイオン交換クリノプチロライト成形体を得た。
得られたKイオン交換クリノプチロライト成形体の組成は、Na6.9mol%,K62.5mol%,Mg15.9mol%,Ca14.7mol%であった。
また、得られたSrイオン交換クリノプチロライト成形体の組成はSr38.8%、Ca12.8%、Mg15.9%、Na11.2%、K21.3%であった。
比較例3及び4はその粒子径が本願のクリノプチロ成形体小さく、Srイオン交換液との接触面積が大きいのもかかわらず、そのSrイオン交換率は実施例のSrイオン交換率よりも低かった。この結果より、本発明のクリノプチロライト成形体はイオン交換特性に優れていることが確認できた。
(吸着特性の評価)
実施例6及び実施例7で得られたSrイオン交換クリノプチロライト成形体、比較例3及び比較例4で得られたSrイオン交換クリノプチロライトを用い窒素の吸着特性を評価した。
その結果、実施例6の平衡吸着量が12.8Nml/g(吸着圧316mmHg)、実施例7の平衡吸着量が15.3Nml/g(吸着圧287mmHg)、比較例3の平衡吸着量が10.8Nml/g(吸着圧330mmHg)、及び、比較例4の平衡吸着量が11.4Nml/g(吸着圧325mmHg)であった。
これらの結果より、オン交換後の本発明のクリノプチロライト成形体は、工業的に使用されている天然クリノプチロライトよりも平衡窒素吸着量が大きいことが確認できた。
また、各クリノプチロライト成形体の吸着速度を図3に示す。本発明のクリノプチロライト成形体は、吸着開始1秒後に74%であり、吸着開始1秒において70%以上の高い吸着率を示した。これに対して、天然クリノプチロライトの吸着率は54%ならびに58%といずれも60%以下の低いものであった。このように、本発明のクリノプチロライト成形体は、短時間に非常に高い窒素吸着率を示し、工業的に使用されている天然クリノプチロライトより窒素の吸着速度が速いことが確認できた。さらに、発明のクリノプチロライト成形体は短時間での吸着速度が特に早く、顕著な窒素吸着特性を有していることが確認できた。
本発明のクリノプチロライト成形体は少ないイオン交換溶液でイオン交換が可能であり、工業的に有利なクリノプチロライト成形体として提供する事ができる。更に、本発明のクリノプチロライト成形体は、吸着分離において吸脱着速度が速く、高い吸着特性を有した吸着剤となる。そのため、PSA、TSA及びPTSAなどの様々な気体の吸着分離プロセスへ適用することができる。
■:実施例6
△:比較例3
□:比較例4

Claims (3)

  1. 直径3〜250,000nmの細孔の全容積に対する、直径50〜1,000nmの細孔の容積が65%以上であり、合成クリノプチロライトと結合剤を含み、結合剤がカオリン粘土又はアタパルジャイト粘土であり、耐圧強度が30N以上、50N以下であり、合成クリノプチロライトが金属イオン交換型クリノプチロライトであって、金属イオンが、ナトリウム及びカリウムを含むクリノプチロライト成形体。
  2. 結合剤をクリノプチロライト100重量部に対して、5重量部以上、30重量部以下含有することを特徴とする請求項1に記載のクリノプチロライト成形体。
  3. 請求項1又は2に記載のクリノプチロライト成形体を使用することを特徴とする吸着剤。
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