JP6215454B2 - イメージフローサイトメーター、システム及び方法 - Google Patents

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Description

本願は、2013年5月15日に出願され、発明の名称を「走査型イメージフローサイトメーター」とする米国特許出願13/894,521に対する優先権とその利益を主張するものであり、参照によりその全部が本明細書に取り込まれる。
本願は、フローサイトメトリーに関し、特にイメージフローサイトメーターに関する。
遺伝学、免疫学、分子生物学及び環境科学のような生命科学の分野では、生体細胞、酵母及びバクテリアなどの微小粒子状試料の分析にフローサイトメトリーが広く用いられている。一般に、500nmから50ミクロンの粒子や細胞がフローサイトメーターにより測定可能である。フローサイトメーターで細胞などを分析する場合、一般的に、分析される細胞の表面に蛍光物質による標識が付される。次いで、フローチャンバの流路内で標識された細胞を輸送するために、水や生理的食塩水などの液体が用いられ、細胞を照射するために比較的高出力のレーザ光が所定の位置に照射される。そして、細胞の大きさや構造により生じた前方散乱光及び側方散乱光、励起光放射により生じる蛍光が観察される。細胞からの蛍光を観察する場合には、透過または散乱した励起光による悪影響を避けるため、励起光の照射経路の方向とは異なる方向に集光された蛍光を分光分析する構成が広く用いられる。各種の細胞に付着又は結合する蛍光物質は既知である。よって、蛍光の波長及び強度を観測し、重畳する強度成分を補正することで、流路内を流れる各細胞の種類が識別される。
レーザ光での細胞の測定は、個別に行う必要がある。フローチャンバには、試料を収容したバイアルなどの容器からチューブを通って、多数の微小粒子状試料が供給される。フローチャンバは、一般に、ハイドロダイナミックフォーカシングと称される手法にて微小粒子状試料が一列に並んで流動するように構成される。
ハイドロダイナミックフォーカシングについて簡単に説明する。ハイドロダイナミックフォーカシングを用いる場合、微小粒子状試料を含むサンプルフローは細長いノズルから吐出される。吐出されたサンプルフローは、例えば水又は生理的食塩水などの等浸透圧流体のシースフローに囲まれ、フローチャンバの流路を流動する。サンプルフローの吐出圧力をシースフローの吐出圧力よりも高く設定することで、ランダムに分布していた微小粒子状試料はサンプルフロー中で一列に並んで流動することができる。この現象は、流体力学では3次元(3−D)層流と称される。これにより、細胞などの微小粒子状試料のそれぞれに個別にレーザ光を照射し、その散乱光や励起蛍光を検出して分析することができる。
次に、代表的なフローサイトメトリーシステム(フローサイトメーター)について説明する。代表的なフローサイトメトメーターは、レーザ光照射光学系、フローチャンバ、検出光学系及び制御部を有する。レーザ光照射光学系は、フローチャンバ内の微小粒子状試料にレーザ光を照射する。レーザ光照射光学系は、励起する標識に対応した波長のレーザ光を出力する1以上のレーザと、レーザ光をフローチャンバに集光する集光光学系とを有する。検出光学系は、微小粒子状試料からの透過光、散乱光及び蛍光などの光の強度を検出することができる。
例えば、フローチャンバのオリフィスを通って水流が吐出される、いわゆるジェットインエアーシステムと呼ばれるシステムにおいて、オリフィスの近傍にレーザ光が照射される場合について検討する。この場合、円筒形の断面形状の水流に断面に対して略垂直な方向からレーザ光が照射すると、水流はシリンドリカルレンズとして振る舞う。よって、レーザ光は、水流と垂直な方向において扁平な楕円形のビームとして、微小粒子状試料に照射される。レーザ光の照射スポットは10μm(短軸)×70μm(長軸)の略楕円形や、他の形状又は大きさとすることができる。照射スポットは、例えば、微小粒子状試料の特性が決定できるように微小粒子状試料に十分なレーザ光があたる、微小粒子状試料の領域である。キュベットと呼ばれるフローチャンバを用いる場合には、水流の幅と同程度の幅の扁平ビームが微小粒子状試料などの粒子状物体の観測に用いられる。但し、異なる波長の複数のレーザビームを照射する場合には、異なる波長のレーザビーム間の迷光を減らすため、照射スポットは波長ごとに流れ方向に互いに離れて配置されるのが一般的である。
微小粒子状試料がレーザ照射スポットを通過すると、散乱光及び標識物質の励起による蛍光が生じる。散乱光には、微粒子の大きさを示す散乱角が小さい前方散乱光と、微粒子の内部構造を示す散乱角が大きい側方散乱光と、を含まれる。前方散乱光、側方散乱光及び蛍光は、それぞれ検出光学系の光検出器で検出される。蛍光は、強度が小さく、かつ、全立体角に均一に放射される。そのため、蛍光は、大きな開口数を有する集光レンズによって集光された後、光電子増倍管(PMT:photomultiplier)と称される超高感度の光検出器で検出される。そして、制御部が、光検出器で検出された光信号に対して、増幅、アナログ−デジタル変換及び演算を行う。
更に、上述のフローサイトメーターには、細胞などの微小粒子状試料の分別採取(ソーティング)を行うための機構が設けられる。典型的な方法では、オリフィスから吐出された水流に超音波振動を与えて液滴に分離することで、液滴にはそれぞれ微小粒子状試料が含まれることとなる。そして、制御部での測定に基づいて、正又は負の電荷が液滴に印加される。正又は負の電荷を有する液滴は、強い電場を通過する際に、電荷の極性によって反対方向に偏向する。その後、偏向した液滴が捕集される。その結果、分別した細胞を種別ごとに採取でき、特定の分析や培養などに必要な特定の種類の細胞のみを得ることができる。このような分別採取機能を有するフローサイトメーターは、ソーターと称される。このような分別採取機能を有せず、分析機能のみを有するフローサイトメーターは、アナライザーと称される。
参照文献は、以下の通りである。
「真空中の流体を有するフローサイトメーターの制御」、米国特許第5,395,588号明細書 「試料分析用フローサイトメーターの調整、補償及び校正の方法、及び、そのマイクロビーズ標準キット」、米国特許第5,093,234号明細書 「流体の細胞成分の分析方法」、米国特許第5,047,321号明細書 「流体媒体中に分散された粒子の計数及び/又は測定装置」、米国特許第4,056,324号明細書 「細胞学的性質の測定装置」、米国特許第4,225,229号明細書 「光学要素内のオリフィス」、米国特許第4,348,107号明細書 「粒子分離器」、米国特許第3,380,584号明細書
また、発明の名称が「焦点絞りモジュール」である1980年11月24日に出願されて1983年7月26日に出願公開された米国特許第4,395,676号、発明の名称が「液滴生成システムでの分離点変化を検出する方法及び装置」である1980年11月3日に出願されて1984年12月11日に出願公開された米国特許第4,487,320号、発明の名称が「フローサイトメトリー装置での光ビームの焦点距離の延長」である1982年3月25日に出願されて1985年2月12日に出願公開された米国特許第4,498,766号、発明の名称が「コンピュータ制御された自動細胞識別スリット走査型サイトフローメーター」である1970年4月3日に出願されて1972年4月18日に出願公開された米国特許第3,657,537号、Vaccaらの米国特許第8,159,670号、米国特許出願公開第2005/046848A1、米国特許出願公開第2005/057749、米国特許出願公開第2012/0270306米国特許出願公開第2012/220022も参照文献であり、それぞれが参照により本明細書に取り込まれるものである。
また、参照文献は、以下の通りである。
Fulwyler MJ. "Electronic Separation of Biological Cells by Volume". Science 1965; 150: 910-911. Fulwyler MJ, Glascock, RB, Hiebert, RD, and Johnson NM. "Device which Separates Minute Particles According to Electronically Sensed Volume" 1969; Rev. Sci. Inst: 40: 42-48 Van Dilla MA, Mullaney PF, and Coulter JR. "Health Division Annual Report," Los Alamos Scientific Laboratory (July 1966 - June 1967). Van Dilla MA, Trujillo TT, Mullaney P., and Coulter JR. "Cell Microfluorometry: A New Method for the Rapid Measurement of biological Cells Stained with Fluorescent Dyes." Science 1969; 163: 1213-1214 Mullaney PF, Van Dilla MA, Coulter JR, and Dean PN. "A Light Scattering Photometer for Rapid Volume Determination." Rev. Sci. Instr. 1969; 40: 1029-1032 Kay and Wheeless, "Experimental findings on Gynecologic cell orientation and dynamics for three flow nozzle geometries." J. Histochem. Cytochem 1977, 25: 870
従来のフローサイトメトリーについての更なる情報は、「Shapiro, H.M., “Practical Flow Cytometry”, John Wiley & Sons, Feb 25, 2005.」で見出すことができる。
しかし、上述のような従来のフローサイトメーターは、様々な問題又は制限を有している。例えば、上述のフローサイトメーターは、微小粒子状試料からの散乱光及び蛍光の分光分析を行う。その結果、微小粒子状試料の平均サイズと種類とを区別でき、統計的分析が可能となる。しかし、従来のサイトメーターは、細胞内の微細構造を測定することができない。従来のフローサイトメトリースキームは、細胞のような微小粒子状試料の内部の蛍光点の位置を測定することができない。また、従来のスキームは、2次元(2−D)形状や3次元形状など、微小粒子状試料の形状を測定することはできない。
よって、本明細書で説明される様々な態様は、微小粒子状試料の構造を観察することができるイメージフローサイトメーターを提供する。様々な態様により、高いスループットを維持しつつ、すなわち、秒ごとに大量の粒子(又は他の微小粒子状試料)を測定しつつ、構造の観察を行うことができる。
第1の態様にかかる微小粒子状試料を観察するイメージフローサイトメーターは、前記微小粒子状試料を流れ方向に流動させることができる流路が形成されたフローチャンバと、選択された代表的サイズよりも小さな照射スポットの入射光で前記微小粒子状試料を照射するように、かつ、前記流れ方向に対して実質的に垂直な方向に前記照射スポットの照射位置を走査するように構成された、少なくとも1つの照射光学系と、フローチャンバからの結果光の光強度を検出し、前記フローチャンバを介して前記照射光学系と向き合う、又は、前記入射光の光軸から外れた位置に配置される、少なくとも1つの検出光学系と、前記検出光学系で検出された前記結果光の前記光強度の変化に応じて、前記微小粒子状試料を検出する制御部と、を有する。
第2の態様にかかる微小粒子状試料を観察するイメージフローサイトメーターは、上記のイメージフローサイトメーターであって、前記照射光学系は、前記入射光を回折限界まで収束させるように構成される。
第3の態様にかかる微小粒子状試料を観察するイメージフローサイトメーターは、上記のイメージフローサイトメーターであって、前記制御部は、前記微小粒子状試料の前記流れ方向に対して垂直である前記マイクロ流路の断面の中心を前記入射光の焦点が通過するように、前記照射光学系に前記照射位置を走査させるように構成される。
第4の態様にかかる微小粒子状試料を観察するイメージフローサイトメーターは、上記のイメージフローサイトメーターであって、前記検出光学系は、前方散乱光又は側方散乱光を含む前記結果光を検出するように構成される。
第5の態様にかかる微小粒子状試料を観察するイメージフローサイトメーターは、上記のイメージフローサイトメーターであって、前記照射光学系はレーザを有し、前記入射光はレーザ光である。
第6の態様にかかる微小粒子状試料を観察するイメージフローサイトメーターは、上記のイメージフローサイトメーターであって、前記照射光学系は、前記照射位置を走査するために、実質的に前記マイクロ流路内の前記微小粒子状試料の前記流れ方向に対して垂直な方向に沿って、前記入射光を偏向させる光デフレクタを有する。
第7の態様にかかる微小粒子状試料を観察するイメージフローサイトメーターは、上記のイメージフローサイトメーターであって、前記光デフレクタは、音響光学デフレクタ又は電気光学デフレクタである。
第8の態様にかかる微小粒子状試料を観察するイメージフローサイトメーターは、上記のイメージフローサイトメーターであって、前記制御部は、前記微小粒子状試料の流速から決定される座標及び走査速度を、前記検出光学系で検出された前記結果光の前記光強度と関連付け、前記微小粒子状試料の前記結果光の2次元分布を取得する、ように構成される。
第9の態様にかかる微小粒子状試料を観察するイメージフローサイトメーターは、上記のイメージフローサイトメーターであって、前記制御部は、前記微小粒子状試料の前記結果光の2次元分布を示す2次元画像を提供するように構成される。
第10の態様にかかる微小粒子状試料を観察するイメージフローサイトメーターは、上記のイメージフローサイトメーターであって、前記制御部は、複数の前記検出光学系は、前記フローチャンバを介して、それぞれ複数の前記照射光学系と向き合い、前記制御部は、前記複数の検出光学系のそれぞれからの前記微小粒子状試料の前記結果光の2次元分布を取得し、取得した前記微小粒子状試料の前記結果光の2次元分布を組み合わせることで、前記微小粒子状試料の前記結果光の3次元分布を生成する、ように構成される。
第11の態様にかかる微小粒子状試料を観察するイメージフローサイトメーターは、上記のイメージフローサイトメーターであって、前記制御部は、前記微小粒子状試料の前記結果光の3次元分布を示す3次元画像を提供するように構成される。
第12の態様にかかる微小粒子状試料を観察するイメージフローサイトメーターは、上記のイメージフローサイトメーターであって、前記微小粒子状試料の前記流速を測定し、前記制御部へ測定結果を出力する流速測定部を更に備える。
第13の態様にかかる微小粒子状試料を観察するイメージフローサイトメーターは、上記のイメージフローサイトメーターであって、前記制御部は、前記流速測定部からの前記測定結果に応じて、前記微小粒子状試料の前記流速を連続的に更新するように構成される。
第14の態様にかかる微小粒子状試料を観察するイメージフローサイトメーターは、上記のイメージフローサイトメーターであって、前記流速測定部は、前記マイクロ流路内に配置され、又は、前記マイクロ流路に接続され、前記マイクロ流路を流れる前記微小粒子状試料の前記流速を観測する。
第15の態様にかかる微小粒子状試料を観察するイメージフローサイトメーターは、上記のイメージフローサイトメーターであって、前記流速測定部は、前記照射光学系と前記制御部とを含み、前記照射光学系は、複数の回折光ビームを含む前記入射光を提供する位相格子を有し、前記照射光学系は、前記マイクロ流路の流れの前記方向の沿った互に異なる位置に前記複数の回折光ビームを指向させ、前記制御部は、前記複数の回折光ビームから選択された2つの回折光ビームの照射位置の間の距離と、前記微小粒子状試料が前記照射位置を通過するときに得られる時間差とから、前記微小粒子状試料の前記流速を算出するように構成される。
第16の態様にかかる微小粒子状試料を観察するイメージフローサイトメーターは、上記のイメージフローサイトメーターであって、前記照射光学系は、前記流れ方向に対して実質的に垂直な方向に、前記照射位置のそれぞれを走査するように構成される。
第17の態様にかかる微小粒子状試料を観察するイメージフローサイトメーターは、上記のイメージフローサイトメーターであって、前記照射光学系は、複数の光ビームを含む前記入射光を提供するように構成され、前記照射光学系は、互いに異なる角度で、前記複数の光ビームを前記照射スポットに指向させ、前記検出光学系は、前記光ビームのそれぞれに対応する、互いに分離された前記結果光の光強度を検出するように構成され、前記制御部は、前記分離された光強度を用いて、前記微小粒子状試料の3次元画像を算出するように構成される。
第18の態様にかかる微小粒子状試料を観察するイメージフローサイトメーターは、上記のイメージフローサイトメーターであって、前記照射光学系は、光源と、前記複数の光ビームを含む前記入射光を提供するために前記光源からの光を回折させる位相格子と、を有する。
第19の態様にかかる微小粒子状試料を観察するイメージフローサイトメーターは、上記のイメージフローサイトメーターであって、前記照射光学系は、照射体積にわたって前記照射位置を走査し、前記マイクロ流路は前記1つの前記微小粒子状試料のみが前記照射体積内に存在できるように形成される。
本明細書で説明する例示的な態様によれば、イメージフローサイトメーターは、微小粒子状試料のそれぞれの構造を観察することができる。微小粒子状試料よりも小さな入射光スポットを用いることで、例えば細胞内などの特徴的構造を観察することができる。
上記又は他の目的、特徴的構造及び利点は、本明細書の以下の詳細な説明及び付随する図面からより十分に理解されるであろう。図は例として与えられたものに過ぎず、したがって、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
実施の形態1のかかるイメージフローサイトメーター100の概略構成を示す構成図である。 フローチャンバ1の例示的な構成を模式的に示す斜視図である。 図2Aの線IIB−IIBでの平面におけるフローチャンバ1の例示的な断面構成を模式的に示す断面図である。 図2Bに示す例示的な合流部16を模式的に示す拡大断面図である。 図2Cの線IID−IIDにおけるフローチャンバ1の例示的な断面構成を模式的に示す断面図である。 様々な態様にかかるマイクロ流路12の要部を示す拡大正面図である。 図2Eの例示的なY−Z断面でのマイクロ流路12の要部を示す拡大断面図である。 照射光学系2の例示的な構成を模式的に示すブロック図である。 照射光学系2の他の構成である例示的な照射光学系20を模式的に示すブロック図である。 検出光学系3の例示的な構成を模式的に示す構成図である。 検出光学系3の光検出器34の構成例を示す構成図である。 検出光学系4の例示的な構成を模式的に示す構成図である。 制御部5の例示的な構成を示すブロック図である。 制御部5の他の例示的な構成を示すブロック図である。 マイクロ流路12内を流れる微小粒子状試料61の要部を示す図である。 時間経過による照射スポットの例示的な走査位置を示すグラフである。 一例において制御部5で検出される検出信号SIG_Tの強度を示すグラフである。 実施の形態2にかかるイメージフローサイトメーター200の概要構成を示す構成図である。 実施の形態3にかかるイメージフローサイトメーター300の概要構成を示す構成図である。 例示的な照射光学系7の構成を模式的に示すブロック図である。 イメージフローサイトメーター300の検出光学系3の例示的な構成を模式的示す構成図である。 様々な態様にかかるイメージフローサイトメーター300のマイクロ流路12近傍を示す拡大図である。 一例にかかる検出信号SIG_+1T、検出信号SIG_0T、検出信号SIG_−1Tのそれぞれの変動を示すタイミング図である。 +1次回折光L_+1、0次回折光L_0、−1次回折光L_−1が同じ位置「×」に入射する例におけるマイクロ流路12の近傍を示す拡大図である。 観察点と観察対象物との距離が遠い場合の視角の例を示す図である。 観察点と観察対象物との距離が短い場合の視角の例を示す図である。 様々な態様にかかる3次元視差を示すマイクロ流路12の近傍の拡大図である。 実施の形態4にかかるイメージフローサイトメーター400の概要構成を示す構成図である。 データ処理システムのコンポーネントを示す上位図である。
添付される図面は説明のためのものであり、必ずしも縮尺に従っていない。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。図においては、同じ要素には同じ符号が付され、冗長な説明については適宜省略する。
実施の形態1
まず、実施の形態1にかかるイメージフローサイトメーター100について説明する。イメージフローサイトメーター100は、走査型イメージフローサイトメーター100とすることができる。典型的なフローサイトメーターは、検出した信号の測定に基づいて粒子又は細胞を識別できるが、それらの信号と粒子又は細胞の位置を関連付けることは、一般に不可能である。「イメージサイトメーター」は、検出された信号と細胞又は粒子の位置との空間関係に関するデータを提供することができる。イメージサイトメーターは、例えば本明細書で説明するように、空間データを生成するために実際のイメージングカメラを用いることができ、又は、他の装置を用いることができる。
図1は、実施の形態1のかかるイメージフローサイトメーター100の概略構成を示す構成図である。イメージフローサイトメーター100は、フローチャンバ1、照射光学系2、検出光学系3、検出光学系4及び制御部5を有する。
照射光学系2は、例えばフローチャンバ1内の微小粒子状試料を照射するために、フローチャンバ1にレーザ光Lを照射する。後に詳述するように、照射光学系2は、レーザ光Lを回折限界まで収束させることで、フローチャンバ1にレーザ光Lを照射する。照射光学系2は、レーザ光Lでフローチャンバ1を走査することができる。フローチャンバ1を流れる微小粒子状試料にレーザ光Lが照射されると、透過光/前方散乱光L_T−FSと蛍光/側方散乱光L_F−SSとがフローチャンバ1から出射する。なお、蛍光と散乱光とは、フローチャンバ1から全方位に出力される。しかし、本実施の形態では説明の簡略化のため、ここではレーザ光Lの光軸に対して略垂直な方向に出射する蛍光及び散乱光について記述する。光は、検出光学系3及び検出光学系4で検出され、処理される。検出光学系3及び4は、それぞれ信号SIG_T、SIG_fを生成し、制御部5へ供給する。SIG_T又はSIG_fは、光検出器34に入射した光の1以上の波長又は成分のデータを含むことができる。本明細書では、検出光学系3は、配置される角度又は方向性が制限されない並列検出光学系として言及される。これについて、図17を参照して説明する。
本明細書では、レーザ光L又はフローチャンバ1に照射される他の光を「入射光」と称する。本明細書では、フローチャンバ1を透過した光、又は、フローチャンバ1内の微小粒子状試料、染料又は他の物質から放射された他の光を、「結果光」と称する。結果光は、前方散乱(FS:forward-scattered)光及び側方散乱(SS:side-scattered)光を含むことができる。FS及びSSは、実質的に光源と同じ波長を有する。また、蛍光はフローチャンバ1内の物質から放射されるので、結果光は蛍光を含むことができる。結果光は、実質的に指向性(例えば、図4Aの光検出器34を参照して以下で説明する、レーザ光Lの透過光)たり得るし、又は、実質的に無指向性(例えば、蛍光)たり得る。
レーザ光Lの全てが微小粒子状試料61に入射する必要はない。例えば、細胞に当たっていない照射スポットが有っても、細胞膜上で照射スポットを走査して有用な情報を収集することができる。
様々な態様においては、レーザLは、レーザ以外の光源により供給される。光源は、例えば放物面反射鏡の焦点に配置されたランプ、レンズで集光される発光ダイオード(LED:light-emitting diode)などの、照射される微小粒子状試料よりも小さな照射スポットを形成するための集光が可能な任意の光源とすることができる。
一例においては、透過光/前方散乱光L_T−FSは、微小粒子状試料へのレーザ光の照射による光の散乱、屈折、吸収、偏光面の回転その他の影響を受けたコヒーレント光である。蛍光/側方散乱光L_F−SSは、インコヒーレント光である。透過光、蛍光、前方散乱光及び側方散乱光については、以下で詳述する。コヒーレントな側方散乱及び後方散乱光も検出可能である。
一態様においては、フローチャンバ1は、分析対象の微小粒子状試料が流動するマイクロ流路を有する平板型フローチャンバとして構成される。フローチャンバ1は、微小粒子状試料が、ハイドロダイナミックフォーカシングにより一列に並んでマイクロ流路を流動できるように構成される。換言すれば、フローチャンバ1では、サンプルフローは等浸透圧液体である生理的食塩水を含むシースフローに囲まれ、マイクロ流路を流動する。この場合、サンプルフローの吐出圧力は、シースフローの吐出圧力よりも高く設定される。これにより、ランダムに分布する微小粒子状試料がサンプルフロー中で一列に並んで流動する。
図2Aは、フローチャンバ1の構成を模式的に示す斜視図である。シースフローSHは流入口IN1からフローチャンバ1に流れ込む。例えば、等浸透圧液体である生理的食塩水をシースフローSHとして用いることができる。しかし、シースフローSHは、生理的食塩水に限られるものではなく、水、他の水溶液(等浸透圧性であるか否かにかかわらず)及び有機溶媒などの各種の液体を用い得る。
また、微小粒子状試料を含むサンプルフローSMは、流入口IN2からフローチャンバ1に流れ込む。例えば、等浸透圧液体である生理的食塩水をサンプルフローSMとして用いることができる。しかし、サンプルフローSMは、生理的食塩水に限られるものではなく、水、他の水溶液(等浸透圧性であるか否かにかかわらず)及び有機溶媒などの各種の液体を用い得る。サンプルフローSMの流入圧力は、シースフローSHの流入圧力よりも高くすることができる。
シースフローSHとサンプルフローSMとはフローチャンバ1で合流し、サンプルフローSMがシースフローSHで囲まれたフローFLが形成される。例えば、フローチャンバ1の外部にフローFLを吐出することができる。
図2Bは、様々な態様にかかる図2Aの線IIB−IIBでの平面におけるフローチャンバ1の断面構成を模式的に示す断面図である。なお、図2Bでは、Y方向に垂直かつ紙面に平行な方向をX方向とする。フローチャンバ1には、マイクロ流路12、流路13及び流路14が、レーザ光が透過可能な平板形状部材11上に形成される。流路13は、フローチャンバ1の表面に穿たれたパイプラインである流入口IN1に接続される。よってシースフローSHは流路13を流れる。流路13は、例えば2つの流路に分岐される。流路14は、例えば、フローチャンバ1の表面に穿たれたパイプラインである流入口IN2に接続される。よって、サンプルフローSMは流路14を流れる。流路14と分岐された流路13とは合流して、マイクロ流路12に接続される。マイクロ流路12は、分析対象の微小粒子状試料が通過するマイクロ流路である。照射光学系2からのレーザ光Lは、図2Bの紙面の表側から裏側の方向、すなわちY方向に対して垂直な方向で、マイクロ流路12に照射される。例示した成分の方向性は、この例に限られない。
図2Cは、様々な態様にかかる図2Bに示す合流部16を模式的に示す拡大断面図である。シースフローSHは、サンプルフローSMを包み込むように、サンプルフローFMと合流する。この場合、サンプルフローSMの流入圧力はシースフローSHの流入圧力よりも高いので、ランダムに分布する微小粒子状試料61が一列に並んでマイクロ流路12内のサンプルフローSM中を流動する。
図2Dは、様々な態様にかかる図2Cの線IID−IIDにおけるフローチャンバ1の断面構成を模式的に示す断面図である。マイクロ流路12は、平板形状部材11に溝として形成される。平板形状部材11とマイクロ流路12とは、レーザ光が透過可能な平板形状部材17で覆われる。図2Bでは、照射光学系2からのレーザ光Lは、X方向及びY方向のそれぞれと垂直な方向であるZ方向から、フローチャンバ1の上面に入射する。平板形状部材11及び平板形状部材17のそれぞれのZ方向の厚みは、例えば1mmである。平板形状部材11及び平板形状部材17は、レーザ光Lを透過可能な樹脂、ガラス、水晶などの光透過性の材料で形成される。
フローサイトメトリーでは、分析対象である微小粒子状試料は、しばしば生体組織の細胞である。人間の血液を例にとると、血液中の観察対象物の例としては、赤血球(直径7〜8μm、厚さ約2μm)、白血球(好中球:直径12〜15μm、好酸球:直径10〜15μm、好塩基球:直径10〜15μm、リンパ球:直径6〜15μm、単球:直径20〜30μm)、及び、血小板(直径1〜4μm)があげられる。マイクロ流路12は、流路内で微小粒子状試料がY方向に一列に並んで、重複することなく移動できる寸法で形成される。マイクロ流路12は、例えば図2Bの構成においては、50μm四方の断面寸法を有する。
図2Eは、様々な態様にかかるマイクロ流路12の要部を示す拡大正面図である。図2Fは、図2EのY−Z断面でのマイクロ流路12の要部を示す拡大断面図である。マイクロ流路12内の液体の流速は、断面中央に位置するサンプルフローSM(図2E及び2Fの流速V1)が最も速く、かつ、シースフローSHがマイクロ流路12の壁面へ向かうにつれて遅くなる(図2EのV2〜V4(V1>V2>V3>V4)、図2FのV5及びV6(V1>V5>V6))、放物線状の変化を示す。その結果、マイクロ流路12内を移動する微小粒子状試料61は、マイクロ流路12の断面中央付近を移動し、重心位置(X、Y、Z)は実質的にサンプルフローSM内に収まる。よって、マイクロ流路12の断面寸法が微小粒子状試料61の寸法よりも大きい場合でも、複数の微小粒子状試料61が整列し、マイクロ流路12の断面において微小粒子状試料61が互いに重複することなく流れ方向(図2C及び2DのY方向)一列に並んで移動できる。
図3Aに示すように、デフレクタ23を通過したレーザ光Lは、対物レンズ24によりフローチャンバ1のマイクロ流路12に、例えば回折限界まで収束される。一例においては、レーザ光は、約2.0μmの半値幅のレーザスポットに収束される。以降、レーザ照射スポットは、スポット中心から光強度がスポット中心の半分となる位置までの領域として定義される。微小粒子状試料は、上述のマイクロ流路の性質により、マイクロ流路の中心付近にセルフアライメントされる。よって、レーザ光の焦点は、照射スポットにより走査される経路がマイクロ流路の中心を通過するように構成され、例えば回折限界まで収束されるレーザ光を、マイクロ流路を流動する微小粒子状試料上に照射することを容易にする。なお、この例では、レーザ光Lのデフレクタ23による偏向角は小さい。従って、レーザ光がフローチャンバ1の平板形状部材17を介して入射しても、屈折による焦点位置の変位のような影響は、無視できるほどに小さい。
図3Bは、照射光学系2の他の構成である照射光学系20の構成を模式的に示すブロック図である。照射光学系20は、図3Aに示す照射光学系2にλ/4板25が追加された構成を有する。λはレーザ光源21からの光の波長である。λ/4板25は、レーザ光Lの光路に配置される。例えば、λ/4板25は、デフレクタ23と対物レンズ24との間に挿入される。λ/4板25は、直線偏光を円偏光に変換する。円偏光をもたらす他の光学構造も用いることができる。生体細胞又はタンパク質は、一般的に偏光特性を示す。よって、偏光顕微鏡は、生物学的観察にとって有益である。微小粒子状試料中の材質の偏光特性を検出するには、入射光ビームは全方位で対称であることが望ましい。円偏光ビームは、この性質を示す点で好都合である。しかし、多くのAOD及びEODは入射ビームの直線偏光、典型的には垂直偏光を用いて動作する。直線偏光から円偏光への変換のために1/4波長板を挿入することで、AOD又はEODを用いることができるようになり、かつ、円偏光の好ましい生物学的性質を保つことができる。以下で図6を参照して説明するように、p及びs偏光成分の検出により、微小粒子状試料の偏光特性を決定できる。図4A及び4Bに、偏光成分検出のために設計される検出光学系の例を示す。
デフレクタ23は、コリメータ22を通過したレーザ光Lの光軸方向を偏向させるデフレクタである。本実施の形態では、デフレクタ23は、フローチャンバ1のマイクロ流路12の断面と平行な方向(すなわち、マイクロ流路12の流れ方向と直交する方向)にレーザ光Lを走査できるように構成される。この場合、デフレクタ23は、1MHz以上の走査周波数でX方向(図2Eの経路62)にマイクロ流路12を走査する。このような高速走査を実現するため、音響光学偏向器(AOD:acoustic optical deflector)、電気光学偏向器(EOD:electro-optic deflector)、音響光学変調器(AOM:acoustic optic modulator)などの高周波偏向素子をデフレクタ23として用いることができる。AOD、EOD及びAOMは、光と、加える力(AOD又はAOM)又は電場(EOD)により電磁放射との相互作用を変更することができる材料と、の間の相互作用を利用する。入射光は、レーザ電子写真プリンタで用いられるような回転ポリゴンを用いて走査することができる。入射光は、電気的に角度制御が可能な微小電気機械システム(MEMS:microelectromechanical system)マイクロミラーを用いて走査することができる。
図3Aに示すように、デフレクタ23を通過したレーザ光Lは、対物レンズ24によりフローチャンバ1のマイクロ流路12に、例えば回折限界まで収束される。一例においては、レーザ光は、約2.0μmの半値幅のレーザスポットに収束される。以降、レーザ照射スポットは、スポット中心から光強度がスポット中心の半分となる位置までの領域として定義される。微小粒子状試料は、上述のマイクロ流路の性質により、マイクロ流路の中心付近にセルフアライメントされる。よって、レーザ光の焦点は、照射スポットにより走査される経路がマイクロ流路の中心を通過するように構成され、例えば回折限界まで収束されるレーザ光を、マイクロ流路を流動する微小粒子状試料上に照射することを容易にする。なお、この例では、レーザ光Lのデフレクタ23による偏向角は小さい。従って、レーザ光がフローチャンバ1の平板形状部材13を介して入射しても、屈折による焦点位置の変位のような影響は、無視できるほどに小さい。
図3Bは、照射光学系2の他の構成である照射光学系20の構成を模式的に示すブロック図である。照射光学系20は、図3Aに示す照射光学系2にλ/4板25が追加された構成を有する。λはレーザ光源21からの光の波長である。λ/4板25は、レーザ光Lの光路に配置される。例えば、λ/4板25は、デフレクタ12と対物レンズ24との間に挿入される。λ/4板25は、直線偏光を円偏光に変換する。円偏光をもたらす他の光学構造も用いることができる。生体細胞又はタンパク質は、一般的に偏光特性を示す。よって、偏光顕微鏡は、生物学的観察にとって有益である。微小粒子状試料中の材質の偏光特性を検出するには、入射光ビームは全方位で対称であることが望ましい。円偏光ビームは、この性質を示す点で好都合である。しかし、多くのAOD及びEODは入射ビームの直線偏光、典型的には垂直偏光を用いて動作する。直線偏光から円偏光への変換のために1/4波長板を挿入することで、AOD又はEODを用いることができるようになり、かつ、円偏光の好ましい生物学的性質を保つことができる。以下で図6を参照して説明するように、p及びs偏光成分の検出により、微小粒子状試料の偏光特性を決定できる。図4A及び4Bに、偏光成分検出のために設計される検出光学系の例を示す。
図1に戻り、イメージフローサイトメーター100の構成について更に説明する。検出光学系3は、フローチャンバ1を介して照射光学系2と向かい合う位置に配置される。検出光学系3は、マイクロ流路12に照射されたレーザ光の透過光を検出し、かつ、微小粒子状試料へのレーザ光照射により生じた前方散乱光も検出する。「前方散乱光」という用語は、レーザ光Lの光軸の進行方向に対して小さな角度で散乱された光を指す。この前方散乱光は、レーザ光が各微小粒子状試料の表面で散乱された場合に生じる散乱光、又は、レーザ光が各微小粒子状試料に照射された場合に生じる回折光又は屈性光が含まれ得る。一例においては、レーザ光で照射される微小粒子状試料が細胞である場合、前方散乱光は、例えば細胞表面の状態、核の形または有無、細胞の形、または、各細胞を通過するレーザ光の方向などに依存して変化する。
図4Bは、検出光学系3の光検出器34の構成例を示す構成図である。光検出器34は、上述の照射光学系20と共に用いられる。光検出器34は、偏光ビームスプリッタ341、s偏光検出器343及びp偏光検出器342を有する。共焦点絞り36を通過した光は、偏光ビームスプリッタ341に入射する。光L11に含まれるs偏光L_sはビームスプリッタ341で反射され、光L11に含まれるp偏光L_pは偏光ビームスプリッタ341を透過する。s偏光検出器343は、s偏光の光強度を検出し、検出信号SIG_Tsを検出結果として出力する。p偏光検出器342は、p偏光の光強度を検出し、検出信号SIG_Tpを検出結果として出力する。検出信号SIG_Ts及びSIG_Tpは、図4Aに示す検出信号SIG_Tの一部である。
共焦点絞り36は、例えばピンホールであり、光L11から、少なくともレーザ光の光軸に対して選択された角度の前方散乱光を除去する。これにより、光L11に含まれる透過光が光検出器34に入射する。一例においては、L11の透過光のみが光検出器34に入射する。光検出器34は、透過光の光強度を検出し、検出結果を検出信号SIG_Tとして出力する。
光L12は、光L1の一部である。ブロックフィルタ37は、光L12の光軸に沿って伝搬する透過光を光L12から除去する。ブロックフィルタ37は、例えばスリット構造を有することができる。ブロックフィルタは、例えば1〜10°の限定された散乱角成分を収集できる。これにより、光検出器35に前方散乱光は入射できるが、透過光は入射できない(その他のいずれの余分な成分もダイクロイックミラー32で除去されている)。光検出器35は、光L12に含まれる前方散乱光の光強度を検出し、検出結果を検出信号SIG_FSとして出力する。
図4Bは、検出光学系3の光検出器34の構成例を示す構成図である。光検出器34は、上述の照射光学系20と共に用いられる。光検出器34は、偏光ビームスプリッタ341、s偏光検出器342及びp偏光検出器343を有する。共焦点絞り36を通過した光は、偏光ビームスプリッタ341に入射する。光L11に含まれるs偏光L_sはビームスプリッタ341で反射され、光L11に含まれるp偏光L_pは偏光ビームスプリッタ341を透過する。s偏光検出器342は、s偏光の光強度を検出し、検出信号SIG_Tsを検出結果として出力する。p偏光検出器343は、p偏光の光強度を検出し、検出信号SIG_Tpを検出結果として出力する。検出信号SIG_Ts及びSIG_Tpは、図4Aに示す検出信号SIG_Tの一部である。
図1に戻り、イメージフローサイトメーター100の構成について更に説明する。検出光学系4は、レーザ光Lの光軸から外れた位置に配置される。例えば、検出光学系4は、レーザ光Lの光軸に対して実質的に直交する方向、又は、レーザ光Lの光軸から少なくとも45°離れた方向に配置される。よって、レーザ光Lの光軸に対して実質的に直交する方向に伝搬する蛍光が、検出光学系4に入射する。「側方散乱光」という用語は、レーザ光Lの光軸に対して実質的に垂直(約90°)方向に散乱される光を指す。一般に、側方散乱光は、前方散乱光よりも光強度が弱い。一例においては、レーザ光で照射される微小粒子状試料は細胞であり、側方散乱光は細胞内の微小体又は核などの各細胞の内部構造によって生じる。
図5は、検出光学系4の例示的な構成を模式的に示す構成図である。検出光学系4は、対物レンズ41、ダイクロイックミラーM1、M2及びM3、光電子増倍管PMT1、PMT2及びPMT3を有する。まず、フローチャンバ1からの蛍光/側方散乱光L_F−SSが対物レンズ41を通過する。対物レンズ41は、対物レンズ41から選択された焦点距離に、入射光を結像させる。対物レンズ41からの光は、ダイクロイックミラーM1に入射する。ダイクロイックミラーM1は、蛍光/側方散乱光L_F−SSのうちから、レーザ光の波長である波長λL以外の波長を有する光を反射する。これにより、蛍光Lf(または、波長λL以外の他の余分な成分)がダイクロイックミラーM2に入射する。Lfは、蛍光/側方散乱光L_F−SSから、レーザ光の波長を有する側方散乱光を除去することで得られる。一例においては、蛍光Lfは、3つの波長λ1、λ2、λ3(λ1<λ2<λ3)を含んでいる。蛍光Lfに関しては、ダイクロイックミラーM2が波長λ1を有する蛍光Lf1のみを透過させ、波長λ2を有する蛍光Lf2と波長λ3を有する蛍光Lf3とを反射する。その後、波長λ2を有する蛍光Lf2はダイクロイックミラーM3を透過し、波長λ3を有する蛍光Lf3はダイクロイックミラーM3で反射される。
光電子増倍管PMT1は、波長λ1を有し、ダイクロイックミラーM2を透過した蛍光Lf1の光強度を検出し、検出結果を検出信号SIG_f1として出力する。光電子増倍管PMT2は、波長λ2を有し、ダイクロイックミラーM3を透過した蛍光Lf2の光強度を検出し、検出結果を検出信号SIG_f2として出力する。光電子増倍管PMT3は、波長λ3を有し、ダイクロイックミラーM3で反射された蛍光Lf3の光強度を検出し、検出結果を検出信号SIG_f3として出力する。なお、検出信号SIG_f1〜SIG_f1は、図1の検出信号SIG_fの一部である。
参照を図1に戻すと、制御部5は、例えばコンピュータなどの情報処理が実行可能なハードウェア資源として構成される。制御部5は、検出光学系3からの検出信号SIG_T及びSIG_FS、検出光学系4からの検出信号SIG_f1〜SIG_f3に基づき、演算処理を行う。また、制御部5は、デフレクタ23におけるレーザ光Lの偏向動作の速度及び周期を制御することもできる。制御部5に含まれ得るハードウェア及びソフトウェアの他の例については、以下で図18を参照して説明する。
制御部5の構成例について説明する。図6は、制御部5の構成例を示すブロック図である。制御部5は、信号処理部50、記憶部56及び演算部57を有する。信号処理部50は、増幅器51及び52、減算器53、加算器54及び除算器55を有する。信号処理部50には、図4Bに示す光検出器34から出力される検出信号SIG_Ts及び検出信号SIG_Tpが入力される。
増幅器51は、検出信号SIG_Tsを増幅し、増幅した検出信号SIG_Tsを減算器53及び加算器54へ出力する。増幅器52は、検出信号SIG_Tpを増幅し、増幅した検出信号SIG_Tpを減算器53及び加算器54へ出力する。増幅器51、52は、ユニティゲイン増幅器、すなわち(アナログ又はデジタルの)バッファとすることができる。減算器53は、検出信号SIG_Tsから検出信号SIG_Tpを減算し、減算結果RSを除算器55へ出力する。なお、減算器53は、検出信号SIG_Tpから検出信号SIG_Tsを減算し、減算結果RSを除算器55へ出力してもよい。加算器54は、検出信号SIG_Tsと検出信号SIG_Tpとを加算し、加算結果RAを除算器55へ出力する。また、加算器54は、加算結果RAを記憶部56に書き込む。除算器55は、例えば、減算結果RSを加算結果RAで除算し、除算結果RDを記憶部56に書き込む。例えば、
Figure 0006215454
除算結果RDは、透過光の偏光の偏りを表すことができる。
演算部57は、記憶部56から、加算結果RA及び除算結果RDを読み出す。演算部57は、透過光の強度を示す加算結果RAを用いて、透過光強度の2次元分布(2次元画像)OUT1を出力することができる。2次元分布は、例えば以下で図8を参照して説明するように、照射スポットの走査パターンに関連する。なお、除算結果RDは、透過光の偏光の偏りを示す。よって、演算部57は、透過光強度の2次元分布を示す2次元画像に、偏光の偏りを色彩などで表示できる。これにより、微小粒子状試料の形状のみならず、偏光の原因である微小粒子状試料内の構造を観察することも可能となる。細胞偏光画像は、蛍光又は蛍光染料を要することなく生体細胞を分析するのに用いることができる。細胞分裂も偏光観測により観察することができる。偏光は、細胞膜の脂質(例えば、脂質二重層)の構造の測定に用いることができる。例えば、細胞の固さは、2つの偏光(垂直及び水平)を用いて測定することができる。細胞の固さは、細胞の年齢と関連が有り、かつ、活性化状態を示すことができる。組織構造(例えば、アクチン又はコラーゲン)は、偏光を用いると高い方向応答性を示す。
様々な態様においては、流速、スポットサイズ、および、X軸偏向周波数パラメータは、(1)微小粒子状試料の望ましい領域の蛍光染料マーカーの励起強度レベルが閾値を超えるように、かつ、(2)望ましい走査イメージの解像度、ビット深さ、及び精細さをもたらすように設定される。様々な態様においては、スポットサイズが選択され、その後、流速と走査周波数とが制御される。例としては、半値全幅(FWHM)が2.0μm、偏向周波数が1MHz、流速が1m/sのスポットが挙げられる。この例では、ガウス分布のスポットの光強度の1/2よりも大きな光強度を有する1μmの走査垂直解像度をもたらす。2μmの半値全幅は、例えば血球のような10μmの粒子からのデータを有効な焦点深度にて有測定するのに好都合である。他の例においては、スポットサイズは0.5μmであり、より高い解像度をもたらす。流速は1/4m/sとすることができ、走査周波数を4MHzとすることができ、又は、これらの組み合わせとすることができる。一般に、スポットサイズを小さくするのと同じ割合で、流速を減少させ、又は、走査周波数を増加させることができ、その逆もまた成立する(スポットを大きくし、流速を増大又は走査周波数を減少させる)。流速は、望ましい解像度とスループットとを両立させるように選択される。速い流れは、高いスループットと低い垂直解像度をもたらす。遅い流れでは、スループットが低下するとともに、垂直解像度が改善される。水平解像度は、走査周波数とサンプリング周波数(例えば、1走査あたりのサンプル数)とで決定される。粒子の絶対的なサイズと形状とを有利に測定できるように、これらのパラメータを選択することができる。従来のフローサイトメーターは、このような測定を行う能力を提供しない。
増幅器581(ユニティゲインバッファとすることが可能)は、検出信号SIG_Tを増幅し、増幅した検出信号SIG_TをA/D変換器582へ供給する。A/D変換器582は、アナログ信号である検出信号SIG_Tをデジタル信号SIG_TDに変換する。FPGA583は、クロック信号生成器584からのクロック信号CLKに同期して、デジタル信号SIG_TDを用いたデジタル信号処理を行い、透過光の強度を示す信号を演算部へ出力する。演算部59は、例えば画像処理装置であり、FPGA583から出力された信号を用いて、透過光の強度の2次元分布を示す2次元画像を出力する。なお、検出信号SIG_Ts及び検出信号SIG_Tpが検出信号SIG_Tの一部である場合には、図7に示す制御部5は、図6に示す制御部5と同様の処理を行うことができる。
続いて、イメージフローサイトメーター100での検出動作について説明する。図8Aは、マイクロ流路12内を流動する微小粒子状試料61の要部の例示的な正面図である。本実施の形態では、マイクロ流路12の内部を、微小粒子状試料が一定の速度で流動する。本実施の形態では、例えば微小粒子状試料の流速は1m/sである。流速1m/sは、人間の体内の血管(末梢の毛細血管は除く)での血液の典型的な流速と実質的に同等である。よって、微小粒子状試料が人間の血球である場合には、血管内と同等の状態で観測することができる。
様々な態様においては、流速、スポットサイズ、および、X軸偏向周波数パラメータは、(1)微小粒子状試料の望ましい領域の蛍光染料マーカーの励起強度レベルが閾値を超えるように、かつ、(2)望ましい走査イメージの解像度、ビット深さ、及び精細さをもたらすように設定される。様々な態様においては、スポットサイズが選択され、その後、流速と走査周波数とが制御される。例としては、半値全幅(FWHM)半径が2.0μm、偏向周波数が1MHz、流速が1m/sのスポットが挙げられる。この例では、ガウス分布のスポットの光強度の1/2よりも大きな光強度を有する1μmの走査垂直解像度をもたらす。2μmの半値全幅は、例えば血球のような10μmの粒子からのデータを有効な焦点深度にて有測定するのに好都合である。他の例においては、スポットサイズは0.5μmであり、より高い解像度をもたらす。流速は1/4m/sとすることができ、走査周波数を4MHzとすることができ、又は、これらの組み合わせとすることができる。一般に、スポットサイズを小さくするのと同じ割合で、流速を減少させ、又は、走査周波数を増加させることができ、その逆もまた成立する(スポットを大きくし、流速を増大又は走査周波数を減少させる)。流速は、望ましい解像度とスループットとを両立させるように選択される。速い流れは、高いスループットと低い垂直解像度をもたらす。遅い流れでは、スループットが低下するとともに、垂直解像度が改善される。水平解像度は、走査周波数とサンプリング周波数(例えば、1走査あたりのサンプル数)とで決定される。粒子の絶対的なサイズと形状とを有利に測定できるように、これらのパラメータを選択することができる。従来のフローサイトメーターは、このような測定を行う能力を提供しない。
イメージフローサイトメーター100では、デフレクタ23(図3A)がレーザ光を走査して、すなわちX方向かつY方向に実質的に照射位置を移動させる。この例では、Y方向はマイクロ流路12内の液体の流れ方向である。レーザ走査の周波数は、例えば1MHzとすることができる。一例においては、微小粒子状試料の流速が1m/sである場合に、微小粒子状試料がY方向に1μmだけ動く間に、レーザ光はX方向の1周期(微小粒子状試料を横切って戻る)を完了する。図8Aでは、走査経路63は、微小粒子状試料61がY方向に動く間に、照射位置をX方向に走査することの効果を示している。微小粒子状試料61内部の多くの構造や点を継続して個別に照射するように、照射位置は微小粒子状試料61上で走査される。様々な態様では、Y方向で一定の速さの粒子流がもたらされるのが好都合である。よって、X軸走査では、2次元画像のみが生成される。これは、固定試料がX−Yガルバノミラーのような2軸走査装置で走査するレーザ走査共焦点顕微鏡(例えば、ZEISS LSM 710)とは異なるものである。2軸走査装置は、1軸走査装置よりも、はるかに多くの駆動部品が必要であり、機械的により複雑である。単純でより信頼性の高い構造を実現するには、1軸走査装置を用いるのが好都合である。更に、1軸走査装置を用いることで大量の微小粒子状試料61を間断なく測定することができる。レーザ走査共焦点顕微鏡は、例えばスライド上に準備された試料と、試料に焦点を合わせるために移動される顕微鏡の焦点が必要である。本明細書で説明する様々な態様は、これらのステップが必要なく、これらを要することなく2次元データを生成することができる。
例えば、微小粒子状試料が白血球の1つである好中球(直径12〜15μm)であれば、好中球を、1つの微小粒子状試料61あたりX方向に12〜15周期程度走査(例えば、図8Aの走査経路63)できることとなる。この場合、好中球を走査する12〜15周期程度の間、光検出器34で検出される透過光の光強度(図4A)と、光検出器35で検出される前方散乱光の光強度(図4A)とが変化する。例えば、レーザ光の照射スポットが好中球の上又は内部にある場合には、レーザ光は好中球での反射、散乱、吸収などで、透過光の強度が小さくなり、前方散乱光の強度が大きくなる。これに対し、レーザ光の照射スポットがどの好中球からも外れている(照射されない)場合には、レーザ光は好中球で反射、散乱、吸収されないので、レーザ光の照射スポットが好中球の上又は内部にある場合と比べて、透過光の強度が大きくなり、前方散乱光の強度が小さくなる。
様々な態様においては、制御部5は微小粒子状試料や他の対象物の内部機構の特徴的構造を決定するため、照射光学系2及び3からの信号を処理する。例えば、ライフテクノロジー(LIFE TECHNOLOGIES)社のMITOSOX赤色ミトコンドリア超酸化物インジケータ(LIFE TECHNOLOGIES MITOSOX red mitochondrial superoxide indicator)による蛍光タグ付けを用いて、細胞内部の個々のミトコンドリアを探すことができる。MITOSOXで染色された細胞を照射スポットで走査すると、照射スポットが生きたミトコンドリア上に来ると、赤色の蛍光が検出される。この手法では、細胞内でのミトコンドリアの位置、数及び分布を決定することができる。他の例においては、ミトコンドリアの検出のためにDHR123のような染料が同様に用いられる。
他の対象物の内部構造を決定することもできる。例えば、標識された核のようないかなる内部構造をも、他の細胞小器官と区別して認識することができる。他の細胞小器官も認識することができる。他の例においては、mRNAのような、原位置ハイブリッド形成法問題を明確に認識することができる。RNA転写は、異なる蛍光プローブにより認識することができる。
制御部5は、検出信号SIG_Tにより透過光の光強度の変動を検出し(図4A)、検出信号SIG_f1〜SIG_f3により蛍光の光強度の変動を観測することができる(図5)。図8Bは、時間経過によるX方向の照射位置の走査を示すグラフである。図8Cは、制御部5で検出される検出信号SIG_Tの強度を示すグラフである。図8Cでは、横軸は時間(t)を表す。範囲861は、微小粒子状試料61の上又は中に照射スポットがある時間を示している。グラフに示されるように、レーザ光のスポットがX軸方向に走査されてレーザ光のスポットが微小粒子状試料61に当たると(範囲861)、微小粒子状試料61の外部でのレベルと比べて、検出信号SIG_Tのレベルが低下する(範囲861)。
様々な態様においては、制御部5により、例えば、ポンプのような流動誘起装置に制御信号を与えることで、マイクロ流路12内の微小粒子状試料61の流速が設定される。他の態様においては、制御部5は外部のフローコントローラー(図示せず)から流速を示す指標を受け取る。同様に、制御部5は、入射光の強度を制御するために照射光学系2を動作させることができ、又は、外部の光コントローラー(図示せず)から光強度に関する情報を受け取ることができる。これらの態様にいずれにおいても、制御部5は、光強度及び流速に関する情報からそれぞれの好中球の光強度分布を得ることができる。
上述の通り、本構成では、微小粒子状試料のそれぞれよりも小さな領域に収束させるために、レーザ光Lが収束され又は指向される。(あるいは、微小粒子状試料よりも小さなサイズのコアのレーザ光を使用可能であり、ビームが微小粒子状試料61の走査のために指向される)。よって、本構成では、微小粒子状試料を走査することで、局所的な散乱光などのプロファイルを得ることができる。このプロファイルに基づき、走査速度、走査方向、微小粒子状試料の流速を考慮して、微小粒子状試料の2次元画像を得ることが可能となる。すなわち、本構成によれば、蛍光を用いることなく、透過光を観測することで、微小粒子状試料のそれぞれの形状を直接観察するこができる。現在のサイトメーターは、前方及び側方散乱信号を用いて、平均サイズと細胞の複雑さを測定する。蛍光は、個々の細胞の形状に関する情報を与えない。従来のサイトメーターは、対応する散乱光強度を決定するために、既知のサイズの校正ビーズを測定する。測定された細胞の強度は、サイズを推定するために校正ビーズの強度と比較される。このプロセスは、校正ステップを必要とし、高いレベルの正確性を有する結果をもたらさない。反対に、本発明の走査型イメージサイトメーターは、2−D透過光画像に偏光(図4BのSIG_Tp及びSIG_Ts)を加え、及び、蛍光に(x,y)位置(図5のSIG_fn、n∈[1,2,3])を与えることができる。2つの画像を組み合わせることで、細胞又は他の微小粒子状試料の完全な形状、構造及び蛍光に、(x,y)位置を与えることができる。様々な態様においては、複合2次元画像を用いて、微小粒子状試料61について3次元構造を決定することができる。決定された3次元構造は、微小粒子状試料の蛍光プローブの位置を決定するために処理される。
以下、本構成で得られる他の利点について説明する。本構成では、各試料に照射されたレーザ光は、光学系の回折限界まで収束させるために集中及び指向され、光密度が増大する。これにより、試料の検出感度及び空間分解能が向上する。一例においては、波長λのレーザの照射スポットλ/1.4からλ/2の直径を有する。結果として、極小の微小粒子状試料、例えばウイルスのようなサブミクロンサイズからナノメーターサイズの試料を検出することができる。このような微小試料は、従来のフローサイトメーターでは検出できない。更に、レーザ光は微小領域を照射するように指向されるので、典型的なフローサイトメーターと比べて、照射照度(W/m)を減少させることなくレーザ光源のトータルの光出力を減少させることができる。様々な態様においては、照射光学系2は、微小粒子状試料、微小粒子状試料内のいずれの蛍光染料及び測定される他の成分又は構造の性質に基づいて選択された微小粒子状試料への照射照度を与えるように構成される。
大きなビームスポットで試料を照射する一般的なフローサイトメトリー装置では、ビームスポットの光強度は分布(例えば、ガウス分布)を有する。そのため、ビームスポット内での試料の位置により、検出感度にばらつきが生じる。例えば、微小粒子状試料が従来のフローサイトメーターの照射領域の中心にない場合、微小粒子状試料が照射領域の中心にある場合よりも信号強度が低くなる。一方、本構成を含む、本明細書で説明する様々な発明態様においては、ビームスポットは微小粒子状試料よりも小さい。これにより、試料の位置による検出感度の変動を大きく低減し、ほとんど排除することができる。また、これにより、直線掃引範囲でのレーザ照射スポットの光強度分布による変動を実質的に低減できる。微小粒子状試料を走査する小スポットは、一定の走査速度の領域内で均一な照明を提供できる。従来のスキームは、先端の幅が広い油性マーカーペンと幾分似ている。掃引領域の端よりも中央の方がカバレッジが大きい(光強度がより強い、又は、インクがより濃い)。微小スポットを用いることで、光強度の中心から端へのロールオフを都合よく減少させることができる。
本構成では、上述のように、微小粒子状試料の形状を2次元画像として得ることができる。そのため、2次元画像から微小粒子状試料のそれぞれの大きさ(直径)や形状(輪郭)などの具体的な情報を得ることができる。また、蛍光の分光分析によらずとも、微小粒子状試料の大きさや形状に基づいて、観察対象の試料の種別、例えば生体試料として用いられた細胞の種類を識別することも可能である。従来のシステムでは、例えば蛍光染色された抗体などを用いて細胞の種類を区別する。レーザ照射下で放射された蛍光は、抗体の種類、つまり抗体が結合する細胞の種類を示す。しかし、これには、検出可能な量の蛍光を生成するため、細胞に結合する十分な数の抗体が必要である。反対に、本構成では、細胞の種類を直接決定できる。これは、抗体の不十分な結合による細胞の種類の誤識別のおそれを低減するのに好都合である。また、これにより、異なる形状を有するが、同じ抗原を有する、つまり同じ抗体と結合する2種類の細胞を見分けることができる。
本構成例及び他の構成例においては、透過光を検出する光学系として共焦点光系が用いられる。共焦点光学系は、局所照明をもたらすレーザ光源21及び対物レンズ24(両者とも図3A)、及び、焦点外の光をブロックするピンホール36(図4A)を有する。これは、レーザ共焦点顕微鏡での微小粒子状試料の観察の解像度と実質的に等しい解像度での観測に好都合である。よって、微小粒子状試料のそれぞれの表面及び内部構造の画像情報を高精度にて得ることができる。
様々な態様においては、微小粒子状試料61を観察するためのイメージフローサイトメーター100は、フローチャンバ1を有する。フローチャンバ1は、流れ方向(例えば+Y)に微小粒子状試料61を流動させるようにフローチャンバ1に形成されたマイクロ流路12を有する。少なくとも1つの照射光学系(例えば照射光学系2)は、選択された代表的サイズよりも小さな照射スポットの入射光Lで、フローチャンバ1の微小粒子状試料を照射できるように構成される。代表的サイズは、観察される微小粒子状試料61又は他の対象物の性質に応じて選択される。例えば、上述のように、血球は、〜10μmの直径を有する。代表的サイズは、2μmよりも大きなFWHM、例えばFWHMが3μmに設定され、2μmのスポット(3μmよりも小さい)を用いることができる。また、照射光学系2は、流れ方向に実質的に直交する方向(例えば、図8Aの±X)に照射スポットの照射位置を走査する。少なくとも1つの検出光学系(例えば、検出光学系3又は4)が、フローチャンバ1から生じた光(例えば、L_T−FS、L_T−SS、Lf)の光強度を検出する。検出光学系3は、フローチャンバ1を介して照射光学系2と向かい合っている。また、検出光学系4(例えば検出光学系4)は、入射光の光軸からずれた位置に配置することができる。FS検出器は、正確に入射光Lの光軸上にある必要はないが(図1)、例えば光軸の±1°、±5°、±10°又は±15°以内とすることができる。制御部5は、検出光学系3で検出された結果光の光強度の変化に応じて微小粒子状試料を検出する。
実施の形態2
次に、実施の形態2にかかるイメージフローサイトメーター200について説明する。イメージフローサイトメーター200は、走査型イメージフローサイトメーターとして構成することができる。図9は、実施の形態2にかかるイメージフローサイトメーター200の概要構成を示す構成図である。イメージフローサイトメーター200は、実施の形態にかかるイメージフローサイトメーター100に、流速測定器6を追加した構成を有する。
従来のフローサイトメーターは、標識物質として蛍光物質を用いて(例えば、上述のように抗体を用いて)、微小粒子状試料を標識する必要がある。これにより、例えば、多大の時間の準備作業を行わねばならず、生体細胞の観察の間に生物試料の生存率や純度が悪影響を受けてしまうという問題が生じる。しかし、本実施の形態にかかるイメージフローサイトメーターは、標識なしの細胞測定、すなわち蛍光物質での標識を要しない測定が可能である。よって、準備作業を要することなく、かつ、生物試料の生存率や純度がなんらの悪影響を受けることなく、細胞測定を実現することができる。
様々な態様においては、微小粒子状試料61を観察するためのイメージフローサイトメーター100は、フローチャンバ1を有する。フローチャンバ1は、流れ方向(例えば+Y)に微小粒子状試料61を流動させるようにフローチャンバ1に形成されたマイクロ流路12を有する。少なくとも1つの照射光学系(例えば系2)は、選択された代表的サイズよりも小さな照射スポットの入射光Lで、流路1の微小粒子状試料を照射できるように構成される。代表的サイズは、観察される微小粒子状試料61又は他の対象物の性質に応じて選択される。例えば、上述のように、血球は、〜10μmの直径を有する。代表的サイズは、2μmよりも大きなFWHM、例えばFWHMが3μmに設定され、2μmのスポット(3μmよりも小さい)を用いることができる。また、照射光学系2は、流れ方向に実質的に直交する方向(例えば、図8Aの±X)に照射スポットの照射位置を走査する。少なくとも1つの検出光学系(例えば、検出光学系3又は4)が、フローチャンバ1から生じた光(例えば、L_T−FS、L_T−SS、Lf)の光強度を検出する。検出光学系3は、フローチャンバ1を介して照射光学系2と向かい合っている。また、検出光学系4(例えば検出光学系4)は、入射光の光軸からずれた位置に配置することができる。FS検出器は、正確に入射光Lの光軸上にある必要はないが(図1)、例えば光軸の±1°、±5°、±10°又は±15°以内とすることができる。制御部5は、検出光学系3で検出された結果光の光強度の変化に応じて微小粒子状試料を検出する。
実施の形態2
次に、実施の形態2にかかるイメージフローサイトメーター200について説明する。イメージフローサイトメーター200は、走査型イメージフローサイトメーターとして構成することができる。図9は、実施の形態2にかかるイメージフローサイトメーター200の概要構成を示す構成図である。イメージフローサイトメーター200は、実施の形態にかかるイメージフローサイトメーター100に、流速測定器6を追加した構成を有する。
流速測定器6は、フローチャンバ1のマイクロ流路12又はマイクロ流路12と接続される他の流路に挿入され、マイクロ流路12内の微小粒子状試料又は液体の流速を測定する。この際、例えば、マイクロ流路12の中央付近の流速(すなわち、ある断面におけるマイクロ流路12内の流速の最大値)を測定することが望ましい。流速測定器6は、測定した流速を示す流速信号SIG_Vを、制御部5に出力する。
実施の形態3
次に、実施の形態3にかかるイメージフローサイトメーター300について説明する。イメージフローサイトメーター300は、走査型イメージフローサイトメーターとして構成することができる。図10は、実施の形態3にかかるイメージフローサイトメーター300の概要構成を示す構成図である。イメージフローサイトメーター300は、実施の形態にかかるイメージフローサイトメーター100の照射光学系2を、照射光学系7に置換した構成を有する。
制御部5は、予め定められた流速を用いて微小粒子状試料の2次元画像を生成する。実際には、温度(流体の粘度に影響する)のような外部要因などにより、マイクロ流路12内の流速は変動し得る。流速の変動が増大し、かつ、増大した変動を考慮しないと、演算で得られる2次元画像が歪んでしまい、微小粒子状試料の実際の形状から乖離してしまうおそれが有る。
よって、本構成では、流速測定器6がリアルタイムにマイクロ流路12内の流速Vfを監視する。制御部5は、2次元画像の生成に用いる流速を常に最新の流速Vfに更新しながら、微小粒子状試料の2次元画像を生成することができる。そのため、本構成及び類似の態様によれば、流速Vfの変動があった場合でも、歪みが低減された2次元画像を生成することができる。よって、本構成によれば、微小粒子状試料の2次元画像をより高精度に取得することが可能となる。
実施の形態3
次に、実施の形態3にかかるイメージフローサイトメーター300について説明する。イメージフローサイトメーター300は、走査型イメージフローサイトメーターとして構成することができる。図10は、実施の形態3にかかるイメージフローサイトメーター300の概要構成を示す構成図である。イメージフローサイトメーター300は、実施の形態にかかるイメージフローサイトメーター100の照射光学系2を、照射光学系7に置換した構成を有する。
図11は、例示的な照射光学系7の構成を模式的に示すブロック図である。照射光学系7は、照射光学系2に位相回折格子を、例えば位相回折格子71を追加した構成を有する。位相回折格子71は、デフレクタ23と対物レンズ24との間に挿入される。レーザ光Lは、位相回折格子71で回折され、0次回折光L_0、+1次回折光L_+1、−1次回折光L_−1が生じる。対物レンズ24は、0次回折光L_0、+1次回折光L_+1、−1次回折光L_−1を、フローチャンバ1のマイクロ流路12のY方向(図10に図示)の異なる位置に、回折限界で収束させるように構成される。
様々な態様においては、レーザ光Lが位相回折格子71で回折されることで、±1次よりも次数が大きい回折光が生じる。しかし、次数が大きい回折光は回折角が大きいため、対物レンズ24に入射しない、或いは、対物レンズ24に入射しても焦点位置がマイクロ流路12から外れやすい事態が想定される。また、次数が大きい回折光は、光強度が弱くなる。例示的な回折格子では、入射強度の90%は1次以内であり、高次のスポットは無視できるほどの強度しか有しない。そのため、本明細書の様々な例においては、±1よりも次数が大きい回折光は、検出に利用しないものとする。しかし、±1よりも次数が大きい回折光を検出に利用することを妨げるものではない。このような光は、対物レンズ24を好適に構成することで、又は、±2次以上を導くミラーなどの他の要素を追加することで用いることができる。様々な形態においては、回折光の正の次数のみ又は負の次数のみが0次回折光とともに用いられる(例えば、0及び+1、又は、0及び−1)。
0次回折光L_0、+1次回折光L_+1、−1次回折光L_−1は、マイクロ流路12において、Y方向に離隔した異なる位置で焦点を結ぶ。マイクロ流路12で焦点を結んだ0次回折光L_0、+1次回折光L_+1、−1次回折光L_−1のそれぞれからは、実施の形態1と同様に、透過光、前方散乱光、蛍光、側方散乱光が生じる。
図12を参照すると、0次回折光L_0の透過光は、透過光L_0Tである。+1次回折光L_+1の透過光は、透過光L_+1Tである。−1次回折光L_−1の透過光は、−1次回折光の透過光L_−1Tである。図12は、イメージフローサイトメーター300の検出光学系3の例示的な構成を模式的示す構成図である。検出光学系3の対物レンズ31は、0次回折光の透過光L_0T、1次回折光の透過光L_+1T、−1次回折光の透過光L_−1Tが、光検出器34の受光面の異なる位置で結像するように配置される。よって、光検出器34は、0次回折光の透過光L_0T、1次回折光の透過光L_+1T及び−1次回折光の透過光L_−1Tを、区別して受光することができる。光検出器34は、0次回折光の透過光L_0Tを示す信号SIG_0T、1次回折光の透過光L_+1Tを示す信号SIG_+1T、−1次回折光の透過光L_−1Tを示す信号SIG_−1Tを、制御部5へ出力する。
例示的なイメージフローサイトメーター300の動作について説明する。図13は、イメージフローサイトメーター300のマイクロ流路12近傍の拡大正面図である。イメージフローサイトメーター300のマイクロ流路12内では、微小粒子状試料61は、+1次回折光L_+1の焦点位置F_+1、0次回折光L_0の焦点位置F_0、及び、−1次回折光L_−1の焦点位置F_−1を順に通過する。本図では、レーザ光L(図10)が紙面手前から紙面後方に通り抜けることを示すため、焦点位置は×でマーキングされている。
これにより、制御部5では、信号SIG_+1T、検出信号SIG_0T及び信号SIG_−1Tが順に変化することが観測できる。また、+1次回折光L_+1の焦点位置F_+1、0次回折光L_0の焦点位置F_0及び−1次回折光L_−1の焦点位置F_−1の間の距離は、位相回折格子71、対物レンズ24及びマイクロ流路12の配置と、位相回折格子71の格子ピッチと、対物レンズ24のNA(開口数)とから、一意に決定できる既知の値である。一例においては、+1次回折光L_+1の焦点位置F_+1と、0次回折光L_0の焦点位置F_0との間の距離を、ΔDとする。同様に、0次回折光L_0の焦点位置F_0と、−1次回折光L_−1の焦点位置F_−1との間の距離を、ΔDとする。一例においては、ΔDは25〜50μmである。
一例においては、レーザ光Lは回折限界であり、対物レンズ24は開口数(NA)0.15、焦点距離20mmを有する。1m/sのサンプルフローでは、スポット間距離ΔDは20um(ΔD=20um)である。全試料について、1秒当たり最大25000個の細胞の検出が可能である。スポット間の時間は、〜20um又は〜40umである。
様々な態様においては、例えば3つの画像をつなぎあわせることでより高い解像度が実現される。これにより、走査解像度を、1μmから0.3μmに向上できる。
他の例においては、NA=0.75である。+/−1次の光ビームは、テストされる対象物に対して30°の角度を有する。これにより、対象物の3次元画像又は構造を決定できる。この例及び他の例においては、3次元画像は、ボクセルアレイ、ポリゴンとして、又は、他の表現手法で表すことができる。テストされる対象物は、様々なサイズとすることができる。
図14は、本例における検出信号SIG_+1T、検出信号SIG_0T及び検出信号SIG_−1Tの変動を示すタイミング図である。この場合、制御部5は、検出信号SIG_+1T、検出信号SIG_0T及び検出信号SIG_−1Tの変化の時間間隔Δtを観測することができる。よって、制御部5は、距離ΔDと時間間隔Δtとから、マイクロ流路12内の微小粒子状試料の流速Vfを算出することができる(Vf=ΔD/Δt)。よって、制御部5は、実施の形態2と同様に、流速Vfを用いた演算処理を行うことにより、微小粒子状試料のそれぞれの2次元画像を生成することができる。
本構成では、制御部5がリアルタイムにマイクロ流路12内の流速Vfを監視することができる。これにより、制御部5は、流速Vfの変動を反映して微小粒子状試料のそれぞれの2次元画像を生成することができる。そのため、本構成によれば、実施の形態1と比べ、流速Vfの変動があった場合でも、生成する2次元画像の歪みを低減することが可能となる。よって、本構成によれば、微小粒子状試料の2次元画像をより高精度に取得することが可能となる。
なお、実施の形態2では、流速測定手段の一例として流速測定器6を設ける例について説明した。これに対し、本構成では、位相回折格子71と制御部5とが、協働してマイクロ流路12内の微小粒子状試料の流速Vfを求めることができる。したがって、本実施の形態では、位相回折格子71と制御部5とが流速測定器を構成するものとして理解することもできる。また、流速測定器6は、例えばVf確定のノイズを減らすため、位相回折格子71及び制御部5と組み合わせて用いることができる。
本実施の形態では、+1次回折光L_+1、0次回折光L_0及び−1次回折光L_−1が、平行にマイクロ流路12に入射する場合について説明したが、これらの光の次数が収束するように対物レンズ24を設計することで、+1次回折光L_+1、0次回折光L_0及び−1次回折光L_−1を同じ位置に入射させることもできる。図15は、+1次回折光L_+1、0次回折光L_0及び−1次回折光L_−1を同じ位置「×」に入射させる場合のマイクロ流路12の拡大図である。この場合、図14を参照して上述したように流速Vfは算出されない。Vfは、例えば流速測定器6(図9)を用いて決定される。本例においては、微小粒子状試料に異なる3方向から同時に光を照射することができる。従って、透過光、散乱光、蛍光等には、異なる3方向から入射した光により得られる情報が含まれることとなる。制御部5で異なる3方向から入射した光により得られる情報を、3次元視差を利用して適宜処理することにより、微小粒子状試料の3次元構造の解析を行うことも可能である。また、例えば、複数のレーザ、レーザ光源、又は、共通の光源対して異なる位置へ共通の光源からの光を導く複数の光ファイバなど、複数の方向から共通の位置「×」に向かうように光を指向させることもできる。
実施の形態4
次に、実施の形態4にかかるイメージフローサイトメーター400について説明する。イメージフローサイトメーター400は、走査型イメージフローサイトメーターとして構成することができる。図17は、実施の形態4にかかるイメージフローサイトメーター400の概要構成を示す構成図である。イメージフローサイトメーター400は、実施の形態にかかるイメージフローサイトメーター100に追加的な照射光学系8及び検出光学系9を追加した構成を有する。図面の簡略化のため、図17では、検出光学系4(図1)の表示を省略している。検出光学系4は、系2、3、8、9と共に用いることも、用いないこともできる。4つの検出光学系は、入射光(例えば、光La、Lb)の2つの異なる軸に沿った前方及び側方散乱の測定を行うために用いることもできる。
照射光学系8は、照射光学系2と同様の構成を有し、フローチャンバ1を基準として照射光学系2に対して、例えば90°回転した位置に配置される。検出光学系9(配置角度又は方向性の制限なく、垂直検出光学系として参照される)は、検出光学系3(平行検出光学系)と同様の構成を有し、フローチャンバ1を介して照射光学系8と向かい合う位置に配置される。この例では、照射光学系8と検出光学系9とは、X−Z平面に配置される。照射光学系8と検出光学系9とは、X−Y平面、又は、例えばX−Y、X−Z又はY−Z平面に対して45°の他の面に配置することもできる。参照を図1に戻すと、一例においては、照射光学系、8と検出光学系3、9とは、X−Z平面に配置され、(照射光学系に対応する測方散乱光L_F−SSを検出するための)検出光学系4は、Z軸周りに例えば5°〜85°、具体的には15°、30°、45°又は60°の少量だけX−Z平面が回転された平面に配置することができる。
視差は、微小粒子状試料61及び他の対象物の移動の見え方に影響する。ある距離において対象物が移動すると、観察点に近い対象物の特徴的構造は、観察点から遠い対象物の構造よりも広い角度範囲で移動する。これは、図16A及び16Bに示されており、観察者の目の間の距離が、対象物がより遠い場合の角度α1よりも対象物が近い場合の大きな角度α2に対応していることを示している。参照を図16Cに戻すと、微小粒子状試料61の構造(例えば、細胞内のミトコンドリア)は、L_+1画像では、L_−1画像とは異なる位置に有る。構造が照射光学系7に近づくほど、2枚の画像での位置はより異なることとなる。よって、制御部5は、L_+1、L_0及びL_−1画像(又は、これらの画像又は異なる角度のいずれの画像のいずれの組み合わせ)において、共有する構造の位置を特定することができる。制御器は、3つの画像において対応する構造の位置を比較して、微小粒子状試料61内のそれらの構造の3−D位置を推測するために、幾何学的及び三角法的な関係を用いることができる。構造としては、細胞小器官、含有物、細胞膜の定められた部位、又は、微小粒子状試料61よりも小さい或いは含まれる他の対象物とすることができる。
実施の形態4
次に、実施の形態4にかかるイメージフローサイトメーター400について説明する。イメージフローサイトメーター400は、走査型イメージフローサイトメーターとして構成することができる。図17は、実施の形態4にかかるイメージフローサイトメーター400の概要構成を示す構成図である。イメージフローサイトメーター400は、実施の形態にかかるイメージフローサイトメーター100に追加的な照射光学系8及び検出光学系9を追加した構成を有する。図面の簡略化のため、図17では、検出光学系4(図1)の表示を省略している。検出光学系4は、系2、3、8、9と共に用いることも、用いないこともできる。4つの検出光学系は、入射光(例えば、光La、Lb)の2つの異なる軸に沿った前方及び側方散乱の測定を行うために用いることもできる。
照射光学系8は、照射光学系2と同様の構成を有し、フローチャンバ1を基準として照射光学系2に対して、例えば90°回転した位置に配置される。検出光学系9(配置角度又は方向性の制限なく、垂直検出光学系として参照される)は、検出光学系3(平行検出光学系)と同様の構成を有し、フローチャンバ1を介して照射光学系8と向かい合う位置に配置される。この例では、照射光学系8と検出光学系9とは、X−Z平面に配置される。照射光学系8と検出光学系9とは、X−Y平面、又は、例えばX−Y、X−Z又はY−Z平面に対して45°の他の面に配置することもできる。参照を図1に戻すと、一例においては、照射光学系1、8と検出光学系3、9とは、X−Z平面に配置され、(照射光学系1に対応する測方散乱光L_F−SSを検出するための)検出光学系4は、Z軸周りに例えば5°〜85°、具体的には15°、30°、45°又は60°の少量だけX−Z平面が回転された平面に配置することができる。
図17では、照射光学系2から出力される入射光をレーザ光「La」で示し、照射光学系8から出力される入射光を「Lb」で示している。また、検出光学系3に入射する透過光/前方散乱光を透過光/前方散乱光La_T−FSとラベリングし、検出光学系9に入射する透過光/前方散乱光を透過光/前方散乱光Lb_T−FSとラベリングしている。検出光学系3が出力する検出信号は検出信号SIG_Ta、検出光学系9が出力する検出信号は検出信号SIG_Tbである。光La、Lbの方向は、実質的に垂直することも、しないことも可能である。それぞれからの入射光がフローチャンバ1の適切な位置に指向するのであれば、いかなる数の照射光学系/検出光学系ペアを、任意の平面において任意の角度で用いることが可能である。
一例においては、検出光学系3が照射光学系2からの入射光に対応する結果光の一部である第1の透過光を検出する。また、検出光学系9が照射光学系8からの入射光に対応する結果光の一部である第2の透過光を検出する。制御部5は、検出光学系3が出力する検出信号SIG_Taから得られる2次元画像と、検出光学系9が出力する検出信号SIG_Tbから得られる2次元画像とから、微小粒子状試料のそれぞれの立体的構造を示す3次元画像を生成する。例えば、対応する構造を、2つの画像において認識することができる。一方の画像は認識された構造のX座標をもたらし、一方の画像は認識された構造のZ座標をもたらし、時間又は流れ距離の測定は認識された構造のY座標をもたらす。
本構成によれば、照射光学系と透過光の検出光学系からなる光学系を異なる角度で2組設けることで、容易に観察対象となる微小粒子状試料のそれぞれの3次元構造を知ることが可能となる。
本明細書を通じて、いくつかの態様は、通常、ソフトウェアプログラムとして実行されるものとして記述される。当業者は、容易にこのようなソフトウェアと同等のものを(固定的なシーケンス、又は、プログラマブルな)ハードウェア、ファームウェア、又は、マイクロコードにおいて構成できることが理解できる。よって、本発明の態様は、全体としてハードウェア形態、全体としてソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア又はマイクロコードを含む)形態、又は、ソフトウェアおよびハードウェア態様を組み合わせた形態をとることができる。ソフトウェア、ハードウェア及び組み合わせは、本明細書においては、一般に、「サービス」、「回路」、「モジュール」又は「システム」として総称することができる。様々な態様は、システム、方法、又はコンピュータプログラム製品として具現化される。データ操作アルゴリズム及びシステムは既知であるので、本明細書は、具体的には、本明細書で説明するシステム及び方法の一部を構成する、又は、本明細書で説明するシステム及び方法とよりより直接的に協働するアルゴリズム及びシステムを対象とする。アルゴリズム及びシステム、ハードウェア、又は、信号又は含まれるデータを生成又は処理するソフトウェアの他の態様は、本明細書では具体的には示さないが、この分野における既知のこのようなシステム、アルゴリズム、コンポーネント及び素子から選択される。本明細書で説明するようなシステム及び方法に鑑み、いかなる態様における実施に有用な、本明細書では具体的に示されず、示唆されず、かつ、説明されていないソフトウェアは従来通りであり、このような分野における通常の知識の範囲内のものである。
図18は、本明細書で説明されるデータ分析及び他の分析を行う例示的なデータ処理システムのコンポーネントを示す上位図である。このシステムは、データ処理システム1810、周辺システム1820、ユーザインターフェイスシステム1830及びデータ格納システム1840を有する。周辺システム1820、ユーザインターフェイスシステム1830及びデータ格納システム1840は、データ処理システム1810と通信可能に接続される。データ処理システム1810は、以下で説明するように、例えばインターネット又はX.25ネットワークなどのネットワーク1850と通信可能に接続される。制御部5(図1、6、7、9、10又は17)は、データ処理システム1810、周辺システム1820、ユーザインターフェイスシステム1830及びデータ格納システム1840のうち1以上を含むことができ、1以上のネットワーク1850と接続することができる。データ処理システム1810及び本明細書で説明する他の処理装置は、それぞれ、1以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field-programmable gate array)、プログラマブルロジックデバイス(PLD:programmable logic device)、プログラマブルロジックアレイ(PLA:programmable logic array)、プログラマブルアレイロジックデバイス(PAL:programmable array logic device)又はデジタルシグナルプロセッサ(DSP:digital signal processor)を含むことができる。
データ処理システム1810は、本明細書で説明する様々な態様での処理を実行する1以上のデータプロセッサを含む。「データプロセッサ」は、データを自動的に処理する装置であり、電気的、磁気的、光学的、生物的コンポーネント又はそれ以外で実行するかにかかわらず、中央演算器(CPU:central processing unit)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、メインフレームコンピュータ、個人用デジタル補助装置(personal digital assistant)、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、又は、データの取り扱い、データ管理又はデータ処理のための他の装置を、含むことができる。
「通信可能に接続される」なる表現は、データの通信が可能な、装置、データプロセッサ又はプログラム間を、有線又は無線の任意の種類の接続を含む。周辺システム1820のようなサブシステム、ユーザインターフェイスシステム1830及びデータ格納システム1840は、データ処理システム1810と分離して示されているが、データ処理システム1810内に全て又は一部が収納されてもよい。
データ格納システム1840は、様々な態様にかかる処理を実行するのに必要な情報を含む情報を格納するように構成された、1以上の具体的な非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含むか、1以上の具体的な非一時的コンピュータ可読記憶媒体と通信可能に接続される。本明細書で用いられる「具体的な非一時的コンピュータ可読記憶媒体」とは、例えば制御部5において、データ処理システム1810に実行のために提供される格納命令に関与する、いかなる非一時的装置又は製品を示す。このような非一時的媒体は、不揮発性又は揮発性の媒体である。不揮発性媒体の例としては、フロッピーディスク、フレキシブルディスク又は他の携帯型コンピュータディスケット、ハードディスク、磁気テープ又は他の実施の磁気メディア、コンパクトディスク、コンパクトディスクリードオンリーメモリー(CD−ROM:compact-disc read-only memory)、DVD、ブルーレイ(BLU−RAY)ディスク、HD−DVDディスク、他の光学記憶媒体、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ(ROM:read-only memory)、イレーサブルプログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM:erasable programmable read-only memory、又は、EEPROM)が含まれる。揮発性媒体の例としては、レジスタやランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)などのダイナミックメモリが含まれる。記憶媒体は、データを電気的、磁気的、光学的、化学的、機械的又の他の方法でデータを記録することができ、かつ、電気的、磁気的、電磁気的、赤外線又は半導体コンポーネントを含むことができる。
本発明の態様は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化されている1以上非一時的コンピュータ可読媒体で実現されるコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。このような媒体は、例えばCD−ROMをプレスすることで、通常の通り、これらの製品を製造することができる。媒体にて具現化されたプログラムは、ロードされた場合にデータ処理システム1810に特定の一連の処理ステップを実行させるコンピュータプログラム指令を含み、これにより本明細書にて特定される機能又は動作が実行される。
一例においては、データ格納システム1840は、例えばランダムアクセスメモリであるコードメモリ1841と、例えばハードディスクのような具体的な非一時的コンピュータ可読回転式記憶媒体であるディスク1843とを有する。コンピュータプログラム指令は、ディスク1843から、無線、有線、光ファイバ、又は他の接続で、コードメモリ1841に読み込まれる。そして、本明細書で説明した処理ステップ実行の結果として、データ処理システム1810は、コードメモリ1841にロードされたコンピュータプログラム指令の1以上のシーケンスを実行する。この場合、データ処理システム1810は、コンピュータに実装された処理を実行する。例えば、本明細書のフローチャートやブロック図のブロック及びこれらの組み合わせが、コンピュータプログラム指令により実行される。また、コードメモリ1841は、データを記憶することも記憶しないことも可能である。データ処理システム1810は、ハーバードアーキテクチャ(Harvard-architecture)コンポーネント、修正ハーバードアーキテクチャ(modified-Harvard-architecture)コンポーネント、又は、フォンノイマンアーキテクチャ(Von-Neumann-architecture)コンポーネントを含むことができる。
コンピュータプログラムコードは、例えばJAVA、スモールトーク(Smalltalk)、C++、C又は好適なアセンブリ言語などの、1以上のプログラミング言語のいかなる組み合わせを用いての記述することができる。本明細書で説明する方法を実行するプログラムコードは、もっぱら1つのデータ処理システム1810で行うことができ、又は、通信可能な複数のデータ処理システム1810で行われてもよい。例えば、コードは、ユーザのコンピュータで全て又は部分的に実行でき、遠隔のコンピュータ又はサーバで全て又は部分的に実行できる。サーバは、ネットワーク1850を介してユーザのコンピュータと接続されることができる。
周辺システム1820は、データ処理システム1810にデジタルコンテンツレコードを提供するように構成された1以上の装置を含むことができる。例えば、周辺システム1820は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話又は他のデータプロセッサを含むことができる。データ処理システム1810は、周辺システム1820の装置からデジタルコンテンツレコードを受け取ると、データ格納システム1840にデジタルコンテンツレコードを格納することができる。
ユーザインターフェイス1830は、マウス、キーボード、(例えばネットワーク又はヌルモデムケーブルを介して接続される)他のコンピュータ又はいかなる装置、又は、データ処理システム1810にデータを入力する装置の組み合わせを含むことができる。これについては、周辺システム1820がユーザインターフェイス1830と分離して表示されているが、周辺システム1820はユーザインターフェイス1830の一部として含まれることも可能である。
また、ユーザインターフェイス1830は、表示装置、プロセッサがアクセスできるメモリ又は任意の装置、又は、データ処理システム1810がデータを出力する装置の組み合わせを含むことができる。これについては、プロセッサがアクセスできるメモリをユーザインターフェイス1830が含む場合、図18においてユーザインターフェイス1830とデータ格納システム1840とが分離して表示されているものの、このようなメモリをデータ格納システム1840の一部とすることもできる。
様々な態様においては、データ処理システム1810は、ネットワークリンク1816を介してネットワーク1850と接続される通信インターフェイス1815を含む。例えば、通信インターフェイス1815は、ISDN(integrated services digital network)カードや電話線に対応する種類のデータ通信接続を提供できるモデムとすることができる。他の例のように、通信インターフェイス1815は、例えば、イーサネットLANなどの互換性のあるLAN(local-area network)やWAN(wide-area network)にデータ通信接続を提供できるネットワークカードとすることができる。例えばWiFiやGSMなどの無線リンクを用いることができる。通信インターフェイス1815は、様々な種類の情報を示すデジタルデータを、ネットワークリンク1816を経てネットワーク1850に運ぶ、電気的、電磁気的、又は光学的信号を送受信する。ネットワークリンク1816は、スイッチ、ゲートウェイ、ハブ、ルーター又は他のネットワーク装置を介してネットワーク1850と接続することができる。
ネットワークリンク1816は、1以上のネットワークを介した他のデータ装置へのデータ通信を提供できる。例えば、ネットワークリンク1816ローカルネットワークを介したホストコンピュータ又はインターネットサービスプロバイダ(Internet Service Provider (ISP))により運用されるデータ装置への通信を提供することができる。
データ処理システム1810は、ネットワーク1850、ネットワークリンク1816及び通信インターフェイス1815を介して、プログラムコードを含むメッセージを送信し、データを受信することができる。例えば、サーバは、アプリケーションプログラム(例えば、JAVAアプレット)のために要求されたコードを、接続された具体的な不揮発性コンピュータ可読記憶媒体に記録することができる。サーバは、媒体からコードを読み取り、インターネット、ローカルISP、ローカルネットワーク、通信インターフェイス1815を介して送信することができる。受信されたコードは、受信されるとデータ処理システム1810により実行され、又は、後の実行のためにデータ格納システム1840に格納することができる。
その他の実施の形態
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、適宜変更することが可能である。例えば、実施の形態4にかかるイメージフローサイトメーター400に実施の形態2にかかる流速測定器6を追加し、流速Vfを用いて3次元画像の生成を行うことも可能である。この場合、流速Vfの変動があった場合でも、生成する3次元画像の歪みを低減することが可能となる。よって、本構成によれば、微小粒子状試料のそれぞれの3次元画像をより高精度に取得することが可能となる。
例えば、実施の形態4にかかるイメージフローサイトメーター400において、照射光学系2及び照射光学系8を実施の形態3にかかる照射光学系7と同様の構成としてもよい。これにより、流速Vfを用いて3次元画像の生成を行うことも可能である。この場合、流速Vfの変動があった場合でも、生成する3次元画像の歪みを低減することが可能となる。よって、本構成によれば、微小粒子状試料のそれぞれの3次元画像をより高精度に取得することが可能となる。
様々な態様には、細胞よりも小さい、又は細胞よりもはるかに小さい照射スポットを用いる。これは、細胞の内部構造を決定するのに好都合である。様々な態様は、例えば微小粒子状試料あたり5点以上、10点以上又は100点以上にわたるたいへん高い解像度で観察する。これにより、微小粒子状試料のイメージマップを作成できる。これらのイメージマップは、微小粒子状試料の全体にわたる様々な点での結果光データを含むことができる。イメージマップは、細胞小器官に関する蛍光又は対象物の選択されたコンポーネントの位置の詳細を含むことができる。イメージマップの全部又は一部の描写を、理解しやすい可視画像とすることができる。2−D画像は、従来のフローサイトメーターよりもさらなる詳細を与えるのに好都合である。例えば流れに直交する2つの面などの2つの異なる平面での走査により、2−Dイメージマップを決定することができる。これらは、細胞の3−Dイメージマップをもたらすために組み合わせることもできる。これは、容量測定に類似しているが、ハードウェアはより単純である。
様々な態様は、様々な種類の血球のカウントのような血液学での応用に有用である。従来のコールター計数器と比べて、本明細書のイメージフローサイトメーターの様々な態様は、測定させる各細胞のより多くの細部を決定することができる。
様々な態様においては、フォローサイトメトリーを実行する方法は、フローチャンバを通じる流体の流れの供給を含み、流体の流れは微小粒子状試料のような対象物を輸送する。レーザ又は他の入射光は、対象物よりも小さな照射スポットを形成するように指向される。照射スポットは、対象物が流体とともに移動する間に、少なくとも流れの方向と実質的に垂直な方向に移動される。フローチャンバから発する結果光が検出され、例えば、透過光、前方散乱光、側方散乱光、又は任意の方向又は特定の方向の蛍光である。光は、PMT、CCD、PINダイオード又は他の光センサで検出される。対象物の性質を決定するために、検出された光に対応する信号は制御器(例えば制御部5)を用いて自動的に処理される。様々な態様においては、スポットの動き及び光検出ステップは、複数の対象物のために繰り返され、複数の対象物の性質を検定するために対応する信号が処理される。様々な態様においては、制御器は自動的に対象物の2次元画像、例えば前方散乱光強度に対する側方散乱光強度のプロット、又は、例えば特定の蛍光を呈する対象物の数のヒストグラムを自動的に生成する。
様々な態様においては、複数の入射光ビームは、フローチャンバの流れ軸に沿った異なる位置に与えられる。結果光は、ビームごとに分離して検出される。制御器は、自動的に、それぞれが1つのビームに対応する、複数の2次元画像を決定するために結果光を自動的に処理する。そして、制御器は、複数の2次元画像を用いて、対象物の3次元モデルを自動的に生成する。この例は、図15、16A、16B及び16Cを参照して、上記で説明されている。様々な態様においては、制御器は、2次元画像に初めにマーキングを行うことなく、検出された結果光を用いて3次元モデルを自動的に生成する。
上述を考慮すると、様々な態様は、既存のスキームよりもよい高い解像度を実現するフローサイトメトリーを行うフローサイトメーター及び手段をもたらす。技術的効果は、細胞のような微小粒子状試料の形状を測定することと、それらの試料の内部構造に関するデータを測定することである。
本明細書の説明より、実施の形態は様々に変更可能であることは明らかである。このような変更は、本発明の思想及びスコープのから乖離したものではないとして考えられるべきであり、当業者にとって自明であるこのような修正は、全て以下のクレームのスコープの範囲内で提供される。
本発明は、本明細書で説明した態様の組み合わせを含むものである。「特定の態様」(または、実施の形態、バージョン)への言及は、本発明の態様の少なくとも1つに存在する特徴的構成を指す。「一態様」又は「特定の態様」などと分けて言及することは、同じ態様を指すことを要しない。しかし、このような態様は、特に示された場合又は当業者にとって容易に自明である場合を除き、相互に排他的である。単一の「方法」又は複数の「方法」などへの言及を用いることは、限定されない。本開示において「又は(または)」という語は、明確に示されない限り、非排他的な意味で用いられる。
本発明は、好ましい特定の態様への特定の参照により詳細に説明されているが、当然のことながら、当業者は、本発明の思想およびスコープの範囲内で変更、組み合わせ及び修正を行うことができる。

Claims (20)

  1. 微小粒子状試料を観察するイメージフローサイトメーターであって、
    前記微小粒子状試料を流れ方向に流動させることができる流路が形成されたフローチャンバと、
    2μm以下の半値全幅を有する照射スポットの入射光で前記流路内の前記微小粒子状試料を照射するように、かつ、前記流路内の前記微小粒子状試料を横切って前記照射スポットの照射位置を走査するように構成され、前記流れ方向に対して実質的に垂直な軸に沿った第1の方向に前記照射スポットの照射位置を走査するように構成される、少なくとも1つの照射光学系と、
    前記照射位置が前記第1の方向に走査されている間に前記フローチャンバからの透過光の光強度に対応する第1の結果光データを与えるように構成される第1の光検出器と、前記照射位置が前記第1の方向に走査されている間に前記フローチャンバからの散乱光の光強度に対応する第2の結果光データを与えるように構成される第2の光検出器と、を有する少なくとも1つの検出光学系と、
    前記検出光学系からの前記第1の結果光データまたは前記2の結果光データの変化に基づいて前記微小粒子状試料を検出する制御部と、を備える、
    イメージフローサイトメーター。
  2. 前記照射光学系は、前記入射光を回折限界まで収束させるように構成される、
    請求項1に記載のイメージフローサイトメーター。
  3. 前記制御部は、前記微小粒子状試料の前記流れ方向に対して垂直である前記流路の断面の中心を前記入射光の焦点が通過するように、前記照射光学系に前記照射位置を走査させるように構成される、
    請求項1に記載のイメージフローサイトメーター。
  4. 前記検出光学系は、前記照射位置が前記第1の方向に走査されている間に前記フローチャンバからの側方散乱光の光強度に対応する第3の結果光データを与えるように構成される第3の光検出器を更に備え、
    前記制御部は、更に、前記検出光学系からの第3の結果光データの変化に基づいて前記微小粒子状試料を検出するように構成される、
    請求項1に記載のイメージフローサイトメーター。
  5. 前記照射光学系はレーザを有し、前記入射光は前記レーザからの光を含む、
    請求項1に記載のイメージフローサイトメーター。
  6. 前記照射光学系は、前記第1の方向に前記照射スポットの照射位置を走査するように、前記入射光を偏向させる光デフレクタを有する、
    請求項5に記載のイメージフローサイトメーター。
  7. 前記光デフレクタは、音響光学デフレクタ又は電気光学デフレクタを含む、
    請求項6に記載のイメージフローサイトメーター。
  8. 微小粒子状試料を流れ方向に流動させることができる流路が形成されたフローチャンバと、
    照射スポットの入射光で前記流路内の前記微小粒子状試料を照射するように、前記流れ方向に対して実質的に垂直に、かつ、前記流路内の前記微小粒子状試料を横切って前記照射スポットの照射位置を走査するように構成される、少なくとも1つの第1の照射光学系と、
    前記照射位置が走査されている間に前記フローチャンバからの透過光の光強度に対応する第1の結果光データを与えるように構成される第1の光検出器と、前記照射位置が走査されている間に前記フローチャンバからの散乱光の光強度に対応する第2の結果光データを与えるように構成される第2の光検出器と、を有する少なくとも1つの第1の検出光学系と、
    前記第1の結果光データまたは前記第2の結果光データの変化に基づいて前記微小粒子状試料を検出する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記微小粒子状試料の流速および走査速度から決定される座標を、少なくとも前記第1の結果光データまたは前記第2の結果光データと関連付け、
    少なくとも前記微小粒子状試料の前記透過光または前記散乱光の2次元分布を決定する、
    ように構成される、
    システム。
  9. 前記制御部は、前記2次元分布を示す2次元画像を提供するように構成される、
    請求項8に記載のシステム。
  10. 複数の検出光学系と複数の照射光学系とを更に備え、前記複数の検出光学系は少なくとも1つの前記第1の検出光学系を有し、前記複数の照射光学系は少なくとも1つの前記第1の照射光学系を有し、
    前記複数の検出光学系のそれぞれは、前記複数の照射光学系のそれぞれに対して、前記フローチャンバの反対側に配置され、
    前記制御部は、
    前記複数の検出光学系のそれぞれについて複数の2次元分布のそれぞれを決定し、前記複数の2次元分布は前記2次元分布を含み、
    前記複数の2次元分布のそれぞれを複数組み合わせることで、少なくとも前記微小粒子状試料の前記透過光または前記散乱光の3次元分布を生成する、
    ように構成される、
    請求項8に記載のシステム。
  11. 前記制御部は、少なくとも前記微小粒子状試料の前記透過光または前記散乱光の3次元分布を示す3次元画像を生成するように構成される、
    請求項10に記載のシステム。
  12. 前記微小粒子状試料の前記流速を測定し、前記制御部へ測定結果を出力する流速測定部を更に備える、
    請求項8に記載のシステム。
  13. 前記制御部は、前記流速測定部からの前記測定結果に応じて、前記微小粒子状試料の前記流速を連続的に更新するように構成される、
    請求項12に記載のシステム。
  14. 前記流速測定部は、前記流路内に配置され、又は、前記流路に接続され、前記流路を流れる前記微小粒子状試料の前記流速を観測する、
    請求項12に記載のシステム。
  15. 前記流速測定部は、前記第1の照射光学系と前記制御部とを含み、
    前記第1の照射光学系は、複数の回折光ビームを含む前記入射光を提供する位相格子を有し、
    前記第1の照射光学系は、前記流路の流れの前記方向沿った互に異なる位置に前記複数の回折光ビームを指向させ、
    前記制御部は、前記複数の回折光ビームから選択された2つの回折光ビームの照射位置の間の距離と、前記微小粒子状試料が前記照射位置を通過するときに得られる時間差とから、前記微小粒子状試料の前記流速を算出するように構成される、
    請求項12に記載のシステム。
  16. 前記第1の照射光学系は、前記流れ方向に対して垂直な1以上の軸に実質的に沿って、前記照射位置のそれぞれを走査するように構成される、
    請求項15に記載のシステム。
  17. 前記照射光学系は、複数の光ビームを含む前記入射光を提供するように構成され、
    前記照射光学系は、互いに異なる角度で、前記複数の光ビームを前記照射スポットに指向させ、
    前記検出光学系は、前記光ビームのそれぞれに対応する前記第1及び第2の結果光データを与えるように構成され、
    前記制御部は、前記光ビームのそれぞれに対応する前記第1及び第2の結果光データを用いて、前記微小粒子状試料の3次元画像を算出するように構成される、
    請求項1に記載のイメージフローサイトメーター。
  18. 前記照射光学系は、光源と、前記複数の光ビームを含む前記入射光を提供するために前記光源からの光を回折させる位相格子と、を有する、
    請求項17に記載のイメージフローサイトメーター。
  19. 複数の微小粒子状試料を前記流路に供給するように構成された流動誘起装置を更に備え、
    前記複数の微小粒子状試料は前記微小粒子状試料を含み、
    前記照射光学系は、照射体積にわたって前記照射位置を走査し、前記流路は前記複数の微小粒子状試料のうち1つのみが前記照射体積内に存在できるように形成される、
    請求項1に記載のイメージフローサイトメーター。
  20. 微小粒子状試料を輸送する流体の流れをフローチャンバに与え、
    前記フローチャンバ内の前記微小粒子状試料を横切って前記微小粒子状試料よりも小さい照射スポットを走査し、前記走査は前記流体の流れの方向に対して実質的に垂直な軸に沿った第1の方向の走査を含み、
    照射位置が前記第1の方向に走査されている間に、透過光の第1の検出信号と、前記照射スポットでの波長と実質的に同じ波長を有する散乱光の第2の検出信号と、を検出し、
    前記第1及び第2の検出信号と前記流体の流れの速度を用いて前記微小粒子状試料のイメージマップを決定する、
    方法。
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