JP6213479B2 - 光学素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光学素子の製造方法、光学素子、光学系及び撮像装置に関する。
カメラ等の光学機器においては、レンズ等に入射する入射光の光量を調節するため、光学絞りや減光(ND:Neutral Density)フィルタ等が用いられている。携帯電話や携帯端末などにもカメラの搭載が進み、このようなカメラにも光学絞りが使用されている(例えば、特許文献1)。通常の光学絞りを図1に示す。絞り910は、遮光材料により板状に形成されたものの中心部分に開口部911を形成したものであり、周辺部分の光は遮光され、開口部911の形成されている中心部分において光が透過するものである。図1(a)は、絞り910の上面図であり、図1(b)は、図1(a)の一点鎖線1A−1Bにおける光の透過率分布を示す。最近は携帯電話や携帯端末の小型化や薄型化によりカメラも小型化している。そのため、使われる光学絞りも小型化しているが、小型の光学絞り910では、開口部911の周囲において光の回折の発生が無視できなくなっており、解像度を高めることが困難となっている。すなわち、カメラの高画素化が進む一方で、解像度を劣化させない小型の光学絞りが求められていた。
特開平11−231209号公報 特開2011−221120号公報 特許第4428961号公報
このような光学絞りとなる光学素子としては、図2に示されるように、中心部分の光の透過率が高く、中心部分から周辺部分に向かって光の透過率が減少している構造のアポダイズドフィルタが開示されている。なお、図2(a)は、中心部分に開口部921を有する絞り920の上面図であり、図2(b)は、図2(a)の一点鎖線2A−2Bにおける光の透過率分布を示す。
ところで、このようなアポダイズドフィルタは理想的には透過率分布が正規分布になるように設計されるが、中心の透過すべき領域が小さいため作製が難しく、バラツキなく均一に作製することは困難であった。また、透過率分布が正規分布の場合、実質的な光の透過光量が大きく減少するため、光学系が暗くなる問題がある。
本発明は、上述のような課題を鑑みてなされたものであり、中心領域より周辺領域に向かって光の透過率が単調に減少する光学素子であって、中心領域の透過率を高く、かつ、均一な光学素子とその製造方法を提供することを目的とする。
本実施の形態の一観点によれば、光の一部または全部を吸収する材料により形成された光吸収部と、前記光吸収部の上に、光を透過する材料により形成された光透過部と、を有し、中心より周辺に向かって、中心領域、中間領域、周辺領域が形成されており、前記中心領域には、前記光吸収部が形成されておらず、前記中間領域には、前記中心領域の側から前記周辺領域の側に向かって、前記光吸収部の厚さが徐々に厚くなっている光学素子の製造方法において、透明基板の上に光吸収部を形成するための光吸収性樹脂材料を塗布する工程と、前記光吸収部の形状に対応した凹凸形状を有する成形型を塗布された前記光吸収性樹脂材料に押しあてる工程と、前記成形型が前記光吸収性樹脂材料に押しあてられた状態で、紫外線を照射することにより、前記光吸収性樹脂材料を硬化させて光吸収部を形成する工程と、前記紫外線を照射した後、前記成形型を剥離する工程と、を有し、前記成形型は、凸部の上面となる中心領域に対応する部分が平坦に形成され、前記中心領域と前記中間領域との境界の直径をφ1とし、前記中間領域と前記周辺領域との境界の直径をφ2とした場合、0.3<φ1/φ2<0.9を満たすことを特徴とする。
また、本実施の形態の他の一観点によれば、光の一部または全部を吸収する材料により形成された光吸収部と、前記光吸収部の上に、光を透過する材料により形成された光透過部と、を有し、中心より周辺に向かって、中心領域、中間領域、周辺領域が形成されており、前記中心領域には、前記光吸収部が殆ど形成されておらず、前記中間領域には、前記中心領域の側から周辺領域の側に向かって、前記光吸収部の厚さが徐々に厚くなっている光学素子の製造方法において、前記光吸収部の形状に対応した凹凸形状を有する成形型に、光吸収性樹脂材料を塗布する工程と、塗布された前記光吸収性樹脂材料に透明基板を押しあてる工程と、前記透明基板が前記光吸収性樹脂材料に押しあてられた状態で、紫外線を照射することにより、前記光吸収性樹脂材料を硬化させて光吸収部を形成する工程と、前記紫外線を照射した後、前記成形型を剥離する工程と、を有し、前記成形型は、凸部の上面となる中心領域に対応する部分が平坦に形成されているものであることを特徴とする。
また、本実施の形態の他の一観点によれば、基材の上に、光の一部または全部を吸収する材料により形成された光吸収部と、前記光吸収部の上に、光を透過する光透明材料により形成された光透過部と、を有し、中心より周辺に向かって、中心領域、中間領域、周辺領域が同心円状に形成されており、前記中心領域には、前記光吸収部が殆ど形成されておらず、前記中間領域には、前記中心領域の側から周辺領域の側に向かって、前記光吸収部の厚さが徐々に厚くなっており、中心領域と中間領域との境界の直径をφ1とし、中間領域と周辺領域との境界の直径をφ2とした場合、0.3<φ1/φ2<0.7を満たす光学素子の製造方法において、中心より周辺に向かって、中心領域、中間領域、周辺領域が同心円状に形成されており、前記中心領域は凹凸の高さが最も高く、かつ、平坦であり、前記中間領域は、前記中心領域の側から周辺領域の側に向かって、凹凸の高さが徐々に低くなる凹凸面を有する成形型を用いて、前記光吸収部を形成する工程と、前記光吸収部の上に、表面が平坦になるように光透明材料を積層する工程と、を含むことを特徴とする。
また、本実施の形態の他の一観点によれば、基材の上に、光の一部または全部を吸収する材料により形成された光吸収部と、前記光吸収部の上に、光を透過する光透明材料により形成された光透過部と、を有し、中心より周辺に向かって、中心領域、中間領域、周辺領域が同心円状に形成されており、前記中心領域には、前記光吸収部が殆ど形成されておらず、前記中間領域には、前記中心領域の側から周辺領域の側に向かって、前記光吸収部の厚さが徐々に厚くなっており、中心領域と中間領域との境界の直径をφ1とし、中間領域と周辺領域との境界の直径をφ2とした場合、0.3<φ1/φ2<0.7を満たすことを特徴とする。
また、本実施の形態の他の一観点によれば、基材の上に、光の一部または全部を吸収する材料により形成された光吸収部と、前記光吸収部の上に、光を透過する光透明材料により形成された光透過部と、を有し、中心より周辺に向かって、中心領域、中間領域、周辺領域が同心円状に形成されており、前記中心領域には、前記光吸収部が殆ど形成されておらず、前記中間領域には、前記中心領域の側から周辺領域の側に向かって、前記光吸収部の厚さが徐々に厚くなっており、中心領域と中間領域との境界の直径をφ1とし、中間領域と周辺領域との境界の直径をφ2とした場合、0.3<φ1/φ2<0.9を満たすことを特徴とする。
また、本実施の形態の他の一観点によれば、光の一部または全部を吸収する材料により形成された光吸収部と、前記光吸収部の上に、光を透過する材料により形成された光透過部と、を有し、中心より周辺に向かって、中心領域、中間領域、周辺領域が形成されており、前記中心領域には、前記光吸収部が殆ど形成されておらず、前記中間領域には、前記中心領域の側から周辺領域の側に向かって、前記光吸収部の厚さが徐々に厚くなっている光学素子において、前記光吸収部は、塗布された光吸収性樹脂材料に前記光吸収部の形状に対応した凹凸形状を有する成形型をあて、紫外線を照射することにより形成されるものであって、前記成形型は、凸部の上面となる中心領域に対応する部分が平坦に形成されていることを特徴とする。
また、本実施の形態の他の一観点によれば、光の一部または全部を吸収する材料により形成された光吸収部と、前記光吸収部の上に、光を透過する材料により形成された光透過部と、を有し、中心より周辺に向かって、中心領域、中間領域、周辺領域が形成されており、前記中心領域には、前記光吸収部が殆ど形成されておらず、前記中間領域には、前記中心領域の側から周辺領域の側に向かって、前記光吸収部の厚さが徐々に厚くなっている光学素子において、前記中心領域における最も透過率の高い点に対する最も透過率が低い点の透過率の比が0.95以上であることを特徴とする。


本発明により、中心領域より周辺領域に向かって光の透過率が単調に減少する光学素子であって、中心領域の透過率を高く、かつ、均一な光学素子とその製造方法を提供することができる。
絞りの説明図 アポダイズドフィルタの説明図 第1の実施の形態における光学素子の構造図 第1の実施の形態における光学素子の説明図 光学素子におけるφ1/φ2とMTF及び透過率の相関図 第2の実施の形態における光学素子の製造方法の工程図(1) 第2の実施の形態における光学素子の製造方法の工程図(2) 第2の実施の形態における光学素子の製造方法に用いられる成形型の説明図 第3の実施の形態における光学素子の製造方法の工程図(1) 第3の実施の形態における光学素子の製造方法の工程図(2) 第4の実施の形態における撮像装置が搭載されるスマートフォンの説明図 第4の実施の形態における撮像装置の説明図 第4の実施の形態における撮像装置の光学系の説明図
〔第1の実施の形態〕
実施するための形態について、以下に説明する。なお、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
(光学素子)
第1の実施の形態における光学素子について説明する。本実施の形態における光学素子は、いわゆるアポダイズドフィルタと呼ばれるものであり、図3及び図4に示されるように、透明な樹脂材料またはガラス等により形成された透明基材10、透明基材10の上に形成された可視光を吸収する材料により形成された光吸収部20及び可視光を透過する材料(光透明材料)により形成された光透過部30とを有している。なお、図4(a)は、本実施の形態における光学素子の上面図であり、図4(b)は、図4(a)の一点鎖線4A−4Bにおける光の透過率分布を示す。
本実施の形態における光学素子は、光学素子の中心部分における中心領域21と、中心領域21の周囲に形成される中間領域22と、中間領域22の周囲に形成される周辺領域23とを有している。
光吸収部20は、中心領域21においては殆ど形成されておらず、周辺領域23において厚く形成されており、中心領域21と周辺領域23との間の中間領域22においては、中心領域21の側から周辺領域23の側に向かって、徐々に厚さが厚くなるように形成されている。
ここで光吸収部を構成する光吸収材料の光学濃度をODとし、光吸収部の厚みをtとすると、透過率T(%)は、下記の(1)に示す式で表わされる。

T=100×10(−OD×t) %・・・・・・・・・・・・・(1)

である。ここで光学濃度ODは、単位厚みあたりの透過率T0(%)から、下記の(2)に示す式で表わされる。

OD=−log(T0/100)・・・・・・・・・・・・・(2)

従って、本実施の形態における光学素子においては、中心領域21における透過率は光吸収材料の厚みがほぼゼロなので、100%に近い値であり、入射光の略すべてを透過する。また、周辺領域23における透過率は、(1)に示される式で規定され、例えば0.1%にする場合は、OD×t=3を満たすように、光学濃度ODと周辺領域の厚みtを決める必要がある。ODを大きく、つまり吸収能の高い吸収材料の場合は、厚みを薄くできるが、中心領域に残膜が生じた場合には、残膜による透過率低下が著しくなり、製造が困難になる。一方、ODを小さくすると周辺領域の厚みが厚くなるため、薄型化を求める撮像系には不向きである。従って、周辺領域の厚み、すなわち光吸収部20の中心領域と周辺領域の高低差は、5μm〜100μm程度が良く、更には、10〜30μm程度が、光学素子を薄くでき、かつ、安定して製造できるため好ましい。中間領域22における透過率は、中心領域21の側から周辺領域23の側に向かって、透過率が徐々に減少するように形成されており、このため、中心領域21の側から周辺領域23の側に向かって、透過する光の光量は徐々に減少する。
本実施の形態における光学素子では、光吸収材料の厚みに応じて透過率が変わるため、例えば成形型などを用いて光吸収材料の厚みを精密に制御できれば、再現性良く高精度な透過率分布を得やすい点で優れている。比較例として、特許文献3の図4に示されているような、インクジェット記録装置により同様な透過率分布を作製することもできる。この方式は、インク受容層の厚みは一定であることから、インクジェット記録装置によって微小液滴の吐出量を場所に応じて精密に制御することで、所望の透過率分布に応じた光学濃度ODを分布するものであり、インク受容層の厚みが薄い場合、光学素子の厚みを薄くできるメリットはあるものの、微小液滴の大きさや、吐出量のバラツキに敏感であるため、再現性良く高精度な透過率分布を得難い課題がある。
なお、本実施の形態においては、中心領域21、中間領域22及び周辺領域23は、同心円状で形成されており、中心領域21と中間領域22との境界の直径をφ1とし、中間領域22と周辺領域23との境界の直径をφ2とした場合、下記の(3)に示される式を満たすように形成されている。

0.3<φ1/φ2<0.7・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)

例えば、図3に示される光学素子においては、φ1が1.8mmとなり、φ2が3.0mmとなるように形成されており、φ1/φ2=0.6であるため、上記の(3)に示される式を満たしている。
このような、本実施の形態における光学素子では、所定の空間周波数におけるMTF(Modulation Transfer Function)の値を高くすることができるため、カメラ等の撮像装置に用いた場合に、よりよい画質の画像を撮像することができる。しかし、MTFが最適となる理想的なアポダイズドフィルタの透過率分布は正規分布になり、光を遮光する部分が多くなるため透過光量が大きく減少することがデメリットになる場合がある。図5は、前記φ1とφ2の比率に応じたMTFと透過率の変化を示すものである。φ1/φ2=1は図1に示す従来の開口絞りに相当しこの透過率を100とする。φ1/φ2=0では透過率分布が正規分布となる理想的なアポダイズドフィルタであり、MTFは最も良いが透過率は40%程度に減少する。本実施の形態における光学素子では、φ1/φ2が、(3)に示される式になるように形成されているため、理想的なアポダイズフィルタに比べMTFの劣化が小さく、より光量の取れる明るい光学素子を提供することができる。
また、(3)に示される式になるように形成された光学素子と比較して、更に、光量の取れる明るい光学素子を提供するためには、下記の(4)に示される式を満たすように形成することが好ましい。

0.3<φ1/φ2<0.9・・・・・・・・・・・・・・・・・(4)

図5に基づくならば、φ1/φ2が0.74の場合では透過率は80%以上、φ1/φ2が0.9の場合では透過率は90%以上になり、より光量を必要とする用途には好適である。なお、φ1/φ2=0.7〜0.9の場合であっても、MTFは従来のバイナリー絞りであるφ1/φ2=1.0に比べ良いので、よりよい画質の画像を撮影することができる。
また、光透過部30は、光吸収部20が形成されていない部分に埋め込まれるように形成されており、光透過部30の表面は略平坦となっている。このため、光透過部30の厚さは、中心領域21において最も厚く、周辺領域23において最も薄くなっており、中心領域21から周辺領域23に向かって、徐々に薄くなるように形成されている。なお、本実施の形態においては、可視光とは、420nm以上、780nm以下の波長の光を意味するものとする。
また、透明基材10は、ガラスや樹脂など透明であればよく、特に携帯電話用カメラなど薄型化が求められる用途には、透明基材10の厚みを薄くすることが好ましく、更には、0.1mm以下であることが好ましい。また、図3に示される本実施の形態においては、透明基材10は平板としたが、レンズであってもよく、特に低背化を特徴としたスマートフォン用カメラモジュールでは、スペースが限られるため、カメラモジュールを構成するレンズの一部に形成し光学素子とすることが好適である。
(光吸収部20)
本実施の形態における光学素子において、光吸収部20は、光を透過する透明樹脂材料に光を吸収する吸収材料が添加されているものにより形成される。なお、光吸収部20を形成するために用いられる後述する液体状の光吸収性樹脂材料20aには、透明樹脂材料に吸収材料が添加されているものが含まれている。
(吸収材料)
吸収材料としては、アントラキノン系、フタロシアニン系、ベンゾイミダゾロン系、キナクリドン系、アゾキレート系、アゾ系、イソインドリノン系、ピランスロン系、インダンスロン系、アンスラピリミジン系、ジブロモアンザンスロン系、フラバンスロン系、ペリレン系、ペリノン系、キノフタロン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、アニリンブラック、ニグロシンブラック等の有機色素や有機顔料、金、銀、銅、スズ、ニッケル、パラジウムやそれらの合金を用いた金属ナノ粒子、さらに、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、ベンガラ、群青、紺青、酸化クロム、鉄黒、鉛丹、硫化亜鉛、カドミウムエロー、カドミウムレッド、亜鉛、マンガン紫、コバルト、マグネタイト、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、チタンブラック等の無機顔料を用いることができる。特に、チタンブラックは分散性に優れていることや吸収係数が高いことから好ましい。後述する透明樹脂材料に添加して成型する際に、チタンブラックの添加濃度を低くすることができるため、粘度を低く保つことができる。
チタンブラックとは、TiNxOy(0≦x<1.5および0.16<y<2)、または(1.0≦x+y<2.0および2x<y)で表される低次酸化チタンの化合物であり、容易にその粒子を得ることができる。光学素子として用いる場合に、ヘイズは小さいことが好ましいことから、本実施の形態において用いられるチタンブラック粒子の平均粒径は100nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましい。ここで、被分散体の粒径とは、有機溶媒中に含まれるチタンブラック粒子の10万倍拡大画像を透過型電子顕微鏡(TEM)にて撮影したTEM写真における粒子100個における数平均粒子径を意味する。
本実施の形態において、粒子を用いる場合には、分散剤を用いてもよく、チタンブラックについても同様である。分散剤は樹脂中に均一分散に分散させるために用いる。分散剤としては、高分子分散剤(アルキルアンモニウムとその塩、酸基を有する共重合物のアルキロールアンモニウム塩、水酸基含有カルボン酸エステル、カルボン酸含有共重合物、アミド基含有共重合物、顔料誘導体やシランカップリング剤等を挙げることができる。また、分散剤の分子中に樹脂と相互作用する官能基や重合性官能基が存在してもよい。また、これらを単独で使用してもよく、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
透明樹脂材料に添加されるチタンブラックの割合は、0.3質量%以上15質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%から13質量%である。なお、これは10μmにおける光学濃度が、0.2以上、4.0以下に相当する。添加されるチタンブラックの割合が0.3質量%より小さいと所望の透過率を発現させるために100μm以上の膜厚が必要となり、成形が非常に困難となる場合がある。一方、添加されるチタンブラックの割合が15質量%より大きいと、単位膜厚当たりの透過率減が大きくなるため、中心部分において残膜がほぼゼロとなることが求められることから、光学素子の製造が困難なものとなる。
また、チタンブラック以外にも他の材料を加えて用いても構わない。特にカーボンブラックは800nmから380nmに向かい透過率が単調に減少し、チタンブラックとは逆の特性を示すため、この両者を組み合わせることにより、透過率の波長依存性を小さくすることができる。
(透明樹脂材料)
透明樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィン(COP)などの熱可塑性樹脂や、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)等の熱硬化性樹脂、アクリルやエポキシなどのエネルギー線硬化性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂やエネルギー線硬化性樹脂を用いる場合にはオリゴマーやモノマーなどの重合前駆体化合物(以下、重合性化合物とも呼ぶ)の段階で、吸収材料を添加し、その後硬化すればよい。これらの中でも、エネルギー線硬化性樹脂が好ましく用いられる。このような重合性化合物としては、重合反応により硬化して硬化物となるような成分であれば、特に制限なく使用可能である。例えば、ラジカル重合型の硬化性樹脂、カチオン重合型の硬化性樹脂、ラジカル重合型の硬化性化合物(モノマー)が特に制限なく使用可能である。これらの中でも、重合速度や後述する成形性の観点から、ラジカル重合型の硬化性化合物(モノマー)が好ましい。ラジカル重合型の硬化性樹脂としては、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、(メタ)アクリロイル基、アリルオキシ基、アリル基、ビニル基、ビニルオキシ基等の炭素−炭素不飽和二重結合を有する基を有する樹脂等が挙げられる。
本実施の形態においては、重合性化合物は、特に限定されるものではないが、エトキシ化o-フェニルフェノールアクリレート、メタクリル酸2-(パーフルオロヘキシル)エチル、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカン(メタ)アクリレート、トリシクロデカンメタノール(メタ)アクリレート、トリシクロデカンエタノール(メタ)アクリレート、1−アダマンチルアクリレート、1−アダマンチルメタノールアクリレート、1−アダマンチルエタノールアクリレート、2−メチル−2−アダマンチルアクリレート、2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、2−プロピル−2−アダマンチルアクリレートなどの単官能化合物や、9,9-ビス[4-(2-アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソボニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジエタノールジ(メタ)アクリレート、アダマンタンジアクリレート、アダマンタンジメタノールジアクリレートなどの二官能化合物や、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの三官能化合物、ペンタエリスルトールテトラ(メタ)アクリレートなどの四官能化合物、ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの六官能化合物等が挙げられる。また、重合性化合物は1種類または2種類以上を含んでいても構わない。単官能化合物のみを用いる場合は、成型後の離型時に凝集破壊を起こす場合があるので、ニ官能以上の多官能化合物を含むことが好ましい。重合性化合物組中における多官能化合物は1質量%以上90質量%以下であることが好ましく、さらに10質量%以上80質量%以下であることが好ましい。多官能化合物の量が1質量%未満の場合は、凝集破壊を改善できる効果が不十分であり、90質量%を超える場合には、重合後の収縮が大きく問題になる場合がある。
また、上記の炭素−炭素不飽和二重結合を有する官能基以外にエポキシ基のような開環反応を起こす重合性化合物も用いることができる。特に例示はしないが、この場合にも、単官能化合物のみでは、成型後の離型時に凝集破壊を起こす場合があるので、ニ官能以上の多官能化合物を含むことが好ましい。重合性化合物組中における多官能化合物は1質量%以上90質量%以下であることが好ましく、さらに10質量%以上80質量%以下であることが好ましい。これらの光硬化性吸収材料は基材との屈折率差を小さくし界面反射を軽減したり、粘度を調整したりする目的で、単独で用いてもよく、複数組み合わせて用いてもよい。
(光透過部30)
本実施の形態における光学素子において、光透過部30は、上述した透明樹脂材料により形成されている。なお、光透過部30を形成するために用いられる後述する液体状の光透過性樹脂材料30aには、上述した透明樹脂材料が含まれている。
本実施の形態における光学素子は、透明基材10と光透過部30との間に、光吸収部20を形成している吸収材料が殆ど存在していないため、この領域における透過率をたかくすることができ、また、均一にすることができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態における光学素子の製造方法である。本実施の形態における製造方法について、図6及び図7に基づき説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態における光学素子を複数同時に作製する方法である。
最初に、図6(a)に示されるように、透明基材10の上に、光吸収部20を形成するための光吸収性樹脂材料20aを適量滴下する。光吸収性樹脂材料20aは、透明樹脂材料に吸収材料が添加された液体であり、本実施の形態において用いられているものは、紫外線を照射することにより硬化するものである。
次に、図6(b)に示されるように、形成される光吸収部20の形状に対応した凹凸を表面に有する成形型130を凹凸が形成されている面が、光吸収性樹脂材料20aの滴下される側となるように押しあて、紫外線を照射する。これにより、光吸収性樹脂材料20aが硬化し、光吸収部20が形成される。この際用いられる成形型130の表面形状を図8に示す。この成形型130は、表面に凸部131と凹部132とが形成されており、凹部132により、本実施の形態における光学素子の光吸収部20が形成される。この成形型130は、凸部131の上面となる中心領域141、凹部132の底面となる周辺領域143、凸部131の上面と凹部132の底面との間、即ち、中心領域141と周辺領域143との間の中間領域142を有している。
成形型130は、凸部131の上面となる中心領域141及び凹部132の底面となる周辺領域143においては、表面が平坦に形成されており、中間領域142においては、中心領域141から周辺領域143に向かって、徐々に高さが低くなるように形成されている。
図2に示される従来のアポダイズドフィルタを同様な方法で製造する場合、光吸収性樹脂材料を押しあてる成形型の中心領域は略点状になる。中心の透過率を高くするためには、中心領域から光吸収性樹脂材料を排除する必要があるため、光吸収性樹脂材料20aが滴下されている側に、成形型を強く押しあてることが必要である。しかし、前述のとおり、成形型の先端は略点状であるため、加圧により成形型が透明基板にめりこんだり、或いは透明基板を損傷したりする問題が生じるため、加圧力を高い精度で制御する必要がある。仮に、成形型の先端と透明基板との間に隙間ができ光吸収性樹脂材料が残ったり、或いは成形型の先端が透明基板にめりこんだ場合では、図2に示される透過率分布に誤差が生じるため、そのような光学素子の製造バラツキは、それを組み込んだ撮像系の取り込み光量バラツキの原因となるため好ましくない。
一方、本実施の形態においては、成形型130の凸部131の上面における中心領域141では、表面が平坦に形成されているため、光吸収性樹脂材料20aが滴下されている側に、成形型130を強く押しあてても、直径φ1の面積で加圧することができるため実質的に基材にめり込むことがなく、成形型130の凸部131の上面と透明基材10との間における光吸収性樹脂材料20aを押し出すことができる。
よって、成形型130の凸部131の上面と透明基材10との間には、光吸収性樹脂材料20aが略存在していない状態にすることができ、この状態で紫外線を照射する。これにより、成形型130の凸部131に対応する部分には、吸収材料が含まれている光吸収部20が形成されない、または、殆ど形成されない光学素子を安定に作製することができ、この領域における透過率を常に高く均一にすることができる。
例えば、中心領域21と中間領域22との境界の直径をφ1とし、中間領域22と周辺領域23との境界の直径をφ2とし、φ1/φ2=0.1とφ1/φ2=0.3を同じφ2のもとで比較すると、φ1/φ2=0.3の方がφ1/φ2=0.1に比べ中心領域の面積比が9倍であるため、成形型130の凸部131の上面と透明基材10との間における光吸収性樹脂材料20aを押し出すのに必要な圧力も9倍必要になる。しかし、所望の圧力からの誤差に対する影響感度を考えると、圧力誤差は単位面積あたりで9分の1になるため、圧力誤差により成形型130がフィルムなどの樹脂基材にめり込むことを防ぐことができる。
また、透過率を高くするためには、成形型130の凸部131の上面と透明基材10との間に残存する光吸収性樹脂材料20aが全く存在しないことが好ましい。しかし、成形型130を強く押し当てても、光吸収性樹脂材料20aを完全には排除しきれない場合や、成形型130の凸部131の上面に微小かつ局所的な凹凸があったり、同心円状に微小な高さ分布がある場合などでは、中心領域の面積の一部に光吸収性樹脂材料20aが残存する。そのような場合では、部分的な透過率のバラツキ、つまり中心領域における最も透過率の高い点に対する最も透過率が低い点の透過率の比が0.95以上であれば、光学的な影響が小さいので好ましい。式(1)及び式(2)から、周辺領域における光吸収部の厚みが30μmで透過率が0.1%、つまりOD値3とすると、中心領域に残存する光吸収性樹脂材料の膜厚バラツキを0.2μm以下に抑えれば、中心領域における透過率バラツキを5%以下にすることができるため好ましい。
次に、図6(c)に示されるように、透明基材10より成形型130を剥離する。これにより、透明基材10の表面には光吸収部20が形成される。
次に、図7(a)に示されるように、光吸収部20が形成されている面に、光透過部30を形成するための光透過性樹脂材料30aを滴下し、滴下された光透過性樹脂材料30aの上に透明平板151を載置して紫外線を照射する。光透過性樹脂材料30aは紫外線を照射することにより硬化するものにより形成されているため、紫外線を照射することにより、光透過性樹脂材料30aが硬化し、光透過部30が形成される。
次に、図7(b)に示されるように、透明平板151を剥離する。
次に、図7(c)に示されるように、光学素子ごとに切断する。具体的には、光透過部30が厚い領域が中心となるように、透明基材10がガラスの場合にはダイシングソー等により、透明基材10がフィルムの場合には打ち抜き等により、各々の光学素子ごとに切断する。
以上における製造方法により、本実施の形態における光学素子を作製することができる。このように作製された光学素子においては、光透過部30が形成されている中心領域21には、光を吸収する吸収材料が含まれている光吸収部20が形成されていない、または、殆ど形成されていないため、この領域における透過率を高く、均一にすることができる。
また、本実施の形態においては、透明基材10側に光吸収性樹脂材料20aを滴下する場合について説明したが、成形型130の側に光吸収性樹脂材料20aを滴下しても、同様の光学素子を作製することができる。
この場合、図8に示される成形型130の凸部131の上面である中心領域141の表面を撥液処理、例えば、成形型130の凸部131の上面である中心領域141の表面に撥液材料を塗布等してもよい。これにより、中心領域141に塗布等により供給された光吸収性樹脂材料20aははじかれ、成形型130の凸部131の上面である中心領域141に対応する中心領域21には、光吸収部20が形成されていない光学素子を作製することができる。
更に、本実施の形態においては、成形型側より紫外線を照射するため、ガラス、石英、樹脂など紫外線に対して透明な材料であればよい。また、透明基材10側から紫外線を照射する場合では、ニッケルや銅、ステンレスやステンレスの表面にニッケルを含む金属がメッキされたもの等紫外線を透過しない材料を用いてもよく、また、石英などのガラス型や前記金属からなる成形型から一旦樹脂に転写したものを成形型としてもよい。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態における光学素子の製造方法である。本実施の形態における製造方法について、図9及び図10に基づき説明する。本実施の形態は、複数の第1の実施の形態における光学素子を同時に作製する方法である。
最初に、図9(a)に示されるように、透明基材10の上に、光吸収部20を形成するための光吸収性樹脂材料20aを適量滴下する。光吸収性樹脂材料20aは、透明樹脂材料に吸収材料が添加された液体であり、紫外線を照射することにより硬化するものである。
次に、図9(b)に示されるように、光吸収性樹脂材料20aに紫外線を照射する。これにより、光吸収性樹脂材料20aが硬化し、硬化した光吸収材料部20bが形成される。
次に、図9(c)に示されるように、硬化した光吸収材料部20bの上に、マスク160を形成し、エッチングを行う。このマスク160は、光透過部30が形成される領域に対応した開口部161を有するものである。このマスク160は、フォトマスクであってもよく、メタルマスクであってもよい。例えば、フォトマスクの場合には、硬化した光吸収材料部20bの上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、開口部161を有するフォトマスクからなるマスク160を形成することができる。また、この際行われるエッチング方法としては、RIE(Reactive Ion Etching)等のドライエッチングが挙げられる。
次に、図9(d)に示されるように、マスク160の開口部161における硬化した光吸収材料部20bをドライエッチングにより略完全に除去した後、マスク160を取り除く。これにより、透明基材10の上に光吸収部20を形成することができる。
図2に示す従来のアポダイズドフィルタを同様な方法で製造する場合、図3に示される光学素子における中心領域21に対応する光吸収材料部20bを完全に除去すべき領域は点状になり、それに応じて吸収材料部の膜厚が変化する中間領域22の範囲が増える。そのような形状をドライエッチング法により形成することは困難であり、エンチング量のバラツキにより、中心の吸収材料の膜厚や形状が変化するため、そのような光学素子の製造バラツキは、それを組み込んだ撮像系の取り込み光量バラツキの原因となるため好ましくない。
一方、本実施の形態においては、図3に示される光学素子における中心領域21に示す光吸収材料部20bを完全に除去すべき領域はφ1の面積であるためエッチングバラツキによる許容度が増し、マスク160の開口部161にいては、硬化した光吸収材料部20bは略完全に除去されるため、この領域における光の透過率を高くすることができ、また、均一にすることができる。
次に、図10(a)に示されるように、光吸収部20が形成されている面に、光透過部30を形成するための光透過性樹脂材料30aを滴下し、滴下された光透過性樹脂材料30aの上に透明平板151を載置し紫外線を照射する。これにより、光透過性樹脂材料30aは硬化し、光透過部30が形成される。
次に、図10(b)に示されるように、透明平板151を剥離する。
次に、図10(c)に示されるように、光学素子ごとに切断する。具体的には、光透過部30の厚い領域が中心となるように、透明基材10がガラスの場合にはダイシングソー等により、透明基材10がフィルムの場合には打ち抜き等により、各々の光学素子ことに切断する。
以上における製造方法により、本実施の形態における光学素子を作製することができる。このように作製された光学素子においては、光透過部30が形成されている中心領域21には、光を吸収する吸収材料が含まれている光吸収部20が形成されていない、または、殆ど形成されていないため、この領域における透過率を高く、均一にすることができる。
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1から第3の実施の形態における光学素子を用いた撮像装置である。具体的には、本実施の形態における撮像装置は、スマートフォンや携帯電話等の携帯可能な通信機能を有する電子機器に搭載される撮像装置である。
具体的には、図11に示されるように、本実施の形態における撮像装置は、スマートフォン210において、メインカメラ211やサブカメラ212として搭載されるものである。本実施の形態においては、スマートフォン210における表示画面213が設けられている面とは反対側の面にメインカメラ211が搭載され、表示画面213が設けられている面にサブカメラ212が搭載されている。なお、図11(a)は、スマートフォン210の背面側の斜視図であり、図11(b)は、スマートフォン210の表示画面213側の斜視図である。
本実施の形態における撮像装置であるメインカメラ211やサブカメラ212は、図12に示されるように、光学系220、オートフォーカスユニット231、撮像素子であるイメージセンサ232、基板233、フレキシブル基板234等を有している。光学系220はオートフォーカスユニット231に搭載されており、オートフォーカスユニット231により光学系220の動きが制御され、オートフォーカス動作がなされる。撮像素子であるイメージセンサ232は、CMOSセンサ等により形成されており、イメージセンサ232において、光学系220を介して入射した光による画像が検出される。
光学系220は、図13に示されるように、第1の実施の形態における光学素子200、第1のレンズ221、第2のレンズ222、第3のレンズ223、第4のレンズ224、赤外線カットフィルタ225を有している。
この光学系220では、光学素子200より入射した光は、第1のレンズ221、第2のレンズ222、第3のレンズ223、第4のレンズ224、赤外線カットフィルタ225を介し、イメージセンサ232に入射する。
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
本国際出願は、2012年12月21日に出願された日本国特許出願2012−279101号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願2012−279101号の全内容を本国際出願に援用する。
10 透明基材
20 光吸収部
20a 光吸収性樹脂材料
20b 光吸収材料部(硬化した光吸収性樹脂材料)
21 中心領域
22 中間領域
23 周辺領域
30 光透過部
30a 光透過性樹脂材料
130 成形型
131 凸部
132 凹部
141 中心領域
142 中間領域
143 周辺領域
151 透明平板
160 マスク
161 開口部
200 光学素子
210 スマートフォン
211 メインカメラ
212 サブカメラ
213 表示画面
220 光学系
221 第1のレンズ
222 第2のレンズ
223 第3のレンズ
224 第4のレンズ
225 赤外線カットフィルタ
231 オートフォーカスユニット
232 イメージセンサ
233 基板
234 フレキシブル基板

Claims (8)

  1. 光の一部または全部を吸収する材料により形成された光吸収部と、
    前記光吸収部の上に、光を透過する材料により形成された光透過部と、
    を有し、中心より周辺に向かって、中心領域、中間領域、周辺領域が形成されており、
    前記中心領域には、前記光吸収部が形成されておらず、
    前記中間領域には、前記中心領域の側から前記周辺領域の側に向かって、前記光吸収部の厚さが徐々に厚くなっている光学素子の製造方法において、
    透明基板の上に光吸収部を形成するための光吸収性樹脂材料を塗布する工程と、
    前記光吸収部の形状に対応した凹凸形状を有する成形型を塗布された前記光吸収性樹脂材料に押しあてる工程と、
    前記成形型が前記光吸収性樹脂材料に押しあてられた状態で、紫外線を照射することにより、前記光吸収性樹脂材料を硬化させて光吸収部を形成する工程と、
    前記紫外線を照射した後、前記成形型を剥離する工程と、
    を有し、前記成形型は、凸部の上面となる中心領域に対応する部分が平坦に形成され、
    前記中心領域と前記中間領域との境界の直径をφ1とし、前記中間領域と前記周辺領域との境界の直径をφ2とした場合、
    0.3<φ1/φ2<0.9
    を満たすことを特徴とする光学素子の製造方法。
  2. 前記成形型は、金属またはガラスまたは樹脂からなり、前記光吸収部に接する面には、
    撥液処理がなされている請求項1に記載の光学素子の製造方法。
  3. 前記光吸収部の形成されていない領域に、光透過性樹脂材料を塗布する工程と、
    塗布された前記光透過性樹脂材料に紫外線を照射し硬化させて光透過部を形成する工程と、
    を有する請求項1または2に記載の光学素子の製造方法。
  4. 前記中心領域、前記中間領域、および前記周辺領域がいずれも同心円状に形成されている、請求項1から3のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
  5. 前記直径φ1と、前記直径φ2とが、
    0.3<φ1/φ2<0.7
    を満たす、請求項1から4のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
  6. 前記中心領域における最も透過率の高い点に対する最も透過率が低い点の透過率の比が0.95以上となる、請求項1から5のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
  7. 前記透明基板は、平板状のガラスまたは樹脂からなる、請求項1から6のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
  8. 前記透明基板は、レンズである、請求項1から6のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
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