JP6213256B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、成形用の樹脂組成物に関する。
各種容器、生活用品等の部材には、一般的に樹脂成形体が使用されている。この樹脂成形体は成形性、機械的強度、リサイクル性、耐熱性などの観点からポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂が使用されることが多い。近年では、樹脂成形体に対して、美麗な外観、高い意匠性が求められており、消費者が商品を購入する大きな訴求点となっているため、例えば、シャンプーのボトルや飲料ボトルのキャップに、パール調光沢を付与することで高級感を演出している。
樹脂成形体にパール調光沢を付与する方法としては、チタン系パール顔料などのパール調光沢発現剤を成形体の表面に塗布、または、樹脂成形体に練りこむ方法のほかに、屈折率の異なるポリマー同士をブレンドする方法が知られている。前者の方法は、パール調光沢(例えば、マイカ)の表面で光が反射し、それらが干渉することでパール調光沢を発揮する。一方、後者の方法は、屈折率の異なる樹脂界面で光が反射、屈折し、これらが干渉することでパール調光沢が得られる。前記後者の方法は、特許文献1おいてポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂を配合した樹脂組成物が開示されている。
特開昭54−032562号公報
しかし、従来の樹脂組成物は、屈折率が異なる2種類の樹脂を配合し、その屈折率差によりパール調光沢を得ていたが、さらに着色剤を配合して有色のパール調成形体を成形した場合、色ムラが生じてパール調光沢が低下する問題があった。
本発明は、色ムラを抑制した有色のパール調成形体を成形できる樹脂組成物の提供を目的とする。
本発明の樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)100重量部と、ポリオレフィン樹脂(B)1〜60重量部と、酸変性スチレン系ブロック共重合体(C)1〜40重量部と、着色剤(D)とを含み、
前記ポリエステル樹脂(A)の温度270℃、せん断速度:240sec-1における溶融粘度をηA、前記ポリオレフィン樹脂(B)の溶融粘度をηBとしたときに、ηA/ηBが0.11以上1.60以下であり、
さらに、着色剤(D)は、波長380〜750nmにおける平均反射率が10%以下を示す黒色着色剤、および波長380nm〜500nmにおいて最大反射率が3%以上のピークを示す有彩色着色剤を少なくともいずれか含む。
上記の本発明によれば、ポリエステル樹脂(A)の特定条件における溶融粘度、およびポリオレフィン樹脂(B)の特定条件における溶融粘度の比率を特定範囲に設定することにより、樹脂組成物を成形した成形体は、色ムラを大きく抑制できた。さらに着色剤(D)の反射率を制御することで、前記成形体の質感(艶や深み)が向上し、一層の外観向上が図れるという効果も得られた。
本発明により色ムラを抑制した有色のパール調成形体を成形できる樹脂組成物を提供できた。
本発明の樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)100重量部と、ポリオレフィン樹脂(B)1〜60重量部と、酸変性スチレン系ブロック共重合体(C)1〜40重量部と、着色剤(D)とを含む。そして、前記ポリエステル樹脂(A)の温度270℃、せん断速度:240sec-1における溶融粘度をηA、前記ポリオレフィン樹脂(B)の温度250℃、せん断速度:240sec-1における溶融粘度をηBとしたときに、ηA/ηBは0.11以上1.60以下である。
一般的に溶融粘度が異なる複数の樹脂を配合した樹脂組成物を使用してパール調成形体を得る場合、成形工程において各樹脂は、溶融粘度が異なり延伸挙動に違いが出るため、成形体に延伸ムラが生じ成形体のパール調光沢にムラが発生する。しかし、着色剤(特に反射率が低い着色剤)を配合し有色のパール調成形体を成形した場合、前記延伸挙動の違いは顕著な色ムラになり成形体の商品性を大きく低下させていた。そこでηA/ηBを0.11以上1.60以下に制御することで色ムラを抑制することができた。
<ポリエステル樹脂(A)>
ポリエステル樹脂(A)は、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、2,6ナフタレンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸成分、およびエチレングリコール、ブチレングリコール、1,3プロパンジオール、1,4ブタンジオール、1,4シクロヘキサンジメタノール等のジオール成分を共重合することで得ることができる。具体的には、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリメチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンテレフタレート樹脂が挙げられる。これらの中でもポリエステル樹脂としては、安価かつ加工性に優れ、各種容器、生活用品などに幅広く使用されているポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましい。
前記ポリエチレンテレフタレート樹脂は、例えば結晶性ポリエチレンテレフタレート(C−PET)、非晶性ポリエチレンテレフタレート(A−PET)、グリコール変性ポリエステル(PET−G)、ガラス強化ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。これらの中でも非晶性、もしくは結晶化度が低く結晶部における光散乱(白ボケ)の影響が小さい点から非晶性ポリエチレンテレフタレート(A−PET)、およびグリコール変性ポリエステル(PET−G)がより好ましい。
ポリエステル樹脂(A)の溶融粘度は、温度:270℃、せん断速度:240sec-1の条件で、10〜500Pa・sであることが好ましい。前記溶融粘度を10〜500Pa・sの範囲にすることでパール調をより向上できる。溶融粘度が10Pa・s以上あることで、着色剤(D)を使用した場合でも、成形体は光輝感を向上することができる。これは被分散樹脂(マトリクス樹脂)であるポリエステル樹脂(A)の粘度が10Pa・s以上であることで、分散樹脂(ドメイン樹脂)であるポリオレフィン樹脂(B)へのせん断応力が高くなり、ポリオレフィン樹脂(B)の分散性が向上する。そのため、成形体におけるポリオレフィン樹脂(B)がより細かく分散し、その表面積が増加することで両樹脂の界面で干渉し合う光の量が増加する。また、溶融粘度が500Pa・s以下であると、成形体の色ムラを低減することができる。これは射出成形やブロー成形など金型を有する成形法では、金型との摩擦を起因とした延伸ムラが発生してしまうが、ポリエステル樹脂(A)が溶融粘度500Pa・s以下であることで金型との摩擦を軽減し、延伸ムラによる色ムラの発生が抑制できたと推測している。また一方で、押出成形のような金型を使用しない成形法では、成形機の樹脂開放部であるリップ部と樹脂との摩擦により流動ムラを起因とした延伸ムラが発生してしまうが、ポリエステル樹脂(A)が溶融粘度500Pa・s以下であることで金型との摩擦を軽減し、延伸ムラを抑制した結果、成形体中における色ムラが抑制できたと推測している。なお、本発明において溶融粘度とは、東洋精機製作所製キャピログラフ 1D(キャピラリー長:10mm、キャピラリー径:1mm)を用いて、ポリエステル樹脂(A)を温度:270℃、せん断速度:240sec-1において測定した値を示す。また、光輝感とは、パール調光沢の強さを意味する。
また、ポリエステル樹脂(A)の23℃におけるD線屈折率(JIS K 7142)は、1.40〜1.8であることが好ましく、1.50〜1.7がより好ましく、1.55〜1.65がさらに好ましい。D線屈折率が1.40〜1.80の範囲にあることでパール調光沢を得易くなる。
<ポリオレフィン樹脂(B)>
ポリオレフィン樹脂(B)は、エチレン、プロピレン、ブテンおよびペンテン等の単独重量体、ないしこれらの共重合体を主成分とするものが好ましい。具体的には、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、プロピレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン−メチルアクリレート共重合体、プロピレン−メチルメタクリレート共重合体、プロピレン−エチルアクリレート共重合体、ポリブテン、ポリ−3−メチル−1−ブテン共重合体、ポリ−4−メチル−1−ペンテン共重合体およびエチレン系アイオノマー樹脂等が挙げられる。これらは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。これらの中でも安価かつ加工性に優れ、各種工業部品・家電製品などに幅広く使用されているポリプロピレン樹脂およびポリエチレン樹脂が好ましい。
前記ポリプロピレン樹脂は、例えばホモポリプロピレン、ブロックプロピレン共重合体、ランダムプロピレン共重合体、エチレンプロピレン共重合ゴム、メタロセン化合物を重合触媒として用いて得られたポリプロピレンの他に、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、グリシジル(メタ)アクリレート変性ポリプロピレン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート変性ポリプロピレン等の変性ポリプロピレン樹脂が挙げられる。これらの中でも結晶化度が低く結晶部における光散乱(白ボケ)の影響が小さいランダムプロピレン共重合体が好ましい。
前記ポリエチレン樹脂は、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、メタロセン化合物を重合触媒として用いて得られたポリエチレン、環状ポリエチレンの他に無水マレイン酸変性ポリエチレン、グリシジル(メタ)アクリレート変性ポリエチレン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート変性ポリエチレン等の変性ポリエチレン樹脂が挙げられる。これらの中でも結晶化度が低く結晶部における光散乱(白ボケ)の影響が小さい低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンおよび直鎖低密度ポリエチレンが好ましい。
ポリオレフィン樹脂(B)の使用量は、ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して1〜60重量部が好ましく、3〜50重量部がより好ましい。1〜60重量部配合することで、さらに良好なパール調光沢が得られる。
ポリオレフィン樹脂(B)の溶融粘度は、温度:270℃、せん断速度:240sec-1の条件で50〜1500Pa・sが好ましく、100〜1000Pa・sがより好ましい。溶融粘度を50〜1500Pa・sの範囲にすることでパール調光沢をより向上できる。溶融粘度が50Pa・s以上であることで、着色剤(D)を使用した場合でも、成形体は光輝感を向上することができる。なお、ポリオレフィン樹脂(B)のポリオレフィン樹脂(A)の溶融粘度と同様の方法、条件で測定した値を示す。
また、ポリオレフィン樹脂(B)の23℃におけるD線屈折率(JIS K 7142)は、1.35〜1.8であることが好ましく、1.40〜1.7がより好ましく、1.45〜1.55がさらに好ましい。D線屈折率が1.35〜1.8の範囲にあることでパール調光沢を得易くなる。
<酸変性スチレン系ブロック共重合体(C)>
本発明において酸変性スチレン系ブロック共重合体(C)は、ポリエステル樹脂(A)とポリオレフィン樹脂(B)との相溶性を向上させる目的で使用する。
前記酸変性スチレン系ブロック共重合体(C)は、前記芳香族ビニル化合物を重合した重合体ブロックをXで、酸で部分変性したオレフィン系化合物または共役ジエン化合物を重合した重合体ブロックをYで表したときに、下記3つの構造式で表すことができる。構造式(1):X−Y、構造式(2):(X−Y)m〔構造式中、mは1〜10の整数を表す〕、構造式(3):(X−Y)n−X〔構造式中、nは1〜10の整数を表す〕。これらのなかでもX−Y−Xのトリブロック共重合体が好ましい。
前記酸による部分変性に使用する化合物は、カルボキシル基を有する飽和もしくは不飽和カルボン酸、および酸無水物基含有化合物が好ましい。前記カルボキシル基を有する飽和もしくは不飽和カルボン酸は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。前記酸無水物基含有化合物は、例えば、無水マレイン酸等が挙げられる。
また、前記ブロック共重合体は、前記芳香族ビニル化合物を重合した重合体ブロックをXで、酸で部分変性したオレフィン系化合物または共役ジエン化合物を重合した重合体ブロックをYで表したときに、Xからなる主鎖にYが1本または複数本グラフトされたタイプであっても、Yからなる主鎖にXが1本または複数本グラフトされたタイプであってもよい。後者のブロック共重合体は、前者のブロック共重合体と比較して、ポリエステル樹脂(A)とポリオレフィン樹脂(B)の相溶性が向上しやすいという面でより好ましい。
前記芳香族ビニル化合物は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレンまたはp−メチルスチレン、2,3−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、p−ブロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン、2,4,6−トリブロモスチレン、o−ブチルスチレン、m−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン、およびビニルアントラセンなどが挙げられる。これらの中でもスチレンおよびα−メチルスチレンが好ましい。
前記酸変性スチレン系ブロック共重合体(C)中の芳香族ビニル化合物単位の含有量は、スチレン系ブロック共重合体100重量%中、5〜70重量%が好ましく、15〜60重量%がより好ましい。5〜70重量%を含有することで、ポリエステル樹脂(A)およびポリオレフィン樹脂(B)との相溶性がより向上し、パール調光沢が得易くなる。
前記酸で部分変性したオレフィン系化合物は、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、シクロペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、シクロヘキセン、1−ヘプテン、2−ヘプテン、シクロヘプテン、1−オクテン、2−オクテン、シクロオクテン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘプテン、ビニルシクロオクテンの酸変性物などが挙げられる。
前記酸で部分変性した共役ジエン化合物は、例えば、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンの酸変性物などが挙げられる。
前記重合体ブロックYは、前記オレフィン系化合物および前記共役ジエン化合物のうち少なくとも1種を使用することが好ましく、具体的にはエチレン、プロピレン、ブテンおよびイソプレンのうち1種以上を使用することが好ましい。
酸変性スチレン系ブロック共重合体(C)は、具体的には、例えばポリスチレン−ポリイソプレンジブロック共重合体の酸変性物、ポリスチレン−ポリブタジエンジブロック共重合体の酸変性物、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロック共重合体の酸変性物、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロック共重合体の酸変性物、ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブタジエン)−ポリスチレントリブロック共重合体の酸変性物、ポリスチレン−ポリ(エチレン/イソプレン)−ポリスチレントリブロック共重合体の酸変性物、ポリスチレン−ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリスチレントリブロック共重合体の酸変性物、ポリエチレン−ポリスチレンのグラフト共重合体の酸変性物などが挙げられる。
また、酸変性スチレン系ブロック共重合体(C)は、本発明の趣旨を損なわない範囲で酸無水物基およびカルボキシル基以外の官能基ならびにその塩を有しても良い。前記官能基は、水酸基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基、エステル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルホン酸基、アミド基、メルカプト基等が好ましい。
前記酸変性スチレン系ブロック共重合体(C)は、ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して、1〜40重量部を含むことが好ましく、3〜35重量%がより好ましい。1〜40重量部を含むことでポリエステル樹脂(A)とポリオレフィン樹脂(B)の相溶性が向上し、パール調光沢が得易くなる。
前記酸変性スチレン系ブロック共重合体(C)の溶融粘度は、温度:270℃、せん断速度:240sec-1において、50〜1500Pa・sであることが好ましく、100〜1000Pa・sであることがより好ましい。前記溶融粘度を50〜1500Pa・sの範囲にすることでパール調をより向上できる。なお、酸変性スチレン系ブロック共重合体(C)の溶融粘度は、ポリエステル樹脂(A)、ポリオレフィン樹脂(B)の溶融粘度と同様の方法、条件で測定した値を示す。
<着色剤(D)>
本発明において着色剤は、具体的には、例えば顔料および染料が挙げられる。また波長380〜750nmにおける平均反射率が10%以下を示す黒色着色剤、および波長380nm〜500nmにおいて最大反射率が3%以上のピークを示す有彩色着色剤を少なくともいずれか含むことが必要である。前記反射率特性を示す着色剤を少なくとも1種類含むことで、樹脂組成物を成形した成形体の質感(艶や深み)が向上し、一層の外観向上を図ることができる。このことは、着色剤(D)が未配合である本発明の樹脂組成物を成形した成形体から光干渉効果により発せられるパール調光沢が、白色でありながらも若干青味を帯びていることに起因していると思われる。つまり、波長380〜750nmにおける平均反射率が10%以下を示す黒色着色剤を使用することで、白色のパール調がより引き立てられる。一方、波長380nm〜500nmにおいて最大反射率が3%以上のピークを示す有彩色着色剤を使用することで、パール調光沢の青味成分により、有彩色着色剤の彩色効果が高まり、質感の向上に繋がったと考えられる。
なお、顔料の反射率は、顔料をポリプロピレン樹脂に練りこみ作成したシートの反射率を測定することにより求めることができる。測定試料は、例えば顔料0.25重量部とポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製、ランダムプロピレン共重合体、J226ED)100重量部とを混合し、これらを180℃に加熱した2本ロールを用いて5分間溶融混練を行った後、180℃に加熱したプレス成形機を用いて厚さ2mmのプレスシートを作製することで得られる。また反射率とは、波長300〜800nmの各波長において、標準白板(硫酸バリウム)の拡散反射率を100%とした時の、測定試料の拡散反射率を示す。また反射率の測定機器は島津製作所社製UV−3150を用いた。なお、本発明で言う「平均反射率が10%以下」とは、波長380〜750nmにおける各波長(1nm毎)の反射率の相加平均値と定義する。また、「最大反射率が3%以上のピーク」とは、波長300〜800nmの反射率における最も低い値(最低値はベースライン)に対して、波長380〜500nmの範囲内に現れる3%以上高い極大ピークと定義する。
また、染料の反射率は、染料をポリエチレンテレフタレート樹脂に練りこみ作成したインジェクションプレートの反射率を測定することにより求めることができる。その他、顔料の反射率と同様に染料の反射率を求める。
前記黒色顔料は、例えばアニリンブラック、アンスラキノンブラック、ペリレンブラックなどの有機黒色顔料、カーボンブラック、ランプブラック、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ、マグネタイト、鉄−チタン複合酸化物、酸化コバルト、二酸化マンガン、硫化亜鉛、銅−クロム複合酸化物、スズ−アンチモン複合酸化物、チタン−バナジウム−アンチモン複合酸化物、コバルト−ニッケル複合酸化物、マンガン−鉄複合酸化物、鉄−コバルト−クロム複合酸化物、銅−クロム複合酸化物、鉄−コバルト複合酸化物、クロム−鉄−ニッケル複合酸化物、二硫化モリブデン、低次酸化チタン、窒化チタン、酸化クロムなどの無機黒色顔料である。また具体的な茶色顔料としては、鉄−クロム複合酸化物などであり、カラーインデックス番号としては、C.I.Pigment Black 1、6、7、10、11、12、13、14、17、20、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、Pigment Brown 29などである。上記の中でも、波長380〜750nmにおいて低い反射率を示すPigment Black 7を使用することが好ましい。
前記有彩色顔料は、公知の赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料などが好ましい。着色剤(D)が赤色顔料の場合の具体例は、青味の色相を示すナフトール系顔料、溶性アゾ顔料、キナクリドン系顔料、アンスラキノン系顔料、ペリレン系顔料などであり、カラーインデックス番号としては、C.I.Pigment Red 31、48:2、48:4、122、177、179である。上記の中でも、強い青みの色相を示すPigment Red 122を使用することが好ましい。
前記紫色顔料は、例えばモノアゾ系顔料、各種ローダミン、メチルバイオレットレーキ、アリザリンバイオレット、アンスラキノンバイオレット、コバルトバイオレット、リン酸コバルトアンモニウム、ウルトラマリンバイオレット、マンガンバイオレット、キナクリドンバイオレット、キナクリドンパープル、ジオキサジンバイオレット、ペリレンバイオレット、ベンズイミダゾロンバイオレット、インダスレンバイオレット、クリスタルバイオレットなどであり、カラーインデックス番号は、C.I.Pigment Violet 1、1:1、1:2、2、2:2、3、3:1、3:2、3:3、5、5:1、7、13、14、15、16、17、18、19(β型)、23、25、27、29、31、32、36、37、39、42、44、47、48、49、50、55、58などである。上記の中でも、耐候性、耐熱性、色相に優れたPigment Violet 19(β型)を使用することが好ましい。
前記青色顔料は、例えばビクトリアブルー、各種フタロシアニンブルー、ブリリアントブルーレーキ、各種ナフトール、プルシアンブルー、コバルトブルー、ウルトラマリンブルー、アッシュブルー、エジプシャンブルー、スマルト、マンガンブルー、硫化銅、セルリアンブルー、コバルトアルミブルー、リフレックスブルー、インダスレンブルー、アルカリブルー、インジコカルミンレーキ、ブルージルコン、コバルトシリケートブルー、ベンズイミダゾロンジオキサジンなどであり、カラーインデックス番号は、C.I.Pigment Blue 1、1:2、9、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、15:34、16、17、24、25、27、27:1、28、29、30、31、32、33、34、35、36、36:1、60、61、61:1、62、63、66、68、71、72、73、74、75、76、79、80、81、82、84、128などである。上記の中でも、色相と耐熱性に優れ、高い透明性と着色力を有するPigment Blue 15、15:1、15:3を使用することが好ましい。
前記緑色顔料は、例えばブリリアントグリーンレーキ、ファーストグリーンレーキ、塩素化フタロシアニングリーン、臭素化フタロシアニングリーン、ニトロソグリーン、ニッケルアゾイエロー、カドミウムグリーン、クロムグリーン、ジンクグリーン、コバルトクロムグリーン、マラカイトグリーン、銅フェロシアニド、クロムシアニングリーン、コバルトチタニウムグリーン、ビクトリアグリーンガーネット、ニッケルグリーンオリバインなどであり、カラーインデックス番号は、C.I.Pigment Green 1、2、4、7、8、10、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、26、36、38、39、41、42、45、48、50、51、55、56などである。上記の中でも、耐熱性と色相に優れたPigment Green 7、36を使用することが好ましい。
顔料は、各種金属石鹸、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリスチレンなどを含む低分子量ワックスなどで顔料を高濃度に含む中間体(マスターバッチともいう)を作製し、それを希釈して使用して成形することで成形体を得ても良い。
本発明で染料は、公知の染料を使用できる。
本発明の樹脂組成物は、また、着色剤(D)は、所望の色相に応じて単独または2種以上使用できる。例えば、緑色を再現するために上記に挙げた青色顔料と適当な黄色顔料を併用することもできる。また、所望の色相に応じて顔料と染料を併用することもできる。
本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物中に着色剤(D)を0.0001〜0.5重量%含むことが好ましい。着色剤(D)が前記範囲にあることで、さらに良好な着色のパール調、およびさらに優れた艶と深みを持つ成形体が得られる。なお着色剤(D)は、0.001重量%以上含むことがより好ましい。
また、着色剤(D)の屈折率は、1.35〜1.75が好ましい。屈折率を前期範囲にすることでポリエステル樹脂(A)およびポリオレフィン樹脂(B)の屈折率との差を減らすことが出来る。なお屈折率は、23℃におけるD線屈折率(JIS K 7142)である。
本発明の樹脂組成物には、さらに物性強化や加工性改良のため、タルク、マイカ、ガラス繊維などの無機フィラーを含んでいても構わない。また、成形体の外観、加工性に影響を及ぼさない範囲で、1種類以上の添加剤や無機充填材を適宜配合しても良い。使用される添加剤としては、特に制限は無く、例えば、一般に使用される各種レベリング剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘性改質剤、耐光安定剤、金属不活性剤、過酸化物分解剤、加工安定剤、核剤、結晶化促進剤、結晶化遅延剤、ゲル化防止剤、充填剤、補強剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、防錆剤、蛍光性増白剤、流動性改質剤、帯電防止剤などを挙げることができる。
前記無機充填材は、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、板状又は鱗片状のガラス、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラスバルーン、マイカ、タルク、クロライト、ワラストナイト、カオリナイト、焼成クレー、炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、および沈降性硫酸バリウム等を挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)とポリオレフィン樹脂(B)と酸変性スチレン系ブロック共重合体(C)と着色剤(D)とを加え、さらに必要に応じて各種フィラーや添加剤等を加え、ヘンシェルミキサー、タンブラーまたはディスパー等で混合し、さらにニーダー、ロールミル、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、シュギミキサー、バーティカルグラニュレーター、ハイスピードミキサー、ファーマトリックス、ボールミル、スチールミル、サンドミル、振動ミル、アトライターまたはバンバリーミキサーのような回分式混練機、二軸押出機、単軸押出機、ローター型二軸混練機等で混合、あるいは溶融混練分散し、ペレット状、粉体状、顆粒状またはビーズ状等の形状の樹脂組成物を得ることができる。
本発明の樹脂組成物の製造は、ポリエステル樹脂(A)とポリオレフィン樹脂(B)と酸変性スチレン系ブロック共重合体(C)と着色剤(D)とを混合、溶融混練する順序は特に限定されるものではなく、例えば、ポリエステル樹脂(A)と着色剤(D)とを混合、溶融混練後に(B)と(C)と再度混合、溶融混練できる。また、(B)と(D)とを混合、溶融混練後に(A)と(C)と再度混合、溶融混練できる。また、(A)と(B)と(C)とを混合、溶融混練後に(D)と再度混合、溶融混練できる。また、(B)と(C)と(D)とを混合、溶融混練後に(A)と再度混合、溶融混練できる。また、(A)と(C)と(D)とを混合、溶融混練後に(B)と再度混合、溶融混練できる。また、(A)と(B)と(C)と(D)とを一度に混合、溶融混練しても良い。
また、本発明の樹脂組成物は、着色剤(D)を高濃度に含むマスターバッチの形態であっても良い。
本発明の成形体は、前記樹脂組成物を成形して得た成形体である。好ましい成形方法としては例えば、射出成形、フィルム成形(Tダイ成形、インフレーション成形、カレンダー成形)、シート成形、チューブ成形、パイプ成形などの押出成形、ブロー成形(ダイレクトブロー成形、二軸延伸ブロー成形)、延伸成形などが挙げられる。特に好ましい成形方法としては、射出成形、Tダイ成形、ダイレクトブロー成形が挙げられる。
本発明の成形体は、色ムラを抑制し、艶やかで深みのある有色のパール調の外観が特徴である。そのため、人間の目に触れる用途に広く使用できる。その中でも例えば一般装飾品や化粧品容器のみならず、各種家電、エレクトロニクスの内外装部品やハウジング、車両用ランプハウジングとして好ましく使用できる。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の技術思想を逸脱しない限り、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下、実施例で使用した原料を示す。
[ポリエステル樹脂]
(A−1):非晶性コポリエステル樹脂(イーストマンケミカル・ケミカル・ジャパン社製、イースタ コポリエステル GN001、溶融粘度:98Pa・S)
(A−2):非晶性コポリエステル樹脂(イーストマンケミカル・ケミカル・ジャパン社製、イースタ コポリエステルGN071、溶融粘度83Pa・S)
(A−3):非晶性コポリエステル樹脂(イーストマンケミカル・ケミカル・ジャパン社製、イースタ コポリエステルAN014、溶融粘度164Pa・S)
(A−4):結晶性ポリエステル樹脂(三井化学社製、三井ペットSA135、溶融粘度:109Pa・S)
(A−5):結晶性ポリエステル樹脂(東洋紡社製、バイロンGM415、溶融粘度:82Pa・S)
なお、溶融粘度は温度:270℃、せん断速度:240sec-1の条件で測定した値である。
[ポリオレフィン樹脂]
(B−1):ランダムプロピレン共重合体(日本ポリプロ社製、ノバテックEG7F、溶融粘度:479Pa・S)
(B−2):ランダムプロピレン共重合体(プライムポリマー社製、F−744NP、溶融粘度:272Pa・S)
(B−3):ランダムポリプロピレン共重合体(プライムポリマー社製、J226T、溶融粘度:181Pa・S)
(B−4):ホモプロピレン共重合体(プライムポリマー社製、F−704NP、溶融粘度:258Pa・S)
(B−5):高密度ポリエチレン(プライムポリマー社製、ハイゼックス7700M、溶融粘度:1014Pa・s)
(B−6):高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、ノバテックHJ550、溶融粘度:332Pa・s)
(B−7):低密度ポリエチレン(東ソー社製、ペトロセン353、溶融粘度:67Pa・s)
(B−8):低密度ポリエチレン(クラレ社製、ミラソン50、溶融粘度:342Pa・s)
なお、溶融粘度は温度:270℃、せん断速度:240sec-1の条件で測定した値である。
[酸変性スチレン系ブロック共重合体]
(C−1):ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブタジエン)−ポリスチレントリブロック共重合体の無水マレイン酸変性物(旭化成ケミカルズ社製、タフテックM1913、スチレン含有率:30%、溶融粘度:290Pa・s)
(C−2):ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブタジエン)−ポリスチレントリブロック共重合体の無水マレイン酸変性物(旭化成ケミカルズ社製、タフテックM1943、スチレン含有率:20%、溶融粘度:239Pa・s)
[顔料]
(D−1):カーボンブラック(C.I.Pigment Black 7、平均反射率:1.6%、平均一次粒子径:0.024μm)
[顔料]
(D−2):β型フタロシアニンブルー(C.I.Pigment Blue 15:3、反射極大波長:450nm、最大反射率:10.5%、平均一次粒子径:0.1μm)
(D−3):キナクリドン系レッド(C.I.Pigment Red 122、反射極大波長:402nm、最大反射率:5%、平均一次粒子径:0.12μm)
(D−4):ジスアゾ系イエロー(C.I.Pigment Yellow 180、380〜500nmにおいて反射極大ピークなし、平均一次粒子径:0.23μm)
(D−5):群青(C.I.Pigment Blue 29、反射極大波長:424nm、最大反射率:9%、平均一次粒子径:2μm)
なお、平均反射率は波長380〜750nmにおける各波長の拡散反射率の相加平均値を示し、最大反射率は波長300〜800nmの反射率における最も低い値(ベースライン)に対して、波長380〜500nmの範囲内に現れる3%以上高い極大ピークの拡散反射率を示す。
[その他]
(E−1):ステアリン酸亜鉛/ステアリン酸カルシウム混合物(混合比率:1/1)
(実施例1)
(1)樹脂組成物の製造
(A−1)100重量部、(B−1)20重量部、(C−2)10重量部、(D−1)0.01重量部、(E−1)0.01重量部を、攪拌羽の回転速度300rpmで3分間攪拌・混合することで混合物を得た。前記混合物を設定温度270℃の二軸押出機(日本プラコン社製)に投入して溶融混練・造粒することにより樹脂組成物を得た。
(2)成形体の製造
得られた樹脂組成物を、シリンダー設定温度270℃、金型温度40℃の射出成形機(東芝機械社製、IS100型)に投入して成形することで表面が鏡面の成形体(縦100mm×横100mm×厚さ2mm)を得た。
(実施例2〜52、比較例1〜14)
実施例1の原料および配合量を表1〜5に記載した通りに変更した以外は、実施例1と同様に行うことで樹脂組成物、およびその成形体を得た。なお、表1〜5の配合量は、ポリエステル樹脂(A)100重量部に対する重量部を示す。
得られた成形体を以下の方法により評価を行った。評価結果を表1〜5に示す。
<パール調光沢(光輝感)>
成形体の鏡面のパール調光沢の強さを光輝感として10名のテスターが目視評価した。なお、評価基準は、次の通りである。
4:8名以上が光輝感を感じた。優れている。
3:5〜7名が光輝感を感じた。良好。
2:2〜4名が光輝感を感じた。やや良好。
1:1名以下が光輝感を感じた。不良。
<光沢の質感>
成形体の鏡面のパール調光沢の質感を艶やかさおよび深みの観点で10名のテスターが目視評価した。なお、評価基準は、次の通りである。
4:8名以上が滑らかさおよび深みを感じた。優れている。
3:5〜7名が滑らかさおよび深みを感じた。良好。
2:2〜4名が滑らかさおよび深みを感じた。やや良好。
1:1名以下が滑らかさおよび深みを感じた。不良。
<色ムラ>
成形体の鏡面の色ムラをコンピュータカラーマッチングシステム(CCM)(倉敷紡績社製、AUCOLOR VP−2)を使用して標準光源D−65、拡散照明10°の条件で任意の5点についてΔE値を測定し平均した。なお、評価基準は、次の通りである。
4:0.3未満。8名以上が滑らかさおよび深みを感じた。優れている。
3:0.3以上0.5未満。良好。
2:0.5以上1未満。やや良好。
1:1以上。不良。
<総合評価>
得られた上記評価結果を元に本発明の樹脂組成物として適当か否かを下記基準で評価した。
A:評価が全て4。優れている。
B:評価が2または3を1個以上含み、1を含まない。良好
C:評価が1を1個以上含む。不良
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表1〜5の結果から明らかなように、実施例1〜52の成形体は、いずれも色ムラがなく強いパール調光沢を発揮し、その質感も艶やかで深みがあり高い意匠性を備えていた。中でも、着色剤(D)として、黒色顔料であるカーボンブラック(D−1)または青味の色相を示すフタロシアニンブルー(D−2)、キナクリドン系レッド(D−3)を使用したときに、特に優れたパール調や質感を発揮していた。一方、比較例1〜5に示すポリエステル樹脂(A)とオレフィン樹脂(B)の溶融粘度比が0.10以下または1.60を超える成形体では、色ムラが発生し、成形体から発せられるパール調光沢も弱く、その質感も艶やかさや深みが欠如しており、見劣りしていた。これはポリオレフィン樹脂(B)がポリエステル樹脂(A)中に均一微細な分散状態を形成できず、パール調や質感が影響を受けているためである。さらに成形時に、成形体箇所毎の延伸ムラが起こりやすくなり、色ムラが発生したと考えられる。また、本発明の着色剤(D)を含まない比較例15の成形体は、色ムラは目立ちにくいが、パール調光沢感と質感に欠ける結果であった。これは、使用する着色剤(D)の反射率特性により、パール調光沢感や質感が影響を受けることを示している。

Claims (3)

  1. ポリエステル樹脂(A)100重量部と、ポリオレフィン樹脂(B)1〜60重量部と、酸変性スチレン系ブロック共重合体(C)1〜40重量部と、着色剤(D)とを含み、
    前記酸変性スチレン系ブロック共重合体(C)は、
    芳香族ビニル化合物を重合した重合体ブロックと、飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸、および酸無水物基含有化合物の少なくともいずれかにより酸変性されてなる重合体ブロックとを有し、
    芳香族ビニル化合物は、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,3−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、p−ブロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン、2,4,6−トリブロモスチレン、o−ブチルスチレン、m−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン、およびビニルアントラセンからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    芳香族ビニル化合物の含有量が、酸変性スチレン系ブロック共重合体(C)100重量%中、5〜70重量%であり、
    前記ポリエステル樹脂(A)の温度270℃、せん断速度:240sec-1における溶融粘度をηA、前記ポリオレフィン樹脂(B)の溶融粘度をηBとしたときに、ηA/ηBが0.11以上1.60以下であり、
    さらに、着色剤(D)は、波長380〜750nmにおける平均反射率が10%以下を示す黒色の着色剤、および波長380nm〜500nmにおいて最大反射率が3%以上のピークを示す有彩色の着色剤を少なくともいずれか含む樹脂組成物。
  2. 前記ポリエステル樹脂(A)の溶融粘度ηAが、温度270℃、せん断速度:240sec-1の条件で、10〜500Pa・sであることを特徴とする、請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1〜2いずれか1項に記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
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