JP6210598B2 - 炭化珪素粉末の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭化珪素粉末の製造方法に関する。
炭化珪素(SiC)は、研磨材(研削材)、セラミックス焼結体、導電性材料等の工業用材料として、従来、幅広く使用されている。特に、最近では、省エネルギー志向の強まりや脱原発による自然再生エネルギーの活用への期待等の社会的背景下において、炭化珪素は、パワー半導体等に用いられる単結晶ウェハの原料として注目されている。
炭化珪素単結晶の製造方法としては、2,000℃以上の高温条件下で、原料である炭化珪素粉末を昇華させて、炭化珪素種結晶上に炭化珪素単結晶を得る昇華再結晶法(改良レーリー法)が知られている。
上記昇華再結晶法に用いられる原料である炭化珪素粉末は、昇華しやすいことが求められている。例えば、特許文献1には、平均粒径が100μm以上700μm以下であり、かつ比表面積が0.05m/g以上0.30m/g以下である炭化ケイ素単結晶製造用炭化ケイ素粉体が記載されている。該粉体は、昇華再結晶法による単結晶成長において、高くかつ安定した昇華速度を示す。
一方、炭化珪素を工業的に量産する技術としては、珪素(Si)を含む珪酸質原料(例えば、硅砂)と炭素を含む炭素質原料(例えば、石油コークス)を原料とし、この原料を電気炉で直接通電して1,600℃以上で加熱することで、炭化珪素を製造する方法(アチソン法)や、シリカ粉末と炭素粉末の混合物を1,600〜2,000℃で加熱して焼結させることで、炭化珪素を製造する熱還元法(シリカ直接還元法)などが知られている。
特開2012−101996号公報
アチソン法を用いて製造された従来の炭化珪素粉末は、昇華率(単位時間あたりに昇華する炭化珪素の割合)に優れたものではなかった。
本発明の目的は、高い昇華率を有する炭化珪素粉末を、アチソン炉を用いて製造することができる方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、アチソン炉を用いて、珪酸質原料と炭素質原料を混合してなる炭化珪素製造用原料を加熱して、炭化珪素粉末を製造する方法において、上記アチソン炉の高さの内寸が1.5m以下であれば、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[5]を提供するものである。
[1] アチソン炉を用いて、珪酸質原料と炭素質原料を混合してなる炭化珪素製造用原料を加熱して、炭化珪素粉末を製造する方法であって、上記アチソン炉の高さの内寸が1.5m以下であることを特徴とする、炭化珪素粉末の製造方法。
[2] 上記アチソン炉は、長さの内寸が6m以下で、かつ、幅の内寸が3m以下のものである、上記[1]に記載の炭化珪素粉末の製造方法。
[3] 上記炭化珪素製造用原料を、上記アチソン炉内にかさ密度が0.9g/cm3以下となるように収容して加熱する、上記[1]または[2]に記載の炭化珪素粉末の製造方法。
[4] 上記アチソン炉の長さの内寸をLとしたとき、上記アチソン炉は、幅の内寸が0.3L以上で、かつ、高さの内寸が0.1L以上のものである、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の炭化珪素粉末の製造方法。
[5] 上記珪酸質原料中のシリカ(SiO)の含有率が、99.0質量%以上であり、かつ、上記炭素質原料中の炭素(C)の含有率が99.0質量%以上である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の炭化珪素粉末の製造方法。
本発明の方法によれば、高い昇華率を有する炭化珪素粉末を、アチソン炉を用いて製造することができる。
炭化珪素製造用原料を収容したアチソン炉を、通電方向と同じ方向に鉛直に切断した状態を示す断面図である。 炭化珪素製造用原料を収容したアチソン炉を、通電方向に対して垂直な方向に鉛直に切断した状態を示す断面図である。
本発明の炭化珪素粉末の製造方法は、アチソン炉を用いて、珪酸質原料と炭素質原料を混合してなる炭化珪素製造用原料を加熱して、炭化珪素粉末を製造する方法であって、上記アチソン炉の高さの内寸が1.5m以下であるものである。
本明細書中、アチソン炉とは、上方に開口した箱型の間接抵抗加熱炉をいう。ここで、間接抵抗加熱とは、被加熱物に電流を直接流すのではなく、電流を流して発熱させた発熱体によって、被加熱物を加熱することをいう。
以下、本発明で用いるアチソン炉について、図1及び図2を参照にしながら説明する。
図1中、アチソン炉4は、炉本体5を鉛直面で切断した断面が略U字状である大気開放型の炉であり、通電方向の両端に電極芯3,3を有している。これら2つの電極芯3,3の間には、発熱体2(例えば、黒鉛粉からなる長尺の棒状のもの)が設けられ、この発熱体2の周りには、炭化珪素製造用原料1が充填されている。炭化珪素製造用原料1は、炉本体5の内部空間に、炉本体5の上面を超える高さまで、該上面より上方の部分が略かまぼこ状の形状になるように収容されている。
電極芯3,3間に電流を流し、発熱体2を通電加熱することで、発熱体2の周囲において下記式(1)で示される反応が起こり、発熱体2の周りに炭化珪素(SiC)の塊状物が形成される。
SiO+3C → SiC+2CO (1)
上記反応が行われる温度は、好ましくは1,600〜3,000℃、より好ましくは1,800〜2,800℃である。
なお、アチソン炉の中の温度は、アチソン炉の発熱体を通電加熱するときの電力量(具体的には、電圧及び電流の各値)を制御することによって、調整することができる。該温度を1,600℃以上に高めるための電力量は、発熱体の抵抗の大きさに応じて定まる。例えば、断面が15cm×15cmの正方形で、長さが1mである発熱体の場合、前記の電力量は、50kwh以上である。
本発明で用いるアチソン炉4の高さの内寸は、1.5m以下、好ましくは1.2m以下、より好ましくは1.0m以下である。該高さの内寸が1.5mを超えると、アチソン炉4内に収容された炭化珪素製造用原料1のうち、発熱体2付近の原料1が、その上方の原料1の重量によって圧縮され、この圧縮された原料1から生成した炭化珪素の焼結が進む「焼きしまり」と呼ばれる現象が発生する。焼きしまりが発生すると、高い昇華率を有する炭化珪素粉末を得ることができない。
なお、本明細書中、「内寸」とは、原料を収容するための空間部分の寸法を意味する。
アチソン炉4の長さの内寸は、特に限定されないが、好ましくは6m以下、より好ましくは4m以下、特に好ましくは3m以下である。
該長さの内寸が大き過ぎると、炭化珪素製造用原料1が加熱されて炭化珪素の塊状物が生成する際に、反応や加熱により、アチソン炉4内の収容物(炭化珪素製造用原料及び生成した炭化珪素)の体積が収縮し減容することで、該収容物が炉内に沈んでゆく「荷下がり」と呼ばれる現象が発生し易くなり、その結果、電極芯3,3間の発熱体2が断線して、反応が停止するおそれがある。この観点から、該長さの内寸が6mm以下であると、「荷下がり」が生じ難く、好ましい。
アチソン炉4の幅の内寸は、特に限定されないが、好ましくは3m以下、より好ましくは2m以下、特に好ましくは1m以下である。
該幅の内寸が好ましくは3m以下であることの理由は、以下のとおりである。
本発明の製造方法においては、発熱体2を中心とした、空洞部(発熱体2に相当)を有する円柱状に反応が進み、発熱体2が内部に埋設された形の円柱状の炭化珪素の塊状物が生成する。反応が進んで、この円柱状の炭化珪素の塊状物の直径が大きくなると、この炭化珪素の塊状物の下端がアチソン炉の炉底部に接して、この炉底部が炭化珪素の塊状物の熱によって損傷する可能性がある。このような損傷を防ぐためには、アチソン炉4の幅の内寸を一定の値以下に制限して、円柱状の炭化珪素の塊状物の直径がアチソン炉4の幅の内寸に達したときに反応を止めることが、有効である。
アチソン炉4の電極芯3,3は、アチソン炉の通電方向の両端の側壁に、対向して配設される。電極芯3,3は、炭化珪素の塊状物の下端がアチソン炉の炉底部に接して炉底部を損傷させるのを防ぐ観点から、炉本体5の側壁の上端から下方に、好ましくは0.15〜0.5mの範囲内、より好ましくは0.15〜0.3mの範囲内に配設される。また、電極芯3,3は、円柱状の炭化珪素の塊状物の直径を可能な限り大きくし、かつ、未反応のまま残存する原料1の量を少なくする観点から、好ましくは、側壁の水平方向の両端の間の略中央に配設される。
アチソン炉4における長さ、幅及び高さの各内寸の比率は、次のとおりである。長さの内寸をLとしたとき、幅の内寸は、好ましくは0.3L以上、より好ましくは0.4L以上である。また、高さの内寸は、好ましくは0.1L以上、より好ましくは0.2L以上である。このような比率とすれば、高い昇華率を有する炭化珪素粉末を、効率良く、大量に得ることができる。
本発明の製造方法に用いられる珪酸質原料としては、例えば、天然の珪砂、天然の珪石粉、人造珪石粉等の結晶質シリカや、シリカフューム、シリカゲル等のアモルファスシリカ(非晶質シリカ)が挙げられる。
これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、反応性の観点から、アモルファスシリカが好ましい。
珪酸質原料中のシリカ(SiO)の含有率は、好ましくは99.0質量%以上、より好ましくは99.5質量%以上、特に好ましくは99.9質量%以上である。
該含有率が99.0質量%以上であれば、高純度でかつより高い昇華率を有する炭化珪素粉末を得ることができる。
また、珪酸質原料中、B、P、Al、Fe、及びTiの含有率は、それぞれ、好ましくは10ppm以下、10ppm以下、50ppm以下、10ppm以下、20ppm以下であり、より好ましくは、5ppm以下、5ppm以下、30ppm以下、5ppm以下、10ppm以下である。珪酸質原料中のB等の含有率が上記数値範囲内であれば、パワー半導体等に用いられる単結晶ウェハの原料として好適な炭化珪素粉末を得ることができる。
なお、本明細書中、「ppm」は質量基準である。
珪酸質原料の平均粒径は、好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下、さらに好ましくは1mm以下、特に好ましくは800μm以下である。該平均粒径が3mm以下であると、反応性をより高めて、生産性をより向上させることができる。
なお、本明細書中、「平均粒径」とは、粒径(粒度)の算術平均値(複数個の粒体の各粒径の合計を、個数で除した値)を意味する。
本発明の製造方法に用いられる炭素質原料としては、例えば、天然黒鉛、人工黒鉛等の結晶質炭素や、カーボンブラック、コークス、活性炭等のアモルファスカーボン(非晶質炭素)が挙げられる。
これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、反応性の観点からアモルファスカーボンが好ましい。
炭素質原料中の炭素(C)の含有率は、好ましくは99.0質量%以上、より好ましくは99.5質量%以上、特に好ましくは99.7質量%以上である。
炭素の含有率が99.0質量%以上であれば、高純度でかつより高い昇華率を有する炭化珪素粉末を得ることができる。
また、炭素質原料中、B、P、Al、Fe、及びTiの含有率は、それぞれ、好ましくは10ppm以下、10ppm以下、100ppm以下、100ppm以下、10ppm以下であり、より好ましくは5ppm以下、5ppm以下、50ppm以下、50ppm以下、5ppm以下である。炭素質原料中のB等の含有率が上記数値範囲内であれば、パワー半導体等に用いられる単結晶ウェハの原料として好適な炭化珪素粉末を得ることができる。
炭素質原料の平均粒径は、珪酸質原料との反応性の観点から、好ましくは1nm〜500μm、より好ましくは5nm〜100μm、さらに好ましくは10nm〜10μm、さらに好ましくは20nm〜1μm、さらに好ましくは30〜500nm、特に好ましくは50〜300nmである。なお、炭素質原料が、一次粒子と二次粒子が存在するもの(例えば、カーボンブラック)である場合、ここでの炭素質原料の平均粒径とは、一次粒子の平均粒径をいう。
本発明の製造方法に用いられる炭化珪素製造用原料は、上述した珪酸質原料と炭素質原料を混合してなるものである。
炭化珪素製造用原料中の炭素質原料と珪酸質原料の混合モル比(C/SiO)は、好ましくは2.5〜4.0、より好ましくは2.9〜3.3である。上記混合モル比が2.5〜4.0であれば、得られた炭化珪素中に未反応の珪酸質原料が残存しにくくなる。
なお、本明細書中、「炭素質原料と珪酸質原料の混合モル比」とは、炭素質原料と珪酸質原料を混合して、炭化珪素製造用原料を調製する場合における、炭素質原料中の炭素(C)のモルと、珪酸質原料中の珪酸(SiO)のモルの比(C/SiO)をいう。
炭化珪素製造用原料として、予めペレット化されたものを使用してもよい。
炭化珪素製造用原料をペレット化することで、珪酸質原料と炭素質原料の比重が異なっていても、アチソン炉内に収容された炭化珪素製造用原料が、アチソン炉内において珪酸質原料と炭素質原料に分離、遍在することを防ぎ、得られた炭化珪素粉末中に未反応の珪酸質原料や炭素質原料が残存することを防ぐことができる。
ペレット化された炭化珪素製造用原料は、珪酸質原料と炭素質原料とバインダーを混合して、造粒機を用いて造粒することで得ることができる。
バインダーとしては、例えば、水、ポリビニルアルコール、デンプン、メチルセルロース等が挙げられる。
ペレット化された炭化珪素製造用原料の粒径は、特に限定されるものではないが、後述するかさ密度の数値範囲を満たす観点から、通常、500μm以上である。
本発明の製造方法において、上述した炭化珪素製造用原料を、アチソン炉4内にかさ密度が好ましくは0.9g/cm3以下、より好ましくは0.5g/cm3以下となるように収容して加熱する。
かさ密度が0.9g/cm3以下であれば、高い昇華率を有する炭化珪素粉末を得ることができる。
ここで、「かさ密度」とは、「JIS R 1628(ファインセラミックス粉末のかさ密度測定方法)」に記載されているとおり、粉末が占める単位かさ体積当たりの質量をいう。
本発明の製造方法において、炭化珪素製造用原料1は炉本体5の内部空間に収容されるだけではなく、炉本体5の上端(側壁の上面)を超える高さまで、該上端より上方の部分が略かまぼこ状の形状となるように、収容されている。このように収容された場合、発熱体2の上方に十分な量の炭化珪素製造用原料が存在することから、炭化珪素の生産性を向上させることができる。
炉本体5に収容された炭化珪素製造用原料1の高さは、炉本体5の上端から上方に、好ましくは2.5m以下、より好ましくは1.5m以下、特に好ましくは1.0m以下である。上記高さが2.5m以下であると、炉本体5の上端から上方の炭化珪素製造用原料1の重量が過大にならず、「荷下がり」が起こりにくくなる。
本発明の製造方法に用いられるアチソン炉の発熱体の種類は、特に限定されないが、電気を通すことができればよく、例えば黒鉛粉、カーボンロッド等が挙げられる。発熱体中の炭素以外の不純物の含有率(B、P等の含有率の合計)は、より高純度の炭化珪素粉末を得る観点から、上述した炭化珪素製造用原料中に含まれる不純物の含有率よりも小さいことが好ましい。
発熱体2を構成する物質の形態は、特に限定されず、例えば、粉状、塊状等が挙げられる。発熱体2は、電極芯3,3間を結ぶように全体として棒状の形状になるように設けられる。ここでの棒状の形状とは、例えば、円柱状、角柱状等が挙げられる。
得られた炭化珪素の塊状物を粉砕機等で粉砕することで、炭化珪素粉末を得ることができる。粉砕機としては、例えば、トップグラインダー等が挙げられる。
粉砕機等を用いて、炭化珪素粉末をその平均粒径が0.5mm以上となるように粉砕することが好ましい。該平均粒径が0.5mm以上であると、より高い昇華率を得ることができる。該平均粒径の上限は、特に限定されないが、より高い昇華率を得る観点から、好ましくは3.0mm、より好ましくは2.0mmである。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[1.使用した材料]
使用材料は、以下に示すとおりである。
(1)珪酸質原料A;結晶質シリカ(ノルウェー産、天然珪砂、平均粒径:400μm以下)
(2)珪酸質原料B;結晶質シリカ(オーストラリア産、天然珪砂、平均粒径:400μm以下)
(3)珪酸質原料C;アモルファスシリカ(太平洋セメント社製、試製品、平均粒径:800μm以下)
(4)炭素質原料A;アモルファスカーボン(東海カーボン社製、商品名「シースト」、平均粒径:50〜300nmの範囲内)
(5)炭素質原料B;黒鉛粉(伊藤黒鉛社製、平均粒径:50〜300nmの範囲内)
(6)発熱体;発熱体用黒鉛粉(太平洋セメント社製の試製品:黒鉛粉を3,000℃で熱処理したもの)
(7)結合剤:ポリビニールアルコール(関東化学社製、特級)
[2.使用した材料中の不純物の含有率の測定方法]
使用した材料中の不純物の含有率を、以下の分析方法を用いて測定した。結果を表1及び表2に示す。
(a)B(ホウ素)及びP(リン)の含有率
土壌中のB(ホウ素)の分析方法(BUNSEKI KAGAKU VOL47,No7,pp451−454参照)であるアルカリ溶融法によるICP−AES分析に基づいて分析を行った。
具体的には、試料1gおよびNaCO4gを白金ルツボに入れた後、この白金ルツボを電気炉内に載置して700℃で1時間加熱した。次いで1時間ごとに、白金ルツボ内の混合物を撹拌しながら、800℃で4時間加熱し、さらに1000℃で15分間加熱した。加熱後の混合物(融成物)に50質量%のHCl20mlを添加し、ホットプレートを用いて、140℃で10分間、融成物をくずしながら溶解した。水を加えて100mlにメスアップした後、ろ過を行い、得られた固形分に対して、ICP−AES分析を行った。
(b)B及びP以外の元素(Al、Fe、及びTi)の含有率
「JIS R 1616」に記載された加圧酸分解法によるICP−AES分析に基づいて測定した。
[実施例1]
「珪酸質原料A」63.6質量部と「炭素質原料A」36.4質量部を混合して、混合原料を得た後、この混合原料100質量部に対して、ポリビニルアルコール(20%)水溶液を0.1質量部添加し、得られた混合物を造粒機で造粒し、ペレット状の炭化珪素製造用原料を得た。
得られた炭化珪素製造用原料中の、炭素質原料と珪酸質原料の混合モル比(C/SiO)は、3.0であった。ペレット状にした炭化珪素製造用原料は、粒度が500〜1,500μmである炭化珪素製造用原料の割合が、99体積%以上のものであった。
該炭化珪素製造用原料及び発熱体用黒鉛粉を、表3に記載された内寸(長さ、幅、高さ)と電極芯を有するアチソン炉の中へ収容した後、電力量を制御することによって、2,500〜3,200℃の範囲内で24時間、通電加熱を行い、炭化珪素の塊状物を生成させた。得られた炭化珪素の塊状物を粉砕し、炭化珪素粉末を得た。
なお、炭化珪素製造用原料は、炉本体の原料収容用空間の中央付近にて、炉本体の側壁の上端から0.3m高くなるように、炉本体の原料収容用空間に収容した。
炭化珪素製造用原料のかさ密度、及び、得られた炭化珪素粉末の昇華率を、以下の測定方法を用いて測定した。また、得られた炭化珪素粉末のブレーン比表面積及び見掛け密度を測定した。結果を表3(原料のかさ密度)及び表4(炭化珪素粉末の昇華率、ブレーン比表面積、見掛け密度)に示す。
(i)炭化珪素製造用原料のかさ密度
炭化珪素製造用原料200gを、500mlのメスシリンダーに充填して、3Gで30秒間振動させた後のペレットの体積を測定し、炭化珪素製造用原料のかさ密度を求めた。
実施例においては、炭化珪素製造用原料をアチソン炉の中へ収容する際に、アチソン炉内に収容できる原料の量を増やす目的で、圧力をかけて原料を押し固める等の作業を行わないことから、アチソン炉内に収容された炭化珪素製造用原料のかさ密度は、上述した炭化珪素製造用原料のかさ密度の測定方法で測定された数値と同じである。
(ii)炭化珪素粉末の昇華率
炭化珪素粉末600gを黒鉛性坩堝に入れて、1Torrの減圧下において、2,300℃で加熱することで、坩堝中の炭化珪素粉末を昇華させた。1時間後、残存する炭化珪素粉末の質量(残存量)を測定し、残存量から、1時間当たりに発生する炭化珪素の昇華ガスの質量割合を求めた。
[実施例2]
表3に記載された内寸(長さ、幅、高さ)と電極芯を有するアチソン炉を用いた以外は、実施例1と同様にして炭化珪素粉末を得た。
[実施例3]
珪酸質原料Cと炭素質原料Aを、炭素質原料と珪酸質原料の混合モル比(C/SiO)が3.1となるように混合し、表3に記載された内寸(長さ、幅、高さ)と電極芯を有するアチソン炉の中へ収容した後、2,500〜3,200℃の範囲内で20時間、通電加熱を行い、炭化珪素の塊状物を生成させた。得られた炭化珪素の塊状物を粉砕し、炭化珪素粉末を得た。
なお、炭化珪素製造用原料は、炉本体の原料収容用空間の中央付近にて、炉本体の側壁の上端から0.3m高くなるように、炉本体の原料収容用空間に収容した。
[実施例4]
表3に記載された内寸(長さ、幅、高さ)と電極芯を有するアチソン炉を用いた以外は、実施例3と同様にして炭化珪素粉末を得た。
[比較例1]
珪酸質原料Bと炭素質原料Bを、炭素質原料と珪酸質原料の混合モル比(C/SiO)が3.0となるように混合し、表3に記載された内寸(長さ、幅、高さ)と電極芯を有するアチソン炉の中へ収容した後、2,500〜3,200℃の範囲内で24時間、通電加熱を行い、炭化珪素の塊状物を生成させた。得られた炭化珪素の塊状物を粉砕し、炭化珪素粉末を得た。
なお、炭化珪素製造用原料は、炉本体の原料収容用空間の中央付近にて、炉本体の側壁の上端から1.0m高くなるように、炉本体の原料収容用空間に収容した。
実施例2〜4及び比較例1について、炭化珪素製造用原料のかさ密度、及び、得られた炭化珪素粉末の昇華率等を、実施例1と同様にして測定した。結果を表3及び表4に示す。
Figure 0006210598
Figure 0006210598
Figure 0006210598
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実施例1〜4及び比較例1の結果から、本発明の製造方法によれば、高い昇華率、大きなブレーン比表面積、及び、小さな見掛け密度を有する炭化珪素粉末を得ることができることがわかる。炭化珪素粉末のブレーン比表面積が大きいと、炭化珪素粉末を結晶成長装置に充填したときに、炭化珪素の昇華ガスが発生する粒子表面の面積が大きいため、炭化珪素の単位質量当たりの昇華ガスの発生速度(単位時間当たりの量)が大きくなる傾向がある。また、炭化珪素粉末の見掛け密度が小さいと、炭化珪素粉末同士の間の空隙が大きいため、発生した昇華ガスが抜け易くなり、その結果、炭化珪素の単位質量当たりの昇華ガスの発生速度(単位時間当たりの量)が大きくなる傾向がある。
1 炭化珪素製造用原料
2 発熱体
3 電極芯
4 アチソン炉
5 炉本体

Claims (5)

  1. アチソン炉を用いて、珪酸質原料と炭素質原料を混合してなる炭化珪素製造用原料を加熱して、炭化珪素粉末を製造する方法であって、
    上記アチソン炉の高さの内寸が1.5m以下であり、
    上記炭化珪素製造用原料を、上記アチソン炉内にかさ密度が0.9g/cm 以下となるように収容して加熱することを特徴とする、炭化珪素粉末の製造方法。
  2. 上記アチソン炉は、長さの内寸が6m以下で、かつ、幅の内寸が3m以下であって、上記長さの内寸をLとしたとき、幅の内寸が0.3L以上で、かつ、高さの内寸が0.1L以上のものである、請求項1に記載の炭化珪素粉末の製造方法。
  3. 上記炭化珪素製造用原料が、ペレット化されたものである、請求項1または2に記載の炭化珪素粉末の製造方法。
  4. 上記珪酸質原料が、結晶質シリカまたはアモルファスシリカであり、かつ、上記炭素質原料が、アモルファスカーボンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化珪素粉末の製造方法。
  5. 上記珪酸質原料中のシリカ(SiO)の含有率が、99.0質量%以上であり、かつ、上記炭素質原料中の炭素(C)の含有率が99.0質量%以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭化珪素粉末の製造方法。
JP2014034122A 2014-02-25 2014-02-25 炭化珪素粉末の製造方法 Active JP6210598B2 (ja)

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