JP6209925B2 - 歪補償装置および歪補償方法 - Google Patents

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Description

本発明は歪補償装置および歪補償方法に関する。
無線通信システムにおいて無線信号を送信する無線送信装置では、送信信号を増幅するために電力増幅器が用いられる。電力増幅器は、入力信号の振幅が小さい領域では、入力信号の振幅と出力信号の振幅とが概ね線形な関係になるという線形特性を有する。一方、電力増幅器は、入力信号の振幅が大きい領域では、入力信号の振幅と出力信号の振幅とが非線形な関係になるという非線形特性を有する。電力増幅器を効率的に利用するために、線形領域だけでなく非線形領域でも電力増幅器を動作させることが多い。
しかし、電力増幅器の非線形な増幅特性によって発生する送信信号の非線形歪は、所望の周波数帯域から隣接周波数帯域への電力漏洩を生じさせるなど、無線通信品質を低下させる原因となり得る。そこで、無線送信装置では、電力増幅器の非線形な増幅特性を線形化(リニアライズ)する1つの方法として、前置歪(プリディストーション)方式の歪補償を行うことがある。プリディストーション方式の歪補償では、無線送信装置に、線形化器(リニアライザ)として前置歪器(プリディストータ)を設ける。
プリディストータは、電力増幅器に入力する前の送信信号に、電力増幅器の非線形特性とは逆特性の非線形歪を付与する。逆特性の非線形歪が付与された送信信号を電力増幅器に通すことで、プリディストータに入力する前の送信信号に対する増幅後の送信信号の非線形歪を抑制できる。プリディストータは、例えば、送信信号の振幅に応じた補償係数を当該送信信号に適用する(例えば、補償係数を乗算する)ことで、電力増幅器に入力される送信信号の振幅を非線形に変更する。送信信号の振幅に対応する補償係数は、例えば、ルックアップテーブル(LUT:Lookup Table)に格納しておくことができる。
ここで、電力増幅器の非線形特性の逆特性を予め正確に推定することは容易でない。そこで、プリディストーション方式の歪補償では、プリディストータが使用する補償係数を、電力増幅器を動作させながら適応的に更新することがある。例えば、無線送信装置は、電力増幅器の出力信号をフィードバックし、フィードバック信号と電力増幅器に入力する前の送信信号とに基づいて、適切な補償係数を推定してプリディストータに設定する。
なお、プリディストータにより歪補償された送信信号の電力が、デジタルアナログ変換器(DAC:Digital Analog Converter)のダイナミックレンジを超えないように、補償係数を補正する歪補償装置が提案されている。この歪補償装置は、フィードバック信号に基づいて補償係数を算出すると、算出した補償係数をメモリに格納する前に、この補償係数を使用した場合にプリディストータが出力することになる送信信号の電力の推定値と所定の上限電力とを比較する。前者が後者を超える場合、歪補償装置は、算出した補償係数を位相を変えずにその大きさが小さくなるように補正してメモリに格納する。
また、プリディストータの前段において入力信号をクリッピングすることで、ピーク対平均電力比を低減させるデジタルプリディストーションシステムが提案されている。
また、歪補償後の送信信号の振幅が電力増幅器の飽和レベルを超えないように、プリディストータの前段において送信信号の振幅を制限する歪補償回路が提案されている。この歪補償回路は、メモリに記憶された補償係数に基づいて閾値を算出し、算出した閾値と各送信信号の電力とを比較して当該送信信号に対して振幅制限するか否か判定する。
また、歪補償回路、増幅回路および歪検出回路を含むデジタルプリディストータ(DPD:Digital Pre-distorter)ループ内に、減衰回路を含む自動利得制御(AGC:Auto Gain Control)ループを設けた歪補償装置が提案されている。この歪補償装置は、DPDループとAGCループの二重ループによって動作が不安定になるのを避けるため、補償係数を更新するとき、DPDループの利得が1になるように補償係数を正規化する。
特開2001−251148号公報 特開2007−37110号公報 特開2009−290384号公報 特開2010−103834号公報
ところで、一般的に、電力増幅器の非線形領域における増幅率は、線形化された場合の理想的な増幅率よりも小さくなっている。そのため、プリディストータをトレーニングするにあたり、非線形領域に対応する補償係数が十分に大きくなっていない初期段階では、フィードバック信号の最大振幅は入力信号の最大振幅よりも小さくなる。すなわち、フィードバック信号のダイナミックレンジは、入力信号のダイナミックレンジより狭い。
歪補償装置はこのフィードバック信号に基づいて補償係数を学習することから、トレーニングの初期段階では、入力信号のダイナミックレンジのうち高振幅側についてほとんど学習が行われず、未学習領域が存在することになる。一方、トレーニングが進行すると、非線形領域の低振幅側から順に補償係数が大きくなることで、フィードバック信号の最大振幅が徐々に大きくなり未学習領域が狭くなっていく。最終的には、フィードバック信号のダイナミックレンジが入力信号のダイナミックレンジと一致して、未学習領域がなくなり入力信号のダイナミックレンジ全体について補償係数の学習が完了する。
しかし、上記のような手順で補償係数の学習を進めると、トレーニングの途中まで未学習領域が存在するため、入力信号のダイナミックレンジ全体について精度の高い補償係数を得るためにはトレーニング時間が長くなってしまうという問題がある。
1つの側面では、本発明は、プリディストータのトレーニング時間を短縮できる歪補償装置および歪補償方法を提供することを目的とする。
1つの態様では、電力増幅器の非線形歪を補償する歪補償装置が提供される。歪補償装置は、プリディストータと利得制御部と学習部とを有する。プリディストータは、電力増幅器に入力される前の入力信号それぞれに対して、補償係数に応じた歪を付与する。利得制御部は、ある期間内の電力増幅器からフィードバックされるフィードバック信号の最大レベルに応じて、フィードバック信号それぞれの利得制御を行う。学習部は、利得制御部によって利得制御が行われたフィードバック信号を用いて、プリディストータが使用する補償係数を更新する。
また、1つの態様では、プリディストータを用いて電力増幅器の非線形歪を補償する歪補償方法が提供される。歪補償方法では、ある期間内の電力増幅器からフィードバックされるフィードバック信号の最大レベルに応じて、フィードバック信号それぞれの利得制御を行う。利得制御が行われたフィードバック信号を用いて、プリディストータが電力増幅器に入力される前の入力信号に対して適用する補償係数を更新する。
1つの側面では、プリディストータのトレーニング時間を短縮できる。
第1の実施の形態の歪補償装置を示す図である。 第2の実施の形態の無線通信システムを示す図である。 第2の実施の形態の無線送信装置を示すブロック図である。 電力増幅器およびプリディストータの特性例を示すグラフである。 プリディストータの第1の学習例を示すグラフである。 プリディストータの第2の学習例を示すグラフである。 無線送信装置における信号の流れを示す図である。 DPDトレーニングの手順例を示すフローチャートである。 隣接チャネル漏洩電力の変化例を示すグラフである。
以下、本実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態の歪補償装置を示す図である。
第1の実施の形態の歪補償装置10は、電力増幅器2の非線形歪を補償する。この非線形歪は、電力増幅器2の入力の振幅と出力の振幅との関係(増幅特性)が非線形であるために、電力増幅器2から出力される信号に生じる歪である。電力増幅器2は、高出力増幅器(HPA:High Power Amplifier)と呼ばれるものでもよい。電力増幅器2および歪補償装置10は、例えば、無線信号を送信する無線送信装置に搭載される。無線送信装置としては、例えば、無線基地局、無線中継装置、無線端末装置などが挙げられる。
歪補償装置10は、プリディストータ11と利得制御部12と学習部13を有する。
プリディストータ11は、電力増幅器2に入力される前の入力信号それぞれに対して、補償係数に応じた歪を付与する。プリディストータ11が付与する歪は、好ましくは、電力増幅器2で生じる非線形歪を打ち消すような、電力増幅器2の非線形特性の逆特性をもつ歪である。プリディストータ11が使用する補償係数は、後述するように、トレーニングを通じて算出される。例えば、プリディストータ11は、複数の振幅と複数の補償係数とを対応付けたルックアップテーブルから、入力信号の振幅に対応する補償係数を取得し、入力信号に補償係数を適用する(例えば、補償係数を乗算する)。
利得制御部12は、電力増幅器2からフィードバックされるフィードバック信号を取得し、フィードバック信号それぞれに対して利得制御を行って学習部13に提供する。フィードバック信号に適用する利得は、ある期間内のフィードバック信号の最大レベルに応じて調整される。利得を可変とするとため、利得制御部12は、可変増幅器または可変減衰器を含んでもよい。例えば、利得制御部12は、ある期間内のフィードバック信号の最大レベルと、当該期間内のプリディストータ11に入力される前の入力信号の最大レベルとを検出する。そして、利得制御部12は、フィードバック信号の最大レベルと入力信号の最大レベルから、当該期間内のフィードバック信号に適用する利得を決定する。
後述するトレーニングの初期段階では、フィードバック信号の最大レベルは入力信号の最大レベルよりも小さくなる。そこで、例えば、利得制御部12は、フィードバック信号の最大レベルが入力信号の最大レベルに近付くように、利得を1より大きくしてフィードバック信号それぞれの振幅を大きくする。好ましくは、利得制御部12は、フィードバック信号の最大レベルに対する入力信号の最大レベルの比を利得と決定することで、フィードバック信号と入力信号の最大レベルを一致させる。なお、フィードバック信号や入力信号の「レベル」を示す指標としては、振幅や電力などを用いることができる。
学習部13は、プリディストータ11のトレーニング中、利得制御部12によって利得制御が行われたフィードバック信号を用いて、プリディストータ11が使用する補償係数を繰り返し更新する。トレーニング時間を長くした方が、補償係数の精度が高くなる。トレーニング中、学習部13が補償係数を更新すると、プリディストータ11は更新後の補償係数を用いて歪補償を行い、電力増幅器2は更新後の補償係数に応じた歪が付加された入力信号を増幅する。学習部13は、トレーニングを継続する場合、補償係数が更新された後のフィードバック信号を用いて、更に補償係数を更新する。このとき、利得制御部12は、当該フィードバック信号に対して前回(前の期間)とは異なる利得を適用し得る。
補償係数を算出するアーキテクチャとして、例えば、間接学習アーキテクチャが用いられる。間接学習アーキテクチャでは、学習部13は、利得制御部12によって利得制御が行われたフィードバック信号の振幅や位相が、プリディストータ11を通過した入力信号の振幅や位相に近付くように、フィードバック信号の歪補償を試みる。すなわち、学習部13は、フィードバック信号に対して現在の補償係数(プリディストータ11で現在使用されているもの)を適用した信号とプリディストータ11を通過した入力信号との誤差を算出し、誤差に基づいて補償係数を修正する。この場合、学習部13は、後置歪器(ポストディストータ)を備えていると言うこともできる。学習部13は、フィードバック信号を用いて学習された補償係数をプリディストータ11にコピーする。
ここで、利得制御部12による利得制御を行わない場合、トレーニングの初期段階ではフィードバック信号の最大振幅は、プリディストータ11に入力される入力信号の最大振幅よりも小さくなっている。これは、電力増幅器2の非線形領域における増幅率は、増幅特性が線形化された場合の理想的な増幅率よりも小さいためである。すなわち、トレーニングの初期段階では、フィードバック信号のダイナミックレンジがプリディストータ11に入力される入力信号のダイナミックレンジよりも狭くなってしまう。
この場合、学習部13は、トレーニングの初期段階において、入力信号のダイナミックレンジ全体ではなく、その一部(フィードバック信号のダイナミックレンジに相当する部分)のみ補償係数を学習する。入力信号のダイナミックレンジのうち補償係数を学習していない未学習領域は、トレーニングを継続することで順次小さくなる。これは、非線形領域の一部について補償係数の学習が進む(補償係数が大きくなる)ことで、フィードバック信号の最大振幅が順次大きくなるためである。ただし、トレーニングの途中まで未学習領域が存在するため、十分な精度の補償係数を得るのに長時間を要するおそれがある。
これに対し、利得制御部12によるフィードバック信号の利得制御を行った場合、トレーニングの初期段階においてもフィードバック信号の最大振幅が、プリディストータ11に入力される入力信号の最大振幅に近付く(好ましくは、両者が一致する)。この場合、学習部13は、入力信号のダイナミックレンジうち、利得制御を行わない場合よりも広い部分(好ましくは、入力信号のダイナミックレンジ全体)について、補償係数を学習できる。トレーニングの初期段階から未学習領域を小さくできる(好ましくは、未学習領域を除去できる)ため、補償係数の学習を効率化できトレーニング時間を短縮できる。
なお、利得制御部12による利得制御を行った場合、トレーニングの初期段階では、学習部13は、電力増幅器2の増幅率を実際よりも過大に評価することになるため、理想的な補償係数よりも小さい補償係数を算出する。フィードバック信号の利得制御に伴う補償係数の過小評価は、トレーニングを継続することで順次解消される。ただし、フィードバック信号の利得制御を行わない場合と比べて、未学習領域が小さいため、入力信号のダイナミックレンジ全体について十分な精度の補償係数を得るまでの所要時間は短くなる。
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態の無線通信システムを示す図である。
第2の実施の形態の無線通信システムは、無線送信装置100および無線受信装置200を有する。無線送信装置100は、アンテナ101を有し、アンテナ101を用いて無線受信装置200に対して無線信号を送信する。無線受信装置200は、アンテナ201を有し、アンテナ201を用いて無線送信装置100から無線信号を受信する。
第2の実施の形態では、主に無線送信装置100の送信処理について説明するが、無線送信装置100に相当する無線通信装置が更に受信処理を行ってもよいし、無線受信装置200に相当する無線通信装置が更に送信処理を行ってもよい。また、この無線通信システムは、無線基地局が複数の無線端末装置と通信する1対多接続型のシステムであってもよい。その場合、例えば、無線送信装置100が無線基地局であり、無線受信装置200が無線端末装置であってもよい。また、例えば、無線送信装置100が無線端末装置であり、無線受信装置200が無線基地局であってもよい。また、無線送信装置100と無線受信装置200の少なくとも一方が、無線中継装置であってもよい。
図3は、第2の実施の形態の無線送信装置を示すブロック図である。
無線送信装置100は、DPD111、電力増幅器112、減衰器121、バッファ122,124、AGC部123、トレーニングDPD125、減算器126、最大値検出部127,128および利得算出部129を有する。DPD111は、第1の実施の形態のプリディストータ11の一例である。また、AGC部123、最大値検出部127,128および利得算出部129の集合は、利得制御部12の一例である。トレーニングDPD125および減算器126の集合は、学習部13の一例である。
DPD111は、電力増幅器112に入力する入力信号に対して、デジタル方式で歪補償を行うプリディストータである。DPD111は、歪補償に用いる補償係数の集合を有している。例えば、DPD111は、入力信号の振幅に応じた補償係数を選択し、選択した補償係数と当該入力信号とを乗算する。補償係数の集合は、例えば、入力信号の振幅から使用する補償係数を特定することができるルックアップテーブルに記憶されている。
この補償係数の集合は、好ましくは、電力増幅器112がもつ非線形特性の逆特性に相当するものであり、電力増幅器112で生じる非線形歪を打ち消すためのものである。DPD111のトレーニングによって、補償係数の集合が決定される。トレーニングでは、補償係数の集合の学習1回毎に、所定の長さとしてN個(Nは2以上の整数)のサンプル信号がDPD111に入力される。DPD111は、トレーニング中、無線受信装置200と無線通信を行うときと同様に、サンプル信号に対して歪補償を行う。
上記のN個のサンプル信号を用いた学習1回毎に、後述するトレーニングDPD125で算出された補償係数の集合がDPD111にコピーされる。すると、DPD111は、更新された補償係数の集合を用いて、次のN個のサンプル信号に対して歪補償を行う。このようにして、トレーニング中、N個のサンプル信号を用いた学習が繰り返し行われ、補償係数の集合が繰り返し更新される。学習の繰り返し回数が多いほど、補償係数の精度が高くなる。なお、1回目の学習では、DPD111は、補償係数として初期値を用いてもよい。補償係数の初期値は、サンプル信号を補正しないような値であってもよい。
ここで、1回の学習で使用するサンプル信号の数Nは、例えば、無線フレーム1つ分(例えば、10ms相当)とすることができる。1回の学習で使用するサンプル信号が多いほど、学習の精度が高くなる。サンプル信号は、ランダムに生成された信号であってもよいし、トレーニング用に予め用意された信号であってもよい。前者の場合、複数回の学習それぞれで使用するサンプル信号の集合は、互いに異なるものでもよい。
電力増幅器112は、DPD111によって歪補償が行われた入力信号を増幅する。DPD111と電力増幅器112の間に、デジタルアナログ変換器(DAC:Digital Analog Converter)が設けられてもよい。電力増幅器112は、高出力増幅器(HPA)と呼ばれるものであってもよい。無線送信装置100が無線受信装置200と無線通信を行うときは、電力増幅器112で増幅された送信信号がアンテナ101から出力される。DPD111のトレーニング中は、電力増幅器112は、DPD111によって歪補償が行われたサンプル信号を増幅する。ここで、電力増幅器112は、入力信号の振幅と出力信号の振幅とが非線形の関係になるという非線形な増幅特性を有する。このため、DPD111による歪補償を行わない場合、増幅された出力信号に非線形歪が生じ得る。
減衰器121は、トレーニング中、電力増幅器112からの出力信号を減衰し、減衰した出力信号をフィードバック信号として提供する。減衰器121の後段には、アナログデジタル変換器(ADC:Analog Digital Converter)が設けられてもよい。減衰器121では、電力増幅器112からの出力信号の振幅が実数倍される。減衰器121の減衰率は、予め固定的に設定されていてもよい。例えば、減衰器121における振幅の倍率を、電力増幅器112の増幅特性を線形化した場合の理想的な増幅率の逆数とする。
バッファ122は、1回の学習が行われる毎に、減衰器121から提供されるフィードバック信号(N個のサンプル信号に対応するフィードバック信号)を一時的に記憶する。バッファ122として、揮発性または不揮発性の半導体メモリを用いてもよい。バッファ122は、後述するように今回の学習で使用するフィードバック利得を利得算出部129が算出する間、AGC部123へのフィードバック信号の提供を遅延させる。
AGC部123は、今回の学習で使用するフィードバック利得が利得算出部129によって算出されると、算出されたフィードバック利得に従い、バッファ122に記憶されているフィードバック信号の利得制御を行う。例えば、AGC部123は、算出されたフィードバック利得とフィードバック信号とを乗算することで、フィードバック信号の振幅を実数倍する。1回の学習に使用する複数のフィードバック信号には、同じフィードバック利得が適用される。異なる回の学習の間では、異なるフィードバック利得が適用され得る。トレーニングの初期段階では、通常、フィードバック利得は1より大きい値であり、AGC部123を通過したフィードバック信号の振幅は通過前より大きくなる。
バッファ124は、1回の学習が行われる毎に、DPD111によって歪補償が行われて電力増幅器112に入力される前の入力信号(N個のサンプル信号に相当するもの)を一時的に記憶する。バッファ124として、揮発性または不揮発性の半導体メモリを用いてもよい。バッファ124は、今回の学習で使用するフィードバック利得を利得算出部129が算出する間、減算器126への入力信号の提供を遅延させる。
トレーニングDPD125は、トレーニング中、DPD111と同様のプリディストーションを行うことで補償係数の集合を学習する。トレーニングDPD125は、ポストディストータとして動作すると言うこともできる。具体的には、トレーニングDPD125は、N個のサンプル信号を用いた学習1回を開始する時点で、DPD111が有するものと同じ補償係数の集合を有している。この補償係数の集合は、例えば、振幅から補償係数を特定することができるルックアップテーブルに記憶されている。
1回の学習の間、トレーニングDPD125は、AGC部123から取得するフィードバック信号に対して歪補償を行い、歪補償後のフィードバック信号を減算器126に出力する。例えば、トレーニングDPD125は、AGC部123から取得したフィードバック信号の振幅に応じた補償係数を選択し、選択した補償係数と当該フィードバック信号とを乗算する。すると、トレーニングDPD125は、歪補償後のフィードバック信号の誤差を示す情報を減算器126から取得する。そして、トレーニングDPD125は、誤差に基づいて、トレーニングDPD125が有する補償係数の集合を更新する。
例えば、トレーニングDPD125は、誤差の二乗平均平方根(RMS:Root Mean Square)を算出し、LMS(Least Mean Square)アルゴリズムに従って、全体の誤差が最小になるようにトレーニングDPD125が有する補償係数を更新していく。そして、N個のサンプル信号を用いた1回の学習が終了した時点で、トレーニングDPD125が有する補償係数の集合をDPD111にコピーする。トレーニング中、このような補償係数の集合の学習が繰り返し行われる。繰り返し回数は、予め固定的に設定されていてもよいし、減算器126で算出される誤差に応じて適応的に判断してもよい。なお、上記で説明した学習方法は、間接学習アーキテクチャと呼ばれることがある。
減算器126は、トレーニングDPD125から歪補償後のフィードバック信号を取得し、当該フィーバック信号に対応する入力信号をバッファ124から取得する。減算器126は、入力信号とフィードバック信号とを比較して両者の差を算出し、算出した差を線形化の誤差としてトレーニングDPD125に通知する。
最大値検出部127は、1回の学習が行われる毎に、DPD111に入力される入力信号(サンプル信号)を取得し、入力信号の最大振幅を検出する。この最大振幅はN個の入力信号の振幅の最大値であり、学習1回につき1つの最大振幅が求められる。
最大値検出部128は、1回の学習が行われる毎に、減衰器121からフィードバック信号を取得し、フィードバック信号の最大振幅を検出する。この最大振幅はN個のフィードバック信号の振幅の最大値であり、学習1回につき1つの最大振幅が求められる。
利得算出部129は、最大値検出部127によって検出された入力信号の最大振幅と、最大値検出部128によって検出されたフィードバック信号の最大振幅とに基づいて、AGC部123が使用するフィードバック利得を算出する。フィードバック利得は、学習1回につき1つ算出される。第2の実施の形態では、フィードバック利得を、入力信号の最大振幅÷フィードバック信号の最大振幅とする。これにより、利得制御後のフィードバック信号の最大振幅が入力信号の最大振幅と一致する。後述するように、トレーニングの初期段階では、フィードバック信号の最大振幅が入力信号の最大振幅より小さいため、利得算出部129において算出されるフィードバック利得は1より大きくなる。
なお、減衰器121、AGC部123、トレーニングDPD125、減算器126、最大値検出部127,128および利得算出部129は、トレーニング中のみ動作させ、無線送信装置100が無線受信装置200と無線通信を行う間は停止しておいてもよい。
次に、DPD111や電力増幅器112の特性と、AGC部123の役割を説明する。
図4は、電力増幅器およびプリディストータの特性例を示すグラフである。
電力増幅器112の増幅特性は、入力信号の振幅が小さい領域ではほぼ線形になる(線形領域)。すなわち、入力信号の振幅が小さいうちは、増幅率がほぼ一定となり、入力信号の振幅と出力信号の振幅とが線形の関係になる。一方、電力増幅器112の増幅特性は、入力信号の振幅が大きい領域では非線形になる(非線形領域)。すなわち、入力信号の振幅が大きくなると、増幅率が一定とならずに入力信号の振幅に応じて変化し、入力信号の振幅と出力信号の振幅とが非線形の関係になる。通常、非線形領域では、線形領域よりも増幅率が小さくなり、入力信号の振幅が大きいほど増幅率が減少する。効率的に増幅を行うため、電力増幅器112には非線形領域に相当する入力信号も入力される。
DPD111は、好ましくは、電力増幅器112の増幅特性の非線形性を打ち消して線形化するように、入力信号に歪を与える。DPD111の利得の特性は、入力信号の振幅が小さい領域では、電力増幅器112と同様にほぼ線形になる(線形領域)。線形領域では、出力信号の振幅は入力信号の振幅からあまり変化しなくてよい。一方、DPD111の利得の特性は、入力信号の振幅が大きい領域では、電力増幅器112の増幅率の非線形性に応じて非線形になる(非線形領域)。非線形領域では、電力増幅器112とは逆に、線形領域よりも利得が大きくなり、入力信号の振幅が大きいほど振幅の倍率が増加する。
図5は、プリディストータの第1の学習例を示すグラフである。
まず、AGC部123がフィードバック信号の利得制御を行わない場合を考える。補償係数の学習1回目では、DPD111において実質的に歪補償が行われない。そのため、DPD111に入力される入力信号に対する電力増幅器112から出力される出力信号の増幅率は、非線形領域において理想的な増幅率(線形領域の増幅率)より低くなる。減衰器121がこの出力信号を理想的な増幅率の逆数で減衰させると、トレーニングDPD125が取得するフィードバック信号の最大振幅は入力信号の最大振幅より小さくなる。
ここで、M回目の学習時のフィードバック信号の最大振幅をy_max[M]、DPD111に入力される入力信号の最大振幅をx_maxと表記する。1回目の学習時、トレーニングDPD125は、フィードバック信号のダイナミックレンジである振幅がy_max[1]以下の領域について補償係数を更新する。一方、トレーニングDPD125は、振幅がy_max[1]より大きくx_max以下の領域について補償係数を更新しない。補償係数が更新されない領域は未学習領域と言うことができる。トレーニングDPD125が算出した補償係数はDPD111にコピーされることから、DPD111でも振幅がy_max[1]より大きくx_max以下の領域が未学習領域になる。
補償係数の学習2回目では、未学習領域が存在する補償係数の集合を用いて、入力信号に対して歪補償を行う。このとき、未学習領域に属する入力信号の処理については、幾つかの方法が考えられる。例えば、DPD111は、未学習領域に属する入力信号の振幅を、学習済領域の出力信号の最大振幅(例えば、入力信号の振幅がy_max[1]のときの出力信号の振幅)と同じ固定値に変換する。また、例えば、DPD111は、未学習領域の増幅特性を線形と仮定して、未学習領域に属する入力信号の振幅を、学習済領域の最大の倍率(例えば、入力信号の振幅がy_max[1]のときの倍率)で大きくする。
学習済領域には非線形領域の一部が含まれるため、非線形領域の少なくとも一部についてDPD111の補償係数が大きくなることで、学習2回目のフィードバック信号の最大振幅は学習1回目よりも大きくなる。すなわち、y_max[1]<y_max[2]となり、DPD111の未学習領域が小さくなる。同様にして、補償係数の学習を繰り返すことで、y_max[2]<y_max[3]<y_max[4]のようにフィードバック信号の最大振幅は段階的に大きくなり、DPD111の未学習領域が段階的に小さくなる。最終的には、フィードバック信号の最大振幅はx_maxとほぼ一致し、DPD111の未学習領域が解消される。ただし、トレーニングの途中まで高振幅側の補償係数の学習が行われないため、補償係数の精度を上げるにはトレーニング時間が長くなる。
図6は、プリディストータの第2の学習例を示すグラフである。
次に、AGC部123がフィードバック信号の利得制御を行う場合を考える。上記の通り、補償係数の学習1回目では、減衰器121が提供するフィードバック信号の最大振幅は入力信号の最大振幅より小さくなる。この最大振幅の違いを解消するため、利得算出部129は、学習1回目の入力信号の最大振幅に対する学習1回目のフィードバック信号の最大振幅の比を、フィードバック利得として算出する。AGC部123は、学習1回目のフィードバック信号の振幅を、算出されたフィードバック利得の倍率で大きくする。
これにより、学習1回目にトレーニングDPD125が取得するフィードバック信号の最大振幅はy_max[1]からx_maxに補正される。その結果、トレーニングDPD125は、入力信号のダイナミックレンジである振幅がx_max以下の領域全体について補償係数を更新することができ、未学習領域は存在しなくなる。同様にして、学習2回目以降も、入力信号のダイナミックレンジ全体について補償係数が更新される。
ここで、AGC部123がフィードバック信号の振幅を大きくすることは、トレーニングDPD125が電力増幅器112の増幅率を実際より過大に評価することを意味する。よって、トレーニングの初期段階では、トレーニングDPD125は、理想的な補償係数と比べて歪補償後の入力信号の振幅が小さく抑えられるような小さい補償係数を算出する。この歪補償係数のずれは、補償係数の学習を繰り返すことで段階的に解消していく。ただし、学習1回目から未学習領域が存在しないため、図5の場合と比べて、補償係数の精度を十分に上げるのに要するトレーニング時間を短縮することができる。
次に、無線送信装置100における信号の流れについて説明する。
図7は、無線送信装置における信号の流れを示す図である。
補償係数の学習1回につき、DPD111にはN個のサンプル信号として信号x(n)が入力される(nは1〜Nの整数)。DPD111は、信号x(n)に補償係数を適用して信号z(n)を出力する。信号z(n)は、電力増幅器112に提供されると共に、一時的にバッファ124に保持される。電力増幅器112は、信号z(n)を増幅して信号y(n)を出力する。電力増幅器112の増幅特性を線形化したときの理想的な増幅率を増幅率Gとする。減衰器121は、電力増幅器112が出力した信号y(n)の振幅を1/Gに減衰して信号y(n)/Gを出力する。信号y(n)/Gは、最大値検出部128に提供されると共に、一時的にバッファ122に保持される。
最大値検出部127は、DPD111に入力される信号x(n)を取得し、N個の入力信号である信号x(1)〜信号x(N)の中の最大振幅x_maxを検出する。最大値検出部128は、減衰器121から信号y(n)/Gを取得し、N個のフィードバック信号である信号y(1)/G〜信号y(N)/Gの中の最大振幅y_maxを検出する。利得算出部129は、フィードバック利得FG=x_max÷y_maxを算出する。AGC部123は、バッファ122に保持されている信号y(n)/Gにフィードバック利得FGを適用し、信号y(n)・FG/GをトレーニングDPD125に提供する。
トレーニングDPD125は、信号y(n)・FG/Gに補償係数を適用して信号z^(n)を出力する。N個のサンプル信号の入力が開始された時点において、トレーニングDPD125は、DPD111と同じ補償係数の集合Aを有している。減算器126は、バッファ124に保持されている信号z(n)からトレーニングDPD125が出力した信号z^(n)を減算して誤差εを算出する。トレーニングDPD125は、N個のサンプル信号分の誤差εから、LMSアルゴリズムに従って補償係数の集合Aを更新する。そして、トレーニングDPD125は、補償係数の集合AをDPD111にコピーする。
次に、DPD111のトレーニングの手順について説明する。
図8は、DPDトレーニングの手順例を示すフローチャートである。
(S1)無線送信装置100は、DPD111へのN個のサンプル信号の入力を開始する。サンプル信号は、例えば、ランダムに生成された1無線フレーム分の信号とする。DPD111は、サンプル信号であるN個の入力信号に対して歪補償を行う。電力増幅器112は、歪補償が行われたN個の入力信号を増幅する。減衰器121は、電力増幅器112の出力を所定の減衰率で減衰することで、N個のフィードバック信号を得る。
(S2)最大値検出部127は、DPD111への入力信号を監視し、N個の入力信号の中の振幅の最大値(最大振幅x_max)を検出する。最大振幅x_maxが確定するのは、N個の入力信号全てがDPD111に供給された後である。
(S3)最大値検出部128は、減衰器121からのフィードバック信号を監視し、N個のフィードバック信号の中の振幅の最大値(最大振幅y_max)を検出する。最大振幅y_maxが確定するのは、N個のフィードバック信号全てが生成された後である。
(S4)利得算出部129は、ステップS2で検出された最大振幅x_maxとステップS3で検出された最大振幅y_maxとに基づいて、今回の学習で使用するフィードバック利得FGを決定する。フィードバック利得FG=x_max÷y_maxである。なお、フィードバック利得FGが決定された時点で、バッファ122にはN個のフィードバック信号が格納され、バッファ124には歪補償後のN個の入力信号が格納されている。
(S5)AGC部123は、ステップS4で決定されたフィードバック利得FGに基づいて、バッファ122に格納されているN個のフィードバック信号の利得制御を行う。すなわち、AGC部123は、各フィードバック信号の振幅をFG倍する。これにより、当初のフィードバック信号のダイナミックレンジ(y_max以下の振幅範囲)が、歪補償前の入力信号のダイナミックレンジ(x_max以下の振幅範囲)に拡張される。
(S6)トレーニングDPD125は、ステップS5で利得制御が行われたN個のフィードバック信号を用いて、補償係数の集合Aを更新する。すなわち、トレーニングDPD125は、トレーニングDPD125が有する補償係数の集合A(DPD111が有するものと同一)を用いて、フィードバック信号に対して歪補償を行う。減算器126は、歪補償後のフィードバック信号とバッファ124に格納されている歪補償後の入力信号との間で誤差を算出する。トレーニングDPD125は、N個のフィードバック信号分の誤差に所定のアルゴリズムを適用し、誤差が最小になるような補償係数の集合Aを算出する。
(S7)トレーニングDPD125は、ステップS6で更新した補償係数の集合Aを、DPD111にコピーする。これにより、補償係数の集合Aについて1回の学習が終了する。次回の学習では、更新された補償係数の集合Aが使用される。
(S8)無線送信装置100は、補償係数の集合Aについて学習の繰り返しを終了するか、すなわち、DPD111のトレーニングを終了するか判断する。補償係数の集合Aの学習回数は、予め固定的に決めておいてもよいし、補償係数の集合Aの収束状況に応じて動的に決めてもよい。補償係数の集合Aの学習を再度行う場合は、ステップS1に処理を進める。それ以外の場合は、DPD111のトレーニングを終了する。
図9は、隣接チャネル漏洩電力の変化例を示すグラフである。
このグラフは、補償係数の学習を繰り返したときの、電力増幅器112から出力される信号y(n)の隣接チャネル漏洩電力比(ACLR:Adjacent Channel Leakage Ratio)の変化例を示したものである。ACLRは、送信が許可されている所望の周波数チャネルの電力に対する、隣接する周波数チャネルに漏洩した電力の比である。
電力増幅器112が入力信号を増幅したときに生じる非線形歪が大きいほどACLRは大きくなり、DPD111による歪補償の精度が高いほど(学習された補償係数の精度が高いほど)ACLRは小さくなる。補償係数の学習の繰り返し回数を増やすと、補償係数の精度が高くなる(理想的な補償係数に近づく)ため、ACLRが小さくなる。
ここで、目標ACLRを−5.7E+01dBとし、少なくともACLRがこの目標ACLRより小さくなるように補償係数の学習を繰り返すものとする。図9の例では、AGC部123による利得制御を行わなかった場合(AGC_OFF)、学習11回目で初めてACLRが目標ACLRより小さくなる。これに対し、AGC部123による利得制御を行った場合(AGC_ON)、学習5回目でACLRが目標ACLRより小さくなる。これは、AGC部123による利得制御を行った方が、補償係数の収束が早くなりトレーニング時間が短くて済むことを示している。また、AGC部123による利得制御を行った方が、有限のトレーニング時間の中で効率的に通信品質を上げることができる。
第2の実施の形態の無線送信装置100によれば、トレーニングの初期段階においても、補償係数の学習に用いるフィードバック信号の最大振幅が入力信号の最大振幅と一致する。よって、トレーニングの初期段階から、未学習領域を解消することができ、入力信号のダイナミックレンジ全体について補償係数の学習を進めることができる。これにより、補償係数の収束が速くなりトレーニング時間を短縮することができる。また、有限のトレーニング時間の中で、効率的に補償係数の精度を上げることができ、隣接チャネルへの漏洩電力が低下するなど無線送信装置100の通信品質が向上する。
2 電力増幅器
10 歪補償装置
11 プリディストータ
12 利得制御部
13 学習部

Claims (4)

  1. 電力増幅器の非線形歪を補償する歪補償装置であって、
    前記電力増幅器に入力される前の入力信号それぞれに対して、補償係数に応じた歪を付与するプリディストータと、
    ある期間内の前記電力増幅器からフィードバックされるフィードバック信号の最大レベルと前記ある期間内の前記入力信号の最大レベルとに応じて、前記フィードバック信号に適用する利得を決定して前記フィードバック信号それぞれの利得制御を行う利得制御部と、
    前記利得制御部によって利得制御が行われた前記フィードバック信号を用いて、前記プリディストータが使用する前記補償係数を更新する学習部と、
    を有する歪補償装置。
  2. 前記利得制御部は、前記フィードバック信号の最大レベルが前記入力信号の最大レベルと一致するように、前記フィードバック信号に適用する利得を決定する、
    請求項記載の歪補償装置。
  3. 前記学習部は、前記利得制御部によって利得制御が行われた前記フィードバック信号と前記プリディストータによって歪が付与された前記入力信号とに基づいて、前記プリディストータが使用する前記補償係数を更新する、
    請求項1または2記載の歪補償装置。
  4. プリディストータを用いて電力増幅器の非線形歪を補償する歪補償方法であって、
    ある期間内の前記電力増幅器からフィードバックされるフィードバック信号の最大レベルと前記ある期間内の前記電力増幅器に入力される前の入力信号の最大レベルとに応じて、前記フィードバック信号に適用する利得を決定して前記フィードバック信号それぞれの利得制御を行い、
    利得制御が行われた前記フィードバック信号を用いて、前記プリディストータが前記入力信号に対して適用する補償係数を更新する、
    歪補償方法。
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