JP6207421B2 - 造粒物の見掛け比重・気孔率の推定方法及び造粒プロセスの制御方法 - Google Patents
造粒物の見掛け比重・気孔率の推定方法及び造粒プロセスの制御方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6207421B2 JP6207421B2 JP2014029676A JP2014029676A JP6207421B2 JP 6207421 B2 JP6207421 B2 JP 6207421B2 JP 2014029676 A JP2014029676 A JP 2014029676A JP 2014029676 A JP2014029676 A JP 2014029676A JP 6207421 B2 JP6207421 B2 JP 6207421B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- belt conveyor
- specific gravity
- porosity
- deposition
- granulated product
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
Description
特許文献1は、簡便な測定操作で且つ精度良く、形状の不規則な多孔体の見掛比重測定方法を提供することを目的としたもので、多孔体の外表面を不透水性フィルムで真空密着包装したのち浮力測定法により見掛体積を算出し、その見掛体積で該試料の乾燥重量を除することにより試料の見掛比重を算出すると共に、気孔率は、見かけ比重を真比重で除して求める。
が実情である。
本発明の造粒物の見掛け比重・気孔率の推定方法は、鉱石の造粒プロセスにおいて造粒した造粒物を搬送するシードスクリーンと、前記シードスクリーンの下方に配備され且つ前記シードスクリーンからの造粒物が落下し堆積しながら運搬するベルトコンベアとを有し、前記シードスクリーンとベルトコンベアとのなす角が45度〜135度であるに際して、前記ベルトコンベア上において、前記ベルトコンベアの進行方向側の下流側から当該ベルトコンベアに堆積した造粒物群を見て、当該造粒物群の堆積層の上部の稜線、及び、造粒物の質量を測定することにより、前記造粒物の見掛け比重及び/又は気孔率を推定するものであって、
(1)前記堆積層の上部の稜線から得られる堆積ピーク高さの測定値、及び、予め求めておいた堆積ピーク高さと造粒物の粒度の標準偏差との関係を示す検量線から、堆積層中の造粒物の粒度の標準偏差を推定すること、
(2)堆積層の断面積を所定時間ごとに測定して、測定した断面積を積分することにより、堆積層の体積を求めること、
(3)(1)で推定した堆積層中の造粒物の粒度の標準偏差、及び、予め用意しておいた粒度の標準偏差と造粒物間の空間率との関係を示す近似式やデータベースから、堆積層中の造粒物の充填率を推定すること、及び、
(4)測定又は推定した質量、体積及び充填率から見掛け比重を算出すること
の(1)−(4)の全てを行うことにより、前記造粒物の見掛け比重及び/又は気孔率を推定することを特徴とする。
本発明の造粒プロセスの制御方法は、上述した造粒物の見掛け比重・気孔率の推定方法を用いて推定した造粒物の見掛け比重及び/又は気孔率に基づいて、鉱石の造粒プロセスを制御することを特徴とする。
鉱石は、焼成、か焼、還元、化合などの利用目的によって、所定の大きさの塊にする必要がある。鉱石を所定の大きさの塊にする処理として、造粒プロセスというものがある。
造粒プロセスでは、例えば、小さな粒状の鉱石、水及びバインダーを、回転するディスクペレタイザに投入し、これら原料(鉱石、水、バインダー)をディスクペレタイザ上で転動させることにより、鉱石(原料)を所定の大きさの塊にする。以降、造粒物プロセスで所定の大きさにした鉱石(原料)のことを造粒物という。
さて、転動造粒プロセスなどの造粒プロセスにおいて、所定の大きさの塊に形成された造粒物は、ベルトコンベアやパレット台車などの運搬機械に載せられて造粒プロセスから下工程に送られる。
図1に示すように、造粒物の見掛け比重を推定するにあたっては、ベルトコンベア等に堆積した造粒物の堆積形状を測定する(S1)。そして、測定した造粒物の堆積形状から造粒物堆積層の断面積を求める(S2)と共に、断面積を時間積分することにより造粒物堆積層の体積を求める(S3)。また、造粒物の堆積形状から造粒物の粒度の標準偏差を求める(S4)と共に、予め用意されたデータベースや検量線に基づいて充填率を求める(S5)。そして、測定した造粒物堆積層の体積と充填率とから最密充填後の造粒物堆積層の体積(見掛け体積)を求める(S6)。なお、この実施形態では、再現性よく安定した充填構造のことを最密充填と言う。
一方、造粒物の気孔率を推定するにあたっては、造粒物の原料配合や化学分析のデータを取得した後(S10)、取得したデータに基づき、造粒物の真比重式等により、造粒物の真比重を算出する(S11)。そして、造粒物の真比重と、造粒物の見掛け比重とから造粒物の気孔率を求める(S12)。
図2(a)(b)は、上段ベルトコンベアから下ベルトコンベアに造粒物を落下させて
いる状況を例示したものである。
このような上段ベルトコンベア1及び下段ベルトコンベア2を備えた運搬機械3において、例えば、造粒物の大きさが「大」、「中」、「小」が混在する造粒物群を、上段ベルトコンベア1から下段ベルトコンベア2に落下させたとする。
また、図4に示すように、造粒物を運搬機械3で運搬するにあたって、上段ベルトコンベア1の代わりに篩い部材4を採用することがある。篩い目部材4を採用した場合、篩い目部材4は、例えば、板材で構成され、この板材に篩い目が形成されたものとなる。
さて、工業規模の造粒プロセスで製造される造粒物は、先述のとおり、造粒物の大きさと、その大きさの造粒物の重量比率が正規分布に従って整理できることがわかっている。即ち、母集団である造粒物群の平均粒度を示す造粒物に関してはその重量比率が最も高くなると共に、造粒物群における個々の造粒物の粒度のバラツキの大小は正規分布における標準偏差の大小と同じであると考えられる。換言すれば、造粒物群の粒度分布は、母集団の平均粒度と標準偏差が求まれば推定が可能である。
そこで、発明者らは様々な角度から検証を行い、造粒物がベルトコンベア等の運搬機械
3上へ落下する際に分級して堆積するという特性と、造粒物群が正規分布に従う特徴的な粒度分布との両方に着目して運搬機械上に落下した造粒物群の堆積表面形状から推定することを見出した。
堆積形状とは、下段ベルトコンベア2に堆積した造粒物の輪郭を示したものである。詳しくは、堆積形状とは、下段ベルトコンベア2の正面(進行方向側の下流側)から当該下段ベルトコンベア2に堆積した造粒物群を見て、その堆積層の上部の稜線を示したものである。
器から造粒物までの距離を求め(TOF法による距離計測法)、この距離に基づいて測定してもよい。このように、非接触型の測定器を用いることによって、堆積表面形状を崩さずに対象物までの距離を測定することができる。また、運搬機械の幅方向に落下又は堆積完了した瞬間にレーザ光を照射することにより、運搬機械上の造粒物群の運搬方向単位長さ当たり、あるいは単位経過時間当たりで平均化した堆積形状を得られるようにすることが望ましい。
また、堆積ピーク位置及び堆積ピーク高さを有する粒度分布、即ち、図5に示すような粒度分布は、予め造粒プロセスを行い、造粒プロセスにて造粒した造粒物を運搬機械に落下させて、検量線を作成し、この検量線を用いることで堆積ピーク位置、堆積ピーク高さを、それぞれ平均粒度、標準偏差に換算して求める。検量線の作成方法は、例えば、運転中の運搬機械にて堆積ピーク位置、堆積ピーク高さを実測し、次に運搬機械を停止させて、運搬機械上の造粒物群をサンプリングする。サンプリングした造粒物群は、篩いにかけて粒度分布を実測し、平均粒度と標準偏差を求めておく。このような操作を複数の造粒条件にて実施することで、堆積ピーク位置と平均粒度の関係、堆積ピーク高さと標準偏差の関係を求めて、粒度分布を作成する。
図6〜13に基づいて、造粒物の堆積形状の測定、造粒物堆積層の断面積の算出、造粒物堆積層の体積の算出、標準偏差の算出を行う実操業についてさらに詳しく説明する。
図6は、製鉄用の造粒物を製造する造粒設備を例示したものである。
図7に示すように、運搬機械3は、上流側に設置されたディスクペレタイザ11に接続され且つ上下方向に傾斜するシードスクリーン(篩い部材)4と、このシードスクリーン4の下側で当該シードスクリーン4で篩いにかけられた生ボールを運搬するベルトコンベア12とから構成されたものである。
図8は、シードスクリーン4と、ベルトコンベア12とを上面から見たものである。
図8(a)は、シードスクリーン4とベルトコンベア12とのなす角が90度(シードスクリーン4とベルトコンベア12とが直交)である場合を示し、図8(b)及び(c)は、シードスクリーン4とベルトコンベア12とのなす角が135度である場合を示し、図8(d)は、シードスクリーン4とベルトコンベア12とのなす角が45度である場合を示している。なお、上述したように、シードスクリーン4とベルトコンベア12とのなす角は、両者を上面視(平面視)した状態において、シードスクリーン4の幅方向中心線とベルトコンベア12の幅方向中心線との角度のことである。
図9に示すように、ベルトコンベア12の上方に測定器13(レーザ距離計)を設置する。レーザ距離計のレーザ光の走査方向は、上述した図8に示した通りである。
まず、ベルトコンベア12の正面(進行方向側の下流側)から当該ベルトコンベア12を見た状態において、原点O(基準点)を定め、ベルトコンベア12の幅方向をX軸方向、ベルトコンベア12の上面(生ボールを載置する面)と直交する方向(X軸と直交する方向)をY軸方向とおく。なお、原点Oは、ベルトコンベア12の上面と同一平面上に設定することが望ましい。また、レーザ距離計の設置位置を座標系で表し、位置(Xf、Yf)とする。なお、レーザ距離計は、センサ部が回転しながら走査・測距を繰返すもので、例えば、北陽電機社製LX−04等である。
Xm=Xf+D×cos(π×β/180)
Ym=Yf−D×sin(π×β/180)
このように、複数の測定座標(Xm、Ym)を計測することにより、堆積ピーク位置や堆積ピーク高さを求めることができる。
レーザ距離計によって生ボールの堆積形状を測定するための視野を大きくすることができるものの、余りにもレーザ距離計をベルトコンベア12から離すと、レーザ距離計による最小測定角(例えば、LX−04の場合であれば約0.35°)に起因して測定間隔が大きくなり過ぎる。一方、レーザ距離計をベルトコンベア12に近づけすぎると、生ボールの堆積状況によっては、死角部分が発生して測定できない可能性がある。ゆえに、レーザ距離計とベルトコンベア12との距離は適正に設定することが必要ある。例えば、80t/時(1時間)で生ボールをシードスクリーン4から落下させてベルトコンベア12で運搬するものとし、ベルトコンベア12の幅を0.8mに設定した場合は、レーザ距離計とベルトコンベア12との距離を0.5mにする。ただし、レーザ距離計とベルトコンベア12との距離は、ベルトコンベア12上に堆積する生ボールの状況やレーザ距離計の性能によって適正に設定すればよく上述したものに限定されない。
造粒設備10のディスクペレタイザ11を用いて、生産量80t/時で生ボールを製造し、製造した生ボールを連続的にシードスクリーン4に供給する。また、シードスクリーン4を介してベルトコンベア12で生ボールを運搬する。例えば、ベルトコンベア12の運搬速度を50m/分とする。ベルトコンベア12で生ボールを運搬中に、レーザ距離計を用いてベルトコンベア12上に堆積した生ボールの堆積形状(堆積ピーク位置、堆積ピーク高さ)を測定する。生ボールがベルトコンベア12上を安定して流れている状況を確認し、所定時間後、造粒工程(造粒装置)を停止する。
表1は、実験番号1〜9の平均粒度と、標準偏差を求めた結果である。図10は、実験番号1における全生ボール重量に対する当該サイズの分級重量の比率である。
具体的には、ベルトコンベア12の運搬速度は50m/分であるため、当該ベルトコンベア12によって生ボールが2m進む時間(採取開始点から採取終了点まで進む時間)は2.4秒である。この間に、例えば、レーザ距離計は28ミリ秒で1回の走査を行うため、生ボールが2m進む間に約85回走査をし、85回分の計測情報が得られる。この85回分の計測情報を平均して、堆積形状を求める。図11は、実験番号1における生ボールの堆積層の稜線(堆積形状)を描いたものである。表2は、実験番号1〜9における堆積ピーク位置と堆積ピーク高さとをまとめたものである。
以上のように、堆積形状(表面形状)を実測することにより、造粒物堆積層の面積、体積及び造粒物の粒度の標準偏差を求めることができる。
さて、「球形粒子ランダム充てん層の配位数に及ぼす粒子径分布の影響、廣田ら、、粉体工学会誌39(9)、2002年、p656−661」の文献に示されているように、造粒物の標準偏差と、堆積層の空間率には一定の関係があって、標準偏差から空間率が推定できることが知られている。そのため、実機の造粒物の標準偏差と空間率の関係を予め測定して、近似式やデーターベースを作成することにより、ベルトコンベアに体積した造粒物堆積層の充填率を迅速に推定することが可能である。
「見掛け比重=造粒物堆積層の質量/見掛け体積」によって、造粒物の見掛け比重も求めることができる。さらに、造粒物の真比重が分かれば、造粒物の見掛け比重と真比重とにより造粒物の気孔率を求めることができる。
このように得られた真比重と、造粒堆積層の質量の測定から得られる見掛け比重を用いると、「気孔率=1−見掛け比重÷真比重」によって、気孔率が従来よりも短周期、迅速に推定することが可能である。
まず、造粒物堆積層の充填率の推定について説明する。上述した造粒物堆積層の体積には、各造粒物の体積と、各造粒物間の空隙とが含まれており、充填率と空隙率(ボイド率)とは、「充填率+空隙率=1」の関係にある。言い換えれば、図5に示したように、造粒物堆積層の稜線とベルトコンベアとで囲まれた空間(空隙を含む造粒物堆積層の体積)に、造粒物を最密充填したときの割合を充填率としている。例えば、造粒物がペレットである場合、充填率=ペレット見かけ体積(最密充填時の体積)÷ペレット堆積層の体積(空隙を含む造粒物堆積層の体積)で表すことができる。ここで、ペレット見かけ体積(ペレットの占める体積)とは、JIS−M8719で示されている体積測定方法により測定された体積である。
一般にペレット等の粒子が充填層を構成したときにおいて、空隙体積が充填層の体積に対する割合は、粒子の大きさのばらつきに影響されることが知られている。例えば、「球
形粒子ランダム充てん層の配位数に及ぼす粒子径分布の影響、廣田ら、、粉体工学会誌39(9)、2002年、p656−661」の文献には、図14に示すように、粒子の大きさの標準偏差と空隙率の関係が示されている。この実施形態では、前述したように、求めた標準偏差と、造粒物堆積層の体積(ペレット見かけ体積)を測定してその関係を求めた。
図17に示すように、従来法では、造粒プロセスにおいて直接、ペレットを採取して、見掛け比重をJISに示された方法、即ち、次に示す(1)〜(5)の手順で測定していた。
(1)予め決めた位置と方法により偏りなくペレットを4時間に1回採取する。1回の採取量は、偏りなく試料を選び出すため、1度に約5kgのペレットをサンプリングプローブで3回採取する。
(2)採取されたペレットはバットに広げて110℃の恒温槽に2時間以上保持して乾燥する。乾燥後のペレットを室温になるまで静かに置く。
(3)冷却後のペレットの表面を人間の目視で確認し、チップ等の付着がなく、割れやクラックが認められないペレットを選別する。これは、後工程の表面皮膜を形成するときの誤差を減らすためである。そして、約200g相当のペレットを偏りのないように選別すると、ペレットの重量を測定し記録する。
(4)ペレット1個づつを予め用意しておいたオレイン酸ナトリウム溶液に20分間漬ける。その後、ガーゼでオレイン酸を丁寧にふき取り、灯油に10秒間浸漬した後、自然乾燥させる。
(5)ペレット1個を予め用意した金属製のかごに入れる。かごとペレットを蒸留水の浴槽に入れて、重量を測定し、記録すると共に蒸留水の温度を測定する。そして、蒸留水の温度から密度を物理表を用いて算出する。
従来法において、見かけ比重は式(1)で求める。
見かけ比重(g/cm3)=乾燥ペレット重量(g)÷[乾燥ペレット重量(g)−ペレットとかごの水中重量(g)+かご水中重量(g)]×蒸留水の密度 ・・(1)
また、従来法において、真比重の推定は、JISM8717に従って行う。例えば、ペレット(生ペレット)の真比重は、鉱物組成等から容易に推定できる。予め測定しておいた原料鉱石類の真比重を配合比に従って加重平均した値から推定することができる。予め測定した原料鉱石類の真比重及び鉱石の割合が表3であったとする。
見掛け比重を求めると、真比重を推定して、「気孔率(−)=1−(見掛け比重÷真比重)」により気孔率を求める。
図19は、本発明の方法によって、求めた見掛け比重及び気孔率と、測定までの時間を示したものである。なお、見掛け比重及び気孔率は、10分ごとの平均値を示している、図19に示すように、従来法では、ポイントP1,P2,P3に示すように、4時間毎に気孔率が求められていたが、本発明では瞬時に気孔率を求めることができた。また、本発明は数秒で気孔率を求めることができる結果となっているが、従来法による気孔率との値を見比べて見ても同じ値となっていて、本発明は、従来法に比べて測定精度は低下するものとはなっていない。また、従来法では、試料採取後、約4時間後に報告されるが、本発明では、測定後数秒で報告される。さらに測定頻度が従来法よりも多いため、従来法では見逃してきた気孔率の変動を測定できることができる。
図20は、ペレットの気孔率の変化を示したものである。図20に示すように、ペレットの気孔率の範囲(管理値)が24〜27%とした。操作者は、ペレットの気孔率が管理値の範囲から外れないように、推定した気孔率(推定気孔率という)が管理値の下限値に近い24.5%を下回ったとき、或いは、推定気孔率が管理値の上限値に近い26.5を上回ったときに気孔率の修正操作を実施した。具体的には、図20に示すように、時間が70分のとき、推定気孔率は24.5%をなっているため、操作者は、気孔率を増加させる必要があると判断し、生ボールの製造を行うディスクペレタイザの回転数を8.4rpmから8.2rpmに0.2rpm低下させた。ここで、ディスクペレタイザの回転数を8.4rpmに低下させてから、10分経過しても、推定気孔率が増加しないため、操業者はディスクペレタイザの回転数をさらに、8.2rpmから8.0rpmへ低下させた。そうすると、ペレットの推定気孔率は増加した。また、180分の地点において、推定気孔率が26.5%を超えたので、操作者は、管理値の上限である27%に接近したと判断し、気孔率の低減のためディスクペレタイザの回転数を、8.0rpmから8.2rpmに増加させた、また、230分の地点において、推定気孔率が24.5%を下回ったために、気孔率を増加させるため、ディスクペレタイザの回転数を8.2rpmから8.0rpmに低下させた。さらに、380分の地点において、推定気孔率が26.5%を上回ったため、気孔率を低減するためディスクペレタイザの回転数を8.0rpmから8.2rpmに増加させた。このように、生ボールを製造する際のディスクペレタイザの回転数を推定気孔率に対応して変化させることにより、ペレットの気孔率を管理値内にすることができた。
図22は、ペレットの冷却設備から測定装置(レーザ距離計)までの経路を示したものである。
図23に示すように、鉄鉱石ペレットは冷却工程(クーラ等)23にて冷却された後、傾斜したシュート24を滑り落ちながら、ベルトコンベア25上に堆積する。シュート24の傾斜方向とベルトコンベア25の進行方向とは、約90度の角度となるように、シュート24及びベルトコンベア25は直交して配置されている。また、レーザ距離計13の走査方向と、ベルトコンベア25の進行方向とは直交している。
次に、ペレットの粒度の標準偏差と充填率に基づいて、ペレットの充填率を推定する。図27は、ペレットの粒度の標準偏差と充填率との関係を示した図である。充填率=0.019X3+0.152X2−0.367X+0.883となった。Xは標準偏差である。なお、変形例では、ペレットを製造する装置が上述した実施形態と異なるため、ペレットの粒度の標準偏差と充填率との関係は、図27に示す結果となった。
図28は、上述した変形例において求めた見掛け比重及び気孔率と、測定までの時間を示したものである。なお、見掛け比重及び気孔率は、5分ごとの平均値を示している、図28に示すように、従来法では、ポイントP4、P5に示すように、4時間毎に気孔率が求められていたが、本発明では瞬時に気孔率を求めることができた。また、本発明は数秒で気孔率を求めることができる結果となっているが、従来法による気孔率との値を見比べて見ても同じ値となっていて、本発明は、従来法に比べて測定精度は低下するものとはなっていない。また、従来法では、試料採取後、約4時間後に報告されるが、本発明では、測定後数秒で報告される。さらに測定頻度が従来法よりも多いため、従来法では見逃してきた気孔率の変動を測定できることができる。
なお、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する領域を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
2 下段ベルトコンベア
3 運搬機械
4 篩い目部材
10 造粒設備
11 ディスクペレタイザ
12 ベルトコンベア
20 グレートキルンシステム
21 グレート炉
22 キルン炉
23 クーラー
24 シュート
25 ベルトコンベア
26 ベルトスケール
27 ベルトコンベア
G 造粒物
G1 大造粒物
G2 小造粒物
G3 中造粒物
Claims (2)
- 鉱石の造粒プロセスにおいて造粒した造粒物を搬送するシードスクリーンと、前記シードスクリーンの下方に配備され且つ前記シードスクリーンからの造粒物が落下し堆積しながら運搬するベルトコンベアとを有し、前記シードスクリーンとベルトコンベアとのなす角が45度〜135度であるに際して、
前記ベルトコンベア上において、前記ベルトコンベアの進行方向側の下流側から当該ベルトコンベアに堆積した造粒物群を見て、当該造粒物群の堆積層の上部の稜線、及び、造粒物の質量を測定することにより、前記造粒物の見掛け比重及び/又は気孔率を推定するものであって、
(1)前記堆積層の上部の稜線から得られる堆積ピーク高さの測定値、及び、予め求めておいた堆積ピーク高さと造粒物の粒度の標準偏差との関係を示す検量線から、堆積層中の造粒物の粒度の標準偏差を推定すること、
(2)堆積層の断面積を所定時間ごとに測定して、測定した断面積を積分することにより、堆積層の体積を求めること、
(3)(1)で推定した堆積層中の造粒物の粒度の標準偏差、及び、予め用意しておいた粒度の標準偏差と造粒物間の空間率との関係を示す近似式やデータベースから、堆積層中の造粒物の充填率を推定すること、及び、
(4)測定又は推定した質量、体積及び充填率から見掛け比重を算出すること
の(1)−(4)の全てを行うことにより、前記造粒物の見掛け比重及び/又は気孔率を推定する
ことを特徴とする造粒物の見掛け比重・気孔率の推定方法。 - 請求項1に記載の造粒物の見掛け比重・気孔率の推定方法を用いて推定した造粒物の見掛け比重及び/又は気孔率に基づいて、鉱石の造粒プロセスを制御することを特徴とする造粒プロセスの制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014029676A JP6207421B2 (ja) | 2014-02-19 | 2014-02-19 | 造粒物の見掛け比重・気孔率の推定方法及び造粒プロセスの制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014029676A JP6207421B2 (ja) | 2014-02-19 | 2014-02-19 | 造粒物の見掛け比重・気孔率の推定方法及び造粒プロセスの制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015151623A JP2015151623A (ja) | 2015-08-24 |
JP6207421B2 true JP6207421B2 (ja) | 2017-10-04 |
Family
ID=53894200
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014029676A Expired - Fee Related JP6207421B2 (ja) | 2014-02-19 | 2014-02-19 | 造粒物の見掛け比重・気孔率の推定方法及び造粒プロセスの制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6207421B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3926056A4 (en) * | 2019-04-05 | 2022-04-06 | JFE Steel Corporation | METHOD AND DEVICE FOR POWDER RATE MEASUREMENT |
KR102667115B1 (ko) * | 2021-01-19 | 2024-05-22 | (주)코스모티어 | 광물 생산량 측정 시스템 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111398119B (zh) * | 2020-03-24 | 2022-08-16 | 中冶长天国际工程有限责任公司 | 一种透气性检测机器人系统及烧结过程控制方法、系统 |
CN112853088B (zh) * | 2021-01-05 | 2023-06-27 | 中冶长天国际工程有限责任公司 | 一种球团链箅机散料综合处理的方法及其处理系统 |
JPWO2022264612A1 (ja) * | 2021-06-18 | 2022-12-22 | ||
CN114812189B (zh) * | 2022-02-08 | 2023-10-10 | 河钢股份有限公司承德分公司 | 一种烧结机导料溜槽及使用方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5534213B2 (ja) * | 1974-03-15 | 1980-09-05 | ||
JPS5791732A (en) * | 1980-11-26 | 1982-06-08 | Kawasaki Steel Corp | Method for granulating powder stock material |
JPS5852445A (ja) * | 1981-09-24 | 1983-03-28 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 非焼成塊成鉱の製造方法 |
JP2005140526A (ja) * | 2003-11-04 | 2005-06-02 | Nippon Steel Corp | 空隙率測定方法および焼結鉱の製造方法並びに焼結ベッドの通気性予測方法 |
JP5521468B2 (ja) * | 2009-09-30 | 2014-06-11 | Jfeスチール株式会社 | 焼結原料装入状態検知装置、これを用いた焼結機及び焼結鉱の製造方法 |
-
2014
- 2014-02-19 JP JP2014029676A patent/JP6207421B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3926056A4 (en) * | 2019-04-05 | 2022-04-06 | JFE Steel Corporation | METHOD AND DEVICE FOR POWDER RATE MEASUREMENT |
KR102667115B1 (ko) * | 2021-01-19 | 2024-05-22 | (주)코스모티어 | 광물 생산량 측정 시스템 |
KR102667116B1 (ko) * | 2021-01-19 | 2024-05-22 | (주)코스모티어 | 광물 생산량 측정 시스템 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015151623A (ja) | 2015-08-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6207421B2 (ja) | 造粒物の見掛け比重・気孔率の推定方法及び造粒プロセスの制御方法 | |
JP6730186B2 (ja) | 粉体材料の選択的固化処理によりオブジェクトを構築するための装置及び方法 | |
JP6702293B2 (ja) | 鉄鋼スラグの処理方法 | |
CN114025889B (zh) | 从表面上拾取物体的装置和方法 | |
CN111968173A (zh) | 一种混合料粒度分析方法及系统 | |
JPH06127663A (ja) | ベルトコンベア上の粉粒塊状物の積載状態の測定方法及びコンベア蛇行制御方法 | |
CN111965081A (zh) | 一种混合料粒度分析装置及系统 | |
JP4887611B2 (ja) | 焼結鉱の製造方法および造粒粒子 | |
JP6988712B2 (ja) | 焼結鉱の製造方法 | |
JP6052803B2 (ja) | 造粒物の粒度推定方法及び造粒プロセスの制御方法 | |
JP6173247B2 (ja) | 造粒物の粒度・標準偏差の推定方法及び造粒プロセスの制御方法 | |
KR102290001B1 (ko) | 소결광의 제조 방법 | |
KR101921940B1 (ko) | 통기성 측정기 및 소결 장치 | |
Pandey et al. | Optimization of disc parameters producing more suitable size range of green pellets | |
JP2009291721A (ja) | 生ペレットの造粒機におけるスクレーパのメンテナンス時期の判断方法 | |
JP2020152964A (ja) | 希薄均一散水による造粒方法 | |
JP6146340B2 (ja) | 焼結原料の製造方法及び焼結原料の製造装置 | |
CN110546284A (zh) | 烧结矿的制造方法 | |
JP4230058B2 (ja) | 粉粒体の流動層処理方法 | |
JP2002221481A (ja) | 粒度測定装置 | |
JP6186442B2 (ja) | 特に尿素を生成する造粒塔および顆粒化方法 | |
JP6687145B1 (ja) | 造粒物の粒度予測方法 | |
Schulze et al. | Segregation | |
JP2016084511A (ja) | 焼結原料の事前処理方法 | |
JP2006126061A (ja) | 粉粒体の粒度分布計測方法および装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160901 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170412 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170425 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170615 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170905 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170905 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6207421 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |