JP2016084511A - 焼結原料の事前処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼結生産性を向上させながらも、NOx排出量の増加を抑制できる焼結原料の事前処理方法を提供する。【解決手段】鉄鋼製造用焼結鉱の製造に用いる凝結材を、生石灰及び消石灰のいずれか一方又は双方からなるバインダーと共に、水分の存在下で造粒して、0.5mmアンダーが40質量%以下、かつ、2.8mmオーバーが30質量%以下である造粒物とし、この造粒物を、造粒後の平均粒径が0.5mm以上5mm未満である他の焼結原料の造粒物に添加した後、焼結機へ供給する。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄鋼製造用焼結鉱の製造に用いる焼結原料の事前処理方法に関する。
焼結機において、生産性を改善するには、焼成速度の向上及び/又は歩留りの向上が必要である。なお、焼結機の生産性(トン/時間)は、「焼成速度(トン/時間)×歩留り(質量%)」で表される。また、歩留り(焼結鉱歩留り)は、焼成後に残存する、ふるい目6mmのふるい上(以下、6mmオーバー又は+6mmともいう)の割合で表される。
この焼結機による焼結では、上層部において熱量不足となり、歩留りが悪化する。
上記課題を解決するため、一般に焼結では、種々の偏析装入装置を用いて、凝結材の上層偏析を図っている。
一方、焼結では、凝結材が含む窒素分の一部がNOxとなって排ガス中に混入する。
このNOxは、大気汚染物質であることから、大気への排出については、濃度と量に規制が設けられている。一般に、焼結機の生産性(以下、焼結生産性ともいう)が増加すると、単位時間あたりに燃焼する凝結材量も増加するので、NOx発生量も増加する。
上記より、焼結においては、NOx発生量を抑制しつつ、焼結生産性を向上させる技術が求められている。
例えば、特許文献1には、焼結生産性の向上を目的として、造粒後の焼結原料に、未造粒(被覆なし)の凝結材を添加して、焼結機へ装入する方法が記載されている。
また、特許文献2には、生石灰や消石灰を用いて凝結材を被覆することにより、焼結機において、NOx転換率が高くなる比較的低温での凝結材の燃焼を抑え、凝結材を高温域で燃焼させることができる方法が記載されている。
特開2004−27327号公報 特開2012−172067号公報
しかしながら、前記従来の方法には、未だ解決すべき以下のような問題があった。
特許文献1には、凝結材の粒度に関する記載がなく、粒度によって生じる偏析作用までを考慮した最適設計とはなっていない。本発明者らの知見では、粗粒が多い凝結材を使用した場合、焼結機への偏析装入時に、凝結材のほとんどが下層に装入されるため、上層部の熱量不足により歩留りが悪化した。
更に、造粒後の焼結原料に未造粒の凝結材を添加する場合、凝結材周囲に鉄鉱石などの焼結原料が付着していない状態となるため、凝結材が低温で燃焼してしまう割合が多くなり、NOx排出量が顕著に増加する。
従って、特許文献1の方法には、焼結生産性の向上や、NOx排出量の抑制において、改善の余地がある。
また、特許文献2は、造粒後の凝結材について粒度に関する記載がなく、このような凝結材を焼結機へ装入する際の偏析作用までを考慮した最適設計とはなっていない。本発明者らの知見では、生石灰や消石灰を用いて事前に造粒され、しかも、細粒が多い凝結材造粒物を、搬送して焼結機へ装入する場合、搬送や偏析装入の過程で、凝結材造粒物が、粒径の大きな他の焼結原料(上記した生石灰や消石灰と凝結材を除く焼結原料)の造粒物に付着した。このため、焼結機への偏析装入時に、凝結材のほとんどが下層に偏析されることになり、上層部の熱量不足により歩留りが悪化した。
従って、特許文献2の方法には、焼結生産性の向上において、改善の余地がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、焼結生産性を向上させながらも、NOx排出量の増加を抑制できる焼結原料の事前処理方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る焼結原料の事前処理方法は、鉄鋼製造用焼結鉱の製造に用いる凝結材を、生石灰及び消石灰のいずれか一方又は双方からなるバインダーと共に、水分の存在下で造粒して、0.5mmアンダーが40質量%以下、かつ、2.8mmオーバーが30質量%以下である造粒物とし、該造粒物を、造粒後の平均粒径が0.5mm以上5mm未満である他の焼結原料の造粒物に添加した後、焼結機へ供給する。
本発明に係る焼結原料の事前処理方法において、前記凝結材と前記バインダーの造粒処理に、複数の圧密媒体を水平円筒容器に収納した振動造粒機を用いることが好ましい。
本発明に係る焼結原料の事前処理方法は、バインダーを用いて造粒した凝結材の造粒物の粒度とその割合を規定し、これを造粒後の平均粒径を規定した他の焼結原料の造粒物に添加して、焼結機へ供給するので、凝結材の造粒物を焼結機へ供給するに際し、その偏析効果を最大限に発揮させることができる。
従って、焼結生産性を向上させることができると共に、NOx排出量の増加を抑制できる。
本発明の一実施の形態に係る焼結原料の事前処理方法の説明図である。 焼結に使用した粉コークス造粒物の粒度分布と歩留り及びNOx転換率との関係を示す説明図である。 粉コークス造粒物中の+2.8mmの割合が歩留りに及ぼす影響を示すグラフである。 粉コークス造粒物中の+0.5mmかつ−2.8mmの割合が歩留りに及ぼす影響を示すグラフである。 粉コークス造粒物中の−0.5mmの割合がNOx転換率に及ぼす影響を示すグラフである。 粉コークス造粒物中の+2.8mmの割合がNOx転換率に及ぼす影響を示すグラフである。 粉コークス造粒物の他の焼結原料への添加位置が歩留りに及ぼす影響を示すグラフである。 (A)は粉コークス造粒物の造粒処理方法が歩留りに及ぼす影響を示すグラフ、(B)は粉コークス造粒物の造粒処理方法がNOx転換率に及ぼす影響を示すグラフである。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る焼結原料の事前処理方法は、凝結材造粒工程において、鉄鋼製造用焼結鉱の製造に用いる凝結材を、バインダーと共に水分の存在下で造粒して、0.5mmアンダーが40質量%以下、かつ、2.8mmオーバーが30質量%以下である造粒物(以下、凝結材造粒物ともいう)とし、この凝結材造粒物を、他の焼結原料造粒工程において造粒した、造粒後の平均粒径が0.5mm以上5mm未満である他の焼結原料の造粒物(以下、他の焼結原料造粒物ともいう)に添加した後、焼結機へ供給する方法である。
ここで、Xmmアンダー(以下、−Xmmとも記載)とは、ふるい目Xmmのふるい下を、Xmmオーバー(以下、+Xmmとも記載)とは、ふるい目Xmmのふるい上を、それぞれ意味する。
そして、凝結材としては、例えば、粉コークスや無煙炭等を使用でき、また、バインダーとしては、生石灰(CaO)及び消石灰(Ca(OH))のいずれか一方又は双方を使用できる。
以下、本発明の焼結原料の事前処理方法に想到した経緯について説明する。
[凝結材造粒物の粒度規定について]
本発明者らは、凝結材をバインダーと共に造粒した造粒物の粒度が、焼結鉱歩留り(以下、単に歩留りともいう)とNOx転換率に及ぼす影響について調査した。
実験は、以下の方法で行った。
まず、凝結材造粒工程において、粉コークス(凝結材)に対し、生石灰(バインダー)を外掛け(外分)で10質量%添加し、最終水分が内掛け(内分)で15質量%となるように水添加量を調整して、造粒機により造粒処理することで、粉コークス造粒物(凝結材造粒物)を得た。
ここで、粉コークスには、−0.5mmの微粉を50質量%含むものを使用した。
また、造粒機には、内径(直径)が1mのドラムミキサー試験機を用い、造粒処理は、回転数を20rpm(回/分)とし、造粒時間を5分間として、行った。
そして、得られた粉コークス造粒物に対して、ふるい分けを実施し、−0.5mm、+0.5mmかつ−2.8mm、及び、+2.8mmの各配合割合を調整して、他の焼結原料造粒物に添加する粉コークス造粒物として使用した。
上記した粉コークス造粒物の粒度は、造粒処理後の粉コークス造粒物を乾燥させた後(絶乾後)、JISZ8801−1に記載の公称目開き(0.5mmと2.8mm)のふるいに対し、300秒間ロータップシェーカーによる機械ふるい分けを行って(分級して)、ふるい上とふるい下を計測し、以下に示す式で算出した。
0.5mmアンダー:ふるい目0.5mmのふるいを用い、「(ふるい下の質量)/(ふるい上の質量+ふるい下の質量)×100(質量%)」で算出。
2.8mmオーバー:ふるい目2.8mmのふるいを用い、「(ふるい上の質量)/(ふるい上の質量+ふるい下の質量)×100(質量%)」で算出。
0.5mmオーバーかつ2.8mmアンダー:「100(質量%)−(0.5mmアンダーの質量%)−(2.8mmオーバーの質量%)」で算出。
一方、他の焼結原料造粒工程においては、表1に示す他の焼結原料を、上記した構成のドラムミキサー試験機を用い、回転数25rpmで4分間造粒処理することで、造粒後の平均粒径が3mmである他の焼結原料造粒物を得た。
ここで、表1に示した他の焼結原料とは、上記した凝結材造粒工程で使用した焼結原料、即ち、粉コークス及びこれに用いる生石灰(バインダー)以外の焼結原料である。なお、表1において、他の焼結原料の合計が100質量%とならないのは、上記した粉コークス造粒物を構成する粉コークス及び生石灰も含む全ての焼結原料の量を100質量%としていることによる。
Figure 2016084511
上記した他の焼結原料造粒物の平均粒径は、以下の方法で算出した。
サンプリングし乾燥させた他の焼結原料造粒物を、まず、9.5mm、8.0mm、6.7mm、4.75mm、2.8mm、2.0mm、1.0mm、0.5mmの各ふるいを記載順に用いて分級し、グループに分け、各グループについて代表径と質量比を求める(JIS Z8801−1「試験用ふるい−第一部:金属製網ふるい」参照)。そして、各グループごとに、代表径と質量比との積を算出し、それらの総和を他の焼結原料造粒物の平均粒径とする。ただし、代表径は、ふるい目9.5mmオーバーは12.5mm、ふるい目0.5mmアンダーは0.25mm、その他は、ふるい目の中心値(例えば、9.5mmアンダーかつ8.0mmオーバーのグループでは8.75mm)とした。
次に、前記した凝結材造粒工程で得られた粉コークス造粒物を、上記した他の焼結原料造粒工程で得られた他の焼結原料造粒物に対し、ベルトコンベア(搬送手段)上で添加し、更にベルトコンベアを6回乗り継がせた後、偏析装入装置により粒度偏析させて、鍋試験(焼結鍋試験)を行った。
ここで、上記した偏析装入装置とは、具体的には、特開2014−129570号公報に記載された装置(以下、ISFともいう)であり、その構成は、装入シュートの幅方向に間隔を有して配置され、造粒物の流下方向に延在する複数のバーを持ち、しかも、側面視して上下方向に隣り合うバーの間隔が、下流側にいくにつれて拡大しているものである。
そして、上記した鍋試験の結果から、歩留りとNOx転換率を算出した。
ここで、歩留りは、鍋試験で得られた焼成物を2mの高さから4回落下させ、+6mmの量を測定することで算出した(即ち、+6mmの残存率。ここでは、歩留り70質量%以上を歩留り良好と判断した)。
また、NOx転換率(NOxに転換した割合)は、上記した鍋試験時の排ガス流量と排ガス中に含まれるNOx濃度を測定してNOx発生量を算出し、予め分析しておいた焼結原料中の窒素分を100として算出した(ここでは、NOx転換率35%未満をNOx排出量が抑制できたと判断した)。
上記した実験結果を、図2〜図6に示す。
なお、図2は、上記した鍋試験に使用した粉コークス造粒物の粒度分布と、歩留り及びNOx転換率との関係を示す説明図であり、詳細には、以下のことを示している。
・三角形の各頂点は、粉コークス造粒物中の粒度、即ち、+2.8mm、−0.5mm、及び、+0.5mmかつ−2.8mmが、それぞれ100質量%である点を示している。
・三角形の各頂点に対向する辺及びこれに平行な線は、その頂点の粒度の割合が一定であることを示している。例えば、図2において、底辺に平行な線は、+2.8mmの割合が一定値のY質量%であることを意味している。
・三角形中の各記号、即ち、×印、▲印、△印、及び、○印は、表2に示す通りである。
Figure 2016084511
また、図3〜図6はそれぞれ、図2の結果を、部分的に取り出したグラフである。
図3は、粉コークス造粒物中の+0.5mmかつ−2.8mmの割合を30質量%で一定とした場合の+2.8mmの割合が歩留りに及ぼす影響を示すグラフである。
図4は、粉コークス造粒物中の+2.8mmの割合を20質量%で一定とした場合の+0.5mmかつ−2.8mmの割合が歩留りに及ぼす影響を示すグラフである。
図5は、粉コークス造粒物中の+2.8mmの割合を20質量%で一定とした場合の−0.5mmの割合がNOx転換率に及ぼす影響を示すグラフである。
図6は、粉コークス造粒物中の−0.5mmの割合を40質量%で一定とした場合の+2.8mmの割合がNOx転換率に及ぼす影響を示すグラフである。
<凝結材造粒物の粒度規定により、歩留りが向上する要因>
粉コークス造粒物を含む焼結原料の造粒物が、焼結機に装入される際、粒度の粗いものが下層に、一方、細かいものが上層に、それぞれ装入される。なお、偏析装入装置を使用している場合は、更にその傾向が強く現れる。
そのため、粉コークス造粒物中の+2.8mmは、略全量が下層に装入されるものと考えられる。そこで、図3に示すように、当該粒度の割合を30質量%以下とすることで、上層部の熱量不足が解消され、歩留りが改善される傾向がみられた(図2に示す三角形において、○印、△印、及び、×印が含まれる台形領域(▲印が含まれる三角形を除く領域))。
また、粉コークスを事前に生石灰や消石灰と共に造粒する場合、この粉コークス造粒物を焼結機に装入する際に、粉コークス造粒物中の−0.5mmも、他の焼結原料造粒物に付着して、下層に装入され易い。
上記より、粉コークス造粒物中の+0.5mmかつ−2.8mmが、上層部に最も偏析され易いこととなる。そこで、図4に示すように、当該粒度を30質量%以上含む粉コークス造粒物を使用することで、上層部の熱量不足が解消され、歩留りが改善される傾向がみられた(図2に示す三角形において、○印、△印、及び、▲印の一部が含まれる三角形領域(×印と他の▲印が含まれる台形を除く領域))。
従って、図2に示す三角形において、○印、△印、及び、×印が含まれる台形領域と、○印、△印、及び、▲印の一部が含まれる三角形領域との重複領域、即ち、図2に示す斜線部aの領域(○印と△印が含まれる台形領域)が、歩留り70質量%以上を確保できる領域となる。
なお、上記した焼結機における歩留り改善(粒度偏析)の効果は、粉コークス造粒物を、平均粒径が0.5mm以上5mm未満(好ましくは、下限が1mm、上限が4.5mm)である他の焼結原料造粒物に添加した場合において得られた。
<凝結材造粒物中の−0.5mmの粒度の割合の低下により、NOx低減効果が向上する要因>
粉コークスへ生石灰を被覆することによるNOx低減効果は、被覆層が均一に形成されるほど改善する。一方で、粉コークスの粒径が小さくなると比表面積が増加するため、使用する生石灰の量を一定とした前提では、粉コークス表面の被覆層の確保が困難となる。
粉コークス造粒物中の−0.5mmの割合の低下により、粉コークスの粒径の増加によって比表面積が低下するため、生石灰の被覆層が確保された粉コークス造粒物を増加させることができる。そこで、図5に示すように、当該粒度の割合を40質量%以下とすることで、NOxを低減できた。
また、上記した現象は、粉コークス造粒物中の−0.5mmの粒度の割合を40質量%で一定とし、他の粒度の割合を変更した場合、例えば、図6に示すように、粉コークス造粒物中の+2.8mmの粒度の割合を変更した場合でも、同様に得られた。
従って、図2に示す斜線部bの領域(○印と▲印が含まれる台形領域)が、NOx転換率35%未満を確保できる領域となる。
以上のことから、焼結生産性の向上とNOx排出量の抑制の両立を図るには、上記した斜線部aと斜線部bの重複領域、即ち、−0.5mmが40質量%以下(好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下)、かつ、+2.8mmが30質量%以下(好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下)である粉コークス造粒物を使用する必要がある。
なお、−0.5mmと+2.8mmの各割合の下限値については特に記載していないが、上記したように、+0.5mmかつ−2.8mmの粒度が焼結機の上層部に最も偏析され易いことから、0質量%でもよい(+0.5mmかつ−2.8mmが100質量%)。
上記した粉コークス造粒物の粒度は、例えば、造粒前の凝結材粒度や造粒時間、造粒水分等を変化させて、任意に調整することができる。
[凝結材造粒物の添加位置について]
次に、本発明者らは、凝結材造粒工程で得られた凝結材造粒物を、他の焼結原料造粒工程で得られた他の焼結原料造粒物に添加するタイミングが、焼結後の歩留りに及ぼす影響について調査した。
実験は、以下の方法で行った。
まず、粉コークスに生石灰を添加し、前記した「凝結材造粒物の粒度規定について」と同様の方法で造粒処理して、粉コークス造粒物を作製した。そして、得られた粉コークス造粒物に対して、ふるい分けを実施し、−0.5mmの微粉が35質量%、+2.8mmが25質量%となるように配合して、これを粉コークス造粒物として使用した。
この粉コークス造粒物に対し、他の焼結原料(前記した表1の成分)を混合するタイミングを、以下のように変化させた。
i)他の焼結原料の造粒(ドラムミキサー:DM)前:DM造粒前添加(比較例1)
ii)他の焼結原料の造粒中(造粒終了10秒前):DM造粒中添加(比較例2)
iii)他の焼結原料の造粒後(ベルトコンベア上):DM造粒後添加(実施例)
そして、上記したi)、ii)は、粉コークス造粒物と他の焼結原料との造粒後、iii)は、他の焼結原料造粒物への粉コークス造粒物の添加後に、ベルトコンベアを6回乗り継がせ、更に偏析装入装置(ISF)により粒度偏析させて、鍋試験を行い、焼結後の歩留りを測定し、比較した。
上記した他の焼結原料を造粒するドラムミキサーには、前記した内径が1mのドラムミキサー試験機を使用し、造粒処理は、回転数を25rpmとし、造粒時間を4分間として、行った。なお、i)、ii)においては、粉コークス造粒物も他の焼結原料と共に、ドラムミキサーで造粒処理した。
また、i)、ii)で得られた粉コークス造粒物を含む他の焼結原料造粒物の平均粒径は、iii)で得られた粉コークス造粒物を含まない他の焼結原料造粒物の平均粒径と同等であり、いずれも3mmであった。
図7に示すように、粉コークス造粒物の添加位置を、iii)とすることにより、i)、ii)とする場合と比較して、焼結後の歩留りが向上した。
これは、i)、ii)の場合、ドラムミキサーでの造粒中に、粉コークス造粒物が他の焼結原料造粒物中に埋没し、偏析装入時に、他の焼結原料造粒物に共連れして、下層に偏析される粉コークス量が増加したため、相対的に上層に装入される粉コークスの割合が低下したためと推定された。
一方、iii)のように、ドラムミキサーで造粒した後の他の焼結原料造粒物に対し、粉コークス造粒物を添加した場合、粉コークス造粒物が他の焼結原料造粒物中に埋没することがないため、上層に装入される粉コークス造粒物の割合が増加し、歩留りが改善したものと推定された。
[凝結材造粒物の造粒処理について]
上記した粉コークスと生石灰の造粒処理(凝結材造粒工程)では、ドラムミキサーを用いたが、造粒機の形態を限定するものではない。例えば、パンペレタイザーやマルメライザーなどの転動造粒機、アイリッヒミキサーやダウミキサーなどの撹拌型造粒機、等を使用することもできるが、特に、以下に示すように、複数のロッドや球等の圧密媒体を水平円筒容器に収納した、圧密作用の大きな振動造粒機を使用することが好ましい。
本発明者らは、粉コークスと生石灰の造粒処理に、ドラムミキサー試験機(ドラムミキサー)に替えて振動造粒機を用いた場合の歩留り及びNOx転換率について調査した。
ここでは、粉コークスを生石灰と共にドラムミキサーで造粒したサンプルと、粉コークスを生石灰と共に振動造粒機へ供給して造粒したサンプルとで、粒度の比較を行い、両方のサンプルを使用した鍋試験を実施した。この鍋試験により評価を行うにあたり、粉コークス造粒物に対して、ふるい分けなどの粒度調整を行うことなく、粉コークス造粒物を他の焼結原料造粒物にベルトコンベア上で添加した後、ベルトコンベアを6回乗り継がせ、更に偏析装入装置(ISF)による偏析実施後に鍋試験を行った(前記したiii)の方法)。
造粒処理の条件を以下に示す。
生石灰は、粉コークスに対し外掛けで10質量%添加し、水分は、最終水分が内掛けで15質量%となるように水添加量を調整した。
ドラムミキサー試験機には、前記した内径が1mのものを使用し、造粒処理は、回転数を20rpmとし、造粒時間を5分間として、行った。
また、振動造粒機には、直径300mmの水平円筒容器に50φの鋼製ロッド(圧密媒体の一例)を6本収納したものを使用し、造粒処理は、遠心加速度6Gの回転円振動を与え、造粒時間を5分間として、行った。
粉コークスと生石灰を振動造粒機で造粒した粉コークス造粒物は、粉コークス造粒物中の+2.8mmの割合を顕著に増加させることなく(21質量%→23質量%)、−0.5mmの割合を大幅に低減(30質量%→14質量%)することができた。これは、鋼製ロッドによる強加圧下での造粒となるため、粉同士を圧着する作用が働き、造粒性が改善されると共に、粒径の大きな造粒物が形成され難かったものと考えられる。
その結果、偏析時に上層に添加され易い+0.5mmかつ−2.8mmの粒度の粉コークスが多く(49質量%→63質量%)形成され、図8(A)に示すように、焼結後の歩留りが、ドラムミキサーを使用した場合よりも向上(75質量%→80質量%)した。
更に、上記した粉コークス造粒物を他の焼結原料の造粒物に添加して焼結した際に発生するNOx排出量を測定したところ、図8(B)に示すように、ドラムミキサーで造粒した場合と比較して、振動造粒機で造粒した場合では、NOx転換率が顕著に低下した。これは、粉コークス造粒物中の−0.5mmが低下したことに起因するものと推定される。
また、振動造粒機による造粒処理では、生石灰の被覆層が密になるため、低温下における粉コークスと酸素の接触を抑制し、低温燃焼が抑制されたことも、NOx低減効果改善の理由の一つであると考えられる。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の焼結原料の事前処理方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、凝結材造粒工程で得られた凝結材造粒物を、他の焼結原料造粒工程で得られた他の焼結原料造粒物に対し、ベルトコンベア上で添加した場合について説明したが、凝結材造粒物の他の焼結原料造粒物への添加位置は、他の焼結原料の造粒後(他の焼結原料造粒物を作製した後)であれば、特に限定されるものではない。
前記実施の形態においては、凝結材造粒物を添加した他の焼結原料造粒物を焼結機へ装入するための偏析装入装置として、ISFを用いる場合について説明したが、他の偏析装入装置を使用することもでき、また、偏析装入装置を使用しないこともできる。これは、焼結機への装入に、単なるシュートを用いても、シュートの流下中に、上記したISFを用いた場合と同様な造粒物の偏析現象が起こることによる。

Claims (2)

  1. 鉄鋼製造用焼結鉱の製造に用いる凝結材を、生石灰及び消石灰のいずれか一方又は双方からなるバインダーと共に、水分の存在下で造粒して、0.5mmアンダーが40質量%以下、かつ、2.8mmオーバーが30質量%以下である造粒物とし、該造粒物を、造粒後の平均粒径が0.5mm以上5mm未満である他の焼結原料の造粒物に添加した後、焼結機へ供給することを特徴とする焼結原料の事前処理方法。
  2. 請求項1記載の焼結原料の事前処理方法において、前記凝結材と前記バインダーの造粒処理に、複数の圧密媒体を水平円筒容器に収納した振動造粒機を用いることを特徴とする焼結原料の事前処理方法。
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