JP6369113B2 - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、焼結鉱の製造方法に関する。
製銑プロセスで原料となる鉄鉱石のうち、粒度が10mm以下(例えば1〜3mm)となる粉鉱石は粒度が小さいので、そのまま高炉に投入されると、高炉内の目詰まりの原因となる可能性がある。即ち、粉鉱石によって高炉内での還元ガスの流路が妨げられる可能性がある。そこで、粉鉱石は、そのまま高炉に投入されるのではなく、凝結材(粉コークスや無煙炭等の炭材)、副原料(石灰石、橄欖岩、蛇紋岩、珪石等)および雑原料(スケール等)と共に焼き固められた焼結鉱として高炉に投入される。以下、焼結鉱の製造に使用される原料を総称して焼結用原料とも称する。また、すべてまたは一部の焼結用原料が所定の比率で配合された原料を配合原料とも称する。
また、近年、高品位の粉鉱石(ヘマタイトを多く含む粉鉱石)の供給量が低減してきたこと等に鑑み、ペレットフィード(以下、「PF」とも称する)を焼結用原料として使用することが期待されている。PFは、元来鉄分の含有量が少ない原鉱を粒度が0.1mm以下になるまで粉砕し、粉砕した原料を選鉱して鉄分を高めることで製造される精鉱である。このような精鉱は、微粉であるため、通常ペレット(焼成ペレット)用原料として用いられるが、一部は焼結用原料として流通している。以下、粉鉱石及びPFを総称して焼結用鉄鉱石とも称する。
焼結用鉄鉱石は、焼結鉱の生産性を高めることを目的として、凝結材、及び副原料の他、必要に応じて生石灰等のバインダと共に造粒される。PFは、粉鉱石よりも粒度が小さいので、造粒が特に重要になる。バインダを焼結用鉄鉱石の造粒に使用すると、焼結用鉄鉱石の擬似粒化を促進し、焼結用鉄鉱石と他の原料とを強固に結合することができる。したがって、焼結用鉄鉱石よりも粒度の大きい造粒物(擬似粒子)が作製されるので、充填層内の通気を十分に確保できる。この結果、焼結鉱の生産性を向上することができる。
特許文献1〜3には、このようなバインダに関する技術が開示されている。いずれの文献でも、造粒システム(造粒を行うシステム)内で生石灰を水和(消化)することで消石灰とし、この消石灰がバインダとして作用するとされる。具体的には、特許文献1では、生石灰を湿式粉砕することで消石灰スラリーを作製する。そして、この消石灰スラリーを他の焼結用原料(粉鉱石、凝結材、及び副原料)と混合し、混合物の造粒を行う。特許文献2では、生石灰を含む返鉱に水を加えることで返鉱内の生石灰を消石灰とする。そして、消石灰を含む返鉱を他の焼結用原料(粉鉱石、凝結材、及び副原料)と混合し、混合物の造粒を行う。特許文献3では、特定の銘柄の粉鉱石、凝結材、副原料、及び生石灰を混合し、混合物の造粒を行う。造粒の際に水が混合物に投入されるので、生石灰は造粒時に消化される。
特開昭62−56533号公報 特開平1−168825号公報 特開昭61−177334号公報
従来の技術では、生石灰の消化に要する時間については特に考慮されておらず、造粒システム内で生石灰の消化を非常に短時間で行なっていた。例えば、特許文献3に開示された技術では、造粒中に生石灰の消化が行われるが、この造粒は短時間で行われる。また、造粒は例えばドラムミキサー内で行われる。そして、ドラムミキサー内に単位時間当りに投入される焼結用原料及び生石灰が増加するほど、生石灰のドラムミキサー内での滞在時間が相対的に減少する。すなわち、生石灰と水との接触時間が相対的に減少する。
従来の技術では、生石灰の消化を短時間で行った場合であっても、生石灰は造粒中に完全に消化していると考えられていた。このため、生石灰と、生石灰を完全に消化する(例えば生石灰の総質量の99質量%以上を消化する)ことで作製された消石灰とではバインダとしての機能に差はないと考えられていた。
しかし、本発明者が両者の特性について詳細に検討したところ、消石灰は生石灰よりもバインダとしての機能(造粒作用)が高いことを見出した。例えば、焼結用原料と生石灰との混合物を造粒することで作製された造粒物は、焼結用原料と消石灰との混合物を造粒することで作製された造粒物よりも擬似粒化指数が低いことが判明した。この理由としては、従来の技術では、生石灰の消化を非常に短時間で行なっているため、実際は生石灰が完全に消化していないことが考えられる。
このような知見によれば、単に焼結用原料に消石灰を混合すればよいとも考えられる。しかし、本発明者が消石灰についてさらに検討を重ねたところ、凝結材を含む焼結用原料に消石灰を混合した場合、焼結鉱の生産性(生産率)及び成品歩留がむしろ悪化する結果となった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、焼結鉱の生産性及び成品歩留を向上することが可能な、新規かつ改良された造粒システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数の造粒ラインを用いて焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法において、第1の焼結用鉄鉱石を含み、かつ凝結材を除く第1の焼結用原料と、生石灰及び消石灰のうち、少なくとも消石灰を含むバインダとを第1の造粒ラインで造粒することで、消石灰使用造粒物を作製する工程と、第2の焼結用鉄鉱石、生石灰、及び凝結材を含む原料を第2の造粒ラインで造粒することで、生石灰使用造粒物を作製する工程と、消石灰使用造粒物及び生石灰使用造粒物を焼結機に搬送する工程と、を含むことを特徴とする、焼結鉱の製造方法が提供される。
好ましくは、第1の造粒ラインに投入される消石灰の量は、第1の焼結用原料に含まれる−0.25mm粒子の第1の焼結用原料の総質量に対する質量(C−0.25)に応じて調整される。すなわち、バインダの総質量に対する消石灰の質量(S)を、C−0.25が67.4質量%未満の場合は100とし、C−0.25が67.4質量%以上の場合は222−1.81C−0.25 ≦S≦161−0.91C−0.25の範囲内の値とすることが好ましい。
ここで、第1の焼結用鉄鉱石は、ペレットフィード含んでいてもよい。
以上説明したように本発明によれば、第1の造粒ラインでは、第1の焼結用鉄鉱石を含み、かつ凝結材を除く第1の焼結用原料と、消石灰とを造粒することで、凝結材を含まない消石灰使用造粒物を作製する。そして、第2の造粒ラインでは、第2の焼結用鉄鉱石、凝結材、副原料、及び生石灰を含む原料造粒することで、凝結材を含む生石灰使用造粒物を作製する。このように、凝結材を使用しない第1の造粒ラインではバインダとして消石灰を使用することで、消石灰の優れたバインダ機能を活用する。一方、凝結材を使用する第2の造粒ラインでは、バインダとして生石灰を使用することで、凝結材の燃焼不良を抑制する。
このように、本発明では、消石灰及び生石灰を適切なラインで使用することで、消石灰の高いバインダ機能(造粒効果)を効果的に活かしつつ、消石灰によるデメリット(凝結材の燃焼不良)を抑制している。したがって、焼結鉱の生産性及び成品歩留が向上する。
テスト用造粒物の一部を拡大して示す光学顕微鏡写真である。 本実施形態に係る造粒システムの一例を示す模式図である。 本実施形態にて第1の焼結用原料中の微粉割合に応じて決定される生石灰消化率の好ましい範囲を示すグラフである。 生石灰消化率Sの調整を消化ミキサー等の消化設備で行う際の、ミキサー撹拌時間と消化率の相関を示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.本発明者が得た知見>
本発明者は、粉鉱石を造粒するための消石灰及び生石灰について鋭意検討した結果、本実施形態に係る焼結鉱の製造方法およびそれを実現するための造粒システムに想到するに至った。そこで、まず、本発明者が行った検討について説明する。
(擬似粒化指数の対比)
本発明者は、単一ラインからなる造粒システムに、バインダとして生石灰を17.6kg/ts(成品焼結鉱1t当り17.6kg)投入することで、基準造粒物(BASE)を作製した。ここで、単一ラインからなる造粒システムでは、まず、凝結材を含む焼結用原料とバインダとの混合物(配合原料)がドラムミキサーに投入される。ドラムミキサーは、当該配合原料を造粒することで、造粒物を作製する。また、本発明者は、同じ造粒システムに、バインダとして生石灰換算で17.5kg/tsの消石灰を投入することで、テスト用造粒物(TEST)を作製した。
そして、本発明者は、各造粒物の擬似粒化指数(G.I.)を算出した。その結果、一定の生石灰換算値で比較した場合、BASEの擬似粒化指数が89.8であるのに対して、TESTのそれは92.7であり、消石灰は造粒中に消化した生石灰よりもバインダとしての機能が高い。
ここに、擬似粒化指数は、以下の数式(1)により算出される。
G.I.={(造粒前の粒度0.25mm以下の配合原料の比率−造粒後の粒度0.25mm以下の配合原料の比率)/(造粒前の0.25mm以下の配合原料の比率)}×100・・・(1)
造粒前の粒度0.25mm以下の配合原料の比率とは、ドラムミキサー投入前の配合原料全体に占める粒度0.25mm以下の配合原料の割合(質量%)である。造粒後の粒度0.25mm以下の配合原料の比率とは、造粒後の配合原料、すなわち造粒物の全体に占める粒度0.25mm以下の造粒物の割合(質量%)である。式(1)が示すように、擬似粒化指数が高いほど、造粒物の粒度が大きい、すなわち、造粒に使用したバインダの機能が高いといえる。
ここで、本実施形態での粒度は、例えば目開きの大きさが異なる篩を用いて測定される。上述したG.I.の測定においては、目開きが0.25mmの篩を用意し、測定対象の配合原料をこの篩にかける。この篩を通過した配合原料は、粒度が0.25mm以下となる。後述する実施例及び比較例では、目開きの大きさが異なる篩を用いて粒度を測定した。本実施形態において、粒度が0.25mm以下となる粒子を、「−0.25mm粒子」、あるいは「微粉」とも称する。粒度が0.1mm以下の粒子を「微粉」と称する場合もある。
(成品歩留の対比)
擬似粒化指数が高いほど、造粒物の粒度が高くなるので、充填層(焼結機内に形成される造粒物の層)の通気度が高くなる。したがって、テスト用造粒物を使用して作製した焼結鉱(以下、「テスト用焼結鉱」とも称する)の成品歩留は、基準造粒物を使用して作製した焼結鉱(以下、「基準焼結鉱」とも称する)の成品歩留よりも高くなることが予想される。
しかし、テスト用焼結鉱(TEST)の成品歩留が81.1質量%であるのに対し、基準焼結鉱(BASE)の成品歩留は78.5質量%とむしろ悪化した。このように、バインダとして消石灰を使用した場合、生産率は維持できても焼結鉱成品歩留が低下する。
ここに、成品歩留は、以下で求められる。まず、テスト用造粒物及び基準造粒物をそれぞれ焼結試験装置(鍋試験装置)に投入することで、焼結ケーキを作製する。焼結ケーキを2mの高さから5回落下させた後、粒度が5mm以上の焼結鉱を成品として篩分けし、その後秤量することで、焼結鉱の総質量に対する成品の質量比を取得し、その質量比を成品歩留とする。
(歩留低下の原因)
本発明者は、この原因を突き止めるため、テスト用造粒物を光学顕微鏡で観察した。この結果、本発明者は、凝結材の表面に焼結用鉄鉱石の微粉成分(粒度が0.1mm以下の成分)が消石灰により厚く結着していることを突き止めた。図1に光学顕微鏡写真を示す。図1中、破線105で囲まれた部分が凝結材100となっており、凝結材100の表面に微粉成分110が結着している。凝結材は鉄鉱石よりも水に対する親和性が低いので、造粒されにくい。しかし、消石灰は生石灰よりも粒度が小さく、バインダとしての機能が非常に強いため、凝結材も造粒してしまう。
造粒された凝結材は、焼結機内で燃焼不良を起こす。このため、テスト用造粒物が高い擬似粒化指数を示すのに反して、テスト用焼結鉱の成品歩留が悪化したと考えられる。なお、基準造粒物においても、生石灰は造粒中に消化することで消石灰となっているので、凝結材の表面に微粉成分が結着しているとも考えられる。しかし、本発明者が基準造粒物を観察したところ、そのような事例はほとんど見受けられなかった。基準造粒物では、生石灰の消化が短時間で行われるため、消石灰の量自体が少ない。したがって、消石灰は、粉鉱石をある程度造粒することはできるが、凝結材の表面に微粉成分を結着させるまでには至らないと考えられる。
このように、消石灰は、生石灰よりもバインダとしての機能が非常に強いが、その一方で凝結材をも造粒してしまうという短所も有する。そこで、本発明者は、消石灰の優れたバインダ機能を有効に活用する方法を検討した。この結果、本発明者は、造粒ラインを複数用意し、ラインごとに凝結材の有無及びバインダの種類を変更することに想到し、このような知見の下、本実施形態に係る焼結鉱の製造方法及びそれを実現するための造粒システムに想到した。以下、本実施形態に係る造粒システムについて説明する。
<2.造粒システムの構成>
次に、図2にもとづいて、本実施形態に係る造粒システム10の構成について説明する。造粒システム10は、第1の造粒ライン(サブライン)10Aと、第2の造粒ライン(メインライン)10Bと、造粒物搬送ライン15bと、を有する。第1の造粒ライン10Aで行われる処理は第1の造粒処理とも称される。第2の造粒ライン10Bで行われる処理は第2の造粒処理とも称される。
(第1の造粒ラインの構成)
第1の造粒ライン10Aは、消石灰を用いて第1の焼結用鉄鉱石を造粒するラインである。具体的には、第1の造粒ライン10Aは、生石灰供給ホッパ11aと、生石灰搬送ライン12aと、消化混練ミキサー13aと、消石灰供給ライン14aと、第1の焼結用原料供給ホッパ15aと、第1の配合原料供給ライン16aと、高速撹拌ミキサー17aと、パンペレタイザ18aと、消石灰使用造粒物供給ライン19aとを備える。
(消化ライン)
生石灰供給ホッパ11aは、生石灰を生石灰搬送ライン12aに供給する。生石灰搬送ライン12aは、生石灰を消化混練ミキサー13aに供給する。消化混練ミキサー13aは、生石灰が所定の消化率となるように、生石灰と水とを混練する。これにより、予め消化した生石灰、すなわちバインダを製造する。バインダは、少なくとも消石灰を含む。バインダは、生石灰が完全に消化されなかった場合(消化率<100%の場合)には、未消化の生石灰も含む。消化率は、バインダに含まれる消石灰のバインダの総質量に対する質量比である。また、消化率は、バインダが石灰供給ライン14aから第1の配合原料供給ライン16aに投入された際の消化率、すなわち投入時消化率を意味する。消化率は、予め消化した生石灰のサンプルを950℃超に加熱し、脱水がなされる前後の重量変化の測定や、断熱された既定量の水にサンプルを浸漬、撹拌した場合の発熱量変化を未消化生石灰量として測定する等、種々の方法によって測定可能である。
このように、本実施形態でも、生石灰を造粒システム10内で消化させる。石灰供給ライン14aは、消化混練ミキサー13aで予め消化した生石灰、すなわちバインダを第1の配合原料供給ライン16aに供給することで、バインダと第1の配合原料供給ライン16a上の第1の焼結用鉄鉱石とを混合する。なお、消石灰を予め用意し(例えば購入し)、消石灰と生石灰とを混合することでバインダを作成してもよい。そして、このバインダを焼結用原料供給ホッパ15aから第1の配合原料供給ライン16aに供給するようにしてもよい。
(生石灰の消化率の好ましい範囲)
ここに、生石灰の消化率は、第1の焼結用原料に含まれる−0.25mm粒子の第1の焼結用原料の総質量に対する質量比(以下、「−0.25mm粒子の質量比」とも称する)に応じて、次のよう調整するのがよい。
図3は、−0.25mm粒子の質量比(横軸)と、投入時消化率(縦軸)との対応関係を示す。図3の網掛け部分(領域A)は、−0.25mm粒子の質量比に対して好ましい投入時消化率を示す。−0.25mm粒子の質量比(質量百分率)をC−0.25、投入時消化率[%]をSとすると、領域Aは以下の数式(2)及び(3)を用いて表す事が出来る。以下の式は、後述の実施例の結果から定められたものである。
−0.25が67.4質量%未満の場合、
S=100 ・・・(2)
−0.25が67.4質量%以上の場合、
222−1.81C−0.25≦S≦161−0.91C−0.25 ・・・(3)
上記のように−0.25mm粒子の質量比が67.4%以上の場合には、消化率を低減する方が好ましい。この理由を次に記す。バインダは第1の焼結用原料中に均一に分散してこそその機能が十分発揮される。第1の焼結用原料中の比較的粗い粒子は、この分散を促進する働きがある。しかし、第1の焼結用原料中の微粉量(すなわち、−0.25mm粒子の質量)が過大となると、この分散作用が低下して、バインダは、その機能を十分な機能を発揮出来なくなる。特に、消石灰は、生石灰に比較して粒度が小さいことから、この影響を受けやすいと考えられる。従って、生石灰を消化することでバインダを作製する場合、生石灰を完全に消化してしまうよりも一部未消化とする、つまり粗い粒子を一部残す方がバインダをより確実に第1の焼結用原料中に分散出来る。
(消化率を調整する方法)
生石灰の消化率の調整は、消化混練ミキサー13aにおける水の添加量及び混練時間を調整することで可能である。一例を図4に示す。図4は、プロシェアミキサー(一軸消化混練機)による撹拌時間(混練時間、横軸)と、生石灰の消化率との対応関係を示す。プロシェアミキサーは消化混練ミキサー13aの一例である。図4に示すように、プロシェアミキサーの処理時間を25〜150秒の範囲内とすることで、消化率50〜75%の生石灰を作製することが可能である。消化混練ミキサー13aで予め消化調整がなされた生石灰、すなわちバインダを第1の配合原料供給ライン16aに供給する。
また、第1の焼結用原料供給ホッパ15aに生石灰と消石灰を個別に用意し、それらの添加比率を調整することで、第1の配合原料供給ライン16aに供給する生石灰の消化率を調整しても良い。
(第1の焼結用原料)
第1の焼結用原料供給ホッパ15aは、第1の焼結用原料、すなわち第1の焼結用鉄鉱石を第1の配合原料供給ライン16aに供給する。ここで、第1の焼結用鉄鉱石は、焼結鉱の原料となる鉄鉱石であれば特に制限されない。ただし、造粒システム10を用いて難造粒性粉鉱石及びPFのうち少なくとも一方を造粒する場合、これらの鉄鉱石は第1の焼結用鉄鉱石として第1の造粒ライン10Aで処理されることが好ましい。これらの鉄鉱石は他の粉鉱石(汎用の粉鉱石)よりも造粒しにくいので、これらの鉄鉱石を造粒する際には予め消化した生石灰及び/又は消石灰による強力なバインダ効果を活用することが好ましいからである。尚、第1の造粒ラインで、さらに副原料、雑原料、返鉱を使用してもよい。
ここで、難造粒性粉鉱石を「新日鐵技報第384号(2006年,p20−27、岡崎ら)」(以下、「参考文献」と称する)を引用して説明する。難造粒性粉鉱石は、例えば粒度1mm以下の粒子の最大付着力が15(g/cm)以下となる粉鉱石となる。参考文献の図8中、「Ore W」、「Ore A」、「Ore B」、及び「Ore G」が難造粒性粉鉱石となる。なお、「Ore W」はマラマンバ鉱石である。すなわち、難造粒性粉鉱石は、粒度が比較的大きい(例えば1〜3mm程度の)粒子と、粒度1mm以下の粒子とを含んでおり、粒度1mm以下の粒子が難造粒性となっている。すなわち粒度1mm以下の粒子は他の粒子から遊離しやすい。また、粒度が比較的大きい粒子は、粒度1mm以下の粒子をほとんど吸着することができない。
(第1の造粒ラインの運転方法)
第1の配合原料供給ライン16aは、第1の焼結用鉄鉱石及びバインダの混合物、すなわち第1の配合原料を高速撹拌ミキサー17aに供給する。このバインダは、上述したように、生石灰を消化することで作製されたものなので、少なくとも消石灰を含む。生石灰の消化率が100%未満の場合、バインダは生石灰と消石灰との混合物となる。高速撹拌ミキサー17aは、第1の配合原料を混練することで、配合原料混練物を作製する。配合原料混練物は、所定量の水が添加された後、パンペレタイザ18aに供給される。パンペレタイザ18aは、配合原料混練物を造粒することで、消石灰使用造粒物を作製する。消石灰使用造粒物は、第1の焼結用鉄鉱石、バインダ、及び水を含む造粒物である。したがって、消石灰使用造粒物は、凝結材を含まない。消石灰使用造粒物供給ライン19aは、消石灰使用造粒物を造粒物搬送ライン15bに供給する。
(第2の造粒ラインの構成)
第2の造粒ライン10Bは、生石灰及び凝結材を用いて第2の焼結用鉄鉱石を造粒するラインである。具体的には、第2の造粒ライン10Bは、第2の焼結用原料供給ホッパ11bと、生石灰供給ホッパ12bと、第2の配合原料供給ライン13bと、ドラムミキサー14bとを備える。
第2の焼結用原料供給ホッパ11bは、第2の焼結用原料、すなわち第2の焼結用鉄鉱石、凝結材、副原料、及び返鉱等を第2の配合原料供給ライン13bに供給する。ここで、第2の焼結用鉄鉱石は、焼結鉱の原料となる鉄鉱石であれば特に制限されない。例えば、第2の焼結用鉄鉱石は第1の焼結用鉄鉱石と同じであっても、異なっていてもよい。造粒システム10を用いて難造粒性粉鉱石及びPFのうち少なくとも一方を造粒する場合、これらの鉄鉱石は第1の造粒ライン10Aで優先的に処理されることが好ましい。ただし、第1の造粒ライン10Aの処理能力を超えた分の難造粒性粉鉱石及びPFは、第2の焼結用鉄鉱石として第2の造粒ライン10Bで処理されてもよい。処理形態の一例として、難造粒性粉鉱石及びPFを第1の造粒ライン10Aで処理し、難造粒性粉鉱石及びPF以外の粉鉱石(すなわち汎用の粉鉱石)を第2の造粒ライン10Bで処理することが挙げられる。なお、凝結材とPFとは別の造粒ラインで処理されることが望ましい。凝結材の表面にPFが付着することを抑制するためである。
生石灰供給ホッパ12bは、生石灰を第2の配合原料供給ライン13bに供給することで、生石灰を第2の焼結用原料と混合する。第2の配合原料供給ライン13bは、第2の焼結用原料及び生石灰の混合物、すなわち第2の配合原料をドラムミキサー14bに供給する。
ドラムミキサー14bは、第2の配合原料に水を添加し、これらを造粒することで、生石灰使用造粒物を作製する。生石灰使用造粒物は、第2の焼結用原料、消石灰(ドラムミキサー内で生石灰が水和することで生成されたもの)、及び水を含む。造粒物搬送ライン15bは、消石灰使用造粒物と生石灰使用造粒物との混合物を焼結機に供給する。
このように、図2に示す例では、消石灰使用造粒物はドラムミキサー14bに投入されないが、消石灰使用造粒物はドラムミキサー14bに投入されてもよい。すなわち、消石灰使用造粒物供給ライン19aは、第2の配合原料供給ライン13bに接続されてもよい。ただし、図4に示す例の方が、消石灰使用造粒物を崩壊させない点で、好ましい。
<3.焼結鉱の製造方法>
上記の造粒システム10を用いた焼結鉱の製造方法は以下のとおりである。すなわち、第1の造粒ラインでは、第1の焼結用原料と、バインダとを含む第1の配合原料を造粒することで、消石灰使用造粒物を作製する。一方、第2の造粒ラインでは、第2の焼結用鉄鉱石、生石灰、及び凝結材を含む第2の配合原料を造粒することで、生石灰使用造粒物を作製する。そして、造粒物搬送ライン15bでは、消石灰使用造粒物及び生石灰使用造粒物を焼結機に搬送する。焼結鉱では、消石灰使用造粒物及び生石灰使用造粒物を焼結することで、焼結鉱を作製する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、造粒ラインを2ラインとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、造粒ラインは3ライン以上あってもよい。
本実施形態の実施例について説明する。本実施例では、以下の手順に従って焼結鉱を作製することで、図2に示す造粒システム10を擬似的に再現した。
(焼結鉱作製処理)
(原料配合)
実験に使用した原料の配合を表1に示す。表1中の配合に関する数値は「新原料合計」に対する質量%を示し、返鉱及び凝結材の数値は外数である。また、ブラジル産鉄鉱石AはPFFTであり、豪州産鉄鉱石Cはマラマンバである。他の鉄鉱石B、D、Eは汎用の粉鉱石(難造粒性でない粉鉱石)である。ここでは予め消化した石灰の代替として、市販の消石灰と生石灰の混合物を使用した。
(第1の造粒処理)
第1の焼結用原料(第1の焼結用鉄鉱石。ここでは表1に示す鉄鉱石A、B。)、及びバインダとして消石灰及び/又は生石灰を、表1の「サブ」に示す配合割合で配合した。これにより、第1の配合原料を作製した。そして、前記第1の配合原料を、万能混練機を用いて、3分混練(撹拌)した。これにより、配合原料混練物を作製した。配合原料混練物の水分値は、第1の配合原料の総質量に対して12.5質量%であった。ついで、配合原料混練物をパンペレタイザに載せ、混練物の造粒を7分間行った。これにより、消石灰使用造粒物を作製した。以上が、図2に示す第1の造粒ライン(サブライン)10Aが行う処理に相当する。
(第2の造粒処理)
第2の焼結用原料(ここでは鉄鉱石B、C、D、E、石灰石、カンラン岩、返鉱、及び凝結材)と生石灰又は消石灰とを混合することで第2の配合原料を作製した。第2の配合原料の組成は、表1内で、「メイン」、「返鉱」、及び「凝結材」の行で示される。そして、第2の配合原料を、ドラムミキサーを用いて5分間混合(撹拌)した。これにより、生石灰使用造粒物を作製した。
以上が、図2に示す第2の造粒ライン(メインライン)10Bが行う処理に相当する。なお、本実施例はいわゆるオフライン試験であるので、ドラムミキサーによる撹拌時間は5分としたが、実際の造粒ライン10Bでは、ドラムミキサー14bによる撹拌時間は5分よりも短い。
(第1の配合原料と第2の配合原料の混合)
第2の配合原料をドラムミキサーで混合した後、予め準備しておいた消石灰使用造粒物(即ち第1の配合原料)をドラムミキサー内に添加し、20秒混合した。これによって、消石灰使用造粒物が、凝結材を含む第2の配合原料(すなわち生石灰使用造粒物)中に均一に混合される。この結果、焼成される焼結鉱の品位も均質になる。なお、本例では消石灰使用造粒物はドラムミキサーによる混合の初期段階ではドラムミキサーに投入されないが、実際の操業では、消石灰使用造粒物は混合初期段階において予め投入されてもよい。ただし、本実施例のような処理を行うか、あるいは図2に示すように消石灰使用造粒物をドラムミキサー14bに投入しないようにすることは、消石灰使用造粒物を崩壊させない点で、好ましい。以上により、消石灰使用造粒物と生石灰使用造粒物との混合物を作製した。
(焼成)
消石灰使用造粒物と生石灰使用造粒物との混合物を焼結実験装置(鍋試験装置)で焼成して焼結鉱の製造及びそのときの生産性の測定を行った。具体的には以下の処理を行った。
まず、50kg鍋試験装置の試験鍋(内径300mm、高さ660mm)に約1.5kgの床敷鉱を投入した。ついで、生石灰使用造粒物と消石灰使用造粒物との混合物約70kgを試験鍋に投入した。以下、生石灰使用造粒物と消石灰使用造粒物との混合物からなる層を充填層とも称する。試験鍋の底面はメッシュ状となっており、ブロワが連結されている。ブロワは、試験鍋内の空気を下方に吸引することができる。
次いで、充填層の表面を1.5分点火した。その後、吸引負圧1500mmAqで試験鍋内の空気を吸引した。これにより、焼結ケーキを作製した。さらに、焼結ケーキを2mの高さから5回落下させた後、粒度が5mm以上の焼結鉱を成品として篩分けし、秤量した。さらに、成品の質量、焼結時間、及び焼結面積(充填層の点火面の面積)に基づいて、焼結鉱生産率(成品の生産率)(t/day/m)を算出した。
(実験条件)
実験水準を表1の上段、「試験条件」に示す。第1の焼結用原料中の微粉割合(−0.25mm粒子の質量比)を変更した水準、またメインラインに適用するバインダの種類(生石灰又は消石灰)を変更した水準、及びサブラインに適用するバインダ消化率を変更した水準を実験条件として付与した。具体的には、以下のような比較を行った。
(発明例1−1と比較例1−2及び比較例1−3)
発明例1−1、比較例1−2及び比較例1−3における第1の焼結用原料中の微粉割合(−0.25mm粒子の質量比)は67.4質量%である。ここで、発明例1−1、比較例1−2及び比較例1−3では、上述した第1の配合原料及び第2の配合原料の組成を表1の「発明例1−1」、「比較例1−2」、「比較例1−3」に示すものとして、上述した焼結鉱作製処理を行った。したがって、比較例1−2では、第2の造粒ライン10Bのバインダも消石灰となり、比較例1−3では、同ラインのバインダは生石灰となる。また、比較例1−2では、第2の造粒ライン10Bに供給される消石灰の生石灰換算値は発明例1−1と同程度であり、比較例1−3では、第1の造粒ライン10Aに供給される生石灰は発明例1−1の消石灰の生石灰換算値と同程度である。
(発明例2−1と比較例2−2及び比較例2−3)
続いて、第1の焼結用原料中の微粉割合(−0.25mm粒子の質量比)の低減を図り、上記同様に焼結鉱生産率への影響を検証した。発明例2−1、比較例2−2、及び比較例2−3における第1の焼結用原料中の微粉割合(−0.25mm粒子の質量比)は39.8質量%である。ここで、発明例2−1、比較例2−2、及び比較例2−3では、第1の及び第2の配合原料の組成を表1の「発明例2−1」「比較例2−2」「比較例2−3」に示すものとして、上述した焼結鉱作製処理を行った。したがって、比較例2−2では、第2の造粒ライン10Bのバインダも消石灰となり、比較例2−3では、同ラインのバインダは生石灰となる。また、比較例2−2では、第2の造粒ライン10Bに供給される消石灰の生石灰換算値は発明例2−1と同程度であり、比較例2−3では第1の造粒ライン10Aに供給される生石灰は発明例2−1の消石灰の生石灰換算値と同程度である。
(比較例3−1、発明例3−2、発明例3−3、比較例3−4)
さらに、第1の焼結用原料中の微粉割合(−0.25mm粒子の質量比)を増大し、上記同様に焼結鉱生産率への影響を検証した。すなわち、比較例3−1、発明例3−2、発明例3−3、比較例3−4では、第1の及び第2の配合原料の組成を表1の「比較例3−1」「発明例3−2」「発明例3−3」「比較例3−4」に示すものとして、上述した焼結鉱作製処理を行った。したがって、比較例3−1、発明例3−2、発明例3−3、及び比較例3−4における第1の焼結用原料中の微粉割合は95.0質量%である。すなわち、これらの例では、生石灰と消石灰の添加比率を変えることで、バインダの消化率を変更した。
(比較例4−1、発明例4−2、発明例4−3、比較例4−4)
さらに、第1の焼結用原料中の微粉割合(−0.25mm粒子の質量比)を81.2質量%とし、上記同様に焼結鉱生産率への影響を検証した。すなわち、比較例4−1、発明例4−2、発明例4−3、比較例4−4では、第1の及び第2の配合原料の組成を表1の「比較例4−1」「発明例4−2」「発明例4−3」「比較例4−4」に示すものとして、上述した焼結鉱作製処理を行った。したがって、比較例4−1、発明例4−2、発明例4−3、及び比較例4−4における第1の焼結用原料中の微粉割合は81.2質量%である。すなわち、これらの例では、生石灰と消石灰の添加比率を変えることで、バインダの消化率を変更した。
(実験結果)
表1の最下段に、試験の結果得られた生産率の値を示す。
(発明例1−1と比較例1−2、及び比較例1−3との比較)
表1に示すように、発明例1−1の生産率は比較例1−2の生産率よりも大きい。この理由として、比較例1−2では、凝結材の表面に微粉成分が付着することで、凝結材が燃焼不良を起こしたことが考えられる。また同時に、発明例1−1の生産率は、比較例1−3の生産率よりも大きい。この理由として、第1の造粒ライン10Aで用いる生石灰は、予め消化しておくことで微細化が促進されることから、更に強力な原料の凝集、造粒作用を発揮した為と考えられる。
(発明例2−1と比較例2−2、及び比較例2−3との比較)
発明例2−1の生産率は比較例2−2の生産率よりも大きい。この理由として、比較例2−2では、上述の比較例1−2同様に、凝結材の表面に微粉成分が付着することで、凝結材が燃焼不良を起こしたことが考えられる。また同時に発明例2−1の生産率は、比較例2−3の生産率よりも大きい。この理由として、第1の造粒ライン10Aで用いる生石灰は、予め消化しておくことで微細化が促進されることから、更に強力な原料の凝集、造粒作用を発揮した為と考えられる。この結果、第1の焼結用原料中の微粉割合を発明例1−1の場合よりさらに低減しても、第1の造粒ラインで用いるバインダの消化率は100%が望ましいことを確認した。
(発明例3−2、発明例3−3と比較例3−1、比較例3−4との比較)
第1の焼結用原料中の微粉割合を95.0質量%とし、かつ、第1の造粒ラインに投入するバインダの消化率を50%、75%、とした場合、0%(未消化)に比べ、焼結鉱生産率は向上した。ところが、消化率を100%とした場合では、第1の焼結用原料中の微粉割合を67.4質量%、または39.8質量%とした場合とは異なり、消化率が0%の結果とほぼ同等になり、消化の優位性を享受する事が出来なかった。
(発明例4−2、発明例4−3と比較例4−1、比較例4−4との比較)
同様に、第1の焼結用原料中の微粉割合を81.2質量%とし、かつ、第1の造粒ラインに投入するバインダの消化率を75%、87.5%、とした場合(発明例4−2、発明例4−3)、0%(未消化)(比較例4−4)に比べ、焼結鉱生産率は向上した。ところが、消化率を100%とした場合(比較例4−1)では、消化率が0%の結果とほぼ同等になり、消化の優位性を享受する事が出来なかった。以上から、第1の焼結用原料中の微粉割合の多い原料条件では、生石灰投入時の消化率に、造粒強化効果を最大限に得る為の最適範囲が存在することが判明した。
(実験から得られた結論)
図3は、得られた結果を効果の観点から整理した図である。そこでは、有効であった実験点を●印で、劣位であった実験点を×印を用いて標記している。
以上により、凝結材を使用しない造粒ライン10Aではバインダとして消石灰を使用することで、消石灰の優れたバインダ機能を活用する。また、造粒ライン10Aのバインダとして生石灰を使用した場合でも投入時の消化率を増大することで、バインダとしての機能が高まる。さらに、第1の焼結用原料中の微粉割合が67.4質量%以上の条件では、焼結鉱生産率に対する消化率の最適点が存在する。一方、凝結材を使用する造粒ライン10Bでは、バインダとして生石灰(詳細には、生石灰が造粒中に消化することで生成された消石灰)を使用することで、凝結材の燃焼不良を抑制する。このように、本実施形態では、消石灰及び生石灰を適切なラインで使用することで、消石灰の高いバインダ機能(造粒効果)を効果的に活かしつつ、消石灰によるデメリット(凝結材の燃焼不良)を抑制している。したがって、焼結鉱の生産率及び成品歩留が向上する。
さらに、第1の焼結用鉄鉱石は、ペレットフィード及び難造粒性粉鉱石のうち少なくとも一方を含むので、消石灰、もしくは予め消化した生石灰による高いバインダ機能をより効果的に活かすことができる。
10 造粒システム
10A 第1の造粒ライン
10B 第2の造粒ライン
11a 生石灰供給ホッパ
12a 生石灰供給ライン
13a 水和混練ミキサー
14a 消石灰供給ライン
15a 第1の焼結用原料供給ホッパ
16a 第1の配合原料供給ライン
17a 高速撹拌ミキサー
18a パンペレタイザ
19a 消石灰使用造粒物供給ライン
11b 第2の焼結用原料供給ホッパ
12b 生石灰供給ホッパ
13b 第2の配合原料供給ライン
14b ドラムミキサー
15b 造粒物供給ライン

Claims (2)

  1. 複数の造粒ラインを用いて焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法において、
    第1の焼結用鉄鉱石を含み、かつ凝結材を除く第1の焼結用原料と、生石灰及び消石灰のうち、少なくとも消石灰を含むバインダとを第1の造粒ラインで造粒することで、消石灰使用造粒物を作製する工程と、
    第2の焼結用鉄鉱石、生石灰、及び凝結材を含む原料を第2の造粒ラインで造粒することで、生石灰使用造粒物を作製する工程と、
    前記消石灰使用造粒物及び前記生石灰使用造粒物を焼結機に搬送する工程と、を含み、 前記バインダに含まれる消石灰の前記バインダの総質量に対する質量%を、前記第1の焼結用原料に含まれる−0.25mm粒子の前記第1の焼結用原料の総質量に対する質量%が67.4質量%未満の場合は100とし、前記−0.25mm粒子の質量%が67.4質量%以上の場合は、以下の数式(1)を満たす値とすることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
    222−1.81C−0.25≦S≦161−0.91C−0.25 (1)
    前記数式(1)において、C−0.25は前記−0.25mm粒子の質量%であり、Sは前記バインダに含まれる消石灰の質量%である。
  2. 前記第1の焼結用鉄鉱石は、ペレットフィード含むことを特徴とする、請求項1記載の焼結鉱の製造方法。
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