JP6071409B2 - 焼結原料の事前造粒方法 - Google Patents

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本発明は、鉄鋼業で発生するスケール粉を有効利用する為の焼結原料の事前造粒方法に関する。
通常、焼結鉱の生産は、鉄鉱石や石灰石といった焼結用原料と炭材をミキサー内で水分を添加しながら混合・造粒後、造粒物を焼結機のパレット上に装入して形成された焼結原料層内に存在する炭材に点火して、下向きに空気を吸引することで上層から下層に順次焼結原料を凝結(焼結)するようにして行われる。
このうち、製鋼・圧延スケール等のスケール粉が焼結用原料として使用される場合があった。これは、スケール粉に含まれる鉄分をリサイクルすることができるとともに焼結過程での酸化熱を利用して炭材の代替凝結源とすることができ、さらに炭材の代替による焼結排ガス中のNOxを削減することができるからである。
しかし、スケール粉を多量に使用するとその濡れ性が悪いためその他の焼結用原料との混合・造粒時の造粒性の低下を招き、焼結機パレット上の焼結原料層の通気性を悪くする。その結果、不均一焼成により歩留りが悪化し、さらに焼結時間が長くなり、焼結鉱の生産性を低下させるといった問題があった。そのため、スケール粉を多量に使用することは積極的には行われていなかった。
一方、鉄鉱石においてはSiO2,Al23等の脈石成分が近年高くなり、焼結鉱の脈石(スラグ)量が増加傾向となったが、高炉操業の側面からは、省エネルギー、省CO2排出量の観点から還元材比の削減が喫緊の課題となり、その手段として焼結鉱のスラグ量削減の要求が強くなってきた。
そこで、本発明者は、焼結鉱のスラグ量削減策として高鉄分で低SiO2,Al23の原料であるスケール粉を炭材の代替ではなく、鉄鉱石の代替原料として使用することに着目した。
なお、スケール粉と微粉ダストとを他の焼結用原料と分別して事前に造粒し、得られた造粒物と焼結用原料とを混合,造粒して焼結させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。これによれば、安価なスケール粉をリサイクルすることができる。
特開2002−20819号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、スケール粉に混合される微粉ダストについては、SiO2,Al23の含有率の高いものが使用されるためスラグ量の削減に逆行するものである。
また、スケール粉と微粉ダストを混合したものの配合率は、特許文献1に記載された表1から8%であることがわかるが、それ以上に多量に配合する点については記載されていない。
さらに、スケール粉は微粉ダストと混合されるが鉄鉱石と混合されるものではない。
そこで、本発明の目的とするところは、焼結鉱中のスラグ量の削減を図る手段としてスケール粉を多量に使用した際に、焼結鉱の生産性を低下させることのない焼結原料の事前造粒方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の焼結原料の事前造粒方法は、鉄鋼業で発生するスケール粉に鉄鉱石を混合したものに対して、水分を加えて撹拌しつつ混練、造粒する予備造粒工程(X)と、
前記予備造粒工程(X)で得られた造粒物と予備造粒工程(X)に供されなかった残りの鉄鉱石、石灰石,マグドロ,珪石粉といった副原料と炭材とをミキサーに装入し、水を添加しながらミキサーを転動させて混合・造粒を行う本造粒工程(Y)と、
前記本造粒工程(Y)で得られた造粒物を焼結処理する焼結工程(Z)を備え
前記予備造粒工程(X)におけるスケール粉と鉄鉱石との混合比率を2:3から3:2の範囲にしたことを特徴とする。
さらに、本発明の焼結原料の事前造粒方法は、鉄鋼業で発生するスケール粉単体に対して、水分を加えて撹拌しつつ混練・造粒する予備造粒工程(X)と、
前記予備造粒工程(X)で得られた造粒物と予備造粒工程(X)に供されなかった残りの鉄鉱石、石灰石,マグドロ,珪石粉といった副原料と炭材とをミキサーに装入し、水を添加しながらミキサーを転動させて混合・造粒を行う本造粒工程(Y)と、
前記本造粒工程(Y)で得られた造粒物を焼結処理する焼結工程(Z)を備え
前記予備造粒工程(X)におけるスケール粉と鉄鉱石との混合比率を2:3から3:2の範囲にしたことを特徴とする。
また、本発明の焼結原料の事前造粒方法は、前記予備造粒工程(X)に供されなかった残りの鉄鉱石、副原料等と炭材には、前記スケール粉を含まないようにしたことを特徴とする。
また、本発明の焼結原料の事前造粒方法は、前記予備造粒工程(X)で加えられる水分の量を、前記予備造粒工程(X)で得られる造粒物の粒度分布で10mm超又は1mm未満の割合が10%以下になるように調整することを特徴とする。
なお、括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に記載された対応要素または対応事項を示す。
本発明の焼結原料の事前造粒方法によれば、造粒物を焼結処理する焼結工程の前に通常処理として行われる本造粒工程のさらに事前の処理として、スケール粉に鉄鉱石だけを混合したもの(あるいはこれらにバインダーとして造粒促進材を混入したもの)に対して、水分を加えて高速で撹拌しつつ混練・造粒する予備造粒工程を実施するので、スケール粉を多量に配合しても焼結鉱の生産性を通常処理としての造粒工程(本造粒工程)を行う従来法に比較して、同等か同等以上にすることができる。
すなわち、スケール粉は難造粒性で粒化させることは容易ではなく通常処理において多量に使用すると造粒性の低下を招き焼結の際には焼結用原料層の通気性を悪化させるものであったが、本発明では予備造粒工程を設けて、スケール粉に基本的に鉄鉱石だけ(造粒促進材を除く)を混合して撹拌しつつ混練・造粒することにより鉄鉱石を核としてその周辺にスケール粉を付着させることで結果的にスケール粉を容易に粒化させることができたので、特に焼結用原料層の通気性を悪化させることなく焼結鉱の生産性を高めることができる。
また、予備造粒工程における高速で撹拌しつつの混練・造粒は、通常処理としての造粒工程(本造粒工程)、例えばドラムミキサーなどを使用した混合・造粒よりもスケール粉と鉄鉱石との接触頻度が高くなり、かつ、原料同士を粒化させる添加水も原料内に均一に分散されることから、本来、難造粒性のスケール粉でさえ幾分造粒させることができる。
これによれば、焼結用原料に対するスケール粉の配合比率を、例えば15%程度にしても、従来法による通常処理(本発明のように予備造粒工程を設けないもの)においてスケール粉の配合比率を3%にしたものよりも焼結鉱の生産性を高くすることができた。
以上のように本発明によれば、従来例のように不均一焼成により歩留りが悪化して焼結鉱の生産性が低下してしまうといった問題はない。しかも高鉄分で低SiO2,Al23の原料であるスケール粉を鉄鉱石の代替原料として多量にリサイクルとして使用することができるので、焼結鉱の脈石(スラグ)量を削減することができ、高炉操業において省エネルギー化及び省CO2排出量化を図ることができる。
また、本発明によれば、前記予備造粒工程におけるスケール粉と鉄鉱石との混合比率を2:3から3:2の範囲にしたので、スケール粉の全部又は大部分を鉄鉱石の周辺に付着させることができる。
また、本発明によれば、上述したように、予備造粒工程における高速で撹拌しつつの混練・造粒は、その造粒機能が優れている為、難造粒性のスケール粉をそれ単体のもの(あるいはこれらにバインダーとして造粒促進材を混入したもの)でも造粒させることができる。
これによれば、予備造粒工程においてスケール粉と鉄鉱石を混合したものよりは生産性は低下するものの、スケール粉をリサイクル使用しつつ焼結鉱を生産することができる。この場合、焼結用原料に対するスケール粉の配合比率を、例えば8%程度にしても、従来法による通常処理(本発明のように予備造粒工程を設けないもの)においてスケール粉の配合比率を3%にしたものよりも焼結鉱の生産性を高くすることができた。
また、本発明によれば、予備造粒工程に供されなかった残りの鉄鉱石、副原料等と炭材には、スケール粉を含まないようにして予備造粒工程だけでスケール粉を処理するようにしたので、効率的にスケール粉を造粒させることができる。
また、本発明によれば、予備造粒工程で加えられる水分の量を、予備造粒工程で得られる造粒物の粒度分布で10mm超又は1mm未満の割合が10%以下になるように調整するので、ヘドロ状又はパサパサ状にすることなく確実に造粒させることができる。
本発明の実施形態に係る焼結原料の事前造粒方法の流れを示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る焼結原料の事前造粒方法で使用する高速撹拌ミキサーの構成概要を示す斜視図である。 焼結原料に対するスケール粉と鉄鉱石Aの配合比率を8%と17%にして事前処理時にスケール粉と鉄鉱石Aを組み合わせた場合の造粒水分による湿潤粒度分布を示すグラフである。 焼結原料に対するスケール粉と鉄鉱石Aの配合比率を15%と10%にして事前処理時にスケール粉と鉄鉱石Aを組み合わせた場合の造粒水分による湿潤粒度分布を示すグラフである。 焼結原料に対するスケール粉の配合比率を8%又は15%にして事前処理時にスケール粉を単体にした場合の造粒水分による湿潤粒度分布を示すグラフである。 焼結原料に対するスケール粉の配合比率に対する本造粒工程後の造粒物の平均粒径の関係を示すグラフである。
図面を参照して本発明の実施形態に係る焼結原料の事前造粒方法について説明する。
本発明の実施形態に係る焼結原料の事前造粒方法は、図1に示すように、造粒物を焼結処理する焼結工程Zの前に通常処理として行われる造粒工程(本造粒工程)Yのさらに事前の処理として予備造粒工程Xを実施するものである。
予備造粒工程Xでは、スケール粉に鉄鉱石だけを混合したもの(あるいはこれらにバインダーとして造粒促進材を混入してもよい)に対して、所定量の水分を加えて高速で撹拌しつつ混練・造粒する処理が行われる。ここでスケール粉に鉄鉱石だけを混合したとは、焼結用原料のなかで一部の鉄鉱石を選択し混合したことを意味する。
撹拌しつつの混練・造粒については、例えば、図2に示すような、高速撹拌ミキサー10(R02型アイリッヒミキサー:R02型EM)が使用される。高速撹拌ミキサー10は、回転する鍋型のパン11の内側にパン11よりも高速で回転するアジテータ12という羽根を挿入して回転混練する装置であり、斜めに傾けられている。
また、加えられる水分は、予備造粒工程Xで得られる造粒物の粒度分布で10mm超又は1mm未満の割合が10%以下になるように調整されている。
この予備造粒工程Xによって、通常、スケール粉は難造粒性で粒化させることは容易ではないが、鉄鉱石を核としてその周辺にスケール粉を付着させることでスケール粉を容易に粒化させることができた。なお、予備造粒工程Xにおけるスケール粉と鉄鉱石との混合比率を、2:3から3:2の範囲にすることによってスケール粉の全部又は大部分を鉄鉱石の周辺に付着させることができるようにしている。
次に本造粒工程Yでは、上述した予備造粒工程Xで得られた造粒物に対して、焼結用原料と炭材とを転動しているミキサーに装入し、水を添加しつつ混合・造粒する処理が行われる。
このうち焼結用原料としては、例えば各種鉄鉱石や、石灰石,マグドロ,珪石粉といった副原料があげられ、また、凝結用原料の炭材としては、例えば粉コークスがあげられる。なお、焼結用原料として使用される各種鉄鉱石の一つとして、予備造粒工程X時に供されなかった残りの鉄鉱石を使用することもできるし、予備造粒工程X時にスケール粉に対して混合される鉄鉱石を使用することもできる。また焼結用原料として使用される鉄鉱石を各種としたが一種類の鉄鉱石を使用してもよい。
この本造粒工程Yは、従来の処理方法と同様に、造粒物を焼結処理する焼結工程の前に通常処理として行われる焼結用原料と炭材とを加えて混合・造粒する工程であり、例えば、ドラムミキサー20が使用される。ドラムミキサー20は円柱状であり、焼結用原料と炭材とをミキサーを転動させることにより造粒する。
そして、焼結工程Zでは、本造粒工程Yで得られた造粒物を焼結する処理が行われる。
ここでは、本造粒工程Yで得られた造粒物を、図1に示すように、焼結機のパレット上に装入して形成された焼結原料層内に存在する炭材に点火して、下向きに空気を吸引することで上層から下層に順次焼結原料を凝結させ塊成化する。
このような処理工程(X,Y,Z)を行うことにより、スケール粉を多量に配合しつつも焼結鉱の生産性を、通常処理としての造粒工程を行う従来法に比較して、同等か同等以上にして塊状の焼結鉱を得ている。
なお、本実施形態では、予備造粒工程Xにおいてスケール粉と鉄鉱石を混合させたが、スケール粉単体のものを高速撹拌ミキサー10で混練して造粒させることができる。これによれば、予備造粒工程Xにおいてスケール粉と鉄鉱石を混合したものよりは生産性は低下するものの、スケール粉をリサイクル使用しつつ焼結鉱を生産することができる。
次に焼結試験を行った結果を示す。
この焼結試験での配合条件と原料の主な化学成分を以下の表1に示す。
これは、本発明の実施形態に係る焼結原料の事前造粒方法として、予備造粒工程Xでスケー粉と鉄鉱石Aを混合して造粒したものを銘柄(4),(5)とし、予備造粒工程Xでスケール粉単体を造粒したものを銘柄(6),(7)として、比較例(1),(2),(3)と比較したものである。
銘柄(4),(5)は、予備造粒工程X(表1に記載の「事前処理」)におけるスケール粉と鉄鉱石Aとの混合比率を、2:3から3:2の範囲にし、焼結原料に対するスケール粉と鉄鉱石Aの配合比率を、銘柄(4)では8%と17%とし、銘柄(5)では15%と10%とした。
銘柄(6),(7)は、予備造粒工程X(事前処理)でスケール粉単体のものを処理し、焼結原料に対するスケール粉の配合比率を、銘柄(6)では8%とし、銘柄(7)では15%とした。
そして、銘柄(4),(5),(6),(7)では、本造粒工程Y(表1に記載の「通常処理」)においてはスケール粉を含まないようにし、通常処理では、焼結用原料として、鉄鉱石A,鉄鉱石B,鉄鉱石C,鉄鉱石D,石灰石,マグドロ,珪石粉を配合し、熱源用原料として、粉コークス(粉コークスの配合比率については外数とした)を配合した。
これに対して、事前処理を行わない、比較例(1),(2),(3)では、焼結用原料として、鉄鉱石A,鉄鉱石B,鉄鉱石C,鉄鉱石D,石灰石,マグドロ,珪石粉に加えて、スケール粉を配合し、凝結材として、粉コークス(粉コークスの配合比率については外数とした)を配合した。比較例(1),(2),(3)では、スケール粉の配合比率をそれぞれ3%,8%,15%とした。
なお、スケール粉はその化学成分からも明らかなように、高鉄分かつ低SiO2,Al23の原料である。
また、予備造粒工程Xで使用する高速撹拌ミキサー10としては、図2で示したように、パン10の直径を200mm,アジテータ12の直径を125mmとして30度傾けられた状態で回転するものを使用して、パン10の回転数を83rpm,アジテータ12の回転数を3000rpmとして約40秒間の撹拌・混練・造粒を行った。
このとき、スケール粉と鉄鉱石Aに加えられる水分(造粒水分)量を、銘柄(4)では9%,銘柄(5)では8%,銘柄(6),(7)では7%とした。
この水分量は、予備造粒工程Xで得られる造粒物の粒度分布で10mm超の割合が多いとヘドロ状態となり逆に1mm未満の割合が多いとパサパサ状態となるので、10mm超又は1mm未満の割合が10%以下になるように調整したものである。銘柄(4)では図3より適正造粒水分の範囲は8〜9%であったので焼結試験では9%とし、銘柄(5)では図4より適正造粒水分の範囲は7〜8%であったので焼結試験では8%とし、銘柄(6),(7)では図5より適正造粒水分の範囲は5〜8%であったので焼結試験では7%とした。
また、本造粒工程Y(比較例の通常処理についても同様)で使用されるドラムミキサー20において加えられる水分(造粒水分)量については7%と一定にして、約210秒間ミキサーを転動させて混合・造粒を行った。
なお、焼結工程Zは従来から行われている処理を行った。
このような条件の下、試験を行った結果を表2に示す。
なお、図6には、焼結原料に対するスケール粉の配合比率に対する本造粒工程後の造粒物の平均粒径の関係を示した。
本造粒工程Y(比較例の通常処理についても同様)におけるドラムミキサー20を使用して混合・造粒した後の焼結原料の平均粒度は、スケール粉の配合比率が増加するにしたがって低下する傾向にあったが、銘柄(6),(7)のようにスケール粉単体を高速撹拌ミキサー10で混練・造粒して事前処理したものは、事前処理しない比較例(1),(2),(3)より焼結原料の平均粒度は大きいものとなった。特に、銘柄(4),(5)のようにスケール粉と鉄鉱石Aを組合わせて事前処理したものは、焼結原料の平均粒度はかなり増大した。
また、表2から把握できるように、スケール粉の配合比率が増加するにしたがって焼結操業指標を示すJPU(焼結用原料層の通気性を表す通気度),歩留,生産率はいずれも低下するものであった。これは、スケール粉の配合比率が増加すると、図6で示したように、焼結原料の平均粒度が低下するため焼結用原料層の通気性の指標であるJPUの値が低下し、そのJPUの値の低下は、焼結用原料層を通過する吸引ガスの偏流を招くことで焼結反応の不均一をもたらして歩留りの低下を導き、その結果として生産性(生産率)が低下したものである。
しかし、銘柄(4),(5)のようにスケール粉と鉄鉱石Aを組合わせて事前処理したものはスケール粉を8%,そして15%と多量に配合したものであっても、比較例(1),(2),(3)より高い生産性を確保することができるものであった。
また、銘柄(6)のように8%配合したスケール粉単体を高速撹拌ミキサー10で混練・造粒して事前処理したものは、銘柄(4),(5)よりは生産性は低下するものの、比較例(1),(2),(3)より高い生産性を確保するものであった。また、銘柄(7)のように15%配合したスケール粉単体を高速撹拌ミキサー10で混練・造粒して事前処理したものは、比較例(2)と同程度の生産性を示すものとなった。なお、焼結鉱の品質指標を示すSI(冷間強度),RDI(低温還元粉化指数),RI(JIS還元率)については、銘柄(4),(5)も銘柄(6),(7)も比較例(1),(2),(3)と同等か同等以上のものであり、品質を特に悪化するものではなかった。
このように構成された焼結原料の事前造粒方法によれば、スケール粉を多量配合しても従来例のように不均一焼成により歩留りが悪化して焼結鉱の生産性が低下してしまうといった問題はなく、しかも高鉄分で低SiO2,Al23の原料であるスケール粉を鉄鉱石の代替原料として多量に使用することができるので、焼結鉱の脈石(スラグ)量を削減することができ、高炉操業での省エネルギー化及び省CO2排出量化を図ることができる。
なお、本発明の実施形態では、銘柄(4),(5)及び銘柄(6),(7)のように本造粒工程Y(表1の通常処理)においてスケール粉を配合することなく予備造粒工程Xだけでスケール粉を処理するようにして効率的にスケール粉を造粒させるようにしたが、表1の比較例(1),(2),(3)のように本造粒工程Y(表1の通常処理)においてもスケール粉を多少配合してもよい。
これによれば、銘柄(4),(5)及び銘柄(6),(7)よりは生産性は若干低下するものの比較例(1),(2),(3)よりは生産性は同等か同等以上となる。
10 高速撹拌ミキサー
11 パン
12 アジテータ
20 ドラムミキサー
X 予備造粒工程
Y 本造粒工程(造粒工程)
Z 焼結工程

Claims (4)

  1. 鉄鋼業で発生するスケール粉に鉄鉱石を混合したものに対して、水分を加えて撹拌しつつ混練・造粒する予備造粒工程と、
    前記予備造粒工程で得られた造粒物と予備造粒工程に供されなかった残りの鉄鉱石、石灰石,マグドロ,珪石粉といった副原料と炭材とをミキサーに装入し、水を添加しながらミキサーを転動させて混合・造粒を行う本造粒工程と、
    前記本造粒工程で得られた造粒物を焼結処理する焼結工程を備え
    前記予備造粒工程におけるスケール粉と鉄鉱石との混合比率を2:3から3:2の範囲にしたことを特徴とする焼結原料の事前造粒方法。
  2. 鉄鋼業で発生するスケール粉単体に対して、水分を加えて撹拌しつつ混合・造粒する予備造粒工程と、
    前記予備造粒工程で得られた造粒物と予備造粒工程に供されなかった残りの鉄鉱石、石灰石,マグドロ,珪石粉といった副原料と炭材とをミキサーに装入し、水を添加しながらミキサーを転動させて混合・造粒を行う本造粒工程と、
    前記本造粒工程で得られた造粒物を焼結処理する焼結工程を備えることを特徴とする焼結原料の事前造粒方法。
  3. 前記予備造粒工程に供されなかった残りの鉄鉱石、副原料と炭材には、前記スケール粉を含まないようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の焼結原料の事前造粒方法。
  4. 前記予備造粒工程で加えられる水分の量を、前記予備造粒工程で得られる造粒物の粒度分布で10mm超又は1mm未満の割合が10%以下になるように調整することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の焼結原料の事前造粒方法。
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