JPWO2017094255A1 - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Abstract

微粉鉄鉱石を含む焼結原料中に粗大な擬似粒子が形成されることによって、焼結鉱の生産性が低下する。焼結鉱の製造方法であって、回転する円筒容器と、前記円筒容器内で回転する撹拌羽根と、を有する高速撹拌装置で、下記数式(1)を満たすように焼結原料を撹拌処理し、撹拌処理後の焼結原料を造粒装置を用いて造粒し、造粒後の焼結原料を焼結機を用いて焼結して、焼結鉱を製造する。但し、下記数式(1)において、v:円筒容器の底板の周速(m/s)、u:撹拌羽根の先端の周速(m/s)、t:焼結原料が高速撹拌装置によって撹拌される時間(s)、L:撹拌羽根の先端が描く円周の長さ(m)、S:撹拌羽根の回転軸方向から投影した円筒容器の投影面積から前記撹拌羽根の先端が描く円の面積を除いた面積(m2)である。【数1】

Description

本発明は、ドワイト・ロイド式焼結機などを用いて焼結される焼結鉱の製造方法に関する。
焼結鉱は、概ね次の3つの工程で製造される。
(1)複数銘柄の粉鉄鉱石(シンターフィード、コンセントレートおよびペレットフィードと呼ばれているものなど)に、石灰石や珪石、蛇紋岩等の副原料粉と、ダスト、スケール、返鉱等の雑原料粉と、粉コークス等の固体燃料とを適量ずつ配合して焼結原料とする。
(2)焼結原料に水分を添加した後に造粒する。
(3)造粒後の焼結原料を焼結機に装入して焼結する。
焼結原料は、水分を含むことで造粒時に互いに凝集して擬似粒子となる。そして、この擬似粒子化した焼結原料は、焼結機のパレットに装入されたとき、装入層の良好な通気性を確保するのに役立ち、焼結反応を円滑に進める。
焼結用粉鉄鉱石は、近年、高品質鉄鉱石の枯渇によって低品位化している。即ち、焼結用粉鉄鉱石は、スラグ成分が増加するとともに微粉鉄鉱石の割合が多くなってきている。焼結用粉鉄鉱石におけるスラグ成分の1つであるアルミナの含有量および微粉鉄鉱石の比率の増大は、焼結用粉鉄鉱石の造粒性を低下させる原因になる。その一方で、高炉で使用する焼結鉱としては、高炉での溶銑製造コストの低減やCO発生量の低減という観点から低スラグ比、高被還元性および高強度の焼結鉱が求められている。
焼結用粉鉄鉱石を取り巻くこのような環境の中、難造粒性である微粉鉄鉱石を使って、高品質の焼結鉱を製造するための技術が提案されている。例えば、こうした技術の1つに、Hybrid Pelletized Sinter法(以下、「HPS法」という)がある。HPS法とは、焼結原料の造粒工程でドラムミキサーとディスクペレタイザーとを用いる方法であり、特許文献1〜5には、鉄分の高い微粉鉄鉱石を多量に含む焼結配合原料をドラムミキサーとディスクペレタイザーとを使って造粒することで、低スラグ比・高被還元性の焼結鉱を製造することが開示されている。その他、特許文献6には、焼結原料粉の造粒工程の前に、高速回転ミキサーにて調湿混合する方法が開示されており、特許文献7には、造粒工程の前に、微粉鉄鉱石と製鉄ダストとを撹拌混合機で予め混合する方法が開示されており、特許文献8には、微粉鉄鉱石をアイリッヒミキサーで予め混合処理したのちドラムミキサーにて造粒する方法が開示されている。
特公平2−4658号公報 特公平6−21297号公報 特公平6−21298号公報 特公平6−21299号公報 特公平6−60358号公報 特開昭60−52534号公報 特開平1−312036号公報 特開平7−331342号公報
粒径0.125mm以下のペレットフィードなどの微粉鉄鉱石を多量に含む焼結原料は、凝集して粗大な擬似粒子を形成する。粗大な擬似粒子が形成された焼結原料を、造粒装置を用いて造粒すると、粒径が不揃いになると共に、微粉鉄鉱石同士が単に凝集したにすぎない結合強度の弱い造粒粒子が造粒されやすくなる。
このような造粒粒子を、焼結機のパレットに装入して装入層を形成させると、装入層は、緻密な堆積構造となってかさ密度が大きくなり、装入層における通気性が悪化する。さらには、このような粒子を焼結機のパレットに一定の層厚で造粒粒子を堆積させると、当該粒子に荷重(圧縮力)が加わることで容易に壊れて粉化し、装入層を形成する間隙が小さくなり空隙率を低下させる。この空隙率が低下すると装入層における通気性が悪化する。装入層の通気性の悪化は、焼結原料の焼結時間を延長させるので、焼結鉱の生産性を低下させる。このように、焼結原料中における粗大な擬似粒子の形成は、焼結鉱の生産性を低下させる原因になる。
特許文献1〜5に記載されているようなHPS法を用いて造粒する方法では、焼結原料に含まれる粗大な擬似粒子を解砕できない。また、特許文献6〜8に記載されている高速撹拌機を使って予め混合処理する方法を用いても、焼結原料に含まれる粗大な擬似粒子を十分に解砕できず焼結鉱の生産性が低下する、という課題があった。
本発明は、従来技術が抱える上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、微粉鉄鉱石を含む焼結原料を使用する場合に、高速撹拌装置を用いて焼結原料に含まれる粗大な擬似粒子を予め造粒前に解砕して焼結機での生産性を向上させる焼結鉱の製造方法を提供することにある。
このような課題を解決するための本発明の特徴は、以下の通りである。
[1]焼結鉱の製造方法であって、回転する円筒容器と、前記円筒容器内で回転する撹拌羽根と、を有する高速撹拌装置で、下記数式(1)を満たすように焼結原料を撹拌処理し、撹拌処理後の焼結原料を造粒装置を用いて造粒し、造粒後の焼結原料を焼結機を用いて焼結して、焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法。
Figure 2017094255
但し、上記数式(1)において、
v:前記円筒容器の底板の周速(m/s)、
u:前記撹拌羽根の先端の周速(m/s)、
t:前記焼結原料が高速撹拌装置によって撹拌される時間(s)、
L:前記撹拌羽根の先端が描く円周の長さ(m)、
S:前記撹拌羽根の回転軸方向から投影した円筒容器の投影面積から前記撹拌羽根の先端が描く円の面積を除いた面積(m)、である。
[2]前記焼結原料は、粒径0.125mm以下である微粉鉄鉱石を10〜50質量%含み、かつ前記焼結機で焼結原料を焼結した焼結鉱のAl濃度が1.6質量%以上である[1]に記載の焼結鉱の製造方法。
[3]前記焼結原料は、さらに、バインダーを含む[1]または[2]に記載の焼結鉱の製造方法。
[4]前記バインダーは、生石灰である[3]に記載の焼結鉱の製造方法。
[5]前記高速撹拌装置で撹拌処理した後の前記焼結原料の平均粒子径は、3mm以下である[1]から[4]のいずれか1つに記載の焼結鉱の製造方法。
[6]前記高速撹拌装置で撹拌処理する前の前記焼結原料は、7質量%以下の水分を含む[5]に記載の焼結鉱の製造方法。
微粉鉄鉱石を含む焼結原料であっても、本発明の焼結鉱の製造方法よって製造することによって、造粒前に粗大な擬似粒子を解砕できる。これにより、その後に造粒された焼結原料を焼結機のパレットに装入して装入層を形成しても、当該装入層の通気性は悪化しない。これにより、従来、通気性が悪い状態で焼結原料を焼結するために必要とされていた焼結時間は短縮されるので、焼結機における焼結鉱の生産性を向上できる。
ペレットフィードの有無における擬似粒子の粒度分布の差を示すグラフである。 (a)は、ペレットフィードの有無における造粒粒子の粒度分布の差を示すグラフであり、(b)は、造粒粒子中におけるペレットフィードの分布を示すグラフであり、(c)は、造粒粒子中における水分の分散状況を示すグラフである。 (a)は、従来の造粒粒子の装入層の断面図を示し、(b)は、本発明の造粒粒子の装入層の断面図である。 高速撹拌装置10の内部斜視図である。 高速撹拌装置10の平面図である。 高速撹拌装置10におけるLおよびSを説明する図である。 粒径0.125mm以下の微粉鉄鉱石の含有量と、焼結生産率との関係を示すグラフである。 実験例1〜4と生産率向上効果との関係を示すグラフである。 撹拌速度と焼結生産率向上効果との関係を示すグラフである。 撹拌処理後の平均粒子径と、焼結生産率向上効果との関係を示すグラフである。 撹拌処理時の水分と、撹拌処理後の平均粒子の関係を示す図である。
本発明は、微粉鉄鉱石を含む焼結原料に対して、造粒する前に、高速撹拌装置を用いて撹拌処理することで、微粉鉄鉱石の凝集によって生成した粗大な擬似粒子を予め解砕するものである。まず、粗大な擬似粒子を生成する微粉鉄鉱石を含む焼結原料の特性について説明する。
図1は、ペレットフィードの有無における擬似粒子の粒度分布の差を示すグラフである。
図1において黒プロットは、微粉鉄鉱石であるペレットフィードが配合されていない鉄鉱石の粒度分布を示している。また、白プロットは、黒プロットで粒度分布が示された鉄鉱石にペレットフィードを40質量%配合したものの粒度分布を示している。
図1に示すように粒径0.125mm以下のペレットフィードを40質量%配合して混合させると、黒プロットで示されていた粒度分布は、白プロットで示した粒度分布になった。すなわち、ペレットフィードを40質量%混合させることで、細粒(0.5mm未満)のみならず、粗大(10mm超)な擬似粒子が生成した。微粉鉄鉱石は、濡れ性が同じであれば細粒ほど比表面積が大きいのでより水分を吸収するので、粉体間に多くの水分を保持する。このため、微粉鉄鉱石は、微粉鉄鉱石ではない他の鉄鉱石に対して優先的に水分を吸収する。そして、水分を吸収するとともに微粉鉄鉱石同士が凝集して、単に微粉鉄鉱石が凝集した細かい擬似粒子や、核粒子のまわりに微粉鉄鉱石が付着した粗大な擬似粒子が生成するので、粒径が不揃いになる。本実施形態において、粒径および質量割合は、JIS Z 8801に準拠した目開きの篩いを用いて篩うことで原料を各粒度に分け、各粒度の質量をそれぞれ測定し、各粒度の質量と全体の質量から、各粒度の質量割合を算出している。例えば、「粒径0.125mm以下のペレットフィードを40質量%配合する」とは、JIS Z 8801に準拠した公称目開き125μmの篩を通過したペレットフィードを、鉄鉱石全体の質量に対する割合が40質量%になるように配合することをいう。
次に、図1で示した粗大な擬似粒子を含む焼結原料を、ドラムミキサーを用いて造粒した造粒粒子について説明する。粒径0.125mm以下のペレットフィードを40質量%配合した粉鉱石とペレットフィードを含まない粉鉱石とにそれぞれ水分を加えてドラムミキサーを用いて造粒し、それぞれの造粒粒子の粒度分布を計測した。
図2(a)は、ペレットフィードの有無における造粒粒子の粒度分布の差を示すグラフである。図2(b)は、造粒粒子中におけるペレットフィードの分布を示すグラフである。図2(c)は、造粒粒子中における水分の分散状況を示すグラフである。
図2(a)に示すように、鉄鉱石中にペレットフィードを40質量%含む焼結原料を造粒すると、ペレットフィードを含まない焼結原料に比べて、造粒粒子中に含まれる粗粒(8mm超)の割合が高くなった。粗粒の含有割合は、焼結原料の全量に対して75質量%程度に達した。また、図2(b)に示すように、造粒粒子中におけるペレットフィードは、造粒粒子の粒度分布と同じく、粗粒に多く分布していた。すなわち、粗粒に含まれるペレットフィードの量は、投入したペレットフィード全体の量に対して75質量%程度と高く、ペレットフィードの多くが当該粗粒に偏在していることがわかった。このことから、造粒粒子中に含まれる粗粒は、ペレットフィード同士が凝集した擬似粒子によって形成されていることがわかった。
さらに、図2(c)に示すように、造粒粒子中に含まれる粗粒は、水分を多く含むことがわかった。ペレットフィードは、他の鉄鉱石に対して水分を優先的に吸収し、造粒粒子中で粗粒を形成する。このように、多くの水分を含む粗粒は、バインダー等で結着されにくく当該粗粒の結合強度は弱くなる。
このように微粉鉄鉱石を含む焼結原料を造粒すると、粒径が不揃いになるとともに結合強度の弱い粗粒が造粒される。このような粗粒を含む造粒粒子を焼結機のパレットに装入すると、粗粒の間に微粒が入りこんで緻密な堆積構造となり、空隙率が低く、且つかさ密度の高い装入層が形成される。しかも、このような粗粒を焼結機のパレットに一定の層厚で堆積させると、当該粗粒に荷重(圧縮力)が加わることで容易に壊れて粉化し、さらに装入層の空隙率を低下させる。この結果、図3(a)に示すように、装入層の通気性が悪化し、この結果、焼結原料の焼結時間が延長して焼結鉱の生産性が低下する。なお、図3において、矢印は装入層における通気路を示す。
このような微粉鉄鉱石を含む焼結原料であっても、造粒前に、高速撹拌装置を用いて、特定の条件で撹拌処理することによって粗大な擬似粒子を十分に解砕でき、これにより、その後の造粒工程において粒径が不揃いであって結合強度の弱い粗粒が造粒されることを抑制できることを見出して本発明を完成させた。そして、このように造粒された造粒粒子を焼結機のパレットに装入すると、図3(b)に示すように装入層の通気性は良化し、この結果、焼結鉱の生産性を向上させることができる。
次に、粗大な擬似粒子を解砕する高速撹拌装置10の構成について説明する。図4は、高速撹拌装置10の内部斜視図である。また、図5は、高速撹拌装置10の平面図である。高速撹拌装置10は、焼結原料40を撹拌処理する装置である。高速撹拌装置10は、焼結原料40が装入される円筒容器20と、撹拌羽根30と、堰36とを有する。なお、堰36は、焼結原料をかき取るために設けることが好ましいが、なくてもよい。円筒容器20は、円筒形状の円筒22と、円形状の底板24とを備える。また、円筒容器20には焼結原料40の供給および排出のための開口(不図示)が設けられている。底板24は、円筒22と一体的に設けられており、底板24は、駆動力を受けて円筒22とともに回転する。なお、円筒容器20は、円筒容器20の上側を封止する天板を備えていてもよい。
また、本実施形態において、焼結原料40は、微粉鉄鉱石と、石灰石と、粉コークス等の固体燃料とを含み、更に、珪石、蛇紋岩等の副原料粉、ダスト、スケール、返鉱等の雑原料粉、およびバインダーを含んでもよい。なお、焼結原料40における微粉鉄鉱石は、粒径0.125mm以下の粉鉄鉱石である。
撹拌羽根30は、回転軸32と、複数の撹拌板34とを備える。回転軸32は、円筒容器20の中心から偏心した位置であって、撹拌羽根30は、円筒容器20の上側に設けられた不図示の駆動部から駆動力を受けて回転する。そのため、撹拌羽根30と底板24とは、それぞれ独立して回転できる。なお、回転軸32は、円筒容器20の中心に設けられていてもよい。
撹拌板34は、回転軸32から放射状に外側に突出して設けられている。撹拌板34は、回転軸32における上下方向の2箇所において、60°間隔で6方向に設けられている。したがって、撹拌羽根30には合計で12本の撹拌板34が設けられている。なお、撹拌板34の枚数は、12枚に限られず、撹拌板34の形状、撹拌羽根30の回転数または底板24の回転数等に応じて任意に設定してよい。例えば、撹拌板34は、撹拌軸32の上下方向の4〜8箇所に8〜16枚設けられていてもよい。また、撹拌板34の角度および高さの間隔も任意に設定してよい。
円筒容器20に焼結原料40が装入された状態で、底板24は、例えば、右周りに回転し、撹拌羽根30は、左周りに回転する。底板24が右周りに回転することで、円筒容器20内に装入された焼結原料40は、底板24の回転方向に沿って右周りに回転する。右周りに回転された焼結原料40は、左周りに回転した撹拌羽根30に衝突することによって撹拌される。なお、底板24および撹拌羽根30の回転方向は、右周りであっても左回りであってもよい。また、底板24および撹拌羽根30の回転方向は、互いに異なっていてもよく、同じであってもよい。
また、図4および図5では、高速撹拌装置10は、水平に設置した状態で焼結原料40を撹拌処理する例を示したが、高速撹拌装置10を傾けて使用してもよい。また、撹拌羽根30は、鉛直方向に軸支させたままにし、円筒容器20のみを傾けて使用してもよい。
上述したように、焼結原料40が微粉鉄鉱石を含む場合に、当該微粉鉄鉱石が凝集して粗大な擬似粒子を生成する。上述した高速撹拌装置10を用いて、当該焼結原料40を予め撹拌処理することで粗大な擬似粒子を解砕して、微粉鉄鉱石を焼結原料40中に分散できる。
続いて、高速撹拌装置10の撹拌条件について説明する。焼結機で焼結鉱を製造する前に、焼結原料40は、ドラムミキサーを用いて、予め定められた時間処理されて造粒される。ドラムミキサーで造粒される前に、高速撹拌装置10を用いて、焼結原料40中に含まれる粗大な擬似粒子を解砕する。これは、水分を保持しやすく、付着しやすい微粉鉄鉱石をドラムミキサーで造粒する前に解砕し、粗大な擬似粒子を減少させることで、ドラムミキサー内において粗粒が造粒されることを抑制するためである。なお、ドラムミキサーは、造粒装置の一例であり、一般的な造粒機、特に転動造粒機を用いてもよい。
高速撹拌装置10内における焼結原料40の粒子運動を解析したところ、円筒容器20内の焼結原料40は、撹拌板34の先端部に衝突し、撹拌羽根30における撹拌板34の先端が描く円の内側には入っても羽根の長さの半分までしか入らないことがわかった。このことから、撹拌板34の先端が描く円周上で焼結原料40が撹拌されると考えられるので、撹拌板34の先端が描く円周の長さLが長くなると、円筒容器20の焼結原料40をより撹拌できるので高速撹拌装置10の撹拌効率は高くなる。以後、撹拌板34の先端が描く円周の長さLを「有効羽根長さ」と称する。
また、底板24に対して撹拌羽根30の撹拌軸32が垂直に設けられた場合において、底板24の面積から撹拌羽根30の先端が描く円の面積を除いた面積をS(m)とすると、焼結原料40は、Sの領域に存在する。Sの領域に存在する焼結原料40は、撹拌板34の先端が描く円周上に到達しない限り撹拌板34に接触しないので、Sが大きくなると逆に高速撹拌装置10の撹拌効率は低くなる。以後、底板24の面積から撹拌羽根30の先端が描く円の面積を除いた面積Sを「有効面積」と称する。なお、底板24に対して撹拌軸32が傾斜されて設けられた場合においては、回転軸32の方向から投影した底板24の、撹拌軸32に垂直となる平面に投影した面積と、撹拌羽根30の先端が描く円の面積との差で算出される面積を有効面積としてよい。
上述したように、有効羽根長さLが長くなると撹拌効率は高くなり、有効面積Sが大きくなると、撹拌効率は低くなる。このことから、LをSで除した値である「L/S」を高速撹拌装置10の構造上の撹拌効率を示す指標とした。
図6は、高速撹拌装置10における有効羽根長さLおよび有効面積Sを説明する図である。Lは、図6における撹拌羽根30の撹拌板34の先端が描く円50の円周の長さである。Sは、図6において斜線で示した領域52である。これは、撹拌羽根30の回転軸方向からの容器の投影面積から撹拌羽根30の運動により占有される面積を引いた面積である。
なお、撹拌羽根30が複数ある場合には、有効羽根長さLは、それぞれ複数の撹拌羽根30における撹拌板34の先端が描く円周の長さの合計になる。また、撹拌羽根30が複数ある場合には、有効面積Sは、撹拌羽根30の回転軸32方向からの円筒容器20の投影面積から複数の撹拌羽根30における撹拌板34の先端が描く円の合計面積を除いた面積になる。
また、高速撹拌装置10において、底板24の回転による撹拌の効率は、底板24の回転で撹拌羽根30へ輸送する焼結原料40の輸送速度に関連する。焼結原料40は、底板24の回転に伴って移動するので、撹拌羽根30へ焼結原料40を輸送する輸送速度は、底板24の周速v(m/s)に関連する。そのため、底板24の周速v(m/s)を高速撹拌装置10における撹拌の効率を示す指標の一つとした。なお、底板24の周速は、底板24の円周の長さ(m)と底板24の回転数(rpm)との積で算出できる。
さらに、高速撹拌装置10において、撹拌羽根30の回転による撹拌の効率は、焼結原料40が高速撹拌装置10内で撹拌される時間で移動する撹拌板34の先端の移動量に関連する。そのため、焼結原料40が高速撹拌装置10で撹拌される時間t(s)と、撹拌板34の先端の速度である周速u(m/s)との積である撹拌板34の先端の移動距離「u×t」(m)を、高速撹拌装置10における撹拌の効率を示す指標の一つとした。
高速撹拌装置10において、上述した撹拌の効率を示す指標である「L/S」、「v」および「u×t」の積である下記数式(2)で、高速撹拌装置の撹拌の効率を評価できることを見出した。なお、下記数式(2)で算出される値を、撹拌速度(m/sec)とする。なお、高速撹拌装置10には、堰36が設けられているが、堰36の有無で、円筒容器20内における焼結原料40の動きは大きく変化しないので、堰36の有無で、高速撹拌装置10の撹拌の効率を評価する下記数式(2)は変わらない。
Figure 2017094255
そして、上記数式(2)で算出される撹拌速度が下記数式(1)を満足する場合に、焼結機において高い焼結鉱の生産率向上効果が得られることがわかった。すなわち、後述する図9に示されているように、撹拌速度が500m/s以下であると、撹拌羽根30による撹拌の効果がなく、焼結原料40の含まれる粗大な擬似粒子を解砕できないことが原因であると考えられる。
Figure 2017094255
また、撹拌速度は、3000m/s以下にすることが好ましい。撹拌速度を3000m/sより高速にしても電力を使用するだけで、焼結鉱の生産率向上効果がほとんどないからである。これは、撹拌速度を3000m/sにすることで、焼結原料40に含まれる粗大な擬似粒子のほとんどが解砕されたためであると考えられる。
なお、高速撹拌装置10では、複数の撹拌羽根30を有する場合も想定され、その際には、撹拌羽根30の周速vは、複数の撹拌羽根30の周速vの和を撹拌羽根30の本数で割った単純平均としてよい。また、有効面積Sは、底板24の面積から、全撹拌羽根30の運動により占有される面積の和を引いた値としてよい。さらに、有効撹拌羽根長さLは、各撹拌羽根30の有効撹拌羽根長さLの和としてよく、これらの値が500m/s以上となるようにv、u、t、L、Sを設定することにより、高い焼結鉱の生産率向上効果を得ることができる。
次に、焼結原料における微粉鉄鉱石の含有量の影響について説明する。微粉鉄鉱石を粒径0.125mm以下である粒子と定義し、粒径が0.125mm以下であるヘマタイト鉱石からなる微粉鉄鉱石を加えた焼結原料を用いて、当該焼結原料に含まれる上述した微粉鉄鉱石の含有割合を変えたサンプルを作成した。ここで、焼結原料は、鉄鉱石67質量%、返鉱15質量%、炭材5質量%、副原料である石灰石11質量%、生石灰を2質量%含んでいる。なお、それぞれのサンプルにおいて微粉鉄鉱石を添加し、微粉鉄鉱石含有量の変動分は鉄鉱石の粒径0.125mm超のものと振替えた。そして、当該サンプルに対して7.5質量%となる水分を添加してドラムミキサーで造粒後、鉄製試験鍋を用いて造粒粒子を焼成してシンターケーキ(焼結物)を製造した。製造したシンターケーキを、2mの高さから1回落とし、粒径が10mm以上のものを成品とした。それぞれのサンプルで製品質量(t)を測定し、当該成品質量(t)を焼結時間(h)および試験鍋の断面積(m)で除して、焼結生産率(t/(m×h))を算出した。なお、微粉鉄鉱石の含有量は、0.125mm以下の鉄鉱石の割合を事前に測定し、配合量から計算した値である。また、サンプルの水分は、焼結原料の量に対して内掛けでの値であり、乾燥基準の原料と添加水分から計算した値である。
図7は、粒径0.125mm以下の微粉鉄鉱石の含有量と、焼結生産率との関係を示すグラフである。グラフからわかるように、焼結原料に含まれる粒径0.125mm以下の微粉鉄鉱石の割合が10質量%を超えた場合に、焼結生産率が急激に減少している。このことから、微粉鉄鉱石の割合が10質量%を超えると、結合強度の弱い粗大な擬似粒子が形成され、その結果、焼結生産率が急激に減少したと考えられる。また、微粉鉄鉱石の割合が50質量%を超えた場合、ドラムミキサーでの造粒が困難になる。このため、焼結原料における粗大な擬似粒子が形成される条件は、0.125mm以下の微粉鉄鉱石を10〜50質量%の範囲内で含む場合であるといえる。なお、粒径0.125mm以下の焼結原料は、水分を添加した粉体における粒子間の接着性を表す付着力が増加し、焼結原料の造粒性が異なる挙動を示したので、微粉鉄鉱石の粒径の閾値を0.125mmとした。
次に、焼結原料におけるAlの濃度の影響について説明する。焼結原料40のAl濃度が高い場合、焼結鉱製造中の焼結鉱の強度向上の要因となる融液の粘度が高くなるという問題がある。また、Alを多量に含む鉱石は、凝集しやすい粘土系鉱石に分類される。そのため、Al割合が高い焼結原料を用いた際には、Alを多量に含む鉱石が凝集することによって、焼結時に生成する融液の粘度が高められ、焼結鉱製造中に融液が装入層に分散されず、焼結鉱の強度は低下する。
そのため、焼結原料40のAl濃度が高い場合に、焼結原料40を、高速撹拌装置10を用いて撹拌処理して、Alを多く含む鉄鉱石を分散させることが好ましい。これにより、焼結中におけるAlによる融液の粘性増加は抑制され、焼結鉱製造中に生成された融液を焼結原料40に分散させることができるので、焼結鉱の強度は向上する。なお、詳細は後述するが、高速撹拌装置10の撹拌処理による焼結鉱の強度向上効果は、焼結機によって焼結される焼結鉱のAlの濃度が1.6質量%以上の場合に大きくなる。
また、高速撹拌装置10を用いて撹拌処理する場合に、焼結原料40に含まれるバインダー、炭材および石灰石の少なくともいずれか1つを含めて撹拌処理してもよい。石灰石は、水分の添加により凝集する。石灰石が凝集すると融液中に溶けにくくなり、総融液量が減少する。これにより、焼結鉱の強度は低下する。このため、焼結原料40とともに石灰石を、高速撹拌装置10を用いて撹拌処理することで、水分を含む焼結原料40において凝集しやすい石灰石を分散できる。石灰石を分散させることで、石灰石は融液中に溶けやすくなり、総融液量が増加する。総融液量を増加させることで、焼結鉱の強度は向上するので、その結果、焼結鉱の歩留が高まり、焼結鉱の生産性が向上する。このように、高速撹拌装置10で撹拌処理することで、撹拌処理しない場合よりも焼結鉱の生産性を向上させることができる。
また、本来、ドラムミキサーで造粒する前に添加されるバインダーを、撹拌処理を行なう前に焼結原料40に添加し、高速撹拌装置10を用いて撹拌処理することで、焼結原料中で凝集しやすいバインダーを焼結原料40中に分散できる。ドラムミキサーは、バインダーを硬化させて粒子を造粒するので、バインダーを分散させることができれば、造粒される粒子の結合強度のばらつきを抑制できる。これにより、結合強度の弱い粒子がドラムミキサーによって造粒されることを抑制できる。
結合強度の弱い造粒粒子は、焼結機のパレットへ造粒粒子を供給する際の衝撃によって破壊され、当該破壊により微粉が生じる。破壊により生じた微粉により、装入層の通気性が阻害され、焼結鉱の生産性が低下する。焼結原料40とともにバインダーを、高速撹拌装置10を用いて撹拌処理して、バインダーを焼結原料40中に分散させることで、結合強度の弱い粒子が造粒されることを抑制できるので、高速撹拌装置10で撹拌処理しない場合よりも焼結鉱の生産性を向上させることができる。
また、炭材を、高速撹拌装置10を用いて撹拌処理することで、炭材を焼結原料中に分散できる。炭材が焼結原料中に分散できず不均一に含まれる状態で焼結原料を焼結するとムラ焼けが発生する。ムラ焼けは、焼結が不十分であり焼結鉱の強度を低下させる原因になる。このため、焼結原料40とともに炭材を、高速撹拌装置10を用いて撹拌処理して炭材を分散させることで、上記ムラ焼けの発生を抑制できるので、高速撹拌装置10で撹拌処理しない場合よりも焼結鉱の生産性を向上させることができる。
次に、Alの含有量と、石灰石の添加時期について説明する。Alの含有量および石灰添加時期を変えたサンプルを作成して、それぞれのサンプルを用いて、焼結鉱の生産率向上効果を確認する実験を行なった。表1は、各実験例に対応する条件を示す。なお、石灰石添加時期が「撹拌前」とは、高速撹拌装置10を用いて撹拌処理する前に、焼結原料に石灰石を含めることを意味する。また、石灰石添加時期が「撹拌後」とは、高速撹拌装置10を用いて撹拌処理した後に、焼結原料に石灰石含めることを意味する。
Figure 2017094255
これらのサンプルを、撹拌羽根30の直径が0.35m、円筒容器20の直径が0.75mである高速撹拌装置10を用いて、撹拌羽根30の回転数を500rpm、底板24の回転数を28rpmとして撹拌処理した。また、各サンプルにおける焼結原料40は、粒径0.125mm以下の微粉鉄鉱石を15質量%含むように調節した。ここで、焼結原料は、鉄鉱石67質量%、返鉱15質量%、炭材5質量%、副原料である石灰石11質量%、生石灰を2質量%含んでいる。また、高速撹拌装置10による撹拌時の水分は5.5質量%とした。また、ドラムミキサーを用いて水分含有量が7.5質量%になるように水を加えて300秒間、造粒を行なった。そして、造粒した造粒粒子を、鉄製試験鍋を用いて焼成してシンターケーキを製造し、焼結生産率を算出した。また、撹拌処理のみ行なわず、他の条件を同じにして造粒した造粒粒子についても同様の鉄製試験鍋を用いて焼成してシンターケーキを製造し、焼結生産率を算出した。
図8は、実験例1〜4と生産率向上効果との関係を示すグラフである。なお、生産率向上効果は、高速撹拌装置10による撹拌処理を行った場合の焼結生産率と、高速撹拌装置10による撹拌処理を行わない場合の焼結生産率との差をとることによって算出した。この結果、Alの割合が1.6質量%よりも低い実験例3と比較して、Alの割合が1.6質量%以上の実験例1および実験例2の方が、生産率向上効果がより大きいことがわかる。以上の結果から、Alの濃度が1.6質量%以上の場合に本発明の効果がより大きくなることが明らかとなった。
また、石灰石添加時期で比較すると、高速撹拌装置10で撹拌処理した後であって、ドラムミキサーで造粒する前に石灰石を添加した実験例4よりも、高速撹拌装置10で撹拌処理する前に石灰石を添加した実験例2の方が、焼結生産率の向上効果が大きいことがわかる。石灰石を含む焼結原料40を高速撹拌装置10で撹拌処理することで、融液の粘性を高めるAlに加え、融液量を増加させる石灰石を焼結原料40に分散できる。これにより、未反応の石灰石を減少させて融液を増加させることができるので、焼結鉱の強度がより向上し、この結果、焼結生産率がより向上したと考えられる。
以上の結果より、焼結鉱の製造方法において、粒径0.125mm以下の微粉鉄鉱石を15質量%含み、かつ焼結鉱のAlの濃度が1.6質量%以上である焼結原料であっても、高速撹拌装置10で撹拌処理した後にドラムミキサーで造粒を行い、焼結鉱を製造することで、焼結鉱の生産性をより向上できることがわかった。
なお、本実施形態において、バインダーとして生石灰(CaO)を用いたが、ドラムミキサーでの造粒性を増加させるバインダーである消石灰(Ca(OH))、増粘性の有機バインダー、無機バインダーを用いてもよい。生石灰は安価であるので、バインダーとして生石灰を用いることで、安価に焼結鉱を製造できる。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
微粉鉄鉱石を含む焼結原料40を、高速撹拌装置10を用いて撹拌処理し、その後、ドラムミキサーを用いて造粒した造粒粒子を用いて焼結鉱の生産性向上効果を確認した。焼結原料40としては、粒径0.125mm以下の微粉鉄鉱石を15質量%と、焼結鉱のAl濃度が1.6質量%である鉄鉱石原料と、を含む焼結原料を用いた。ここで、焼結原料は、鉄鉱石67質量%、返鉱15質量%、炭材5質量%、副原料である石灰石11質量%、生石灰を2質量%含んでいる。また、高速撹拌装置10による撹拌時の水分は5.5質量%とした。さらに、水分含有量が7.5質量%になるように水を加え、300秒間ドラムミキサーを用いて造粒した後に焼結して焼結鉱を製造し、焼結生産率向上効果を算出した。下記表2に、本発明例1〜7および比較例1、2における高速撹拌装置10の撹拌羽根30の撹拌条件、底板24の回転条件、撹拌時間、有効羽根長さ、有効面積、撹拌速度および生産率向上効果を示す。
Figure 2017094255
図9は、撹拌速度と焼結生産率向上効果との関係を示すグラフである。図9は、縦軸を生産率向上効果とし、横軸を撹拌速度とした場合における表2の本発明例1〜7および比較例1、2をそれぞれプロットしたグラフである。図9から撹拌速度が500m/sより高速にすることで高い焼結鉱の生産率向上効果が得られることがわかった。一方、撹拌速度を3000m/sより高速にしても焼結鉱の生産率向上効果は変わらないことがわかった。なお、図9から、撹拌速度を700m/s以上にすることがより好ましく、1300m/s以上にすることがさらに好ましいことがわかる。
続いて、表2の条件において、粗大な擬似粒子が高速撹拌装置10により解砕されているかを確認するために、撹拌後の平均粒子径と生産率向上効果の関係を確認した。ここで、平均粒子径は、撹拌処理後の粉体サンプルを1kg採取し、乾燥後、目開き0.25、0.5、1、2.8、4.75、8mmの篩いを用いて目開きの広い順で当該粉体サンプルを篩い、各粒度の質量割合を測定し、その質量割合を用いた粒子径を加重平均することで算出した。
図10は、撹拌処理後の平均粒子径と、焼結生産率向上効果との関係を示すグラフである。図10から高速撹拌装置10で撹拌処理した後の平均粒子径が3mm以下の場合に焼結鉱の生産率向上効果が大きいことがわかる。すなわち、高速撹拌装置10で焼結原料40を撹拌処理して、焼結原料40中の粗大な擬似粒子を解砕し、焼結原料40の平均粒子径を3mm以下にすることで、焼結鉱の生産率向上効果を高めることができた。なお、図10から、高速撹拌装置10で撹拌処理した後の平均粒子径を2.5mm以下にすることがより好ましく、2mm以下にすることがさらに好ましいことがわかる。
続いて、高速撹拌装置10を用いて撹拌処理した後の平均粒子径が3mm以下になるような撹拌時の水分量を測定した。焼結原料40を高速撹拌装置10に全量装入し、撹拌処理して、撹拌処理した後の平均粒子径を測定した。焼結原料40としては、微粉鉄鉱石の割合が15質量%、核粒子の割合が55質量%、Alの割合が1.6質量%の焼結原料40を用いた。ここで、焼結原料は、鉄鉱石67質量%、返鉱15質量%、炭材5質量%、副原料である石灰石11質量%、生石灰を2質量%含んでいる。高速撹拌装置10における円筒容器20の直径は0.75mであり、撹拌羽根30の直径は0.35mである。また、円筒容器20における底板24の回転数は、28rpmであり、撹拌羽根30の回転数は、500rpmである。水分含有量を変えた焼結原料40を準備し、上記条件で撹拌処理を行い、各水分含有量における撹拌処理後の平均粒子径を測定した。
図11は、撹拌処理時の水分と、撹拌処理後の平均粒子の関係を示す図である。図11から撹拌時の水分を7質量%以下にすることによって、撹拌処理後の平均粒子径は3mm以下になり、撹拌処理を行なうことによる焼結鉱の生産率向上効果が大きくなることがわかる。なお、図11から、撹拌時の水分量を6質量%以下にすることがより好ましく、撹拌時の水分量を4質量%以下にすることがさらに好ましいことがわかる。
10 高速撹拌装置
20 円筒容器
22 円筒
24 底板
30 撹拌羽根
32 回転軸
34 撹拌板
36 堰
40 焼結原料
50 円
52 領域

Claims (6)

  1. 焼結鉱の製造方法であって、
    回転する円筒容器と、前記円筒容器内で回転する撹拌羽根と、を有する高速撹拌装置で、下記数式(1)を満たすように焼結原料を撹拌処理し、
    撹拌処理後の焼結原料を造粒装置を用いて造粒し、
    造粒後の焼結原料を焼結機を用いて焼結して、焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法。
    Figure 2017094255
    但し、上記数式(1)において、
    v:前記円筒容器の底板の周速(m/s)、
    u:前記撹拌羽根の先端の周速(m/s)、
    t:前記焼結原料が高速撹拌装置によって撹拌される時間(s)、
    L:前記撹拌羽根の先端が描く円周の長さ(m)、
    S:前記撹拌羽根の回転軸方向から投影した円筒容器の投影面積から前記撹拌羽根の先端が描く円の面積を除いた面積(m)、
    である。
  2. 前記焼結原料は、粒径0.125mm以下である微粉鉄鉱石を10〜50質量%含み、かつ前記焼結機で焼結原料を焼結した焼結鉱のAl濃度が1.6質量%以上である請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. 前記焼結原料は、さらに、バインダーを含む請求項1または請求項2に記載の焼結鉱の製造方法。
  4. 前記バインダーは、生石灰である請求項3に記載の焼結鉱の製造方法。
  5. 前記高速撹拌装置で撹拌処理した後の前記焼結原料の平均粒子径は、3mm以下である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の焼結鉱の製造方法。
  6. 前記高速撹拌装置で撹拌処理する前の前記焼結原料は、7質量%以下の水分を含む請求項5に記載の焼結鉱の製造方法。
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