JP4356929B2 - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、結晶水の含有率が高く且つ微粉の多い多孔質の劣質構成であるマラマンバ鉱石を使用して良質な焼結鉱を製造するための有用な製造方法に関するものである。
焼結鉱は、その塩基度(CaO/SiO)やSiO含有量が目標値となるように鉄鉱石に石灰石、珪石、蛇紋岩等の副原料が配合され、さらに固体燃料を加えた配合原料がドラムミキサーやディスクペレタイザーで混合造粒された後、焼結機で焼成されて得られる。
従来から結晶水を高濃度に含有する鉄鉱石を多量に配合して焼結すると、生産性や製品歩留まりが悪化することが知られている。また、微粉の多い鉄鉱石を多量に配合した場合にも、生産性や製品歩留等を悪化させることもよく知られている。しかし、原料事情により今後更に鉄鉱石原料は劣質化する傾向にあり、結晶水含有率は高いが微粉は比較的少ないピソライト鉱石に加え、結晶水含有率が高く且つ微粉の多いマラマンバ鉱石の配合比率を増加させた焼結鉱製造の開発が喫緊の課題となっている。
配合原料中の結晶水含有量が増加すると、その結晶水を分解して蒸発させるための熱量が余分に必要となり、固体燃料の添加量を増加させる必要がある。もし固体燃料の添加量を増加させないと、焼結ベッドが熱不足状態となり、製品焼結鉱の品質が低下したり、返鉱が増加して製品歩留りが低下することになる。
一方、逆に固体燃料の添加量が過剰になると、焼結ベッドの赤熱帯が大幅に広がり、更に融液が過剰に生成して、焼結ベッドの通気抵抗が増えて生産性が低下したり、製品歩留りが低下する等の悪影響が見られる。
また、微粉の含有率が高い原料鉱石を多く使用すると、配合原料の造粒性が悪くなり焼結ベッドの通気性が悪化して生産性が低下する。また、通気性悪化部位ならびにその下部の焼成が不十分なるため成品歩留りも悪化する。
更に、マラマンバ鉱石は、他の原料鉱石に比べてSiO含有量が少ないために、こうしたマラマンバ鉱石を焼結鉱の原料として使用すると、焼結鉱の塩基度(CaO/SiO)一定の場合は焼結鉱石中のSiOの低下に伴い、CaO量も低下するので、焼結鉱形成に必要な造滓量が不足して、焼結鉱の製品歩留りや強度が悪化することはよく知られている。
またマラマンバ鉱石は、ピソライト鉱石と同様に気孔率の高い多孔質鉱石であるため、マラマンバ鉱石を使用する場合、造粒時に添加する水分の一部がその気孔中に侵入し、微粉鉱石を粗粒鉱石に付着させる水分が不足するため、配合原料の造粒性が悪化し、生産性や成品歩留り、冷間強度が低下することになる。
即ち、粒径が0.25mm以下の微粉が多い(通常20質量%以上)多孔質な細粒原料であるマラマンバ鉱石を粗粒原料と高水分で造粒しても、粗粒原料への付着力が弱いために配合原料の擬似粒子強度が低下するので、焼結機への輸送中に粉化したり、焼結ベッド内での乾燥時に崩壊して焼結ベッドの通気性を悪化させ、生産性や成品歩留りを低下させるという問題があった。
上記のような問題を解決するための技術もこれまでに様々提案されており、微粉を多く含む鉄鉱石を使用する焼結鉱製造方法としては特許文献1〜4に、結晶水含有率が高く且つ微粉の多いマラマンバ鉱石の使用方法としては特許文献5に開示されている。
このうち特許文献1には、「粒径が0.5mm以下の粒子を30質量%以上含み、且つ焼結鉱のSiO含有量が3.0〜4.7質量%となるように配合した焼結原料を、一括して高速攪拌羽根を内蔵した混合機で混合した後に焼結する」技術が開示されている。
特許文献2には、「Alを2質量%以上含有し、且つ粒径が1mm以下の粒子を80質量%以上含有する焼結原料を処理する方法において、前記焼結原料の一部に集塵機で捕集される乾ダストや湿ダストのうちの1種または2種以上と、水およびスラリ−状のダストを添加し、目標水分となるように高速攪拌ミキサーで調湿、混合、造粒した後、これを前記焼結原料の残りと混合若しくは混合造粒する」方法が提案されている。
特許文献3には、「原料槽から切り出される焼結原料の一部に微粉鉄鉱石およびダストのうちの1種または2種以上を添加して(好ましくは高速攪拌ミキサーで)事前造粒した後、この事前造粒物を前記原料槽から切り出される残りの焼結原料と混合若しくは混合造粒する焼結原料の処理方法であって、事前造粒工程に供される該原料が下記条件を満たすものであることを特徴とする焼結原料処理方法。
Al含有量≦2質量%、粒径1mm以下のものの含有量≦50質量%、
鉱石中の結晶水含有量≧5質量%」が記載されている。
特許文献4には、「粒径0.5mm以下の粒子を30質量%以上含み、且つ焼結鉱のSiO濃度が2.8〜4.7質量%となるように配合した焼結原料を高速攪拌混合機で混合造粒し、更に燃料成分を添加し、再度、造粒した後に焼結することを特徴とする焼結鉱の製造方法」が記載されている。
一方、特許文献5には、「結晶水を3.0質量%以上、SiOを4.0質量%以下、粒径0.25mm以下の微粉を25質量%以上含有する高結晶水・低脈石の鉄鉱石(例えば、マラマンバ鉱石)を5質量%以上50質量%以下含む新原料に、返鉱、固体燃料を配合し、混合、造粒した配合原料を焼結機に装入、焼成して焼結鉱を製造する方法において、前記高結晶水・低脈石と多孔質ピソライト鉱石との混合物または混合・造粒物をその配合原料と混合、造粒して焼結することを特徴とする焼結鉱の製造方法。」について記載されている。
特許第2953308号公報 特許請求の範囲等 特開平10−280058号公報 特許請求の範囲等 特開平10−317069号公報 特許請求の範囲等 特開平11−61282号公報 特許請求の範囲等 特開2002−235121号公報 特許請求の範囲等
マラマンバ鉱石はピソライト鉱石と同様に多孔質であり、造粒時に添加する水分の一部がその気孔中に侵入し、微粉鉱石を粗粒鉱石の表面に付着させる水分が不足するために、造粒性がその他の一般鉄鉱石より劣る。そのため、特許文献1、2または4に記載の方法を用いて、微粉の多いマラマンバ鉱石を含む焼結原料の全体または一部を、高速攪拌ミキサーを用いて混合造粒しても、微粉鉱石を粗粒鉱石の表面に十分付着させることができず、造粒物の強度を大幅に向上できないという欠点がある。
また、特許文献3の方法では、事前に該粒子となる粗粒の多い高結晶水鉱石(例えばピソライト鉱石)と微粉鉱石とを高速攪拌ミキサーで混合造粒することにより、造粒性が改善されるとするものである。しかしながら、微粉鉱石として吸水性の高い多孔質のマラマンバ鉱石を用いた場合には、単にこの方法の条件を適用するだけでは十分に高い造粒物の強度が得られないという問題がある。また、マラマンバ鉱石は低脈石(特にSiO含有量が低い)であるために、単にこの方法の条件を適用するだけでは、焼結鉱の造滓量が減少するため製品歩留まりが維持できない問題がある。
一方、特許文献5の方法では、事前に核粒子となる粗粒の多いピソライト鉱石とマラマンバ鉱石とを混合造粒することにより、造粒性が改善されることが期待される。しかしながら、その混合・造粒手段については具体的に言及されておらず、通常のドラムミキサー等を用いては、その装置特性上、水分を十分に添加することが困難なため十分に高い造粒物強度が得られないという問題がある。
本発明はこうした従来技術における課題を解決する為になされたものであって、その目的は、高結晶水・低脈石で微粉を多く含有するマラマンバ鉱石を焼結鉱原料として使用しても、生産性や製品歩留りを悪化させることがない焼結鉱の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明方法とは、結晶水を3.0質量%以上、SiOを4.0質量%以下、粒径:0.25mm以下の微粉を20質量%以上含有するマラマンバ鉱石に、比表面積が3m/g以上で、粒径:3mm以上5mm未満の粒子の割合A(質量%)および粒径:5mm以上10mm未満の粒子の割合A(質量%)の関係が下記(1)式を満足する鉱石を配合して配合物とし、この配合物を高速攪拌混合機で混合造粒した後、焼結する点に要旨を有するものである。この方法においては、マラマンバ鉱石に配合する鉱石の配合量が、マラマンバ鉱石100質量部に対して20〜60質量部であることが好ましい。また前記配合物中の水含有率を5〜10質量%とすることが好ましい。
13.2−0.014×A+0.033A<14.5‥(1)
本発明は以上の様に構成されており、高結晶水・低脈石で微粉を多く含有するマラマンバ鉱石を焼結鉱原料として使用しても、生産性や製品歩留りを悪化させることがない焼結鉱の製造方法が実現できた。
本発明者らは、上記目的を達成する為に様々な角度から検討した。その結果、結晶水を3.0質量%以上、SiOを4.0質量%以下、粒径:0.25mm以下の微粉を20質量%以上含有するマラマンバ鉱石に、比表面積および粒度分布(粒度構成)を適切に調整した鉱石を添加して混合物とし、この混合物に適量の水を加えて高速攪拌混合機で混合造粒すれば、造粒性の悪いマラマンバ鉱石単独の場合と比較して、造粒性が格段に向上し、配合原料の擬似粒子平均径および擬似粒子強度が増加することが判明したのである。そして、こうした配合原料を焼結することによって、焼結ベッド即ち焼結過程の通気性が改善されて焼成が大幅に改善され、生産性や製品歩留りが向上することを見出し、本発明を完成した。
本発明において、マラマンバ鉱石に配合する鉱石(以下、「配合鉱石」と呼ぶことがある)の比表面積は3.0m/g以上とする必要がある。この比表面積が3.0m/g未満となると、鉱石表面が滑らかなため、表面に水分が保持され難くなること、および表面の凹凸が少なくなることによって、物理的に付着する(表面にひっかかる)微粉の量が減少するという理由によって、造粒性が悪くなり、焼結鉱充填層の通気性が悪くなって焼成時間が長くなり、生産性が低下する。但し、この比表面積が大きくなり過ぎると、表面の気孔に吸い込まれる水分の割合が増加して、より多量の水分を必要とするため、焼結充填層に導入される水分量が増加し、その結果として焼結中の充填層通気性が悪化して生産性が低下するので30m/g以下とすることが推奨される。
本発明においては、配合鉱石は比較的粗粒のものを使用することになるが、この粒度構成も重要な要件となる。本発明者らが検討したところによれば、特に配合鉱石中の粒径(最大粒径の意味)が3mm以上5mm未満の鉱石と、粒径:5mm以上10mm未満の鉱石が造粒性に影響を及ぼし、これらの配合割合を適切に調整して下記(1)式を満足するようにすれば、上記目的が見事に達成されることが判明したのである。尚、この(1)式は、本発明者らが配合鉱石中の粒度構成が造粒性等に与える影響について実験によって検討した結果に基づき、重回帰分析法から求めたものである。また、こうした粒度構成を実現するには、当該鉱石を篩い分けすることによって実現することができる。
13.2−0.014×A+0.033A<14.5‥(1)
但し、A:粒径:3mm以上5mm未満の粒子の割合(質量%)
:粒径:5mm以上10mm未満の粒子の割合(質量%)
を夫々示す。
本発明においては、配合物に水分を加えた後の混合造粒は高速攪拌混合機で攪拌混合するが、こうした構成を採用する理由は次の通りである。即ち、高速攪拌混合機における攪拌羽根の強力な混合力によって、添加水分が混合物全体に亘って浸透し、微粉の粒子表面にも水膜が形成される。そのため、微粉粒子の可塑性が向上し、配合鉱石(核となる粒子)の表面に微粉粒子が付着し易くなり、フリーな微粉が確実に減少することになる。その結果、擬似粒子平均径および擬似粒子強度が増加し、焼結ベッド即ち焼結過程での通気性が大幅に改善され、生産性や製品歩留りが向上することになる。これに対して、高速攪拌混合機でなく通常のドラムミキサーやディスクペレタイザー等を用いた場合には、混合力が弱いために、微粉粒子の表面に水分が行き亘らず可塑性が不足し、配合鉱石表面に微粉粒子が十分に付着せず、フリーな微粉が多量に残留したり、或は部分的に水分が過剰になる領域が形成され、微粉がスラリー化してしまうことになる。
本発明の焼結原料である配合物の含水率は、5〜10質量%となるように調整することが好ましい。この含水率が5質量%未満になると水分量が不足し、上記微粉粒子の可塑性が十分に得られず、造粒性が低下することになる。一方、含水率が10質量%を超えると、水分が過剰となるので却って焼結過程における通気性が低下することになる。配合原料中の含水率のより好ましい下限は7.5質量%程度であり、より好ましい上限は9.5質量%程度である。
尚、従来の焼結原料における含水率は通常7質量%程度が限度とされており、こうした含水率の下ではドラムミキサーやディスクペレタイザーで混合造粒が可能であった。しかしながら、含水率が8質量%以上になると、ドラムミキサーやディスクペレタイザーでは十分な攪拌が達成されないので、造粒自体が困難とされていた。これに対して、高速攪拌混合機では少なくとも10質量%までの含水率までは問題なく造粒できるのである。
本発明では、マラマンバ鉱石と所定の性状を有する鉱石を配合して攪拌混合して焼結原料とすることを基本的は構成とするものであるが、焼結に先立ち、こうした焼結原料に対して他の一般的な性状の鉱石や原料(例えば、石灰石、珪石等)を配合して混合攪拌し、最終的焼結原料としても良い。また、最終的な混合攪拌に際しては、高速攪拌混合機を用いても良いが、通常のドラムミキサーによって混合攪拌しても本発明の目的が達成される。
尚、配合鉱石の配合量は、マラマンバ鉱石100質量部に対して20〜60質量部程度であることが好ましい。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
実施例1
まず本発明者らは、マラマンバ鉱石に配合鉱石を配合した配合物に対する高速攪拌の効果を確認した。下記表1に示す化学成分の各種原料鉱石を用い、これらを下記表2に示す配合割合で配合して焼結原料とした。表1中、鉱石Wがマラマンバ鉱石に相当するものである。また、表2のNo.1〜4における配合手順は下記の通りである。
(1)No.1:表2に示す配合割合で原料鉱石を配合した後ドラムミキサーを
用いて混合攪拌した(処理量:5〜7kg/バッチ、ドラム回転数:37
rpm、滞留時間:8分)。
(2)No.2:マラマンバ鉱石(鉱石W)の配合量を20質量%とする以外(
その分鉱石Hの配合量を低減)はNo.2と同様にして混合攪拌した。
(3)No.3:マラマンバ鉱石(鉱石W)を高速攪拌混合処理(処理量:3〜
5L/バッチ、パン回転数値:47rpm、アジテータ回転数:891r
pm、滞留時間:45秒)した後、その他の鉱石(鉱石R,Y,H,C,
D)、石灰石、生石灰、硅石および蛇紋岩を配合し、ドラムミキサーを用
いて混合攪拌(処理条件はNo.1と同じ)した。
(4)No.4:マラマンバ鉱石(鉱石W)、鉱石Rおよび鉱石Yを配合して高
速攪拌混合処理(処理条件はNo.3と同じ)した後、その他の鉱石(鉱
石H,C,D)、石灰石、生石灰、硅石および蛇紋岩を配合し、ドラムミ
キサーを用いて混合攪拌(処理条件はNo.1と同じ)した。
尚、水分添加については、No.1,2については、全原料にドラムミキサーで7.0質量%添加し、No.3,4については高速攪拌混合処理原料に対して8.0質量%、その他の原料に対してドラムミキサーで7.0質量%添加した。また高速攪拌混合機としては、高速回転羽根(アジテータ)を内蔵したアイリッヒミキサーを用いた。
Figure 0004356929
Figure 0004356929
上記各焼結原料について、焼結鍋試験装置(大気吸引、吸引圧:3.53kPa)に充填し、着荷直後の充填層通気性指数JPUを測定した。尚、充填層通気性指数JPUは、下記(2)によって求められる値であり、この数値が高い程通気性が良好であることを示している。
JPU=F/A×(h/s)0.6‥(2)
但し、F:ガス流量(Nm/min)
A:吸引面積(m
h:吸引層厚(m)
s:吸引負圧(mHO)
充填層通気性指数JPUの測定結果を図1に示すが、マラマンバ鉱石(鉱石W)を20質量%含む配合原料をドラムミキサーで混合攪拌したもの(No.2)では、冷間通気性指数が極めて低下していることが分かる。これに対して、マラマンバ鉱石(鉱石W)を予め高速攪拌混合したもの(No.3)や、マラマンバ鉱石(鉱石W)と鉱石R、Yを予め高速攪拌混合したもの(No.4)では、充填層通気性指数JPUが向上していることがわかる。特に、No.4のものでは、マラマンバ鉱石を含まない混合物よりも良好な通気性を示していることが分かる。
各焼結原料について、焼結が完了するまでの時間(焼結時間)を比較して図2に示す。尚、「焼結時間」とは、焼成中の排ガス温度が最大となる時間を基準にして焼結が完了したことを判断したものである。また、上記「焼結時間」に基づいて、5mm以上の製品における単位焼成面積当たりの生産率を評価した結果を図3に示す。
これらの結果から明らかなように、マラマンバ鉱石を原料として使用する場合に、当該鉱石を予め高速攪拌混合してから他の鉱石と混合して焼結原料とするか、或は他の鉱石と混合して高速攪拌した後に他の鉱石と混合して焼結原料とすることによって、造粒性の悪いマラマンバ鉱石の造粒性を改善して生産性を高めることができることが分かる。
実施例2
次に、配合する鉱石の比表面積の影響について調査した。前記表1に示した化学成分の各原料鉱石D,C,H,R,Yを用い、これらをマラマンバ鉱石(前記鉱石W)100質量部に対して夫々25質量部となるように配合し、高速攪拌混合処理(処理条件は実施例1と同じ)した。このときの各原料鉱石D,C,H,R,Yの比表面積は下記表3に示す通りである。
Figure 0004356929
高速攪拌処理原料に対して、下記表4に示す各種配合割合で、他の鉱石、石灰石、生石灰、硅石および蛇紋岩を、前記高速攪拌混合処理原料の割合が20質量%となるように配合し(従って、下記表4に示した原料の合計が80質量%)、ドラムミキサーを用いて混合攪拌(処理条件は実施例1と同じ)した。
尚、水分添加については、高速攪拌処理原料に対して、9.0質量%、その他の原料に対してドラムミキサーで7.0質量%添加した。
Figure 0004356929
上記各焼結原料について、焼結鍋試験装置(大気吸引、吸引圧:3.53kPa)に充填し、着火直後の冷間通気性指数JPUを実施例1と同様にして測定した。
配合した各鉱石の比表面積と充填層通気性指数JPUの関係を図4に、比表面積と焼成時間の関係を図5に、比表面積と生産性の関係を図6に夫々示す。これらの結果から明らかなように、マラマンバ鉱石に配合する鉱石の比表面積を3m/g以上とすることによって、焼結原料の通気性が改善され、生産性を高めることができることが分かる。
実施例3
次に、配合する鉱石の粒度構成の影響について調査した。前記表1に示した原料鉱石Hを、マラマンバ鉱石(前記鉱石W)150質量部に対して50質量部となるように配合し、高速攪拌混合処理(処理条件は実施例1と同じ)した。このときの原料鉱石Hの粒度構成を各粒径に篩い分けした鉱石Hを所定量混合することによって調整した。試験に供した核鉱石Hの粒度構成を下記表5に示す。このとき、鉱石Hを配合しない原料(No.10)についても準備した。
Figure 0004356929
上記高速攪拌混合処理原料に対して、下記表6に示す各種配合割合で他の鉱石、石灰石、生石灰、硅石および蛇紋岩を、前記高速攪拌混合処理原料の割合が15質量%(No.10)または20質量(No.11〜19)となるように配合し(従って、下記表6に示した原料の合計が80または85質量%)、ドラムミキサーを用いて混合攪拌(処理条件は実施例1と同じ)した。
尚、水分添加については、高速攪拌処理原料に対して、9.0質量%、その他の原料に対してドラムミキサーで7.0質量%添加した。
Figure 0004356929
上記各焼結原料について、焼結鍋試験装置(大気吸引、吸引圧:3.53kPa)に充填して焼成し、配合鉱石中の粒径:3mm以上5mm未満の粒子割合や粒径:5mm以上10mm未満の粒子割合が焼成時間や生産率に与える影響について調査した。
粒径が3mm以上5mm未満の粒子割合が焼成時間に与える影響性を図7に、生産性に与える影響を図8に夫々示す。また、粒径が5mm以上10mm未満の粒子割合が焼成時間に与える影響性を図9に、生産率に与える影響を図10に夫々示す。尚、粒径が1mm以上3mm未満の粒子の割合については、焼結時間や生産率に対しては影響は殆ど認められなかった。
これらの結果から明らかなように、所定の粒度構成を有する核粒子を配合することによって、造粒性が高められ、生産率が向上することが分かる。また、これらの結果に基づいて、前記(1)式(重相関式)の関係が求められたのである。
実施例1の各条件で調整した焼結原料の充填層通気性指数JPUの測定結果を比較して示した棒グラフである。 実施例1の各条件で調整した焼結原料の焼結時間を比較して示す棒グラフである。 実施例1の各条件で調整した焼結原料の生産率を比較して示す棒グラフである。 配合鉱石の比表面積と充填層通気性指数JPUの関係を示すグラフである。 配合鉱石の比表面積と焼成時間の関係を示すグラフである。 配合鉱石の比表面積と生産率の関係を示すグラフである。 配合鉱石中における粒径:3mm以上5mm未満の粒子割合が焼成時間に与える影響を示すグラフである。 配合鉱石中における粒径:3mm以上5mm未満の粒子割合が生産性に与える影響を示すグラフである。 配合鉱石中における粒径:5mm以上10mm未満の粒子割合が焼成時間に与える影響を示すグラフである。 配合鉱石中における粒径5mm以上10mm未満の粒子割合が生産性に与える影響を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 結晶水を3.0質量%以上、SiO2を4.0質量%以下、粒径:0.25mm以下の微粉を20質量%以上含有するマラマンバ鉱石に、
    比表面積が3m2/g以上で、
    粒径:1mm以上3mm未満の粒子の割合が20〜40質量%、粒径:3mm以上5mm未満の粒子の割合が20〜50質量%、5mm以上10mm未満の粒子の割合が20〜40質量%であり、かつ
    粒径:3mm以上5mm未満の粒子の割合A1(質量%)および粒径:5mm以上10mm未満の粒子の割合A2(質量%)の関係が下記(1)式を満足する鉱石を配合して配合物とし、
    この配合物を高速攪拌混合機で混合造粒した後、焼結することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
    13.2−0.014×A1+0.033×A2<14.5‥(1)
  2. マラマンバ鉱石に配合する鉱石の配合量が、マラマンバ鉱石100質量部に対して20〜60質量部である請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. 前記配合物中の水含有率を5〜10質量%とすることを特徴とする請求項1または2に記載の焼結鉱の製造方法。
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