JPH0827525A - 高結晶水鉱石を原料とする焼結鉱の製造方法 - Google Patents

高結晶水鉱石を原料とする焼結鉱の製造方法

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JPH0827525A
JPH0827525A JP16644894A JP16644894A JPH0827525A JP H0827525 A JPH0827525 A JP H0827525A JP 16644894 A JP16644894 A JP 16644894A JP 16644894 A JP16644894 A JP 16644894A JP H0827525 A JPH0827525 A JP H0827525A
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cao
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Nobuyuki Oyama
伸幸 大山
Yukio Konishi
行雄 小西
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】結晶水を3重量%以上含むゲーサイト鉱石を原
料として歩留よく、強度の高い焼結鉱を製造する。 【構成】ゲーサイト鉱石粉1に石灰石2をFe23
(CaO+Fe23 )重量率が85%以下となるよう
に配合して造粒機4を用いて擬似粒化して他の焼結原料
3と配合してドラムミキサ5で焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高結晶水鉱石を原料とす
る焼結鉱の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉原料として用いられる鉄鉱石の焼結
鉱は一般的に次の製造工程により製造される。10mm
程度以下の粉鉄鉱石に石灰石粉などのCaO含有副原
料、珪石、蛇紋岩等のSiO2 含有副原料およびコーク
ス粉などの固体燃料を混合し、これに適当な水分を加え
て疑似粒化する。この疑似粒化物をドワイトロイド式焼
結機のパレット上に適当な厚さに装入して表層部の固体
燃料に着火し、着火後は下方に向けて空気を吸引しなが
ら固体燃料を燃焼させ、その燃焼熱により配合原料を焼
結させて焼結ケーキとし、この焼結ケーキを破砕・整粒
して一定の粒径以上の焼結鉱を製品として得る。それ未
満の粒径の焼結鉱(返鉱)は、焼結炉操業の原料として
再び利用される。
【0003】この場合、焼結鉱の鉄原料としては主に赤
鉄鉱(Fe23 :Hematite)や磁鉄鉱(Fe
34 :Magnetite)などが使用されてきた。
しかし近年、これらの良質の鉄鉱石の産出量が減少する
につれ、より安価な針鉄鉱(Fe23 ・nH2 O:G
oethite:ゲーサイト)を使用する試みが試行さ
れてきた。
【0004】すなわち、針鉄鉱を上記良質の鉄鉱石に一
部置き換えて用い、従来のような高品質の焼結鉱を生産
することができれば資源枯渇の問題に対応できるととも
に、経済的に多大な効果が生み出せることになる。しか
しながら、この鉱石は多量の結晶水(通常3wt%以
上)を含有し、常温および加熱後の気孔率が高いことか
ら、焼結原料として多量に使用すると製品強度が低下す
るばかりでなく歩留や生産性が低下するという問題点が
あった。
【0005】そこで、これらの鉱石を使用する(好まし
くは多量に使用する)ための様々な技術が検討されてき
た。例えば、特開平3−47927号公報には、これら
鉱石の周辺に所定割合のMgO−SiO2 含有副原料を
配合することにより、カルシウムフェライト系の融液中
にFe23 が多量に溶融することを防止する方法が開
示されている。しかし、この方法では、焼結原料として
ゲーサイトを多く含有する鉱石を多量に用いた場合、M
gO−SiO2 含有副原料を現在の値よりもかなり多く
配合しなければならず、製造コストが高くなるという問
題があった。
【0006】また、特開平3−10027公報にはゲー
サイトを多く含有する鉱石を1200℃以上の温度で一
定時間加熱し、鉱石を緻密化させることによって、気孔
率を低下させ、カルシウムフェライト系の融液中にFe
23 が多量に溶融することを防止する方法が開示され
ている。しかし、この方法では原料を予め高温で加熱処
理をしなければならないので、消費熱量の増大により製
造コストが高くなるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を解決することを目的とするものであって、例
えば、結晶水の含有率が3%以上の高結晶水鉄鉱石粉を
原料の一部として焼結鉱を製造するに当たり、(1)消
費熱量の増大、(2)生産性の低下、(3)副原料添加
量の大幅な増大というような問題を生じる事なく焼結鉱
を歩留良く生産する方法を提供しようとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題の
解決方法として、高結晶水鉄鉱石粉を用いて焼結鉱を製
造するに当たり、高結晶水鉄鉱石粉とCaO含有副原料
とを、Fe23 /(CaO+Fe23 )重量率で8
5%以下に配合して、調湿し、疑似粒化した高結晶水含
有焼結原料を焼結することを特徴とする高結晶水鉱石を
原料とする焼結鉱の製造方法である。本発明において高
結晶水鉄鉱石とは結晶水の含有率が3%以上の鉄鉱石を
いう。
【0009】上記方法において、CaO含有副原料の添
加に加えて、粒径125μm以下に粉砕した固体燃料を
高結晶水鉄鉱石粉に0.1重量%以上配合すると好まし
い。また、CaO含有副原料を石灰石粉とすると好適で
ある。さらに、前記高結晶水含有焼結原料を結晶水を含
まない他の焼結原料と配合して焼結すると歩留や強度を
大きく低下させることなく焼結鉱を製造することがで
き、前記高結晶水含有焼結原料の配合比率を40重量%
以下とすることが好ましい。
【0010】
【作用】本発明の発明者らは、高結晶水鉄鉱石ゲーサイ
ト(通常、結晶水を3wt%以上含有)を主体とする鉄
鉱石(以下鉱石Aと略記)を、結晶水を含まない他の焼
結原料と配合して焼結することについて研究し、鉱石A
配合率を増加させたときの焼結歩留の変化を調査した。
その結果を図2に示す。これより、鉱石Aを多量に使用
すると歩留が大きく低下することが分かった。
【0011】また、表1は鉱石Aの配合率を増加させた
ときの焼結時におけるカルシウムフェライト系の融液の
組成推定値を示したものである。表1より、鉱石Aの配
合率を増加させると融液中のFe23 濃度が高くなっ
ていることが分かる。
【0012】
【表1】
【0013】図3に焼結ケーキの気孔径分布を調査した
結果を示す。図3は、横軸には気孔径D(単位mm)
を、縦軸には気孔径D以上の度数割合R(気孔の累積
数、単位%)をとり、それぞれlog10D、log10
で表わし、両対数でプロットしたものである。図3から
鉱石Aの配合率を増加させると、1mm〜5mmの粗大
気孔の割合が増加していることが分かった。
【0014】これは、焼結過程において、CaOとFe
23 が反応してカルシウムフェライト系の融液を生成
する際に、鉱石Aの加熱後の気孔率が他の鉱石と比較し
て非常に高いために、表1に示したように融液中のFe
23 濃度が高くなる。図4に示すCaO―Fe23
系の状態図より明らかなように、Fe23 濃度が高く
なると、融液の液相温度が高くなり、焼結温度では固液
混合相となってその構造粘性が増加したことに起因した
ものと考えられた。
【0015】すなわち、焼結過程において、CaOと
Fe23 が反応してカルシウムフェライト系の融液を
生成する際に、ゲーサイトを多量に含有する鉱石の加熱
後の気孔率は他の鉱石と比較して非常に高いために、融
液中のFe23 濃度が高くなる。このために液相温度
が高くなり、固液混合相での構造粘性が著しく増加す
る。この結果、気孔の再配列が阻害され、粗大気孔(1
mm〜5mm)の割合が増加し、焼結鉱の強度、歩留が
低下すると考えられた。
【0016】本発明はこれらの実験結果より研究を更に
進めた結果なされたものであり、ゲーサイトを主成分と
する鉱石の周辺に予めCaO含有副原料を配合する。す
なわち、原料の組成がFe23 /(CaO+Fe2
3 )重量率で85%以下となるようにCaOを配合し
て、調湿し、疑似粒化したのち、焼結することによっ
て、高結晶水鉱石粉の表面近傍に発生する融液の粘性を
低下させ、それにより石灰石を通常通り配合した場合に
比べて固体燃料の配合量を増大させることなく、焼結鉱
の歩留を高めることに成功したものである。
【0017】特開平3−47927号公報の開示は、M
gO−SiO2 系副原料を使って被覆することによって
高結晶水鉱石中のFe23 が融液中に放出するのを防
止することを技術思想としたものであるが、本発明で
は、融液中に放出されたFe23 濃度を希釈すること
を技術思想として創作されたものである。このことは、
高結晶水鉱石粉を擬似粒化した焼結原料を高結晶水を含
まない鉱石粉を擬似粒化した焼結原料と配合して焼結す
るときも事情は同じである。
【0018】また、高結晶水鉱石粉の表面近傍のカルシ
ウムフェライトの融液生成時に、ゲーサイトを主成分と
する鉄鉱石周辺の温度を上昇させると融液の粘性低下に
寄与するので、好ましくは上記の擬似粒子の周辺のみに
125μm以下に粉砕した固体燃料も混合させることが
より好ましいことが判明した。ただし、この時全体とし
て固体燃料割合を増加させる必要はない。125μm以
下としたのは着火の容易性と適切な付着混合の観点から
好ましく大径粒子では実益が乏しくなるからである。固
体燃料の混合量は、鉱石Aに対して0.1重量%以上と
すればよい。0.1重量%未満では、焼結過程における
鉱石Aの周辺の温度上昇に対して不十分であるからこの
ように規定する。
【0019】Fe23 /(CaO+Fe23 )を重
量率で85%以下とするのは、図4からも知られるよう
に、焼結温度(約1300℃)におけるFe23 の固
液混合相の生成を防ぐために必要だからである。さらに
好ましくは83%以下とすればよく、最適には80%以
下とすれば、従来の結晶水を含まない焼結原料とほぼ同
等の焼結歩留を得ることができる。
【0020】Fe23 /(CaO+Fe23 )の下
限は特に限定されるものではないが、徒らにCaOを増
加することは好ましくなく、Fe23 /(CaO+F
23 )の下限を重量率で60%以上とするのが経済
的観点から適切である。なお、本発明の所期の目的を達
成し、安価な鉱石Aを使用して従来とほぼ同等の歩留及
び強度を得るには、70〜80%程度以上とすれば十分
である。
【0021】次に、高結晶水鉱石粉からなる焼結原料を
結晶水を含まない従来の焼結原料とそれぞれ擬似粒化し
た後混合配合することができ、この場合、前者の配合比
率を40重量%以下とすると、焼結鉱の歩留や強度を大
きく低下させることなく焼結鉱を製造することができ、
各種の鉱石の経済的な実務上の取り扱いと合致するので
好適である。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。実験に用いたゲーサイトを主成分とする鉱石Aの
化学組成を表2に示す。表2中C.W.は結晶水含有量
の値を示したものである。この鉱石Aを図1に示したフ
ローに従って配合する。図1において、1は1mm以上
の鉱石A、2は石灰石、3は残りの焼結原料、4は造粒
機、5はドラムミキサをそれぞれ示している。1mm以
上の鉱石Aと微粉の石灰石2を造粒機4を用いて、Fe
23 /(CaO+Fe23 )が重量率でそれぞれ8
1、83、85、87.5、89%に予め混合しておい
た。これらの擬似粒子をそれぞれ配合率40重量%で、
ドラムミキサ5において、結晶水を含有しない他の焼結
原料3と混合し、コークス3.5重量%を混入し、実施
例の焼結原料とした。
【0023】これらの焼結原料を直径300mm、高さ
400mmのバッチ式焼結鉱製造装置に装入し、風量
1.2Nm3 /min.で空気を吸引しながら焼結し、
得られた焼結ケーキを2mの高さから〇回落下させたと
きの10mm以上の重量割合をもって歩留として算出し
た。その結果を図5に示す。図5において鉱石Aの配合
率は40%、コークス配合率3.5%であり、すべてト
ータルの石灰石、コークスの配合量は,石灰石=10重
量%、コ−クス=3.5重量%で一定である。
【0024】なお、図5中●印で示したデータは、Fe
23 /(CaO+Fe23 )が重量率で83%の鉱
石Aに−125μmのコークスを、鉱石Aに対して0.
5重量%だけあらかじめ配合したときの焼結歩留を示す
ものである。図5の結果を、図2中にプロットして示し
た。鉱石Aをあらかじめ本発明の処理をすることなく結
晶水を含有しない焼結原料に配合した時、配合率と歩留
との関係は、曲線11のとおりで、配合率40%のとき
の歩留は点12で示される。鉱石Aの周辺のFe23
/(CaO+Fe23 )を重量率で83%としたと
き、歩留は点13で示されるように上昇し、さらにこれ
にコークスを加えたとき、点14で示されるようにな
り、鉱石Aの周辺のFe23 /(CaO+Fe2
3 )を重量率で81%とした時は、点15で示される歩
留となった。
【0025】図5及び図2からも明らかなように鉱石A
の周辺のFe23 /(CaO+Fe23 )が重量率
で85%以下になるように配合すると、安価な鉱石を用
いて製造コストの増加といった問題を生じることなく、
歩留良く高品質の焼結鉱を生産することが可能になっ
た。
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】本発明によれば高結晶水鉱石を原料とす
る焼結鉱の製造において、製品焼結鉱の強度低下を防止
し、歩留や生産性の低下を防止することができ、鉄鉱石
の資源枯渇の問題に対応し、多大な経済的効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で採用した焼結原料の製造工程を示す説
明図である。
【図2】ゲーサイトを主成分とする鉱石Aの配合率と歩
留との関係を示したグラフである。
【図3】鉱石Aの配合率を変化させたときの焼結ケーキ
の気孔径分布を示したグラフである。
【図4】CaO−Fe23 系の状態図である。
【図5】本発明の実施結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 鉱石A 2 石灰石 3 残りの焼結原料 4 造粒機 5 ドラムミキサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高結晶水鉄鉱石粉を用いて焼結鉱を製造
    するに当たり、高結晶水鉄鉱石粉とCaO含有副原料と
    を、Fe23 /(CaO+Fe23 )重量率で85
    %以下に配合して、調湿し、疑似粒化した高結晶水含有
    焼結原料を焼結することを特徴とする高結晶水鉱石を原
    料とする焼結鉱の製造方法。
  2. 【請求項2】 CaO含有副原料の添加に加えて、粒径
    125μm以下に粉砕した固体燃料を高結晶水鉄鉱石粉
    に0.1重量%以上配合することを特徴とする請求項1
    記載の高結晶水鉱石を原料とする焼結鉱の製造方法。
  3. 【請求項3】 CaO含有副原料が石灰石粉であること
    を特徴とする請求項1又は2記載の高結晶水鉱石を原料
    とする焼結鉱の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記高結晶水含有焼結原料を結晶水を含
    まない他の焼結原料と配合して焼結することを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか記載の高結晶水鉱石を原料と
    する焼結鉱の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記高結晶水含有焼結原料の配合比率が
    40重量%以下であることを特徴とする請求項4記載の
    高結晶水鉱石を原料とする焼結鉱の製造方法。
JP16644894A 1994-07-19 1994-07-19 高結晶水鉱石を原料とする焼結鉱の製造方法 Withdrawn JPH0827525A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100433251B1 (ko) * 1999-10-18 2004-05-27 주식회사 포스코 고결정수 철광석을 함유하는 소결광 제조 방법
JP2006111959A (ja) * 2004-09-17 2006-04-27 Jfe Steel Kk 焼結鉱の製造方法
JP2014189889A (ja) * 2013-03-28 2014-10-06 Kobe Steel Ltd 製鉄用焼結鉱の製造方法
KR101505245B1 (ko) * 2012-07-30 2015-03-23 현대제철 주식회사 소결광 제조방법

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