JP7460041B1 - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Abstract

ピソライト鉱石の代替としてマラマンバ鉱石を焼結原料に含めた場合であっても、焼結鉱の製造における生産率を維持できる焼結鉱の製造方法を提供する。鉄含有量が58.0質量%以上、結晶水含有量が4.00質量%以上9.00質量%未満、Al2O3含有量が2.00質量%以上、SiO2含有量が5.0質量%未満である鉄鉱石を全鉄鉱石において30.0質量%以上含ませると共に、当該全鉄鉱石を含む焼結原料から焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法であって、前記焼結鉱のSiO2含有量が5.50~6.00質量%、CaO含有量が11.0~12.0質量%となるように、前記焼結原料の配合を調整する。

Description

本発明は、鉄鉱石を含む焼結原料から焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法に関する。
高炉製銑法の原料である焼結鉱は、粉体を含む鉄鉱石、石灰石等の副原料、コークス等の炭材等を含む焼結原料を焼結することにより製造される。原料である鉄鉱石には、成分や粒度の異なる多様な銘柄が存在し、複数の銘柄の鉄鉱石を配合して焼結原料とする。
我が国で使用されている鉄鉱石は、南米産のヘマタイト鉱石及びマグネタイト鉱石、豪州産のヘマタイト鉱石、ピソライト鉱石及びマラマンバ鉱石に大別される。南米産の鉱石はFe含有量が多く高品位であるが、産地が遠隔地であり輸送費の面で問題がある。豪州産の鉱石は1980年代から生産量が大幅に増加しており、我が国の鉄鉱石の主原料として利用されてきた。2000年代以降、豪州産ヘマタイト鉱石が枯渇に向かうに伴い、豪州産ピソライト鉱石の使用が拡大した。以来、我が国では豪州産ピソライト鉱石が広く鉄鉱石として使用されている。近年、豪州産ピソライト鉱石も枯渇に向かっており、将来の主要な鉄鉱石としてマラマンバ鉱石が注目されている。今後、我が国で使用される豪州産ピソライト鉱石は、マラマンバ鉱石に代替されていくことが予想される。各種の鉄鉱石の性状及び組成について、表1に示す。
Figure 0007460041000001
表1に示す通り、マラマンバ鉱石は、ピソライト鉱石に比べて、直径が0.15mm以下の微粉の含有量が多い。マラマンバ鉱石は、ピソライト鉱石に比べて、アルミナ含有量(Al含有量)が多く、シリカ含有量(SiO含有量)が少ない。これを踏まえ、マラマンバ鉱石の使用による微粉含有量の増加に対応するため、マラマンバ鉱石を使用した焼結原料の焼結においては、焼結プロセスにおける焼結原料の通気性向上を指向した開発が行われてきた。
特許文献1には、全鉄鉱石に占めるマラマンバ鉱石の配合率を70%以下とすることで、マラマンバ鉱石の粒度に起因した問題を防止する方法が開示されている。特許文献1によれば、マラマンバ鉱石の配合率を制限することで、粒径0.25mm以下の細粒の鉱石の割合を制限し、生産性への影響を抑制できるとしている。
特許文献2には、マラマンバ鉱石を用いない場合の焼結原料の配合を基準とし、ブラジル産ペレットフィードの配合率を、基準の焼結原料の配合に対するマラマンバ鉱石の配合率の増加率に対して30%以上減少させる焼結鉱の製造方法が開示されている。特許文献2によれば、マラマンバ鉱石を使用する際に、造粒性に乏しいブラジル産ペレットフィードの配合率を減じることで、造粒性を改善し、良好な成品歩留まり、焼結鉱品質、生産性を維持できるとしている。
特許文献3には、マラマンバ鉱石にピソライト鉱石を添加して、SiOが3.0~5.0質量%、0.5mm以下の微粉含有量が30質量%未満とした配合物に、水分を5~10質量%添加して高速撹拌混合機で混合造粒し、固体燃料とその他鉱石を添加し、再度混合造粒したのち焼結する焼結鉱の製造方法が開示されている。マラマンバ鉱石に多孔質なピソライト鉱石を添加し、適量の水分を加えて高速撹拌混合機で混合造粒することで、ピソライト鉱石の開気孔内にマラマンバ鉱石の微粉の一部が付着し、微粉の少ない混合造粒物が得られる。その結果、擬似粒子径や擬似粒子強度が改善し、焼結過程での通気性が向上して生産率や成品歩留が向上することが開示されている。
特許第5004421号公報 特許第4786022号公報 特開2004―137575号公報
マラマンバ鉱石は、ピソライト鉱石と比べてSiO含有量が少なく、Al含有量が多く、微粉含有量が多い。また、焼結鉱が用いられる高炉プロセスにおいては、生成されるスラグの塩基度を制御する必要があるため、焼結鉱の塩基度も一定の範囲内に保つ必要がある。このため、焼結原料においては、SiO含有量の減少に伴い、CaO含有量も減少する。従って、マラマンバ鉱石によるピソライト鉱石の代替が進むにつれ、焼結原料におけるSiO含有量及びCaO含有量の減少、Al含有量の増加及び微粉含有量の増加が進む。また、微粉含有量が増加した場合、焼結プロセスにおける焼結原料の通気性が低下し、焼結速度の低下や生産率の低下を招く。そのため、特許文献1~3に開示される通り、造粒の強化やマラマンバ鉱石の使用量を制限することで、マラマンバ鉱石を使用して良好な通気性や生産性を得る方法が開発されてきた。
他方、特許文献1~3において、マラマンバ鉱石とピソライト鉱石との化学組成の相違による焼結プロセス及び焼結鉱への影響については考慮されていない。特に、マラマンバ鉱石を使用する際に、SiO含有量やCaO含有量、Al含有量をどの程度にすれば、高強度な焼結鉱を良好な生産性にて得られるか、検討がなされていない。
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたもので、ピソライト鉱石の代替としてマラマンバ鉱石を焼結原料に含めた場合であっても、焼結鉱の製造における生産率を維持できる焼結鉱の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の要旨構成は以下のとおりである。
[1]鉄含有量が58.0質量%以上、結晶水含有量が4.00質量%以上9.00質量%未満、Al含有量が2.00質量%以上、SiO含有量が5.0質量%未満である鉄鉱石を全鉄鉱石において30.0質量%以上含ませると共に、当該全鉄鉱石を含む焼結原料から焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法であって、前記焼結鉱のSiO含有量が5.50~6.00質量%、CaO含有量が11.0~12.0質量%となるように、前記焼結原料の配合を調整する、焼結鉱の製造方法。
[2]前記焼結原料の配合の調整では、珪石を前記焼結原料に含むように調整する、[1]に記載の焼結鉱の製造方法。
[3]前記焼結原料の配合の調整では、前記焼結鉱のAl含有量が1.9質量%以下となるように調整する、[1]または[2]に記載の焼結鉱の製造方法。
[4]前記焼結原料の配合の調整では、鉄含有量が64.0質量%以上、結晶水含有量が1.00質量%未満、Al含有量が0.50質量%未満である鉄鉱石を、前記全鉄鉱石において5.0質量%以上含むように調整する、[3]に記載の焼結鉱の製造方法。
[5]前記焼結原料の配合の調整では、鉄含有量が60.0質量%以上、結晶水含有量が4.00質量%未満、Al含有量が1.50質量%未満、SiO含有量が4.5質量%以上5.0質量%未満である鉄鉱石を、前記全鉄鉱石において55.0質量%以上含むように調整する、[3]に記載の焼結鉱の製造方法。
[6]前記焼結原料の配合の調整では、前記全鉄鉱石における0.5mm未満の粒子の割合が40.0質量%以下となるように調整する、[5]に記載の焼結鉱の製造方法。
本発明によれば、ピソライト鉱石の代替としてマラマンバ鉱石を焼結原料に含めた場合であっても、焼結鉱の製造における生産率を維持できる。
図1は、試験1及び2における生産率、歩留及び焼結速度の結果を示す図である。 図2は、試験3及び4における生産率、歩留及び焼結速度の結果を示す図である。 図3は、試験5及び6における生産率、歩留及び焼結速度の結果を示す図である。 図4は、試験3、4、7及び8における生産率、歩留、焼結速度及び強度の結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態を通じて本発明を説明する。
本実施形態では、焼結鉱の製造に使用される焼結原料に関し、焼結原料に含める鉄鉱石として従来から使用されていたピソライト鉱石の代替として、マラマンバ鉱石を使用する。マラマンバ鉱石は、ピソライト鉱石を代替するのに十分な量として、焼結原料に含まれる全鉄鉱石において30.0質量%以上含める。
焼結鉱の製造に使用されるマラマンバ鉱石について、表2を用いて、各組成の含有量、微粉含有量、結晶水含有量を説明する。表2は、焼結鉱の製造に使用される各種の鉄鉱石における各成分の含有量、微粉含有量、結晶水含有量も示す。
Figure 0007460041000002
マラマンバ鉱石は、表2に示す通り、鉄含有量(T.Fe)が58.0質量%以上、Al含有量が2.00質量%以上、SiO含有量が5.0質量%未満の組成を有する。マラマンバ鉱石の結晶水含有量(LOI)は、4.00質量%以上9.00質量%未満である。
そして、マラマンバ鉱石を30.0質量%以上含む全鉄鉱石を焼結原料に含ませると共に、焼結後の焼結鉱の組成について、SiO含有量が5.50~6.00質量%、CaO含有量が11.0~12.0質量%となるように、焼結原料の調整を行う。具体的に、焼結原料の調整では、SiO含有量の多い副原料を焼結原料に含める、又は、SiO含有量の多い副原料を焼結原料に含めると共にマラマンバ鉱石やピソライト鉱石よりもSiO含有量の多い鉄鉱石をマラマンバ鉱石と併用するように焼結原料の配合を調整する。
マラマンバ鉱石やピソライト鉱石よりもSiO含有量の多い鉄鉱石として、例えば、表2に示す各種の鉄鉱石のうち、SiO含有量の多い鉱石Fを用いてもよい。また、SiO含有量の多い副原料として、例えば、珪石等を用いてもよい。即ち、焼結原料の調整では、SiO含有量の多い珪石等を副原料として焼結原料に含める、又は、SiO含有量の多い副原料を焼結原料に含めると共にマラマンバ鉱石やピソライト鉱石よりもSiO含有量の多い鉱石をマラマンバ鉱石と併用するように焼結原料の配合を調整してもよい。
これにより、マラマンバ鉱石の使用に伴う焼結原料のSiO含有量の減少を補填できるので、CaO含有量を低下させずとも塩基度を一定に保つことができ、CaO含有量の低下が抑制される。この結果、焼結時において焼結原料内に十分な融液が生成され、焼結鉱の歩留の低下が抑制されて、1.5t/h・m以上の良い生産率が得られる。
また、焼結鉱の組成について、SiO含有量が5.50~6.00質量%、CaO含有量が11.0~12.0質量%となるように焼結原料の調整を行った後、Alが1.9質量%以下となるように、焼結原料の配合の調整を更に行ってもよい。
具体的に、焼結原料の調整では、マラマンバ鉱石やピソライト鉱石よりもAl含有量の少ない鉄鉱石をマラマンバ鉱石と併用してもよい。この場合、マラマンバ鉱石やピソライト鉱石よりもAl含有量の少ない鉄鉱石を、全鉄鉱石において5.0質量%以上含むように更に調整してもよい。
マラマンバ鉱石やピソライト鉱石よりもAl含有量が少なく、マラマンバ鉱石と併用し得る鉄鉱石として、例えば、表2に示す各種の鉄鉱石のうち、Al含有量が少ない低アルミナ微粉鉱石Gを用いてもよい。つまり、焼結原料の調整では、マラマンバ鉱石やピソライト鉱石よりもAl含有量の少ない低アルミナ微粉鉱石Gをマラマンバ鉱石と併用してもよい。そして、マラマンバ鉱石やピソライト鉱石よりもAl含有量の少ない低アルミナ微粉鉱石Gを、全鉄鉱石において5.0質量%以上含むように更に調整してもよい。低アルミナ微粉鉱石Gの組成は、表2に示す通り、鉄含有量が64.0質量%以上、結晶水含有量が1.00質量%未満、Al含有量が0.50質量%未満である。
また、焼結原料の調整では、マラマンバ鉱石やピソライト鉱石よりもAl含有量の少ない鉄鉱石について、全鉄鉱石における配合率を増加する増配をしてもよい。この場合、マラマンバ鉱石やピソライト鉱石よりもAl含有量の少ない鉄鉱石を、全鉄鉱石において55.0質量%以上含むように調整してもよい。
マラマンバ鉱石やピソライト鉱石よりもAl含有量が少なく、全鉄鉱石における配合率を増配し得る鉄鉱石として、例えば、表2に示す各種の鉄鉱石のうち、Al含有量が少ない鉱石Eを用いてもよい。つまり、焼結原料の調整では、マラマンバ鉱石やピソライト鉱石よりもAl含有量の少ない鉱石Eを、全鉄鉱石における配合率を増加する増配をしてもよい。そして、マラマンバ鉱石やピソライト鉱石よりもAl含有量の少ない鉱石Eを、全鉄鉱石において55.0質量%以上含むように更に調整してもよい。鉱石Eの組成は、表2に示す通り、鉄含有量が60.0質量%以上、結晶水含有量が4.00質量%未満、Al含有量が1.50質量%未満、SiO含有量が4.5質量%以上5.0質量%未満である。
このように、マラマンバ鉱石やピソライト鉱石よりもAl含有量が少ない鉄鉱石の併用又は増配により、マラマンバ鉱石の使用に伴う焼結原料のAl含有量の増加を抑制できる。その結果、焼結時において焼結原料内に生成される融液の融点の上昇が抑制されて、焼結原料の流動性が増して固体粒子の合体が促進され、焼結鉱の強度が向上する。具体的に、焼結鉱のシャッター強度を75%以上とすることができる。
また、焼結鉱の組成について、SiO含有量が5.50~6.00質量%、CaO含有量が11.0~12.0質量%、Alが1.9質量%以下となるように焼結原料の調整を行うと共に、全鉄鉱石において0.5mm未満の粒子の割合が40.0質量%以下となるように、焼結原料における全鉄鉱石を調整してもよい。
このように、焼結原料において、全鉄鉱石における0.5mm未満の粒子の割合が40.0質量%以下となるように調整することで、焼結時における焼結原料層の通気性が向上し、焼結プロセスの促進の効果により、焼結鉱の生産率が更に向上する。具体的に、焼結鉱の生産率を1.7t/(h・m)以上とすることができる。
以下、本実施形態に係る焼結鉱の製造方法を用いて行った実施例を説明する。
各種の鉄鉱石と、石灰石又は珪石等を含む副原料と、コークス等の炭材とを含む焼結原料に、数パーセントの水分を添加し、混合及び造粒して擬似粒化した焼結原料を得た。擬似粒化した焼結原料について、直径が300mm、高さが400mmである円筒型焼結試験鍋を用いて焼結試験を行った。円筒型焼結試験鍋の内部の火格子上に、床敷として焼結鉱を20mm充填し、その上に擬似粒化した焼結原料を焼結原料層として充填した。充填した焼結原料層について、上方に含まれる炭材に着火させると共に、下方に向けて空気を吸引しながら、炭材の燃焼を下方に進行させ、炭材の燃焼熱により焼結原料層を焼結させて焼結ケーキを得た。
実施例においては、焼結の開始から燃焼排ガスの温度が最大値を示すまでに要した時間を焼結時間とした。また、円筒型焼結試験鍋の高さを焼結時間で除した値を焼結速度(mm/min)とした。そして、焼結の完了後に、焼結ケーキを円筒型焼結試験鍋から取り出して、2mの高さより4回落下させた後に、5mm篩上の焼結ケーキの重量を秤量し、落下前の焼結ケーキの重量に占める5mm篩上の焼結ケーキの重量の割合を歩留(質量%)とした。更に、得られた5mm篩上の焼結ケーキの重量について、焼結時間および試験鍋底面積で除した値を生産率(t/(h・m))とした。焼結鉱の強度(%)は、「JIS M8711 鉄鉱石焼結鉱-落下強度試験方法」の落下強度指数(SI)に基づいて測定した。焼結試験を行った焼結原料を表3に示す。
Figure 0007460041000003
焼結試験を行った焼結原料は、表3に示す通り、比較例である試験1~3及び試験5、発明例である試験4、6~8についての合計8つの焼結原料を用いて実施した。焼結原料は、焼結後に表3に示す焼結鉱組成として示す値となるように、表3に示す原料配合率に基づいて調整した。そして、混合、調湿、造粒することで擬似粒化した焼結原料を焼結原料層として充填し、炭材の燃焼熱により焼結して焼結鉱とした。なお、試験1~試験8の焼結原料は、表3に示す吸引圧力(kPa)に基づいて焼結原料層の下方から空気を吸引して焼結を行った。
<実施例1>比較例である試験1及び試験2の実施結果を図1に示す。試験1は、焼結原料における鉄鉱石にピソライト鉱石を用いた比較例である。試験2では、焼結原料における鉄鉱石にマラマンバ鉱石を用いた。即ち、試験2は、試験1におけるピソライト鉱石の代替として、マラマンバ鉱石を用いた比較例である。
表3に示す通り、試験1におけるSiO含有量(5.99質量%)に比べて、試験2におけるSiO含有量は、5.27質量%となった。また、試験1におけるCaO含有量(11.4質量%)に比べて、試験2におけるCaO含有量は、9.9質量%となった。これに伴い、図1に示す通り、試験2は、試験1に比べて歩留が低下すると共に生産率も低下した。具体的に、試験1における生産率(1.36t/(h・m))に比べて、試験2における生産率は、1.28t/(h・m)となった。これは、焼結原料中のSiO含有量及びCaO含有量が減少し、焼結時に生成する融液が減少することで、歩留が低下したことによる。
<実施例2>次に、比較例である試験3及び発明例である試験4の実施結果を図2に示す。試験3は、焼結原料における鉄鉱石にピソライト鉱石を用いた実施結果を示す。試験4は、焼結原料における鉄鉱石にマラマンバ鉱石を用いた実施結果を示す。試験4では、マラマンバ鉱石を用いることに伴う焼結原料中のSiO含有量の低下を抑制するため、更に副原料としてSiO含有量の多い珪石を焼結原料に含めた。即ち、試験4は、焼結原料における鉄鉱石にマラマンバ鉱石を使用し、焼結後の焼結鉱の組成のうち、SiOが5.80質量%、CaOが11.0質量%となるように、焼結原料の調整を行った発明例である。試験3は、試験4におけるマラマンバ鉱石及び珪石の使用に関する調整を除き、試験4と同様の条件にて試験を行った。
表3に示す通り、試験3におけるSiO含有量(5.80質量%)に比べて、試験4におけるSiO含有量は、5.80質量%となった。また、試験3におけるCaO含有量(11.0質量%)に比べて、試験4におけるCaO含有量は、11.0質量%となった。この結果、図2に示す通り、試験4では、試験3に対して、試験2の実施結果で確認されたような歩留の低下を起こすことなく、1.62t/(h・m)の良好な生産率を得られた。
<実施例3>次に、比較例である試験5及び発明例である試験6の実施結果を図3に示す。試験5は、焼結原料における鉄鉱石にピソライト鉱石を用いた実施結果を示す。試験6は、焼結原料における鉄鉱石にマラマンバ鉱石を用いた実施結果を示す。試験6は、マラマンバ鉱石を用いることに伴う焼結原料中のSiO含有量の低下を抑制するため、更に副原料としてSiO含有量の多い珪石を焼結原料に含めると共に、SiO含有量の多い鉱石F(表2参照)をマラマンバ鉱石と併用した実施結果を示す。即ち、試験6は、焼結原料における鉄鉱石にマラマンバ鉱石を使用し、焼結後の焼結鉱の組成のうち、SiOが5.59質量%、CaOが11.2質量%となるように、焼結原料の調整を行った発明例である。試験5は、試験6におけるマラマンバ鉱石、珪石及び鉱石Fの使用に関する調整を除き、試験6と同様の条件にて試験を行った実施結果を示す。
表3に示す通り、試験5におけるSiO含有量(5.60質量%)に比べて、試験6におけるSiO含有量は、5.59質量%となった。また、試験5におけるCaO含有量(11.2質量%)に比べて、試験6におけるCaO含有量は、11.2質量%となった。この結果、図3に示す通り、試験6では、試験5に対して、歩留の低下を起こすことなく、1.54t/(h・m)の良好な生産率を得られた。
<実施例4>焼結鉱の強度(シャッター強度。以下、単に「強度」という。)に関し、試験3、試験4、発明例である試験7及び試験8の実施結果を図4に示す。図4において、試験3及び試験4は、図2に示した試験3及び試験4と同一の焼結原料を用いて行った試験である。
図4に示す通り、試験4は、焼結鉱の強度が71.2%となっており、鉄鉱石にピソライト鉱石を用いた試験3における焼結鉱の強度(74.4%)よりも低かった。これは、試験4におけるAl含有量(2.06質量%)が、試験3におけるAl含有量(1.91質量%)よりも多いことが原因といえる。つまり、焼結原料中のAl含有量が増加した結果、焼結過程において生成する融液の融点が上昇することで、流動性が低下し、固体粒子の合体が阻害されることで、強度の低下が生じたといえる。このため、焼結原料に含まれる鉄鉱石にマラマンバ鉱石を使用しつつ、高強度な焼結鉱を得るためには、Al含有量を制限することが好ましいことがわかる。
試験7では、マラマンバ鉱石を用いることに伴う焼結原料中のAl含有量の増加を抑制するため、Al含有量の少ない低アルミナ微粉鉱石G(表2参照)をマラマンバ鉱石と併用した。即ち、試験7は、焼結原料における鉄鉱石にマラマンバ鉱石を使用すると共に副原料として珪石を併用しつつ、焼結後の焼結鉱の組成のうち、SiOが5.80質量%、CaOが11.0質量%、Alが1.90質量%となるように、焼結原料の調整を行った発明例である。
試験8では、マラマンバ鉱石を用いることに伴う焼結原料中のAl含有量の増加を抑制するため、Al含有量の少ない鉱石E(表2参照)を焼結原料中において配合量を増加させる増配をした。即ち、試験8は、焼結原料における鉄鉱石にマラマンバ鉱石を使用すると共に副原料として珪石を併用しつつ、焼結後の焼結鉱の組成のうち、SiOが5.80質量%、CaOが11.0質量%、Alが1.88質量%となるように、焼結原料の調整を行った発明例である。
図4において、試験7及び試験8は、試験7における低アルミナ微粉鉱石Gの使用及び試験8における鉱石Eの増配に関する調整を除き、試験3及び試験4と同様の条件にて試験を行った実施結果を示す。図4に示す通り、試験7及び試験8では、焼結鉱の強度が75%以上となる良好な結果が得られた。また、試験7及び試験8では、歩留が75%以上となる良好な結果も得られた。
特に試験7では、焼結鉱の強度が80%以上となる高い強度を得ることができた。これは、Al量を制限したことに加え、微粉鉱石による焼結原料層における通気阻害の影響から、焼結速度が低下したためといえる。試験8では、焼結鉱の強度が75%以上となる良好な結果を得ることができた。これは、Al含有量を制限することで、焼結時に生成する融液の融点の上昇を抑制し、強固な粒子結合を得られた結果、焼結鉱の強度が向上したためといえる。
ここで、図4に示す通り、試験7においては、同様の条件にて試験を行った試験3及び試験4と比べて、焼結速度が遅い結果となった。これは、試験7において鉄鉱石中に占める0.5mm未満の粒子(以下、「微粉」ともいう。)の割合が、40質量%以上と多い(表3参照)ことが原因といえる。即ち、焼結原料における全鉄鉱石に占める微粉の割合が40質量%以上になると、焼結時の通気性が大きく低下し、焼結速度が低下することとなる。この結果から、焼結原料における全鉄鉱石に占める微粉の割合が40質量%未満となるように調整することが好ましいことがわかる。これにより、焼結時の通気性が向上し、高強度な焼結鉱を高い生産率にて得ることができる。
このため、表3に示す通り、試験8では、焼結原料における全鉄鉱石に占める微粉の割合が40質量%未満となるように調整した。この結果、試験8は、試験7に比べて焼結速度が速くなった。試験8は、Al含有量が1.90質量%以下となっているため、焼結鉱の強度も良好な結果となった。また、試験8は、SiO含有量が5.80質量%、CaO含有量が11.0質量%であるため、歩留も良好な結果となった。そして、焼結時において焼結原料層の融液量が増加し、固体粒子の強固な結合が得られたことに加え、全鉄鉱石中の微粉が減少して焼結速度が速くなった結果、高強度な焼結鉱を良好な焼結速度で得ることができ生産率が大きく向上した。具体的に、試験8では、75%以上の高強度な焼結鉱を1.7t/(h・m)以上という高い生産率にて得ることができた。

Claims (6)

  1. 鉄含有量が58.0質量%以上、結晶水含有量が4.00質量%以上9.00質量%未満、Al含有量が2.00質量%以上、SiO含有量が5.0質量%未満である鉄鉱石を全鉄鉱石において30.0質量%以上含ませると共に、当該全鉄鉱石を含む焼結原料から焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法であって、
    前記焼結鉱のSiO含有量が5.50~6.00質量%、CaO含有量が11.0~12.0質量%となるように、前記焼結原料の配合を調整する、焼結鉱の製造方法。
  2. 前記焼結原料の配合の調整では、珪石を前記焼結原料に含むように調整する、請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. 前記焼結原料の配合の調整では、前記焼結鉱のAl含有量が1.9質量%以下となるように調整する、請求項1または2に記載の焼結鉱の製造方法。
  4. 前記焼結原料の配合の調整では、鉄含有量が64.0質量%以上、結晶水含有量が1.00質量%未満、Al含有量が0.50質量%未満である鉄鉱石を、前記全鉄鉱石において5.0質量%以上含むように調整する、請求項3に記載の焼結鉱の製造方法。
  5. 前記焼結原料の配合の調整では、鉄含有量が60.0質量%以上、結晶水含有量が4.00質量%未満、Al含有量が1.50質量%未満、SiO含有量が4.5質量%以上5.0質量%未満である鉄鉱石を、前記全鉄鉱石において55.0質量%以上含むように調整する、請求項3に記載の焼結鉱の製造方法。
  6. 前記焼結原料の配合の調整では、前記全鉄鉱石における0.5mm未満の粒子の割合が40.0質量%以下となるように調整する、請求項5に記載の焼結鉱の製造方法。
JP2024501583A 2023-01-26 2023-11-09 焼結鉱の製造方法 Active JP7460041B1 (ja)

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