JP7110830B2 - 配合原料の造粒方法 - Google Patents

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Description

本発明は、核粒子が少なく微粉が多い配合原料の造粒方法に関する。
焼結原料は粉状の鉄鉱石(粉鉱石)を主原料とし、必要に応じて成分調整した副原料を配合する。そして、焼結原料に水とバインダーを混合して造粒処理することにより、焼結機へ装入する微粉量を低減している。
造粒処理では、核粒子(粗粒)の周囲に微粉を付着させた造粒物(擬似粒子)を製造することが一般に行われる。造粒処理は、焼結生産性の維持改善に重要な操作であり、従来から種々検討がなされてきた。
特許文献1には、粒状物(核粒子)に対する粉状物(微粉)の量が多すぎると、造粒物の強度が低下するため、粒状物に対する粉状物の質量比を規定することが記載されている。また、特許文献1には、微粒子の炭酸カルシウムを添加することにより造粒物の強度が向上することが記載されている。
特許文献2には、返鉱を有効利用することにより焼結生産性が向上することが記載されている。特許文献2記載の発明は、ピソライト鉱石を最も多く配合した粉鉱石原料を対象としている(特許文献2の表1参照)。特許文献2には、1mm以上を80質量%以上含む返鉱を、造粒後の造粒物に添加(スコップによる手混ぜ)する発明例1や、1mm以下の返鉱を添加した焼結原料を造粒して造粒物とし、当該造粒物に1mm以上の返鉱を添加(スコップによる手混ぜ)する比較例2等が示されている。
特許文献3にも、返鉱を有効利用することにより焼結生産性が向上することが記載されている。特許文献3記載の発明は、ローブリバー鉱石とハマスレー鉱石を約7割配合した粉鉱石原料を対象としている(特許文献3の表1参照)。特許文献3には、未造粒の焼結原料をドラムミキサーで造粒する例(試験番号T1~T3)が示され、1mm以下の粒子を約30質量%含む返鉱を、他の焼結原料と共にドラムミキサーで造粒する例やドラムミキサーで造粒処理した造粒物に添加(スコップによる手混ぜ)する例が示されている。また、試験番号T5、T6では、高速撹拌ミキサーとパンペレタイザーを用いて造粒した後に、600℃の高温返鉱をドラムミキサーで混合処理する例が示されている。
特開2008-101263号公報 特開2015-193930号公報 特開2007-284744号公報
近年、核粒子となる粒状物を含む鉱石種が枯渇してきており、微粉の多い鉱石種が主となっている。複数の鉱石種を配合して一定の核粒子量を確保した配合原料としても、粉鉱石における250μmアンダー(ふるい目250μmのふるい下の粉鉱石)の微粉の割合が20質量%以上、1mmオーバー(ふるい目1mmのふるい上の粗粒鉱石)の核粒子の割合が65質量%以下にならざるを得ず、核粒子に対する微粉の割合が定常的に非常に多い状態となってきている。そのため、核粒子が少なく微粉が多い焼結原料(以下、「レス核粒子の微粉原料」と呼ぶ場合がある。)を造粒する必要性が増大している。しかし、レス核粒子の微粉原料を用いて擬似粒子を製造すると、従来に比べて、核粒子に付着する微粉が厚くなり、未造粒微粉が多く発生する。
造粒処理にはドラムミキサーや高速撹拌機(混練機)が造粒機として一般に用いられている。ドラムミキサーは主として擬似粒子の製造に適しており、また多量の原料処理に向いているが、上述した未造粒微粉の問題が発生する。一方、ドラムミキサーに比べ、高速撹拌機は、擬似粒子のみならず、主として微粉のみから構成されるペレット粒子も造粒できるが、ドラムミキサーと同様、未造粒微粉が発生する。
造粒処理後の未造粒微粉には、造粒されなかった微粉、造粒後の造粒物崩壊によって発生する微粉等があり、未造粒微粉が存在したままで焼結機に供給すると、焼結時の焼成速度が低下し焼結鉱の生産性が低下する。
特許文献1記載の発明を用いてレス核粒子の微粉原料を造粒処理した場合、微粉付着厚さの増大(粉鉱石中の微粉割合の増加)に対して、微粒子の炭酸カルシウムの添加では造粒性の向上に限界があり、未造粒微粉の増加が顕著となる。
また、特許文献2及び3記載の発明によれば一定の焼結生産性の向上が望めるが、核粒子が少なく微粉の多い鉱石種の配合を前提としていない発明であり、レス核粒子の微粉原料に対して焼結生産性の向上が期待できない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、核粒子が少なく微粉が多い配合原料の造粒処理において、未造粒微粉を減少させて焼結鉱の生産性を向上させることが可能な方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、複数銘柄の鉄鉱石を配合して、250μmアンダーが20質量%以上、1mmオーバーが25質量%以上65質量%以下としたものと副原料とを含む配合原料をドラムミキサーを用いて造粒処理する際に200℃以下の返鉱を添加する方法であって、
前記返鉱の一部又は全部を前記ドラムミキサーの出側で添加することとし、
250μmアンダーの前記鉄鉱石の質量をWpo、前記ドラムミキサーの出側で添加する1mmオーバーの返鉱の質量をWrre、前記ドラムミキサーの全長をLとすると、
前記ドラムミキサーの出側で添加する返鉱は、250μmアンダーが10質量%以下、且つWrre/Wpo≧0.062として、0.5L~0.98Lの範囲で添加し、
前記ドラムミキサーの出側での前記返鉱の添加までに水を添加して、造粒水分を、前記返鉱の添加前の配合原料に対する内数で9.7~11.6質量%としておくことを特徴としている。
なお、「アンダー」は、併記される寸法のふるい目のふるいを用いた際のふるい下を、「オーバー」はふるい上をそれぞれ指す。
ドラムミキサーによる造粒処理では、核粒子の周囲に微粉を付着させた擬似粒子を製造する。核粒子は、主として1mmオーバーの粗粒で構成される。核粒子に付着する微粉(付着微粉)は、250μmアンダーの粒子が多く、付着せず未造粒微粉になる場合もある。
本発明が対象とする、250μmアンダーの微粉の割合が20質量%以上、1mmオーバーの粗粒の割合が25質量%以上65質量%以下の、核粒子が少なく微粉が多い鉄鉱石を造粒処理した場合、従来の擬似粒子に比べて微粉の付着厚さが厚くなる。本発明者らの知見によれば、250μmアンダーの微粉の割合が20質量%以上の鉄鉱石を造粒処理した場合、付着微粉の厚さは300μm以上となる。核粒子の多い従来の焼結原料を造粒処理した場合、微粉付着厚さが概ね150μmであることから、核粒子が少なく微粉が多い焼結原料を造粒処理した場合の微粉付着厚さは非常に厚いといえる。
従って、ドラムミキサーによる転動造粒では、未造粒微粉の問題に加えて、造粒した擬似粒子が造粒処理中に崩壊することが問題となる。核粒子が少なく微粉が多い鉄鉱石を高速撹拌機で造粒する場合も未造粒微粉や擬似粒子の崩壊が問題となる。
上記傾向は、添加する副原料等にも影響されるが、核粒子の減少と微粉の増加による未造粒微粉や擬似粒子の崩壊が問題となる点は変わらない。
そこで、本発明者らは、核粒子が少なく微粉が多い配合原料の造粒処理において未造粒微粉を減少させる方法の開発に取り組んだ。
本発明者らは種々の実験を実施することにより以下の知見を得た。
ドラムミキサーで造粒した後の擬似粒子を観察したところ、造粒水分を7質量%から9.7質量まで増加させた場合、核粒子に付着する微粉の付着厚さが増大する傾向が見られた。このことから、造粒水分を増加させると、未造粒微粉が減少することが判明した。
しかし、造粒時の水分増加によっても未造粒微粉が残存する。
当該未造粒微粉は、200℃以下且つ1mmオーバーの返鉱(粗粒返鉱)を添加してドラムミキサーで転動造粒することにより減少する。これは、造粒中盤から後半において、新たな核粒子として添加した粗粒返鉱に、造粒時に残存した未造粒微粉が付着するためであると考えられる。
また、本発明に係る配合原料の造粒方法では、前記鉄鉱石をその粒径によって2以上のグループに分割し、平均粒径が最も小さい前記グループの鉄鉱石に、生石灰及び/又は消石灰からなるバインダーを、生石灰換算で該グループの鉄鉱石全量の外掛けで0.5質量%以上6質量%以下の量加え、高速撹拌機に装入した後に前記ドラムミキサーの入側に装入してもよい。
本発明が対象とするレス核粒子の微粉原料を2以上のグループに分割した後の、平均粒径が最も小さいグループの鉄鉱石(以下、「超レス核粒子微粉原料」とも呼ぶ。)は、さらに核粒子が少なく微粉が多い粒度構成となる。超レス核粒子微粉原料に対し、生石灰及び/又は消石灰を加えて高速撹拌機による造粒を実施すると、微粉のみで構成される擬似粒子(以下、「P型粒子」とも呼ぶ。)が形成され、ドラムミキサー内で微粉を付着させる核粒子として作用する。
本発明に係る配合原料の造粒方法では、核粒子が少なく微粉が多い配合原料に9.7~11.6質量%の水を添加してドラムミキサー造粒を施し、さらに造粒中盤から後半において粗粒返鉱を添加してドラムミキサー造粒を施す。これにより、焼結生産性を有意に向上できる程度に未造粒微粉を減少させることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る配合原料の造粒方法のフロー図である。 本発明の第2の実施の形態に係る配合原料の造粒方法のフロー図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。
[第1の実施の形態に係る配合原料の造粒方法]
図1に、本発明の第1の実施の形態に係る配合原料の造粒方法のフローを示す。
本実施の形態では、核粒子が少なく微粉が多い配合原料をドラムミキサー10を用いて造粒処理する際に返鉱を添加する。
一般に返鉱は、焼成後の焼結鉱を高炉へ投入するのに適した大きさに粉砕する際に発生する微粉であって、高炉へ投入するのに適さない程度の小さな粒径の焼結鉱粉を指し、1mmアンダーの微粉が多く含まれている。
配合原料は、複数銘柄の鉄鉱石14を配合して250μmアンダーが20質量%以上、1mmオーバーの粗粒が25質量%以上65質量%以下としたものと副原料とを含んでいる。副原料は、炭材や石灰石などである。
前述したように、250μmアンダーの微粉の割合が20質量%以上の鉄鉱石を造粒処理した場合、付着微粉21の厚さは300μm以上となるため、ドラムミキサー10による転動造粒では、造粒した擬似粒子が造粒処理中に崩壊することが問題となる。また、1mmオーバーの粗粒を65質量%以下としたのは近年の鉄鉱石事情による。
一方、1mmオーバーの粗粒が25質量%を下回ると、本発明によっても顕著な焼結生産性改善効果を得ることができなかった。これは、核粒子20が過少となったため、付着微粉21の厚さが極端に厚くなり、本発明によっても擬似粒子構造を維持できないためと考えられる。
なお、250μmアンダーの微粉の上限値は規定していないが、1mmオーバーの粗粒が25質量%以上65質量%以下であるため、通常の鉄鉱石(焼結原料)を使用すれば、粒度分布の実態から60質量%以下程度となる。
返鉱は、その全量をドラムミキサー10の出側で添加する。
返鉱には200℃以下の低温返鉱を使用する。これは、200℃超、例えば返鉱の温度が400℃程度の場合、造粒水の不規則な蒸発を招き、造粒性が安定しないからである。
本実施の形態では、ドラムミキサー10の出側での返鉱の添加までに水を添加して、造粒水分を、返鉱の添加前の配合原料に対する内数で9.7~11.6質量%とする。
本発明が対象とするレス核粒子の微粉原料は比表面積が大きく、造粒物を適正に維持させるための水膜形成に必要な水分が多くなる。そのため、レス核粒子の微粉原料の造粒処理では、造粒水分を、公知の最適範囲よりも高位である9.7質量%以上とする。しかし、造粒水分の過度な上昇は焼結生産性を妨げるため、本発明では、ドラムミキサー10の出側から返鉱を添加することにより、焼結前水分を低減させる。
なお、造粒水分を11.6質量%超(焼結前水分が9.5質量%超)まで増加させた場合、歩留が低下して顕著な焼結生産性改善効果を得ることができない。
以下の説明では、250μmアンダーの鉄鉱石14の質量をWpo、ドラムミキサー10の出側で添加する1mmオーバーの返鉱(粗粒返鉱)18の質量をWrreとする。
また、ドラムミキサー10の中盤から後半にかけて、粗粒返鉱18を新たに核粒子として添加する位置までに造粒されていない微粉や、一旦造粒されたものの擬似粒子の崩壊によって発生した微粉を中間未造粒微粉22と呼び、ドラムミキサー10出側(造粒処理後)の造粒されていない微粉を最終未造粒微粉23と呼ぶ場合がある。
ドラムミキサー10の出側で添加する返鉱は、250μmアンダーの返鉱(微粉返鉱)16が10質量%以下、且つWrre/Wpo≧0.062とする。
ドラムミキサー10内で擬似粒子は付着厚みを増大させていくが、付着しきれなかった微粉は中間未造粒微粉22となる。そこで、ドラムミキサー10出側から、まだ微粉が付着しておらず角ばった表面を有している粗粒返鉱18を新たに添加することにより、その凹凸面で中間未造粒微粉22を捕捉して最終未造粒微粉23を低減させる。
250μmアンダーの鉄鉱石14が増加するほど、中間未造粒微粉22は増加し、粗粒返鉱18の必要量は増加すると考えられる。そのため、250μmアンダーの鉄鉱石14との質量比(Wrre/Wpo)をもって粗粒返鉱18の下限値(0.062)を決定した。
微粉を減少させる必要があるため、ドラムミキサー10の出側で添加する微粉返鉱16は10質量%以下と規定した(0質量%でも良い)。
Wrre/Wpoに関して、未造粒微粉の低減を阻害する影響はなく、上限はとくに定めない。しかし、Wrreが焼結工程で発生する1mmオーバーの返鉱の量を上回らない範囲で実施することが望ましく、操業状況に基づけば概ね上限値は1.5程度である。
なお、Wrre/Wpoは質量比であるが、比率を取るため、単位時間当たりにドラムミキサー10へ供給する質量、例えばトン/時間を単位として用いても良い。
ドラムミキサー10の出側で返鉱を添加する位置は、ドラムミキサー10の全長をLとして0.5L~0.98Lとする。
0.98L超の場合、添加した粗粒返鉱18に中間未造粒微粉22を付着させる期間が短く、最終未造粒微粉23の低減効果が限定される。
一方、0.5L未満の場合も最終未造粒微粉23の低減効果が限定される。これは、本発明が、粗粒返鉱18をドラムミキサー10の中盤~後半で添加することにより最終未造粒微粉23を顕著に減少させる効果を得るものであるが、0.5L未満の場合は中間未造粒微粉22の低減が十分ではなく、実質的には中盤~後半の添加ではなく入側からの添加と同様になるためである。
[第2の実施の形態に係る配合原料の造粒方法]
図2に、本発明の第2の実施の形態に係る配合原料の造粒方法のフローを示す。
本実施の形態における配合原料の構成、水の添加量、並びに返鉱の添加量及び添加位置は第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態では、鉄鉱石14をその粒径によって2以上のグループ(ここでは、鉄鉱石14a、15のグループ)に分割し、平均粒径が最も小さいグループの鉄鉱石15に、生石灰及び/又は消石灰からなるバインダーを、生石灰換算で該グループの鉄鉱石全量の外掛けで0.5質量%以上6質量%以下の量加え、高速撹拌機11に装入してP型粒子24を製造する。そして、他の配合原料と共にP型粒子24をドラムミキサー10の入側に装入する。P型粒子24はドラムミキサー10内で微粉が付着してP型粒子24aとなる。
発明者らの実験では、超レス核粒子微粉原料(本発明が対象とするレス核粒子の微粉原料を2以上のグループに分割した後の、平均粒径が最も小さいグループの鉄鉱石)に対して生石灰を0.5質量%以上加えた後に、第1の実施の形態に係る配合原料の造粒方法を実施することで、さらに最終未造粒微粉23を低減できたことから、生石灰及び/又は消石灰からなるバインダーの添加量を、生石灰換算で超レス核粒子微粉原料全量の外掛けで0.5質量%以上としている。生石灰添加量が0.5質量%未満の場合、P型粒子24が脆弱となり、ドラムミキサー10で造粒中にP型粒子24、24aが崩壊する。
一方、超レス核粒子微粉原料に対して過度に生石灰を添加すると、P型粒子24の強度上昇効果が飽和する。本発明者らの知見では、生石灰の添加量が6質量%で効果が飽和する傾向が確認された。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、上記実施の形態では、返鉱の全量をドラムミキサーの出側で添加しているが、返鉱の一部をドラムミキサーの入側で添加し、残部の返鉱をドラムミキサーの出側で添加してもよい。
本発明の効果について検証するために実施した検証試験について説明する。
表1に試験結果の一覧を示す。なお、表中の「+」は「オーバー」、「-」は「アンダー」を意味する。
Figure 0007110830000001
造粒機には、内径(直径)が1mのバッチ式ドラムミキサー試験機を使用した。造粒処理速度は25rpm、造粒時間は4分間とした。造粒中に返鉱を添加する条件では、焼結原料の造粒を一旦停止して返鉱を添加した後に造粒を再開した。返鉱添加前後の合計造粒時間は4分間である。
鉄鉱石には250μmアンダーの微粉の割合が20質量%のものを使用した。
返鉱は20質量%とし、その全量をドラムミキサー出側の所定位置で添加した。
副原料として、粉コークスを5質量%、石灰石を9質量%、カンラン岩を1質量%配合した。
ドラムミキサー出側の所定位置において添加する返鉱は、事前にロータップシェーカーによる機械ふるい分けを実施し、各試験条件におけるWrre/Wpoに合致するように粒度調整を行った。
鉄鉱石の粒度確認及び返鉱の粒度調整は、事前に各原料を乾燥させた後(絶乾後)、JIS Z8801-1「試験用ふるい-第1部:金属製網ふるい」に記載の公称目開き(0.25mmと1.0mm)のふるいに対し、300秒間ロータップシェーカーによる機械ふるい分けを行って(分級して)、ふるい上とふるい下を計測し、以下に示す式で算出して粒度確認、または算出した粒径分布割合となるように粒度調整を行った。
Xmmアンダー:ふるい目Xmmのふるいを用い、「(ふるい下の質量)/(ふるい上の質量+ふるい下の質量)×100(質量%)」で算出。
Xmmオーバー:ふるい目Xmmのふるいを用い、「(ふるい上の質量)/(ふるい上の質量+ふるい下の質量)×100(質量%)」で算出。
ドラムミキサー出側で返鉱を添加する位置は、実製造工程における連続式ドラムミキサーへの適用を想定して、ドラムミキサーの全長Lを基準としてα×Lとした際の値を記載しているが、以下の式により算出した。
α=返鉱添加までの造粒時間(分)/4(分)
例えば、返鉱添加までの造粒時間を3分とした場合、添加後の造粒時間が1分となるため、返鉱添加位置は0.75Lとなる。
なお、連続式ドラムミキサーは、ドラムを傾斜させることによって、ドラムの一方の開口部から供給した焼結原料を造粒しながら他方の開口部へ搬送して他方の開口部から造粒物を排出する装置である。
実施例4では、鉄鉱石をその粒径によって2グループに分け、平均粒径の小さいグループ(250μmアンダーの微粉の割合が30質量%)を、その全量の外掛けで0.5質量%の生石灰と共にアイリッヒミキサー(高速撹拌機)に装入して事前造粒した後、他のグループの鉄鉱石と共にドラムミキサーに装入して造粒した。
焼結試験は、ドラムミキサーで造粒処理を行った造粒物を焼結鍋に装入し、鍋試験(焼結鍋試験)により実施した。焼成時間は、原料上部への着火開始から鍋直下で計測している排ガス温度が最高点となる時点(一般にBTPと呼ぶ。)までの時間とした。
そして、鍋試験の結果から焼結生産性を以下に示す式で算出し、比較例1に対する相対値を生産性改善率として記載した。
焼結生産性(ton/day/m)=焼結鉱製造量(ton/鍋)÷鍋断面積(m)÷焼成時間(day/鍋)
ここで、焼結鉱製造量は、鍋試験で得られた焼成物を2mの高さから4回落下させ、6mmオーバーの量を測定することにより算出した。上記落下工程において粉化した6mmアンダーは焼結工程での歩留落ちとなる。
表1に示した「返鉱添加前の造粒水分」については、返鉱を添加するために焼結原料の造粒を一旦停止したタイミングで、返鉱を添加する前に、造粒物をサンプリングして水分測定を実施し、その値を記載している。
評価に当たっては、生産性改善率が7.5%以上の場合◎(優)、7.5%未満5%以上の場合○(良)、5%未満0%超の場合△(可)、0%以下の場合×(不可)とした。
検証試験より判明したことを以下に列記する。
・全ての実施例は生産性改善率が5%以上であった。特に、実施例4では、生産性改善率を7.6%とすることができた。
なお、鉄鉱石をその粒径によって3グループ以上に分けた場合も生産性改善率の値は異なるものの、実施例4と同様の傾向が認められた。
・複数銘柄を配合した鉄鉱石において1mmオーバーの粗粒を25質量%以上とすることにより生産性改善率を改善することができた(比較例2に対して実施例1)。
・ドラムミキサー出側で返鉱を添加する前の造粒水分を9.7質量%以上11.6質量%以下とすることにより生産性改善率を改善することができた(比較例7、8に対して実施例1、3)。
・ドラムミキサー出側で添加する250μmアンダーの返鉱の割合を10質量%以下とすることにより生産性改善率を改善することができた(比較例3に対して実施例1)。
・ドラムミキサー出側で添加する返鉱の添加位置を、ドラムミキサー全長をLとして0.5L~0.98Lとすることにより生産性改善率を改善することができた(比較例4、5に対して実施例1、2)。
・Wrre/Wpoを0.062以上とすることにより生産性改善率を改善することができた(比較例6に対して実施例1)。
実施例1~4では、返鉱を20質量%添加した例を示したが、10~30質量%程度まで変化させても本発明の効果が認められた。
10:ドラムミキサー、11:高速撹拌機、14、14a、15:鉄鉱石、16:微粉返鉱(250μmアンダーの返鉱)、18:粗粒返鉱(1mmオーバーの返鉱)、20:核粒子、21:付着微粉、22:中間未造粒微粉、23:最終未造粒微粉、24、24a:P型粒子

Claims (2)

  1. 複数銘柄の鉄鉱石を配合して、250μmアンダーが20質量%以上、1mmオーバーが25質量%以上65質量%以下としたものと副原料とを含む配合原料をドラムミキサーを用いて造粒処理する際に200℃以下の返鉱を添加する方法であって、
    前記返鉱の一部又は全部を前記ドラムミキサーの出側で添加することとし、
    250μmアンダーの前記鉄鉱石の質量をWpo、前記ドラムミキサーの出側で添加する1mmオーバーの返鉱の質量をWrre、前記ドラムミキサーの全長をLとすると、
    前記ドラムミキサーの出側で添加する返鉱は、250μmアンダーが10質量%以下、且つWrre/Wpo≧0.062として、0.5L~0.98Lの範囲で添加し、
    前記ドラムミキサーの出側での前記返鉱の添加までに水を添加して、造粒水分を、前記返鉱の添加前の配合原料に対する内数で9.7~11.6質量%としておくことを特徴とする配合原料の造粒方法。
  2. 請求項1記載の配合原料の造粒方法において、前記鉄鉱石をその粒径によって2以上のグループに分割し、平均粒径が最も小さい前記グループの鉄鉱石に、生石灰及び/又は消石灰からなるバインダーを、生石灰換算で該グループの鉄鉱石全量の外掛けで0.5質量%以上6質量%以下の量加え、高速撹拌機に装入した後に前記ドラムミキサーの入側に装入することを特徴とする配合原料の造粒方法。
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