JP7127395B2 - 焼結用原料の前処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、焼結用原料の前処理方法に関する。
焼結鉱の製造方法は概略以下の通りである。まず、焼結鉱の原料となる焼結用原料を所定の比率で配合した後(配合後の焼結用原料を「造粒対象原料」とも称する)、水とともに造粒する。すなわち、焼結用原料は、前処理によって造粒物とされる。ここに、焼結用原料は、主原料である鉄含有原料、焼結反応及び成分調整のために必要な副原料、熱源である炭材(固体燃料)、及び返鉱等で構成される。ここで、鉄含有原料は、例えば粒度約10mm以下の鉄鉱石(粉鉱石)および製鉄ダスト(製鉄ダスト、製鋼ダスト、スケール等)等である。副原料は、石灰石、ドロマイト、転炉スラグ、蛇紋岩、珪石および橄欖岩等である。炭材は、例えばコークス粉および無煙炭等である。
ついで、造粒対象原料の造粒物(すなわち、配合原料)を焼結機の焼結パレットに層状に装入する。ついで、原料充填層の表面から配合原料中の固体燃料に着火し、焼結用原料の上から下の厚み方向に吸引通風する。これによって、原料充填層の燃焼点を順次下層側に移行させ、焼結反応を進行させる。焼成後の焼結パレット内の焼結ケーキは高炉用焼結鉱として適した所定粒度となるように解砕、整粒される。以上の工程により、焼結鉱が作製される。
造粒対象原料を造粒物としてから焼結機に装入することで、原料充填層の空隙率及び気孔を大きくすることができる。したがって、原料充填層の通気性が向上するので、焼結鉱の生産性が向上することが期待される。
ところで、造粒対象原料に添加する水分量が多いほど、造粒物の粒度(厳密には、粒度分布等から求まる平均粒度。平均粒度は例えば粒度の算術平均値となる。)が大きくなる傾向がある。そして、造粒物の粒度が大きいほど、原料充填層の空隙率及び気孔が大きくなる。しかし、水分量が所定量以上となる場合、造粒物の粒度はほぼ頭打ちとなる。したがって、造粒対象原料に添加する水分量には適正量(すなわち、上述した所定量)が存在する。
しかし、造粒対象原料に適正量の水分を添加して造粒物を作製した場合、焼結鉱の生産性がかえって低下する場合がある。造粒物の粒度を大きくした場合、原料充填層内に多くの水分が存在することになる。原料充填層中の水分は、焼成反応が進行している原料充填層から気化熱を奪って水蒸気となる。したがって、原料充填層内に存在する水分が多いほど、気化熱を補填するための熱量が多く必要になる。例えば、配合原料中に多くの固体燃料を含める必要がある。さらに、焼成中に生じた水蒸気は、下方への吸引により原料充填層の下層側に集中する。したがって、原料充填層内に存在する水分が多いほど、原料充填層の下層側に存在する水蒸気量が多くなり、ひいては、原料充填層の通気性が低下する。さらに、発生した水蒸気は排ガスとなるので、排ガス量も増大する。したがって、焼結鉱の生産性が低下する。
したがって、造粒時には適正量であった水分量は、焼成時には多すぎるということになる。しかし、単に造粒時の水分量を減らしただけでは、造粒物の粒度が小さくなるので、原料充填層の通気性が低下する。
したがって、より少ない水分量でなるべく粒度の高い造粒物を作製することが非常に重要になる。すなわち、水分をなるべく効率的に使用することが非常に重要になる。特許文献1、2には、このような知見に基づく技術が開示されている。特許文献1に開示された技術では、焼結用原料のうち、返鉱以外の原料を造粒し、これにより得られた造粒物に返鉱を混合する。実際には、ベルトコンベア上で搬送される造粒物に返鉱を投入する。返鉱と造粒物とは、ベルトコンベアで搬送される間に混合される。
返鉱に含まれる水分(いわゆる初期水分)は非常に少ないので、返鉱を造粒するのには返鉱以外の原料と比較して相対的に多くの水分が必要になる。そこで、特許文献1に開示された技術では、返鉱以外の焼結用原料、すなわち返鉱に比べて比較的湿潤な原料だけを用いて造粒を行う。すなわち、返鉱を造粒ラインからバイパスさせる。これにより、水分量に対して造粒対象となる原料の質量が相対的に小さくなる。さらに、造粒対象となる原料は返鉱に比べて多くの水分を含む。したがって、より少ない水分量で大きな粒度の造粒物を作製することができる。その後、造粒物に返鉱を混合する。これにより得られる配合原料の粒度(厳密には、粒度の平均粒度。平均粒度は例えば粒度の算術平均値となる)は、当初の造粒物の粒度よりも低下している。ただし、配合原料の粒度は、返鉱を含めた全ての焼結用原料を上記と同じ水分量(すなわち、返鉱以外の焼結用原料を造粒した時の水分量)で造粒することで得られた造粒物の粒度よりも大きい。すなわち、返鉱を造粒物に混合した際の粒度低下の影響よりも、返鉱以外の焼結用原料を造粒することによる粒度増大の影響の方が大きい。
特許文献2に開示された技術は、特許文献1に開示された技術をさらに発展させたものである。この技術では、特定の粒度分布を持つ返鉱を造粒物に混合する。なお、特許文献1、2に開示された前処理方法は、RF-MEBIOS法とも称される。
特許5315659号 特開2015-193930号公報
ところで、近年、資源の有効活用の観点等から、選鉱処理によって製造される鉄精鉱の中で、中間粒子(すなわち、粒度が0.25mm以上1.0mm未満となる粒子)を多く含む(具体的には、70質量%以上の質量比で含む)鉄鉱石を用いて焼結鉱を作製したいというニーズが強くなっている。以下、このような鉄鉱石を「中間粒子高含有鉄鉱石」とも称する。中間粒子高含有鉄鉱石の例としては北米産の鉄鉱石(いわゆる北米鉱。例えばカナダ鉱)が挙げられる。北米鉱は、T.Fe(全鉄量)が大きく、焼結用原料として使用した場合に焼結鉱中のSiOやAlを低減可能であると期待される。
しかし、中間粒子高含有鉄鉱石を造粒しても、造粒物の粒度が大きくなりにくいという問題があった。このため、中間粒子高含有鉄鉱石を用いて焼結鉱を作製した場合に、焼結鉱の生産性が低下するという問題があった。ここに、造粒物は、コア粒子(核粒子)と、コア粒子の表面に付着した付着粒子とで構成される。コア粒子の粒度は比較的大きく、付着粒子の粒度はコア粒子の粒度に比べて小さい。中間粒子の粒度は、コア粒子の粒度よりも小さく、付着粒子の粒度よりも大きい。このため、中間粒子は、コア粒子及び付着粒子のどちらにもなりにくい。したがって、中間粒子高含有鉄鉱石を用いて造粒を行っても、造粒物の粒度が大きくなりにくい。この点、特許文献1、2では、中間粒子を多く含む鉄鉱石に関して何ら言及されていなかった。したがって、特許文献1、2に開示された技術では、上記問題を何ら解決することができなかった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、中間粒子高含有鉄鉱石を含む焼結用原料を用いて焼結鉱を作製する場合に、焼結鉱の生産性を改善することが可能な、新規かつ改良された焼結用原料の前処理方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、焼結用原料の一部を主部原料として造粒することで主部造粒物を作製する工程と、焼結用原料の残部をバイパス対象原料として主部造粒物に混合することで、配合原料を作製する工程と、を含み、バイパス対象原料には、バイパス対象返鉱と、粒度が0.25mm以上1.0mm未満の粒子を70質量%以上の質量比で含むバイパス対象鉄鉱石とが含まれ、配合原料が焼結機に装入される直前に含まれる-0.25mm粒子の質量%は、焼結用原料を全て造粒することで得られる全量造粒物が焼結機に装入される直前に含まれる-0.25mm粒子の質量%以下となることを特徴とする、焼結用原料の前処理方法が提供される。
ここで、以下の数式(1)が満たされてもよい。
-A(Mr+Mc)+Ar・Mr+Ac・Mc≦0 (1)
数式(1)において、Aは主部造粒物に含まれる-0.25mm粒子の減少割合を示す係数であり、Arはバイパス対象返鉱に含まれる-0.25mm粒子の質量%を示す定数であり、Mrはバイパス対象返鉱の質量%を示す変数であり、Acはバイパス対象鉄鉱石に含まれる-0.25mm粒子の質量%を示す定数であり、Mcはバイパス対象鉄鉱石の質量%を示す変数である。
以上説明したように本発明によれば、返鉱及び中間粒子高含有鉄鉱石をバイパスさせることによって、主部造粒物の-0.25mm粒子が大きく減少し、配合原料に含まれる-0.25mm粒子の質量%を全量造粒物に含まれる-0.25mm粒子の質量%以下とできる。このため、高い造粒改善効果が得られ、ひいては、焼結鉱の生産性が改善される。
返鉱のみをバイパスした時のバイパス対象原料の質量%と造粒物中の-0.25mm粒子の質量%または配合原料中の-0.25mm粒子の質量%との対応関係を示すグラフである。 中間粒子高含有鉄鉱石のみをバイパスした時のバイパス対象原料の質量%と造粒物中の-0.25mm粒子の質量%または配合原料中の-0.25mm粒子の質量%との対応関係を示すグラフである。 返鉱及び中間粒子高含有鉄鉱石をバイパスした時のバイパス対象原料の比率と造粒物中の-0.25mm粒子の質量%または配合原料中の-0.25mm粒子の比率との対応関係を示すグラフである。 返鉱及び中間粒子高含有鉄鉱石をバイパスした時のバイパス対象原料の比率と造粒物中の-0.25mm粒子の質量%または配合原料中の-0.25mm粒子の比率との対応関係を示すグラフである。 本実施形態による前処理方法の概要を示す説明図である。 比較例1による前処理方法の概要を示す説明図である。 比較例2による前処理方法の概要を示す説明図である。 比較例3による前処理方法の概要を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.本発明者による検討>
本発明者は、上記課題を解決するための技術について鋭意検討し、この結果、本実施形態に係る焼結用原料の前処理方法に想到した。そこで、まず、本発明者が行った検討内容について説明する。
本発明者は、RF-MEBIOS法を改良することに着目した。本発明者は、RF-MEBIOS法を改良するにあたり、バイパス対象原料(すなわち、造粒ラインからバイパスさせる原料)の種類及びその質量%と、造粒性改善効果との対応関係について調査した。
ここに、本発明者は、焼結用原料の前処理によって最終的に得られた配合原料(すなわち、焼結機に装入される直前の原料)に含まれる-0.25mm粒子の質量%を造粒性改善効果の指標とした。-0.25mm粒子は、粒度が0.25mm未満の粒子を意味する。本実施形態では、粒度は、目開きの異なる篩によって測定される。例えば、焼結用原料を目開きがXmmの篩に掛けた場合に、篩に残った粒子の粒度はXmm以上となり、篩から落ちた粒子の粒度はXmm未満となる。また、-0.25mm粒子の質量%は、配合原料の総質量に対する質量%である。以下、配合原料に含まれる-0.25mm粒子の質量%を、「配合原料中-0.25mm比率」とも称する。
原料充填層内の-0.25mm粒子は、原料充填層内の気孔を閉塞するため、原料充填層の通気性を悪化させ、ひいては、焼結鉱の生産性を悪化させる。一方で、配合原料の粒度(厳密には、平均粒度。平均粒度は例えば粒度の算術平均値となる)が大きい場合、配合原料中に存在する-0.25mm粒子の数は少ない。そこで、本発明者は、配合原料に含まれる-0.25mm粒子の質量%を造粒改善効果の指標とした。各原料中の-0.25mm粒子の質量%は、以下の方法で測定した。すなわち、測定対象の原料を105℃で約2時間乾燥させた。ついで、測定対象の原料を軽く振とうさせた。その後、測定対象の原料中の-0.25mm粒子の質量%を測定した。
なお、-0.25mm粒子の質量%だけでなく、さらに0.25-0.5mm粒子(粒度が0.25mm以上0.5mm未満の粒子)の質量%を測定することで、造粒改善効果をさらに詳細に評価することができる。すなわち、評価対象の試料の-0.25mm粒子の質量%が同程度となる場合、さらに0.25-0.5mm粒子の質量%を測定すればよい。0.25-0.5mm粒子の質量%が小さいほど、造粒改善効果が大きいことになる。
また、本発明者は、主部造粒物に含まれる-0.25mm粒子の質量%に主部造粒物の質量比を乗じた値と、バイパス対象原料に含まれる-0.25mm粒子の質量%にバイパス対象原料の質量比を乗じた値との合計値を配合原料中-0.25mm比率とした。この考え方が妥当であることは、非特許文献「Improvement of Permeability of Sintering Bed by Adding DryParticles to Granulated Raw Materials(ISIJ International, Vol.53(2013), No.9, pp.1538-1544)」及び「Improvement of Sinter Productivity by Adding Return Fine on Raw Materials after Granulation Stage(ISIJ International, Vol.53(2013), No.1, pp.34-40)」に記載されている。主部造粒物に含まれる-0.25mm粒子の質量%は、主部造粒物の総質量に対する質量%である。以下、主部造粒物を単に「造粒物」、主部造粒物に含まれる-0.25mm粒子の質量%を「造粒物中-0.25mm比率」とも称する。また、バイパス対象原料に含まれる-0.25mm粒子の質量%は、バイパス対象原料の総質量に対する質量%である。以下、バイパス対象原料に含まれる-0.25mm粒子の質量%を「バイパス対象原料中-0.25mm比率」とも称する。
(1-1.焼結用原料のバイパスを行わない場合)
本発明者は、まず、比較用の基準値を特定するために、焼結用原料のバイパスを行わず、焼結用原料の全量を造粒した。焼結用原料には、上述した鉄含有原料、副原料、炭材、及び返鉱が含まれる。また、鉄含有原料には、中間粒子高含有鉄鉱石が含まれる。また、水分量は、造粒対象の原料(ここには焼結用原料の全量)の総質量に対して7.8質量%とした。ここに、水分量の質量%は、いわゆる外数である。水分量の定義は以下の各試験でも同様とした。これにより得られた配合原料(すなわち、全量造粒物)に含まれる-0.25mm粒子の質量%は、4.5質量%であった。すなわち、この場合、配合原料中-0.25mm比率は、以下の数式(2)で示される。
Y=Y (2)
数式(2)中、Yは配合原料中-0.25mm比率を示す変数であり、Yは全量造粒物に含まれる-0.25mm粒子の質量%(すなわち、「全量造粒物中-0.25mm比率」)を示す定数である。本例では、Yは4.5質量%となる。もちろん、この値は使用する焼結用原料の種類によって変動しうる。
(1-2.返鉱のみをバイパスした場合)
本発明者は、つぎに、返鉱のみをバイパスした場合について検討した。具体的には、本発明者は、焼結用原料を構成する返鉱の少なくとも一部をバイパス対象原料とした。そして、本発明者は、バイパス対象原料以外の焼結用原料、すなわち主部原料を造粒することで、造粒物を作製した。ついで、造粒物にバイパス対象原料である返鉱を混合した。これにより、配合原料を作製した。そして、バイパス対象原料の質量%と造粒物中-0.25mm比率との対応関係を検証した。さらに、バイパス対象原料の質量%と配合原料中-0.25mm比率との対応関係を検証した。この結果、造粒物中-0.25mm比率及び配合原料中-0.25mm比率は、いずれもバイパス対象原料の質量%の一次関数で表されることが判明した。具体的には、造粒物中-0.25mm比率は以下の数式(3)で示され、配合原料中-0.25mm比率は、以下の数式(4)で示されることが明らかとなった。
Y’=Y-A・Mr (3)
Y=Y’+Ar・Mr
=Y-A・Mr+Ar・Mr
=Y-(A-Ar)・Mr (4)
数式(3)において、Y’は造粒物中-0.25mm比率を示す変数である。Aは、バイパス実施による主部原料の造粒物の-0.25mm粒子の減少割合を示す係数であり、バイパス実施による造粒改善効果を示す係数である。Aは正の値となるが、具体的な値は主部原料に固有の値を取り、実験的に決定される。Mrはバイパスの対象となる返鉱(以下、「バイパス対象返鉱」とも称する)の質量%を示す変数である。バイパス対象返鉱の質量%は、焼結用原料の総質量に対する質量%である。また、ここには返鉱のみをバイパスさせるため、バイパス対象返鉱がバイパス対象原料となる。
数式(4)において、Arは、バイパス対象返鉱に含まれる-0.25mm粒子の質量%(バイパス対象返鉱の総質量に対する質量%)を示す定数である。その値はパイパス対象の返鉱の粒度測定により決定される。以下、バイパス対象返鉱に含まれる-0.25mm粒子の質量%を「バイパス対象返鉱中-0.25mm比率」とも称する。数式(4)によれば、A>Arとなる場合、バイパス対象原料を造粒物に混合した際の-0.25mm粒子の増加(すなわち、配合原料の粒度低下)の影響よりも、バイパス実施による配合原料の粒度増大の影響の方が大きいことになる。すなわち、バイパスによる造粒改善効果が得られることになる。後述する図1で示される通り、Y<Yとなった。したがって、A>Arであり、バイパスによる造粒改善効果が得られた。
図1に、数式(2)~(4)に対応するグラフL0~L2を示す。グラフL0は数式(2)に対応し、グラフL1は数式(3)に対応し、グラフL2は数式(4)に対応する。グラフL1によれば、バイパス対象原料の質量%が増加するに従って、造粒物中-0.25mm比率が減少した。しかし、バイパス対象原料の質量%がある値(概ね32質量%)に達した際に、造粒物中-0.25mm比率がゼロになった。したがって、これ以上バイパス対象原料の質量%を増やしても、バイパスによる造粒改善効果は大きくならない。
一方、グラフL2によれば、バイパス対象原料の質量%が増加するに従って、配合原料中-0.25mm比率が減少した。したがって、A>Arであり、バイパスによる造粒改善効果が得られた。しかし、バイパス対象原料の質量%が32質量%となった際に、造粒改善効果が頭打ちとなる。したがって、それ以上バイパス対象原料を増やしても、バイパス対象原料分の-0.25mm粒子が増えるだけである。すなわち、配合原料中-0.25mm比率が増加に転じる。なお、配合原料中-0.25mm比率が4.5を超えるまでは、造粒改善効果は得られる。
(1-3.中間粒子高含有鉄鉱石のみをバイパスした場合)
本発明者は、つぎに、中間粒子高含有鉄鉱石のみをバイパスした場合について検討した。具体的には、本発明者は、焼結用原料を構成する中間粒子高含有鉄鉱石の少なくとも一部をバイパス対象原料とした。そして、本発明者は、バイパス対象原料以外の焼結用原料(返鉱はこちらに含まれる。)、すなわち主部原料を造粒することで、造粒物を作製した。ついで、造粒物にバイパス対象原料である中間粒子高含有鉄鉱石を混合した。これにより、配合原料を作製した。そして、バイパス対象原料の質量%と造粒物中-0.25mm比率との対応関係を検証した。さらに、バイパス対象原料の質量%と配合原料中-0.25mm比率との対応関係を検証した。この結果、造粒物中-0.25mm比率及び配合原料中-0.25mm比率は、いずれもバイパス対象原料の質量%の一次関数で表されることが判明した。具体的には、造粒物中-0.25mm比率は以下の数式(5)で示され、配合原料中-0.25mm比率は、以下の数式(6)で示されることが明らかとなった。
Y’=Y-A・Mc (5)
Y=Y’+Ac・Mc
=Y-A・Mc+Ac・Mc
=Y-(A-Ac)・Mc (6)
数式(5)において、Y’は造粒物中-0.25mm比率を示す変数である。Aは、バイパス実施による-0.25mm粒子の減少割合を示す係数である。言い換えれば、Aは、バイパス実施による造粒改善効果を示す係数で、正の値となる。ここでの具体的な値は、主部原料(バイパスの対象となる中間粒子高含有鉄鉱石を除いた原料)に応じて変わるので実験的に決定すべきであるが、主部原料の太宗は前記1-2のケースと同じであることから、前記1-2で決めた数値を流用している。Mcはバイパスの対象となる中間粒子高含有鉄鉱石(以下、「バイパス対象鉄鉱石」とも称する)の質量%を示す変数である。バイパス対象鉄鉱石の質量%は、焼結用原料の総質量に対する質量%である。また、ここには中間粒子高含有鉄鉱石のみをバイパスさせるため、バイパス対象鉄鉱石がバイパス対象原料となる。
数式(6)において、Acは、バイパス対象鉄鉱石に含まれる-0.25mm粒子の質量%(バイパス対象鉄鉱石の総質量に対する質量%)を示す定数である。その値は、バイパス対象鉄鉱石を粒度分析して決定する。以下、バイパス対象鉄鉱石に含まれる-0.25mm粒子の質量%を「バイパス対象鉄鉱石中-0.25mm比率」とも称する。数式(6)によれば、A>Acとなる場合、バイパス対象原料を造粒物に混合した際の-0.25mm粒子の増加(すなわち、配合原料の粒度低下)の影響よりも、バイパス実施による配合原料の粒度増大の影響の方が大きいことになる。すなわち、バイパスによる造粒改善効果が得られることになる。後述する図2で示される通り、Y>Yとなった。したがって、A<Acであり、単に中間粒子高含有鉄鉱石をバイパスさせただけでは、バイパスによる造粒改善効果が得られないことが明らかとなった。
図2に、数式(2)~(5)、(6)に対応するグラフL0、L1、L3を示す。グラフL0は数式(2)に対応し、グラフL1は数式(5)に対応し、グラフL3は数式(6)に対応する。グラフL1によれば、バイパス対象原料の質量%が増加するに従って、造粒物中-0.25mm比率が減少した。しかし、バイパス対象原料の質量%がある値(概ね32質量%)に達した際に、造粒物中-0.25mm比率がゼロになった。したがって、これ以上バイパス対象原料の質量%を増やしても、バイパスによる造粒改善効果は大きくならない。
一方、グラフL3によれば、バイパス対象原料の質量%が増加するに従って、配合原料中-0.25mm比率が増大した。したがって、A<Acであり、バイパスによる造粒改善効果が得られなかった。そして、バイパス対象原料の質量%が32質量%となった際に、配合原料中-0.25mm比率の増加割合がさらに大きくなった。したがって、単に中間粒子高含有鉄鉱石をバイパスさせただけでは、造粒改善効果が得られないことが明らかとなった。
(1-3.返鉱及び中間粒子高含有鉄鉱石をバイパスした場合)
上述したように、返鉱のみをバイパスさせた場合、造粒改善効果が得られたが、中間粒子高含有鉄鉱石のみをバイパスさせた場合には、造粒改善効果が得られなかった。そこで、本発明者は、つぎに、返鉱及び中間粒子高含有鉄鉱石をバイパスした場合について検討した。具体的には、本発明者は、焼結用原料を構成する返鉱及び中間粒子含有鉄鉱石の少なくとも一部をバイパス対象原料とした。そして、本発明者は、バイパス対象原料以外の焼結用原料、すなわち主部原料を造粒することで、造粒物を作製した。ついで、造粒物にバイパス対象原料である返鉱及び中間粒子高含有鉄鉱石を混合した。これにより、配合原料を作製した。そして、バイパス対象原料の質量%と造粒物中-0.25mm比率との対応関係を検証した。さらに、バイパス対象原料の質量%と配合原料中-0.25mm比率との対応関係を検証した。この結果、造粒物中-0.25mm比率及び配合原料中-0.25mm比率は、いずれもバイパス対象原料の質量%の一次関数で表されることが判明した。具体的には、造粒物中-0.25mm比率は以下の数式(7)で示され、配合原料中-0.25mm比率は、以下の数式(8)で示されることが明らかとなった。
Y’=Y-A・(Mr+Mc) (7)
Y=Y’+Ar・Mr+Ac・Mc
=Y-A・(Mr+Mc)+Ar・Mr+Ac・Mc
=Y-(A-Ar)・Mr-(A-Ac)・Mc (8)
数式(7)、(8)において、各記号の意味は数式(2)~(6)と同様である。上述したように、A>Arであり、A<Acであるため、-(A-Ar)・Mrは負の値であり、-(A-Ac)・Mcは正の値である。したがって、|(A-Ar)・Mr|>|(A-Ac)・Mc|となれば、Y<Yとなる。すなわち、バイパス対象原料を造粒物に混合した際の-0.25mm粒子の増加(すなわち、配合原料の粒度低下)の影響よりも、バイパス実施による配合原料の粒度増大の影響の方が大きいことになる。すなわち、バイパスによる造粒改善効果が得られることになる。後述する図3、図4で示される通り、Y<Yとなった。したがって、|(A-Ar)・Mr|>|(A-Ac)・Mc|であり、バイパスによる造粒改善効果が得られた。
図3、図4に、数式(2)、(7)、(8)に対応するグラフL0、L1、L4を示す。グラフL0は数式(2)に対応し、グラフL1は数式(7)に対応し、グラフL2は数式(8)に対応する。
なお、より詳細には、グラフL1、L4は領域1、2に区分される。領域1では、Mc=0とし、バイパス対象返鉱の質量%だけ増加させた。領域2では、バイパス対象返鉱の質量%を10質量%に固定し、バイパス対象鉄鉱石の質量%を増加させた。したがって、領域1では、グラフL1、L4は、図1に示すグラフL1、L2と同様の挙動が示された。領域2では、グラフL1は図1に示すグラフL1と同様の挙動が示された。一方、グラフL4によれば、バイパス対象原料の質量%が増加するにしたがって配合原料中-0.25mm比率が増大した。領域2では、|(A-Ar)・Mr|が一定となり、|(A-Ac)・Mc|が増大するからである。そして、バイパス対象原料の質量%が20質量%となる場合に、Y=Y0となった。後述する実施例で示される通り、この場合であっても造粒改善効果、具体的には生産性の改善効果が得られた。しかし、バイパス対象原料の質量%が20質量%を超えた場合、造粒改善効果は得られなくなった。すなわち、バイパス対象返鉱の質量%が10質量%となる場合、バイパス対象鉄鉱石の質量%が10質量%となるまでは造粒改善効果が得られることになる。図4は、バイパス対象返鉱の質量%の上限値を15質量%で固定した例である。この例では、バイパス対象原料の質量%が30質量%となるまで造粒改善効果が得られる。すなわち、バイパス対象鉄鉱石の質量%が15質量%となるまでは造粒改善効果が得られる。
以上の知見によれば、以下の数式(1)が満たされるようにバイパス対象返鉱及びバイパス対象鉄鉱石の質量%を調整すれば、造粒改善効果が得られることが明らかとなった。
Y-Y=-A(Mr+Mc)+Ar・Mr+Ac・Mc≦0 (1)
本発明者は、以上の知見に基づいて、本実施形態に係る焼結用原料の前処理方法に想到した。以下、本実施形態に係る焼結用原料の前処理方法について説明する。
<2.焼結用原料の前処理方法>
本実施形態に係る焼結用原料の前処理方法は、焼結用原料の一部を主部原料として造粒することで主部造粒物を作製する第1の工程と、焼結用原料の残部をバイパス対象原料として主部造粒物に混合することで、配合原料を作製する第2の工程と、を含む。図5は、本実施形態による前処理方法の概要を示す。
ここに、焼結用原料には、上述した鉄含有原料、副原料、炭材、及び返鉱が含まれる。また、鉄含有原料には、上述した中間粒子高含有鉄鉱石が含まれる。鉄含有原料は、中間粒子高含有鉄鉱石のみで構成されていても良いし、他の種類の鉄含有原料が含まれていてもよい。中間粒子高含有鉄鉱石は、例えば北米鉱である。北米鉱は、T.Fe(全鉄量)が大きく、焼結用原料として使用した場合に焼結鉱中のSiOやAlを低減可能であると期待される。北米鉱は、中間粒子が多く含まれるだけでなく、平滑な粒子形状を有しているため、特に造粒されにくい。他の種類の鉄含有原料としては、製鉄ダスト(製鉄ダスト、製鋼ダスト、スケール等)等の他、南米産の鉄鉱石(すなわち、南米鉱)、豪州産の鉄鉱石(すなわち、豪州鉱)等が挙げられる。表1に、北米鉱、南米鉱、及び豪州鉱の粒度分布を対比して示す。表1中、「豪州鉱A」は、豪州産ピソライト粉鉱石であり、「豪州鉱B」は、豪州産ブレンド(ブロックマン、マラマンバ)粉鉱石である。「南米鉱A」は、南米産ヘマタイト粉鉱石であり、「南米鉱B」は、南米産ヘマタイト微粉鉱石である。北米鉱A、Bは、北米産ヘマタイト微粉鉱石である。北米鉱A、Bには、マグネタイトも混入される場合がある。また、表1中の粒度分布において、「A-B」はA以上B未満を示す。また、各粒度分布に対応する数値は鉄鉱石の総質量に対する質量%を示す。表1から明らかな通り、北米鉱は、南米鉱及び豪州鉱に比べて中間粒子を多く含むことがわかる。なお、レーザー回折散乱法による測定は、JISR1629に準じて行った。
Figure 0007127395000001
中間粒子高含有鉄鉱石は、造粒されにくい中間粒子を多く含む。このため、本実施形態では、中間粒子高含有鉄鉱石の少なくとも一部を造粒ラインからバイパスさせる。これにより、主部造粒物の粒度(厳密には、平均粒度。平均粒度は例えば粒度の算術平均値)を大きくすることができる。主部造粒物にバイパス対象原料を混合することで、配合原料の粒度(厳密には、平均粒度)は減少するが、配合原料の粒度は、全量造粒物の粒度よりも大きくなる。
第1の工程では、主部原料を配合することで造粒対象主部原料を作製する。そして、この造粒対象主部原料を水とともに造粒することで、主部造粒物を作製する。造粒は、造粒機(例えばドラムミキサーやパンペレタイザー)等で行われれば良い。また、水分量は、主部原料の総質量に対して6.0から12.0質量%とすることができる。ここに、水分量はいわゆる外数である。本実施形態では、焼結用原料の一部を主部原料として造粒するので、水分量が少なくても、造粒対象物に対する水分の質量比を相対的に大きくすることができる。したがって、水分量が少なくても、主部造粒物の粒度を大きくすることができる。
第2の工程では、焼結用原料の残部をバイパス対象原料として主部造粒物に混合することで、配合原料を作製する。すなわち、バイパス対象原料を造粒せずに造粒ラインからバイパスさせ、主部造粒物に混合する。ここに、バイパス対象原料には、少なくとも中間粒子高含有鉄鉱石及び返鉱、すなわちバイパス対象鉄鉱石及びバイパス対象返鉱が含まれる。バイパス対象鉄鉱石及びバイパス対象返鉱の質量%(焼結用原料の総質量に対する質量%)は、上述したように、配合原料中-0.25mm比率が全量造粒物中-0.25mm比率よりも小さくなるように設定される。より具体的には、以下の数式(1)が満たされるように、バイパス対象鉄鉱石及びバイパス対象返鉱の質量%を決定する。
-A(Mr+Mc)+Ar・Mr+Ac・Mc<0 (1)
各記号の意味は上述した通りである。また、Aの値は、実験により測定可能である。具体的には、上述した2-1.の図3、4を求めた際の実験と同様の実験を行うことで、Aの値が求まる。
本実施形態によれば、配合原料中-0.25mm比率が全量造粒物中-0.25mm比率以下になるように返鉱及び中間粒子高含有鉄鉱石をバイパスさせる。好ましくは、配合原料中-0.25mm比率が全量造粒物中-0.25mm比率より小さくなるように返鉱及び中間粒子高含有鉄鉱石をバイパスさせる。したがって、中間粒子高含有鉄鉱石を用いて焼結鉱を作製する場合であっても、配合原料の粒度を高めることができる。すなわち、焼結機内で通気性の高い原料充填層を形成することができる。また、水分量を少なくすることができるので、水分による生産性の悪化を抑制することができる。
<1.実施例>
(1-1.主部造粒物の作製)
次に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、図5に示す前処理方法を行った。具体的には、焼結用原料の一部を配合して造粒した。原料の組成を表2に示す。表2中の数値は質量%である。また、造粒はドラムミキサーを用いて行った。造粒時の水分量は、配合原料の総質量に対して8.3質量%(外数)とした。また、本実施例では、10質量部の北米鉱A及び10質量部の返鉱をバイパス対象原料とした。
Figure 0007127395000002
また、主部造粒物中の-0.25mm粒子及び0.25-5.0mm粒子(粒度が0.25mm以上5.0mm未満の粒子)の質量%(主部造粒物の総質量に対する質量%)を以下の方法で測定した。すなわち、主部造粒物を約500gサンプリングし、乾燥機で2時間以上乾燥処理した。乾燥後の主部造粒物を、ロータップ振とう機でタップせずに12秒間振とう処理した。ついで、篩を用いて主部造粒物を分級することで、-0.25mm粒子の質量%及び0.25-5.0mm粒子の質量%を測定した。結果を表2に示す。
(1-2.配合原料の作製)
ついで、主部造粒物およびバイパス対象原料をドラムミキサーに投入し、15秒間混合した。実際の製造ラインでは、主部造粒物およびバイパス対象原料はベルトコンベア上で合流し、ベルトコンベアの乗り継ぎやサージホッパー内で軽く混合される。これを模擬する為、上記操作を行い、配合原料を作製した。配合原料の総質量に対する水分量の質量%(外数)は、バイパス対象原料を主部造粒物に混合したことに伴い、減少した。具体的には、水分量は、配合原料の総質量に対して7.0質量%となった。また、配合原料を鍋試験に供する前に、配合原料中の-0.25mm粒子及び0.25-5.0mm粒子の質量%を主部造粒物の粒度分布を測定した方法と同様の方法により測定した。結果を表2に示す。
(1-3.鍋試験)
ついで、配合原料70kgを高さ600mm、直径300mmの焼結鍋を用いて吸引負圧11.8kPaで焼成した。焼結鍋には予め2kgの床敷鉱を敷設した。焼成後のシンターケーキを、地面から2mの高さから4回落下させた。これにより得られた焼結鉱を、目開き5mmの篩で分級して篩上を焼結鉱(成品)、篩下を返鉱として回収した。ついで、製品の質量等に基づいて、生産率(t/d・m)を測定したところ、生産率は31.7t/d・mとなった。
<2.比較例1>
比較例1では、実施例で用いた焼結用原料の全量を配合原料として造粒することで、主部造粒物を作製した。造粒に使用した水分の質量は実施例と同様とした。比較例1では、水分量に対して造粒の対象となる原料の質量が大きいので、造粒時の水分量は、配合原料の総質量に対して7.8質量%(外数)となった。ついで、主部造粒物の粒度分布を実施例と同様の方法で測定した。ついで、主部造粒物を実施例での配合原料として、実施例と同様に搬送過程での混合を模擬した15秒間のドラムミキサー混合操作を行った。ついで、搬送後の配合原料の粒度分布を実施例と同様の方法により測定した。結果を表2に示す。前処理方法の概要を図6に示す。
その後、実施例と同様の鍋試験を行い、生産率を測定した。生産率は29.2t/d・mであった。
<3.比較例2>
実施例で使用した焼結用原料のうち、10質量部の返鉱をバイパス対象原料とした他は実施例と同様の処理を行った。結果を表2に示す。また、前処理方法の概要を図7に示す。
<4.比較例3>
実施例で使用した焼結用原料のうち、10質量部の北米鉱をバイパス対象原料とした他は、実施例と同様の処理を行った。結果を表2に示す。また、前処理方法の概要を図8に示す。
<5.評価>
比較例1~3では、水分量に対する主部原料の質量が実施例に比べて増加したため、造粒時の水分量の質量%が実施例に比べて低下した。この結果、比較例1~3では、主部造粒物中-0.25mm比率が増大した。実施例の配合原料中-0.25mm比率は、比較例1、2と同程度であったが、実施例の0.25-0.50mm比率は比較例1~3よりも改善した。したがって、実施例では、比較例1~3よりも造粒性が改善した。すなわち、実施例では、高い造粒改善効果が得られた。この結果、実施例では、比較例1~3よりも成品の生産率、すなわち焼結鉱の生産性が改善された。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (2)

  1. 焼結用原料の一部を主部原料として造粒することで主部造粒物を作製する工程と、
    前記焼結用原料の残部をバイパス対象原料として前記主部造粒物に混合することで、配合原料を作製する工程と、を含み、
    前記バイパス対象原料には、バイパス対象返鉱と、粒度が0.25mm以上1.0mm未満の粒子を70質量%以上の質量比で含むバイパス対象鉄鉱石とが含まれ、
    前記配合原料が焼結機に装入される直前に含まれる-0.25mm粒子の質量%は、前記焼結用原料を全て造粒することで得られる全量造粒物が焼結機に装入される直前に含まれる-0.25mm粒子の質量%以下となることを特徴とする、焼結用原料の前処理方法。
  2. 以下の数式(1)が満たされることを特徴とする、請求項1記載の焼結用原料の前処理方法。
    -A(Mr+Mc)+Ar・Mr+Ac・Mc≦0 (1)
    数式(1)において、Aは前記主部造粒物に含まれる-0.25mm粒子の減少割合を示す係数であり、Arは前記バイパス対象返鉱に含まれる-0.25mm粒子の質量%を示す定数であり、Mrは前記バイパス対象返鉱の質量%を示す変数であり、Acは前記バイパス対象鉄鉱石に含まれる-0.25mm粒子の質量%を示す定数であり、Mcは前記バイパス対象鉄鉱石の質量%を示す変数である。
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