JP2015063716A - 焼結鉱製造用鉄鉱石ミニペレット - Google Patents

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【課題】焼結鉱の生産性および成品品質を悪化させることなく、微粉のマグネタイト系ペレットフィードを焼結原料として使用する技術を提供する。【解決手段】化学分析によるFeO含有量が20質量%以上で、かつ、粒径0.5mm以下の粒子を94質量%以上含有するマグネタイト系ペレットフィード;を造粒してなり、焼結鉱を製造するために用いられる鉄鉱石ミニペレットであって、粒径が1〜5mmであり、当該ミニペレット1個を窒素雰囲気中で1300℃まで昇温した後、雰囲気を空気に切り替えて100℃/minの冷却速度で800℃まで冷却した時の到達酸化率が55%以上である焼結鉱製造用鉄鉱石ミニペレットを用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、焼結鉱の製造において原料として使用される、鉄鉱石からなるミニペレットに関し、詳しくはマグネタイト系ペレットフィードを焼結原料として使用する技術に関するものである。
焼結鉱は、その塩基度(CaO/SiO)、SiO含有量を目標値とするように鉄鉱石に石灰石、珪石、蛇紋岩等の副原料を配合し、さらにコークス粉等の固体燃料を加えた焼結原料をドラムミキサやディスクペレタイザなどの造粒機で混合造粒して擬似粒子化した後、DL型焼結機(以下、単に「焼結機」という。)で焼成して得られる。
従来から微粉の多い鉄鉱石を多量に配合して焼結した場合には、焼結機における通気性が低下し、生産性や成品歩留等を悪化させることがよく知られている。しかも、原料事情により今後さらに鉄鉱石原料は微粉化する傾向にあり、微粉の多い鉄鉱石の配合比率を増加させた焼結鉱の製造技術の開発が盛んに行われてきた。
例えば、鉄鉱石、副原料、固体燃料等の焼結原料を混合し造粒処理する従来の主造粒ラインとは別に、通常よりも造粒機能の高い設備を配置して比較的細かい原料を選択して造粒処理できる選択造粒ラインを設け、このラインで、難造粒性の鉄鉱石や粉状の副産物を造粒し、この造粒物を、主造粒ラインで造粒された造粒物と混ぜて焼結機に装入することにより、焼結機の通気性を向上させることが行われている(例えば、特許文献1、2参照)。
一方、微粉の鉄鉱石原料の一種であるマグネタイト系ペレットフィードを焼結原料として使用する技術の開発が要請されている。マグネタイト系ペレットフィードは、Feを主体とすることから、焼結時における酸化発熱反応(2Fe+(1/2)O→3Fe)により固体燃料の使用量を低減しうる原料であるが、そのほとんどが0.5mm以下の微粉で構成される。このため、焼結機において通気性を確保しつつ、上記酸化発熱反応を十分に活用して、焼結鉱の生産性および成品品質を悪化させることなくマグネタイト系ペレットフィードを使用する技術が求められている。しかしながら、これまで、上記選択造粒法においても、マグネタイト系ペレットフィードの使用については何ら検討がなされていなかった。
特開2009−52087号公報 特開2011−6722号公報
そこで本発明の目的は、焼結鉱の生産性および成品品質を悪化させることなく、微粉のマグネタイト系ペレットフィードを焼結原料として使用する技術を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、
化学分析によるFeO含有量が20質量%以上で、かつ、粒径0.5mm以下の粒子を94質量%以上含有するマグネタイト系ペレットフィード;を造粒してなり、焼結鉱を製造するために用いられる鉄鉱石ミニペレットであって、
粒径が1〜5mmであり、
当該ミニペレット1個を窒素雰囲気中で1300℃まで昇温した後、雰囲気を空気に切り替えて100℃/minの冷却速度で800℃まで冷却した時の到達酸化率が55%以上である
ことを特徴とする焼結鉱製造用鉄鉱石ミニペレットである。
本発明に係る焼結鉱製造用鉄鉱石ミニペレットを用いることで、焼結機における通気性を確保しつつ、Feの酸化発熱を十分に活用できるので、焼結鉱の生産性および成品品質を悪化させることなく、マグネタイト系ペレットフィードを焼結原料として使用できるようになった。
ミニペレットの粒径範囲と到達酸化率との関係を示すグラフ図である。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
上述したように、本発明に係る焼結鉱製造用鉄鉱石ミニペレットは、
「化学分析によるFeO含有量が20質量%以上で、かつ、粒径0.5mm以下の粒子を94質量%以上含有するマグネタイト系ペレットフィード;を造粒してなり、焼結鉱を製造するために用いられる鉄鉱石ミニペレットであって、
粒径が1〜5mmであり、
当該ミニペレット1個を窒素雰囲気中で1300℃まで昇温した後、雰囲気を空気に切り替えて100℃/minの冷却速度で800℃まで冷却した時の到達酸化率が55%以上である
ことを特徴とする」
ものである。
<化学分析によるFeO含有量が20質量%以上>
本発明に係る焼結鉱製造用鉄鉱石ミニペレットの原料としては、「化学分析によるFeO含有量が20質量%以上」のマグネタイト系ペレットフィードを対象とする。ここで、化学分析によるFeO含有量とは、滴定法により分析される2価鉄(Fe2+)の酸化物の量であり、マグネタイト(Fe=Fe+2O・Fe+3 )中のFeO部分の量を評価したものである。一般にFeO含有量が20質量%以上のものをマグネタイト鉱石(あるいは「マグネタイト系鉱石」ともいう。)と分類していることから、このように定義したものである。なお、マグネタイト系ペレットフィードのFeO含有量の上限は、純粋なFe中のFeO含有量が約31質量%(=FeO分子量/Fe分子量×100=71.85/231.55×100)であることから、脈石成分量を考慮すれば30質量%程度である。マグネタイト系ペレットフィードとしては、単一の鉱石銘柄を使用することはもちろん、複数の鉱石銘柄を配合したものを使用することもできる。
<粒径0.5mm以下の粒子を94質量%以上含有>
ペレットフィードの粒度分布はその鉱石銘柄によって若干の差異はあるが、製鉄原料として市場に流通しているペレットフィードの場合は、粒径0.5mm以下の割合が94〜100質量%であることから、このように定義した。ここで、ペレットフィードの粒径分布は、レーザー回折・散乱式粒度分析装置を用いて測定されるものである。
なお、焼結原料として一般的に使用されるシンターフィードの場合は、平均粒径で2〜3mm、粒径0.5mm以下の割合で約50%以下である。ここで、シンターフィードの粒径分布は、JIS Z 8801で規定される標準篩を用いて篩分け法により測定されるものである。
<マグネタイト系ペレットフィードを造粒>
本発明に係る焼結鉱製造用鉄鉱石ミニペレット(以下、単に「鉄鉱石ミニペレット」あるいは「ミニペレット」ともいう。)は、上記マグネタイト系ペレットフィードを造粒してミニペレット化したものである。より具体的には、上記マグネタイト系ペレットフィードに、副原料および固体燃料を添加することなく、適量の水分(鉱石銘柄や粒度分布により変動するが、6〜8質量%程度)を添加し、さらに必要により適量のバインダ(鉱石銘柄や粒度分布により変動するが、最大3質量%程度;バインダの種類としてはベントナイト、生石灰、消石灰など)を添加して、パン型ペレタイザやドラム型ペレタイザなどの造粒機で、回転速度や滞留時間などを調整して所定粒径範囲のミニペレットを作製することができる。
<焼結鉱を製造するために用いられる鉄鉱石ミニペレット>
上記のようにして造粒されたミニペレットは、焼結鉱を製造するために用いられる。より具体的には、上記ミニペレットを、例えば、上記マグネタイト系ペレットフィード以外の鉱石原料(シンターフィード、高炉ダスト、ミルスケール等)に返鉱、副原料、固体燃料を添加して別途ドラムミキサで混合造粒して作製した擬似粒子とともに、焼結機に装入して原料充填層を形成し、その層表面に着火した後、大気吸引することで、上記ミニペレット中においてマグネタイトの酸化発熱反応が進行するので、当該ミニペレット中に固体燃料が存在しなくても、焼結反応が進み、十分な強度を有する焼結鉱が製造できる。上記原料充填層中における上記ミニペレットの配合割合は、原料事情等に影響されるが、40質量%程度までは問題なく使用できる。
<粒径が1〜5mm>
上記ミニペレットは、その粒径を1〜5mmの範囲とする。上記ミニペレットの粒径が1mm未満では、焼結機に上記擬似粒子とともに装入されて形成される原料充填層の通気性が阻害され、焼結鉱の生産性が低下する。一方、上記ミニペレットの粒径が5mmを超えると、ミニペレットの中心部までマグネタイトの酸化が進行せず、未反応のFeOが残留するので、マグネタイトの酸化発熱量を十分に活用できず、焼結鉱の強度が低下する。ミニペレットの粒径は2〜4mmの範囲とすることがより好ましい。ここで、ミニペレットの粒径は、JIS Z 8801で規定される標準篩を用いて篩い分け法で測定されるものであり、「粒径が1〜5mm」とは、目開き1.0mmの標準篩と目開き5.0mmの標準篩の間に篩い分けられたものを対象とすることを意味する。
<当該ミニペレット1個を窒素雰囲気中で1300℃まで昇温した後、雰囲気を空気に切り替えて100℃/minの冷却速度で800℃まで冷却した時の到達酸化率が55%以上>
上記ミニペレットの粒径の限定理由のところで説明したように、マグネタイトの酸化発熱量を十分に活用することが要請されるが、そのためには、ミニペレット中のマグネタイトの酸化をできるだけ進める必要がある。
上述したように、焼結機に上記擬似粒子とともに装入されたミニペレットは原料充填層を形成するが、原料充填層内を流通する酸素含有ガスにより、ミニペレット中のマグネタイトの酸化反応(2Fe+(1/2)O→3Fe)が進行する。この酸化反応は、ミニペレット中の気孔内における酸素含有ガスの拡散過程と、ミニペレットを構成するマグネタイト系ペレットフィードの鉱石粒子表面における化学反応過程とが律速段階となる。このため、この酸化反応の速度は、上記ミニペレットの粒径だけでなく、ミニペレットの気孔率、さらにはミニペレットを構成する鉱石粒子(マグネタイト系ペレットフィード)の表面状態(表面の緻密度や凹凸の程度等)の影響をも受けることとなる。
したがって、原料充填層内におけるミニペレット中のマグネタイトの酸化のし易さを評価するには、上記特許文献2でバースティング防止のために規定するように単にミニペレットの粒径と気孔率を規定するだけでは精度が低く不十分である。
そこで、ミニペレットを構成する鉱石粒子の表面状態の影響をも加味して総合的に評価するため、原料充填層内におけるミニペレットの酸化挙動を模擬したラボ試験で予め測定した、マグネタイトの酸化の進行度合い(到達酸化率)を、ミニペレット中のマグネタイトの酸化のし易さを評価する指数として導入した。
上記ラボ試験としては、「ミニペレット1個を窒素雰囲気中で1300℃まで昇温した後、雰囲気を空気に切り替えて100℃/minの冷却速度で800℃まで冷却」する条件を採用した。上記ラボ試験の装置としては、例えば熱天秤を用いればよい。また、800℃未満の冷却は雰囲気を窒素に切り換えて行えばよい。試料として「ミニペレットを1個」だけ用いたのは、ミニペレットを複数個使用すると、その配置(充填)の仕方によってガス流れが変動しやすく、酸化の度合いに影響を与え、再現性が低下するためである。「1300℃までの昇温」としたのは、実際の原料充填層における代表的な最高到達温度が1300℃程度であることによる。また、「昇温を窒素雰囲気中で行う」こととしたのは、実際の原料充填層中における昇温速度は非常に大きいが、ラボ試験(熱天秤)でそのような昇温速度を再現することが困難であること、また、実際の原料充填層中における昇温時間は非常に短いため、その間での酸化の進行を無視しても差し支えないことによる。また、「冷却速度を100℃/min」としたのは、実際の原料充填層における代表的な冷却速度が100℃/min程度であることによる。また、「空気による冷却を800℃まで」としたのは、1300℃から800℃までの間に比べて800℃未満では酸化速度が大幅に低下するため酸化の進行を無視しても差し支えないことによる。
評価指数としての到達酸化率は、下記式(1)で定義される。
到達酸化率(%)={[冷却時800℃到達時点での試料の質量(mg)]−[昇温時1300℃到達時点での試料の質量(mg)]}/[試料中に初期に存在するマグネタイトを全量ヘマタイトまで完全に酸化したときの質量増加分(mg)]×100(%)・・・(1)
上記到達酸化率は、大きくなるほど酸化されやすいことを意味し好ましいが、上記ミニペレットを配合して製造された焼結鉱の強度の向上効果が得られる55%以上とすることが必要である(後記実施例参照)。
ここで、ミニペレットの到達酸化率は、例えば、ミニペレットを構成するマグネタイト系ペレットフィードの種類(銘柄)に応じて、ミニペレットの粒径を1〜5mmの範囲内で調整することや、ミニペレットの気孔率を調整することで制御できる。なお、ミニペレットの粒径は、例えば造粒機内におけるミニペレットの滞留時間を変化させることで、ミニペレットの気孔率は、例えば、マグネタイト系ペレットフィードの粒度分布や造粒機の回転速度を変化させることで、それぞれ調整することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することももちろん可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
マグネタイト系ペレットフィードとして、下記表1および表2に示す、化学組成および粒度分布を有するF鉱石を用いた。なお、下記表2において、例えば「粒径75.0μmで累積割合89.3質量%」とは、粒径75.0μm以下の粒子が89.3質量%存在することを意味する。
このF鉱石に適量の水分(6〜8質量%程度)を添加し、パン型ペレタイザ(内径1.0m)を用いて滞留時間(造粒時間)を順次変化させて造粒して得られた造粒物をさらに上記JIS標準篩で篩分けすることにより、粒径範囲がそれぞれ1〜3mm、3〜5mm、5〜8mm、8〜11mmの4種類のミニペレットを作製した。
〔ミニペレット単球酸化試験による到達酸化率の測定〕
これら粒径範囲が異なる4種類のミニペレットのそれぞれについて、ミニペレット1個(「ミニペレット単球」と呼ぶ。)をランダムに取り出し、このミニペレット単球を示差熱天秤装置にセットし、N雰囲気中で室温から1300℃まで昇温した後、雰囲気を空気に切り替えて100℃/minの冷却速度で1300℃から800℃まで冷却し、雰囲気を窒素に切り替えて室温まで冷却した。そして、このミニペレット単球酸化試験中の質量変化より、上記式(1)を用いて到達酸化率を算出した。なお、上記ミニペレット単球酸化試験は同一の粒径範囲のミニペレットについて各3回ずつ繰り返し、到達酸化率は各回のミニペレット単球酸化試験で得られた到達酸化率を算術平均して求めた。
図1に、上記ミニペレット単球酸化試験により求めた到達酸化率を、ミニペレットの粒径範囲との関係で示す。同図に示すように、ミニペレットの粒径が大きくなるほど到達酸化率が低下する傾向が見られ、本実施例では、粒径が1〜5mmの範囲のミニペレットを用いれば、到達酸化率55%以上が自動的に確保されることがわかる。
〔焼結鍋試験によるミニペレット配合効果の把握〕
次に、上記各ミニペレットを配合して焼結鉱を製造した場合の効果(影響)を把握するため、以下に説明する焼結鍋試験を実施した。
ミニペレット以外の鉄鉱石原料(シンターフィード)の化学組成および粒度分布を、下記表3および表4に示す。なお、下記表4において、例えば「A鉱石において粒径5mmで累積割合81.4質量%」とは、A鉱石では粒径5mm以下の粒子が81.4質量%存在することを意味する。
鉄鉱石原料として、上記A、B、CおよびM鉱石と、本出願人の加古川製鉄所の焼結工場で発生した、返鉱およびミルスケールを、副原料として、石灰石、生石灰、珪石およびドロマイトを、固体燃料としてコークス粉を、それぞれ用い、これらを下記表5に示す割合で配合し、所定量の造粒水分を添加して、ドラムミキサ(内径800mm)で混合造粒し、擬似粒子を作製した。そして、この擬似粒子と上記各ミニペレットを、下記表5に示す配合割合で焼結鍋試験装置に装入し、焼成試験(焼結鍋試験)を実施した。
なお、比較のため、試験No.1(ベース条件)では、マグネタイト系ペレットフィード(F鉱石)を造粒したミニペレットを配合することなく、シンターフィードとミルスケールのみを新原料とする上記擬似粒子だけを用いて焼成試験を行った。また、試験No.2では、マグネタイト系ペレットフィード(F鉱石)を、ミニペレット化することなく、そのまま上記鉄鉱石原料に配合して作製した擬似粒子を用いて焼成試験を行った。なお、コークス粉の配合量は、マグネタイト系ペレットフィードを使用しない試験No.1(ベース条件)では4.2質量%としたが、マグネタイト系ペレットフィードを使用する試験No.2〜6では、マグネタイトの酸化発熱を考慮し、3.5質量%とした。
焼成試験の試験条件は以下のとおりである。
・焼結鍋内径:300mm
・原料充填層厚さ:510mm、床敷厚さ:40mm
・吸引ガス:大気
・吸引圧力:着火時 9.8kPa(ゲージ圧)
焼成時15.7kPa(ゲージ圧)
・焼成完了時点:排ガス温度が最高値を示してから1分後
・焼成試験の回数:各試験条件ごとに2回
焼成試験の結果を表6に示す。
なお、同表において、「充填層通気性指数JPU(−)」は、冷間における焼結原料充填層の通気性を表す指標で、着火前のガス流量および吸引負圧のデータを用いて下記式(2)によって求められる値であり、この数値が高いほど通気性が良好であることを示している。そして、JPUが、試験No.1のベース条件の値以上の場合を合格とした。
JPU=F/A×(h/s)0.6・・・(2)
ただし、F:ガス流量(Nm/min)、A:吸引面積(m)、h:原料充填層厚さ(m)、s:吸引負圧(mHO[ゲージ圧])である。
また、「焼成時間」は、着火から上記焼成完了時点までの時間であり、
「FFS」(Flame Front Speed)は、原料充填層厚さ(mm)/焼成時間(min)で算出される値である。
また、「鍋歩留(質量%)」は、[成品焼結鉱(kg)]/[新原料+返鉱(kg)]×100(質量%)で算出される値である。なお、成品焼結鉱は、焼成後のシンターケーキ(塊)を2mの高さから鉄板上に5回落下させた後の粒径5mm以上のもの(ただし、床敷層は除く)とする。そして、鍋歩留が69.0質量%以上の場合を合格とした。
また、「生産率(t/(m・h))」は、単位断面積、単位時間当たりの成品焼結鉱の製造量であり、シンターケーキの全質量に鍋歩留を掛け、焼結鍋の断面積と焼成時間で割って算出される値である。そして、生産率が、試験No.1のベース条件の値以上の場合を合格とした。
また、「成品中3−10mm割合(質量%)」は、成品焼結鉱を3mm、10mm、25mm、50mmの篩で篩分けし、3〜10mmの質量割合を算出したものであり、この割合が増加すると、高炉で使用した際に高炉内の圧力損失が上昇して通気性が悪化するので、この数値が小さいほど焼結鉱の粒度分布が良好であることを示している。そして、成品中3−10mm割合が42質量%以下の場合を合格とした。
また、「成品回転強度ISO−TI(質量%)」は、ISO3271に準拠してタンブラー試験により測定された粒径6.3mm以上の質量割合で定義される値であり、この値が大きいほど強度に優れていることを示している。そして、ISO−TIは、85質量%以上を合格とした。
上記表5および表6に示すように、試験No.2、5および6(比較例)は、本発明の要件の少なくともいずれかを満たさず、鍋歩留、生産率、成品の粒度分布および強度の少なくともいずれかが合格基準に達していない。
これに対し、本発明の要件をすべて満たす試験No.3および4(発明例)は、充填層通気性が試験No.1のベース条件よりも向上しつつ、鍋歩留、生産率、成品の粒度分布および強度は、いずれも合格基準に達している。
以上より、本発明に係る焼結鉱製造用鉄鉱石ミニペレットを用いることで、焼結鉱の生産性および成品品質を悪化させることなく、微粉のマグネタイト系ペレットフィードを焼結原料として使用することができることが確認できた。

Claims (1)

  1. 化学分析によるFeO含有量が20質量%以上で、かつ、粒径0.5mm以下の粒子を94質量%以上含有するマグネタイト系ペレットフィード;を造粒してなり、焼結鉱を製造するために用いられる鉄鉱石ミニペレットであって、
    粒径が1〜5mmであり、
    当該ミニペレット1個を窒素雰囲気中で1300℃まで昇温した後、雰囲気を空気に切り替えて100℃/minの冷却速度で800℃まで冷却した時の到達酸化率が55%以上である
    ことを特徴とする焼結鉱製造用鉄鉱石ミニペレット。
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