JP2010242226A - 焼結原料の事前処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも多量の微粉を含む鉄鉱石の原料に対応可能で、造粒性及び強度を従来よりも向上させた造粒物を製造し、良好な品質を備えた焼結鉱を製造可能な焼結原料の事前処理方法を提供する。
【解決手段】それぞれ粗粒及び微粉を含む2種以上の鉄鉱石を原料とし、核粒子となる粗粒に微粉を付着させて造粒物Sを製造する第1の造粒装置12と、微粉を用いるペレットである造粒物Pを製造する第2の造粒装置18を備え、第2の造粒装置18に供給する鉄鉱石を、0.5〜10mmの範囲の篩目で篩分け、篩下の鉄鉱石を粉砕し整粒して造粒物Pの原料とし、篩上の鉄鉱石は、第2の造粒装置18に供給しない残余の鉄鉱石と共に第1の造粒装置12に供給し、粉砕して整粒した篩下の鉄鉱石は500μmアンダーが90mass%以上、かつ22μmアンダーが80mass%を超え、更に水分の存在下で造粒する。
【選択図】図1

Description

本発明は、焼結原料の事前処理方法に関する。
近年、焼結機において従来主流として使用されていた赤鉄鉱等の鉄鉱石の供給量が減少し、結晶水含有率が高い(3mass%以上)鉄鉱石の供給量が増加してきた。この結晶水含有率の高い鉄鉱石は、従来使用してきた鉄鉱石に比べて微粉が多いため、この鉄鉱石を事前処理することなく焼結機に装入した場合、焼結機の通気性を阻害し、品質が良好な焼結鉱を生産性良く製造できない。このため、焼結機に装入する前に鉄鉱石を造粒する必要性があるが、従来使用してきた鉄鉱石に比べて水とのぬれ性が悪く、造粒性が低いという欠点があるため、これを造粒する技術が必要となってきた。
そこで、例えば、特許文献1には、鉄鉱石と石灰石を250μm以下が80重量%以上となるように粉砕し、水の存在下で造粒物を製造する技術が開示されている。また、特許文献2には、粉鉱石の造粒物を2度の造粒を経て製造する技術が開示されている。
特開平4−80327号公報 特開昭53−123303号公報
しかしながら、前記従来の焼結原料の事前処理方法においては、未だ解決すべき以下のような問題があった。
特許文献1に開示された方法は、バインダーの役割を果たす石灰石を全て粉砕する手間が必要であり、また粉砕による製造コストの増大を招き経済的でなく、造粒物の生産性も非常に悪い。また、粉砕粒径250μm以下が80重量%以上とするだけで、これを用いて製造した造粒物、即ちP型造粒物の強度を目的とする強度まで高めることができず、例えば、造粒物を複数のベルトコンベアーを経由して搬送する場合、その乗り継ぎ時に造粒物が粉化する恐れがあった。
また、特許文献2に開示された方法は、造粒物の強度を向上できる可能性がある。しかし、例えば、核粒子となる粗粒に微粉を付着させた造粒物、即ちS型造粒物を製造する場合、微粉の付着厚さを制御できない。このため、付着厚みが厚ければ、造粒物内部にコークスが埋没し、目的とする品質を備える焼結鉱を製造することが困難になり、焼結鉱の歩留り低下を招き、焼結鉱の生産性が損なわれる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、従来よりも多量の微粉を含む鉄鉱石の原料に対応可能で、造粒性及び強度を従来よりも向上させた造粒物を製造し、良好な品質を備えた焼結鉱を製造可能な焼結原料の事前処理方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う請求項1記載の焼結原料の事前処理方法は、それぞれ篩目1mmオーバーの粗粒及び1mm以下の微粉を含む2種以上の鉄鉱石を原料とし、核粒子となる粗粒に微粉を付着させて造粒物Sを製造する第1の造粒装置と、微粉を用いるペレットである造粒物Pを製造する第2の造粒装置を備え、前記造粒物S及び前記造粒物Pを用いる焼結原料の事前処理方法であって、
前記第2の造粒装置に供給する前記鉄鉱石を、0.5〜10mm望ましくは0.5〜7mm(より望ましくは0.5〜2mm)の範囲の篩目で篩分け、篩下の鉄鉱石を粉砕し整粒して前記造粒物Pの原料とし、
篩上の鉄鉱石は、前記第2の造粒装置に供給しない残余の鉄鉱石と共に前記第1の造粒装置に供給し、
粉砕して整粒した前記篩下の鉄鉱石は500μmアンダーが90mass%以上、かつ22μmアンダーが80mass%を超え、更に水分の存在下で造粒する。
前記目的に沿う請求項2記載の焼結原料の事前処理方法は、それぞれ篩目1mmオーバーの粗粒及び1mm以下の微粉を含む2種以上の鉄鉱石を原料とし、核粒子となる粗粒に微粉を付着させて造粒物Sを製造する第1の造粒装置と、微粉を用いるペレットである造粒物Pを製造する第2の造粒装置を備え、前記造粒物S及び前記造粒物Pを用いる焼結原料の事前処理方法であって、
前記第2の造粒装置に供給する前記鉄鉱石を、0.5〜10mmの範囲の篩目で篩分け、篩下の鉄鉱石を粉砕し整粒して前記造粒物Pの原料とし、
篩上の鉄鉱石は、前記第2の造粒装置に供給しない残余の鉄鉱石と共に前記第1の造粒装置に供給し、
粉砕して整粒した前記篩下の鉄鉱石は500μmアンダーが80mass%以上、かつ22μmアンダーが70mass%を超え80mass%以下であって、更に水分の存在下で造粒した後に乾燥する。
前記目的に沿う請求項3記載の焼結原料の事前処理方法は、それぞれ篩目1mmオーバーの粗粒及び1mm以下の微粉を含む2種以上の鉄鉱石を原料とし、核粒子となる粗粒に微粉を付着させて造粒物Sを製造する第1の造粒装置と、微粉を用いるペレットである造粒物Pを製造する第2の造粒装置を備え、前記造粒物S及び前記造粒物Pを用いる焼結原料の事前処理方法であって、
前記第2の造粒装置に供給する前記鉄鉱石を、0.5〜10mmの範囲の篩目で篩分け、篩下の鉄鉱石を粉砕し整粒して前記造粒物Pの原料とし、
篩上の鉄鉱石は、前記第2の造粒装置に供給しない残余の鉄鉱石と共に前記第1の造粒装置に供給し、
粉砕して整粒した前記篩下の鉄鉱石は500μmアンダーが40mass%以上、かつ22μmアンダーが5mass%以上で70mass%以下であって、更に水分及び外分で0.01〜3mass%の有機質のバインダーの存在下で造粒した後に該造粒物を乾燥する。
焼結機での焼結鉱の生産性を向上させるには、焼結機の通気性の確保が必要である。
ここで、焼結機に装入される鉄鉱石中に、例えば1mm以下の微粉が混在する場合、焼結機の通気性が阻害される。なお、1mm以下の微粉の内、例えば250μm以下の微粉については、S型造粒物の核粒子への付着微粉となるため、焼結機の通気性阻害を回避できる。また、1mm以下の微粉の内、250μmを超え1mm以下の微粉については、S型造粒物の核粒子や付着微粉とならない中間粒子となるため、依然として焼結機の通気性阻害の原因となりうるが、従来の鉄鉱石ではこの中間粒子を多く含まず、焼結機での焼結鉱の生産性を悪化させる問題としては顕在化しにくかった。
しかし、近年供給量が増加している結晶水含有率が高い(3mass%以上)鉄鉱石においては、微粉が多く、焼結機での焼結鉱の生産性を悪化させる問題が顕在化する。
そこで、請求項1〜3記載の焼結原料の事前処理方法において、焼結鉱の生産性を向上させ、また中間粒子の増加抑制あるいは減少させることを目的に、篩目を0.5〜10mm(好ましくは下限を0.8mm、更に好ましくは1mm)の範囲とした。これにより、S型造粒物の微粉付着平均厚さの最適化によって焼結鉱の歩留りを向上させ、また中間粒子を粉砕しP型造粒物の原料に使用して焼結機の通気性を向上させた。なお、この篩分けは、焼結機に供給する全ての鉄鉱石に行う必要はなく、少なくとも1種以上の鉄鉱石種又は鉱石銘柄に適用すれば良い。
また、篩分け方法としては、従来公知の篩選別機等を使用して行うことが可能である。
そして、篩下の粉砕は、粒径を小さくする方法であれば何でも良く、例えば、対となるロールを僅少の隙間を有して隣接配置し、ロールの押し付け圧力で粉砕するロール式粉砕機を使用することが好ましい。この場合、ロールの押し付け圧力により、粉砕と同時に造粒の効果もある。
粉砕後の篩下鉄鉱石が所定の粒度分布にならない場合、例えば22μmアンダーが5mass%に満たない場合は、22μmアンダーの微粉を別途添加して整粒すればよい。該添加が不要な場合は、粉砕のみで整粒すればよい。
以上、請求項1〜3記載の焼結原料の事前処理方法においては、それぞれ粗粒及び微粉を含む鉄鉱石(鉄鉱石種ともいう)として、例えば、マラマンバ鉱石(産地銘柄:ウエストアンジェラス)、ピソライト鉱石(産地銘柄:ヤンディー、ローブリバー)、高燐ブロックマン鉱石等を使用できる。なお一般に産地銘柄が異なると、成分構成や粒度構成が変わるため、産地銘柄が異なる場合を本願では異なる鉄鉱石種としている。
また、第1、第2の造粒装置としては、例えば、ドラムミキサー、アイリッヒミキサー、ディスクペレタイザー、プロシャミキサー等を使用できる。
請求項4記載の焼結原料の事前処理方法は、請求項1〜3記載の焼結原料の事前処理方法において、前記造粒物Sの微粉付着平均厚さに応じて、前記篩目の大きさを変え、前記微粉付着平均厚さを目的所定範囲にする。
請求項4記載の焼結原料の事前処理方法において、微粉付着平均厚さの目的所定範囲とは50〜300μm、好ましくは50〜250μm、更に好ましくは50〜220μmの範囲である。
請求項5記載の焼結原料の事前処理方法は、請求項1〜3記載の焼結原料の事前処理方法において、前記篩目の大きさを変えて前記第2の造粒装置への前記篩下の鉄鉱石の供給量を変更する。これにより前記第2の造粒装置及び該第2の造粒装置前に備えられる事前処理装置のいずれか一方又は双方の製造能力に応じた生産ができる。
事前処理装置としては、例えば、篩選別機、粉砕機、撹拌装置等がある。
ここで、篩目の大きさを変えることで、第1、第2の造粒装置への鉄鉱石の供給量(例えば、鉄鉱石の供給割合)を制御できる。このとき、第1、第2の造粒装置へ供給する鉄鉱石の粒径調整も可能になる。
以上、請求項1〜3記載の焼結原料の事前処理方法において、P型造粒物は原料が微粉を用いるペレットなので、P型造粒物の強度(圧潰強度)を適正な値まで強くしておくことが必要である。例えば、造粒物の搬送には、複数のベルトコンベアが使用され、その乗り継ぎ部で造粒物が粉化し、これが焼結機に装入されて焼結機の通気性を阻害したり、また焼結機のパレット中で造粒物が崩壊して通気性を阻害する恐れがある。
このような状況は、S型造粒物よりもP型造粒物に顕著に見られるため、特にP型造粒物において対策を取る必要がある。
一般に、液体の存在下で微粒子を造粒する場合、造粒物の強度は、Rumpfの式より、液体の表面張力(大ほど強度大)と粒子径(小ほど強度大)に依存することが知られている。
本発明者等は、上記した公知事項に加え、鉄鉱石の粒子中に内蔵される極めて微細な粒子に新たに着目し、この極めて微細な粒子が造粒物の強度向上に有効に利用できることを新たに見出した。
近年、供給量が増加している結晶水含有率が高い(3mass%以上)鉄鉱石の50μm〜1mmの鉄鉱石粒子を調査したところ、22μmアンダーからサブミクロンクラスの粒径を持つ極めて微細な粒子を多く内蔵する場合がある鉄鉱石種があることがわかった。(例えばマラマンバ鉱石、高燐ブロックマン鉱石等)
このことから、内蔵した極めて微細な粒子を取り出すため上記した鉄鉱石を粉砕して整粒し、(a)500μmアンダーが40mass%以上かつ22μmアンダーが5mass%以上、(b)好ましくは500μmアンダーが80mass%以上、かつ22μmアンダーが70mass%を超える、(c)更に好ましくは500μmアンダーが90mass%以上、かつ22μmアンダーが80mass%を超える粒度分布とすることで、極めて微細な粒子を存在させ、水を介在させた造粒物の更なる強度向上を見込むことができる。
なお、前記した極めて微細な粒子による強度向上は、粒度が500μmアンダーが80mass%以上、かつ22μmアンダーが70mass%を超え80mass%以下であれば発現するが、更に小さい粒度であれば更なる強度向上が見込める。
そこで、請求項1記載の焼結原料の事前処理方法においては、鉄鉱石の粒度を500μmアンダーが90mass%以上、かつ22μmアンダーが80mass%を超えるようにして水分の存在下で造粒することで、目的とする強度を得ることができる。
また、請求項2記載の焼結原料の事前処理方法においては、鉄鉱石の粒度を500μmアンダーが80mass%以上、かつ22μmアンダーが70mass%を超え80mass%以下にしたことによる平均粒径の上昇を、水分の存在下で造粒した後に行う乾燥によって補い、更なる強度向上を図っている。
そして、請求項3記載の焼結原料の事前処理方法においては、鉄鉱石の粒度を500μmアンダーが40mass%以上かつ22μmアンダーが5mass%以上70mass%以下にしたことによる平均粒径の上昇を、水分及びバインダーを使用して補い、これを造粒した後、乾燥によって補うことで、更なる強度向上を図っている。
なお、バインダーは、造粒物の強度向上に寄与するが、従来の生石灰、石灰岩等の無機物系バインダーは、造粒物に混入させる必要があるので、粉砕する必要があるため、例えば、パルプ廃液、コーンスターチ等の水溶液やコロイドである有機質、固体架橋を促進する分散剤(分散剤を添加した水溶液やコロイドを含む)等をバインダーとして使用(前記した無機系バインダーとの併用を含む)すると、より好適である。
請求項6記載の焼結原料の事前処理方法は、請求項1〜5記載の焼結原料の事前処理方法において、前記粉砕には、ロール式粉砕機を使用する。
請求項7記載の焼結原料の事前処理方法は、請求項1〜6記載の焼結原料の事前処理方法において、前記造粒物Pの大きさは1〜10mmの範囲にある。
請求項7記載の焼結原料の事前処理方法において、P型造粒物の大きさが10mmを超える場合、焼結鉱の製造時に、P型造粒物の中央部まで焼結させることができず、焼結鉱の品質が低下する。一方、P型造粒物の大きさが1mm未満の場合、焼結機に装入したときに密に充填され、焼結機の通気性の向上が期待できない。
従って、P型造粒物の大きさの下限を1mm、好ましくは2mm、更に好ましくは3mm、上限を10mm、好ましくは9mm、更に好ましくは8mmの範囲に規定することで、焼結機内でのP型造粒物の焼結を、その内部まで適正に行い、良好な品質の焼結鉱を製造することが可能になる。
請求項8記載の焼結原料の事前処理方法は、請求項1〜7記載の焼結原料の事前処理方法において、前記2種類以上の鉄鉱石を含む前記原料には、更に粒径が250μm以下からなる含鉄原料が加えられている。請求項8記載の焼結原料の事前処理方法において、微粉のみからなる含鉄原料としては、例えば、粒径が100μm以下程度のダスト(混練ダスト、粉塵ダスト)、250μm以下程度のペレット原料(ペレットフィード:PF)等を使用できる。
請求項9記載の焼結原料の事前処理方法は、請求項1〜8記載の焼結原料の事前処理方法において、前記粗粒及び微粉を含む2種以上の鉄鉱石には、マラマンバ鉱石が含まれている。
請求項10記載の焼結原料の事前処理方法は、請求項1〜9記載の焼結原料の事前処理方法において、焼結機に装入する前記造粒物Pの配合量は、前記造粒物Sと前記造粒物Pの合計量の20〜30mass%である。
請求項1〜3及びこれに従属する請求項4〜10記載の焼結原料の事前処理方法は、篩分けを行った篩上の鉄鉱石により、S型造粒物の微粉付着平均厚さの最適化を図り、焼結鉱の歩留りを向上させることができる。また、篩分けを行った篩下の鉄鉱石を粉砕整粒し、P型造粒物の原料に使用することで、焼結機の通気性を向上させることができる。
請求項1記載の焼結原料の事前処理方法は、鉄鉱石の粒度を500μmアンダーが90mass%以上、かつ22μmアンダーが80mass%を超えるようにして水分の存在下で造粒することで、液体の表面張力及び粒子径によって、目的とする強度を備えた造粒物Pを製造できる。
請求項2記載の焼結原料の事前処理方法は、鉄鉱石の粒度を500μmアンダーが80mass%以上、かつ22μmアンダーが70mass%を超え80mass%以下となるようにしたことによる平均粒径の上昇を、水分の存在下で造粒した後に行う乾燥によって補い、更なる強度向上を図った造粒物Pを製造できる。
請求項3記載の焼結原料の事前処理方法は、鉄鉱石の粒度を500μmアンダーが40mass%以上、かつ22μmアンダーが5mass%以上70mass%以下となるようにしたことによる平均粒径の上昇を、水分及びバインダーを使用して補い、これを造粒した後、乾燥によって補うことで、更なる強度向上を図った造粒物Pを製造できる。
請求項4記載の焼結原料の事前処理方法は、造粒物Sの微粉付着平均厚さに応じて篩目の大きさを変えるので、例えば、使用する鉄鉱石の粒度分布の変化が生じた場合においても、焼結機の通気性を向上させることが可能な造粒物を容易に製造できる。
請求項5記載の焼結原料の事前処理方法は、篩目の大きさを変え、第2の造粒装置への篩下の鉄鉱石の供給量を変更するので、例えば、造粒物Pの第2の造粒装置及び事前処理装置の製造能力に応じた生産ができ、使用する鉄鉱石の粒度分布の変化が生じた場合においても、造粒物Pを安定して製造できる。
請求項7記載の焼結原料の事前処理方法は、造粒物Pの大きさを1〜10mmの範囲に規定するので、焼結機内での造粒物Pの焼結を、その内部まで適正に行い、良好な品質の焼結鉱を製造することが可能になり、従来よりも焼結鉱の歩留りを向上させることが可能になる。
請求項8記載の焼結原料の事前処理方法は、従来使用量が制約されがちな微粉、例えば、ダスト、ペレット原料等の鉄鉱石を、制約なしに使用することができる。
本発明の一実施の形態に係る焼結原料の事前処理方法の説明図である。 コークス燃焼指数に及ぼすS型造粒物の微粉付着厚さの影響を示す説明図である。 P型造粒物の崩壊抑制に要する圧潰強度を示す説明図である。 圧潰強度に及ぼすP型造粒物の製造条件の影響を示す説明図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る焼結原料の事前処理方法は、それぞれ粗粒及び微粉を含む3種の鉄鉱石、即ち、ピソライト鉱石、マラマンバ鉱石、及び高燐ブロックマン鉱石を原料とし、核粒子となる粗粒に微粉を付着させたS型造粒物(造粒物S)と、微粉を主体として造粒するP型造粒物(造粒物P)とを製造する方法である。なお、原料には、更に実質的に微粉のみからなる鉄鉱石、即ち、製鉄所内で発生する混練ダスト、ペレットフィード(鉱石種:MBR−PF)、及びその他の鉄鉱石が加えられている。以下、詳しく説明する。
マラマンバ鉱石、ピソライト鉱石、及び高燐ブロックマン鉱石は、共に褐鉄鉱(Fe23・nH2O)とも呼ばれ、結晶水含有率が3mass%以上となった鉄鉱石であり、例えば10mm程度(本実施の形態においては8mm程度)の粗粒から250μm以下の微粉まで有したものである。
このピソライト鉱石、粉コークス、その他の鉄鉱石、及び石灰石を使用してS型造粒物を製造し、マラマンバ鉱石、高燐ブロックマン鉱石、混練ダスト、及びペレットフィードを使用してP型造粒物を製造する。
まず、S型造粒物の製造方法について説明する。
図1に示すように、粗粒及び微粉を含むピソライト鉱石を篩選別機10により篩分けする。なお、本実施の形態においては、篩選別機10の篩目として3mmのものを使用したが、これに限定されるものではない。
篩分けされた篩上の鉄鉱石は粗粒であるため、処理することなくそのままの状態で核粒子として使用される。一方、篩下の鉄鉱石は、アイリッヒミキサー11に装入され、例えば石灰石等のバインダー等と共に混練されて造粒される。
上記した混練造粒物は、粉コークス、その他の鉄鉱石、及び石灰石と共にS型用ドラムミキサー(第1の造粒装置の一例)12に装入され、核粒子の周囲に、粉コークス、その他の鉄鉱石、及び石灰石中に含まれる微粉(例えば、250μm以下)を付着させる。これにより、核粒子の周囲に付着した微粉の平均厚さが、50〜300μmとなったS型造粒物を製造する。なお、S型造粒物の製造時においては、粉コークス、その他の鉄鉱石、及び石灰石中に含まれる粒径が250μmを超える粒子の一部が、S型造粒物と共にS型用ドラムミキサー12内から排出される。
ここで、S型造粒物の微粉付着平均厚さを、50〜300μmの範囲に規定した理由について、図2を参照しながら説明する。
図2の横軸である微粉付着平均厚さは、製造したS型造粒物を使用し、以下の手順で算出した。
(1)まず、対象原料を水洗などによって微粉や粗粒等の各粒子に完全に分離し、5mm、2mm、1mm、0.5mm、0.25mmの篩目の篩い順で篩下を篩分けていき、各粒度区間の重量比率を求めた(全体を100gとした場合の各粒度区間の重量g)。
(2)核粒子となる5mm以上、5mm未満2mm以上、及び2mm未満1mm以上の各区間の代表粒子径(それぞれ7.5mm、3.5mm、1.5mm)を決めて、全体を100gとした場合の各粒度区間重量比率から、前記代表粒径毎の核粒子の個数を計算した。その際、核粒子密度を4g/cm3とした。
(3)核粒子への付着粉となる0.25mm以下の微粉を上記の各核粒子区間毎に分配するに際し、上記の各核粒子区間の核粒子重量比率に比例させて、各核粒子区間に分配する微粉重量を決定した。
(4)(2)で算出した核粒子の各区間代表粒子径の粒子個数と、(3)で算出決定した分配する微粉重量から、各核粒子の付着厚さを計算した。その際、付着粉層の嵩密度を2g/cm3とした。
(5)そして各核粒子区間の付着粉厚さを、各粒度区間重量比率で加重平均し、微粉付着平均厚さとした。
図2の縦軸であるコークス燃焼指数は、S型造粒物を焼結させて得られる焼結鉱の歩留りに対応するものであり、コークス燃焼指数が高くなるに伴って、焼結鉱の歩留りも向上することを現している。
図2は、粒度分布を種々変更させた原料を造粒した後に鍋試験にて焼結させたテストにおいて、微粉付着厚さ(μm)とコークス燃焼指数の関係を示したものである。
図2に示すように、コークス燃焼指数は、微粉付着厚さが100μmになるまで厚さの増加に伴って上昇し、その後厚さの増加に伴って低下していく傾向が得られた。
以上のことに焼結鉱の歩留り悪化に影響を及ぼさないことを考慮して、微粉付着平均厚さを、50〜300μmに規定し、好ましくは上限を250μm、更に望ましくは220μmとするものである。
上記知見を元に、現状操業に使用されている微粉付着平均厚さが204μmのもの(現状)と、これより付着厚さが薄い88μmのもの、及び付着厚さが厚い327μmの3種類のS型造粒物を準備し、この各S型造粒物を、焼結機にそれぞれ装入し、焼結鉱歩留りへの影響を調査した。
なお、各S型造粒物は、鉄鉱石の原料量が一定の下で製造しているため、327μmのS型造粒物(粉砕のみ)は、不足する微粉量を鉄鉱石を粉砕して核粒子の周囲に付着させることで製造して焼結機に装入し、88μmのS型造粒物は、S型造粒物に使用されなかった残部の微粉を造粒して製造したP型造粒物(ペレット化)と共に焼結機に装入している。ここで、88μmのS型造粒物の調査結果は、S型造粒物のみの結果ではないが、P型造粒物の配合量は少なく(例えば、S型造粒物とP型造粒物の合計量の20〜30mass%程度)、しかも熱源となる粉コークスがP型造粒物中に含まれていないため、得られた結果はS型造粒物の結果に略対応できるものと考えられる。
上記前提の調査の結果、図2の鍋試験結果のコークス燃焼指数に沿う焼結鉱歩留りが得られた。
次に、P型造粒物の製造方法について説明する。
図1に示すように、それぞれ粗粒及び微粉を含むマラマンバ鉱石及び高燐ブロックマン鉱石を篩選別機13により篩分けする。なお、篩選別機13の篩目は、0.5〜10mmの範囲(本実施の形態では3mm)に設定されている。篩選別機13で篩分けされた篩下の鉄鉱石は、粉砕機15で粉砕され混練ダスト及びペレットフィード(MBR−PF)と共に混合機17に装入され混合される。なお、篩選別機13及び粉砕機15が、事前処理装置をそれぞれ構成する。
このとき、P型造粒物を製造するために使用した鉄鉱石の粉砕整粒した粒径分布に応じて、その後の処理が行われる。
P型造粒物の原料となる篩下鉄鉱石を粉砕し、500μmアンダーが90mass%以上、かつ22μmアンダーが80mass%を超えるように整粒した場合、P型用ドラムミキサー(第2の造粒装置の一例)18に装入され、水(例えば、外分で5〜15mass%)を使用して造粒された後、篩選別機19で篩分けされる。また、P型造粒物の原料となる篩下鉄鉱石を粉砕し、500μmアンダーが80mass%以上、かつ22μmアンダーが70mass%を超え80mass%以下となるように整粒した場合、P型用ドラムミキサー18に装入され、水(例えば、外分で5〜15mass%)を使用して造粒された後、篩選別機19で篩分けされ、更に乾燥機20で乾燥処理される。
そして、P型造粒物の原料となる篩下鉄鉱石を粉砕し、500μmアンダーが40mass%以上、かつ22μmアンダーが5mass%以上70mass%以下となるように整粒した場合、P型用ドラムミキサー18に装入され、例えば、パルプ廃液、コーンスターチ等の有機質のバインダー(例えば、外分で0.01〜3mass%とすることが好ましく、更には0.1〜3mass%とすることが好ましい)及び水(例えば、外分で5〜15mass%)を使用して造粒された後、篩選別機19で篩分けされ、更に乾燥機20で乾燥処理される。
なお、乾燥は、40℃以上250℃以下に設定された雰囲気中で、例えば20〜60分間程度行う。また、500μmアンダー、22μmアンダー等の微粉粒子のmass%の測定に際しては、レーザー回折散乱法の測定機器(日機装株式会社製 MICROTRAC FRA型、測定範囲:0.1〜700μm)を、用いた。
ここで、鉄鉱石の粉砕整粒した粒径分布に応じて、その後の処理をそれぞれ変えた理由について説明する。
P型造粒物(以下、ペレットともいう)の原料として微粉を用いる場合、P型造粒物の強度(圧潰強度)は低いため、この強度を適正な値まで高めることが必要である。このため、この必要な強度を、ベルトコンベア(図示しない)の乗り継ぎが5回(実機乗り継ぎ相当)以上でも問題ない程度の強度を備えることを考慮して規定すると、図3に示すように、直径10mmのP型造粒物1個あたり2kgf(2kgf/10mmφ・1個)以上の強度が必要であることが分かる。
そこで、この2kgf/10mmφ・1個以上を満足する処理方法を、図4を参照しながら説明する。なお、使用した原料は、マラマンバ鉱石を3mm以下を粉砕したもの、ペレットフィード、及び混練ダストである。
図4に示すように、(1)粉砕処理のみ、(2)粉砕処理及び乾燥処理、(3)粉砕処理、乾燥処理、及びバインダーの添加処理において、同じ平均粒度では(1)→(2)→(3)となるにつれて、ペレットの圧潰強度が上昇する傾向が得られた。なお、造粒に使用した水分量は外分で10mass%、バインダー(パルプ廃液)の添加量は外分で1mass%、そして、乾燥は、250℃で30分間行い、造粒物中に含まれる水分量を外分で5mass%まで低下させた。ここで、鉄鉱石に粉砕処理のみを施した場合、平均粒度が20μm以下(500μmアンダーが90mass%以上、かつ22μmアンダーが80mass%を超え)であれば、製造したペレットが2kgf/10mmφ・1個以上の条件を満足できる。
また、この造粒物に更に乾燥処理を施した場合、平均粒度を大きくし、100μm以下(500μmアンダーが80mass%以上、かつ22μmアンダーが70mass%を超え80mass%以下)としても、製造したペレットが2kgf/10mmφ・1個以上の条件を満足できる。
更に、バインダーが添加された造粒物に乾燥処理を施した場合、平均粒度を更に大きくし、700μm以下(500μmアンダーが40mass%以上、かつ22μmアンダーが5mass%以上70mass%以下)としても、製造したペレットが2kgf/10mmφ・1個以上の条件を満足できる。
以上のことから、粉砕粒径に応じて、前記した処理を施した。
P型用ドラムミキサー18で造粒された造粒物を篩分けする篩選別機19の篩目は、粒径が1〜10mmの範囲になった造粒物を篩分けできるように調整されている。なお、粒径が1mm未満の造粒物は、処理されることなく再度混合機17に装入され、また粒径が10mmを超える造粒物は、解砕機(図示しない)で解砕され再度混合機17に装入されて、粒度調整される。
これにより、粒径が1〜10mmの範囲に調整された造粒物は、前記したように、必要に応じて乾燥処理を行いP型造粒物になる。
なお、P型造粒物の製造に際し、マラマンバ鉱石及び高燐ブロックマン鉱石を、篩選別機13の0.5mm〜10mmの範囲に設定された篩目により篩分けて発生した篩上の鉄鉱石は、P型造粒物の原料には適さない。これは、前記したように、粉砕処理を施さなければ、製造されたP型造粒物の強度が確保しにくく、また篩下鉄鉱石と比べて相対的に大きな粉砕の負荷があり、操業に負荷がかかるためである。従って、篩上の鉄鉱石を、粉砕処理を施すことなく主としてS型造粒物の核粒子として使用する。
このように、マラマンバ鉱石及び高燐ブロックマン鉱石に含まれる微粉は、篩選別機13の篩目によって微粉配合量を調整、即ちS型用ドラムミキサー12に供給しないという状態に調整し、S型用ドラムミキサー12に極力供給しない残部、即ちほぼ全ての微粉を、P型用ドラムミキサー18の原料として使用する。
ここで、篩選別機13の篩目は、S型造粒物の微粉付着平均厚さに応じて、その大きさを変え、P型用ドラムミキサー18に供給する微粉を除いた鉄鉱石中の粗粒のS型用ドラムミキサー12への配合量を調整することで、微粉付着平均厚さを目的所定範囲である50〜300μmにできる。
例えば、使用する鉄鉱石の粒度分布の変化により、S型造粒物の微粉付着平均厚さが増加する場合、1mm以上の範囲で1mmに近い篩目を用い、S型用ドラムミキサー12に供給されるS型造粒物の核粒子量を増加させることで、微粉付着平均厚さの最適化を図ることができる。一方、例えば、使用する鉄鉱石の粒度分布の変化により、S型造粒物の微粉付着平均厚さが減少する場合、10mmに近い篩目を用い、S型用ドラムミキサー12に供給されるS型造粒物の核粒子量を減少させることで、微粉付着平均厚さの最適化を図ることができる。
また、篩選別機13の篩目は、P型用ドラムミキサー18及び事前処理装置のいずれか一方又は双方の製造能力に応じて、その大きさを変え、各装置への鉄鉱石の供給量を制御(変更)できる。
例えば、使用する鉄鉱石の粒度分布の変化により、P型造粒物を製造する各装置の製造能力に余裕がある場合は、10mmに近い篩目を用い、P型造粒物を製造する原料の供給量を増加させることができる。一方、例えば、使用する鉄鉱石の粒度分布の変化により、P型造粒物を製造する各装置の製造能力が不足する場合は、0.5mmに近い篩目を用い、P型造粒物を製造する原料の供給量を減少させることができる。このとき、篩下の鉄鉱石を一時的にストック(貯留)し、P型造粒物を製造する各装置の能力に余裕がある場合に、ストックした鉄鉱石の処理を実施する等の対策を、必要に応じて使用することも可能である。
また、篩選別機13の篩目の調整に際し、篩上の鉄鉱石中に含まれる核粒子になりにくい中間粒子(例えば、250μmを超え1mm以下)は、S型造粒物に付着することなくS型用ドラムミキサー12から排出される場合が多い。なお、この中間粒子は、粉砕処理を施すことで、P型造粒物の原料として使用することも、またS型造粒物の付着微粉として使用することも可能である。
以上の方法により製造したS型造粒物とP型造粒物とを、例えば、その合計量の70〜80mass%がS型造粒物になるように、混合することなく重ねながら焼結機21に装入して焼結鉱を製造する。
これにより、従来よりも多量の微粉を含む鉄鉱石の原料に対応可能で、造粒性及び強度を従来よりも向上させた造粒物を製造し、良好な品質を備えた焼結鉱を製造できる。
以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の焼結原料の事前処理方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、それぞれ粗粒及び微粉を含む3種の鉄鉱石として、ピソライト鉱石、マラマンバ鉱石、及び高燐ブロックマン鉱石を使用した場合について説明したが、それぞれ粗粒及び微粉を含む2種以上の鉄鉱石であればよく、例えば、ピソライト鉱石及びマラマンバ鉱石を使用することも、また、他の鉄鉱石、例えば、磁鉄鉱(Fe34)、赤鉄鉱(Fe23)等を使用することも可能である。なお、これらの鉄鉱石に、他の鉄源、例えば製鉄所内で発生する鉄源等を加えることで、原料を構成することも勿論可能である。
そして、前記実施の形態においては、P型造粒物の製造に際し、微粉の粉砕整粒後の粒径を500μmアンダーが90mass%以上、かつ22μmアンダーが80mass%超えとした場合、バインダーを添加することなく造粒し、乾燥処理を施すことなく焼結機に装入したが、必要に応じてバインダーの添加及び乾燥処理のいずれか一方又は双方の処理を施すことも可能である。また、微粉の粉砕整粒後の粒径を500μmアンダーが80mass%以上、かつ22μmアンダーが70mass%を超え80mass%以下とした場合、バインダーを添加することなく造粒し、乾燥処理を施して焼結機に装入したが、必要に応じてバインダーを添加することも可能である。
10:篩選別機、11:アイリッヒミキサー、12:S型用ドラムミキサー(第1の造粒装置)、13:篩選別機、15:粉砕機、17:混合機、18:P型用ドラムミキサー(第2の造粒装置)、19:篩選別機、20:乾燥機、21:焼結機

Claims (10)

  1. それぞれ篩目1mmオーバーの粗粒及び1mm以下の微粉を含む2種以上の鉄鉱石を原料とし、核粒子となる粗粒に微粉を付着させて造粒物Sを製造する第1の造粒装置と、微粉を用いるペレットである造粒物Pを製造する第2の造粒装置を備え、前記造粒物S及び前記造粒物Pを用いる焼結原料の事前処理方法であって、
    前記第2の造粒装置に供給する前記鉄鉱石を、0.5〜10mmの範囲の篩目で篩分け、篩下の鉄鉱石を粉砕し整粒して前記造粒物Pの原料とし、
    篩上の鉄鉱石は、前記第2の造粒装置に供給しない残余の鉄鉱石と共に前記第1の造粒装置に供給し、
    粉砕して整粒した前記篩下の鉄鉱石は500μmアンダーが90mass%以上、かつ22μmアンダーが80mass%を超え、更に水分の存在下で造粒することを特徴とする焼結原料の事前処理方法。
  2. それぞれ篩目1mmオーバーの粗粒及び1mm以下の微粉を含む2種以上の鉄鉱石を原料とし、核粒子となる粗粒に微粉を付着させて造粒物Sを製造する第1の造粒装置と、微粉を用いるペレットである造粒物Pを製造する第2の造粒装置を備え、前記造粒物S及び前記造粒物Pを用いる焼結原料の事前処理方法であって、
    前記第2の造粒装置に供給する前記鉄鉱石を、0.5〜10mmの範囲の篩目で篩分け、篩下の鉄鉱石を粉砕し整粒して前記造粒物Pの原料とし、
    篩上の鉄鉱石は、前記第2の造粒装置に供給しない残余の鉄鉱石と共に前記第1の造粒装置に供給し、
    粉砕して整粒した前記篩下の鉄鉱石は500μmアンダーが80mass%以上、かつ22μmアンダーが70mass%を超え80mass%以下であって、更に水分の存在下で造粒した後に乾燥することを特徴とする焼結原料の事前処理方法。
  3. それぞれ篩目1mmオーバーの粗粒及び1mm以下の微粉を含む2種以上の鉄鉱石を原料とし、核粒子となる粗粒に微粉を付着させて造粒物Sを製造する第1の造粒装置と、微粉を用いるペレットである造粒物Pを製造する第2の造粒装置を備え、前記造粒物S及び前記造粒物Pを用いる焼結原料の事前処理方法であって、
    前記第2の造粒装置に供給する前記鉄鉱石を、0.5〜10mmの範囲の篩目で篩分け、篩下の鉄鉱石を粉砕し整粒して前記造粒物Pの原料とし、
    篩上の鉄鉱石は、前記第2の造粒装置に供給しない残余の鉄鉱石と共に前記第1の造粒装置に供給し、
    粉砕して整粒した前記篩下の鉄鉱石は500μmアンダーが40mass%以上、かつ22μmアンダーが5mass%以上で70mass%以下であって、更に水分及び外分で0.01〜3mass%の有機質のバインダーの存在下で造粒した後に該造粒物を乾燥することを特徴とする焼結原料の事前処理方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の焼結原料の事前処理方法において、前記造粒物Sの微粉付着平均厚さに応じて、前記篩目の大きさを変え、前記微粉付着平均厚さを目的所定範囲にすることを特徴とする焼結原料の事前処理方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の焼結原料の事前処理方法において、前記篩目の大きさを変えて前記第2の造粒装置への前記篩下の鉄鉱石の供給量を変更することを特徴とする焼結原料の事前処理方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の焼結原料の事前処理方法において、前記粉砕には、ロール式粉砕機を使用することを特徴とする焼結原料の事前処理方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の焼結原料の事前処理方法において、前記造粒物Pの大きさは1〜10mmの範囲にあることを特徴とする焼結原料の事前処理方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の焼結原料の事前処理方法において、前記2種類以上の鉄鉱石を含む前記原料には、更に粒径が250μm以下からなる含鉄原料が加えられていることを特徴とする焼結原料の事前処理方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の焼結原料の事前処理方法において、前記粗粒及び微粉を含む2種以上の鉄鉱石には、マラマンバ鉱石が含まれていることを特徴とする焼結原料の事前処理方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の焼結原料の事前処理方法において、焼結機に装入する前記造粒物Pの配合量は、前記造粒物Sと前記造粒物Pの合計量の20〜30mass%であることを特徴とする焼結原料の事前処理方法。
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