JP2000087150A - 鉄鉱石ペレット製造方法 - Google Patents
鉄鉱石ペレット製造方法Info
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- JP2000087150A JP2000087150A JP10261476A JP26147698A JP2000087150A JP 2000087150 A JP2000087150 A JP 2000087150A JP 10261476 A JP10261476 A JP 10261476A JP 26147698 A JP26147698 A JP 26147698A JP 2000087150 A JP2000087150 A JP 2000087150A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高結晶水含有鉱石を使ってペレットを製造す
るにあたり、新たに離水加熱設備を追加設置することな
く既存のグレートキルン設備を用いて、製造方法を改善
することによりグレートキルンにおける操業を安定に維
持しかつ品質の安定した鉄鉱石ペレットを得る製造方法
を提供する。 【解決手段】 結晶水を多く含む鉄鉱石を粉砕、造粒し
続いて乾燥、離水、予熱の各処理を行った後、更に焼成
して焼成ペレットを製造する方法において、前記予熱処
理に際して、予熱ペレットが結晶水を含むことによって
低下する強度に応じて予熱室温度又は/及び予熱時間を
所定量増加して予熱処理する。
るにあたり、新たに離水加熱設備を追加設置することな
く既存のグレートキルン設備を用いて、製造方法を改善
することによりグレートキルンにおける操業を安定に維
持しかつ品質の安定した鉄鉱石ペレットを得る製造方法
を提供する。 【解決手段】 結晶水を多く含む鉄鉱石を粉砕、造粒し
続いて乾燥、離水、予熱の各処理を行った後、更に焼成
して焼成ペレットを製造する方法において、前記予熱処
理に際して、予熱ペレットが結晶水を含むことによって
低下する強度に応じて予熱室温度又は/及び予熱時間を
所定量増加して予熱処理する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペレットの製造方
法に関するもので、より詳しくは高結晶水含有鉄鉱石
(以下高結晶水鉄鉱石と称す)を含む配合原料から鉄鉱
石ペレットを製造する技術に関する。
法に関するもので、より詳しくは高結晶水含有鉄鉱石
(以下高結晶水鉄鉱石と称す)を含む配合原料から鉄鉱
石ペレットを製造する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄鉱石ペレットをグレートキルン方式で
製造する方法は造粒機で10〜15mm径の球状の生ペ
レットを製造しこれをトラベリンググレ−ト(以下グレ
ートと称す)に鉱層厚さ15cm前後となるよう装入し
て乾燥、離水、予熱操作を行い所定の予熱強度(例えば
ペレット1個当たり圧潰強度=20kg/P以上)に高
めた後、焼成ロータリキルンに装入して1250〜13
50℃の温度で焼成し、次いでクーラーに装入して冷却
して溶鉱炉で使用する鉄鉱石ペレットを得るものであ
る。
製造する方法は造粒機で10〜15mm径の球状の生ペ
レットを製造しこれをトラベリンググレ−ト(以下グレ
ートと称す)に鉱層厚さ15cm前後となるよう装入し
て乾燥、離水、予熱操作を行い所定の予熱強度(例えば
ペレット1個当たり圧潰強度=20kg/P以上)に高
めた後、焼成ロータリキルンに装入して1250〜13
50℃の温度で焼成し、次いでクーラーに装入して冷却
して溶鉱炉で使用する鉄鉱石ペレットを得るものであ
る。
【0003】上記グレートキルン方式で、ペレットを生
産性、品質に関し効率良く製造するためには、グレート
で十分熱処理した所定の圧潰強度の予熱ペレットを、焼
成用キルンに装入することが重要である。グレートでは
同一規模の設備であれば、鉄鉱石の種類などによって操
業条件が変わり、生産性、品質が変わる。例えば鉄鉱石
がマグネタイトであれば、700℃以上で酸化発熱する
ために、ヘマタイトに比べて処理時間が短くて済み、し
かも予熱強度は一般的に高い。通常グレ−トは、3ゾー
ンから成り乾燥、離水、予熱の各ゾーンで構成されてい
る。乾燥ゾーンではガス温度180〜250℃で生ペレ
ットの含有水分を除去し、離水ゾーンでは250〜40
0℃で結晶水分1〜3%を除去し、続く予熱ゾーンでは
1000℃前後で予熱し、これらのゾーンを経ることで
焼成ロータリキルンでの転動焼成にたえる圧潰強度を有
する予熱ペレットが製造されている。
産性、品質に関し効率良く製造するためには、グレート
で十分熱処理した所定の圧潰強度の予熱ペレットを、焼
成用キルンに装入することが重要である。グレートでは
同一規模の設備であれば、鉄鉱石の種類などによって操
業条件が変わり、生産性、品質が変わる。例えば鉄鉱石
がマグネタイトであれば、700℃以上で酸化発熱する
ために、ヘマタイトに比べて処理時間が短くて済み、し
かも予熱強度は一般的に高い。通常グレ−トは、3ゾー
ンから成り乾燥、離水、予熱の各ゾーンで構成されてい
る。乾燥ゾーンではガス温度180〜250℃で生ペレ
ットの含有水分を除去し、離水ゾーンでは250〜40
0℃で結晶水分1〜3%を除去し、続く予熱ゾーンでは
1000℃前後で予熱し、これらのゾーンを経ることで
焼成ロータリキルンでの転動焼成にたえる圧潰強度を有
する予熱ペレットが製造されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年の国内における鉄
鋼生産量が継続的に高水準を維持している事に伴い、資
源である鉄鉱床はより深部に掘削が移行しつつあるこ
と、あるいは、これまで使い難かった高結晶水鉄鉱石の
活用がなされるようになってきたことから、製鉄原料で
ある鉄鉱石に含有される結晶水は増加しつつある。
鋼生産量が継続的に高水準を維持している事に伴い、資
源である鉄鉱床はより深部に掘削が移行しつつあるこ
と、あるいは、これまで使い難かった高結晶水鉄鉱石の
活用がなされるようになってきたことから、製鉄原料で
ある鉄鉱石に含有される結晶水は増加しつつある。
【0005】このような原料を用いて上述のグレートキ
ルン方式でペレットを製造する場合、高結晶水鉄鉱石が
配合された生ペレットは、結晶水を除去するために多く
の熱量と温度(250℃以上)が必要であり、また結晶
水が抜けた所は空隙となり、所謂気孔率が大きくなり、
鉄鉱石粒同志の密着性が悪く結合しにくい状態であるの
で、予熱ペレット強度が低くなる。この低下により、焼
成ロータリキルンでの最終焼成に悪影響があり、焼成ペ
レットの気孔率が高くなることにより圧潰強度が低下
し、そして粉化が多いことにより製品歩留りが悪化し、
またキルンリングを発生するなどの問題が起きる。
ルン方式でペレットを製造する場合、高結晶水鉄鉱石が
配合された生ペレットは、結晶水を除去するために多く
の熱量と温度(250℃以上)が必要であり、また結晶
水が抜けた所は空隙となり、所謂気孔率が大きくなり、
鉄鉱石粒同志の密着性が悪く結合しにくい状態であるの
で、予熱ペレット強度が低くなる。この低下により、焼
成ロータリキルンでの最終焼成に悪影響があり、焼成ペ
レットの気孔率が高くなることにより圧潰強度が低下
し、そして粉化が多いことにより製品歩留りが悪化し、
またキルンリングを発生するなどの問題が起きる。
【0006】そこで、上記の問題を改善するため、本出
願人は先に、造粒前の原料鉄鉱石を粉砕する前に加熱し
て、結晶水を離水しておくペレットの製造方法を提案し
た(特開平4−99132号公報参照)。しかし、提案
のペレットの製造方法では、、乾燥、予熱、焼成工程で
の支障を少なくする効果はあるが、加熱離水設備を必要
とするなど新たな設備を要するため、設備コストが嵩む
問題が出た。
願人は先に、造粒前の原料鉄鉱石を粉砕する前に加熱し
て、結晶水を離水しておくペレットの製造方法を提案し
た(特開平4−99132号公報参照)。しかし、提案
のペレットの製造方法では、、乾燥、予熱、焼成工程で
の支障を少なくする効果はあるが、加熱離水設備を必要
とするなど新たな設備を要するため、設備コストが嵩む
問題が出た。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は高結晶水鉄鉱石
を使って鉄鉱石ペレットを製造するにあたり、新たに離
水加熱設備を追加設置することなく、既存のグレートキ
ルン設備を用いて、製造方法を改善することにより、グ
レートキルンにおける操業を安定に維持し、かつ、品質
の安定した鉄鉱石ペレットを得ることを目的としたもの
であり、その目的を達成するため、請求項1係る発明で
は、結晶水を多く含む鉄鉱石を粉砕、造粒し続いて乾
燥、離水、予熱の各処理を行った後、更に焼成して焼成
ペレットを製造する方法において、前記予熱処理に際し
て、予熱ペレットが結晶水を含むことによって低下する
強度に応じて予熱室温度又は/及び予熱時間を所定量増
加して予熱処理する鉄鉱石ペレットの製造方法とするも
のである。
を使って鉄鉱石ペレットを製造するにあたり、新たに離
水加熱設備を追加設置することなく、既存のグレートキ
ルン設備を用いて、製造方法を改善することにより、グ
レートキルンにおける操業を安定に維持し、かつ、品質
の安定した鉄鉱石ペレットを得ることを目的としたもの
であり、その目的を達成するため、請求項1係る発明で
は、結晶水を多く含む鉄鉱石を粉砕、造粒し続いて乾
燥、離水、予熱の各処理を行った後、更に焼成して焼成
ペレットを製造する方法において、前記予熱処理に際し
て、予熱ペレットが結晶水を含むことによって低下する
強度に応じて予熱室温度又は/及び予熱時間を所定量増
加して予熱処理する鉄鉱石ペレットの製造方法とするも
のである。
【0008】本発明者等が調査検討をしたところによれ
ば、一般に、生ペレット中に含まれる結晶水を除去する
場合、分解除去できる温度は200〜400℃の範囲
で、また多量の熱(1150kcal/kg水分程度)
を要すると言われており、既存のグレ−トの乾燥、離水
工程では、ペレット層の最上部の部分のみは結晶水が除
去されるが、大部分の結晶水は除去されずに予熱室に入
る。予熱室では、高温のガスによる加熱でペレットに残
留する結晶水は除去されるが、結晶水を除去する吸熱反
応によりペレットの温度が低下し、加えて結晶水の蒸発
除去により気孔率が増加する。そして、温度が低下する
ことで原料粒子間の接合力が不足し、また気孔率が増加
することで接合点数が減少し、この両現象により予熱ペ
レットの予熱強度が低下することが判明した。すなわ
ち、高結晶水鉄鉱石を配合した場合、予熱室では、高結
晶水鉄鉱石を配合した分、前記現象により予熱ペレット
の予熱強度が低下するものと考えられる。そこで、本発
明では、この予熱強度の低下を無くすために、所謂強度
補償のために、予熱強度の低下に応じて予熱室温度又は
/及び予熱時間を所定量増加して予熱処理することにし
たものである。なわち、本発明では、乾燥、離水操作で
十分除去し切れない高結晶水鉄鉱石を配合した生ペレッ
トの結晶水を予熱操作を変えることで完全に除去すると
ともに、その予熱操作で予熱室温度又は/及び予熱時間
を所定量増加したことで原料粒子間の接合力及び接合点
数を増し、これによって正常な強度を有する予熱ペレッ
トが製造できるとともに、グレートキルン方式による鉄
鉱石ペレットの操業とペレットの品質を安定して維持す
ることができることになる。
ば、一般に、生ペレット中に含まれる結晶水を除去する
場合、分解除去できる温度は200〜400℃の範囲
で、また多量の熱(1150kcal/kg水分程度)
を要すると言われており、既存のグレ−トの乾燥、離水
工程では、ペレット層の最上部の部分のみは結晶水が除
去されるが、大部分の結晶水は除去されずに予熱室に入
る。予熱室では、高温のガスによる加熱でペレットに残
留する結晶水は除去されるが、結晶水を除去する吸熱反
応によりペレットの温度が低下し、加えて結晶水の蒸発
除去により気孔率が増加する。そして、温度が低下する
ことで原料粒子間の接合力が不足し、また気孔率が増加
することで接合点数が減少し、この両現象により予熱ペ
レットの予熱強度が低下することが判明した。すなわ
ち、高結晶水鉄鉱石を配合した場合、予熱室では、高結
晶水鉄鉱石を配合した分、前記現象により予熱ペレット
の予熱強度が低下するものと考えられる。そこで、本発
明では、この予熱強度の低下を無くすために、所謂強度
補償のために、予熱強度の低下に応じて予熱室温度又は
/及び予熱時間を所定量増加して予熱処理することにし
たものである。なわち、本発明では、乾燥、離水操作で
十分除去し切れない高結晶水鉄鉱石を配合した生ペレッ
トの結晶水を予熱操作を変えることで完全に除去すると
ともに、その予熱操作で予熱室温度又は/及び予熱時間
を所定量増加したことで原料粒子間の接合力及び接合点
数を増し、これによって正常な強度を有する予熱ペレッ
トが製造できるとともに、グレートキルン方式による鉄
鉱石ペレットの操業とペレットの品質を安定して維持す
ることができることになる。
【0009】そして、請求項2に係る発明では、上記請
求項1における予熱室温度及び予熱時間を下記式に基い
て求め、その予熱室温度及び予熱時間に増加して予熱処
理する鉄鉱石ペレットの製造方法とするものである。 S=K(0.07√(Time)+1) 但し、K=2.972×1014exp(−42390/
Temp) S:予熱ペレットの補償強度(kg/P) Temp:予熱室温度(K) Time:予熱時間(分) 上記式より求めた予熱室温度又は/及び予熱時間で予熱
ペレットを処理することにより、高結晶水鉄鉱石を配合
した場合、標準の操業条件では予熱ペレットの予熱強度
は低下するが、これを正常な強度に補償することができ
る。
求項1における予熱室温度及び予熱時間を下記式に基い
て求め、その予熱室温度及び予熱時間に増加して予熱処
理する鉄鉱石ペレットの製造方法とするものである。 S=K(0.07√(Time)+1) 但し、K=2.972×1014exp(−42390/
Temp) S:予熱ペレットの補償強度(kg/P) Temp:予熱室温度(K) Time:予熱時間(分) 上記式より求めた予熱室温度又は/及び予熱時間で予熱
ペレットを処理することにより、高結晶水鉄鉱石を配合
した場合、標準の操業条件では予熱ペレットの予熱強度
は低下するが、これを正常な強度に補償することができ
る。
【0010】
【発明の実施の態様】高結晶水鉄鉱石の含有による予熱
ペレット強度の低下の影響と予熱室温度、予熱時間を延
長した場合の予熱強度の補償の効果を把握するために、
表1の原料鉄鉱石から表2の配合原料を調整し、気孔率
を27%に揃えた生ペレットを造粒し、110℃に18
0分保持して付着水分を除去し、乾燥ペレットとした。
この乾燥ペレットを60℃/分で昇温し所定の予熱温度
に達した後、所定時間経つまでその温度に保持して予熱
強度を調査した。この調査に用いた予熱試験装置を図1
に示す。この予熱試験装置は、SiC電気炉1に、上端
を開放した内径70mmの反応管2を入れ、その反応管2
の中に試料ペレット(乾燥ペレット)3を入れたかご4
を定速昇降できるように昇降装置5を設け、かご4の中
心部に均熱部の制御を行うための熱電対6を挿入して構
成した。そして、前記調査では、乾燥ペレット3が16
分で所定温度となるようにかご4を昇降させ、ヒ−トパ
タ−ンが一定となるように操作し、この時の均熱部の温
度を予熱温度とした。また、1回に約15個の乾燥ペレ
ット3を内径50mmのステンレスのかご4に2段に並べ
て予熱した後、電気炉1の上部までかご4を引き上げ、
十分冷却した後予熱ペレットの圧潰強度を測定した。こ
の予熱ペレットの圧潰強度の測定結果を表3に示す。な
お、予熱ペレットの圧潰強度はJIS M8717に基
づいて測定した。
ペレット強度の低下の影響と予熱室温度、予熱時間を延
長した場合の予熱強度の補償の効果を把握するために、
表1の原料鉄鉱石から表2の配合原料を調整し、気孔率
を27%に揃えた生ペレットを造粒し、110℃に18
0分保持して付着水分を除去し、乾燥ペレットとした。
この乾燥ペレットを60℃/分で昇温し所定の予熱温度
に達した後、所定時間経つまでその温度に保持して予熱
強度を調査した。この調査に用いた予熱試験装置を図1
に示す。この予熱試験装置は、SiC電気炉1に、上端
を開放した内径70mmの反応管2を入れ、その反応管2
の中に試料ペレット(乾燥ペレット)3を入れたかご4
を定速昇降できるように昇降装置5を設け、かご4の中
心部に均熱部の制御を行うための熱電対6を挿入して構
成した。そして、前記調査では、乾燥ペレット3が16
分で所定温度となるようにかご4を昇降させ、ヒ−トパ
タ−ンが一定となるように操作し、この時の均熱部の温
度を予熱温度とした。また、1回に約15個の乾燥ペレ
ット3を内径50mmのステンレスのかご4に2段に並べ
て予熱した後、電気炉1の上部までかご4を引き上げ、
十分冷却した後予熱ペレットの圧潰強度を測定した。こ
の予熱ペレットの圧潰強度の測定結果を表3に示す。な
お、予熱ペレットの圧潰強度はJIS M8717に基
づいて測定した。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】
【表3】
【0014】上記の調査を総括すると、高結晶水鉄鉱石
の配合比が増加する程、予熱ペレット強度は低下し、予
熱室温度と予熱時間の増加に伴い強度は上昇する。予熱
ペレット強度の増加に対する予熱室温度、予熱時間の影
響を示すと図2の如くなる。予熱強度と予熱時間の平方
根には比例関係があり、直線回帰で有意である。これは
予熱時間による粒子間接合力の増加のメカニズムが、J
anderの放物線法則に従うためと考えられる。一方
予熱温度や高結晶水鉄鉱石の配合比による強度との比例
関係は少なく、予熱時間0分の強度と予熱温度や高結晶
水鉄鉱石の配合比とに強い関係が見られる。予熱温度と
予熱時間からなる予熱条件と予熱強度の関係を、実験式
として整理すれば、予熱温度1000℃、予熱時間0分
の予熱ペレット強度からの補償強度Sは、高結晶水含有
鉄鉱石の配合比によらず、下式のように表すことができ
る。
の配合比が増加する程、予熱ペレット強度は低下し、予
熱室温度と予熱時間の増加に伴い強度は上昇する。予熱
ペレット強度の増加に対する予熱室温度、予熱時間の影
響を示すと図2の如くなる。予熱強度と予熱時間の平方
根には比例関係があり、直線回帰で有意である。これは
予熱時間による粒子間接合力の増加のメカニズムが、J
anderの放物線法則に従うためと考えられる。一方
予熱温度や高結晶水鉄鉱石の配合比による強度との比例
関係は少なく、予熱時間0分の強度と予熱温度や高結晶
水鉄鉱石の配合比とに強い関係が見られる。予熱温度と
予熱時間からなる予熱条件と予熱強度の関係を、実験式
として整理すれば、予熱温度1000℃、予熱時間0分
の予熱ペレット強度からの補償強度Sは、高結晶水含有
鉄鉱石の配合比によらず、下式のように表すことができ
る。
【0015】S=K(0.07√Time)+1) K=2.972×1014exp(−42390/Tem
p) S:予熱ペレットの補償強度(kg/P) Temp:予熱室温度(K) Time:予熱時間(分)
p) S:予熱ペレットの補償強度(kg/P) Temp:予熱室温度(K) Time:予熱時間(分)
【0016】また、高結晶水鉄鉱石の配合比による予熱
強度の変化を数式化すれば、予熱強度の変化値Sd(=
補償強度S)は下記式で表される。 Sd=75.8exp(−0.5CW) Sd;予熱強度変化値(kg/P) CW;ペレット原料中の結晶水配合比(%) 上記の2つの式を用いれば、高結晶水鉄鉱石を配合した
ときの予熱強度の低下と、必要な予熱強度を補償するた
めの、予熱温度および予熱時間を推測でき、焼成プロセ
スの改善の目標設定に利用できる。
強度の変化を数式化すれば、予熱強度の変化値Sd(=
補償強度S)は下記式で表される。 Sd=75.8exp(−0.5CW) Sd;予熱強度変化値(kg/P) CW;ペレット原料中の結晶水配合比(%) 上記の2つの式を用いれば、高結晶水鉄鉱石を配合した
ときの予熱強度の低下と、必要な予熱強度を補償するた
めの、予熱温度および予熱時間を推測でき、焼成プロセ
スの改善の目標設定に利用できる。
【0017】また、本発明の適用において、グレ−トの
操業条件を変更してペレットの平均予熱強度を制御する
場合、層高さ方向の温度分布を考慮する必要がある。層
内温度分布は、予熱空気とペレットの伝熱のみならず、
結晶水やマグネタイトや石灰石、ドロマイトなどの反応
熱が関与し、複雑な影響を受ける。具体例として図3に
ポットグレ−ト試験装置におけるペレット層の上面から
60mm、120mm、180mmの温度変化を示す。
予熱室ガスとペレット層は上部から熱交換するため、下
部のペレットほど昇温が遅れる。層内最高温度は、反応
熱のため予熱室温度より若干ずれるが、反応が終われば
予熱温度になる。このように実機グレ−トのヒ−トパタ
−ンは、層高さ方向で予熱時間が異なり、ペレットに強
度の分布が生じると考えられる。実機のヒ−トパタ−ン
を強度予測式に代入するため図4のような近似を考え
る。予熱温度に対して、予熱時間tは、グレ−トの予熱
室滞留時間tpから予熱室温度まで昇温に必要な時間t
hを引いたものとなる。 t=tp−th 昇温時間thは、単純な伝熱によるとすれば、温度Tと
高さXとの微分方程式に従う。 ∂T/∂t=a・∂2 T/∂X2 ただし、aは総括伝熱係数である。 初期条件:t<0 X>0で、T=to(離水室温度) 境界条件:t>0 X=0で、T=tp(予熱室温度) 境界条件:t>0 X=∞で、T=30℃(外気温) ここで、近似式としてペレット層の上面からXmmの地
点の予熱室温度までの昇温時間thを次の式でしめす。 th=(予熱室温度tp−離水室温度to)/平均加熱
速度=(tp−to)/(3670・X-0.7−7.9) 結果として予熱時間tはt=tp−th=tp−(tp
−to)/(3670・X-0.7−7.9) この予熱温度と予熱時間を強度予測式に代入して、平均
予熱強度が推定できる。
操業条件を変更してペレットの平均予熱強度を制御する
場合、層高さ方向の温度分布を考慮する必要がある。層
内温度分布は、予熱空気とペレットの伝熱のみならず、
結晶水やマグネタイトや石灰石、ドロマイトなどの反応
熱が関与し、複雑な影響を受ける。具体例として図3に
ポットグレ−ト試験装置におけるペレット層の上面から
60mm、120mm、180mmの温度変化を示す。
予熱室ガスとペレット層は上部から熱交換するため、下
部のペレットほど昇温が遅れる。層内最高温度は、反応
熱のため予熱室温度より若干ずれるが、反応が終われば
予熱温度になる。このように実機グレ−トのヒ−トパタ
−ンは、層高さ方向で予熱時間が異なり、ペレットに強
度の分布が生じると考えられる。実機のヒ−トパタ−ン
を強度予測式に代入するため図4のような近似を考え
る。予熱温度に対して、予熱時間tは、グレ−トの予熱
室滞留時間tpから予熱室温度まで昇温に必要な時間t
hを引いたものとなる。 t=tp−th 昇温時間thは、単純な伝熱によるとすれば、温度Tと
高さXとの微分方程式に従う。 ∂T/∂t=a・∂2 T/∂X2 ただし、aは総括伝熱係数である。 初期条件:t<0 X>0で、T=to(離水室温度) 境界条件:t>0 X=0で、T=tp(予熱室温度) 境界条件:t>0 X=∞で、T=30℃(外気温) ここで、近似式としてペレット層の上面からXmmの地
点の予熱室温度までの昇温時間thを次の式でしめす。 th=(予熱室温度tp−離水室温度to)/平均加熱
速度=(tp−to)/(3670・X-0.7−7.9) 結果として予熱時間tはt=tp−th=tp−(tp
−to)/(3670・X-0.7−7.9) この予熱温度と予熱時間を強度予測式に代入して、平均
予熱強度が推定できる。
【0018】従い、ペレット予熱室の充填層には、高さ
方向に温度分布がついており、かつ1000℃以上の予
熱時間にも分布がある。この分布を用いて高結晶水含有
鉄鉱石配合による強度低下推定式から必要強度を維持す
るための充填層の位置毎の上限配合率を求める。充填層
の高さ方向に温度分布に応じた高結晶水含有鉄鉱石の配
合率の異なるペレットを偏折装入して、層内の各部分の
予熱強度の差異を少なくすることが可能である。
方向に温度分布がついており、かつ1000℃以上の予
熱時間にも分布がある。この分布を用いて高結晶水含有
鉄鉱石配合による強度低下推定式から必要強度を維持す
るための充填層の位置毎の上限配合率を求める。充填層
の高さ方向に温度分布に応じた高結晶水含有鉄鉱石の配
合率の異なるペレットを偏折装入して、層内の各部分の
予熱強度の差異を少なくすることが可能である。
【0019】
【実施例】〔実施例1〕ペレット原料配合鉄鉱石に高結
晶水鉄鉱石を20%配合して生産性が一定の条件で操業
したところ平均予熱ペレット強度が5kg/P低下し
た。この強度低下を補償するため前述の式に従い予熱室
温度を1000℃から43℃上昇して1043℃で操業
したところ予熱強度が回復できた。また予熱時間の延長
で対応するために前述の式に従い予熱時間を10分から
13.8分に延長して同じように予熱強度が回復でき
た。以上の実施例に基きこの式の有効性が確認できた。
晶水鉄鉱石を20%配合して生産性が一定の条件で操業
したところ平均予熱ペレット強度が5kg/P低下し
た。この強度低下を補償するため前述の式に従い予熱室
温度を1000℃から43℃上昇して1043℃で操業
したところ予熱強度が回復できた。また予熱時間の延長
で対応するために前述の式に従い予熱時間を10分から
13.8分に延長して同じように予熱強度が回復でき
た。以上の実施例に基きこの式の有効性が確認できた。
【0020】〔実施例2〕図5に示すように、生ペレッ
トをグレ−ト7上に積み付けるときに2段装入し、最高
1000℃までしか加熱されない最下層の15mmまで
は、高結晶水鉄鉱石の配合率5%以下のペレット8を別
造粒して供給し、15mm以上の上層部には高結晶水鉄鉱
石の配合率20%のペレット9を供給して、乾燥、離
水、予熱処理を行った。結果、ペレット8とペレット9
は共に強度変動の少ない予熱ペレットに製造できた。
トをグレ−ト7上に積み付けるときに2段装入し、最高
1000℃までしか加熱されない最下層の15mmまで
は、高結晶水鉄鉱石の配合率5%以下のペレット8を別
造粒して供給し、15mm以上の上層部には高結晶水鉄鉱
石の配合率20%のペレット9を供給して、乾燥、離
水、予熱処理を行った。結果、ペレット8とペレット9
は共に強度変動の少ない予熱ペレットに製造できた。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る鉄鉱
石ペレット製造方法によれば、高結晶水鉄鉱石の配合が
ペレット原料で増加する傾向が続く中で、結晶水を蒸発
させるための乾燥設備を必要とせず、従って設備コスト
の増加を伴うことなく、グレ−トの予熱工程の予熱室温
度または予熱時間あるいは両方を組み合わせた操業の操
作で以て正常な強度を有する予熱ペレットが製造できる
とともに、グレートキルン方式による鉄鉱石ペレットの
操業とペレットの品質を安定して維持することができる
などの効果をもたらす。
石ペレット製造方法によれば、高結晶水鉄鉱石の配合が
ペレット原料で増加する傾向が続く中で、結晶水を蒸発
させるための乾燥設備を必要とせず、従って設備コスト
の増加を伴うことなく、グレ−トの予熱工程の予熱室温
度または予熱時間あるいは両方を組み合わせた操業の操
作で以て正常な強度を有する予熱ペレットが製造できる
とともに、グレートキルン方式による鉄鉱石ペレットの
操業とペレットの品質を安定して維持することができる
などの効果をもたらす。
【図1】本発明の鉄鉱石ペレット製造方法に適用した予
熱試験装置の概要図である。
熱試験装置の概要図である。
【図2】予熱室温度、予熱時間と圧潰強度の関係を示す
グラフ図である。
グラフ図である。
【図3】ポットグレート炉におけるペレット層の温度変
化のグラフ図である。
化のグラフ図である。
【図4】グレ−トの予熱室内におけるペレットの昇温パ
ターンのグラフ図である。
ターンのグラフ図である。
【図5】本発明に係る生ペレットのグレ−ト上への2段
装入の説明図である。
装入の説明図である。
1:SiC電気炉 2:反応管
3:乾燥ペレット 4:かご 5:昇降装置
6:熱電対 7:グレ−ト 8:高結晶水鉄鉱石の配合率
5%以下のペレット 9:高結晶水鉄鉱石の配合率20%のペレット
3:乾燥ペレット 4:かご 5:昇降装置
6:熱電対 7:グレ−ト 8:高結晶水鉄鉱石の配合率
5%以下のペレット 9:高結晶水鉄鉱石の配合率20%のペレット
Claims (2)
- 【請求項1】 結晶水を多く含む鉄鉱石を粉砕、造粒し
続いて乾燥、離水、予熱の各処理を行った後、更に焼成
して焼成ペレットを製造する方法において、前記予熱処
理に際して、予熱ペレットが結晶水を含むことによって
低下する強度に応じて予熱室温度又は/及び予熱時間を
所定量増加して予熱処理することを特徴とする鉄鉱石ペ
レットの製造方法。 - 【請求項2】 予熱室温度及び予熱時間を下記式に基い
て求め、その予熱室温度及び予熱時間で予熱処理する請
求項1に記載の鉄鉱石ペレットの製造方法。 S=K(0.07√(Time)+1) 但し、K=2.972×1014exp(−42390/
Temp) S:予熱ペレットの補償強度(kg/P) Temp:予熱室温度(K) Time:予熱時間(分)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10261476A JP2000087150A (ja) | 1998-09-16 | 1998-09-16 | 鉄鉱石ペレット製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10261476A JP2000087150A (ja) | 1998-09-16 | 1998-09-16 | 鉄鉱石ペレット製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000087150A true JP2000087150A (ja) | 2000-03-28 |
Family
ID=17362443
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10261476A Pending JP2000087150A (ja) | 1998-09-16 | 1998-09-16 | 鉄鉱石ペレット製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000087150A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006312786A (ja) * | 2004-05-13 | 2006-11-16 | Nippon Steel Corp | 焼結原料の事前処理方法 |
JP2007077512A (ja) * | 2004-05-13 | 2007-03-29 | Nippon Steel Corp | 焼結原料の事前処理方法 |
JP2010163656A (ja) * | 2009-01-15 | 2010-07-29 | Kobe Steel Ltd | 鉄鉱石ペレットの製造方法 |
JP2010242226A (ja) * | 2004-05-13 | 2010-10-28 | Nippon Steel Corp | 焼結原料の事前処理方法 |
JP2017072327A (ja) * | 2015-10-08 | 2017-04-13 | 株式会社神戸製鋼所 | ロータリーキルンの設計方法 |
-
1998
- 1998-09-16 JP JP10261476A patent/JP2000087150A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2010242226A (ja) * | 2004-05-13 | 2010-10-28 | Nippon Steel Corp | 焼結原料の事前処理方法 |
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JP2017072327A (ja) * | 2015-10-08 | 2017-04-13 | 株式会社神戸製鋼所 | ロータリーキルンの設計方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040203 |