JP6687145B1 - 造粒物の粒度予測方法 - Google Patents

造粒物の粒度予測方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6687145B1
JP6687145B1 JP2019071621A JP2019071621A JP6687145B1 JP 6687145 B1 JP6687145 B1 JP 6687145B1 JP 2019071621 A JP2019071621 A JP 2019071621A JP 2019071621 A JP2019071621 A JP 2019071621A JP 6687145 B1 JP6687145 B1 JP 6687145B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particle size
particles
size distribution
particle
calculation step
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019071621A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020169902A (ja
Inventor
寿幸 廣澤
寿幸 廣澤
健太 竹原
健太 竹原
隆英 樋口
隆英 樋口
山本 哲也
哲也 山本
綿野 哲
哲 綿野
英也 仲村
英也 仲村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2019071621A priority Critical patent/JP6687145B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6687145B1 publication Critical patent/JP6687145B1/ja
Publication of JP2020169902A publication Critical patent/JP2020169902A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Glanulating (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

【課題】造粒工程における造粒物の粒度を精度良く予測することができる造粒物の粒度予測方法を提供する。【解決手段】造粒物の粒度予測方法は、初期条件の粒子の粒度分布に基づいて、離散要素法を用いて粒子同士の衝突回数を算出する第一の粒子運動算出ステップと、第一の粒子運動算出ステップで算出した粒子同士の衝突回数に基づいて、ポピュレーションバランスモデルを用いて粒子の粒度分布を算出する第一の粒度分布算出ステップと、第一の粒度分布算出ステップで算出した粒子の粒度分布に基づいて、離散要素法を用いて粒子同士の衝突回数を算出する第二の粒子運動算出ステップと、第二の粒子運動算出ステップで算出した粒子同士の衝突回数に基づいて、ポピュレーションバランスモデルを用いて粒子の粒度分布を算出する第二の粒度分布算出ステップとを含み、第二の粒子運動算出ステップおよび第二の粒度分布算出ステップを、一回以上繰り返す。【選択図】図1

Description

本発明は、粉状物質に水分を添加して混合造粒する造粒工程における造粒物の粒度予測方法に関する。
粉状物質に水分を添加して混合造粒する造粒工程では、粉状物質の凝集および分離が同時に発生する。また、粉状物質の粒度(粒径)が広い範囲に分布している場合、粒度によって異なる凝集挙動および分離挙動を示す。そのため、従来から、造粒工程で生成される造粒物の粒度を精度良く予測することは困難であった。
粉状物質を混合造粒する造粒工程としては、例えばドワイドロイド式(以下、「DL式」という)焼結機等で用いられる焼結原料の造粒工程が挙げられる。焼結鉱は、複数の粉状鉄鉱石を混合し、この混合物に対して、石灰石、珪石、蛇紋岩等の副原料と、ダスト、スケール、返鉱等の雑原料と、粉コークス等の固形燃料と、を適量ずつ配合することにより焼結原料(焼結配合原料)を作成した後、この焼結原料に対して水分を添加して混合造粒し、得られた造粒原料(造粒物)を焼結機に装入して焼成することにより製造される。
上記の造粒工程において、焼結原料は、水分を含むことにより付着力が発生し、互いに凝集して擬似粒子を構成する。この擬似粒子化した造粒原料を焼結機に装入し、当該焼結機上で良好な通気を確保して粉コークスに酸素を供給することにより、造粒原料の焼結を円滑に進めることができる。
ここで、焼結鉱の生産量を確保するためには、「焼結機における通気性の確保」と、「焼結鉱の歩留の改善」と、が必要となる。焼結機における通気性は、燃料速度に関係しており、通気性が高いと、一般的に燃焼速度も大きくなり、焼成速度が向上する。その結果、焼結機において、単位時間当たりの焼結鉱の製造量を増加させることが可能となる。また、焼結鉱の歩留は、焼結鉱を焼成してから高炉に送られるまでの焼結鉱の製品歩留のことを示している。そのため、焼結機上での未燃によって焼成しなかった返鉱や、高炉までの搬送過程において、スクリーン等によって除去された篩下粉の発生により、歩留が低下する。
また、DL式焼結機を用いた焼結鉱の製造においては、擬似粒子化の状況が焼成時における充填層の通気性に影響し、焼結鉱の生産性を大きく左右する。従来は、通気度(JPU)という指標を用いて操業中の通気性を監視している。このJPUの値は、排ガス風量が大きいほど、排ガス吸引圧が大きいほど、あるいは原料層厚が低いほど、高くなる。
また、上記の造粒工程では、焼結原料に対して添加される水分が、焼結原料中の微粉を粗粒に付着させるバインダーとしての主要な役割を担っている。そのため、擬似粒子化を適正に行なうためには、この水分量を適正に制御することが極めて重要である。その際、擬似粒子の粒度や強度が重要な指標となるため、水分量を制御する場合は前記したJPUの値を監視する。また、焼結機による焼結操業では、前記したJPUの値を監視する他、風箱下温度を監視して、排鉱部近傍に到達するパレットの火落ち状況を監視したり、あるいはBTP(Burn Through Point)と呼ばれる指標等によりパレット速度を調整したりする。
Noboru SAKAMOTO,「Iron Ore Granulation Model Supposing the Granulation Probability Estimated from Both Properties of the Ores and Their Size Distributions」, ISIJ International, Vol.42(2002), No.8, pp.834-843 Junya KANO, et al.,「Numerical Simulation Model for Granulation Kinetics of Iron Ores」, ISIJ International, Vol.45(2005), No.4, pp.500-505
造粒工程における造粒物の粒度分布(粒径分布)は、「ポピュレーションバランスモデル(Population Balance Model、以下「PBM」という)」を用いて予測することが可能である。ここで、PBMとは、衝突した粒子同士がある確率で合一または分解して、粒子の個数と粒子の重量が変化する挙動を、全体の重量が一定の条件で解くものであり、粒度分布の経時変化を予測することができる。その一例が非特許文献1に記載されている。しかしながら、このPBMで用いる初期の粒度分布や衝突頻度などのパラメータは、個々の造粒条件固有となってしまい、種々の運転条件の変更や装置を変更した場合の再現が難しいという問題がある。
また、近年の計算機の進化により、例えば非特許文献2に記載されているような、造粒機内の粒子運動をとらえることができる「DEM(Discrete Element Method)」と呼ばれる手法を用いたアプローチもなされている。このDEMでは、造粒工程における全ての粒子の粒子運動について、並進運動は粒子間の接触力、粒子と領域境界との接触力および重力に基づいて、回転運動は粒子間の接触力に基づいて、逐次計算することが可能である。しかしながら、このDEMでは、造粒機内の粒子運動を捉えることはできるものの、粒子の造粒による粒子成長を再現することが困難である。例えば、DEMにおいて、粒子がある確率で凝集(合体)するという条件を考慮した場合、凝集のみを繰り返して超巨大粒子ができてしまうといった、実態と異なる結果が算出される。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、造粒工程における造粒物の粒度を精度良く予測することができる造粒物の粒度予測方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る造粒物の粒度予測方法は、粉状物質に水分を添加して混合造粒する造粒工程における造粒物の粒度予測方法であって、初期条件として与えられた粒子の粒度分布に基づいて、離散要素法を用いて、造粒工程における粒子同士の衝突回数を算出する第一の粒子運動算出ステップと、前記第一の粒子運動算出ステップで算出した粒子同士の衝突回数に基づいて、ポピュレーションバランスモデルを用いて、造粒工程における粒子の粒度分布を算出する第一の粒度分布算出ステップと、前記第一の粒度分布算出ステップで算出した粒子の粒度分布に基づいて、前記離散要素法を用いて、造粒工程における粒子同士の衝突回数を算出する第二の粒子運動算出ステップと、前記第二の粒子運動算出ステップで算出した粒子同士の衝突回数に基づいて、前記ポピュレーションバランスモデルを用いて、造粒工程における粒子の粒度分布を算出する第二の粒度分布算出ステップと、を含み、前記第二の粒子運動算出ステップおよび前記第二の粒度分布算出ステップを、一回以上繰り返すことを特徴とする。
また、本発明に係る造粒物の粒度予測方法は、上記発明において、前記第一および第二の粒子運動算出ステップは、造粒機の容器内における粒子を真球と仮定し、粘弾性モデルを用いて時間積分することにより粒子の動きを算出し、前記造粒機の容器の回転に伴う粒子同士の衝突回数を算出することを特徴とする。
また、本発明に係る造粒物の粒度予測方法は、上記発明において、前記第一および第二の粒度分布算出ステップは、少なくとも二つ以上の粒度区分に存在する粒子割合について、総重量を一定として、区分ごとに加算または減算を繰り返すことにより、前記粒子の粒度分布を算出することを特徴とする。
また、本発明に係る造粒物の粒度予測方法は、上記発明において、前記粉状物質は、鉄鉱石、副原料、雑原料および固体燃料を含有する粉状物質を含む焼結原料であることを特徴とする。
本発明によれば、離散要素法を用いて算出された、時々刻々変化する粒子同士の衝突回数と、ポピュレーションバランスモデルを用いて算出された、時々刻々変化する粒子の粒度分布と、を互いに反映させながら、造粒物の粒度を予測する。そのため、本発明によれば、造粒工程における造粒物の粒度を精度良く予測することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る造粒物の粒度予測方法の手順を示すフローチャートである。 図2は、粘弾性モデルを示す図であり、(a)は衝突方向が法線方向である場合のモデルを、(b)は衝突方向が接線方向である場合のモデルを、それぞれ示している。 図3は、本発明に係る造粒物の粒度予測方法の実施例1を説明するための図であり、造粒前後の粒子の粒径分布(粒度分布)と、各粒径ごとの粒子の構成(割合)とを示すグラフである。 図4は、本発明に係る造粒物の粒度予測方法の実施例2を説明するための図であり、造粒前後の粒子の粒径分布(粒度分布)と、各粒径ごとの粒子の構成(割合)とを示すグラフである。
本発明に係る造粒物の粒度予測方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、以下の実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本実施形態に係る造粒物の粒度予測方法は、粉状物質に水分を添加して混合造粒する造粒工程における造粒物の粒度(粒度分布)を予測する方法である。造粒物の粒度予測方法は、例えばCPU、ROM、RAM等を主要構成部品とする、パーソナルコンピュータやワークステーション等の汎用の情報処理装置を主体として実施することができる。
なお、前記した「粉状物質」は、具体的には、複数の鉄鉱石(粉状鉄鉱石)、石灰石、珪石、蛇紋岩等の副原料、ダスト、スケール、返鉱等の雑原料および粉コークス等の固体燃料を含有する焼結原料である。造粒工程では、例えば円筒状の回転ドラムや平板状の回転パン等を備える造粒機(混合機)を用いて、μm〜mm単位の焼結原料を、水の界面張力や固結材によって凝集させて、数mm〜数十mmの粒子(造粒物)を生成する。
前記したように、造粒工程における造粒物の造粒挙動の予測には、例えば(1)粒子の衝突状態を予測するDEMや、(2)粒子の形状(粒度分布)を予測するPBM等を利用することができる。しかしながら、焼結材料の造粒工程では、粒子の凝集および分離が同時に発生するため、前記した粒度分布と粒子の衝突状態とが、互いに相関しながら変化する。すなわち、造粒工程では、DEMとPBMの双方の初期条件が変化するため、DEMのみまたはPBMのみを用いても、造粒工程を再現することが困難である。
また、例えばDEMを用いた手法に、特定の確率で粒子が凝集するという確率合体の条件を組み込むことも可能であるが、凝集のみを繰り返して超巨大粒子ができでしまう等の、実態とかけ離れた結果が算出されるため、現実の造粒工程を再現することができなかった。
そこで、本実施形態に係る造粒物の粒度予測方法では、第一の粒子運動算出ステップと、第一の粒度分布算出ステップと、第二の粒子運動算出ステップと、第二の粒度分布算出ステップと、をこの順で実施し、かつ第二の粒子運動算出ステップおよび第二の粒度分布算出ステップを、一回以上繰り返すこととした。以下、各ステップの詳細について、図1を参照しながら説明する。
(第一の粒子運動算出ステップ)
第一の粒子運動算出ステップでは、初期条件として与えられた粒子の粒度分布に基づいて、DEMを用いて、造粒工程における粒子同士の衝突回数(衝突頻度)を算出する(ステップS1)。第一の粒子運動算出ステップでは、DEMの初期条件として、粒子の粒度分布と、造粒機の条件と、を与える。粒子の粒度分布は、具体的には、粒子の粒径(粒子径)および比重の分布のことを示している。また、造粒機の条件としては、例えばドラム式造粒機(例えばドラムミキサー)の場合は、ドラムの内径、長さ、回転速度が含まれる。また、ドラム式造粒機が撹拌羽を備える場合は、撹拌羽の形状および配置が造粒機の条件として含まれる。
第一の粒子運動算出ステップでは、粒子運動が定常に到達するまで、DEMによって粒子同士の衝突回数を計算する。ここで、粒子運動が定常に到達したか否かは、例えば「粒子の移動速さの総和」や「粒子の衝突エネルギーの総和」等の、粒子全体の運動を示す数値の経時的変化が、所定の閾値以下となったか否かによって判断することができる。なお、前記した「粒子の移動速さの総和」および「粒子の衝突エネルギーの総和」は、DEMの計算過程で得ることができる。
また、ドラム式造粒機等では、粒子運動が周期的に変動する現象が起こり、厳密には定常とならずに振動する場合がある。この場合、例えば前記した「粒子全体の運動を示す数値」を所定の期間で平均することにより、粒子運動が定常に到達したか否かを判断することができる。なお、前記した「所定の期間」は、「粒子全体の運動を示す数値」の変動周期を観察して決定してもよいが、当該変動周期の特定が困難な場合は、ドラムの回転周期等の造粒条件から決定することができる。
また、ドラムミキサーや回転パンを用いた造粒工程では、粒子が転がりながら移動する。この場合、第一の粒子運動算出ステップで用いるDEMでは、造粒機の容器内における粒子を真球と仮定し、図2に示すような、複数の衝突方向に対応可能な粘弾性モデルを用いて時間積分することにより粒子の動きを算出し、造粒機の容器の回転に伴う粒子同士の衝突回数を算出する。このような粘弾性モデルを用いることにより、粒子同士が衝突した際に水分の表面張力によってくっついて離れないという造粒工程における粒子(造粒物)の挙動を再現することができ、造粒工程における粒子運動を精度良く予測することができる。
(第一の粒度分布算出ステップ)
第一の粒度分布算出ステップでは、第一の粒子運動算出ステップで算出した粒子同士の衝突回数に基づいて、PBMを用いて、造粒工程における粒子の粒度分布を算出する(ステップS2)。第一の粒子運動算出ステップでは、DEMの初期条件として、第一の粒子運動算出ステップで算出した粒子同士の衝突回数を与える。PBMを用いることにより、粒子径ごとに、様々な粒子径の粒子と衝突する際の凝集や分離の確率に基づいて、粒子の粒度分布の継時変化を得ることができる。
なお、第一の粒度分布算出ステップでは、具体的にはPBMを用いて、少なくとも二つ以上の粒度区分に存在する粒子割合について、総重量を一定として、区分ごとに加算または減算を繰り返すことにより、粒子の粒度分布を算出する。このように、粒度を二つ以上に区分し、他の粒度区分との間で加減算することにより、例えば大幅に粒度が異なる粒子から構成される粒子群の造粒の挙動についても、精度良く再現することが可能となる。
(第二の粒子運動算出ステップ)
第二の粒子運動算出ステップでは、第一の粒度分布算出ステップで算出した粒子の粒度分布に基づいて、DEMを用いて、造粒工程における粒子同士の衝突回数を算出する(ステップS3)。第二の粒子運動算出ステップの具体的な処理内容は、用いる初期条件を除いて、前記した第一の粒子運動算出ステップと同様である。
ここで、前記した第一の粒度分布算出ステップにおいて、PBMを繰り返し計算することにより、粒子同士の衝突凝集や分離によって変化する粒子の粒度分布が計算される。しかしながら、実際の造粒工程では、粒度分布が変化すると、各々の粒子の衝突回数も変化するため、単にPBMを繰り返し計算しても、造粒工程を精度良く再現することはできない。そこで、本実施形態では、第一の粒度分布算出ステップでPBMを一度計算した後、第二の粒子運動算出ステップにおいて、得られた粒子の粒度分布を再度DEMに与えて粒子同士の衝突回数を計算し、定常の粒子運動を求める。
(第二の粒度分布算出ステップ)
第二の粒度分布算出ステップでは、第二の粒子運動算出ステップで算出した粒子同士の衝突回数に基づいて、PBMを用いて、造粒工程における粒子の粒度分布を算出する(ステップS4)。第二の粒度分布算出ステップの具体的な処理内容は、前記した第一の粒度分布算出ステップと同様である。
以上のステップを実施することにより、実際の造粒工程において、粒子の粒度分布と粒子同士の衝突回数がともに変化していく挙動を精度良く再現することができる。また、本実施形態では、第二の粒子運動算出ステップおよび第二の粒度分布算出ステップを、お互いに計算結果を与えながら、一回以上繰り返すことにより、造粒を継続した場合の粒度分布の継時変化を再現することができる。
ここで、図1に示すように、第二の粒子運動算出ステップおよび第二の粒度分布算出ステップを一回のみ繰り返した場合であっても、従来の手法(DEMのみ、あるいはPBMのみを用いる手法)よりも、造粒後の造粒物の粒度分布を精度良く予測することができるが、例えば造粒前の粒度分布が複数のピークを持っていたり(図4参照)、あるいは凝集後の疑似粒子の分離や破壊が起こり易い条件では、前記した第二の粒度分布算出ステップの後に、第二の粒子運動算出ステップおよび第二の粒度分布算出ステップを二回以上繰り返すことにより、造粒物の粒度分布の予測の精度が更に向上する。
以上説明したような本実施形態に係る造粒物の粒度予測方法によれば、DEMを用いて算出された、時々刻々変化する粒子同士の衝突回数と、PBMを用いて算出された、時々刻々変化する粒子の粒度分布と、を互いに反映させながら、造粒物の粒度を予測する。そのため、本実施形態に係る造粒物の粒度予測方法によれば、造粒工程における造粒物の粒度を精度良く予測することができる。
すなわち、本実施形態に係る造粒物の粒度予測方法によれば、DEMの計算結果とPBMの計算結果とを相互に利用して予測を行うことにより、粒子の粒度分布および粒子同士の衝突回数の双方が相関して変化する造粒の挙動を精度良く再現することができる。また、本実施形態に係る造粒物の粒度予測方法では、DEMによる計算とPBMによる計算の繰り返し回数を増やすほど、造粒物の粒度の予測精度を向上させることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本実施例では、DL式焼結機で用いられる焼結原料をドラムミキサーによって造粒する造粒工程において、本発明および従来の予測方法によって造粒物の粒度分布をそれぞれ予測し、実際に造粒した造粒物の粒度分布(造粒後実績)と比較した。図3および図4は、造粒前後の粒子の粒径分布(粒度分布)と、各粒径ごとの粒子の構成(割合)と、を示すグラフである。同図のグラフにおいて、横軸は粒径であり、縦軸は粒径ごとの粒子の構成である。
(実施例1)
実施例1では、造粒前の焼結原料として、図3の実線Aで示す粒度分布を有する焼結原料を用いた。また、実施例1では、本発明例として、第一の粒子運動算出ステップ、第一の粒度分布算出ステップ、第二の粒子運動算出ステップおよび第二の粒度分布算出ステップをこの順で実施し、図3の太線Cで示した造粒物の粒度分布を予測した。
ここで、本発明例の第一の粒子運動算出ステップでは、DEMの初期条件として、粒子については粒径および比重の分布を、造粒機についてはドラムの内径、長さ、回転速度を与えた。そして、粒子の移動速さの総和の変化が1%以下となった時点を、粒子運動が定常となった時点とみなし、粒子同士の衝突回数を計算した。また、ドラムミキサーによる造粒では、粒子運動が周期的に振動する現象が起こるため、第一の粒子運動算出ステップでは、粒子の移動速さの総和の変動周期から所定の期間を決定し、その所定の期間によって粒子の移動速さの総和を平均することにより、粒子運動の定常への到達を判断した。
また、本発明例の第一の粒度分布算出ステップでは、第一の粒子運動算出ステップのDEMで算出した粒子同士の衝突回数をPBMに与え、造粒工程における造粒物の粒度分布の変化を算出した。その際の初期条件として、第一の粒子運動算出ステップで算出した粒子同士の衝突回数を与えた。そして、引き続き、第二の粒子運動算出ステップおよび第二の粒度分布算出ステップを同様の内容で実施した。
また、実施例1では、従来例として、従来のDEMに対して特定の確率で粒子が凝集するという確率合体の条件を組み込んだ手法を用い、図3の一点鎖線Dで示した造粒物の粒度分布を予測した。
図3に示すように、従来例によって予測した造粒物の粒度分布(一点鎖線D参照)は、実際の造粒物の粒度分布(破線B参照)との乖離が大きい。従って、従来の粒度予測方法では、実際の造粒物の粒度分布を精度良く再現することができず、粒度分布の予測精度が低いことがわかる。
一方、図3に示すように、本発明例によって予測した造粒物の粒度分布(太線C参照)は、実際の造粒物の粒度分布(破線B参照)にほぼ沿っており、乖離が非常に小さい。従って、本発明に係る粒度予測方法によって、実際の造粒物の粒度分布の粒度分布を精度良く再現することができ、粒度分布の予測精度を向上できることがわかる。
(実施例2)
実施例2では、造粒前の焼結原料として、図4の実線Eで示す粒度分布を有する焼結原料を用いた。また、実施例2では、本発明例1として、実施例1の本発明例と同様に、第一の粒子運動算出ステップ、第一の粒度分布算出ステップ、第二の粒子運動算出ステップおよび第二の粒度分布算出ステップをこの順で実施し、図4の太破線Gで示した造粒物の粒度分布を予測した。
また、実施例2では、本発明例2として、第一の粒子運動算出ステップ、第一の粒度分布算出ステップ、第二の粒子運動算出ステップおよび第二の粒度分布算出ステップをこの順で実施することにより、図4の太線Hで示した造粒物の粒度分布を予測した。また、本発明例2では、第一の粒度分布算出ステップおよび第二の粒度分布算出ステップにおいて、粒度分布のピークのうち最も小さい粒径のピークを含む部分と、それ以外のピークを含む部分との二つに粒度区分に分け、総重量を一定として、区分ごとに加算または減算を繰り返すことにより、粒子の粒度分布を算出した。この本発明例2は、径の小さな粒子が径の大きな粒子の表面に優先的に付着して合体するという粒子の合体の挙動を、PBMによる粒度分布の計算に反映させたものである。
また、実施例2では、従来例として、実施例1の従来例と同様に、DEMに対して特定の確率で粒子が凝集するという確率合体の条件を組み込んだ手法を用い、図4の一点鎖線Iで示した造粒物の粒度分布を予測した。
図4に示すように、従来例によって予測した造粒物の粒度分布(一点鎖線I参照)は、実際の造粒物の粒度分布(破線F参照)との乖離が大きい。従って、従来の粒度予測方法では、実際の造粒物の粒度分布を精度良く再現することができず、粒度分布の予測精度が低いことがわかる。
一方、図4に示すように、本発明例1によって予測した造粒物の粒度分布(太破線G参照)は、従来例によって予測した造粒物の粒度分布(一点鎖線I参照)よりも、実際の造粒物の粒度分布(破線F参照)に近く、乖離が比較的小さい。従って、本発明例1に係る粒度予測方法によって、実際の造粒物の粒度分布を精度良く再現することができ、粒度分布の予測精度を向上できることがわかる。
また、図4に示すように、本発明例2によって予測した造粒物の粒度分布(太線H参照)は、実際の造粒物の粒度分布(破線F参照)にほぼ沿っており、乖離が非常に小さい。従って、本発明例2に係る粒度予測方法によって、径の小さな粒子は径の大きな粒子の表面に優先的に付着して合体するという粒子の合体の挙動を粒度分布の計算に反映させることにより、粒度分布の予測精度をより一層向上できることがわかる。
以上、本発明に係る造粒物の粒度予測方法について、発明を実施するための形態および実施例により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。

Claims (4)

  1. 粉状物質に水分を添加して混合造粒する造粒工程における造粒物の粒度予測方法であって、
    初期条件として与えられた粒子の粒度分布に基づいて、離散要素法を用いて、造粒工程における粒子同士の衝突回数を、粒子運動が定常に到達するまで算出する第一の粒子運動算出ステップと、
    前記第一の粒子運動算出ステップで算出した粒子同士の衝突回数に基づいて、ポピュレーションバランスモデルを用いて、造粒工程における粒子の粒度分布を算出する第一の粒度分布算出ステップと、
    前記第一の粒度分布算出ステップで算出した粒子の粒度分布に基づいて、前記離散要素法を用いて、造粒工程における粒子同士の衝突回数を、粒子運動が定常に到達するまで算出する第二の粒子運動算出ステップと、
    前記第二の粒子運動算出ステップで算出した粒子同士の衝突回数に基づいて、前記ポピュレーションバランスモデルを用いて、造粒工程における粒子の粒度分布を算出する第二の粒度分布算出ステップと、
    を含み、
    前記第二の粒子運動算出ステップおよび前記第二の粒度分布算出ステップを、一回以上繰り返し、
    前記第一の粒子運動算出ステップおよび前記第二の粒子運動算出ステップは、前記離散要素法の計算過程で得られる粒子全体の運動を示す数値を所定の期間で平均することにより、粒子運動が定常に到達したか否かを判断することを特徴とする造粒物の粒度予測方法。
  2. 前記第一および第二の粒子運動算出ステップは、造粒機の容器内における粒子を真球と仮定し、粘弾性モデルを用いて時間積分することにより粒子の動きを算出し、前記造粒機の容器の回転に伴う粒子同士の衝突回数を算出することを特徴とする請求項1に記載の造粒物の粒度予測方法。
  3. 前記第一および第二の粒度分布算出ステップは、少なくとも二つ以上の粒度区分に存在する粒子割合について、総重量を一定として、区分ごとに加算または減算を繰り返すことにより、前記粒子の粒度分布を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の造粒物の粒度予測方法。
  4. 前記粉状物質は、鉄鉱石、副原料、雑原料および固体燃料を含有する粉状物質を含む焼結原料であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の造粒物の粒度予測方法。
JP2019071621A 2019-04-03 2019-04-03 造粒物の粒度予測方法 Active JP6687145B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019071621A JP6687145B1 (ja) 2019-04-03 2019-04-03 造粒物の粒度予測方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019071621A JP6687145B1 (ja) 2019-04-03 2019-04-03 造粒物の粒度予測方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6687145B1 true JP6687145B1 (ja) 2020-04-22
JP2020169902A JP2020169902A (ja) 2020-10-15

Family

ID=70286870

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019071621A Active JP6687145B1 (ja) 2019-04-03 2019-04-03 造粒物の粒度予測方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6687145B1 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3918541B2 (ja) * 2001-12-06 2007-05-23 Jfeスチール株式会社 造粒シミュレーションのためのプログラム、方法及び装置並びにそのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体
JP4367298B2 (ja) * 2004-09-09 2009-11-18 住友金属鉱山株式会社 自熔炉内の精鉱の燃焼シミュレーション方法
JP5397069B2 (ja) * 2009-07-29 2014-01-22 新日鐵住金株式会社 焼結原料の造粒水分制御方法
JP5467262B2 (ja) * 2010-01-15 2014-04-09 独立行政法人海洋研究開発機構 粒子シミュレーション装置及び粒子シミュレーション方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020169902A (ja) 2020-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wu et al. Flow behaviour of powders during die filling
Bemrose et al. A review of attrition and attrition test methods
Wei et al. Study on the flow properties of Ti-6Al-4V powders prepared by radio-frequency plasma spheroidization
JP5569658B2 (ja) 焼結用造粒原料の製造方法およびその製造装置ならびに高炉用焼結鉱の製造方法
JP6508500B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP6687145B1 (ja) 造粒物の粒度予測方法
JP6988712B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP2019196515A (ja) 焼結鉱製造設備の制御装置、焼結鉱製造設備および焼結鉱の製造方法
You et al. Numerical simulation of particle mixing behavior in high speed shear mixer and cylinder mixer
KR102290001B1 (ko) 소결광의 제조 방법
CN110546284B (zh) 烧结矿的制造方法
Pollard et al. Kinetics of radial segregation of different sized irregular particles in rotary cylinders
JP2015081324A (ja) コークスの製造方法
de Vries ADR: The use of Advanced Dry Recovery in recycling fine moist granular materials
JP6489092B2 (ja) 焼結鉱の製造方法および焼結鉱の製造設備列
JP2020111817A (ja) 塊成物の造粒方法
JP6874780B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP6173247B2 (ja) 造粒物の粒度・標準偏差の推定方法及び造粒プロセスの制御方法
JPWO2018110521A1 (ja) 高炉操業方法
JP5857977B2 (ja) 高炉用焼結原料の製造装置および高炉用焼結鉱の製造方法
JP2020105625A (ja) 焼結鉱の製造方法
JP7047645B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
EP3670685B1 (en) Method for manufacturing sintered ore
WO2020137484A1 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP6493305B2 (ja) 焼結鉱の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191127

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20191127

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200303

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200316

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6687145

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250