JP5397069B2 - 焼結原料の造粒水分制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、DL式焼結機(ドワイトロイド式焼結機)を用いて行われる焼結鉱製造に際しての焼結原料への水分添加量の制御、特に造粒された焼結原料である造粒物の粒度分布を測定し、その結果より焼結原料の造粒水分制御方法に関する。
焼結原料(以下、単に「原料」ともいう。)は、数種類の鉄鉱石、CaO源としての石灰石、SiOおよびMgO源としての蛇紋粉鉱、凝結材としての粉コークスおよび返鉱等から構成されている。これらの焼結原料の配合は、各焼結原料の貯蔵量やコスト、要求される焼結鉱品質などを総合的に考慮して、焼結機の操業者がその設計を行う。
DL式焼結機を用いて行われる焼結プロセスの概略を図6に示す。上記したこれらの焼結原料およびその他の焼結原料(雑原料など)は、各焼結原料を貯蔵した焼結原料槽1から定量切り出しされる。通常これらの原料槽は原料搬送用ベルトコンベアーの上部に直列に配置されている。最下流原料槽出側において切り出された焼結原料全てがベルトコンベアー上で合流する仕組みになっている。
この合流後の原料は造粒機2まで搬送される。ここで原料には注水コントローラー3より水分が添加されて造粒が行われる。造粒後の原料は個々の原料粒子が水分の付着力により集合・結合して、あたかも造粒により大きな粒子が形成されたようにふるまう。しかし、造粒により形成された粒子は乾燥すると元の個々の粒子に分かれてしまうものであるので、個々の原料粒子と区別することから擬似粒子などと称される。
造粒後の原料はサージホッパー4を介して焼結機5に装入され、原料充填層6を構成した後に、原料充填層6の最上部が点火炉7により点火される。その後、原料充填層6へ大気が下方吸引されることによって、原料充填層6中の凝結材の燃焼熱により焼結反応が上部から下部へ進行する。本発明においては、造粒されて以降の原料充填層6を構成する焼結原料のことを造粒物とも称する。
原料充填層6の通気性が良好な場合には凝結材の燃焼が速やかに進行するが、その指標として燃焼前線降下速度(FFS:Flame Front Speed、以下同じ。)が一般的に使用される。FFSは、吸引気体の測温結果から燃焼反応の完了点を推定し、焼結機パレットの移動速度と原料充填層の層厚から算出される。
さて焼結鉱の製造においては、原料配合および粉コークスや水分の添加量が生産性や歩留、さらには焼結鉱の品質に大きく影響する。したがって原料配合等の条件をいかに迅速にかつ正確にコントロールするかが焼結鉱の生産性や歩留の改善のポイントとなる。
特に、造粒における水分濃度は、造粒物の粒度分布および焼結前の原料充填層の通気度を介して焼結時の原料充填層の通気度や凝結材(主として粉コークスが使用される)の燃焼性に関与する。さらに焼結時の原料充填層の通気度により焼結時間が決定され、この焼結時間で焼結鉱の生産率がほぼ決定される。また燃料の燃焼性は焼結鉱の歩留に関与する。
造粒における水分濃度には最適な値が存在することはよく知られている。すなわち、水分が少ないと造粒が十分ではなく、造粒物の粒度が小さくなるので原料充填層の通気度が悪くなる。一方、造粒における水分濃度が大きすぎた場合は、造粒物の粒度は大きくなるが、余剰な水分が原料充填層中の空隙に存在して却って原料充填層の通気度が悪くなったり、凝結材の燃焼熱が水分乾燥に使用される比率が大きくなったりする。さらに水分が増加すると原料が泥状になり造粒物が崩壊する。
すなわち、焼結鉱の生産率や歩留にとって重要因子となる造粒における水分濃度には適切な値が存在する。また、焼結原料は造粒前においても幾分かの水分を有するものであるが、その水分は造粒に最適な量の水分に比較すると小さいために、実際上は造粒時における水分添加は必須であり、造粒に最適な量の水分に調整するための最適な水分添加量が存在する。そして、当該水分濃度に対応する造粒粒子の粒度についても適切な値が存在することとなる。
従来、造粒における水分濃度の制御方法として、造粒物の一部を採取して、通気度測定装置を用いて焼結原料の通気度を測定し、続いて同一原料に一定水分を添加し、同様に通気度測定装置を用いて焼結原料の通気度を測定する方法が特許文献1に開示されている。この方法では、上記の測定結果に基づき水分添加による焼結原料の通気度の変化を導き、造粒水分の制御が行われる。
しかしながら、この方法は造粒、通気度の測定、水分添加、造粒、通気度の測定と1つデータを算出するのに5つの作業工程が必要である。しかも、測定作業終了後には通気度測定装置内を乾燥させるために、エアパージが必要となる。このため、1〜2時間に1回程度しか測定が出来ない。そのため、データ数を増やすことができず、データの信頼性が低下してしまう。また、通気度測定装置使用中に原料付着等が発生する恐れがあり、安定的に使用するためには、定期的にメンテナンスが必要となる。
特開平9−235627号公報
前述したようにこれまでの発明は、焼結原料の通気度を測定して水分との関係を求め、その結果より添加水分量を制御するという方法であった。しかし、焼結原料の通気度を測定するのに要する時間が長い(少なくとも1時間)ため、データ数を増加することが困難であった。このため、現実的には少ないデータ点数に基づいて添加水分量の制御が行われていた。したがって、これまでの発明による測定方法では、水分添加量が適切であることについての信頼性が必ずしも高いとは言えない場合もあった。また、水分添加し造粒するため、原料付着が発生する恐れがあり、安定的な使用には定期的なメンテナンスが必要となっていた。
そこで、本発明は、DL式焼結機(ドワイトロイド式焼結機)を用いる焼結鉱製造に際して行われる焼結原料への水分添加量を、迅速にかつ正確に制御する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するにあたり、本発明では焼結原料層の通気度を測定することではなく、測定するために大きな設備は必要なく、メンテナンスの必要も無い造粒物粒度分布の測定に着目した。造粒物の粒度分布の経時変化を調査した結果を図1に示す。
図1は、サージホッパーの最下流部に設けられたロールフィーダーによって切り出された造粒物の粒度分布の経時変化を示すグラフである。また、造粒物のFFSと粒径が2〜5mmの範囲にある造粒物の比率との関係を示しているのが下のグラフである。
ここで、グラフにおける「−2mm[%]」とは、造粒物の粒度分布における粒径が2mm以下のものの比率(質量率)を意味する。なお、造粒物の粒径は、後述するように、造粒物の投影画像に対する画像解析により求めた。
同様に、グラフにおける「2〜5mm[%]」とは造粒物の粒度分布における粒径が2mm超5mm未満のものの比率(質量率)を意味し、グラフにおける「+5mm[%]」とは造粒物の粒度分布における粒径が5mm以上のものの比率(質量率)を意味する。
図1に示されるように、造粒物の粒度分布における粒径が2mm超5mm未満のものの比率(以下、「2〜5mm粒径割合」という。)が高い程、FFSが上昇することが確認できた。
ここで、2〜5mm粒径割合の指標の意味を説明する。前述したように、焼結鉱の生産率や歩留を向上させるために、焼結原料には適切な粒度が存在する。粒度には種々の表示方法があるが、このための評価としては、小粒と大粒を除いた中間粒径の比率で評価することが望ましいことが経験的に知られている。中間粒径とすべき粒径の範囲は、2〜5mmの範囲とすることがよいと判明した。
さらに、造粒物の2〜5mm粒径割合はある水分で最大となる点が存在し、その水分が造粒における最適水分値となる。しかし、2〜5mm粒径割合が最大となる水分値は図2に示されるように、一定ではない。図2は、造粒物の2〜5mm粒度割合と造粒物に含まれる水分との関係を示すグラフである。図2における(a)〜(c)の結果を示した造粒物はそれぞれ組成(配合原料の種類および配合比率)が異なっている。
このように造粒物の組成に応じて2〜5mm粒度割合と水分との関係が変化する理由は、個々の焼結原料の銘柄毎の吸水性差異、真粒度差異によるものと考えられる。つまり、同一の水分量を添加しても、原料への吸水性に差異があるので、造粒に寄与する水分が異なるのである。
添加水分量の変更基準としては、造粒物の粒度分布を2mm未満、2mm〜5mm、5mm以上と分け、その個々の比率の経時変化から判断することとした。その理由は次のとおりである。すなわち、粒径の2mm〜5mm粒度割合が増加する程通気性は改善するため、この割合が上昇するような添加水分量に変更する必要がある。
ここで、造粒物における水分量が適正範囲から外れて増加すると、5mm以上のものの比率(以下、「5mm以上粒度割合」という。)が多くなり、これに伴い2mm〜5mm粒度割合が減少する。一方、造粒物における水分量が適正範囲から外れて減少すると、粒径が2mm以下満のものの比率(以下、「2mm以下粒度割合」という。)が多くなり、これに伴い、やはり2mm〜5mm粒度割合が減少する。このように、造粒物における水分量が適正な範囲から外れる方向に変化すると、水分量が過剰、不足のいずれの場合も2mm〜5mm粒度割合が減少する。このため、2mm〜5mm粒度割合だけを測定していても、添加水分量を増加させるべきか、減少させるべきかを判断することができない。
そこで、本発明では、造粒物における2mm以下粒度割合の経時変化および5mm以上粒度割合の経時変化も計測し、これらの結果から2mm〜5mm粒度割合の増減を判断する。
この点を、図3を用いて詳しく説明する。図3は、図2−(a)で2mm〜5mm粒度割合を示した造粒物についての、2mm以下粒度割合と5mm以上粒度割合とを示すグラフである。
図3に示されるように、造粒物における水分量が増加すると、2mm以下粒度割合は減少し、逆に5mm以上粒度割合は増加する。一方、造粒物における水分量が減少すると、2mm以下粒度割合は増加し、逆に5mm以上粒度割合は減少する。この性質より、測定された造粒物の水分量が減少する傾向をし、水分量が適正な範囲にないと判断された場合には、2mm以下粒度割合および/または5mm以上粒度割合の経時変化の測定結果に基づいて、造粒物が水分過剰な状態であるか、水分不足であるかを判断して、各状態に合わせて造粒水分制御を実施することとする。
具体的な水分の制御方法(添加水分量アクション)について、表1を用いて以下に説明する。
Figure 0005397069
造粒物の粒径の連続的な測定の結果、2mm〜5mm粒度割合が減少し、2mm以下粒度割合も減少する一方、5mm以上粒度割合が増加する場合(ケース1)には、造粒物の粒径が大きくなる傾向が強い状態であるから、造粒物が水分過剰な状態であると判定する。そして、水分過剰状態である場合には、添加水分量を0.1質量%減少させる。
造粒物の粒径の連続的な測定の結果、2mm〜5mm粒度割合が減少し、5mm以上粒度割合も減少する一方、2mm以下粒度割合が増加する場合(ケース2)には、造粒物の粒径が小さくなる傾向が強い状態であるから、造粒物が水分不足な状態であると判定する。そして、水分不足状態である場合は添加水分量を0.1質量%増加させる。
造粒物の粒径の連続的な測定の結果、2mm〜5mm粒度割合が増加し、5mm以上粒度割合も増加する一方、2mm以下粒度割合が減少する場合(ケース3)や、2mm〜5mm粒度割合が増加し、2mm以下粒度割合も増加する一方、5mm以上粒度割合が減少する場合(ケース4)には、適正な粒径の造粒物が増加する傾向が見られているので、造粒物の水分は適正な状態であると判定する。そして、水分が適正な状態である場合には、特に添加水分量を変化させるアクションは行わない。
添加水分量の変更は、原料を投入し造粒するための設備である造粒機において注水量を変更することで実施する。添加水分量の変更後、変更後の水分によって造粒された原料がサージホッパーに投入されて、焼結機に払出されるまで約30分間要する。したがって、造粒機における水分変更から30分後に2〜5mm粒度割合が上昇傾向に変動していない場合は、前回と同様の添加水分量を変更するアクションを再度実施する。
なお、上記の制御方法では、添加水分量の変更の単位を0.1質量%としたが、この数値は一例であって、これに限定されない。また、各粒度割合の変化を定量的に評価して、その結果に基づいて添加水分量の変更量を個別に決定してもよい。
本発明では、粒度分布測定方法は従来から使用されている篩い分け法ではなく、画像解析により造粒物の粒度分布を測定することが望ましい。
篩い分け法はサンプリングした造粒物を数種類の網目で篩うことで粒度分布を求める方法である。この方法では、サンプリングした造粒物を試験室等に送り、そこで網目への付着防止のため、軽く乾燥させた後篩いにかける。そのため、特許文献1に比較すると、メンテナンスの必要な設備を設置・運転する煩雑さを回避することはできるが、1つのデータを得るためには、特許文献1と同程度の時間が必要となる。また、目詰まり防止のため乾燥させ、さらに篩いで振動が与えられるため、粒子の崩壊や、再造粒等が発生し、水分添加量制御のために必要な造粒物の粒度分布を測定することが難しい。
一方、画像解析による測定では、造粒物の粒径を非接触で計測する。具体的な測定方法の一例を挙げれば、造粒物を落下させ落下中の原料にライトを当て、その影を撮影し画像解析を用いて投影面積と等価面積をもつ円の直径として造粒物の粒径を算出する。このため、篩い分け法のように振動を加えることによって、粒子の崩壊や、再造粒などの不具合が発生しない。したがって、より正確に造粒物の粒度分布を測定することができる。この画像解析による方法で約200gの造粒物を測定するために必要な時間は約5分であり、篩い分け方に比べて、はるかに多くのデータ数を得ることが容易である。このため、連続的に測定した造粒物の粒度分布の経時変化により添加水分量を制御することが可能である。
画像解析による測定をオフラインで測定することとした理由は次のとおりである。すなわち、ベルトコンベアー落ち口にて落下する造粒物を撮影し、連続的に造粒物分布を測定しようとしたが、落下する造粒物が多く、粒子同士の重なりにより正確な測定が困難であった。そこで造粒機の出口から排出されベルトコンベアー上サージホッパーへと移動する造粒物、またはロールフィーダーから切り出された造粒物から少量サンプリングを行い、それを測定することとした。事前にベルトコンベアーの断面での、造粒物の粒度のばらつきを確認し、断面方向で粒度分布の偏差がないことが確認できているため、少量のサンプリングでも代表性には問題はない。一方、ロールフィーダーから切り出された造粒物については、切り出し作業において粒度分布の偏差が打ち消されるため、代表性の問題はない。
ここに、本発明の要旨とするところは、次のとおりである。
(1)DL式焼結機において、造粒機出口から点火炉までの間で、造粒された焼結原料の一部を採取すること、採取された当該焼結原料の粒度分布を測定する一連の操作を繰り返すこと、および得られた焼結原料の粒度分布の経時変化に基づいて、造粒機における水分添加量を決定することを特徴とする焼結原料の造粒水分制御方法。
(2)造粒された焼結原料の粒度分布をX1mmとX2mmで3分割し、X1mm以下の粒度割合、X1mm超X2mm未満の粒度割合、およびX2mm以上の粒度割合の経時変化に基づいて、造粒機における水分添加量を決定することを特徴とする上記(1)に記載の焼結原料の造粒水分制御方法。
(3)X1mmが2mmであり、X2mmが5mmであることを特徴とする上記(2)に記載の焼結原料の造粒水分制御方法。
(4)焼結原料の粒度分布を画像解析を用いて測定することを特徴とする上記(1)から(3)のいずれかに記載の焼結原料の造粒水分制御方法。
造粒処理後の焼結原料粒度を連続的に測定し、造粒状態の推移を確認する。その結果より造粒における水分状態を判断し、添加水分量を変更することによって造粒状態を適正に保つことが可能である。そうすることによって、造粒状態変化による通気性の悪化を抑制でき、焼結原料の減産の抑制が可能となる。
造粒物の粒度分布の経時変化を示すグラフである。 造粒物2〜5mm粒度割合と水分との関係を示すグラフである。 図2−(a)における2mm以下粒度割合および5mm以上粒度割合のそれぞれと水分との関係を示すグラフである。 実機操業における造粒物の粒度分布の経時変化を示すグラフである。 FFSと生産量の関係(焼結機面積:540m)を示すグラフである。 従来例による焼結プロセスの概略フローを示す図である。 本発明による焼結プロセスの概略フローを示す図である。
以下に、本発明に係る焼結原料の造粒水分制御方法について詳しく説明する。
本発明において使用する焼結機は、DL式焼結機(ドワイトロイド式焼結機)である。
本発明においては、まず、このDL式焼結機に供給される焼結原料の一部を採取する。具体的には、造粒機の出口から点火炉までの間で採取すればよい。造粒機の出口より前で採取した場合には、点火炉において焼結される焼結原料と異なる粒径の原料を採取してしまう可能性がある一方、点火炉以降では原料が加熱されてしまうため、水分量が減少したことに伴って粒径が変化してしまう可能性があるためである。作業性の高さおよび加熱炉からの熱による影響を最小限とする観点から、図7に示されるように、点火炉で点火される前にサージホッパーからロールフィーダーによって切り出される原料を採取することが好ましい。
こうして採取された焼結原料に対して、粒度分布を測定する。その測定は上記のとおり画像解析により行い、粒度分布の測定精度を高める。具体的な測定方法は、焼結原料を落下させ落下中の原料にライトを当て、その影を撮影し画像解析を用いて焼結原料の粒径を求める上記の方法でもよいし、採取した焼結原料が互いに重ならないように平面上に拡げ、焼結原料全体を撮影して、得られた画像について画像解析を行ってもよい。影を撮影する場合には二値化は実質的に不要であるが、焼結原料そのものを撮影した場合には公知の方法により画像の二値化処理を行って粒度分布の解析を行えばよい。
このようにして、焼結原料の採取、採取した焼結原料の画像撮影、およびその画像の解析による焼結原料の粒度分布の測定からなる一連の操作を行ったら、ふたたび採取、撮影および測定からなる一連の操作を複数回繰り返す。これらの操作の繰り返しにより、焼結原料の粒度分布を連続的に測定することが実現され、その結果、焼結原料の粒度分布の経時変化についての情報が得られる。
こうして得られた焼結原料の粒度分布の経時変化についての情報に基づいて、実機操業の造粒における水分添加量を決定する。ここで、造粒手段の構成については特に限定されない。図7に示される構成は最も一般的な構成の例であるが、これに限定されない。決定された水分添加量に応じた水分が注水コントローラー3から造粒機2に供給され、造粒機内の原料の水分が変更される。
水分添加量の決定方法は特に限定されない。一例として、焼結原料の粒度分布をX1mmとX2mmで3分割し、X1mm以下の粒度割合、X1mm超X2mm未満の粒度割合、X2mm以上の粒度割合から、造粒機における水分添加量を決定する方法が挙げられる。ここで、X1は焼結原料の好ましい粒径範囲の下限であり、X2は好ましい粒径範囲の上限である。焼結原料を適宜サンプリングして各粒度割合の経時変化を測定し、狙いとなるX1mm超X2mm未満の粒度割合が増加するように、X1mm以下の粒度割合およびX2mm以上の粒度割合の経時変化に基づいて、水分添加量を決定すればよい。このときの粒度割合を決定するための比率は特に限定されず、質量率に基づいてもよいし、体積率に基づいてもよい。
上記の方法の具体例として、焼結原料の粒度分布を2mm以下、2〜5mmおよび5mm以上に分割し、それぞれの比率の経時変化から水分添加量を決定する方法が挙げられ、この方法は本発明における好ましい水分添加量を決定する方法のひとつである。
なお、上記の三分割の方法では、狙いの粒径範囲をX1mm超X2mm未満としたが、境界値の一方または両方を狙いの粒径範囲に含めてもよい。この場合には、狙いの粒径範囲は「X1mm以上X2mm未満」や「X1mm以上X2mm以下」となる。
また、本発明によれば、焼結原料の粒度分布の経時変化に基づいて添加すべき水分量の制御についての情報を得るため、焼結原料の組成は、その制御方法を実施している間実質的に同一であることのみが求められ、具体的な成分上の制約はない。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
画像解析装置を用いて連続的に測定した造粒物の粒度分布の経時変化から、造粒時における焼結原料への水分添加量を決定する方法の一例を図7を用いて具体的に示す。試験は540m(幅540mm、機長100m)の焼結機5において実施した。
焼結原料槽1から切り出され、造粒機2で造粒処理され焼結原料の一部を、焼結機5の上部に設置されている点火炉7で点火される前にサージホッパー4からロールフィーダーによって切り出される焼結原料を採取した。
採取された焼結原料は画像解析装置8を用いて粒度分布を測定した。その測定方法の詳細は次のとおりであった。約200gの造粒物を、振動フィーダーを用いて少量ずつ落下させる。このように振動フィーダーを用いることにより、造粒物を破砕させることなく少量ずつ落下させることが実現される。落下中の造粒物にライトを当て、その影を1秒間30コマの速度で撮影する。1秒間30コマとすることにより、視野内の造粒物を全量把握することが実現される。撮影した画像について公知の手段を用いて2値化し、投影面積を計測する。その結果より造粒物の粒径を、投影面積と等価面積をもつ円の直径として算出する。以上の測定方法により造粒物の粒度分布を測定するために要する時間は約5分であった。
この操作を10分おきに実施し、合計10回測定した。その結果、2〜5mm粒度割合は減少傾向にあり、さらに2mm以下粒度割合も減少傾向で、5mm以上粒度割合は上昇傾向にあった。これより造粒状態は水分過剰な状態にあると判断した。そこで、焼結原料の第一回目の採取から90分を経過したときに、注水コントローラー3により、造粒機2での水分添加量を0.1質量%低下させた。
水分添加量を減少させてから30分後(試験開始から120分経過後)に粒度分布を測定したところ、2〜5mm粒度割合は上昇傾向になり、2mm以下粒度割合も上昇傾向に、5mm以上粒度割合は減少傾向に変化した(図4−(a))。FFSは2〜5mm粒度割合の減少によって低下傾向にあったものが、2〜5mm粒度割合の上昇に伴い+0.6[m/min](図4−(b))となった。図5にFFSと生産量との関係を示す。図5よりFFSが0.6[m/min]上昇したことによって、427[T/24H]の増産につながることが確認できた。
焼結原料槽1
造粒機2
注水コントローラー3
サージホッパー4
焼結機5
原料充填層6
点火炉7
画像解析装置8

Claims (4)

  1. DL式焼結機において、造粒機出口から点火炉までの間で、造粒された焼結原料の一部を採取すること、採取された当該焼結原料の粒度分布を測定する一連の操作を繰り返すこと、および得られた焼結原料の粒度分布の経時変化に基づいて、造粒機における水分添加量を決定することを特徴とする焼結原料の造粒水分制御方法。
  2. 造粒された焼結原料の粒度分布をX1mmとX2mmで3分割し、X1mm以下の粒度割合、X1mm超X2mm未満の粒度割合、およびX2mm以上の粒度割合の経時変化に基づいて、造粒機における水分添加量を決定することを特徴とする請求項1に記載の焼結原料の造粒水分制御方法。
  3. X1mmが2mmであり、X2mmが5mmであることを特徴とする請求項2に記載の焼結原料の造粒水分制御方法。
  4. 焼結原料の粒度分布を画像解析を用いて測定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の焼結原料の造粒水分制御方法。
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