JP6033137B2 - 造粒装置の操業支援システム - Google Patents
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Description
この造粒後のペレット粒は、グレート・キルンなどにより乾燥・焼成されるが、乾燥及び焼成の各工程においてペレット粒間の通気性を確保するためには、造粒後のペレット粒の粒度バラツキを小さく、望ましくは均一にすることが要求される。
そこで、操業者(造粒機のオペレータ)は、造粒機の回転速度などを変化させて、造粒後ペレット粒の粒度のバラツキを調整する。しかし、現状では、操業者がペレット粒の粒度をリアルタイムに把握するのは困難であり、操業者はペレット粒が搬送されている現場に出向いて目視にてペレット粒の粒度を確認している。そのため、ペレット粒の粒度のバラツキを調節する操業アクションを頻繁に行うことが出来ず、ペレット粒の粒度の均一性を向上させるのは困難である。
、篩に目詰まりなどが発生して篩の特性が劣化することが知られている。ところが、特許文献1の手法では、篩の特性(原料の通過特性)の時間変化などを考慮していないため、粒度分布を正確に算出できない可能性が十分に考えられる。
すなわち、従来の技術では、篩い分け機械の特性の時間変化までも考慮した上で、造粒装置におけるペレット粒の粒度のバラツキの要因を確実に推定することは困難であった。言い換えれば、造粒装置において、当該造粒装置の稼働状態を確実に判断することは困難であった。
そこで、本発明は上記問題点を鑑み、鉄鉱石ペレット粒の造粒装置の操業を行うに際して、造粒装置の操業状態を判断する場合に、操業状態の判断を操作者の経験度合いに関係なく正確に行うための情報を提示することができる鉄鉱石ペレット粒の造粒装置の操業支援システムを提供することを目的とする。
本発明に係る造粒装置の操業支援システムは、焼結ペレットの元となるペレット粒を造粒する造粒機と、前記造粒機の出側に配備され且つ造粒されたペレット粒を篩分けする篩い分け機械とを有する造粒装置の操業を支援する操業支援システムであって、前記操業支援システムは、オペレータが確認可能な表示器を有し、前記造粒機で造粒された直後のペレット粒の粒径を正規分布関数にて規定し、前記篩い分け機械にてペレット粒が通過しない確率をシグモイド関数にて規定し、前記篩い分け機械を通過したペレット粒の粒径の実測値を基に、正規分布関数内の統計パラメータである「造粒機直後のペレット径の粒径の平均値μ」を算出すると共に、シグモイド関数内の統計パラメータである「篩い分け機械を通過しない確率が1/2となるペレット径の粒径A」を算出し、算出された平均値μ及び粒径Aを前記表示器に表示することで、前記平均値μ及び粒径Aが表示された表示器を確認したオペレータが、「前記平均値μが正常範囲を逸脱していれば造粒機の回転速度や回転角度を調整し、前記粒径Aが閾値を下回っていれば篩い分け機械のスクリーンを取り替える、あるいは清掃する」という操業を行うことを支援することを特徴とする。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。従って、本発明の技術的範囲は、本実施形態に開示内容だけに限定されるものではない。
以下、図面を参照しながら、本実施形態による造粒装置の操業支援システムについて説明する。造粒装置の操業支援システムは、造粒装置1が製造したペレット粒2の粒径を取得して、取得した粒径を基に造粒装置1の操業状態を造粒装置1のオペレータ(操業者)に提示するものである。ペレット粒2の粒径は、ペレット粒径検出装置3によって測定される。
図1及び図2を参照し、造粒装置1について説明する。図1は、本実施形態による造粒装置1の概略構成を示す図であり、図2は、造粒装置1の篩い分け機械4の原理を示す図である。
造粒機5は、ペレット原料をペレット粒2として造粒するものであって、例えばパン型造粒機(パンペレタイザ)などである。造粒機5は、回転速度や回転角度を変化させることで、ペレット粒2の粒度を変化させることができる。
篩い分け機械4は、造粒機5で造粒され搬送されてきたペレット粒2を所定の粒度に篩い分けるものであって、例えば、シードスクリーンなどである。
このとき、篩い分け機械4で除去された規格外の粒径のペレット粒2は、ペレット原料として再利用されるものの、鉄鉱石ペレットの生産量を確保し生産効率を向上させるためには、規格外のペレット粒2の発生はできるだけ少ない方がよい。
そこで、図3に示すように、ペレット粒2の粒径のバラツキを監視するために、造粒装置1に対して、次工程の乾燥・焼成工程に搬送されるコンベア6上のペレット粒2の粒径を測定するペレット粒径検出装置3が設けられる。図3は、ペレット粒2を搬送するコンベア6上に配置されたペレット粒径検出装置3の光源9及び撮影装置10の配置を示す図
である。
撮影装置10は、CCDカメラなどで構成されており、光源9と同様にコンベア6の上方に設けられ、光源9によって照らされた複数のペレット粒2を撮影する。
造粒装置1の操業支援システム(以下、単に操業支援システムという)は、ペレット粒径検出装置3が検出したペレット粒2の粒径を用いて、後述するペレット粒2の粒径に関する統計情報を算出し、算出した統計情報をモニタ等に出力するものである。操業支援システムは、モニタ等の出力装置(表示器)に接続されたパーソナルコンピュータ(PC)などで動作するコンピュータプログラムとして構成される。
つまり、図4に示すように、ペレット粒2の粒径がある値以上になると、篩機4のスクリーンを通過できず遮断される確率が値1に漸近し、ペレット粒2はほとんどスクリーンを通過せず遮断される。逆に、ペレット粒2の粒径が小さくなればなるほど、ペレット粒2はスクリーンを通過しやすくなるため、スクリーンにより遮断され通過できない確率は値0に漸近してゆく。
ここで、篩機4のスクリーンについての通過特性を考えると、スクリーンの目は篩機4の使用に伴って汚れて詰まる傾向にあるので、スクリーンが汚れて目詰まりすればシグモイド関数の統計パラメータ“A”の値は小さくなってゆくと考えられる。
非常に粒径の大きいペレット粒2が粗スクリーン8で除去されることによって、所定の粒径範囲(粒度)にあるペレット粒2のみが、コンベア6にて次工程の乾燥・焼成工程に搬送される。
上述したように、造粒されたペレット粒2のうち、目的物である鉄鉱石ペレットに適した所定の粒径範囲(粒度)にあるペレット粒2は、篩目サイズの小さい細スクリーン7を通過せず、篩目サイズの大きい粗スクリーン8を通過してコンベア6で次工程に搬送される。そこで、ペレット粒径検出装置3にて検出されるコンベア6上のペレット粒2の粒度(ペレット粒2の粒径の分布)を、上述の関数f1及び関数f2を用いて、以下の式(3)による関数式Fで表現し定義することができる。
図6〜図9に、統計パラメータA及び統計パラメータμのモニタへの出力内容を示す。図6及び図7は、操業支援システムのモニタに表示された統計パラメータμの推移を表わすグラフを示し、図8及び図9は、操業支援システムのモニタに表示された統計パラメータAの推移を表わすグラフを示している。
図6において、操業者は、例えば時刻9:00の時間帯において、統計パラメータμの値が大きくなって正常範囲を逸脱していることを認識して、造粒直後のペレット粒2の粒径の平均値が正常範囲を逸脱して大きくなっていることを知る。このとき、PCのモニタには時刻9:00の時間帯以降の結果は表示されていない。この結果を、造粒機5を直接に目視確認することなくモニタで認識できた操作者は、時刻9:00の時間帯において、直ちに造粒機5の調整を行うことができる。これによって、造粒直後のペレット粒2の粒径の平均値が正常範囲に制御され、PCのモニタには、時刻9:00以降の時間帯では、
統計パラメータμの値が正常範囲内に保たれた結果が表示されている。
図7を参照すると、操業者は、操業休止直後の時刻8:00の時間帯において、統計パラメータμの値が大きくなって正常範囲を逸脱していることを認識して、造粒直後のペレット粒2の粒径の平均値が正常範囲を逸脱して大きくなっていることを知る。このとき、PCのモニタには時刻8:00の時間帯以降の結果は表示されていない。この結果を、造粒機5を直接に目視確認することなくモニタで認識できた操作者は、時刻8:00の時間帯において、直ちに造粒機5の調整を行うことができる。これによって、造粒直後のペレット粒2の粒径の平均値が正常範囲に制御され、PCのモニタには、時刻8:00以降の時間帯、つまり、操業再開後において統計パラメータμの値が正常範囲内に保たれた結果が表示されている。
図8において、操業者は、例えば時刻14:00の時間帯において、時間の経過とともに小さくなった統計パラメータAの値が閾値を下回っていることを認識して、篩機4における通過特性が悪くなっていることを知る。このとき、PCのモニタには時刻14:00の時間帯以降の結果は表示されていない。
図9において、操業者は、操業休止直前の時刻8:00の時間帯において、統計パラメータAの値が小さくなって閾値を下回っていることを認識して、細スクリーン7が目詰まりを起こしていることを知る。このとき、PCのモニタには時刻8:00の時間帯以降の結果は表示されていない。しかし操業再開後は、操業休止中に篩機4のスクリーンが交換されたので、細スクリーン7の通過特性が改善されている。従って、PCのモニタには、時刻18:00以降の時間帯、つまり、操業再開後において統計パラメータAの値が閾値以上に保たれた結果が表示されている。
まず、ペレット粒径検出装置3は、コンベア6上のペレット粒2を撮影し、ペレット粒2の画像からペレット粒2の粒径を取得する(ステップS1:ペレット粒径取得工程)。
操業支援システムは、ステップS1で取得されたペレット粒2の粒径に基づいて、所定時間毎(例えば1時間毎)にペレット粒2の粒径の分布を連続的に構築し、その粒度分布である分布F’を得る(ステップS2:ペレット粒分布取得工程)。
操業支援システムは、ステップS3で決定した統計パラメータの推移を、モニタ等の出力装置に表示し、操業者に提示する(ステップS4:統計パラメータ表示工程)。
以上より、本実施形態による操業支援システムは、ステップS2〜ステップS4を実施し、操業者によるステップS5を支援するものであるといえる。
2 ペレット粒
3 ペレット粒径検出装置
4 篩い分け機械
5 造粒機
6 コンベア
7 細スクリーン
8 粗スクリーン
9 光源
10 撮影装置
Claims (1)
- 焼結ペレットの元となるペレット粒を造粒する造粒機と、前記造粒機の出側に配備され且つ造粒されたペレット粒を篩分けする篩い分け機械とを有する造粒装置の操業を支援する操業支援システムであって、
前記操業支援システムは、オペレータが確認可能な表示器を有し、
前記造粒機で造粒された直後のペレット粒の粒径を正規分布関数にて規定し、
前記篩い分け機械にてペレット粒が通過しない確率をシグモイド関数にて規定し、
前記篩い分け機械を通過したペレット粒の粒径の実測値を基に、正規分布関数内の統計パラメータである「造粒機直後のペレット径の粒径の平均値μ」を算出すると共に、シグモイド関数内の統計パラメータである「篩い分け機械を通過しない確率が1/2となるペレット径の粒径A」を算出し、
算出された平均値μ及び粒径Aを前記表示器に表示することで、
前記平均値μ及び粒径Aが表示された表示器を確認したオペレータが、「前記平均値μが正常範囲を逸脱していれば造粒機の回転速度や回転角度を調整し、前記粒径Aが閾値を下回っていれば篩い分け機械のスクリーンを取り替える、あるいは清掃する」という操業を行うことを支援する
ことを特徴とする造粒装置の操業支援システム。
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