JP6099525B2 - ペレット粒径測定方法 - Google Patents
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Description
この造粒後のペレット粒は、グレート・キルンなどにより乾燥・焼成されるが、乾燥及び焼結の各工程においてペレット粒間の通気性を確保するためには、造粒後のペレット粒の粒度バラツキを小さく、望ましくは均一にすることが要求される。
そこで、操業者(造粒機のオペレータ)は、造粒機の回転速度などを変化させて、造粒後ペレット粒の粒度のバラツキを調整する。しかし、現状では、操業者がペレット粒の粒度をリアルタイムに把握するのは困難であり、操業者はペレット粒が搬送されている現場に出向いて目視にてペレット粒の粒度を確認している。そのため、ペレット粒の粒度のバラツキを調節する操業アクションを頻繁に行うことが出来ず、ペレット粒の粒度の均一性を向上させるのは困難である。
特許文献1は、撮像手段により撮影された画像データに基づいて、被写体の輪郭としての輪郭円の検出を行う画像処理装置を開示するものである。この画像処理装置は、処理対象エリアを指定する処理対象エリア指定手段と、上記処理対象エリア内における上記輪郭円の周方向を指定する周方向指定手段と、上記処理対象エリア及び上記周方向に基づいて、処理対象エリア内に周方向の位置を異ならせた3以上の領域をエッジ検出領域として指定するエッジ検出領域指定手段と、上記エッジ検出領域内における輝度分布に基づいて、上記輪郭円の径方向に関するエッジ位置を識別するエッジ位置識別手段と、上記各エッジ検出領域について識別されたエッジ位置に基づいて、輪郭円を決定する輪郭円決定手段とを備えたことを特徴とする。
特許文献3は、ベルトコンベアで搬送されるばら物の粒度検知方法を開示するものであ
る。このばら物の粒度検知方法は、ベルトコンベア上で観測位置にあるばら物に、観測位置の斜め上方に設置された光源から光を照射し、該ばら物から散乱された光を、照射光軸とベルトコンベア面の交点の略真上に設置されたカメラで採取し、採取画像について画像処理を行って該採取画像の輝度分布を得、該輝度分布における最大ピークのピーク値から粒度を検知することを特徴とする。
特許文献1の画像処理装置を用いてペレット粒の粒度を測定する場合、この画像処理装置では、ペレット粒のエッジ位置を探索する領域を決定する外郭円をオペレータによって手入力する必要がある。そのため、ペレット粒の粒径測定をオペレータ(人間)による手作業なしで行うことができず、ペレット粒の粒径測定をリアルタイムで連続的に処理することは困難である。
本発明に係るペレット粒径測定方法は、球形状のペレット粒の粒径を測定するペレット粒径測定方法であって、前記ペレット粒を撮影してペレット粒画像を取得する撮影工程と、前記撮影工程で取得したペレット粒画像の輝度分布を予め用意された基準画像の輝度分布と比較して、前記ペレット粒画像の中心位置を検出する中心位置検出工程と、前記ペレット粒画像の輝度分布において、前記中心位置検出工程で検出した中心位置から該中心位置を離れる径方向に輝度の変化を検出し、前記輝度の変化が最も大きい位置を前記ペレット粒画像の外周端部の位置として検出する外周端部検出工程と、前記ペレット粒画像の中心位置から前記外周端部検出工程で検出した外周端部の位置までの距離に基づいて前記ペレット粒の粒径を演算するペレット粒演算工程と、を備えることを特徴とする。
との偏差が最小となる偏差最小位置を検出し、該検出した位置においてペレット粒画像の中心位置を検出するとよい。
ここで、前記ペレット粒演算工程は、前記算出した複数の距離である各方向半径が以下の式を満足するペレット粒画像に基づく粒径のみを用いて平均粒径を取得するとよい。なお、以下の式における代表半径は、ペレットの各方向半径の平均値、メジアン値、最小二乗半径値のいずれかの値である。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。従って、本発明の技術的範囲は、本実施形態に開示内容だけに限定されるものではない。
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、本実施形態によるペレット粒径測定装置1a及びペレット粒径測定方法について説明する。
図1は、ベルトコンベア2によって搬送されるペレット粒3に対するペレット粒径測定装置1aの配置を示す図である。図1に示すベルトコンベア2は、高炉に装入される鉄鋼原料である鉄鉱石ペレットに焼成される前の略球形状のペレット粒3を搬送している。
ペレット粒径測定装置1aは、ハロゲンランプやLEDランプなどで構成される光源4、CCDカメラなどによって構成される輝度測定装置5、及び図示しない粒径検出装置を有する。
CCDカメラなどの輝度測定装置5は、光源4と同様にベルトコンベア2の上方に設けられ、光源4によって照らされた複数のペレット粒3を撮影してペレット粒群画像6を取得する(撮影工程)。
図2を参照し、中心位置検出部について説明する。図2は、本実施形態によるペレット粒径測定装置1aで取得したペレット粒群画像6と、ペレット粒径測定装置1aに予め保持された基準画像7を示す図である。図2に示す実線の四角形は、CCDカメラなど輝度測定装置5で撮影された撮影画像の範囲を示す枠(撮影枠)8であり、実線で示した枠8の内側がペレット粒群画像6である。また、ペレット粒群画像6の隣に示す破線9で囲まれた画像は、後に詳しく説明する基準画像7である。
中心位置検出部に保持される基準画像7は、以下の手順で作成される。
まず、過去に輝度測定装置5で撮影したペレット粒群画像6において任意に選定された1粒のペレット粒画像13の画像から、該ペレット粒画像13の中心を含んで、ペレット粒群画像6中の複数のペレット粒画像13のうち最も粒径の小さいペレット粒画像13よりも小さい径の領域(画像)を切り出して基準画像7とする。
中心位置検出部は、基準画像7の輝度分布を記憶しておくと共に、基準画像7の中心位置11と、輝度測定装置5の枠8に沿った基準画像7の水平方向及び垂直方向における長さ(画素数)とを記憶しておく。
まず、中心位置検出部は、図2に示すように、例えばペレット粒群画像6の最も左上において基準画像7と形状及び大きさが同じ比較領域10を抽出し、基準画像7と抽出された比較領域10とを重ね合わせるように、抽出された比較領域10の輝度分布と基準画像7の輝度分布を比較して、両輝度分布の偏差を算出しその値を記憶する。
中心位置検出部は、この方法による輝度分布の偏差の算出をペレット粒群画像6の全体
にわたって行い、輝度分布の偏差が最も小さくなる比較領域10を得る。中心位置検出部は、輝度分布の偏差が最も小さい比較領域10(偏差最小位置)の中心位置を、粒径を測定する対象となるペレット粒画像13の中心位置11として検出し決定する。
ぼかし処理とは、例えば、ある画素の輝度値をその画素の上下及び左右に隣接する画素の輝度の平均値で置き換える移動平均法に似た処理を用いて、基準画像7の全ての画素の輝度値を、隣接する画素の平均化された輝度値で置き換えることである。
外周端部検出部は、ペレット粒群画像6の輝度分布において、中心位置検出部で検出した中心位置11から、ペレット粒画像13の径方向に沿って該中心位置11を離れる方向に輝度の変化を検出し、輝度の変化が最も大きい位置を中心位置11が設定されたペレット粒画像13の外周端部の位置として検出する(外周端部検出工程)。
つまり、図4を参照すると、中心位置検出部で決定された中心位置11で高い値を示す輝度値は、径方向に沿って中心位置11から離れるにつれて緩やかに低下する。しかし、中心位置11からある距離だけ離れた位置において輝度値が急激に低下している。外周端
部検出部は、輝度値が予め定められた閾値を超えて急激に低下した位置を検出し、検出された位置を、造粒ペレットの輪郭(外周)位置である外周端部位置12として決定し記憶する。
さらに、図5を参照し、ペレット粒演算部、及びペレット粒径測定装置1aの動作について説明する。
ペレット粒演算部は、中心位置検出部によって決定されたペレット粒画像13の中心位置11から、外周端部検出部によって決定された8つの外周端部位置12までの8つの距離を算出する。その上で、ペレット粒演算部は、算出した8つの距離の平均値やメジアン値を求めるなど、8つの距離に基づいてペレット粒3の半径の値を演算する(ペレット粒演算工程)。ペレット粒演算部は、このペレット粒3の半径を2倍した値をペレット粒3の粒径として検出し記憶する。
まず、ペレット粒径測定装置1aは、ベルトコンベア2上を運搬されるペレット粒3をCCDカメラなどの輝度測定装置5で撮影し、ペレット粒群画像6として取得する画像入力を行う(ステップS1:撮影工程)。
続いて、中心位置検出部は、ステップS1で取得したペレット粒群画像6とステップS2でぼかし処理を施した基準画像7とを用いて、粒径の測定対象となるペレット粒画像13の中心位置11を検出し決定する(ステップS3:中心位置検出工程)。
最後に、ペレット粒演算部は、ステップS4で検出された外周端部位置12に基づいて、中心位置11が決定されたペレット粒3の粒径を演算する(ステップS5:ペレット粒演算工程)。
してもよい。
時間区間幅が15分で1秒毎に1つのペレット粒3の粒径を取得する場合、900個のペレット粒3の粒径データを用いて、ペレット粒3の粒径の平均値や頻度分布を算出することになる。
上述のとおり、本実施形態によるペレット粒径測定装置1aは、造粒されたペレット粒3の大きさをリアルタイムで連続的に測定することができる。その上で、その測定したペレット粒3の粒径の推移を操業者にリアルタイムで提示すれば、操業者は、造粒機やペレット粒3を搬送するベルトコンベア2まで度々出向いてペレット粒3の粒径を実測する必要がなくなる。従って、操業者は、造粒機やベルトコンベア2まで度々出向くことなく造粒機の回転速度や回転角度を適宜調節することができ、ペレット粒3の粒度のバラツキを抑制することができる。粒度のバラツキの抑制は、以下のような効果を生む。
(第2実施形態)
以下、図1〜図3、図5及び図7〜図9を参照して、本発明の第2実施形態によるペレット粒径測定装置1b及びペレット粒径測定方法について説明する。
まず、第1実施形態によるペレット粒演算部は、図3に示すように、ペレット粒画像13の中心位置11から、外周端部検出部によって決定された8つの外周端部位置12までの8つの距離を各方向半径として算出した。その上で、ペレット粒演算部は、算出した8つの距離の平均値やメジアン値を求めるなど、8つの距離に基づいて、ペレット粒画像13の基となったペレット粒3の半径の値を演算した(ペレット粒演算工程)。ペレット粒演算部は、このペレット粒3の半径を2倍した値をペレット粒3の粒径として検出し記憶した。
それに対し、本実施形態によるペレット粒演算部は、当該ステップS5の工程において、第1実施形態と同様に中心位置11を検出した全てのペレット粒画像13の各方向半径を求めてペレット粒3の粒径を算出するが、各方向半径のばらつきを判定し、ばらつきが大きいペレット粒画像13については粒径の平均である平均粒径の演算の対象とはしないことを特徴としている。つまり、各方向半径のばらつきが小さい、つまり真円(真球)により近いペレット粒画像13を選別して、選別されたペレット粒画像13に基づくペレッ
ト粒3の粒径のみを平均粒径の演算対象とする。
図5に示すフローのステップS3(中心位置検出工程)において中心位置検出部によって中心位置11が検出されたペレット粒画像13について、ステップS4(外周端部検出工程)において、ペレット粒画像13の中心位置11から、外周端部検出部によって決定された、例えば12個の外周端部位置12までの12個の距離(各方向半径)を算出する。
図7に本実施形態のペレット粒径測定装置1b及びペレット粒径測定方法によるペレット粒径の算出結果を示す。図7は、ペレット粒径測定装置によって測定したペレット粒3の平均粒径である測定粒径と、該ペレット粒3を実際に篩機等のゲージを用いて計測した平均粒径である実測粒径との対応を表すグラフを示す図である。図7(a)は、第1実施形態によるペレット粒径測定装置1a及びペレット粒径測定方法による結果を示し、図7(b)は、第2実施形態によるペレット粒径測定装置1b及びペレット粒径測定方法による結果を示す。
図8の判定パラメータの値の大きさとペレット選択率との関係を表すグラフに示されるように、判定パラメータを大きくすれば式(1)を満たすペレット粒画像13の数は多くなるので、中心位置11が検出されたペレット粒画像13のうち、ペレット粒3の平均粒径の演算対象として選ばれる割合(ペレット選択率)は高くなり、逆に判定パラメータを小さくすれば、ペレット選択率は低くなる。
図9のグラフに示されるように、ペレット粒径測定装置1bの精度を示す絶対値偏差は、判定パラメータの値が1.5〜2となる範囲で極小となっている。ここで、要求される精度(絶対値偏差)を0.2mm以下として、閾値を0.2mmとすると、閾値以下の精度が得られる判定パラメータとしては、値1.6〜1.9が適正であることがわかる。以上のように、判定パラメータの値は、小さければ小さいほど良いというものではなく、ペレット粒径測定装置1bの精度が所望の値となるように設定しなくてはならない。
えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
2 ベルトコンベア
3 ペレット粒
4 光源
5 輝度測定装置
6 ペレット粒群画像
7 基準画像
8 枠
9 破線
10 比較領域
11 中心位置
12 外周端部位置
13 ペレット粒画像
Claims (5)
- 球形状のペレット粒の粒径を測定するペレット粒径測定方法であって、
前記ペレット粒を撮影してペレット粒画像を取得する撮影工程と、
前記撮影工程で取得したペレット粒画像の輝度分布を予め用意された基準画像の輝度分布と比較して、前記ペレット粒画像の中心位置を検出する中心位置検出工程と、
前記ペレット粒画像の輝度分布において、前記中心位置検出工程で検出した中心位置から該中心位置を離れる径方向に輝度の変化を検出し、前記輝度の変化が最も大きい位置を前記ペレット粒画像の外周端部の位置として検出する外周端部検出工程と、
前記ペレット粒画像の中心位置から前記外周端部検出工程で検出した外周端部の位置までの距離に基づいて前記ペレット粒の粒径を演算するペレット粒演算工程と、を備えることを特徴とするペレット粒径測定方法。 - 前記撮影工程は、複数の前記ペレット粒を一つの画像内に撮影することで、前記ペレット粒画像を複数含むペレット粒群画像を取得し、
前記中心位置検出工程は、前記複数のペレット粒のうち最も粒径の小さいペレット粒よりも小さい径の画像を前記基準画像として予め保持し、前記ペレット粒群画像の輝度分布において前記基準画像の輝度分布との偏差が最小となる偏差最小位置を検出し、該検出した位置においてペレット粒画像の中心位置を検出することを特徴とする請求項1に記載のペレット粒径測定方法。 - 外周端部検出工程は、前記中心位置が検出されたペレット粒画像の輝度分布において、前記ペレット粒画像の外周端部の位置を複数検出し、
前記ペレット粒演算工程は、前記ペレット粒画像の中心位置から前記外周端部検出工程で検出した複数の外周端部の位置までの各々の距離を算出し、前記算出した複数の距離に基づいて前記ペレット粒の粒径を演算することを特徴とする請求項2に記載のペレット粒径測定方法。 - 前記中心位置検出工程で用いられる前記基準画像として、予め撮影されたペレット粒の画像から該ペレット粒の中心位置を含む画像を切り出すと共に、前記切り出された画像の輝度に対してぼかし処理を施した画像を用いることを特徴とする請求項2に記載のペレット粒径測定方法。
- 前記ペレット粒演算工程は、前記算出した複数の距離である各方向半径が以下の式を満足するペレット粒画像に基づく粒径のみを用いて平均粒径を取得することを特徴とする請求項3に記載のペレット粒径測定方法。
なお、以下の式における代表半径は、ペレットの各方向半径の平均値、メジアン値、最小二乗半径値のいずれかの値である。
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