JP7077832B2 - 焼結主排ガスの白色化予測方法 - Google Patents

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Description

本発明は、焼結機から排出される焼結主排ガスの白色化予測方法に関する。
高炉操業における主な鉄源として、焼結鉱を用いる場合がある。
焼結鉱は、鉄鉱石、石灰石に粉コークス等の炭材を配合し、点火して焼結することで製造される。焼結反応には、炭材と吸引された大気との燃焼による熱を利用するため、排ガスが発生する。
焼結主排ガスは、法令や協定によって定められた規制値、遵守値を満たしたダスト濃度、硫黄酸化物(SOx)濃度、窒素酸化物(NOx)濃度、ダイオキシン濃度などの汚染成分濃度とする処理を行った後に、煙突等から排出される。ここでいう焼結主排ガスとは、焼結排ガスの中で、燃焼により生じた排ガスを意味する。以下の説明でも同様である。
燒結主排ガスは、規制値、遵守値を満たすだけでなく、白色化しないことも求められる。白色化とは、焼結機の煙突から排出されるガスが白く着色し、有視煙となる現象である。光の加減では灰色に見えることもある。
主排ガスの白色化は、焼結機周囲の環境の美観を損ねることから好ましくない。周辺住民に、焼結主排ガスの成分について不安を抱かせる原因にもなるため、好ましくない。
そのため、燒結主排ガスが極力白色化しない条件で焼結機の操業を行う必要がある。
白色化の原因としては、炭材中の揮発分に由来して排ガス中に含まれる、未燃の炭化水素成分や、硫黄化合物(硫酸ミスト)が挙げられており、硫黄化合物を低減することにより白色化を抑制する方法も開示されている(非特許文献1)。
白色化を防止する具体的な方法としては、排ガス中のダストおよび硫黄化合物を所定の濃度以下に低減する方法も提案されている(特許文献1)。
特開2012-115763号公報
笠間他、「鉄鉱石焼結機における排ガスの可視原因の解析」、鉄と鋼、91(2005)、p.757
しかしながら、非特許文献1および特許文献1の方法には、以下の問題があった。
非特許文献1では、焼結主排ガスから硫黄化合物を除去する設備を停止した、非定常状態での白色化原因として硫黄化合物を挙げている。
そのため、非定常状態と比べて硫黄化合物が少ない、定常状態での白色化の原因を特定できず、白色化の予測精度が不十分であるという問題があった。
特許文献1では、具体的なダストとして、集塵機で回収可能なダストのみを対象としており、集塵機で回収できないダストの影響を考慮していないという問題があった。また、ダストを排ガス単位体積当たりの質量で評価しており、ダストの具体的な性状が特定されていないため、白色化の予測精度が不十分であるという問題もあった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、白色化を精度よく予測できる焼結主排ガスの白色化予測方法を提供することを目的とする。
本発明の焼結主排ガスの白色化予測方法は、実機に適用予定の操業条件で焼結実験を行って焼結主排ガス中のエアロゾル濃度を測定する測定工程と、焼結主排ガス中のエアロゾル濃度と焼結主排ガスの白色化の対応関係に基づいて、前記操業条件で実機の焼結操業を行う際の焼結主排ガスの白色化の程度を予測する予測工程と、を実施することを特徴とする。
本発明によれば、排ガス中のエアロゾル濃度に基づいて焼結主排ガスの白色化の程度を予測する。そのため、硫黄化合物が少ない定常状態でも適用でき、白色化を精度よく予測できる。また、ダストとして、エアロゾルを測定するため、集塵機で回収できない微細粒子の白色化への影響を考慮でき、白色化を精度よく予測できる。
本発明では、焼結排ガス中のエアロゾル濃度と焼結主排ガスの白色化の対応関係を求める対応関係算出工程を、前記測定工程の前に実施することが好ましい。
本発明によれば、焼結主排ガス中のエアロゾル濃度と焼結主排ガスの白色化の対応関係を、予め求めるため、測定工程では白色化の程度を測定しなくても、エアロゾル濃度から白色化を予測できる。
本発明では、前記対応関係算出工程は、粒径が1μm以下のエアロゾル濃度と排ガスの白色化の対応関係を求める工程であり、前記測定工程は、粒径が1μm以下のエアロゾル濃度を測定する工程であることが好ましい。
本発明によれば、白色化との相関がより強い、粒径が1μm以下のエアロゾル濃度を測定し、測定値に基づき白色化を予測するため、白色化を、より精度よく予測できる。
本発明では、前記対応関係算出工程は、焼結主排ガスの流路に配置した配管から吸引した焼結主排ガスから、エアロゾルスペクトロメーターを用いてエアロゾル濃度を逐次計測し、さらに焼結時の焼結主排ガスの白色化を測定して前記対応関係を求める工程であり、前記測定工程は、焼結主排ガスの流路に配置した配管から吸引した焼結主排ガスから、エアロゾルスペクトロメーターを用いてエアロゾル濃度を逐次計測する工程であることが好ましい。
本発明によれば、エアロゾル濃度の測定が、逐次計測による連続処理である。そのため、バッチ処理のように、予め排ガス中のエアロゾルをフィルター等で捕捉してから計測する処理と比べて、エアロゾルの捕捉率が高く、計測精度を高められ、かつ排ガスの白色化を迅速に判断できる。
本発明では、前記測定工程は、実機に適用予定の前記操業条件として、実機で使用予定の焼結原料を用いた条件で焼結実験を行って焼結排ガス中のエアロゾル濃度を測定する工程であることが好ましい。
本発明によれば、操業条件として焼結原料を変更した場合のエアロゾル濃度を測定工程で測定するため、エアロゾル濃度に影響しやすい焼結原料の変更の際に、白色化を事前に精度よく予測できる。
本実施形態に係る白色化予測方法の概要を示すフロー図。 焼結実験装置の例を示す図。 図2のサンプリング装置の詳細図。 比較例1(炭材Aを用いた試験)と実施例3(炭材Iを用いた試験)の、焼結経過時間とエアロゾル濃度の関係を示す図。 図4において、発生したエアロゾル濃度の粒度分布を示す図。 実施例において、白色化レベルとエアロゾル濃度の関係を示す図。 実施例において、白色化レベルと、炭材の揮発分の関係を示す図。 実施例において、白色化レベルと、Total-Sの関係を示す図。
以下、図面に基づき、本発明に好適な実施形態を詳細に説明する。
まず、本発明の背景について、簡単に説明する。
非特許文献1および特許文献1に示すように、焼結主排ガスの白色化の原因の一部が、硫黄化合物やダストにあることは公知である。
一方で、焼結主排ガスには硫黄化合物やダスト以外の成分も含まれており、これらと白色化の関係も測定できれば、より白色化の推定精度が上昇すると考えられる。
また、ダストについても、集塵機で回収不可能な大きさのダスト(ミストも含む)と白色化の関係も測定できれば、より白色化の推定精度が上昇すると考えられる。
そこで、本発明者らは、焼結主排ガス中のエアロゾルが白色化に影響しないか調査した。理由は、エアロゾルは空気中に浮遊する微粒子であり、従来の白色化の指標として用いられる硫黄化合物由来の粒子やダストの一部を含むため、白色化に影響する可能性が高いためである。また、エアロゾルを白色化の指標に用いれば、従来の白色化の指標に加えて、硫黄化合物以外の微粒子や、集塵機で回収不可能な大きさの粒子のように、従来は白色化との関係が明らかでなかった粒子も含めた評価が、可能ではないかと考えたためである。
そこで、本発明者らは、焼結主排ガス中のエアロゾル濃度と白色化の関係を調査した。
その結果、エアロゾル濃度は、焼結主排ガスの白色化と強い相関があることが明らかになったため、本発明を創出するに至った。
以上が本発明の背景である。
次に、図1を参照して、本実施形態に係る焼結主排ガスの白色化予測方法の概要について説明する。
まず、焼結主排ガス中のエアロゾル濃度と焼結主排ガスの白色化の対応関係を求める(図1のS0、対応関係算出工程)。
次に、実機に適用予定の操業条件で焼結実験を行って焼結主排ガス中のエアロゾル濃度を測定する(図1のS1、測定工程)。
最後に、S0で求めた、焼結主排ガス中のエアロゾル濃度と焼結主排ガスの白色化の対応関係に基づいて、S1の操業条件で実機の焼結操業を行う際の焼結主排ガスの白色化の程度を予測する(図1のS2、予測工程)。
以上が白色化予測方法の概要である。
次に、図1の各工程の詳細を説明する。
<S0:対応関係算出工程>
S0は、焼結主排ガス中のエアロゾル濃度と焼結主排ガスの白色化の対応関係を求める工程である。
具体的には、異なる操業条件で複数の焼結試験を行い、試験毎にエアロゾル濃度と白色化の程度を測定し、エアロゾル濃度と白色化の関係を求める。ここでいうエアロゾルとは、空気中に浮遊する微粒子を意味する。
過去にS0と同様の試験を実施する等して、対応関係が予め求められている場合、S0は省略してもよい。S0を省略することにより、測定工程(S1)を実施する度に対応関係を求め直す必要がなく、測定に要するコストと時間を削減できる。
焼結試験に用いる装置は、エアロゾル濃度と白色化の程度の試験結果が、実機の焼結機と相関を有するものであれば特に限定されない。例えば鍋試験装置を用いたものが挙げられる。エアロゾル濃度と白色化の程度の関係を実機の操業解析から求められるのであれば、実機を用いてもよい。
図2および図3に鍋試験装置を用いた焼結試験装置を例示する。
図2に示すように、焼結試験装置100は、焼結鍋1、吸引管3、点火装置6、ブロア5、排出管7、煙突9、およびエアロゾル測定部11を備える。
焼結鍋1は焼結原料を焼結する円筒状の容器であり、上端が開放され、下端は図示しない火格子を備える。
吸引管3は焼結時に焼結鍋1内の空気を吸引する管である。吸引管3は焼結鍋1の下端に接続される。
ブロア5は吸引管3の下端に接続され、吸引管3に負圧を与える。
排出管7は、排ガスをブロア5から煙突9に導く管であり、ブロア5に下端が接続される。
煙突9は排ガスを排出する筒であり、排出管7の上端に接続される。
エアロゾル測定部11は焼結主排ガス中のエアロゾル濃度を測定する装置である。エアロゾル測定部11は、エアロゾル濃度を測定可能な構造であれば特に限定されないが、図3に示す構造を例示できる。
図3に示すように、エアロゾル測定部11は、導入管13、希釈器15、センサー17、エアロゾルスペクトロメーター19、ドライヤー21、フィルター23、流量計25、吸引ポンプ27を備える。
導入管13は、焼結排ガスをエアロゾル測定部11内に吸引する配管であり、焼結排ガスの流路に配置される。導入管13は、ブロア5よりも下流に設けられるのが好ましい。図3では、排出管7内に設けられている。これは、吸引管3のような、ブロア5よりも上流の流路に導入管13を設けると、焼結で生じた水分により、導入した焼結排ガスが結露しやすいためである。また、ブロア5による負圧の影響を受け、エアロゾル測定部11に導入する焼結排ガスの流量調整が難しくなるためである。
希釈器15は、焼結主排ガスを空気で希釈してエアロゾル濃度を下げる装置である。希釈器15は、焼結主排ガスが、エアロゾルスペクトロメーター19の測定限界濃度を超えるエアロゾルを含む場合に、設けられる。
希釈器15に供給される空気は、コンプレッサー15Aから供給される。その過程で、結露防止のためにドライヤー15Bで水分を除去され、レギュレーター15Cで圧力を調整され、ヒーター15Dで温度を調節される。
センサー17はエアロゾルを検出する検出部である。ここは、エアロゾルが流れる流路であり、かつ検出用の光が通過する光路でもある。
エアロゾルスペクトロメーター19は、エアロゾル濃度を測定する装置である。ここでは、センサー17の光路に光を照射し、照射した光が、エアロゾルによって散乱される現象を利用してエアロゾル濃度を測定する装置である。
ドライヤー21は、焼結主排ガスから水分を除去する乾燥器である。流量計25は焼結主排ガスの流量を測定する装置である。吸引ポンプ27は、焼結主排ガスをエアロゾル測定部11内に導入するポンプである。
鍋試験装置を用いた焼結試験は、例えば以下の手順で行う。
まず、異なる操業条件を設定する。異なる操業条件は、例えば焼結原料の種類や配合率が異なるものが挙げられるが、エアロゾル濃度と白色化の相関が得られる条件であれば、焼結原料の種類や配合率が異なる場合に限定されない。
次に、異なる操業条件毎に焼結試験を行う。
焼結試験は公知の鍋焼結試験と同様である。試験時に発生した焼結主排ガス中のエアロゾル濃度を、エアロゾル測定部11で測定する。
エアロゾル濃度の測定は、逐次計測による連続処理で測定するのが好ましい。これは、バッチ処理のように、予め排ガス中のエアロゾルをフィルター等で捕捉してから計測する処理と比べて、捕捉率が高く、計測精度を高められるためである。また、焼結の開始から終了までのエアロゾル濃度の経時変化も測定できるためである。
エアロゾル濃度は、例えば、焼結主排ガス単位体積当たりのエアロゾルの個数(個/ml)で表せる。エアロゾル濃度は、焼結中に変動する(経時変化する)ため、焼結の開始から終了までの平均値を用いることが好ましい。
エアロゾル濃度は、粒径が1μm以下のエアロゾル濃度を求めるのが好ましい。これは、粒径が1μm以下のエアロゾルは、白色化への影響が強いためである。
ここでいう粒径とは、エアロゾルスペクトロメーター19で求めたエアロゾル粒子の最大径を意味する。
エアロゾルの組成は、特定しなくてもよい。組成を特定しなくても、エアロゾルの濃度から白色化を予測できる点も、本実施形態の有利な点である。
エアロゾル濃度の測定と同時に、煙突9から排出される焼結主排ガスの白色化の程度も観察する。
白色化の程度は、目視により決定できる。焼結主排ガスを撮影して二値化等の画像解析を行うことにより、白色化の程度を測定してもよい。
白色化の程度は、少なくとも、白煙が確認されるか、されないかの2段階評価である必要がある。目視であれば、白煙の発生量に応じて、4段階程度で評価できる。
次に、エアロゾル濃度の測定結果と、焼結排ガスの白色化の程度の測定結果から、両者の関係を求める。
エアロゾル濃度と、白色化の程度の関係を4段階のレベルで表した例を表1に示す。
Figure 0007077832000001
最後に、必要に応じて、S2の試験における合格基準(エアロゾル濃度の管理上限)を求める。例えば、表1でレベル2以下を合格基準とすれば、エアロゾル濃度の管理上限は15000個/ml未満になる。
以上がS0の説明である。
<S1:測定工程>
次に、S1の詳細について、説明する。
S1は、実機に適用予定の操業条件で焼結実験を行って、焼結排ガス中のエアロゾル濃度を測定する工程である。
実機に適用予定の操業条件とは、例えば実機で使用予定の焼結原料を用いた条件(焼結原料を現在の操業条件から変更した条件)が挙げられる。焼結原料はエアロゾル濃度に影響しやすいので、操業条件として焼結原料を変更した場合のエアロゾル濃度を測定すれば、白色化を事前に精度よく予測できる。
ただし、操業条件は焼結原料を変更した条件に限定されない。他の条件を変更した条件としてもよい。
焼結試験の装置はS0と同じ装置が挙げられる。
エアロゾル濃度の測定方法はS0と同じである。白色化の程度はエアロゾル濃度から予測するので、S1では目視等で白色化の程度を測定する必要はない。
エアロゾル濃度の測定は、逐次計測による連続処理で測定するのが好ましい。理由はS0で述べた通りである。
エアロゾル濃度は、S0と同じ単位とする。例えば焼結主排ガス単位体積当たりのエアロゾルの個数(個/ml)で表せる。エアロゾル濃度は、焼結中に変動するため、焼結の開始から終了までの平均値を用いることが好ましい。
エアロゾル濃度は、粒径が1μm以下のエアロゾル濃度を求めるのが好ましい。理由はS0で述べた通りである。
以上がS1の説明である。
<S2:予測工程>
S2では、S0で求めた対応関係、およびS1で求めた焼結主排ガス中のエアロゾル濃度から、S1の条件(実機に適用予定の操業条件)で実機の焼結操業を行う際の焼結主排ガスの白色化の程度を予測する。
具体的には、S1で求めたエアロゾル濃度が、白色化の程度の段階評価のうち、どの段階に該当するかを求める。例えば、S1で求めたエアロゾル濃度が20000個/mlの場合、表1に当てはめると、レベル3(△)となり、実機に用いた場合に白煙が発生する可能性が高いと予測できる。また、レベル2が合格基準の場合、レベル3では合格基準を満たさないと予測する。
S2において、白色化レベルが合格基準を満たす場合は、使用予定の原料を実操業に用いる。例えば、合格基準が表1のレベル2である場合、レベル2以下のエアロゾル濃度であれば、使用予定の原料を実操業に用いる。
白色化レベルが合格基準を満たさない場合は、以下の対応が例示できる。
まず、適用予定の操業条件は実機に適用せず、操業条件の変更を検討する。原料を変更する予定だった場合、原料はそのままでは使用せず、新たな配合条件の設定等の操業条件の変更を検討する。
新たな配合条件の設定に関する、指針は従来知見に従う。現時点では、エアロゾル粒子としては、アルカリなどの塩化物や硫酸塩、酸化鉄粒子などが特定されている(ISIJ International, Advance Publication_ISIJINT-2015-412)。ただし、エアロゾル濃度を低減するための確実な手段を特定するには至っていない。新たな配合を策定する際は、VM(Volatile Matter)やS含有量の低い炭材への置換、アルカリ含有量の低い鉄鉱石への置換、油分の高いスケールの使用を控える、等の条件変更を適宜試みる。さらに、条件変更後の条件でS2を再度実施し、白色化レベルが合格基準を満たす条件を探す。
以上がS2の説明である。
このように、本実施形態によれば、実機に適用予定の操業条件で焼結実験を行って、焼結主排ガス中のエアロゾル濃度を測定し、対応関係に基づいて、実機に適用予定の操業条件で焼結操業を行う際の、焼結主排ガスの白色化の程度を予測する。
そのため、硫黄化合物が少ない定常状態でも適用でき、白色化を精度よく予測できる。また、ダストとして、エアロゾルを測定するため、集塵機で回収できない粒子の白色化への影響を考慮でき、白色化を精度よく予測できる。
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例には限定されない。
焼結試験装置100を用いて、種々の炭材を含む焼結原料の焼結実験を行い、排ガス中のエアロゾル濃度を測定して白色化との関係を求めた。具体的な手順は以下の通りである。
まず、焼結原料として、表2~表4に示す条件の試料(参考例1、実施例1~4、比較例1~6)を用意した。
表2は試料の配合率を示し、返鉱および炭材の配合比率は外数である。なお、表2に示す炭材の配合率は、粉コークスの投入量を4.5質量%とした場合の、ドライベースでの固定炭素投入量を意味する。実際の配合量は、固定炭素投入量が粉コークスと同等となるように各炭材の配合量を調整している。
表3は炭材の粒度分布を示し、粉砕および分級によって、表3に示す粒度に調整した。これは、粒度が変わると、炭材の種類以外の操業条件も変える必要があるが、今回の試験では、炭材以外の操業条件は変えないためである。表3における「0.25未満」とは、目開き0.25mmの篩を通過した炭材を意味する。「0.25以上、0.5未満」とは、目開き0.25mmの篩を通過しないが、目開き0.5mmの篩を通過する炭材を意味する。「0.5以上、1未満」とは、目開き0.5mmの篩を通過しないが、目開き1mmの篩を通過する炭材を意味する。「1以上、3未満」とは、目開き1mmの篩を通過しないが、目開き3mmの篩を通過する炭材を意味する。「3以上、5未満」とは、目開き3mmの篩を通過しないが、目開き5mmの篩を通過する炭材を意味する。
表4は焼結原料中の炭材の種類である。
工業分析は、JIS M 8820の規定に基づき分析した結果である。元素分析(C,H,N)は、LECO社製CHN628を用い、JIS M 8819の規定に基づき分析した結果である。元素分析(T-S)は、JIS M 8814の規定に基づき分析した結果である。
Figure 0007077832000002
Figure 0007077832000003
Figure 0007077832000004
次に、図2および図3に示す以下の手順で焼結試験を行った。
まず、焼結原料の原料約70kgを、23rpmで回転する直径1000mmのドラムミキサーに投入し、1分間混合した。次に、混合した原料の総質量に対して7.5質量%の水をドラムミキサーに内に添加して、さらに4分間造粒し、焼結原料を作製した。
次に、直径300mm、深さ600mmの焼結鍋1に床敷鉱を1.5kg敷設した。次に、焼結原料65kgを床敷鉱上に装入して、焼結鍋1内に焼結原料層を形成した。
次に、ブロア5を作動させ、焼結鍋1の下方から負圧1530kPaで空気を吸引することで、焼結原料層内を上方から下方に向かう空気流を生じさせた。その後、焼結原料層の表面を、点火装置6のガスバーナーで90秒間加熱することで焼結原料層を点火し、焼成を進行させた。
焼結中に、図3に示すように、エアロゾル測定部11を用いて、排出管7内のエアロゾル濃度を逐次測定した。
エアロゾルスペクトロメーター19は、PALAS社製エアロゾルスペクトロメーター(Promo2000)を用いた。センサー17はPALAS社製センサー(2070H)を用いた。
具体的な測定手順は以下の通りである。
まず、排出管7内の排ガスを吸引ポンプ27で吸引して取り込んだ。
同時に、コンプレッサー15Aから、ドライヤー15B、レギュレーター15C、ヒーター15Dを介して120℃に加熱、乾燥された希釈空気を、希釈器15(DEKATI社DI-1000)に送り込んだ。希釈器15内で排ガスと希釈用空気を混合し、温度を110℃に調整した後に、センサー17へ導入し、光路上に浮遊する粒子をエアロゾルとしてセンサー17で検出し、粒子径(最大径)および濃度(個/ml)を求めた。
センサー17に導入される気体の混合比は、体積比で、排ガス:希釈空気=1:7(希釈倍率8倍)とした。以後に示すエアロゾル濃度の測定値はすべて希釈後の気体の測定値である。センサー17に導入される気体の流量は、センサー17の仕様に合わせて5l/minとした。
エアロゾル濃度は、焼結の開始から終了までの測定値の平均値とした。
さらに焼結時に煙突9から排出される焼結主排ガスの白色化の程度も測定した。測定は目視で行い、表1に示すような4段階評価とした。
試料ごとのエアロゾル濃度と白色化の関係を表5に示す。表5では、参考までに、表4記載の炭材の揮発分およびTotal-Sの割合も示す。
比較例1および実施例3のエアロゾル濃度と焼結経過時間の関係を図4に、エアロゾルの粒度分布を図5に示す。
さらに、表5から求めた、白色化レベルとエアロゾル濃度、炭材の揮発分、およびTotal-Sの関係を図6~図8に示す。
Figure 0007077832000005
図4に示すように、焼結試験の開始(焼成開始)と共に排ガス中にエアロゾルの存在が検出され、焼成の進行に伴って、さらに右肩上がりで増加したが、焼成の完了と共にエアロゾルは検出されなくなった。この傾向は全ての試料で同様であった。
図5に示すように、検出されたエアロゾルはその大半が粒径1μm以下の微細粒子であった。いずれの炭材使用時であってもこの結果は同様であった。
表5に示すように、目視での白煙の観察でも、白色化レベルは4段階で評価することができた。
表5および図6に示すように、白色化レベルはエアロゾル濃度と関係があり、エアロゾル濃度が小さい炭材(粉コークス、炭材D、E、J)を用いた場合には、白煙の発生はほとんど確認されなかった。また、比較的エアロゾル濃度が小さい炭材(炭材I)を用いた場合には、主として焼成完了間際に白煙の発生こそ確認されたものの、焼成中を通じてその発生はわずかであった。
一方でエアロゾル濃度が大きい炭材A、B、C、F、G、Hを用いた場合には、焼成開始当初から明らかに白煙が発生している様子が確認された。その中でも特にエアロゾル濃度が大きい炭材A、B、Fに関しては、白色化レベルが最大であり、最も多くの白煙が発生した。
表5から、白色化レベルとエアロゾル濃度の対応関係を求めると、表1に示す関係が得られた。表1によれば、白煙を目立たなくする(白色化レベルが2以下)ためには、エアロゾル濃度が、15000個/ml(8倍希釈)以下となる炭材を用いる必要があることがわかった。
一方で、表4、図7、および図8に示すように、白色化レベルと各炭材の揮発分や硫黄含有量とに間には相関が認められなかった。チャーに関しては、いずれもほぼ同様な揮発分(分析値)であるが、エアロゾル濃度には大きな差があった。エアロゾル濃度が大きい炭材F、G、Hに関しては、チャー製造の際に、乾留が不十分だったため、いわゆる「生焼け」となり、揮発分の平均値である分析値よりも、高い揮発分を有する成分が、残っていたためと推測される。
また炭材A(無煙炭)および炭材I(チャー)の揮発分は同じであるが、エアロゾル濃度および目視により確認した白色化レベルには大きな違いがあった。そのため、無煙炭とチャーのような、炭種の違いも白煙の発生とは相関が認められなかった。
以上の結果から、焼結試験におけるエアロゾル濃度と白色化の程度には相関があることがわかった。そのため、焼結試験でのエアロゾル濃度から、実機での白色化の程度を予測可能であることが示唆された。
1…焼結鍋、5…ブロア、7…排出管、11…エアロゾル測定部、17…センサー、19…エアロゾルスペクトロメーター、100…焼結試験装置。

Claims (2)

  1. 焼結排ガスの流路に配置した配管から吸引した焼結主排ガスから、エアロゾルスペクトロメーターを用いてエアロゾル濃度を逐次計測し、さらに焼結時の焼結主排ガスの白色化を測定して、焼結主排ガス中のエアロゾル濃度と焼結主排ガスの白色化の対応関係を求める対応関係算出工程と、
    前記対応関係算出工程の次に、実機に適用予定の操業条件として、前記実機で使用予定の焼結原料を用いた条件で焼結実験を行って焼結排ガスの流路に配置した配管から吸引した焼結主排ガスから、エアロゾルスペクトロメーターを用いてエアロゾル濃度を逐次計測する測定工程と、
    焼結主排ガス中のエアロゾル濃度と焼結主排ガスの白色化の対応関係に基づいて、前記操業条件で実機の焼結操業を行う際の焼結主排ガスの白色化の程度を予測する予測工程と、
    を実施することを特徴とする焼結主排ガスの白色化予測方法。
  2. 前記対応関係算出工程は、粒径が1μm以下のエアロゾル濃度と焼結主排ガスの白色化の対応関係を求める工程であり、
    前記測定工程は、粒径が1μm以下のエアロゾル濃度を測定する工程であることを特徴とする、請求項に記載の焼結主排ガスの白色化予測方法。
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