JP5742495B2 - 焼結実験装置 - Google Patents

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本発明は、焼結実験装置に関し、特に、高炉原料用の焼結鉱の製造過程の局所的な反応部分や状況を模擬実験するために用いて好適なものである。
高炉を有する一貫製鉄所では、安価であり且つ良質の銑鉄を安定的に生産することが最重要項目である。銑鉄を生産する高炉の主原料は鉄鉱石である。鉄鉱石は、一般的に、その粒径により、塊鉱(>5[mm])と粉鉱(≦5[mm])とに分類される。通常、粉鉱は塊鉱に比べより安価である。しかしながら、粉鉱を高炉に直接投入した場合、炉内が密に充填してしまう。その結果、高炉操業において必須である「下方からの熱風の送風」が阻害され、連続的な還元反応が滞る。このため、安定した銑鉄の生産を困難になる。
そこで、1200[℃]から1400[℃]度の熱で粉鉱を焼き固め、予め一定サイズ以上の粒径を持った焼結鉱を生成する原料前処理方法が一般的に行われている(以下、この「原料前処理」を「焼結鉱製造」と称する)。
焼結鉱製造の方式としては、高炉の高生産性に合わせた連続生産方式のDwight−Lloyd方式(以下、この方式を「DL方式」と称する)が主であり、その他にバッチ生産方式のGW式、AIB式がある。いずれの焼結鉱製造の方式も、主原料の鉄鉱石に、副原料の石灰や珪砂等と、熱源となる炭材(粉状のコークスや石炭)等を、一定の比率で混合し、これにバインダーとなる水等を加え、回転ドラム等で造粒したものを焼結原料とする。焼結原料は、焼結機のパレット上に敷き詰められる。その後、バーナー等で上方の焼結原料に内装された炭材を着火する。炭材の燃焼熱は、燃焼原料の下方からの空気の吸引(以下、この吸引を「下方空気吸引」と称する)によって焼結原料内を伝熱し、順次炭材の着火を起こし、熱伝播が起きる。これにより、焼結原料全体が焼結される。このような、焼結原料に内装された炭材の燃焼熱と下方空気吸引とによる、内熱下方吸引式による焼結鉱の製造が、高炉用の焼結鉱の製造では一般的である。
焼結鉱に求められる性状としては、前述の塊成化による粒径の拡大化だけではなく、ベルトコンベア等での運搬や高炉への投入時の衝撃によって紛化しない冷間強度や、高炉内の低中温域での難紛化性や、高炉内の高温域での被還元性などがある。また、自溶性焼結鉱とも呼ばれる、カルシウム分を多く含んだ焼結鉱を用いて高炉の操業を行うと、鉄鉱石と石灰石とを用いて高炉の操業を行う場合よりも、コークス等の還元剤の比率を大幅に削減することが可能である。したがって、焼結鉱の製造・利用は、製鉄業のコスト削減のみならず、二酸化炭素(CO2)の発生量を削減することが可能である等、環境問題への対策からも必須である。
以上のような焼結鉱製造の予備実験や焼結鉱の性状解析には、特許文献1や特許文献2に記載されているような鍋試験と呼ばれる大規模実験が行われる。鍋試験では、まず、50[kg]程度の焼結原料を、耐火物を敷き詰めた鍋状炉に投入する。そして、焼結原料の表面部に着火し下方から空気の吸引を行う。鍋試験は、DL方式の連続生産とは異なり、バッチ式ではあるが、全体の熱履歴をおおよそ模擬する事が可能である。鍋試験で得られた焼結鉱について、各種性状試験が行われる。鍋試験で発生したガスの一部をガス検知器によって測定することによって、主に、二酸化炭素(CO2)、一酸化炭素(CO)、酸素(O2)、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)についての濃度測定が可能である。このように、鍋試験は、比較的大規模の実験であり、製造予備実験、焼結鉱の性状、及び発生ガスのあらかたの濃度に関しての知見を得る目的には有効である。
一方で、焼結鉱製造の過程はDL方式(連続生産方式)であるものの、原料の層厚方向及び、反応の進行方向について伝熱が不均一となることは良く知られており、歩留り向上による生産性の向上のための条件の設定には困難な調整を必要とする。この焼結原料における伝熱の不均一性は鍋試験にも見られるが、鍋試験では、実験規模が大きく、反応検出端が不足しているために、温度、ガスの流れ、及び発生ガスの変化に関する局所の観察は困難である。さらに、鍋試験では、局所的な状況を模擬する目的で、各条件を意図的に制御することも困難であるため、鍋試験は、焼結原料における伝熱の不均一性の解明には十分な実験方法ではなかった。
ところで、焼結原料となる粉鉱石については、近年、劣質化が顕著であると言われている(非特許文献1を参照)。この粉鉱石の劣質化の原因として、焼結鉱の強度や還元性を下げると見られる物質の増加が挙げられる。例えば、酸化鉄の組成の変化の他、鉱石中の結晶水やアルミナ成分の増加が指摘されている。これら物質の焼結鉱への影響は各種報告がある。しかしながら、焼結鉱製造過程における、各成分系の反応への影響、詳細について完全には解明されていない。
焼結鉱製造とは分野が異なるが、焼結現象を利用した他の物質系としてセラミックスが挙げられる。高機能セラミックスにおいては、各成分の機能への影響を解析することは一般的に行われている。特許文献3には、各成分について置き換え可能な元素系や、濃度の機能に対する影響に加え、製造時の化学反応式についても開示されている。
また、焼結鉱製造過程では、炭材の燃焼と共に発生する、環境負荷ガスの窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)が問題となる。NOxやSOxの発生量は、製鉄所全体の約半分を占める(非特許文献2を参照)。環境負荷ガスの排出量の削減のための対策として、発生排ガスを脱硫、脱硝することが一般的に行われている。しかしながら、高効率の脱硫、脱硝を行うための設備は高価であり、かつ、多大なスペースを必要とし、さらに設置後の運転費も非常に高コストである。炭材の燃焼時に発生するNOxやSOxは、それぞれ炭材中の窒素成分や硫黄成分が発生源であると考えられている。そのため、脱硫、脱硝を行うための設備に頼らずにNOxやSOxを低減するために、低窒素、低硫黄の炭材を利用することが考えられるが、このような炭材の入手地域が限られるなどの問題がある。一方、炭材の燃焼時のNOxやSOxの発生を、燃料中の窒素、硫黄の化学形態から推定し、その抑制方法を提案、実証することは行われているが、そのためには、化学形態の異なる炭材について、燃焼環境、ガス雰囲気を制御した多水準の実験が必須である。
以上のような焼結鉱製造に関わる課題を、周辺、類似分野の取組みと同等に行おうとする場合、焼結鉱製造では鉄鉱石や石炭など天然物を取り扱うため、反応が複雑化するという問題点がある。ここで化学的な観点で現象を単純化して解明しようと考えた場合、各物質を成分が既知の試薬に置き換えることが考えられる。しかしながら、鍋試験による焼結実験を行うためには、焼結原料量がkgオーダーであるため非常に多大なコストが必要となる。さらに各種成分の焼結反応への影響を明らかにするためには、焼結前後での全物質の化学構造や性質の変化を比較する必要がある。したがって、化学分析を完了した多水準の焼結原料を用い、生成物と副生成物とを見分ける等の全量の定量化学分析を実施する事が必要となるが、一般的な分析手法では、kgオーダーの試料を全量解析することは現実的ではない。加えて各物質の濃度の変化、反応温度のコントロールなど多水準の実験を行う必要があるが、鍋試験では一度の実験に長時間が必要であり、このような多水準の実験には不向きである。また、炭材中の窒素、硫黄によって炭材の燃焼時に発生するNOx、SOxの抑制を解明する目的に使用する場合、鍋試験では以上の問題に加え、以下のような問題がある。すなわち、鍋試験で空気吸引操業を模擬する場合、ガス発生量の一部から全体量を類推する必要がありガスの全発生量を正確に捉えることは困難である。また、鍋試験では、燃焼に関わる「熱量の操作」は出来ず、焼結原料における伝熱の不均一性について考慮することは不可能であった。
焼結鉱製造過程をより少量の焼結原料にて模擬実験を行う方法としては、電気炉を用いた外熱方式の実験が行われている(非特許文献4を参照)。電気炉による実験は化学成分の焼結鉱へ与える影響について観察する手法としては有効である。しかしながら、電気炉による実験では、炭材の燃焼による内熱式の加熱を行うことは出来ず、焼結反応におけるガス雰囲気の変化の影響について模擬することが出来ない(非特許文献5を参照)。さらに、電気炉による実験ではガス吸引を行っていないため、焼結実機の伝熱の効果についても模擬実験としては不十分であった。一方、少量の焼結原料の内熱方式の加熱では容積に対する炭材の量が少な過ぎるために、抜熱が大きく、焼結機を模擬する1200℃〜1400℃の温度の熱を得ることは困難であった。
以上に示した通り、従来では、焼結鉱製造における各種課題を解決するための、内熱下方吸引式で少量・多水準の模擬実験を実現可能な焼結実験装置はなく、焼結鉱製造過程を化学反応の観点から解析することは困難であった。
特開平7−316675号公報 特開2008−19455号公報 特開2007−63036号公報
肥田行博,「劣質鉱石対応技術」,鉄と鋼,社団法人 日本鉄鋼協会,第83巻(1995)第4号,p263 鉄鋼便覧 第4版,社団法人 日本鉄鋼協会 燃焼生成物の発生と抑制技術,株式会社テクノシステム 大友崇穂、田口昇,「ピソライト鉱石を原料とした焼結鉱に存在する粗大気孔の生成に対する融液性状の影響」,素材物性学雑誌,日本素材物性学会,第13巻(2000)第2号,p69 町田智、外4名,「鉄鉱石焼結過程で生成する融液の化学組成および粘度の評価」,鉄と鋼,社団法人 日本鉄鋼協会,第92巻(2006)12号,p755
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、熱、空気吸引速度、ガス雰囲気の制御のいずれも操作可能で、少量の焼結原料により化学反応の観点から焼結鉱製造過程を解析する装置を提供することを目的とする。
本発明者らは焼結実験装置開発のため、種々の検討を行った。その結果、より少量の焼結原料による、焼結実験が可能な下記(1)から(4)の特徴を持つ装置を開発した。
本発明の要旨は以下(1)〜(4)の通りである。
(1)焼結原料と加熱補助剤からなる試料を保持する中空の試料保持部と、前記試料保持部と配管にて接続された空気吸引部と、前記試料保持部に保持された試料を加熱する加熱部であって、複数の加熱手段を有する加熱部、前記加熱部を制御する制御部とを有し、前記試料保持部の、前記試料が充填される領域の内径は、5[mm]以上20[mm]以下であり、前記試料保持部の、前記試料を充填する部分の高さは、2[mm]以上100[mm]以下であり、前記空気吸引部は、前記試料から流出するガスを吸引し、前記加熱部は、前記空気吸引部によりガスが吸引されているときに、前記試料に含まれる前記加熱補助剤を着火し、前記試料を燃焼させ、前記制御部は、前記複数の加熱手段の動作を制御して、前記試料の温度を調節することを特徴とする焼結実験装置。
(2)前記試料保持部は、二重管構造を有し、前記試料保持部の内管に前記試料が収容され、前記試料保持部の外管に加熱補助燃料が収容され、前記加熱部は、前記試料に含まれる前記加熱補助剤と、前記加熱補助燃料とを略同時に着火することを特徴とする(1)に記載の焼結実験装置。
(3)焼結原料と加熱補助剤からなる試料を保持する中空の試料保持部と、前記試料保持部と配管にて接続された空気吸引部と、前記試料保持部に保持された試料を加熱する加熱部とを有し、前記試料保持部の、前記試料が充填される領域の内径は、5[mm]以上20[mm]以下であり、前記試料保持部の、前記試料を充填する部分の高さは、2[mm]以上100[mm]以下であり、前記空気吸引部は、前記試料から流出するガスを吸引し、前記加熱部は、前記空気吸引部によりガスが吸引されているときに、前記試料に含まれる前記加熱補助剤を着火し、前記試料を燃焼させ、前記試料保持部は、二重管構造を有し、前記試料保持部の内管に前記試料が収容され、前記試料保持部の外管に加熱補助燃料が収容され、前記加熱部は、前記試料に含まれる前記加熱補助剤と、前記加熱補助燃料とを略同時に着火することを特徴とする焼結実験装置。
(4)前記空気吸引部により吸引されたガスの全部または一部を逐次検出する検出器をさらに有し、前記試料の燃焼の進行と同時に、前記検出器で検出されたガス種を特定し定量分析することを特徴とする(1)〜(3)の何れかに記載の焼結実験装置。
本発明によれば、より少量の焼結原料による焼結実験が実現でき、焼結鉱の製造過程における局所状況の再現、化学反応の観点からの解析を可能とし、焼結鉱の生産性の向上、高品質な焼結鉱の製造、劣質原料の利用方法の検討、副生ガスの抑制等を目的とした実験を実施する際に、より精度よく、かつ多水準を短時間に実行可能とし、より高度な現象理解に基づき目的達成を容易にすることができる。特に、熱、ガス雰囲気、吸引速度の調節を可能にするため、少量の試料でのモデル実験を可能にする。
焼結実験装置の構成の一例を模式的に示す図である。 試料管部分の構成の一例を示す図である。 試料管の変形例を示す図である。 焼結実験装置を用いた焼結実験によって得られたデータの一例を示す図である。 焼結原料に含まれる炭材の内熱のみによって焼結原料を焼結したときの焼結組織の一例を示す写真である。 焼結原料に含まれる炭材の内熱に加えて、複数加熱を用いて焼結原料を焼結したときの焼結組織の一例を示す写真である。 ガスの発生量・焼結原料の温度の経時変化の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。
本発明の実施形態では、焼結原料に内装された炭材による加熱と、下方空気吸引の伝熱とによる連続反応を、高炉原料用焼結鉱の製造過程の特徴としてとらえ、局所的な反応部分や状況を模擬実験可能にする。以下に、本実施形態の焼結実験装置とその使用方法を具体的に説明する。
図1は、焼結実験装置の構成の一例を模式的に示す図である。焼結実験装置の構成は大きく分けて四部分である。第一の部分は、試料を保持する試料管部分である。第二の部分は、試料管部分を空気吸引するポンプと、試料管部分とポンプ等を接続する配管部分である。第三の部分は、試料を加熱、着火する加熱部部分である。第四の部分は、焼結実験装置の各所に接続する各種検出器部分である。
また、焼結実験装置における試料の最適量は、ターゲットとする解析目的によって変化し得るが、全量の定量解析を第一とする場合、1[g]以下が妥当である。以下では、全量の定量解析を第一とすることを前提として説明する。以下、焼結実験装置の各部分の詳細を示す。
(試料管部分)
第一に、試料管部分の構成について説明する。図2は、試料管部分の構成の一例を示す図である。まず、反応温度である約1400[℃]程度に耐熱可能な素材を用いて、空気による吸引が可能な中空の試料管2を試料保持部として作成する。試料管2の材質としては、SiCや、セラミックス、白金等が使用可能である。また、試料1の反応が短時間である場合、安価な石英を用いて試料管2を作成することも可能である。試料管2として石英を用いた場合、石英は透明であることから、試料1の反応の状態を目視にて確認できる。実験に使用する焼結原料を試料1として充填することを踏まえ、この試料管2の試料1を充填する部分(以下、この部分を「試料充填端部」と称する)の高さHを、2[mm]以上にする。また、試料管2は、一般的な焼結実機の試料充填率である65[%]を実現でき、かつ、実験上50[%]〜99[%]に渡り、(試料充填端部における試料1の)充填率を任意に調整可能であることが好ましい。例えば、1[g]以下の焼結原料(試料1)にて試料管2を充填する場合、試料管2の内径Dは10[mm]以下が適当である。また、試料充填端部の内壁面には、隙間無く試料1が充填されるようにするのが好ましい。また、反応雰囲気を制御するため、試料管2をさらに大径の反応雰囲気制御用容器4で内包する(図1を参照)。よって、試料管2を必要以上に大径とするのは非効率である。一方、試料管2の内径が小径過ぎると、空気の吸引による試料管2の充填部分の流通を確保することが困難になり、実験が困難となる。このため、試料管2の試料充填端部における内径Dは、好ましくは5[mm]以上20[mm]以下の範囲になる。また試料管2の高さHは試料量と充填率によって変えることが有効であるが、1[g]の試料を、内径Dが最小の5[mm]である試料管2に、充填率を最低の50[%]として充填した場合、試料管2の試料充填部の高さHを100[mm]以下(最大でも100[mm])とする。より望ましくは、試料管2の試料充填部の高さHは、加熱装置による加熱が一様となる範囲の高さが有効であるが、本発明者らは、後段に示す電熱式ガスヒーター6と、赤外ランプ7との使用で、試料管2の内径Dと試料1の充填率とが上述した範囲であれば、30[mm]程度の高さHまで試料1を一様に加熱可能であることを確認している。
試料管2の形状は単純な管状構造でも問題ないが、試料管2の試料充填端部の形状を、ロート状や皿状等、下端の径が上端の径よりも小さい形状にすると、適量の試料1を試料管2で安定的に保持可能となり有効である。また、それぞれの形状に試料管2の試料充填端部を加工した場合でも、当該試料充填端部の下方から空気(ガス)を吸引することを可能とする形状にすることが望ましい。さらに試料管2の試料充填端部の下方から空気を吸引することによって、試料充填端部に充填された焼結原料(試料1)が試料充填端部の下方に流れないような形状に試料管2を形成することや、火格子を試料管2の試料充填端部の底付近に設置することも可能である。この他、市販のグラスウール等を試料管2の試料充填端部の底付近に取り付けることによって、空気の吸引を阻害せずに、試料1を固定することも可能である。
図3は、試料管の変形例を示す図である。図3の上側の図は、試料管31の試料充填端部を、その軸に垂直な方向から切ったときの断面図であり、図3の下側の図は、試料管31を、その軸に沿って切ったときの断面図である。
図3に示すように、試料管31を二重管にし、試料燃焼部となる内管31aは、図2に示した試料管2と同様の試料管構造を有する。焼結原料と加熱補助剤とからなる試料1がこの内管31aに装入される。また、外管31bには、さらなる熱源となる加熱補助燃料32(例えば炭材)を導入し、内管31aとは別系統でガスの吸引が可能な構造とすることも望ましい。すなわち、図3に示す試料管31では、実験時に試料1と加熱補助燃料32とに同時に着火することによって、内管31aにおける試料1の焼結反応雰囲気を変えずに、実験時の試料1の到達温度を高めることが可能となる。さらに、内管31aと外管31bに対し別系統でガスの吸引を行うことによって、最も重要な試料燃焼部のガスの検出が可能となる。尚、図3に示すように、試料管31を二重管にした場合、試料管31の試料充填端部における内径Dは、内管31aの内径となる。
(配管部分)
第二に、空気の吸引を行うポンプ5と、試料管2とポンプ5等を接続する配管部分について説明する。焼結実験装置に用いるポンプ5は、試料管2の内径Dに対し、充分な排気量を持っている必要がある。より具体的には、焼結実験装置における排気速度を、焼結鉱製造過程の一般的な排気速度0.2[m/s]〜1.0[m/s]と同等とするため、ポンプ5は、試料管2の内径部分の断面積S[m2]に対し、次式(1)を満たす排気量Q[m3/s]を有する必要がある。
0.2[m/s]<Q[m3/s]/S[m2] ・・・(1)
さらに、ポンプ5の排気量をコントロールできることが望ましい。ただし、排気量を制御できるようなバルブを配管部分等に設置するようにしてもよい。
配管部分のうち、試料管2とポンプ5との接続に用いる配管3の材質は特に規定されないが、副生ガスに含まれる酸性ガスによる腐食を防ぐ目的で、ステンレス製であることが望ましい。試料管2と配管3との接続方法も特に規定されない。ただし、試料管2と配管3との接続部分から副生ガスが漏出しないことが必須である。よって、例えば、溶接や、接着剤の塗布や、熱収縮チューブを用いた密着などの方法で、試料管2と配管3とを接続することができる。さらに、焼結実験装置1のその他の接続部分も、ステンレス製の継ぎ手等を用いることによって、接続部分からのガスの漏出がないようにする。
(加熱部部分)
第三に、焼結原料(試料1)の加熱部部分について説明する。主たる加熱方法は焼結原料に内装された炭材の燃焼熱による内熱方式であり、この炭材への着火器が必須である。着火器による炭材への着火方法は特に規定されないが、より望ましいのは、熱風を温度制御して焼結原料に送風可能な電熱式ガスヒーターによる着火、電流量によって加熱温度をコントロール可能な電熱線の焼結原料への接触による着火、及び、電流量によって加熱温度をコントロール可能な赤外ランプによる着火である。化学分析の目的においては、燃料ガス及び排気ガスが、焼結反応やガスの検出に影響を及ぼすため、熱を得るために燃料が必要な手法(例えばガスバーナーを用いた手法)の使用は避けるべきである。一方、図3に示したように、試料管31を二重構造にした場合には、内管31aに焼結原料(試料1)を保持させると共に、外管31bに加熱補助燃料32を導入し、各々別のガス吸引装置にてガスを吸引しつつ、これらを同時に着火・燃焼させることで、外管31b中の加熱補助燃料32が内管31aの壁部分を加熱し、内管31a中の焼結原料(試料1)の燃焼時に発生した熱が、内管31aの壁等へ抜熱されることを防ぎ、結果として、焼結原料(試料1)の到達温度をより高温にすることが可能である。この手法により、より精度の高い温度、加熱速度のコントロールができる。
さらに、化学反応を熱量の側面から解明する目的で、内熱による加熱に加え、反応中、継続的に試料1を加熱することが可能な、複数の加熱器を設置するのが好ましい。この加熱器としては、前述の着火器からの加熱を継続することでも実現することが可能である。図1に示すように、加熱器を複数台設置し、これらを制御することも、試料1の反応熱を制御するために有効である。複数台の加熱器は前記着火器がそれぞれ有効であるが、本発明者らは、図1に示すように、電熱式ガスヒーター6と赤外ランプ7の同時加熱によって、試料1の着火、加熱、さらに保持温度を容易に制御可能であることを確認している。電熱式ガスヒーター6と赤外ランプ7の動作は、それぞれ制御器8、9によって制御される。
以上の試料管2、配管3、及び各機器6〜8にて実験を実施可能であるが、前述したように、目的に応じて、雰囲気ガスの制御を行う場合には、反応雰囲気制御用容器4にて試料管2を内包する。反応雰囲気制御用容器4の材質として、耐熱のガラスや石英等、透明なものを用いると、反応雰囲気制御用容器4の内部を目視可能となるので望ましい。尚、図1では、電熱式ガスヒーター6は、反応雰囲気制御用容器4の内部において、試料1の着火や加熱や温度保持に適した位置に配置される。一方、赤外ランプ7は、反応雰囲気制御用容器4の外部において、試料1の着火や加熱や温度保持に適した位置に配置される。ただし、電熱式ガスヒーター6と赤外ランプ7は、試料1の着火や加熱や温度保持に適した位置に配置されていれば、反応雰囲気制御用容器4の外部に配置しても内部に配置してもよい。すなわち、電熱式ガスヒーター6と赤外ランプ7の双方を反応雰囲気制御用容器4の内部又は外部に配置しても、電熱式ガスヒーター6を反応雰囲気制御用容器4の外部に配置し赤外ランプ7を反応雰囲気制御用容器4の内部に配置してもよい。
第四に、焼結実験装置の各所に接続する検出器部分について説明する。接続すべき検出器は、実験の目的によって異なるが、いずれの実験においても有効であるため、試料部分や排ガスの温度測定を行う温度計(図1では、試料1の内部の温度測定を行うものとして、R熱電対10及び温度測定器11を示している)と、ガス分析器12と、ガス流量計13と、配管3の負圧計等の設置が望ましい。ガス分析については、対象とするガス種を検出し、定量分析することが可能な測定器であればよい。また、必要に応じて2種以上の複数の測定器を、ガス分析を行う装置として設置することも有効である。例えば、赤外分光器とガス分析セルとを用いると、複数のガス種を逐次検出することが可能であり、且つ、得られた信号のピーク強度から定量分析を容易に行うことができるので有効である。一方、赤外分光器では、赤外に不活性なガス種、例えばO2の検出は出来ないことから、一般的な半導体検出器等を赤外分光器と共に用いる事が望ましい。また、試料1から発生したガス種に含まれる、極少量の物質を検出するためには、MS、TCD法等のより高感度検出器を利用することも有効である。なお、ガス検出については逐次測定が必要でなければ、ガス全部もしくは一部を保管し、その後測定することも可能である。
ガス流量計13は、配管3のいずれの場所にも設置することが可能であるが、焼結原料(試料1)の設置部の近くに配置することが望ましい。また、ガスの流量の時間的な変化について連続的に記録する記録計を配置することも有効である。例えば、デジタル流量計と、ペンレコーダーやコンピュータとを併用することにより、ガスの流量の時間的な変化の記録等を行うことができる。
温度計については、測定したい箇所に各々設置され、焼結原料(試料1)内部の温度測定には高温測定可能なR熱電対10が有効である。また、サーモグラフィーによって、焼結原料(試料1)内部の温度を観察することも可能である。なお、温度の測定に際しては、デジタル温度測定器と、ペンレコーダーやコンピュータとを併用することにより、焼結原料(試料1)内部の温度の時間的な変化の記録等を行うことができる。
次に、焼結実験装置の使用方法について示す。
焼結実験装置の使用方法として、第一に、実験に供する焼結原料(試料1)を予め生成し、試料管2の試料充填端部に設置する。第二に、ポンプ5によって試料管2の内部をその下方から吸引する。このとき、必要に応じて、ガス流量計13により、試料管2の内部から吸引されたガスの流量を確認する。また、必要に応じて、ガスの吸引速度を、ポンプ5又はバルブによって制御する。第三に、着火器によって焼結原料(試料1)の加熱補助剤を着火する。このとき、必要に応じて、温度測定器11によるR熱電対10の温度測定値により、着火後の焼結原料(試料1)の温度上昇を確認する。なお、継続的な加熱やより高い温度での反応を目的とする場合には、複数の加熱器(赤外ランプ7及び電熱式ガスヒーター6)を同時に使用する。また、着火は、試料1の上側表面部に対して行うようにする。
図4は、焼結実験装置を用いた焼結実験によって得られたデータの一例を示す図である。測定を開始した後、約20[sec]後に、焼結原料(試料1)の燃焼が開始し、CO2(グラフ41)、CO(グラフ42)、及びNO(グラフ43)の増加と、酸素濃度(グラフ44)の減少と、焼結原料(試料1)の内部の温度(グラフ46)及びガス流量(グラフ45)の変化が起こっていることが分かる。
以上の使用方法によって、焼結実験を実施可能であり、得られた焼結原料(試料1)の全量を、それぞれ必要な化学分析に供することが可能である。また、焼結原料(試料1)から発生したガスについても、全量又は一部を、逐次又は焼結実験後に分析することが可能である。
以上の焼結実験装置は、特に、高炉原料用の焼結鉱の製造過程の模擬実験、化学反応解析に有効であり、より高性能な焼結鉱製造指針や環境負荷ガス抑制方法の検討に利用可能である。また、その他の、加熱コントロール、ガス吸引並びに雰囲気制御が必要な現象解明の模擬実験装置としても利用可能である。
以上のように本実施形態では、焼結原料と加熱補助剤とを含む試料1を、中空の試料管2の試料充填端部に収容し、試料管2と配管3にて接続されたポンプ5により、試料1の下方からガスを吸引しつつ、赤外ランプ7及び電熱式ガスヒーター6の少なくとも何れか一方により、試料1に含まれる加熱補助剤を着火し、試料1(焼結原料)を燃焼させる焼結実験装置を使って焼結実験を行うようにした。したがって、より少量の焼結原料による焼結実験が実現でき、焼結鉱製造過程における局所状況の再現や、化学反応の観点からの解析を可能とし、焼結鉱の生産性の向上や、高品質な焼結鉱の製造や、劣質原料の利用方法の検討や、副生ガスの抑制等を目的とした実験を実施する際に、より精度よく、かつ多水準の実験を短時間に実行可能とし、より高度な現象理解に基づき目的達成を容易にすることができる。特に、熱、ガス雰囲気、吸引速度の調節を可能にするため、少量の試料でのモデル実験を可能にする。
尚、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
以下に焼結実験装置の実施例を示す。
(実施例1)
少量の焼結原料(試料1)による焼結実験について、単一の加熱方法、すなわち、焼結原料(試料1)に含まれる炭材の内熱のみによって焼結した場合と、焼結原料(試料1)に含まれる炭材の内熱に、電熱式ガスヒーター6と赤外ランプ7による複数加熱を組み合わせた場合の実験結果を表1に示す。なお、焼結原料は、主原料として、鉄鉱石を84[重量%]、石灰を16[重量%]の比率で混合して混合物を生成し、生成した混合物から、800[mg]を測り取り、測り取った混合物に燃焼補助剤として粉状のコークス32[mg](焼結主原料への添加量は4[重量%])を均一になるまで混ぜた後、水48[mg](焼結主原料への添加量は6[重量%])で固めたものを用いた。また、試料管2の試料充填部の高さHを10[mm]とし、内径Dを10[mm]とした。
Figure 0005742495
表1に示す結果から、少量の焼結原料による実験には、複数の加熱方式を設置、使用することで、焼結機実機の反応温度を達成すると共に、焼結原料に与える熱をコントロールできることが分かる。また、図5に、焼結原料(試料1)に含まれる炭材の内熱のみによって焼結原料を焼結したときの焼結組織の写真を、図6に、焼結原料(試料1)に含まれる炭材の内熱に加えて、複数加熱を用いて焼結原料を焼結したときの焼結組織の写真を示す。
(実施例2)
焼結鉱製造における、焼結温度のばらつきに対する発生ガスの化学成分と発生量の関係について解析する目的で、焼結実験装置を用いて実験を行った。主原料として、鉄鉱石を84[重量%]、石灰を16[重量%]の比率で混合して混合物を生成し、生成した混合物から、800[mg]を測り取り、測り取った混合物に燃焼補助剤として粉状のコークス32[mg](焼結主原料への添加量は4[重量%])を均一になるまで混ぜた後、水48[mg](焼結主原料への添加量は6[重量%])で固めたものを焼結原料として用いた。また、試料管2の試料充填部の高さHを10[mm]とし、内径Dを10[mm]とした。
このような焼結原料について、焼結実験装置を用いて、ガス吸引速度を5[L/min]に調整し、内熱に加えて加熱量のコントロールを行い、(1)最高到達温度1100℃、(2)最高到達温度1250℃の二水準について各三回ずつ焼結実験を行い、それぞれの発生ガス量を平均した結果を、表2に示す。表2のガス発生量はIR分光計による測定結果を相対値で表したものである。また、発生ガスについては逐次測定を実施し、温度との比較を行った。
また、このときの実験データを図7に示す。図7は、ガスの発生量・焼結原料の温度の経時変化の一例を示す図である。図7(a)は、焼結原料(試料1)の最高到達温度が1100[℃]のときのものであり、図7(b)は、焼結原料(試料1)の最高到達温度が1250[℃]のときのものである。焼結原料(試料1)に与えられた熱量は、図7(a)のグラフが得られた場合の方が、図7(b)のグラフが得られた場合よりも小さい。
Figure 0005742495
この結果から、同一の焼結原料(試料1)であっても熱量の多寡によって、ガスの発生の様子は大きく異なり、焼結反応が変化すると考えられる。焼結原料(試料1)に与えられる熱量が大きくなると、焼結原料(試料1)から発生するCOの量が大きく増え、NOの量が低下したことは、より高温で活性化されるコークスのソリューションロス反応(C+CO2→2CO)が起きていると共に、NOの還元反応(2NO+2CO→N2+2CO2)が起きていることを示唆している。図7に示すグラフからも、最高到達温度が1250[℃]の場合(図7(b))の方が、最高到達温度が1100[℃]の場合(図7(a))よりも、COがより長時間発生し、NOが少なくなっていることが分かった。実際の焼結鉱製造においても、焼結原料の伝熱量が大きくなる操業を行ったり、焼結原料への熱量を追加したり、焼結機側部の抜熱量を減らしたりすることで、より高い焼結温度が得られることから、これと同じ対策を行うことによって、焼結原料から発生するNOの低減が可能であることが分かった。
(実施例3)
局所的な焼結副原料の量比と、焼結鉱の歩留及び強度との影響を明らかにする目的で、焼結実験装置を用いて実験を行った。焼結主原料として、鉄鉱石と石灰を、重量比で、それぞれ92:8(条件A)、84:16(条件B)、68:32(条件C)の比率で混合して混合物を生成し、生成した混合物から800[mg]を測り取り、測り取った混合物に燃焼補助剤として粉状のコークス32[mg](焼結主原料への添加量は4[重量%])を均一になるまで混ぜた後、水48[mg](焼結主原料への添加量は6[重量%])で固め、焼結原料とした。また、試料管2の試料充填部の高さHを10[mm]とし、内径Dを10[mm]とした。
これらの焼結原料について、焼結実験装置を用いて、ガス吸引速度を5[L/min]に調整し、内熱に加えて加熱量のコントロールを行い、最高温度を1200[℃]程度にコントロールし各三回ずつ焼結実験を行い、それぞれの条件で得られた焼結鉱を全量粉砕し、乳鉢で完全にすりつぶし、粉末X線構造解析を実施した。その結果、焼結中の鉄元素とカルシウム元素とが反応して生成されるカルシウムフェライトの生成量が変化することと、主たる化学組成及び構造の異なるカルシウムフェライトX、Y、Zの三種類を見出した。この結果を表3に示す。
Figure 0005742495
表3に示す結果から、石灰量を増やすことで、焼結強度は増すが、歩留りは低下することが分かった。またカルシウムフェライト量の増加により焼結強度が比例して強くなることが分かった。さらに、カルシウムフェライト構造Xが焼結鉱の強度に影響していることが示唆された。一方、石灰量を増やすことで焼結反応時のCa−Feの融液が発生し易くなるため、焼結鉱中のカルシウムフェライト量が増加する一方、過剰な融液の影響でガスの吸引を阻害しているため、焼結鉱の歩留りが低下することが示された。以上の解析から、石灰の量については最適な量があり、またそのばらつきを抑えることが有効であることが見出された。
(実施例4)
実験時の最高到達温度を高める目的で、図3に示した二重管の試料管31を用いて実験を行った。二重管の試料管31の内管31aに、主原料として、鉄鉱石を84[重量%]、石灰を16[重量%]の比率で混合して混合物を生成し、生成した混合物から、800[mg]を測り取り、測り取った混合物に燃焼補助剤として粉状のコークス32[mg](焼結主原料への添加量は4[重量%])を均一になるまで混ぜた後、水48[mg](焼結主原料への添加量は6[重量%])で固めたものを焼結原料として入れると共に、外管31bには、コークスを粉状にすりつぶしたものを、100[mg]を導入して実験を行った。本実施例では、試料管2の試料充填部の高さHを10[mm]とし、内管31aの内径を10[mm]とし、内管31aの外径を12[mm]とし、外管31bの内径[mm]を16とした。その結果、通常の試料管2での焼結原料(試料1)の最高到達温度が1250℃程度であったのに対し、二重管の試料管31を用いた場合は、焼結原料(試料1)の最高到達温度が1350[℃]に到達した。また、発生ガスに関し、二重管の試料管31を用いた場合には、高温燃焼を示すCOの増大は見られたものの、CO+CO2でのカーボン量のバランスは通常の試料管2と変わりはなく、また、外管31bからのガスの、焼結原料(試料1)で発生したガスへの流れ込み等の影響は見られなかった。
1 試料(焼結原料)
2、31 試料管
3 配管
4 反応雰囲気制御用容器4
5 ポンプ
6 電熱式ガスヒーター
10 R熱電対
11 温度測定器
12 ガス分析器
13 ガス流量計
32 加熱補助燃料

Claims (4)

  1. 焼結原料と加熱補助剤からなる試料を保持する中空の試料保持部と、前記試料保持部と配管にて接続された空気吸引部と、前記試料保持部に保持された試料を加熱する加熱部であって、複数の加熱手段を有する加熱部
    前記加熱部を制御する制御部とを有し、
    前記試料保持部の、前記試料が充填される領域の内径は、5[mm]以上20[mm]以下であり、
    前記試料保持部の、前記試料を充填する部分の高さは、2[mm]以上100[mm]以下であり、
    前記空気吸引部は、前記試料から流出するガスを吸引し、
    前記加熱部は、前記空気吸引部によりガスが吸引されているときに、前記試料に含まれる前記加熱補助剤を着火し、前記試料を燃焼させ
    前記制御部は、前記複数の加熱手段の動作を制御して、前記試料の温度を調節することを特徴とする焼結実験装置。
  2. 前記試料保持部は、二重管構造を有し、
    前記試料保持部の内管に前記試料が収容され、前記試料保持部の外管に加熱補助燃料が収容され、
    前記加熱部は、前記試料に含まれる前記加熱補助剤と、前記加熱補助燃料とを略同時に着火することを特徴とする請求項1に記載の焼結実験装置。
  3. 焼結原料と加熱補助剤からなる試料を保持する中空の試料保持部と、前記試料保持部と配管にて接続された空気吸引部と、前記試料保持部に保持された試料を加熱する加熱部とを有し、
    前記試料保持部の、前記試料が充填される領域の内径は、5[mm]以上20[mm]以下であり、
    前記試料保持部の、前記試料を充填する部分の高さは、2[mm]以上100[mm]以下であり、
    前記空気吸引部は、前記試料から流出するガスを吸引し、
    前記加熱部は、前記空気吸引部によりガスが吸引されているときに、前記試料に含まれる前記加熱補助剤を着火し、前記試料を燃焼させ、
    前記試料保持部は、二重管構造を有し、
    前記試料保持部の内管に前記試料が収容され、前記試料保持部の外管に加熱補助燃料が収容され、
    前記加熱部は、前記試料に含まれる前記加熱補助剤と、前記加熱補助燃料とを略同時に着火することを特徴とする焼結実験装置。
  4. 前記空気吸引部により吸引されたガスの全部または一部を逐次検出する検出器をさらに有し、
    前記試料の燃焼の進行と同時に、前記検出器で検出されたガス種を特定し定量分析することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の焼結実験装置。
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