JPH05279756A - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

焼結鉱の製造方法

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JPH05279756A
JPH05279756A JP7760392A JP7760392A JPH05279756A JP H05279756 A JPH05279756 A JP H05279756A JP 7760392 A JP7760392 A JP 7760392A JP 7760392 A JP7760392 A JP 7760392A JP H05279756 A JPH05279756 A JP H05279756A
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JP
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raw material
sintering
water
firing
raw materials
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JP7760392A
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English (en)
Inventor
Masaru Matsumura
勝 松村
Takazo Kawaguchi
尊三 川口
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 経時的に最適な水分添加量が変化する焼結原
料に充分対応でき、しかも操業には支障をきたさずに焼
結鉱を製造する。 【構成】 原料槽1から配合原料に切り出された注水コ
ントローラ10による水分添加および造粒機2による造粒
を行った後焼結機4により焼結を行う際に、水分添加前
の配合原料の一部を採取して採取原料処理工程6におい
て複数に分割し、配合原料それぞれに添加量を変動させ
て水分を添加して造粒し、造粒した各焼結原料それぞれ
について焼成を行い、焼成過程での排ガス温度および/
またはグレート温度を測定する。これらの値に基づいて
オペレータ7が配合原料への水分添加量をコントロール
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼結鉱の製造方法に関
する。さらに詳しくは、本発明は、DL式焼結機を用い
た焼結鉱の製造に際して、高生産性や高歩留りを目的と
して水分量さらには層高を制御する焼結鉱の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、焼結法は、粉鉱石に燃料
である粉コークス(通常、3〜5重量%)、溶剤である
粉石灰石を混合し、5〜10重量%の水分量に調整した焼
結原料をパレットといわれる火格子 (以下、グレートと
もいう) 上に装入し、内蔵する粉コークスの燃焼で部分
的に溶融して結合させることにより、原鉱石よりも高気
孔率であって被還元性に優れる焼結鉱を製造する、高炉
装入原料の予備処理法の一つである。なお、焼結用原料
としては粉鉱石、粉石灰石、粉コークスの他に、鉄源と
して砂鉄、ミルスケール、高炉スラグ、転炉スラグ、ダ
ストミニペレット等が、また燃料として無煙炭、オイル
コークス等が、成分調整・品質安定剤としてケイ砂、蛇
紋岩、ニッケルスラグ、ドロマイト粉等が使用されるこ
とが多い。
【0003】焼結法を実施するために用いられる焼結機
としては、連結操業方式のドワイトロイド式 (以下、
「DL式」という) と、バッチ式のグリーナワルト式
(GW式)、AIB式等が知られているが、近年では殆
どがDL式焼結機を用いて行われる。
【0004】DL式焼結機を用いた焼結法は、複数連結
したパレットを両端のスプロケットホイールで環状にエ
ンドレスに移動させ、パレットが焼結機の一端に達する
と焼結原料がパレット上に装入され、点火炉通過時に着
火され、もう一端に移動しながら下方吸引空気により着
火面が燃焼帯として次第に下方に移動し、燃焼帯が原料
層の最下層に達する頃にパレットはもう一端のスプロケ
ットホイール側に達し、ケーキとしてパレットから排鉱
され、パレットは空になって反転して元のスプロケット
ホイール側に戻り、これを繰り返す方法である。なお、
ケーキはこの後、クーラ、破砕機、篩分け設備により冷
却され、高炉に適した粒度に揃えられてベルトで送鉱さ
れる。
【0005】したがって、この焼結法における焼結反応
の良否は、原料中のコークスが吸引空気の通過によって
燃焼してその燃焼熱で焼結することにより進行するた
め、パレット上に装入された焼結原料層の通気性により
大きく影響される。従来より、焼結原料層の通気性を示
す指数としてJPUが知られている。
【0006】
【数1】
【0007】ただし、F:標準状態(273K 、0.1MPa) で
の空気流量(m3/s) A:吸引面積(m2) h:装入層高(m) S:圧損(Pa) 焼結原料層の通気性は、原料鉱石粒度、配合原料の初期
水分量、配合原料の混和方法、焼結原料の装入方法、返
鉱・石灰石配合等により左右され、特に原料鉱石粒度が
125 μm 以下の微粉がある量以上に多くなると通気性が
悪化する。そこで、最近は、微粉のみを造粒機で小粒化
して副原料とし、配合原料中に添加するセミペレット方
式を採用して通気性の改善が図られている。
【0008】このように、焼結鉱の製造では、添加する
水分量やパレット装入時の焼結原料の層高が、生産性や
歩留りに大きく影響する。したがって、最適な水分量や
層高を如何に迅速にかつ正確にコントロールできるか
が、焼結鉱の生産性および歩留りの改善のポイントとな
る。
【0009】例えば、特開昭59−222538号公報には、個
々の原料の銘柄別の粒度分布や吸水率等の鉱石性状やそ
の配合比から理論的に焼結原料の擬似粒子の粒度分布を
算出・推定し、この推定値に基づいて配合条件や焼結操
業条件を焼結前に決定して焼結を行う方法が、特開昭61
−250119号公報には、焼結原料の通気度や温度といった
性状の他に原料装入時の充填層空隙率や充填層層高や主
排風機の吸引圧力を情報として焼成速度を予測し、この
予測値が目標値と一致するように焼結原料の配合条件や
操業条件を決定する方法が提案されている。
【0010】しかしながら、これらの方法では、水分を
添加する前の配合原料の含水率である初期含水量は一定
ではなく経時的に微妙に変化するため、的確に配合条件
や操業条件を決定することが困難である。
【0011】経時的に微妙に変化する初期含水量に対応
するため、例えば特開昭61−34120号公報には、焼結原
料の水分量を段階的に変化させてパレット上で焼結原料
の充填層の通気性を連続的に測定することによって、最
適な水分量を決定する方法が提案されている。しかし、
確かに充填層の通気性は生産性や歩留りに影響を及ぼす
因子の一つではあるものの、所詮は間接的な因子である
ため、生産性や歩留りの著しい向上を期待することはで
きない。また、操業時のDL式焼結機において焼結原料
の水分量を変更すると、操業条件の乱れに起因する生産
性および歩留りの低下を誘発する危険性があり、その改
善も望まれる。
【0012】いずれにしても、従来の技術では、オンラ
インの焼結原料を歩留りや生産性の観点から直接的に評
価することはできず、過去のオフラインにおける実験結
果から求められたデータに基づいて推定したり、または
オンラインで焼結原料の充填層の通気性を測定し、その
データから生産性を間接的に推定するという間接的な推
定手段にとどまっていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】さらに、DL式焼結機
に装入された焼結原料の配合比は、原料槽の開度の精度
や開閉タイミングの時間的ずれといった機械的な外乱に
より経時的に微妙に変化してしまう。また、同一銘柄の
原料であってもその鉱石性状は数年の周期で変化してし
まうことが少なくない。また、原料ヤードにおける原料
の含水量の変化や返鉱温度による水分蒸発量の変化等の
影響を受け、水分添加前の配合原料の初期含水量も変化
してしまう。したがって、配合原料に対する水分添加量
のコントロールは非常に困難であり、前述した従来の技
術のように焼結前に配合原料のスペックから最適な水分
条件等を理論計算により求めることは事実上困難であっ
た。
【0014】また、特開昭61−34120 号公報により提案
された方法では、焼結原料の条件をオンラインで直接的
に変更する必要があるため、操業上の危険が大きい。
【0015】なお、焼結原料を評価する手段として、い
わゆる鍋試験方法が知られている。これは、略述すれ
ば、配合原料を分取してDL式焼結機とは別にオフライ
ンで焼成を行う試験方法である。この鍋試験方法を利用
すれば、試験結果から焼結原料の生産性および歩留りへ
の水分添加量および層高を評価し、最適な水分量および
層高を決定でき、前記課題を解決できるのではないかと
も一見考えられる。
【0016】しかし、本発明者らの検討によれば、鍋試
験方法では、主に焼結に長時間を要するために原料のサ
ンプリングから焼成結果の導出までは十数時間を要する
こととなり、得られた焼成結果をDL式焼結機における
焼結原料の水分添加量および層高にフィードバックして
用いることは困難である。また、DL式焼結機を流れる
焼結原料は、例えば原料ホッパーからの切り出し量の精
度の低下といった種々の外乱により、原料の配合比が経
時的に変化してしまい一定しない。したがって、鍋試験
方法によっても、焼結原料の最適水分値や最適層高をリ
アルタイムで評価しコントロールすることは困難であ
る。
【0017】さらに、鍋試験に必要とする原料の量は1
回の焼成当たり数10kg程度であるため、例えば、水分や
層高等の試験条件を数水準に変動させて最適な層高およ
び水分量を求めようとすると、極めて多量の原料および
工数が必要になる。したがって、鍋試験の結果から最適
水分値および最適層高を求めること自体困難である。
【0018】ここに、本発明の目的は、経時的に最適な
水分添加量が変化する焼結原料に充分対応でき、しかも
DL式焼結機の操業には何ら支障をきたすことがない、
焼結鉱の製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】ここに、本発明の要旨と
するところは、鉄鉱石、石灰石、副原料および炭材を配
合した配合原料に水分添加および造粒を行った後焼結を
行うDL式焼結機を用いた焼結鉱の製造方法において、
水分添加前の配合原料の一部を採取して複数に分割し、
分割した複数の配合原料それぞれに添加量を変動させて
水分を添加して造粒し、造粒した各焼結原料それぞれに
ついて小容量焼結焼成装置により焼成を行い、焼成過程
での排ガス温度および/またはグレート温度を測定し、
これらの値に基づき配合原料への水分添加量をコントロ
ールすること、または鉄鉱石、石灰石および副原料を配
合した配合原料に水分添加および造粒を行ってから炭材
を添加した後焼結を行うDL式焼結機を用いた焼結鉱の
製造方法において、水分添加前の配合原料の一部を採取
して炭材を添加するとともに複数に分割し、分割した複
数の配合原料それぞれに添加量を変動させて水分を添加
して造粒し、造粒した各焼結原料それぞれについて小容
量焼結焼成装置により焼成を行い、焼成過程での排ガス
温度および/またはグレート温度を測定し、これらの値
に基づき配合原料への水分添加量をコントロールするこ
とを特徴とする焼結鉱の製造方法である。
【0020】上記の本発明における「小容量焼結焼成装
置」とは、前述の鍋試験方法における鍋容量 (通常30〜
70kg程度) とは異なり、2〜10kg程度の小容量の焼結焼
成装置を意味する。
【0021】また、「グレート温度」の測定部位は特に
限定を要するものではなく、例えばグレートの中心部の
温度を測定すればよい。
【0022】本発明では、焼成を行った後、焼成により
得たケーキを破砕し篩分級し、篩上産物の比率に基づき
配合原料への水分添加量をコントロールしてもよい。
【0023】これらの本発明では、さらに、焼成は層高
を変動させて行い、得られた情報に基づいて焼結機本体
における層高をコントロールしてもよい。
【0024】なお、水分添加前の焼結配合原料の一部採
取時点から採取原料の焼結完了までに要する時間は1時
間以内とすることが最適な水分量および層高を求めるた
めには望ましく、水分添加前の焼結原料の採取から小容
量焼結焼成装置への原料装入までを自動化することが人
為的な外乱を防止するためには望ましい。
【0025】
【作用】以下、本発明にかかる焼結鉱の製造方法を作用
効果とともに詳述する。本発明では、DL式焼結機に実
際に装入する焼結原料の配合原料をオンラインで採取
し、添加する水分量や層高を数水準に変動させて小容量
焼結焼成装置により焼成して焼成過程での排ガス温度お
よび/またはグレート温度を測定することにより焼結状
態を把握する。
【0026】そして、最適な焼結状態を与える水分量ま
たは層高を求め、これらの値に基づき、配合原料に添加
する水分量または層高をコントロールする。したがっ
て、本発明によれば、生産性や歩留りに対する最適な条
件を迅速かつ確実に決定することができるため、高い生
産性や歩留りを維持して焼結鉱を製造することが可能と
なる。
【0027】なお、焼成後に焼成により得たケーキを破
砕し篩分級し、篩上産物の比率に基づき焼結状態を把握
し、配合原料への水分添加量をコントロールしてもよ
い。本発明において、水分添加前の配合原料を採取する
こととするのは、採取後にオフラインで水分添加、造粒
および焼成を行うことができるため、DL式焼結機によ
る焼結工程を正確にシミュレートでき、オフラインでの
シミュレート結果から配合原料に添加する適正な水分添
加量を正確に決定することが可能となるからである。
【0028】本発明において、採取した配合原料を複数
に分割するのは、複数の各配合原料個々に添加する水分
量、さらには焼成時の層高をも数水準で変化させて焼結
を行うことにより、最適な水分量および焼成条件を求め
るためである。本発明において、配合原料を最終的に造
粒して焼結原料として焼結を行うのは、実際に使用する
DL式焼結機における焼結原料と焼結条件を同じにし
て、シミュレート結果の精度を向上させるためである。
なお、採取した複数の焼結原料の焼成では、それぞれの
焼成において焼成時間および焼成物の粒度分布を比較す
るため、その他の焼成条件は全て同一とする。
【0029】さらに焼成の際の層高は、実際のDL式焼
結機に装入した際の層高と同一とする必要はない。層高
の単位長さ当たりの吸引圧力を実際のDL式焼結機のそ
れと同程度とすることによって、焼結原料の層高を縮小
することが可能となる。このようにして、排ガス温度お
よび/またはグレート温度により水分量や層高が異なる
原料の焼成時間を求め、この焼成時間と焼成物の粒度を
も適宜勘案して、生産性や歩留りを評価する。なお、生
産性は焼成物の粒度と焼成時間とにより、歩留りは焼成
物の粒度により、それぞれ評価される。このようにして
得られた焼成時間および焼成物の粒度に関する最適条件
を加味して、原料槽から造粒機までの間における焼結原
料の水分添加量を調整し、またはロールフィーダからの
切り出し量を調整して層高を調整する。
【0030】なお、サンプリングした配合原料に炭材が
含有されていない場合には、水分添加後にコークス等を
添加して焼成を行えばよい。本発明によれば、焼結原料
を直接的に評価して得られた情報に基づいて焼成条件を
変更するため、少なくとも現状の焼成条件よりも良好な
水分量および層高に変更することになるため、焼成条件
を変更しても操業条件を低下するという危険がない。
【0031】さらに、サンプリングした配合原料の焼成
には、小容量焼結焼成装置を使用する。小容量焼結焼成
装置を使用することにより、焼結鍋一本当たりに装入す
る焼成原料を少量化することができるため、焼成時間が
短縮され、最適な焼結条件を決定するまでに要する時間
を、例えば前述の鍋試験方法に比較して大幅に短縮でき
る。したがって、数時間の周期で変動する配合原料の配
合条件、コークス比さらには配合原料の初期含水量に対
し、適切な水分添加量および層高を迅速にフィードバッ
クすることができる。
【0032】なお、水分添加前の配合原料の採取から焼
成完了までに要する時間を1時間以内とすることが、D
L式式焼結機へのフィードバックをタイムリーに行い、
最適な水分添加量および層高の的中精度を高めるために
は望ましい。また、水分添加前の配合原料の採取から小
容量焼結焼成装置への装入までの工程を適宜手段を用い
て自動化することにより、水分添加前の配合原料の採取
から焼結原料の焼成完了までに要する時間を短縮できる
とともに、配合原料のハンドリングにおける人為的な外
乱 (例えば、原料の縮分精度の低下) を防ぐことがで
き、水分添加量および層高の制御精度が向上する。
【0033】本発明において、生産性および歩留りを向
上するための制御因子として、水分量、さらには層高を
選択した理由は、水分量や層高が生産性および歩留りに
大きく影響を及ぼす操業条件だからである。これを以下
に説明する。配合原料の造粒においては、原料の擬似粒
子化に対して水分量の影響が大きい。これは添加される
水分が擬似粒子化においてはバインダーとして機能する
からである。この擬似粒子の粒度が焼成時の原料充填層
の通気性に影響し、通気性が上昇すると焼成速度が上昇
するため、生産性が上昇する。また、焼成速度は、高温
保持時間にも関与するために、歩留りの向上に対しても
影響を及ぼす。したがって、配合原料に添加する水分量
は、生産性や歩留りに影響を及ぼすことになる。
【0034】一方、原料充填層の層高が変動すると、原
料自体の通気性は同等であっても原料充填層全体として
の通気性が変動し、原料充填層を通過する単位時間当た
りの風量が変動する。したがって、焼成速度が変動し、
生産性や歩留りが変動する。一般的に層高が大きくなる
と焼成速度が低下するため生産性は悪化する。さらに、
焼結においては、原料充填層の上層は下層と比較して歩
留りが悪化する。したがって、層高の上昇によって歩留
りは上昇する。
【0035】このように配合原料に添加する水分量や焼
結原料の充填層の層高は、生産性や歩留りに及ぼす影響
が大きい。したがって、本発明により、DL式焼結機に
装入する焼結原料の水分量や層高に関する最適条件を迅
速かつ的確に決定し、DL式式焼結機においてこの条件
で焼結を行うことにより、高生産性や高歩留りを達成し
て焼結鉱を製造することができる。さらに、本発明を実
施例を参照しながら詳述するが、これは本発明の例示で
あり、これにより本発明が限定されるものではない。
【0036】
【実施例1】本発明にかかる焼結鉱の製造方法を用い
て、DL式焼結機により、焼結鉱を製造した。全体の制
御フローを模式的に図1に示す。図1に示すように、配
合原料は、原料槽1から切り出され、注水コントローラ
10により注水された後造粒機2 (一次ミキサ:2A、2次
ミキサ:2B) で造粒処理されて焼結原料とされ、サージ
ホッパ3から焼結機4に装入される。その後、点火炉5
で点火され、大気を下方吸引することによって焼成され
る。
【0037】本発明にかかる焼結鉱の製造方法では、こ
の焼結原料の一部を一次ミキサ2Aの入口前のところで採
取して採取原料処理工程6に送り、採取原料処理工程6
の処理結果に基づいて、操作室のオペレータ7が配合原
料に添加する水分量、および焼結原料の充填層の層高を
設定し、この設定値により焼結原料を焼結した。すなわ
ち、焼成時間や成品量等の情報に基づいてオペレータ7
が、原料切り出しコントローラ8を使用してロールフィ
ーダ9の切り出し量を変更することにより層高を変更
し、また、注水コントローラ10を使用してミキサ2の注
水量を変更することにより配合原料に添加する水分量を
変更した。この一連の作業に要した時間は、平均で20分
間であった。またこの一連の作業を2時間毎に行った。
【0038】採取原料処理工程6の詳細を図2に模式的
に示すが、8本の焼成鍋19とバーナ21と、これらの付属
物とにより構成される、本発明における小容量焼結焼成
装置が図2により示されている。
【0039】図2に示すように、配合原料を生産ライン
から45kg採取し、貯蔵ホッパ11に蓄えた。貯蔵ホッパ11
の出側 (底面側) を開けて配合原料を、径方向に8室に
仕切られた円柱形プレート12の1室に装入した。この円
柱形プレート12は設定重量コントローラ13および上面開
閉駆動装置14を介して予め設定した重量にまで配合原料
が堆積すると上面12a が自動的に閉じるように構成され
ている。次に、円柱形プレート12が45°回転して停止
し、隣の1室に次の配合原料が装入された。このように
して順次、円柱形プレート12の8室全てに設定された重
量の原料が装入された。
【0040】これらの原料を順次この円柱形プレート12
からベルトコンベア15を通して、ストックプレート16ま
で搬送した。ストックプレート16では、水分添加ノズル
17から水分を添加した。このストックプレート16には、
重量計測が可能なものを使用して、水分の添加比率をコ
ントロールできるようにした。
【0041】水分の添加量の算出・制御は、まず、操作
室のオペレータが操作室内の制御専用コンピュータに設
定条件を入力して、コンピュータにより水分添加量を演
算し、その情報をストックプレート16に伝送し、ストッ
クプレート16は重量設定値に到達するまで水分添加ノズ
ル17を駆動させることにより行った。さらに、原料をミ
キサ18で造粒して焼結原料とし、焼成鍋19の上部にセッ
トされた円柱型の装入器20に蓄えた。装入器20の入口
(上面) は、設定重量に到達すると自動的に閉じるよう
に構成されている。
【0042】そして、底面部が開き、原料は焼成鍋19に
装入された。このようにして原料が8本全ての焼成鍋19
に充填された後、バーナ21を焼成鍋19の直上に移動して
点火した。そして、焼成鍋19の下部から送風機22で鍋下
圧力を300mmAq 一定で吸引して焼成した。なお、円柱形
プレート12からの排出から鍋装入までの工程は、8分割
された原料すべて同じラインで順次行い、円周方向に配
列された8本の焼成鍋19がこの円周方向に45°ずつ順次
回転し、装入器20の下部で停止することによって、全て
の焼成鍋に装入される自動化工程とした。
【0043】なお、この焼成装置における測温点23は、
原料最下層から20mm上部とした。また、その測温点の温
度が100 ℃を越えると直ちに一本ずつ鍋蓋24を焼成鍋19
にセットしてそれぞれ独立に焼成を終了させた。測温点
23の位置や焼成終了タイミングは焼成鍋23の下部への原
料の融着を防止するために設けた。層内温度は、記録計
25で記録され、焼成時間が操作室へ出力された。その情
報を操作室の制御専用コンピュータに伝送した。
【0044】8本全ての焼成鍋19の焼成が終了してか
ら、焼成鍋19を傾転して焼結体を2m下方の8個の衝撃
板26に独立に排出し、かつ破砕した。さらに、焼結体を
篩目5mmと10mmのスクリーン27で分級し、5〜10mmと+
10mmの重量を計測機28で計測した。その情報を操作室の
制御専用コンピュータに伝送した。なお、歩留りは+5
mm中の+10mmの重量比率で評価した。
【0045】操作室のオペレータは、現在の原料につい
て生産性や歩留りに対する水分や層高の改善方向を把握
し、オペレータの判断で操業条件を変更した。但し、D
L式焼結機において急激な操業条件の変更はリスクが大
きいとオペレータが判断した場合には、この焼成鍋焼成
における最適条件通りに操業条件を変更する必要はな
い。
【0046】このようにして得られたデータを表1に示
すとともに、水分、層高、生産性および歩留りの推移を
図3にグラフで示す。図3の横軸は小容量焼結焼成装置
を用いて行った焼成時間を示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1において、実機換算層高とは、焼成鍋
の層高単位長さ当たりの吸引圧力で換算したものであ
る。また生産性とは、+10mmの成品重量を焼成時間で割
った値である。また、本実施例における従来法は、添加
する水分量は原料の吸水性指数から算出された値に基づ
いて焼成前に事前に決定し、層高はオペレータの経験に
基づいて事前に決定した方法である。図3から明らかな
ように、本発明法によれば、従来法に対して、歩留りお
よび生産性が改善され、しかも安定することがわかる。
【0049】
【実施例2】実施例1とは異なり、コークス添加前の配
合原料をサンプリングしたケースについて、試験を行っ
た。サンプリング箇所および全体の制御フロー図を図4
に示すが、図4の図中符号は、図1と同様である。図4
の図1に対する相違点は、コークスの添加位置のみであ
り、制御方法は実施例1と同様であるため、図4に対す
るその他の説明は省略する。
【0050】採取した原料処理方法を図5に示す。図5
の図2に対する相違点は、円柱形プレート12およびスト
ックプレート16との間のベルトコンベア15上にコークス
貯蔵ホッパ29を設けてコークスを添加する点のみである
ため、図5に対するその他の説明は省略する。なお、コ
ークス添加率は、焼結機本体におけるコークスの配合比
である3.0 とした。
【0051】このようにして得らえた水分、層高、生産
性および歩留りの推移を図6にグラフで示す。図6から
明らかなように、本発明法によれば、従来法に対して歩
留りと生産性とが改善され、かつ安定することがわか
る。
【0052】
【実施例3】実施例1の制御方法に基づいて、水分添加
前の配合原料の採取から焼成終了までに要する時間の生
産性または歩留りに及ぼす影響を調査した。時間調整
は、図2における貯蔵ホッパ11の切り出し量を変更する
ことにより行った。さらに実施例1の制御方法におい
て、水分添加前の配合原料の採取から小容量焼結焼成装
置への原料装入までの工程を、作業者が行う方法と自動
化して行う方法とを比較した。
【0053】結果を図7にグラフで示す。図7から明ら
かなように、配合原料の一部を採取してから焼成終了ま
でに要する時間が1時間以下になると、本発明法の効果
が著しく向上することがわかる。また、水分添加前の配
合原料の採取から小容量焼結焼成装置への原料装入まで
の工程を人力により行うと、水分添加前の配合原料の採
取から焼成終了までに1.5時間以上を要するため、最適
な焼成条件の推定精度が悪化した。
【0054】さらに、図7から明らかなように、水分添
加前の配合原料の一部を採取してから焼成終了までに要
する時間が同一であっても、水分添加前の配合原料の採
取から小容量焼結焼成装置への原料装入までの工程を人
力により行うと、自動装置を使用した場合に比較して制
御精度が悪化したことがわかる。これは、採取した原料
のハンドリングに人間が介在することにより、外乱が生
じたためと考えられる。
【0055】
【実施例4】原料条件の経時的な変動が最適な焼結条件
に及ぼす影響を、鍋実験で調査した。原料条件の変動を
造粒前水分とし、造粒前水分および造粒後水分の変動が
燃焼前線降下速度FFS に及ぼす影響を調査した。燃焼前
線降下速度は焼成時間に対応し、生産性の重要因子であ
る。
【0056】表2に示した原料条件、および表3に示し
た焼成条件で焼成した。なお、原料最下層部の燃焼前線
の到達は熱伝対を挿入することによって検出した。点火
から原料最下層部の燃焼前線の到達までに要した時間か
ら燃焼前線降下速度を算出した。なお、燃焼前線の到達
の定義は、原料最下層部の温度が100 ℃に達することと
した。
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】燃焼前線の降下速度に及ぼす造粒前水分お
よび造粒後水分の影響を図8にグラフで示す。図8か
ら、造粒前水分の変動によって燃焼前線の降下速度を最
高にする造粒後水分が変動することがわかる。実際のD
L式焼結機においては、原料は原料ヤードで野ざらし状
態になっているため、造粒前水分の変動は充分に発生し
得ることであり、図8の結果から分かるように、配合原
料に添加する水分量の最適値は変動する。したがって、
本発明法に基づいて最適条件を把握することが必要とな
ることがわかる。
【0061】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、DL式
焼結機の配合原料をサンプリングし、ライン外で水分や
層高を変動させて迅速に焼成し、その際の計測データに
基づいて、配合原料に添加する水分量、および焼結原料
の充填層の層高を迅速かつ確実に決定するため、生産性
や歩留りが改善されるとともに安定する。かかる効果を
有する本発明の意義は極めて著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における、本発明にかかる焼結鉱の製
造方法の全体の制御フローを模式的に示す説明図であ
る。
【図2】実施例1における採取原料処理工程の詳細を模
式的に示す説明図である。
【図3】実施例1の結果を示すグラフである。
【図4】実施例2における、本発明にかかる焼結鉱の製
造方法の全体の制御フローを模式的に示す説明図であ
る。
【図5】実施例2における採取原料処理工程の詳細を模
式的に示す説明図である。
【図6】実施例2の結果を示すグラフである。
【図7】実施例3の結果を示すグラフである。
【図8】実施例4において、造粒前水分および造粒後水
分の燃焼前線降下速度(FFS) に及ぼす影響を調査した結
果を示すグラフである。
【符号の説明】
1:原料槽 2:造粒機 2A:一次ミキサ 2B:二次ミキサ 3:サージホッパ 4:焼結機 5:点火炉 6:採取原料処理
工程 7:オペレータ 8:原料切り出し
コントローラ 9:ロールフィーダ 10:注水コントロ
ーラ 11:貯蔵ホッパ 12:円柱形プレー
ト 12a:上面 13:設定重量コ
ントローラ 14:上面開閉駆動装置 15:ベルトコンベ
ア 16:ストックプレート 17:水分添加ノズ
ル 18:ミキサ 19:焼成鍋 20:装入器 21:バーナ 22:送風機 23:測温点 24:鍋蓋 25:記録計 26:衝撃板 27:スクリーン 28:計測器 29:貯蔵ホッパ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄鉱石、石灰石、副原料および炭材を配
    合した配合原料に水分添加および造粒を行った後焼結を
    行うDL式焼結機を用いた焼結鉱の製造方法において、
    水分添加前の前記配合原料の一部を採取して複数に分割
    し、分割した複数の配合原料それぞれに添加量を変動さ
    せて水分を添加して造粒し、造粒した各焼結原料それぞ
    れについて小容量焼結焼成装置により焼成を行い、焼成
    過程での排ガス温度および/またはグレート温度を測定
    し、これらの値に基づき配合原料への水分添加量をコン
    トロールすることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 【請求項2】 鉄鉱石、石灰石および副原料を配合した
    配合原料に水分添加および造粒を行ってから炭材を添加
    した後焼結を行うDL式焼結機を用いた焼結鉱の製造方
    法において、水分添加前の前記配合原料の一部を採取し
    て炭材を添加するとともに複数に分割し、分割した複数
    の配合原料それぞれに添加量を変動させて水分を添加し
    て造粒し、造粒した各焼結原料それぞれについて小容量
    焼結焼成装置により焼成を行い、焼成過程での排ガス温
    度および/またはグレート温度を測定し、これらの値に
    基づき配合原料への水分添加量をコントロールすること
    を特徴とする焼結鉱の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記焼成を行った後、該焼成により得た
    ケーキを破砕し篩分級し、篩上産物の比率に基づき前記
    配合原料への水分添加量をコントロールすることを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の焼結鉱の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 さらに、前記焼成は層高を変動させて行
    い、得られた情報に基づいて焼結機本体における層高を
    コントロールすることを特徴とする請求項1ないし請求
    項3のいずれかに記載の焼結鉱の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012255201A (ja) * 2011-06-10 2012-12-27 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 焼結実験装置
JP2018053325A (ja) * 2016-09-29 2018-04-05 Jfeスチール株式会社 焼結鉱の製造方法
CN109957650A (zh) * 2019-04-02 2019-07-02 中天钢铁集团有限公司 一种分割表层烧结的方法和装置

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