JPH05222463A - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

焼結鉱の製造方法

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JPH05222463A
JPH05222463A JP2135692A JP2135692A JPH05222463A JP H05222463 A JPH05222463 A JP H05222463A JP 2135692 A JP2135692 A JP 2135692A JP 2135692 A JP2135692 A JP 2135692A JP H05222463 A JPH05222463 A JP H05222463A
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JP
Japan
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water content
sintering
firing
productivity
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JP2135692A
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Masaru Matsumura
勝 松村
Takazo Kawaguchi
尊三 川口
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 DL式焼結機を用いた焼結鉱の製造に際し、
経時的変化がある原料に充分に追従でき、しかも操業に
は全く支障を来すことなく、高生産性や高歩留りを目的
として層高さらには水分量を制御する。 【構成】 造粒機2出口からDL式焼結機の点火炉4ま
での間で造粒後の焼結配合原料の一部を採取して複数に
分割し、複数の同一仕様の鍋焼成工程6に層高および/
または水分量を変更して装入・焼成し、得られた最適な
層高および/または水分量に基づいて、焼結機における
層高および/または水分量を調整して焼結を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼結鉱の製造方法に関
する。さらに具体的には、本発明は、造粒機とDL式焼
結機とを用いた焼結鉱の製造に際して、高生産性や高歩
留りを目的として層高および/または水分量を制御する
焼結鉱の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、焼結法とは、粉鉱石に燃
料である粉コークス (通常、3〜5重量%) 、溶剤であ
る粉石灰石を混合し、5〜10重量%の水分に調整したも
のをパレットといわれる火格子上に装入し、内蔵する粉
コークスの燃焼で部分的に溶融して結合させることによ
り、原鉱石よりも高気孔率であって被還元性に優れた焼
結鉱を製造する、高炉装入原料の予備処理法の一つであ
る。なお、焼結用原料としては鉄鉱石粉鉱、粉石灰石、
粉コークスの他に、鉄源として砂鉄、ミルスケール、高
炉スラグ、転炉スラグ、ダストミニペレット、また燃料
として無煙炭、オイルコークス、成分調整・品質安定剤
としてケイ砂、蛇紋岩、ニッケルスラグ、ドロマイト粉
が使われることが多い。
【0003】焼結法を実施するために用いられる焼結機
としては、連結操業方式のドワイトロイド式 (以下、
「DL式」という)と、バッチ方式のグリーナワルト式
(GW式)、AIB式等が知られているが、近年では殆
どがDL式焼結機により行われている。
【0004】DL式焼結機を用いた焼結法は、複数連結
したパレットを両端のスプロケットホイールで環状にエ
ンドレスに移動させ、パレットが焼結機の一端に達する
と配合原料がパレット上に装入され、点火炉通過時に着
火され、もう一端に移動しながら下方吸引空気により着
火面が燃焼帯として次第に下降し、燃焼帯が原料層の最
下層に達する頃にパレットはもう一端のスプロケットホ
イール側に達し、焼結大塊(ケーキ)としてパレットか
ら排鉱され、パレットは空になって反転して元のスプロ
ケットホイール側に戻り、これを繰り返す方法である。
なお、ケーキはこの後、クーラ、破砕機、ふるい分け設
備により冷却され、高炉に適した粒度に揃えられてベル
トで送鉱される。
【0005】したがって、この焼結法における焼結反応
の良否は、原料中のコークスが吸引空気の通過によって
燃焼してその燃焼熱で焼結することにより進行するた
め、パレット上に装入された原料層の通気性により大き
く影響される。従来より、この装入原料の通気性を示す
指数としてJPUが知られている。
【0006】
【数1】
【0007】ただし、F:標準状態(273K 、0.1MPa) で
の空気流量(m3/s) A:吸引面積(m2) h:装入層高(m) S:圧損(Pa) 装入原料の通気度は、原料鉱石粒度、配合原料水分、原
料の混和方法、原料装入方法、返鉱・石灰石配合割合等
により左右され、特に原料鉱石粒度では125 μm 以下の
微粉がある量以上に多くなると通気を阻害する。そこ
で、最近は、微粉原料のみを造粒機で小粒化し、焼結原
料に添加するセミペレット方式を採用して通気の改善が
図られている。
【0008】このように、焼結鉱の製造においては、パ
レット装入時の配合原料の層高や水分量が生産性や歩留
りに大きく影響する。したがって、最適な層高や水分量
を如何に迅速かつ正確に制御できるかが焼結鉱の生産性
および歩留りの改善のポイントとなる。
【0009】従来、これらの制御方法として、例えば 特開昭59−222538号公報には、配合原料の銘柄別の粒
度分布や吸水性等の鉱石性状やその配合比から理論的に
擬似粒子の粒度構成を算出し、この粒度構成に基づいて
原料配合条件や焼結操業条件を焼結開始前に決定し焼結
を行う方法が、また 特開昭61−250119号公報には、配合原料の性状の他に
装入原料の充填層空隙率や充填層層高や主排風機の吸引
圧力を因子として焼成速度を事前に予測し、原料配合条
件や焼結操業条件を焼結実施前に決定し焼結を行う方法
がそれぞれ提案されている。
【0010】しかしながら、焼結鉱の製造における最適
な水分量は経時的に微妙に変化するため、操業条件を事
前に決定するこれらの方法では操業条件を的確に追従さ
せることが困難である。そこで、例えば特開昭61−3412
0 号公報には、焼結配合原料の水分量を段階的に変化さ
せてパレット上で装入原料層の通気性を連続測定するこ
とによって、最適な水分量を決定する方法が提案されて
いる。
【0011】しかし、装入原料層の通気性は生産性や歩
留りに影響を与える因子の一つではあるものの、焼結鉱
の製造においては所詮は間接的な因子である。しかも、
非操業時とはいえ実際の焼鈍機上で配合原料の水分量を
変更させると操業の乱れ (例えば焼成不良) を誘発する
危険性があり、望ましい方法であるとは言い難い。いず
れにしても、従来の技術では、オンラインの原料に対す
る歩留りや生産性を直接的に評価することができず、過
去のオフラインにおける実験から求められたデータに基
づいた計算から推定したり、実際にオンライン原料を分
析するとはいっても通気性を測定する程度にとどまって
おり、そのデータから生産性を推定するという間接的な
方法にとどまっていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】原料配合は、経時的に
変化し、例えば同一銘柄においてもその鉱石性状は数年
間のオーダで変化することが少なくない。また、水分含
有量については、ヤードにおける含水量や返鉱温度等に
よる水分蒸発量等の影響により、造粒前の原鉱石の水分
量が変化するため、そのコントロールが非常に困難であ
る。したがって、従来のような配合原料の銘柄別の鉱石
性状等のデータに基づいた理論計算では、生産性に最適
な水分条件等を決定することは非常に困難である。ま
た、原料条件を、オンラインで確実なデータに依らずに
変更するのは操業において危険が大きい。ここに、本発
明の目的は、経時変化がある実際の原料にも充分に追従
でき、しかも操業には全く支障を来すことなく、高生産
性や高歩留りを図ることができる、造粒機とDL式焼結
機とを用いた焼結鉱の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため種々検討を重ねた結果、造粒機〜DL式
焼結機間における造粒後の焼結配合原料をサンプリング
し、ライン外で層高さらには水分量を変更して焼成する
ことにより生産性さらには歩留りの向上のための最適条
件を迅速に決定することができ、こうして決定した層高
さらには水分量に基づいて、焼結機における装入原料の
層高さらには水分量を操業中に調整すればよいことを知
見して、本発明を完成した。
【0014】ここに、本発明の要旨とするところは、微
粉原料を製造する造粒機とDL式焼結機とを用いた焼結
鉱の製造方法において、操業時に、前記造粒機の出口か
ら前記DL式焼結機の点火炉までの間で造粒後の焼結配
合原料の一部を採取して複数に分割し、複数の鍋焼成装
置に層高および/または水分量を変更して装入・焼成
し、得られた最適な層高および/または水分量に基づい
て、焼結機における層高および/または水分量を調整す
ることを特徴とする焼結鉱の製造方法である。
【0015】
【作用】以下、本発明にかかる焼結鉱の製造方法を作用
効果とともに詳述する。本発明は、略述すれば、微粉原
料を製造する造粒機とDL式焼結機とを用いて焼結鉱を
製造する際に、操業時に、造粒機出口からDL式焼結機
の点火炉までの間で造粒後の焼結配合原料の一部を採取
し、採取した焼結配合原料を複数に分割し、それぞれを
複数の同一仕様の鍋焼成装置に層高および/または水分
量を変更して装入し焼成する。この焼成により、最適な
層高および/または水分量を確認しておき、得られた最
適な層高および/または水分量に基づいて、パレットに
おける層高および/または水分量を調整するものであ
る。
【0016】本発明において、実際の装置から焼結配合
原料を採取して層高および/または水分量を変動させて
再造粒し焼成するのは、直接的に生産性や歩留りに対す
る最適な層高条件を決定することができるため、この層
高および/または水分量により高い生産性や歩留りを維
持することが可能となるからである。ここで、原料の採
取場所を造粒機の出口からDL式焼結機の点火炉までの
間としたのは、造粒後であってかつ点火前の焼結配合原
料を得るためである。
【0017】また、採取した原料を複数に分割するの
は、焼成時の層高および/または個別に添加もしくは蒸
発する水分量を変化させて、最適な層高および水分量を
求めるためである。また、何も添加しないケースを設け
ても構わない。これらを再び造粒するのは、オンライン
の配合原料に上記のように水分を添加または蒸発した条
件での造粒処理を反映するためである。
【0018】また、焼成においては、各サンプル間で焼
成時間および焼成物の粒度分布を比較することにより最
適な層高および/または水分量を求めるため、焼成の条
件を各サンプル間で同じにする。すなわち、各焼結配合
原料を鍋焼成装置に装入するには、層高および水分量以
外の条件は全て同じとする。さらに、焼成の際の層高は
実際の層高に併せる必要はなく、焼成スケールを縮小す
るには、層高単位長さ当たりの吸引圧力を実際のDL式
焼結機に合わせればよい。
【0019】このようにして、水分や層高の異なる原料
の焼成時間や焼成物の粒度を比較して、生産性や歩留り
を評価する。なお、生産性は、焼成物の粒度と焼成時間
とで評価し、歩留りは焼成物の粒度で評価する。このよ
うにして得られた最適条件に基づいて、操業時に、ロー
ルフィーダからの切り出し量を調整して層高を調整し、
原料槽から造粒機までの間での水の添加量を調整する。
【0020】また、本発明によれば、焼結配合原料を直
接に評価することにより得られた情報に基づき、より望
ましい層高および/または水分量に変更するため、操業
状態を乱すという危険が解消される。なお、生産性や歩
留りを評価するための変更条件として層高および水分量
を選択した理由は、層高や水分量が生産性や歩留りに大
きく影響を及ぼす操業条件だからである。この点につい
て以下に詳述する。
【0021】造粒の際の原料の擬似粒子化については、
水分量の影響が大きい。これは水分が擬似粒子化におい
てバインダとして機能するからである。この擬似粒子の
粒度が焼結時の装入原料層の通気性に関与する。この通
気性が上昇すると焼成速度が上昇し、その結果、生産性
が上昇する。また、この焼成速度は、高温保持時間に関
与するため、歩留りに対しても影響を及ぼす。したがっ
て、水分量は生産性や歩留りに影響を及ぼす。
【0022】一方、装入原料層の層高が変動すると、原
料の通気性は同じでも装入原料層全体の通気性が変動す
る。その結果、装入原料層を通過する単位時間当たりの
風量が変動する。したがって、焼成速度が変動し、生産
性や歩留りが変動する。一般的に層高が大きくなると、
焼成速度が低下し、生産性は悪化する。さらに焼結にお
いては、装入原料層の上層は下層と比較して歩留りが悪
化する。そのため、一般的に層高の上昇によって歩留り
は上昇する。
【0023】このように、装入原料層の層高や原料の水
分量は生産性や歩留りに及ぼす影響が大きい。したがっ
て、本発明により、最適な層高や水分量を求めて、操業
時にこれらに基づいて操業条件を変更することによって
生産性や歩留りが改善される。さらに、本発明を実施例
を参照しながら詳述するが、これは本発明の例示であ
り、これにより本発明が限定されるものではない。
【0024】
【実施例1】本発明にかかる焼結鉱の製造方法を実際の
焼結機に適用して数十時間連続して焼結鉱を製造した。
全体の制御フローを図1に簡略化して示す。図1に示す
ように、原料槽1から切り出され、造粒機2で造粒処理
された焼結配合原料の一部を、焼結機3の上部に設置さ
れている点火炉4で点火される前にサージホッパ5の入
口で採取した。
【0025】採取原料処理工程6にて、採取した焼結配
合原料を操作室のオペレータ7の設定した層高や水分量
の変更条件に基づいて種々変更して、焼成時間を比較し
て、焼成時間の観点から最適な層高、水分量を求めた。
その焼成時間の情報に基づいて、操作室のオペレータ7
が原料切り出しコントローラ8を使用してロールフィー
ダ9の切り出し量を変更し、注水コントローラ10を使用
してミキサの注水量を変更した。この一連の作業に要す
る時間は平均20分間であった。この一連の作業は、2時
間毎に行った。
【0026】次に、採取原料処理工程6の詳細を図2に
模式的に示す。図2に示すように、原料を造粒機〜DL
式焼結機間で45kg採取し、貯蔵ホッパ11に蓄えた。次
に、貯蔵ホッパ11出側を開け、径方向に仕切られた円柱
形プレート12の1箇所に原料を装入した。この円柱形プ
レート12は、設定重量コントローラ13および上面開閉駆
動装置14を介して予め設定した重量にまで原料が堆積す
ると、上面が閉じ、所定量を正確に装入出来るように構
成されている。次に、円柱形プレート12が回転し、既に
所定量の原料が装入された空間の隣の空間に所定量の原
料が装入される。このようにして、順次、円柱形プレー
ト12の8箇所に設定重量の原料が装入された。
【0027】さらに、この原料を順次この円柱形プレー
ト12からベルトコンベア15を通して、ストックプレート
16まで搬送した。ストックプレート16では、必要に応じ
て水分添加ノズル17から水分を添加したり温風送風装置
18から温風を吹きつけることによって水分を蒸発させる
ことにより、水分量を調整した。このストックプレート
16は重量計測可能な装置であって、水分の添加や蒸発の
比率が測定可能である。原料への水分の添加量や原料か
らの水分の蒸発量は、以下のように算出した。まず、操
作室のオペレータが操作室内の制御専用コンピュータに
設定条件を入力する。コンピュータは、水分添加量を演
算し、その情報をストックプレート16に伝送する。さら
に、ストックプレート16は重量設定値に到達するまで水
分添加ノズル17や温風送風装置を駆動させて、水分量を
調整する。
【0028】さらに、原料をミキサ19で造粒し、焼成鍋
20上部にセットされた円柱形の装入器21に蓄える。装入
器21の入口は、設定重量に到達すると自動的に閉じる仕
組みになっている。装入器21に所定重量装入された後、
底面部が開き、原料は焼成鍋20に装入される。各焼成鍋
20について、原料の層高は変更されている。このように
して、全ての焼成鍋20に原料が装入された後、バーナ22
を焼成鍋20の直上に移動し、点火した。そして、鍋の下
部から送風機23で鍋下圧力を300mmAq 一定で吸引して、
焼成した。円柱形プレート12からの排出から各焼成鍋20
装入までの工程は、8分割された原料全て同じラインで
順次行い、円周方向に配列された8本の焼成鍋20がこの
円周方向に回転し、装入器21の下部にセットされること
によって、別々の焼成鍋に装入される仕組みとした。
【0029】なお、この焼成装置における測温点24は、
原料最下層から20mm上部とした。また、その測温点の温
度が100 ℃を越えると直ちに一本ずつ鍋蓋25を焼成鍋20
にセットすることによって各焼成鍋20毎に独立に焼成を
終了させた。この測温点や焼成終了タイミングは、焼成
鍋20下部への原料の融着を防止するためである。層内温
度は記録計26で記録され、焼成時間が導出された。その
情報を操作室の制御専用コンピュータに伝送し、さら
に、8本全ての焼成が終了すると焼成鍋20を傾転して焼
結体を2m 下方の8個の衝撃板27に独立に排出し、かつ
破砕した。
【0030】さらに、焼結体を篩目5mmと10mmのスクリ
ーン28で分級し、+5〜+10mmと+10mm以上の重量を計
測機29で計測する。その情報を操作室の制御専用コンピ
ュータに伝送する。なお、歩留りは+5mm中の+10mmの
重量比率で評価した。操作室のオペレータは現在の使用
している原料について、生産性や歩留りに対する層高や
水分量の改善方向の概略を把握し、オペレータの判断に
より、操業時に操業条件を変更した。ただし、急激な操
業条件変更はリスクが大きいとオペレータが判断した場
合には、この焼成鍋焼成における最適条件どおりに操業
条件を変更する必要がないことはいうまでもない。
【0031】上記のようにして得られたデータの一例を
表1に、水分、層高、生産性、歩留りの推移を図3にグ
ラフで示す。表1において、換算層高とは焼成鍋の層高
を単位長さ当たりの吸引圧力で換算したものである。ま
た、生産性は、+10mmの製品重量を焼成時間で割った値
である。
【0032】
【表1】
【0033】なお、従来制御法とは、水分については原
料の吸水性指数から算出される値に基づき、焼結時を通
じて変更せずに用いた方法である。層高については、オ
ペレータの経験に基づいて求めた。図3に示されるよう
に、本発明法は従来制御法と比較して歩留りと生産性と
が改善され、しかも安定する。また、水分の経時的な変
化をみると、20時間後、30時間後、40時間後で微妙に水
分値が異なった。これは、原料条件の微妙な変動によっ
て、最適水分が変化することを示している。
【0034】
【実施例2】原料条件の経時的な変動が最適操業条件に
及ぼす影響について、焼成鍋を用いた実験で調査した。
原料条件の変動を造粒前水分とし、この変動の焼成前線
降下速度に及ぼす影響を調査した。燃焼前線降下速度は
焼成時間に対応し、生産性の重要因子である。表2に示
した原料条件、および表3に示した焼成条件で焼成し
た。また、変更条件を表4に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】本実施例では、原料最下層部の燃焼前線の
到達は熱電対を装入することによって検知した。そし
て、点火から原料最下層部の燃焼前線の到達までに要し
た時間から燃焼前線降下速度FFS(mm/min) を算出した。
なお、燃焼前線到達の定義は、原料最下層部の温度が10
0 ℃に到達したこととした。結果を図4にグラフで示
す。
【0038】造粒前水分の変動によって燃焼前線下降速
度が最高となる造粒後水分が変動する。原料はヤードで
野ざらし状態になっているため造粒前水分の経時的な変
動が予想され、このために最適水分条件が変動すると考
えられる。したがって、本発明法に基づいた最適条件の
把握が極めて重要であることを示唆している。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
現在使用中の配合原料をベースに原料層高を変動させ、
および/または水分量を変動させて、ライン外で焼成
し、焼成時間および焼成物の粒度分布を測定し、これら
の情報に基づいて、DL式焼結機における装入原料の層
高および/または水分量を決定して、焼成時の層高を調
整することによって、焼結鉱の生産性が改善され、かつ
安定し、多大なる経済的効果を奏する。かかる効果を有
する本発明の意義は著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる焼結鉱の製造方法の制御フロー
の構成の一例を示す説明図である。
【図2】図1における採取原料処理工程の説明図であ
る。
【図3】実施例1における、層高、水分量、生産性およ
び成品歩留りの経時変化を示すグラフである。
【図4】実施例2において、造粒前水分および造粒後水
分の燃焼前線降下速度(FFS) に及ぼす影響の調査結果を
示したグラフである。
【符号の説明】
1:原料槽 2:造粒機 3:焼結機 4:点火炉 5:サージホッパ 6:採取原料処理工
程 7:オペレータ 8:原料切り出しコ
ントローラ 9:ロールフィーダ 10:注水コントロー
ラ 11:貯蔵ホッパ 12:円柱形プレート 13:設定重量コントローラ 14:上面開閉駆動装
置 15:ベルトコンベア 16:ストックプレー
ト 17:水分添加ノズル 18:温風送風装置 19:ミキサ 20:焼成鍋 21:装入器 22:バーナ 23:送風機 24:測温点 25:鍋蓋 26:記録計 27:衝撃板 28:スクリーン 29:計測機

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微粉原料を製造する造粒機とDL式焼結
    機とを用いた焼結鉱の製造方法において、操業時に、前
    記造粒機の出口から前記DL式焼結機の点火炉までの間
    で造粒後の焼結配合原料の一部を採取して複数に分割
    し、複数の鍋焼成装置に層高および/または水分量を変
    更して装入・焼成し、得られた最適な層高および/また
    は水分量に基づいて、焼結機における層高および/また
    は水分量を調整することを特徴とする焼結鉱の製造方
    法。
JP2135692A 1992-02-06 1992-02-06 焼結鉱の製造方法 Withdrawn JPH05222463A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101442983B1 (ko) * 2013-07-30 2014-11-03 주식회사 포스코 소결기용 통기성 조절장치 및 이를 이용한 배합원료 통기성 조절방법
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