JP5640876B2 - 焼結鉱の製造における焼結鉱品質の変動監視方法及びその監視方法を用いた焼結鉱の製造方法 - Google Patents

焼結鉱の製造における焼結鉱品質の変動監視方法及びその監視方法を用いた焼結鉱の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高炉に装入する焼結鉱を連続焼結機で製造する際、焼結鉱の品質(強度、耐還元粉化性、被還元性等)を経時的にほぼ一定に維持し、焼結鉱を安定的に製造する方法に関する。
高炉操業においては、製鉄原料として、塊鉱石の他、粉鉱石等の焼結原料を焼結した焼結鉱を使用する。通常、焼結鉱は、連続式焼結機、例えば、複数の焼結パレットを給鉱部から給鉱部まで無限軌道状に配列し、給鉱部側に点火炉、及び、焼結パレット下部に空気を吸引するウインドボックスを設けたDL式焼結機で製造する。
焼結原料は、粉鉱石、含鉄ダスト等の含鉄原料の他、石灰石や珪石等の副原料、及び、粉コーク等の燃料等を所定の比率で配合し、水分量を調整しつつ、混合、造粒して、擬似粒子化したものであり、給鉱部から焼結パレットに装入されて、焼結パレット上で原料充填層を形成する。
点火炉で原料充填層の表層に点火した後、空気をウインドボックスで吸引しつつ、焼結パレットを排鉱部まで水平に移動させて、原料充填層を上層から焼成し、焼結鉱塊(シンターケーキ)を製造する。焼結鉱塊は、焼結機の排鉱部から排出され、破砕されて、所要粒度の焼結鉱となる。
焼結鉱には、高炉用原料として必要な品質(強度、耐還元粉化性、被還元性等)が要求される。焼結鉱の製造においては、所要の品質を維持しつつ、生産性良く製造することが求められる。そのため、これまで、種々の製造方法が提案されている(特許文献1〜8、参照)。
特許文献1〜3に記載の製造方法によれば、(a)焼結パレットの幅方向における吸引風量の違い、(b)焼結層の収縮量の違いに起因する焼結パレット幅方向における温度のばらつき、及び、(c)この“ばらつき”に起因する焼結パレット幅方向における品質及び歩留の低下を抑制することができる。
しかし、特許文献1〜3に記載の方法においては、焼結鉱の品質を決定付ける排鉱部の温度の管理がなされておらず、また、焼結層の高さ方向における品質改善効果が小さいので、焼結鉱の品質の充分な向上は達成されていない。
特許文献4及び5には、焼結機の排鉱部に配置した放射温度計で、焼結パレットの幅方向に区画した区画毎に、焼結鉱(排鉱部)の温度を測定し、測定した温度に基づいて、各区画において、焼結が完了している1100℃以下の領域の面積率が90%以上となるように、焼結原料の造粒条件(水分量、生石灰量)や装入条件を調整する方法が記載されている。
しかし、特許文献4及び5に記載の方法では、焼結の進行状態を適確に把握することが難しく、また、特許文献1〜3に記載の方法と同様に、焼結層の高さ方向における品質改善効果が小さいので、焼結鉱の品質を十分に向上させることはできていない。
特許文献6には、排鉱部に配置した赤外線カメラで、焼結層の高さ(上層、中層、下層)別に温度を測定し、150℃以上の赤熱部の面積率に基づき、給鉱部に配置した炭材吹き込み装置から、原料充填層の高さ別に炭材を吹き込む方法が記載されている。
しかし、特許文献6に、焼結鉱の品質を維持するための、150℃以上の赤熱部の面積率に係る基準は開示されていない。温度が150℃以上の赤熱部は、焼結が完了していない1100℃以上の赤熱部を含むから、特許文献6に記載の方法では、焼結鉱の品質の顕著な向上は期待できない。
特許文献7には、排鉱部に配置した熱画像用カメラで、焼結鉱(排鉱部)の高さ方向の温度分布を測定し、排鉱部の赤熱層(熱画像で1100℃以上の温度)が、焼結パレットの底部に位置するように、焼結パレットの搬送速度や、ウインドボックスの吸引速度を制御する方法が開示されている。
しかし、特許文献7に記載の方法においては、1100℃以上の赤熱層が、焼結パレット底部より上方の焼結層内に、焼成不十分な焼結部分を含むので、焼結鉱の品質を十分に高くすることは難しい。
特許文献8には、排鉱部に配置したカメラで、排鉱時の焼結鉱塊の破断面を撮像し、経時的な撮像画像に基づいて、撮像画像全体に対する360℃以上1000℃以下の領域の面積比率Sh(t)(%)、及び、焼結パレットの幅方向及び高さ方向における温度の標準偏差値の総和Σσxy(t)を算出し、面積比率Sh(t)(%)が基準値A以上となり、総和Σσxy(t)が基準値B以下となるように操業条件を制御する方法が開示されている。
しかし、特許文献8に記載の方法は、その時点tのみの測定結果に基づいて、操業状態の善し悪しを判断しているため、原因の特定までは困難であり、焼結鉱の品質を、経時的に、所要のレベルに維持することが難しい。
特開平06−136456号公報 特開平06−330194号公報 特開平07−180972号公報 特開平08−127822号公報 特開平08−143981号公報 特開平10−310828号公報 特開平07−126763号公報 特開2009−280837号公報
焼結鉱の製造において、(a)焼結機の排鉱部で、焼結パレット幅方向及び/又は焼結層高さ方向の温度を適切に制御することは、焼結鉱の品質向上の点で重要であるが、さらに、(b)焼結鉱内における焼成の不均一を経時的に抑制し、焼結鉱の品質を経時的に一定に維持することが、焼結鉱の歩留り及び生産性の向上の点で重要である。
しかし、焼結鉱の品質の経時的な変動に着目し、この変動を抑制して、焼結鉱の歩留り及び生産性の向上を図る方法はこれまで提案されていない。
そこで、本発明は、焼結鉱の品質の経時的変動を抑制して、焼結鉱の品質を経時的に一定に維持し、焼結鉱の歩留り及び生産性の向上を図ることを課題とし、該課題を解決する焼結鉱の製造における焼結鉱品質の変動監視方法及びその監視方法を用いた焼結鉱の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決する手法について鋭意検討した。その結果、連続焼結機の排鉱部で、赤熱帯が露出した焼結鉱塊の破断面を定期的に撮像し、撮像画像に基づいて、焼結鉱塊の幅方向(焼結パレットの幅方向)における赤熱帯分布の標準偏差を求め、標準偏差の経時的変動を監視することにより、上記課題を解決できることを見いだした。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
(1)焼結鉱を連続式焼結機で製造する焼結鉱の製造において、
(a)連続焼結機の排鉱部に設置した撮像機器で、赤熱帯が露出した排鉱時のシンターケーキの垂直破断面を定期的に撮像し、
(b)上記撮像毎に、
(b1)撮像画像全体に対する赤熱帯画像の面積比率Z(%)を算出するとともに、
(b2)撮像画像を、焼結機パレットの幅方向にn個に区分し、区分画像毎に、区分画像に対する赤熱帯画像の面積比率Zm(m=1〜n)(%)を算出し、
(b3)上記面積比率Z(%)を基準として、上記面積比率Zm(m=1〜n)(%)の標準偏差σwを算出し、
(c)焼結鉱品質の経時的変動を監視するにあたり、
(c1)予め、前記面積比率Zと前記標準偏差σwが比例関係を保ちつつ変動する範囲であって、良好な焼結鉱品質が得られる変動範囲を通常操業域として定めておき、
(c2)実操業において、前記面積比率Zと前記標準偏差σwを経時的に求め、前記Zとσwの関係の経時的な変動範囲を、前記通常操業域として定めた変動範囲と対比して監視する
ことを特徴とする焼結鉱の製造における焼結鉱品質の変動監視方法。
(2)前記赤熱帯は、700℃以上の領域であることを特徴とする前記(1)に記載の焼結鉱の製造における焼結鉱品質の変動監視方法。
(3)前記(1)または(2)に記載の監視方法を用いた焼結鉱品質の監視中に、前記Zとσwの関係の経時的な変動範囲が、前記通常操業域として定めた変動範囲から移動した場合、前記経時的な変動範囲の移動方向から操業変動の原因を特定し、該原因を除去する操業条件の変更を行うことを特徴とする焼結鉱の製造方法。
)前記変更の対象となる操業条件が、焼結原料のAl23量、焼結原料のFeO量、及び、粉コークス配合量のいずれか1つ又は2つ以上であることを特徴とする前記(3)に記載の焼結鉱の製造方法。
本発明によれば、焼結鉱の品質の経時的変動を抑制して、焼結鉱の歩留り及び生産性の向上を図ることができる。
DL式焼結機による焼結鉱の製造の態様を示す図である。 CCDカメラで撮像した焼結鉱塊の破断面の画像と温度分布を模式的に示す図である。(a)は、破断面の画像を示し、(b)は、破断面の温度分布を示す(等温線は700℃と850℃)。 パレット高さ720mm、パレット幅5500mmのパレットの幅方向断面と、該パレットで焼結した焼結鉱塊の破断面の画像(時刻tのとき撮像)を示す図である。(a)は、焼結原料の装入時に焼結原料の流路を区画するサブゲート(SG1〜SG9)の配置態様を示し、(b)は、焼結鉱塊の破断面を撮像した画像(時刻t1のとき撮像)を示し、(c)は、該画像に、700〜850℃の帯域と、850℃以上の帯域(赤熱帯高温部)を区別する画像処理を施した画像を示す。 焼結鉱塊の破断面の画像をパレット幅方向に12に区分して算出した赤熱帯の面積比率の分布と、その経時変動(時間間隔は20〜40秒)を示す図である。 標準偏差σwと撮像画像全体に対する赤熱帯画像の面積比率Zの比例関係の変動範囲が、記通常操業域の変動範囲から外れて変動する態様を模式的に示す図である。(A)は、焼結原料のAl23量の増加に伴う前記σwとZの比例関係の変動を示し、(B)は、焼結原料のFeO量(熱量)の増加に伴う前記比例関係の変動を示し、(C)は、操業度上昇(赤熱帯厚み増)に伴う前記比例関係の変動を示す。 実施例1における標準偏差σwと赤熱帯の面積比率Zの変動を示す図である。 実施例2における標準偏差σwと赤熱帯の面積比率Zの変動を示す図である。
本発明について説明する。図1に、DL式焼結機による焼結鉱の製造の態様を示す。鉄鉱石粉、炭材(コークス粉)、石灰石粉等を所定の比率で配合し、水と混合し、造粒して擬似粒子化した焼結原料1は、焼結機の給鉱部に設けたサージホッパー2に貯留される。
焼結原料1は、サージホッパー2の下部に設けたドラムフイーダー3から切り出され、シュート5から、図中矢印方向に移動する焼結パレット6の底部に敷いた床敷7’(床敷ホッパー2’から床敷原料1’が、焼結原料1の供給に先立って供給されて形成される)の上に連続的に供給されて、原料充填層7が形成される。
給鉱部側に設けた点火炉13で、原料充填層7の上面に点火し、炭材を燃焼させる。スプロケット4を駆動して、焼結パレット6を一定速度で矢印方向に移動させるとともに、パレット6の下側に設けたウインドボックス8、メインダクト9、排ガス集塵機10、及び、吸引ブロアー11を介して吸気し、原料充填層7の燃焼帯に空気を供給する。なお、吸気したガスは、煙突12から排出される。
原料充填層7中の炭材が燃焼する燃焼帯が、原料充填層7の表層から下層へ移動し、原料充填層7が焼結機の排鉱部14に達するまでに焼成が完了するように、焼結パレット6の移動速度を制御する。焼成が完了した原料充填層7は、焼結機の排鉱部14で、表層部に、焼結パレット6の幅方向に亀裂が生じて破断し、焼結鉱塊15となって落下し、次の工程へ搬送される。
焼結鉱塊15が、焼結機の排鉱部14から落下する直前に、破断して露出したシンターケーキの破断面を撮像機器16で撮像する。撮像機器は、特定の機器に限定されないが、CCDカメラ、又は、ITVカメラが好ましい。例えば、CCDカメラで撮像した場合、RGB信号の放射輝度のR成分とG成分の比と、予め黒体炉を用いて作成した校正曲線との関係から温度を求めることができる。
ここで、図2に、CCDカメラで撮像したシンターケーキの破断面の画像と温度分布を模式的に示す。図2(a)に、破断面の画像を示し、図2(b)に、図2(a)に示す撮像画像における温度分布を、700℃と850℃の等温線で示す。
本発明者らは、連続焼結機の排鉱部で、赤熱帯が露出したシンターケーキの破断面を定期的に撮像し、撮像画像に基づいて、焼結鉱の品質の経時的な変動を監視する手法について検討し、次の手法を創案した。
(a)赤熱帯が露出した排鉱時のシンターケーキの破断面を定期的に撮像し、
(b)上記撮像毎に、
(b1)撮像画像全体に対する赤熱帯画像の面積比率Z(%)を算出するとともに、
(b2)撮像画像を、焼結鉱塊の横方向にn個に区分し、区分画像毎に、区分画像に対する赤熱帯画像の面積比率Zm(m=1〜n)(%)を算出し、
(b3)上記面積比率Z(%)を基準として、上記面積比率Zm(m=1〜n)(%)の標準偏差σwを算出し、
(c)上記標準偏差σwの経時的動向を監視する。
上記手法が、本発明の基礎をなすものである。上記手法について、図3及び図4に基づいて詳細に説明する。
図3に、パレット高さ720mm、パレット幅5500mmの焼結パレットの幅方向断面と、この焼結パレットで焼結したシンターケーキの破断面の画像(時刻t1のとき撮像)を示す。図3(a)に、焼結原料の装入時、焼結原料の流路を区画するサブゲート(SG1〜SG9)の配置態様を示す。なお、焼結パレットの直下には、サブゲート(SG2〜SG8)に対応して熱電対(TC1〜TC7)が配置されている。
図3(b)に、シンターケーキの破断面の画像を示す。図3(c)に、700〜850℃の帯域(赤熱帯低温域)と、850℃以上の帯域(赤熱帯高温域)を区別する画像処理を施した画像を示す。
図3(b)及び図3(c)に示すように、シンターケーキの破断面の画像は、パレットの幅方向において、サブゲート(SG1〜SG9)の幅に対応して、12個に区分されている。
ただし、焼結鉱塊の破断面の画像の区分数は、サブゲートの数に対応させる必要はなく、実際に撮像した赤熱帯の形状状態などを考慮して、適宜、設定すればよい。また、区分画像の幅も、サブゲートの幅に対応させる必要はなく、特に詳細に測定したい箇所を細分化するなど、適宜、設定すればよい。
前述したように、定期的に撮像したシンターケーキの破断面の撮像画像毎に、まず、
(b1)撮像画像全体に対する赤熱帯画像の面積比率(赤熱帯の面積比率)Z(%)を算出するとともに、
(b2)撮像画像を、シンターケーキの横方向にn個に区分し、区分画像毎に、区分画像に対する赤熱帯画像の面積比率(区分面積比率)Zm(m=1〜n)(%)を算出する。
図4に、シンターケーキの破断面の画像を、焼結パレットの幅方向に、12の区画に区分して算出した赤熱帯の面積比率(以下「区画面積率」という。)の分布とその経時変動を示す。時間間隔は20〜40秒である。
シンターケーキの破断面の幅方向における赤熱帯の分布は、焼結鉱の品質に大きく影響する。そこで、本発明者らは、図4に示すように、シンターケーキの破断面の幅方向における赤熱帯の区画面積比率の分布が経時的に変動することに着目し、区画面積比率の分布と、その変動を統計的に整理できれば、焼結鉱の品質の経時的変動を定量的に把握でき、焼結鉱の品質の変動を抑制することができると発想した。
本発明者らは、赤帯の面積比率Z(%)を基準として算出した区分面積比率Zm(m=1〜n)(%)の標準偏差σwを、時間tでのシンターケーキの破断面の品質を表示する指標として採用し、標準偏差σwと赤熱帯の面積比率Zの経時動向を監視した。
本発明者らの監視結果によれば、横軸に赤熱帯の面積比率Z、縦軸に標準偏差σwをとった図(以下、監視図)において、両者は以下のように変動することが判明した。
(w)通常の良好な操業状態では、σwとZはほぼ比例しつつ、ある範囲内を経時的に変動する。
(x)焼結原料のAl23量が増加すると、焼結反応で生成する融液の粘性が上昇して局部的に通気性が阻害され、ムラ焼けが助長される。この結果、σwとZの対応関係は、前記の良好な位置から上方に移動して変動するようになる。
(y)焼結原料への入熱量が増加すると、赤熱帯の面積比率が増加するので、σwとZの変動は、右方に移動して変動する。入熱量が減少すると、逆に左方へ移動する。
(z)増産操業時のように操業度が著しく変化した場合、実操業ではベッド層厚を上げ、投入熱量を上げるので、赤熱帯そのものの厚みも増加し、変動幅も増加する。この変化は、前記正常操業時内の変動と原因を同じくし、それが層厚を上げることにより顕在化した状況であると言える。σwとZの対応関係は、比例関係を保ったまま、右上方向に移動する。
以上のように、実際に、標準偏差σwと赤熱帯の面積比率Zの比例関係は、所要の幅をもって成立するから、標準偏差σwと赤熱帯の面積比率Zの変動は、良好な状態における変動幅と対比して把握する。ここに、良好な状態における変動幅を一義的に、あるいは事前に決定することは難しい。
そこで、本発明の実施に際しては、過去の操業状況を前記視点から解析して良好な変動範囲を予め求めておき、それを基準に、それ以降の操業を監視することになる。具体的方法については、実施例で述べる。
図5に、上記(x)、(y)、及び、(z)の変動を模式的に示す。図5中の(A)は、上記(x)の変動を示し、図5中の(B)は、上記(y)の変動を示し、図5中の(C)は、上記(z)の変動を示す。
実操業において、標準偏差σwの変動は、上記(x)、(y)、及び、(z)の変動(それぞれ、図5中、(A)、(B)、及び、(C)、参照)が混在したものとなる。
この内、(y)の焼結原料のFeO量の増加により焼結原料への入熱量が増加したことは、ウインドボックスで吸引する熱風の温度でも把握することができる。また、(z)の配合原料の微粉量や造粒時の添加水分量に起因する造粒性の変化は、通気の性指標であるJPU(焼結通気指数)でも検知できる。したがって、検出した標準偏差σwの変動の残りは(x)の寄与と判断することができる。
このように、標準偏差σwと赤熱帯の面積比率Zの比例関係を監視することによって、操業変動の原因を、直ちに把握することができる。そして、標準偏差σwの変動の原因を特定できれば、この原因を除去する操業条件の変更を行い、標準偏差σwと赤熱帯の面積比率Zの比例関係の帯域を元の比例帯域へ戻して、焼結鉱の品質の変動を抑制することができる。
本発明を実施するに当り、操業変動を的確に操業に反映させる点で、赤熱帯は700℃以上の領域とするのが好ましく、850℃以上がより好ましい。1000℃以上の温度とすると、面積率自体が低下し、かえって検出率が低下する。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例の条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例1)
実機焼結機の排鉱部にCCDカメラを設置し、本発明を実施した例を述べる。20〜40秒毎に、赤熱帯が露出した焼結鉱塊の破断面を撮像した。撮像毎に画像から、撮像画像全体に対する赤熱帯画像の面積比率Z(%)を算出するとともに、撮像画像を、焼結鉱塊の幅方向にn個に区分し、区分画像毎に、区分画像に対する赤熱帯画像の面積比率Zm(m=1〜n)(%)を算出し、上記面積比率Z(%)を基準として、上記面積比率Zm(m=1〜n)(%)の標準偏差σwを算出した。
算出した標準偏差σwの動向を、標準偏差σwと赤熱帯の面積比率Zの比例関係が成立する比例領域と対比して経時的に監視した。
まず、2カ月間、Z及びσwの関係を事前に追跡した。図6に、標準偏差σwの動向を監視した例を示す。図6中の黒三角と◇は、その際に得られたデータであり、黒三角が、良好な操業時のものであるのに対して、◇が、操業状況が悪化した状態であると判別した。さらに、黒三角から◇への移行に、原料アルミナ量の上昇の影響が考えられたので、焼結原料のAl23量を低減する措置をとった。
その結果、上記措置以降の標準偏差σwは、◆に推移した。ここぬ、原料アルミナが、本発明の図において、操業点を推移させることを確認できた。
また、◆は、黒三角までは戻っていないが、◆は、生産率で約3t/m2/dであり、黒三角の生産率より高い操業を行っていた。このように、同じ安定操業時でも、黒三角で示される領域は操業度が低く、増産などで操業度が上がってくると、◆で示されるように、低操業時のシンターケーキの赤熱帯の面積比率Zとその標準偏差σwの比例関係を示す直線の延長上のラインに沿って変化することを検証できた。
(実施例2)
図7に、別の期間の操業例を示す。黒三角印で示す良好な状態に対して、ある日のプロットが、監視図で右方向の●へと変動した。これにより、何らかの原因で熱的に過剰な操業となったと判断し、粉コークス配合量を減じるアクションを採ったところ、黒三角の良好な変動範囲へ戻った。また、別の日のプロットが監視図で左方向の○へと変動した。これにより、何らかの原因で熱的に不足した操業となったと判断し、粉コークス配合量を足すアクションを採った。その結果、黒三角の良好な変動範囲へ戻った。
以上のように、日々の熱的な操業管理を、本発明の監視方法により的確に行うことができた。
前述したように、本発明によれば、焼結鉱の品質の経時的変動を抑制して、焼結鉱の歩留り及び生産性の向上を図ることができる。よって、本発明は、鉄鋼産業を支える焼結技術において利用可能性が高いものである。
1 焼結原料
1’ 床敷原料
2 サージホッパー
2 床敷ホッパー
3 ドラムフイーダー
4 スプロケット
5 シュート
6 焼結パレット
7 原料充填層
7’ 床敷
8 ウインドボックス
9 メインダクト
10 排ガス集塵機
11 吸引ブロアー
12 煙突
13 点火炉
14 排鉱部
15 焼結鉱塊
16 撮像機器

Claims (4)

  1. 焼結鉱を連続式焼結機で製造する焼結鉱の製造において、
    (a)連続焼結機の排鉱部に設置した撮像機器で、赤熱帯が露出した排鉱時のシンターケーキの垂直破断面を定期的に撮像し、
    (b)上記撮像毎に、
    (b1)撮像画像全体に対する赤熱帯画像の面積比率Z(%)を算出するとともに、
    (b2)撮像画像を、焼結機パレットの幅方向にn個に区分し、区分画像毎に、区分画像に対する赤熱帯画像の面積比率Zm(m=1〜n)(%)を算出し、
    (b3)上記面積比率Z(%)を基準として、上記面積比率Zm(m=1〜n)(%)の標準偏差σwを算出し、
    (c)焼結鉱品質の経時的変動を監視するにあたり、
    (c1)予め、前記面積比率Zと前記標準偏差σwが比例関係を保ちつつ変動する範囲であって、良好な焼結鉱品質が得られる変動範囲を通常操業域として定めておき、
    (c2)実操業において、前記面積比率Zと前記標準偏差σwを経時的に求め、前記Zとσwの関係の経時的な変動範囲を、前記通常操業域として定めた変動範囲と対比して監視する
    ことを特徴とする焼結鉱の製造における焼結鉱品質の変動監視方法。
  2. 前記赤熱帯は、700℃以上の領域であることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造における焼結品質の変動の監視方法。
  3. 請求項1または2に記載の監視方法を用いた焼結品質の監視中に、前記Zとσwの関係の経時的な変動範囲が、前記通常操業域として定めた変動範囲から移動した場合、前記経時的な変動範囲の移動方向から操業変動の原因を特定し、該原因を除去する操業条件の変更を行うことを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  4. 前記変更の対象となる操業条件が、焼結原料のAl23量、焼結原料のFeO量、及び、粉コークス配合量のいずれか1つ又は2つ以上であることを特徴とする請求項3に記載の焼結鉱の製造方法。
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