JP2005140526A - 空隙率測定方法および焼結鉱の製造方法並びに焼結ベッドの通気性予測方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 製鉄用造粒物の積層体における製鉄用造粒物間の空隙率を測定するための新規な製鉄用造粒物の空隙率測定方法を提供する。
【解決手段】 所定重量の製鉄用造粒物を、20℃での真密度が1〜10g/mlの範囲内であり、かつ、平均粒子径が1〜200μmの範囲内である所定重量の粉体で被覆し、体積計量容器に、振盪させて最密充填したときの嵩体積と、上記所定重量の粉体を単独で体積計量容器に最密充填したときの体積との差を用いて上記製鉄用造粒物の見掛け密度を求めると共に、所定重量の上記製鉄用造粒物を、単独でそのまま体積計量容器に充填したときの嵩体積を用いて、上記製鉄用造粒物間の上記製鉄用造粒物の充填密度を求め、上記見掛け密度から上記充填密度を差し引いた値を上記見掛け密度で除して上記製鉄用造粒物の積層体における該製鉄用造粒物間の空隙率を求める。
【選択図】 なし
【解決手段】 所定重量の製鉄用造粒物を、20℃での真密度が1〜10g/mlの範囲内であり、かつ、平均粒子径が1〜200μmの範囲内である所定重量の粉体で被覆し、体積計量容器に、振盪させて最密充填したときの嵩体積と、上記所定重量の粉体を単独で体積計量容器に最密充填したときの体積との差を用いて上記製鉄用造粒物の見掛け密度を求めると共に、所定重量の上記製鉄用造粒物を、単独でそのまま体積計量容器に充填したときの嵩体積を用いて、上記製鉄用造粒物間の上記製鉄用造粒物の充填密度を求め、上記見掛け密度から上記充填密度を差し引いた値を上記見掛け密度で除して上記製鉄用造粒物の積層体における該製鉄用造粒物間の空隙率を求める。
【選択図】 なし
Description
本発明は、製鉄用原料を造粒してなる製鉄用造粒物を積層してなる製鉄用造粒物の積層体における製鉄用造粒物間の空隙率を測定する新規な空隙率測定方法およびそれを用いた焼結鉱の製造方法並びに焼結ベッドの通気性予測方法に関するものであり、より詳しくは、例えば崩れ易く、または多孔質な製鉄用造粒物の見掛け密度と充填密度とから上記製鉄用造粒物間の空隙率を求める新規な空隙率測定方法およびそれを用いた焼結鉱の製造方法並びに焼結ベッドの通気性予測方法に関するものである。
例えば焼結鉱の製造においては、先ず焼結原料となる鉄鉱石、副原料、燃料等を混合し、ドラムミキサー、ペレタイザー、アイリッヒミキサー等の造粒機で水分を調節しながら造粒して擬似粒子を造る。擬似粒子とは、一般的に、0.5mm以下の微粒子が、核粒子となる1〜3mm程度の微粒子に付着している粒子である。このように焼結原料となる鉄鉱石、副原料、燃料等を混合し、造粒機を用いて水分を調節しながら造粒して得られる擬似粒子を、製鉄用造粒物と称する。この製鉄用造粒物を焼結機に特定の高さに充填して該製鉄用造粒物の充填層(積層体)からなる焼結ベッドを形成した後、表層に点火して焼成することにより焼結鉱が製造される。
焼結原料を焼結する焼結機は下方吸引式を採用しており、焼結原料の下側から吸引することによって焼結に必要な空気を流通させると共に、焼結原料の上側から下側へ向かって燃料を燃焼させることにより、焼結原料を焼結するようになっている。このため、焼結原料が微粉を多く含んでいると、目詰まりを起こす等して通気性が低下し、燃料であるコークスの燃焼速度が遅くなるので焼結機の生産効率が低下する。そこで、通気性を改善すべく、焼結原料を造粒(擬似粒化)する等の事前処理が行われている。
このように、焼結鉱の製造において、焼結ベッドの通気性は、焼結鉱の生産性(焼結生産性)に密接に関わっている。また、次式
JPU=v×(h/ΔP)0.6
v:空塔流速(m/min)
h:原料層厚(mm)
ΔP:原料層の圧力損失(mmH2O)
で計算されるJPUは、焼結ベッドの通気性の指標として用いられる。そして、このように焼結生産性に関わる焼結ベッドの通気性は、上記焼結ベッドにおける製鉄用造粒物間の、点火前の空隙率の増加にも密接に関係していることが知られている。
JPU=v×(h/ΔP)0.6
v:空塔流速(m/min)
h:原料層厚(mm)
ΔP:原料層の圧力損失(mmH2O)
で計算されるJPUは、焼結ベッドの通気性の指標として用いられる。そして、このように焼結生産性に関わる焼結ベッドの通気性は、上記焼結ベッドにおける製鉄用造粒物間の、点火前の空隙率の増加にも密接に関係していることが知られている。
そこで、焼結ベッドに用いられる製鉄用造粒物の見掛け密度を測定し、該製鉄用造粒物の積層体における該製鉄用造粒物間の空隙率を求めることは、点火前の焼結ベッドの通気性を容易に評価でき、さらに、擬似粒子の造粒度合いを評価できることから非常に有用である。
従来から、密度測定方法としては、例えば、純水等の液体に測定対象物質を沈め、これによる増加体積を測定し、該測定対象物質の密度(密度)を求める方法が一般的に知られている。
また、例えば、密度試験方法として、従来、ピクノメータと称される密度計を用いた所謂ピクノメータ法が知られている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照。)。
さらに、上記以外の密度測定方法として、例えば、粉体を所定容量の容器に所定の高さから自然落下で投入した時の重量から上記粉体の見掛け密度を測定する方法が知られている(例えば、非特許文献3参照。)。
さらに、擬似粒化性の評価方法として、GI指数(微粉の付着割合)を求める方法が知られている。擬似粒子のGI指数とは、非特許文献4に示されている擬似粒化性の評価方法の一つであり、核粒子の周りに付着する微粉の割合を示す。
社団法人 日本化学会,「実験化学講座1 基本操作I」,丸善株式会社,平成2年11月5日,p.69−70 財団法人 日本規格協会編,「JIS 鉄鉱石−密度試験方法」,財団法人 日本規格協会,平成5年8月31日,p.1−2, JIS M 8717 財団法人 日本規格協会編,「JIS 合成洗剤試験方法」,財団法人 日本規格協会,平成10年9月20日改正,p.50−51, JIS K 3362 古井健夫 外6名著,編集委員会編,「製鉄研究」,新日本製鐵株式会社 技術開発本部 技術情報室発行,1976年8月20日,第288号,11797(p9)
社団法人 日本化学会,「実験化学講座1 基本操作I」,丸善株式会社,平成2年11月5日,p.69−70 財団法人 日本規格協会編,「JIS 鉄鉱石−密度試験方法」,財団法人 日本規格協会,平成5年8月31日,p.1−2, JIS M 8717 財団法人 日本規格協会編,「JIS 合成洗剤試験方法」,財団法人 日本規格協会,平成10年9月20日改正,p.50−51, JIS K 3362 古井健夫 外6名著,編集委員会編,「製鉄研究」,新日本製鐵株式会社 技術開発本部 技術情報室発行,1976年8月20日,第288号,11797(p9)
しかしながら、上記測定対象物質が、水によって造粒された造粒物である場合、上記従来の一般的な密度測定方法では、造粒物を液体に沈めると、該造粒物が液体によって造粒前の状態に戻ることから、見掛け密度を測定することはできない。
また、このように崩れやすい造粒物の見掛け密度を測定するために気体もしくは液体を使用した場合、造粒物が崩れると正確に測定できない。さらに、上記測定対象物質が多孔質の造粒物であれば、密度測定用の媒体として例えば液体を用いると、該液体が造粒物内に入り込むため、造粒前の状態での密度、すなわち、空隙(空孔)を含まない、造粒物の真密度を求めてしまうことになる。
また、ピクノメータ法は、真密度測定方法であり、見掛け密度を測定する方法ではない。
さらに、上記非特許文献3に記載の見掛け密度測定方法は、対象物質が造粒されていない粉体であり、また、上記見掛け密度測定方法は、前記したように対象物質である粉体を所定容量の容器に所定の高さから自然落下で投入した時の重量から上記粉体の見掛け密度を求める方法であることから、粉体間の空隙を含んでおり、事実上、嵩密度(充填密度)測定方法である。
しかしながら、造粒物の密度測定に関しては、これらの方法に代わる方法がこれまでにないのが現状である。このため、造粒物の見掛け密度についてはこれまで測定されていない。
従って、見掛け密度により求まる空隙率においても、造粒物に関してはこれまで正確に求められておらず、焼結ベッドの空隙率の新規な測定方法、すなわち、製鉄用造粒物の積層体における製鉄用造粒物間の新規な空隙率測定方法を提供することは、製鉄用造粒物を焼結機に装入してなる充填層(積層体)からなる焼結ベッドの空隙率(充填層の空隙率)、ひいては、上記焼結ベッドの通気性、さらには、焼結生産性(以下、単に生産性と記す)を事前にかつ容易にかつ短時間で予測し、造粒性を評価する上で、非常に有用である。
また、GI指数を求めるためには、造粒物を乾燥して分級した後、さらに水で洗い流しながら分級し、乾燥する必要があるため、最短でも7〜8時間かかることから、操業へフィードバックするには効果が少なく、操業結果(造粒後)の評価を行っているのが現状である。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、製鉄用造粒物の積層体における製鉄用造粒物間の空隙率を測定するための新規な空隙率測定方法を提供することにある。また、本発明のさらなる目的は、上記空隙率測定方法を用いて、効率良く焼結鉱を製造する方法、並びに、上記空隙率測定方法を用いた焼結ベッドの通気性予測方法を提供することにある。
本発明にかかる空隙率測定方法は、上記課題を解決するために、製鉄用原料を造粒してなる製鉄用造粒物を積層してなる製鉄用造粒物の積層体における製鉄用造粒物間の空隙率を測定する空隙率測定方法であって、所定重量の上記製鉄用造粒物を、20℃での真密度が1〜10g/mlの範囲内であり、かつ、平均粒子径が1〜200μmの範囲内である所定重量の粉体で被覆し、体積計量容器に、振盪させて最密充填したときの嵩体積と、上記所定重量の粉体を単独で体積計量容器に最密充填したときの体積との差を用いて上記製鉄用造粒物の見掛け密度を求めると共に、所定重量の上記製鉄用造粒物を、単独でそのまま体積計量容器に充填したときの嵩体積を用いて、上記製鉄用造粒物間に生じる空隙を含む上記製鉄用造粒物の充填密度を求め、上記見掛け密度から上記充填密度を差し引いた値を上記見掛け密度で除して上記製鉄用造粒物間の空隙率を求めることを特徴としている。
また、本発明にかかる空隙率測定方法は、上記課題を解決するために、上記粉体が硅砂、カオリンクレー、ベントナイト、フライアッシュ、シリカヒューム、石灰石、無水石膏、合成ポリマー粒子からなる群より選ばれる何れか一種であることを特徴としている。
さらに、本発明にかかる空隙率測定方法は、上記課題を解決するために、上記最密充填に振盪機を使用することを特徴としている。
また、本発明にかかる焼結鉱の製造方法は、上記課題を解決するために、製鉄用原料を造粒することにより焼結すべき製鉄用造粒物を製造する製鉄用造粒物製造工程と、上記製鉄用造粒物製造工程で得られた製鉄用造粒物を焼結機に偏析装入して該製鉄用造粒物を焼結する焼結工程とを連続して行う焼結鉱の製造方法において、上記製鉄用造粒物製造工程の前に、該製鉄用造粒物製造工程と同じ造粒条件下で製鉄用造粒物を試験的に製造する製鉄用造粒物予備製造工程と、該製鉄用造粒物予備製造工程で得られた製鉄用造粒物間の空隙率を、本発明にかかる上記空隙率測定方法を用いて測定する空隙率測定工程とを含み、上記空隙率測定工程で求められる、20℃での、造粒後の空隙率が20〜50vol%の範囲内である場合には上記造粒条件下で上記製鉄用造粒物製造工程を行い、上記空隙率測定工程で求められる、20℃での、上記造粒後の空隙率が上記範囲を逸脱する場合には上記空隙率測定工程で求められる、20℃での、上記造粒後の空隙率が20〜50vol%の範囲内となるように上記製鉄用造粒物製造工程において造粒を行うことを特徴としている。
さらに、本発明にかかる焼結ベッドの通気性予測方法は、上記課題を解決するために、本発明にかかる上記空隙率測定方法により測定された空隙率を、製鉄用原料を造粒してなる製鉄用造粒物を焼結機に偏析装入して得られる製鉄用造粒物の積層体からなる焼結ベッドにおける焼結時の通気性の指標とすることを特徴としている。
本発明にかかる空隙率測定方法は、以上のように、製鉄用原料を造粒してなる製鉄用造粒物を積層してなる製鉄用造粒物の積層体における製鉄用造粒物間の空隙率を測定する空隙率測定方法であって、所定重量の上記製鉄用造粒物を、20℃での真密度が1〜10g/mlの範囲内であり、かつ、平均粒子径が1〜200μmの範囲内である所定重量の粉体で被覆し、体積計量容器に、振盪させて最密充填したときの嵩体積と、上記所定重量の粉体を単独で体積計量容器に最密充填したときの体積との差を用いて上記製鉄用造粒物の見掛け密度を求めると共に、所定重量の上記製鉄用造粒物を、単独でそのまま体積計量容器に充填したときの嵩体積を用いて、上記製鉄用造粒物間に生じる空隙を含む上記製鉄用造粒物の充填密度を求め、上記見掛け密度から上記充填密度を差し引いた値を上記見掛け密度で除して上記製鉄用造粒物間の空隙率を求める方法である。
本発明によれば、従来のように液体ではなく、20℃での真密度が1〜10g/mlの範囲内であり、かつ、平均粒子径が1〜200μmの範囲内である粉体を用いて製鉄用造粒物の見掛け密度を測定し、該見掛け密度から上記製鉄用造粒物の空隙率を求めることで、従来不可能であった製鉄用造粒物の空隙率を測定することを可能にした。つまり、本発明によれば、新規な製鉄用造粒物の空隙率測定方法を提供することができるという効果を奏する。そして、本発明によれば、このように製鉄用造粒物の空隙率を求めることで、焼結ベッドの通気性、さらには、生産性(生産率)を、事前にかつ容易にかつ短時間で評価(予測)することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる空隙率測定方法は、以上のように、上記粉体が硅砂、カオリンクレー、ベントナイト、フライアッシュ、シリカヒューム、石灰石、無水石膏、合成ポリマー粒子からなる群より選ばれる何れか一種である方法である。
硅砂、カオリンクレー、ベントナイト、フライアッシュ、シリカヒューム、石灰石、無水石膏、合成ポリマー粒子は、上記条件を満足する粉体のなかでも平均粒子径が整っており、紛体自身の空隙による測定誤差を抑制することができる。このため、上記の構成によれば、上記製鉄用造粒物の空隙率を、正確に測定することができるという効果を奏する。
さらに、本発明にかかる製鉄用造粒物の空隙率測定方法は、以上のように、上記最密充填に振盪機を使用する方法である。
上記の構成によれば、上記最密充填に振盪機を用いて振盪充填を行うことで、測定誤差を小さくすることができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる焼結鉱の製造方法は、以上のように、製鉄用原料を造粒することにより焼結すべき製鉄用造粒物を製造する製鉄用造粒物製造工程と、上記製鉄用造粒物製造工程で得られた製鉄用造粒物を焼結機に偏析装入して該製鉄用造粒物を焼結する焼結工程とを連続して行う焼結鉱の製造方法において、上記製鉄用造粒物製造工程の前に、該製鉄用造粒物製造工程と同じ造粒条件下で製鉄用造粒物を試験的に製造する製鉄用造粒物予備製造工程と、該製鉄用造粒物予備製造工程で得られた製鉄用造粒物間の空隙率を、本発明にかかる上記空隙率測定方法を用いて測定する空隙率測定工程とを含み、上記空隙率測定工程で求められる、20℃での、造粒後の空隙率が20〜50vol%の範囲内である場合には上記造粒条件下で上記製鉄用造粒物製造工程を行い、上記空隙率測定工程で求められる、20℃での、上記造粒後の空隙率が上記範囲を逸脱する場合には上記空隙率測定工程で求められる、20℃での、上記造粒後の空隙率が20〜50vol%の範囲内となるように上記製鉄用造粒物製造工程において造粒を行う方法である。
上記の構成によれば、通気不良がなく、歩留強度が高い焼結鉱を効率良く安定して製造することができるという効果を奏する。
さらに、本発明にかかる焼結ベッドの通気性予測方法は、以上のように、本発明にかかる上記空隙率測定方法により測定された空隙率を、製鉄用原料を造粒してなる製鉄用造粒物を焼結機に偏析装入して得られる製鉄用造粒物の積層体からなる焼結ベッドにおける焼結時の通気性の指標とする方法である。
上記の方法によれば、上記焼結ベッドの通気性を事前にかつ容易にかつ短時間で予測することができるとともに、上記焼結ベッドの通気性を予測することで、焼結生産性を事前にかつ容易にかつ短時間で予測することができるという効果を奏する。また、上記の方法により上記焼結ベッドの通気性を予測することで、上記焼結ベッドに用いられる製鉄用造粒物の造粒性、擬似粒化性を、上記製鉄用造粒物の焼結前に評価することが可能である。このため、上記の方法は、生産効率の向上に極めて有用であるのみならず、上記製鉄用造粒物を焼結してなる焼結鉱の原料評価および原料の品質管理を行う上で、非常に有用である。上記の方法によれば、擬似粒化性の評価にGI指数を用いる場合と比較して測定精度が高く、より正確な評価を行うことが可能であり、また、短時間で評価が可能であることから、操業へのフィードバックが容易であるという効果を併せて奏する。
以下に本発明の実施の一形態について詳しく説明する。
本実施の形態にかかる製鉄用造粒物の空隙率測定方法は、製鉄用原料(焼結原料またはペレット原料)を混合、調湿等して造粒(擬似粒化またはペレット化)してなる製鉄用造粒物を積層してなる製鉄用造粒物の積層体における製鉄用造粒物間の空隙率を測定する空隙率測定方法であって、所定重量の上記製鉄用造粒物を、20℃での真密度が1〜10g/mlの範囲内であり、かつ、平均粒子径が1〜200μmの範囲内である所定重量の粉体(微粉)で被覆し、体積計量容器に、振盪させて最密充填したときの嵩体積(造粒物の内部の空隙(空孔)を含む体積)と、上記所定重量の粉体を単独で体積計量容器に充填したときの体積との差を用いて上記製鉄用造粒物の見掛け密度を求めると共に、所定重量の上記製鉄用造粒物を、単独でそのまま体積計量容器に充填したときの嵩体積を用いて、上記製鉄用造粒物間に生じる空隙を含む上記製鉄用造粒物の充填密度を求め、上記見掛け密度から上記充填密度を差し引いた値を上記見掛け密度で除して上記製鉄用造粒物間の空隙率を求める方法である。
本実施の形態において測定対象物質として用いられる製鉄用造粒物とは、製鉄用原料、例えば、焼結鉱やペレットの原料となる鉄鉱石、副原料、燃料等を混合し、造粒機を用いて水分を調節しながら造粒してなる粒子である。該焼結用造粒物(以下、単に造粒物と記す)とは、一般的に、0.5mm以下の微粒子が、核粒子となる1〜3mm程度の微粒子に付着してなり、擬似粒子とも称される。
本実施の形態では、上記造粒物の嵩体積を測定するために、従来のように液体ではなく、粉体(微粉)を使用する。つまり、本実施の形態では、造粒物同士の隙間、すなわち、造粒物間に生じる空隙を、粉体で充たし、該造粒物と粉体との合計の嵩体積から上記粉体の体積を差し引くことで、上記造粒物の嵩体積を求める。本実施の形態によれば、崩れ易く、または多孔質な造粒物の嵩体積を測定するため、該造粒物内、つまり、該造粒物の内部の空隙(空孔)に入り込まず、かつ、造粒物間に生じる空隙を充たすことができる粉体にて上記造粒物表面を予め覆った状態で、該造粒物を例えば振盪機を用いて体積計量容器に最密充填することで上記造粒物間の空隙を含まず、上記造粒物の内部の空隙(空孔)を含む嵩体積を正確に求めることができる。
具体的には、先ず、予め所定重量の紛体を、体積計量容器として例えばメスシリンダーに振盪機を用いて最密状態となるように充填(最密充填)し、このときの上記紛体の体積A(ml)を測定しておく。次いで、所定重量(C(g))の造粒物を上記所定重量の紛体で塗して被覆した後、振盪機を用いて体積計量容器として例えばメスシリンダーに最密充填し、このときの嵩体積B(ml)を測定する。
次いで、下記式
見掛け密度(g/ml)=C(g)/{B(ml)−A(ml)}×100
に示すように、上記造粒物と粉体との合計の嵩体積B(ml)から紛体の体積A(ml)を差し引いた値で、造粒物の質量C(g)を除す。これにより、上記造粒物の見掛け密度を求めることができる。
見掛け密度(g/ml)=C(g)/{B(ml)−A(ml)}×100
に示すように、上記造粒物と粉体との合計の嵩体積B(ml)から紛体の体積A(ml)を差し引いた値で、造粒物の質量C(g)を除す。これにより、上記造粒物の見掛け密度を求めることができる。
ここで、上記造粒物を上記粉体で塗す条件は、以下の通りである。
まず、25cm×35cmのバットに、所定量の粉体を、ほぼ均一になるように広げて載せる。その上に、所定量の造粒物を少量ずつ載せていく。具体的には、60秒で150gの造粒物を上記バットに載せる速度とする。なお、このとき、造粒物の一つ一つが重ならないように注意する。このようにして上記造粒物を所定量バットに載せた後、バットを手で把持し、速やかに左右に振盪させることにより、上記造粒物を上記粉体で塗す。このとき、上記造粒物を上記粉体で塗す目安として、例えば、上記バットを、30秒間、左右に30往復させる。
まず、25cm×35cmのバットに、所定量の粉体を、ほぼ均一になるように広げて載せる。その上に、所定量の造粒物を少量ずつ載せていく。具体的には、60秒で150gの造粒物を上記バットに載せる速度とする。なお、このとき、造粒物の一つ一つが重ならないように注意する。このようにして上記造粒物を所定量バットに載せた後、バットを手で把持し、速やかに左右に振盪させることにより、上記造粒物を上記粉体で塗す。このとき、上記造粒物を上記粉体で塗す目安として、例えば、上記バットを、30秒間、左右に30往復させる。
また、本実施の形態においては、上記振盪機を用いた振盪条件として、振盪機に、株式会社マルイ製の振盪機「ハイシープ MIC−113−0−02型」(商品名)を使用し、振幅調整ツマミを最小(振幅0.5mm)にして上記粉体並びに造粒物を一定の割合(一定量)、例えば約4分の1ずつメスシリンダーに逐次投入し、その都度、各1分間、上記メスシリンダーを上記振盪機で振盪する。即ち、最初に投入した上記粉体並びに造粒物は、計4分振盪したことになる。このようにして、上記粉体並びに造粒物を振盪させて最密充填を行った。なお、上記粉体並びに造粒物をメスシリンダーに一括投入した場合、空隙が上記粉体で埋まらずにメスシリンダー下部に直径5mm程度の空隙が空隙のまま残る場合があり、測定誤差が大きくなるおそれがある。このため、上記粉体並びに造粒物をメスシリンダーに振盪投入するに際しては、上記したように、分割投入することが望ましい。
本実施の形態において最密状態あるいは最密充填とは、体積計量容器内の充填物の嵩体積が最小となるように充填を行うことを示し、例えば、充填物が、上記粉体で塗した上記造粒物である場合には、上記粉体で塗した上記造粒物を、使用した粉体ごと、つまり、バット上の粉体ごと全て、体積計量容器に充填したときの該造粒物と粉体との合計の嵩体積が最小となるように、つまり、体積計量容器内の充填物の嵩高さが最小となるように充填を行うことを示す。
本実施の形態においては、上記したように見掛け密度の測定に粉体を使用することで、該粉体で造粒物表面を塗し、造粒物を変形しないようにする効果と、液体のように造粒物内へ入り込むことを防止する効果とを共に得ることができる。また、上記見掛け密度を測定するに際し、最密充填に振盪機を用いて振盪充填を行うことで、測定誤差を小さくすることができる。
上記紛体の平均粒子径は、1〜200μmの範囲内であることが好ましく、1〜100μmの範囲内であることがより好ましい。上記粉体の平均粒子径が200μmを越える大きさであれば、この紛体自身に空隙ができて測定誤差が大きくなる。一方、上記粉体の平均粒子径が1μm未満であれば、振盪充填時に紛体が舞い上がることや、充填に時間がかかるといった問題点がある。
また、上記紛体の真密度(20℃)は、1〜10g/mlの範囲内であることが好ましく、2〜5g/mlの範囲内であることがより好ましい。上記真密度が1g/ml未満であれば、振盪充填時に紛体が舞い上がることや、充填に時間がかかるといった問題があり、上記真密度が10g/mlを越えると、充填時に、分離、つまり、上記粉体(微粉)で被覆した造粒物が、密度差により浮いてくるために体積計量容器の上部に空隙が生じるといった問題がある。
さらに、上記粉体の水分は3%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。上記水分が3%を超えると、造粒物に塗して被覆することが困難になる。
上記粉体としては、硅砂、カオリンクレー、ベントナイト、フライアッシュ、シリカヒューム、石灰石(炭酸カルシウム)、鉄鉱石、鉄鋼用副原料、製鉄所内で発生するダスト、無水石膏、合成ポリマーの微粒子等が挙げられる。これら粉体は、真密度が1g/mlであり、かつ、平均粒子径が整っているため好ましく、そのなかでも、硅砂、カオリンクレー、ベントナイト、フライアッシュ、シリカヒューム、石灰石、無水石膏、合成ポリマー粒子がより好ましく、硅砂、カオリンクレー、炭酸カルシウムが、平均粒子径がより一層整っている、すなわち有用な範囲内の粒子を多く含むことからより一層好ましく、そのなかでも硅砂が特に好ましい。
上記粉体は、測定対象物質である上記造粒物同士の隙間、すなわち、上記造粒物間に生じる空隙を埋めることができるように過剰量使用され、上記造粒物間に生じる空隙を埋めることができさえすれば、特に限定されるものではないが、通常、上記造粒物に対し、0.5〜1.5倍容量の範囲内で使用される。上記造粒物の使用量が0.5倍容量未満であれば、上記造粒物間の空隙を充たし得ないおそれがある。一方、上記造粒物の使用量が1.5倍容量を越えると、充填に時間がかかるという問題がある。
上記造粒物間の空隙率は、このようにして測定した見掛け密度と、上記造粒物を、単独でそのまま体積計量容器に充填したときの、空隙を含む上記造粒物の充填密度とから求めることができる。
具体的には、所定重量(D(ml))の上記造粒物を、粉体で塗すことなく、また、振盪機を使用せずに、単独でそのまま、体積計量容器として例えばメスシリンダーに充填したときの嵩体積E(ml)を測定し、該嵩体積E(ml)で造粒物の質量D(g)を除すことにより、上記造粒物間に生じる空隙、すなわち、上記造粒物からなる層(積層体)中に存在する空隙を含む、上記造粒物の充填密度を求める。
なお、上記造粒物を体積計量容器に充填する場合には、上記造粒物が崩れないようにできるだけゆっくり、緩やかに充填を行うことが望ましい。
該造粒物の充填密度をF(g/ml)、上述した造粒物の見掛け密度をG(g/ml)とすると、造粒物の空隙率は、下記式
造粒物の空隙率(vol%)
={G(g/ml)−F(g/ml)}/G(g/ml)×100
に示すように、上記造粒物の見掛け密度G(g/ml)から上記造粒物の充填密度F(g/ml)を差し引いた値を、上記造粒物の見掛け密度G(g/ml)で除すことにより求めることができる。
造粒物の空隙率(vol%)
={G(g/ml)−F(g/ml)}/G(g/ml)×100
に示すように、上記造粒物の見掛け密度G(g/ml)から上記造粒物の充填密度F(g/ml)を差し引いた値を、上記造粒物の見掛け密度G(g/ml)で除すことにより求めることができる。
焼結鉱の生産率に関わる焼結ベッドの通気性は、点火前の焼結ベッドの空隙率の増加にも依存している。
よって、本実施の形態によれば、予め、製鉄用造粒物、すなわち、製鉄用原料の造粒物の積層体における製鉄用造粒物間の空隙率を、10分間〜15分間という短い時間で容易かつ正確に求めることができると共に、このように製鉄用造粒物の積層体における製鉄用造粒物間の空隙率を求めることで、製鉄用造粒物を焼結機に偏析装入(充填、装填)してなる充填層(積層体)からなる焼結ベッドの空隙率(充填層の空隙率)、ひいては、該焼結ベッドの通気性、さらには、焼結機の生産性(すなわち焼結鉱の生産性)を、事前にかつ容易に予測し、評価することが可能となる。すなわち、本発明にかかる空隙率の測定方法は、製鉄用造粒物を焼結機に偏析装入してなる充填層(積層体)からなる焼結ベッドの空隙率(充填層の空隙率)を間接的に測定する方法、ひいては、上記製鉄用造粒物を積層してなる焼結ベッドの通気性を予測する焼結ベッドの通気性予測方法、もしくは、焼結機の生産性予測方法として好適に用いることができる。このように空隙率を用いた焼結ベッドの通気性評価は、従来のGI指数(非特許文献4参照)の測定には含まれない密度の要因を加味していることから精度が高い。
また、本実施の形態では、体積計量容器として例えばメスシリンダーを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、従来公知の種々の体積計量容器を使用することができる。
また、本実施の形態では、上記造粒物を上記粉体で塗すためにバットに粉体を広げて載せた上に上記造粒物を載せて左右に振盪させることにより、上記造粒物を上記粉体で塗したが、上記造粒物を粉体で塗す方法としては、上記造粒物を崩さないように上記造粒物を粉体で塗すことができさえすれば、上記方法に限定されるものではない。
以上のように、焼結鉱の製造において、焼結ベッドの通気性は、焼結鉱の生産性に密接に関わり、焼結ベッドの通気性は、焼結ベッドの空隙率、つまり、点火前の焼結ベッドの空隙率の増加にも依存している。
焼結鉱は、焼結原料としての製鉄用造粒物を、焼結機に充填して該製鉄用造粒物(焼結原料)の充填層(積層体)からなる焼結ベッドを形成した後、該焼結ベッドの表層に点火して焼結することにより製造される。焼結原料を焼結する上記焼結機は下方吸引式を採用しており、焼結原料の下側から吸引することによって焼結に必要な空気を流通させると共に、焼結原料の上側から下側へ向かって燃料を燃焼させることにより、焼結原料を焼結するようになっている。
しかしながら、上記空隙率が20vol%未満では、通気不良を起こし、50vol%を超えると熱の移動が速すぎるため、製鉄用造粒物に熱が十分に行き渡らないことから、歩留強度が低下する。
よって、上記焼結原料としては、上記空隙率測定方法で求められる空隙率が20〜50vol%の範囲内にあることが好ましい。
しかしながら、通常、焼結鉱の製造形態は、バッチ式ではなく、連続式で行われ、造粒後、引き続き焼結ベッドの形成が行われる。
このため、本実施の形態によれば、予め、上記空隙率が20〜50vol%の範囲内となるように上記製鉄用造粒物の造粒条件が設定(調整)されていることが望ましく、例えば実ラインにおいて焼結原料の配合銘柄やその比率を変更して、得られる造粒物の配合割合を変更する場合等、焼結原料(製鉄用造粒物)の製造条件、すなわち、製鉄用造粒物製造工程における造粒条件を変更する場合には、該製鉄用造粒物製造工程(実ライン)における造粒条件と同じ造粒条件にて小スケール(つまり、上記製鉄用造粒物製造工程(実ライン)よりも小スケール)での配合を行い、バッチ式の小スケールの造粒機を用いて試験的に製鉄用造粒物の製造を行い、該試験的に製造した製鉄用造粒物の空隙率を測定し、該空隙率が上記した範囲内にあるか否かを確認することが望ましい。そして、上記空隙率が上記範囲から外れた場合には、上記配合比率の修正や、造粒処理剤の添加量の調節を行う等、造粒条件を変更して再度空隙率を測定し、該空隙率が上記した範囲内となる造粒条件を導くと共に、得られた条件を実ラインでの造粒条件の変更にフィードバックすることにより、工程管理を行うことが望ましい。さらに、実ラインより造粒物をサンプリングして、空隙率を測定し、フィードバック制御することが望ましい。
すなわち、本実施の形態にかかる焼結鉱の製造方法は、製鉄用原料を造粒することにより焼結すべき製鉄用造粒物を製造する製鉄用造粒物製造工程と、上記製鉄用造粒物製造工程で得られた製鉄用造粒物を焼結機に偏析装入して該製鉄用造粒物を焼結する焼結工程とを連続して行う焼結鉱の製造方法において、上記製鉄用造粒物製造工程の前に、該製鉄用造粒物製造工程と同じ造粒条件下で製鉄用造粒物を試験的に製造する製鉄用造粒物予備製造工程と、該製鉄用造粒物予備製造工程で得られた製鉄用造粒物間の空隙率を、上記空隙率測定方法を用いて測定する空隙率測定工程とを含み、上記空隙率測定工程で求められる、20℃での、造粒後の空隙率が20〜50vol%の範囲内である場合には上記造粒条件下で上記製鉄用造粒物製造工程を行い、上記空隙率測定工程で求められる、20℃での、上記造粒後の空隙率が上記範囲を逸脱する場合には上記空隙率測定工程で求められる、20℃での、上記造粒後の空隙率が20〜50vol%の範囲内となるように上記製鉄用造粒物製造工程において造粒を行う、つまり、上記造粒条件を変更して上記製鉄用造粒物製造工程を行う方法である。
本実施の形態において、上記空隙率測定工程において測定した上記空隙率が上記した範囲を逸脱する場合には、造粒処理剤の添加量や水分量を調整する等、上記空隙率を満足するように調整(空隙率調整工程)後、再度空隙率の測定(確認)を行い、上記空隙率を満足する条件にて上記製鉄用造粒物製造工程が行われる。
上記空隙率測定工程で求められる上記空隙率を上記範囲内とするための条件は、配合条件等によって異なり、特に限定されるものではないが、上記空隙率を満足するためには、例えば、造粒処理剤(アクリル酸系重合体、マレイン酸系重合体等)を、造粒すべき製鉄用原料に対し、0.001重量%〜2重量%の範囲内で添加することが望ましい。
なお、本実施の形態において、上記焼結工程における製鉄用造粒物(焼結原料)の焼結条件は、特に限定されるものではなく、従来と同様の条件とすればよい。
以上のように、本実施の形態にかかる焼結鉱の製造方法によれば、焼結鉱の製造条件(製鉄用造粒物の造粒条件)を変更する度に、予め、上記空隙率測定工程において、上記試験的に製造した製鉄用造粒物間の空隙率が上記した範囲内にあることを確認した上で、実際に焼結原料して用いられる製鉄用造粒物の製造、焼結が行われるので、焼結鉱の製造条件が変更された場合でも、通気不良がなく、歩留強度が高い焼結鉱を、効率良く安定して製造することができる。従って、本実施の形態によれば、上記焼結ベッドの通気性に優れ、焼結生産性が高い焼結鉱の製造方法を提供することができる。
また、本発明にかかる上記空隙率測定方法は、操業条件の決定を行う上で、特に効果を発揮する。すなわち、本発明にかかる空隙率測定方法を用いて得られた空隙率は、実機操業におけるブロワー吸引圧調整および添加水や処理剤の最適添加量等の操業条件を最適化するための指標とすることができる。
また、前記したように焼結ベッドの通気性は、点火前の焼結ベッドの空隙率の増加にも依存することから、本発明にかかる空隙率測定方法を用いて得られた空隙率は、前記したように、上記製鉄用造粒物を積層してなる焼結ベッドの通気性を予測するための指標としても用いることができる。
すなわち、本発明にかかる焼結ベッドの通気性予測方法は、上記空隙率測定方法により測定された空隙率を、製鉄用原料を造粒してなる製鉄用造粒物を焼結機に偏析装入して得られる製鉄用造粒物の積層体からなる焼結ベッドにおける焼結時の通気性の指標とする方法である。
上記焼結ベッドの通気性予測方法によれば、上記空隙率測定方法により測定された空隙率と、上記焼結ベッドにおける焼結時の通気性との関係、具体的には、例えば、上記空隙率と、JPU値との相関関係を一旦調べておくことで、例えば、この結果に基づいて予め作成した両者の相関図や相関表、あるいは、予め算出した両者の相関係数を用いて、上記空隙率測定方法により測定された空隙率から、上記焼結ベッドにおける焼結時の通気性を容易に算出、予測することができる。また、上記相関関係を予め調べておくことで、上記した相関図や相関表等を作成せずとも、上記焼結ベッドの通気性の大凡の見当をつけることができる。
上記焼結ベッドの通気性予測方法によれば、上記焼結ベッドの通気性を事前にかつ容易にかつ短時間で予測することができるとともに、上記焼結ベッドの通気性を予測することで、焼結生産性を事前にかつ容易にかつ短時間で予測することができる。また、上記の方法により上記焼結ベッドの通気性を予測することで、上記焼結ベッドに用いられる製鉄用造粒物の造粒性、擬似粒化性を、上記製鉄用造粒物の焼結前に評価することが可能である。このため、上記の方法は、生産効率の向上に極めて有用であるのみならず、上記製鉄用造粒物を焼結してなる焼結鉱の原料評価および原料の品質管理を行う上で、非常に有用である。上記の方法によれば、擬似粒化性の評価にGI指数を用いる場合と比較して測定精度が高く、より正確な評価を行うことが可能であり、また、短時間で評価が可能であることから、操業へのフィードバックが容易である。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上述した各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。尚、実施例および比較例に記載の「%」は「質量%」を示す。なお、以下の測定における各密度の測定値は、20℃での測定値を示すものとする。
(GI指数)
造粒操作を行って得られた擬似粒子を80℃で1時間乾燥後、ふるいを用いて分級することにより、その粒度(擬似粒度)並びに平均粒径を求めた。なお、GI指数の測定は、非特許文献4(「製鉄研究」第288号(1976)9頁)に記載の方法に準じて行った。以下の測定においては、造粒後の平均粒径が0.5mm以下の擬似粒子のGI指数を求めた。
造粒操作を行って得られた擬似粒子を80℃で1時間乾燥後、ふるいを用いて分級することにより、その粒度(擬似粒度)並びに平均粒径を求めた。なお、GI指数の測定は、非特許文献4(「製鉄研究」第288号(1976)9頁)に記載の方法に準じて行った。以下の測定においては、造粒後の平均粒径が0.5mm以下の擬似粒子のGI指数を求めた。
(JPU)
JPUは、以下の式
JPU=v×(h/ΔP)0.6
v:空塔流速(m/min)
h:原料層厚(mm)
ΔP:原料層の圧力損失(mmH2O)
により算出した。
JPUは、以下の式
JPU=v×(h/ΔP)0.6
v:空塔流速(m/min)
h:原料層厚(mm)
ΔP:原料層の圧力損失(mmH2O)
により算出した。
(生産率)
生産率は、以下の式
生産率(t/day/m2)=焼結鍋試験後の粒径5mm以上の粒度を有する粒子の総重量(t)/焼結時間(day)/焼結機(鍋)の表面積(m2)
により算出した。
生産率は、以下の式
生産率(t/day/m2)=焼結鍋試験後の粒径5mm以上の粒度を有する粒子の総重量(t)/焼結時間(day)/焼結機(鍋)の表面積(m2)
により算出した。
なお、ここで、焼結鍋試験後の粒径5mm以上の粒度を有する粒子とは、焼結鍋試験において、焼結後の焼結鉱(シンターケーキ)50kgを2mの高さから鉄板上に5回落下させたときの、粒径5mm以上の粒度を有する粒子を示す。
〔実施例1〕
表1に示す組成を有する焼結原料(製鉄用原料)を調製した。
表1に示す組成を有する焼結原料(製鉄用原料)を調製した。
上記の焼結原料70000gをドラムミキサーに投入し、回転速度24min−1で1分間、予備撹拌した。その後、同回転速度で撹拌しながら、該焼結原料に、水5250gを霧吹きを用いて約1.5分間かけて噴霧した。噴霧後、さらに同回転速度で3分間撹拌することにより造粒操作を行い、本発明にかかる製鉄用造粒物(擬似粒子)として造粒物(1)を得た。得られた造粒物(1)を、乾燥後、ふるいを用いて分級することにより、上記造粒物(1)のGI指数を求めた。
一方、25cm×35cmのバットに、8号硅砂124gを、ほぼ均一になるように広げて載せた。
次に、上記造粒物(1)を150g採取し、該造粒物(1)を、上記バット上に載せた8号硅砂上に、60秒間かけて少量ずつ載せた。その後、上記バットを把持して30秒間、左右に30往復させることにより、上記造粒物(1)150gを、8号硅砂124gで塗した。
続いて、この8号硅砂で塗した上記造粒物(1)を、バット上の8号硅砂ごと全て、振盪機を用いて200mlのメスシリンダーに充填した。このとき、振盪機には株式会社マルイ製の「ハイシープ MIC−113−0−02型」(商品名)を使用し、上記振盪機の振幅調整ツマミを最小(振幅0.5mm)にして、上記バット上の8号硅砂並びに造粒物(1)を、4分の1ずつ上記メスシリンダーに逐次投入し、その都度、各1分間、上記メスシリンダーを上記振盪機で振盪させて該メスシリンダー内の充填物を振盪させることにより、最密充填を行った。
このときの上記造粒物(1)および8号硅砂の合計の嵩体積を測定した。この嵩体積から、8号硅砂124gのみを同様にして200mlのメスシリンダーに最密充填したときの体積である91mlを差し引いた体積の値で、用いた造粒物(1)の質量を除すことにより、上記造粒物(1)の見掛け密度を測定した。
続いて、上記造粒物(1)300gを採取し、該造粒物(1)を、そのまま、200mlのメスシリンダーに緩やかに充填することで、空隙を含む上記造粒物(1)の充填密度を測定した。該充填密度の測定においては、上記メスシリンダーを静置した状態において上記造粒物(1)をメスシリンダーの上方から投入し、このときの上記造粒物(1)の嵩体積を測定し、該嵩体積で、用いた造粒物(1)の質量を除すことにより、上記造粒物(1)を、通常、充填するときの、上記造粒物(1)間に生じる空隙を含む充填密度を測定した。
上記方法で求めた見掛け密度と充填密度とから、前記式(2)により空隙率を求めた。さらに、上記造粒物(1)を50kgスケールの鍋試験にて焼結を行い、焼結鉱を得た。該試験の条件は、焼結鍋の直径を300mm、高さを600mm、層厚を550mmとし、吸引負圧を9.8kPa(一定)とした。このときのJPUを測定すると共に、得られた焼結鉱の生産率を測定した。これらの結果をまとめて表2に示す。
〔実施例2〕
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管および還流冷却器を備えたガラス製の反応容器に、イオン交換水1291gと、ポリアルキレングリコール鎖含有モノマーとしての3−メチルー3−ブテン−1−オールにエチレンオキサイドを平均50モル付加してなるポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル単量体1812gと、酸基含有モノマーとしての無水マレイン酸188gとを仕込み、反応溶液とした。次いで、この反応溶液を60°に昇温した。
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管および還流冷却器を備えたガラス製の反応容器に、イオン交換水1291gと、ポリアルキレングリコール鎖含有モノマーとしての3−メチルー3−ブテン−1−オールにエチレンオキサイドを平均50モル付加してなるポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル単量体1812gと、酸基含有モノマーとしての無水マレイン酸188gとを仕込み、反応溶液とした。次いで、この反応溶液を60°に昇温した。
続いて、この反応溶液に、重合開始剤としての「NC−32W」(商品名;日宝化学社製、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩の87%濃度品)の15%水溶液50gを加えて7時間攪拌し、さらに温度を80°まで上昇した後、1時間攪拌して重合反応を完結させた。
その後、この反応溶液を30%水酸化ナトリウム水溶液で中和して、重量平均分子量が26200、不揮発分の濃度が55.1%であるポリマー水溶液(i)を得た。次いで、この得られたポリマー水溶液(i)64gに、水5186gを添加してよく攪拌し、製鉄用造粒処理剤としてのポリマー水溶液(I)5250gを得た。
一方、実施例1と同様にして表1に示す組成を有する焼結原料(製鉄用原料)を調製した。この焼結原料70000gをドラムミキサーに投入し、回転速度24min−1で1分間、予備撹拌した。その後、同回転速度で撹拌しながら、該焼結原料に、製鉄用造粒処理剤としての上記ポリマー水溶液(I)5250gを、霧吹きを用いて約1.5分間かけて噴霧した。上記ポリマー水溶液(I)中に含まれるポリマー(高分子化合物)の濃度は0.67%であり、焼結原料(製鉄用原料)に対する上記ポリマー(高分子化合物)の割合は0.05%、水分は7%であった。噴霧後、さらに同回転速度で3分間撹拌することにより造粒操作を行い、本発明にかかる製鉄用造粒物(擬似粒子)として造粒物(2)を得た。
続いて、実施例1において、造粒物(1)に代えて上記造粒物(2)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って、上記造粒物(2)の見掛け密度、充填密度、空隙率、GI指数、JPU、生産率を測定した。これらの結果をまとめて表2に示す。
〔実施例3〕
実施例2で得られたポリマー水溶液(i)191gに、水5059gを添加してよく攪拌し、製鉄用造粒処理剤としてのポリマー水溶液(II)5250gを得た。
実施例2で得られたポリマー水溶液(i)191gに、水5059gを添加してよく攪拌し、製鉄用造粒処理剤としてのポリマー水溶液(II)5250gを得た。
一方、実施例1と同様にして表1に示す組成を有する焼結原料(製鉄用原料)を調製した。この焼結原料70000gをドラムミキサーに投入し、回転速度24min−1で1分間、予備撹拌した。その後、同回転速度で撹拌しながら、該焼結原料に、該焼結原料に、製鉄用造粒処理剤としての上記ポリマー水溶液(II)5250gを、霧吹きを用いて約1.5分間かけて噴霧した。上記上記ポリマー水溶液(II)中に含まれるポリマー(高分子化合物)の濃度は2%であり、焼結原料(製鉄用原料)に対する上記ポリマー(高分子化合物)の割合は0.15%、水分は7%であった。噴霧後、さらに同回転速度で3分間撹拌することにより造粒操作を行い、本発明にかかる製鉄用造粒物(擬似粒子)として造粒物(3)を得た。
続いて、実施例1において、造粒物(1)に代えて上記造粒物(3)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って、上記造粒物(3)の見掛け密度、充填密度、空隙率、GI指数、JPU、生産率を測定した。これらの結果をまとめて表2に示す。
〔実施例4〕
実施例2で得られたポリマー水溶液(i)191gに、水7568gを添加してよく攪拌し、製鉄用造粒処理剤としてのポリマー水溶液(III)7759gを得た。
実施例2で得られたポリマー水溶液(i)191gに、水7568gを添加してよく攪拌し、製鉄用造粒処理剤としてのポリマー水溶液(III)7759gを得た。
一方、実施例1と同様にして表1に示す組成を有する焼結原料(製鉄用原料)を調製した。この焼結原料70000gをドラムミキサーに投入し、回転速度24min−1で1分間、予備撹拌した。その後、同回転速度で撹拌しながら、該焼結原料に、該焼結原料に、製鉄用造粒処理剤としての上記ポリマー水溶液(III)7759gを、霧吹きを用いて約1.5分間かけて噴霧した。上記上記ポリマー水溶液(III)中に含まれるポリマー(高分子化合物)の濃度は1.4%であり、焼結原料(製鉄用原料)に対する上記ポリマー(高分子化合物)の割合は0.15%、水分は10%であった。噴霧後、さらに同回転速度で3分間撹拌することにより造粒操作を行い、本発明にかかる製鉄用造粒物(擬似粒子)として造粒物(4)を得た。
続いて、実施例1において、造粒物(1)に代えて上記造粒物(4)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って、上記造粒物(4)の見掛け密度、充填密度、空隙率、GI指数、JPU、生産率を測定した。これらの結果をまとめて表2に示す。
〔比較例1〕
実施例1で得られた造粒物(1)150gを採取し、水100gを入れた200mlのメスシリンダー内に緩やかに投入した。このときに増加した体積から上記造粒物(1)の見掛け密度を測定しようとしたが、上記造粒物(1)が造粒前の微紛状態に戻ってしまったため、該造粒物(1)の見掛け密度を測定することはできなかった。この結果を表2に示す。
実施例1で得られた造粒物(1)150gを採取し、水100gを入れた200mlのメスシリンダー内に緩やかに投入した。このときに増加した体積から上記造粒物(1)の見掛け密度を測定しようとしたが、上記造粒物(1)が造粒前の微紛状態に戻ってしまったため、該造粒物(1)の見掛け密度を測定することはできなかった。この結果を表2に示す。
〔比較例2〕
実施例2で得られた造粒物(2)150gを採取し、水100gを入れた200mlのメスシリンダー内に緩やかに投入した。このときに増加した体積から上記造粒物(2)の見掛け密度を測定しようとしたが、上記造粒物(2)が造粒前の微紛状態に戻ってしまったため、該造粒物(2)の見掛け密度を測定することはできなかった。この結果を表2に示す。
実施例2で得られた造粒物(2)150gを採取し、水100gを入れた200mlのメスシリンダー内に緩やかに投入した。このときに増加した体積から上記造粒物(2)の見掛け密度を測定しようとしたが、上記造粒物(2)が造粒前の微紛状態に戻ってしまったため、該造粒物(2)の見掛け密度を測定することはできなかった。この結果を表2に示す。
〔比較例3〕
実施例3で得られた造粒物(3)150gを採取し、水100gを入れた200mlのメスシリンダー内に緩やかに投入した。このときに増加した体積から上記造粒物(3)の見掛け密度を測定しようとしたが、上記造粒物(3)が造粒前の微紛状態に戻ってしまったため、該造粒物(3)の見掛け密度を測定することはできなかった。この結果を表2に示す。
実施例3で得られた造粒物(3)150gを採取し、水100gを入れた200mlのメスシリンダー内に緩やかに投入した。このときに増加した体積から上記造粒物(3)の見掛け密度を測定しようとしたが、上記造粒物(3)が造粒前の微紛状態に戻ってしまったため、該造粒物(3)の見掛け密度を測定することはできなかった。この結果を表2に示す。
表2に示す結果から明らかなように、造粒物を単に水中に浸し密度を求めた場合、水が造粒物内に浸入し、造粒前の微紛状態に戻るため、見掛け密度を測定することはできず、該造粒物の空隙率を求めることはできなかった。しかしながら、本発明によれば、容易に造粒物の空隙率を求めることができることが判る。
また、見掛け密度と充填密度とから求まる空隙率と焼結鉱の通気性(JPU)との関係を図1に示す。さらに、上記焼結鉱の通気性(JPU)とGI指数との関係を図2に示す。図1および図2に示す結果から、見掛け密度と充填密度とから求まる空隙率は、焼結鉱の通気性(JPU)および生産率と相関関係にあることが判る。よって、上記空隙率を求めることで、焼結ベッドの通気性を容易に予測することができることが判る。また、GI指数では、充填密度の影響により測定結果が大きく外れる場合においても、空隙率は一定の傾向を示すことから、上記空隙率は測定精度が高いことが判る。
本発明によれば、従来不可能であった製鉄用造粒物の空隙率を測定することが可能となる。そして、本発明によれば、このように製鉄用造粒物の空隙率を求めることで、焼結ベッドの通気性、さらには、生産性(生産率)を、事前にかつ容易にかつ短時間で評価(予測)することが可能となる。すなわち、本発明にかかる空隙率の測定方法は、上記焼結ベッドの通気性を予測する焼結ベッドの通気性予測方法、もしくは、焼結機の生産性予測方法としても好適に用いることができる。
Claims (5)
- 製鉄用原料を造粒してなる製鉄用造粒物を積層してなる製鉄用造粒物の積層体における製鉄用造粒物間の空隙率を測定する空隙率測定方法であって、
所定重量の上記製鉄用造粒物を、20℃での真密度が1〜10g/mlの範囲内であり、かつ、平均粒子径が1〜200μmの範囲内である所定重量の粉体で被覆し、体積計量容器に、振盪させて最密充填したときの嵩体積と、上記所定重量の粉体を単独で体積計量容器に最密充填したときの体積との差を用いて上記製鉄用造粒物の見掛け密度を求めると共に、所定重量の上記製鉄用造粒物を、単独でそのまま体積計量容器に充填したときの嵩体積を用いて、上記製鉄用造粒物間に生じる空隙を含む上記製鉄用造粒物の充填密度を求め、上記見掛け密度から上記充填密度を差し引いた値を上記見掛け密度で除して上記製鉄用造粒物間の空隙率を求めることを特徴とする空隙率測定方法。 - 上記粉体が硅砂、カオリンクレー、ベントナイト、フライアッシュ、シリカヒューム、石灰石、無水石膏、合成ポリマー粒子からなる群より選ばれる何れか一種であることを特徴とする請求項1記載の空隙率測定方法。
- 上記最密充填に振盪機を使用することを特徴とする請求項1または2記載の空隙率測定方法。
- 製鉄用原料を造粒することにより焼結すべき製鉄用造粒物を製造する製鉄用造粒物製造工程と、上記製鉄用造粒物製造工程で得られた製鉄用造粒物を焼結機に偏析装入して該製鉄用造粒物を焼結する焼結工程とを連続して行う焼結鉱の製造方法において、
上記製鉄用造粒物製造工程の前に、
該製鉄用造粒物製造工程と同じ造粒条件下で製鉄用造粒物を試験的に製造する製鉄用造粒物予備製造工程と、
該製鉄用造粒物予備製造工程で得られた製鉄用造粒物間の空隙率を、請求項1〜3の何れか1項に記載の空隙率測定方法を用いて測定する空隙率測定工程とを含み、
上記空隙率測定工程で求められる、20℃での、造粒後の空隙率が20〜50vol%の範囲内である場合には上記造粒条件下で上記製鉄用造粒物製造工程を行い、上記空隙率測定工程で求められる、20℃での、上記造粒後の空隙率が上記範囲を逸脱する場合には上記空隙率測定工程で求められる、20℃での、上記造粒後の空隙率が20〜50vol%の範囲内となるように上記製鉄用造粒物製造工程において造粒を行うことを特徴とする焼結鉱の製造方法。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載の空隙率測定方法により測定された空隙率を、製鉄用原料を造粒してなる製鉄用造粒物を焼結機に偏析装入して得られる製鉄用造粒物の積層体からなる焼結ベッドにおける焼結時の通気性の指標とすることを特徴とする焼結ベッドの通気性予測方法。
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