JP6200124B1 - (ポリ)スルフィド化合物の製造方法およびエピスルフィド化合物の製造方法 - Google Patents

(ポリ)スルフィド化合物の製造方法およびエピスルフィド化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明の下記一般式(2)で表される(ポリ)スルフィド化合物の製造方法は、下記一般式(1)で表されるチオール化合物同士を、下記一般式(4)または下記一般式(5)で表される塩基化合物および硫黄の存在下で反応させる。M(SH)n (4)

Description

本発明は、ビスハロヒドリン基を有する(ポリ)スルフィド化合物の製造方法、および(ポリ)スルフィド結合を有するエピスルフィド化合物の製造方法に関する。
プラスチックレンズは、無機レンズに比べ軽量で割れ難く、染色が可能なため近年、眼鏡レンズ、カメラレンズ等の光学素子に急速に普及してきている。
プラスチックレンズ用樹脂には、さらなる高性能化が要求されてきており、高屈折率化、高アッベ数化、低比重化、高耐熱性化等が求められてきた。これまでにも様々なレンズ用樹脂素材が開発され使用されている。
その中でも、スルフィド系樹脂からなる光学材料は、高屈折率、高アッベ数であり、屈折率1.6を超える超高屈折率材料として検討が行われている。スルフィド系樹脂は、エピスルフィド化合物を含む重合性組成物を重合させて得られる。
スルフィド系樹脂からなる成形体においては、高屈折率化を目的として、樹脂中の硫黄含有率を向上させる方法が提案されている。当該目的のため、ジスルフィド結合(−S−S−)を備えるエピスルフィド化合物が使用されている(特許文献1〜3)。特許文献1には、モノマーとして、分子内に1つ以上のジスルフィド結合と分子内に2つ以上の2,3−エピチオプロピル基を有するエピスルフィド化合物を用いることにより、屈折率が1.71を超えるスルフィド系樹脂が得られることが記載されている。
特許文献1および4〜8には、エピスルフィド化合物の製造方法が開示されており、特許文献1、6〜8には、チオールの酸化反応によりジスルフィド結合を有するエピスルフィド化合物を合成する方法が開示されている。
特許文献1の合成例1には、クロロメルカプトプロパノールを、炭酸水素ナトリウムとヨウ素の存在下で反応させ、次いで苛性ソーダ存在下で反応することによりビス(2,3−エポキシプロピル)ジスルフィドを得たこと記載されている。
特許文献6の実施例5や特許文献7の実施例5、6には、クロロメルカプトプロパノールを炭酸水素ナトリウムとヨウ素の存在下で反応させジスルフィド体を得たと記載されている。
特許文献8には、塩基性触媒の存在下、ポリチオール化合物と硫黄とを反応させてジスルフィド結合を介したポリチオールオリゴマーの製造方法が提案されている。実施例1には、具体的に2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアンを、硫黄と塩基性触媒であるトリエチルアミンとの存在下で反応させ、当該化合物のオリゴマー(ジスルフィド体等)を得たと記載されている。
特開2002−194083号公報 特開2000−256435号公報 国際公開第2013/115212号 特開2001−163874号公報 国際公開第2013/157490号 特開2013−142073号公報 国際公開第2015/137402号 特開2007−91652号公報
チオール化合物の酸化剤として硫黄、および塩基化合物を用いる方法は、ジスルフィド化合物を工業的に安価かつ安定的に製造することができる有効な手段である。
しかしながら、硫黄および塩基化合物を用いたチオール化合物の酸化反応において、チオール化合物がメルカプト基以外の反応性官能基を同一分子内に有する場合、分子内での副反応により含硫環化合物が副生し、目的化合物であるジスルフィド化合物の選択率が低下することを見出した。
本発明者らは鋭意検討の結果、ハロヒドリン構造を有するチオール化合物を硫黄および特定の塩基化合物の存在下で酸化反応させることにより、チオール化合物間のメルカプト基同士の酸化反応が選択的に進行することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下に示すことができる。
[1] 下記一般式(1)
Figure 0006200124
(一般式(1)中、XおよびXは水酸基またはハロゲン原子を示し、一方は水酸基であり、他方はハロゲン原子である。R〜Rは同一または異なっていてもよく、水素原子、C1〜C10の直鎖または分岐アルキル基、置換または無置換アリール基を示す。R〜Rは、それぞれ同一または異なっていてもよい。mは0〜2の整数を示す。)
で表されるチオール化合物同士を、下記一般式(4)または下記一般式(5)で表される塩基化合物および硫黄の存在下で反応させる、下記一般式(2)で表される(ポリ)スルフィド化合物の製造方法;
M(SH)n (4)
(一般式(4)中、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を表す。nは、Mで表されるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の価数を表す。)、
Figure 0006200124
(一般式(5)中、Q、QおよびQは、互いに同一または異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜20の直鎖または分枝状脂肪族基、または炭素数3〜20の脂環族基、置換または無置換芳香族基であり、これらの基はヘテロ原子を含んでいてもよい。)
Figure 0006200124
(一般式(2)中、X〜X、R〜Rおよびmは一般式(1)と同義であり、複数存在するX〜X、R〜Rおよびmは同一でも異なっていてもよい。pは0〜4の整数を示す。)。
[2] 前記チオール化合物同士を、50Torr〜600Torrの圧力下で反応させる、[1]に記載の(ポリ)スルフィド化合物の製造方法。
[3] XおよびXにおける前記ハロゲン原子が塩素原子である、[1]または[2]に記載の(ポリ)スルフィド化合物の製造方法。
[4] 前記一般式(1)で表されるチオール化合物は、下記式(3)
Figure 0006200124
で表される化合物を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の(ポリ)スルフィド化合物の製造方法。
[5] 前記一般式(4)で表される化合物が、硫化水素ナトリウムである、[1]〜[4]のいずれかに記載の(ポリ)スルフィド化合物の製造方法。
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法により(ポリ)スルフィド化合物を製造する工程と、
前記(ポリ)スルフィド化合物を、塩基条件下でエポキシ化し、下記一般式(6)
Figure 0006200124
(一般式(6)中、R〜Rおよびmは一般式(1)と同義であり、複数存在するR〜Rおよびmは同一でも異なっていてもよい。pは0〜4の整数を示す。)
で表されるエポキシ化合物を得る工程と、
前記エポキシ化合物を硫化剤と反応させて下記一般式(7)
Figure 0006200124
(一般式(7)中、R〜R、mおよびpは一般式(6)と同義である。)
で表されるエピスルフィド化合物を得る工程と、
を含む、エピスルフィド化合物の製造方法。
[7] 前記エピスルフィド化合物が、下記一般式(8)
Figure 0006200124
(一般式(8)中、pは0〜4の整数を示す。)
で表される化合物を含む、[6]に記載のエピスルフィド化合物の製造方法。
[8] 前記エピスルフィド化合物が、下記式(9)
Figure 0006200124
で表される化合物を含む、[6]または[7]に記載のエピスルフィド化合物の製造方法。
なお、本発明において「一般式(1)で表されるチオール化合物同士を反応させる」とは、一般式(1)で表される同一のチオール化合物同士を反応させる態様、一般式(1)で表される異なるチオール化合物同士を反応させる態様のいずれも含むものである。
本発明の製造方法より、ハロヒドリン構造を有するチオール化合物を硫黄および特定の塩基化合物の存在下で酸化反応させることにより、チオール化合物間でメルカプト基同士の酸化反応が選択的に進行し、(ポリ)スルフィド化合物を高収率で得ることができる。さらに、引き続いて、(ポリ)スルフィド化合物のハロヒドリン構造をエポキシ基に変換した後、硫化剤によりエポキシ基をエピスルフィド基に変換することにより、エピスルフィド化合物を高収率で得ることができる。
本発明の(ポリ)スルフィド化合物の製造方法は、
分子内にハロゲン原子と水酸基を有する特定のチオール化合物同士を、一般式(4)または一般式(5)で表される塩基化合物および硫黄の存在下で反応させて(ポリ)スルフィド化合物を得る工程を含む。
さらに、本発明のエピスルフィド化合物の製造方法は、
前記の方法で得られた(ポリ)スルフィド化合物を塩基条件下でエポキシ化する工程と、
前記工程で得られたエポキシ化合物を硫化剤と反応させて、エピスルフィド化合物を得る工程と、を含む。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
((ポリ)スルフィドの製造方法)
本実施形態の(ポリ)スルフィドの製造方法は、
下記一般式(1)で表されるチオール化合物同士を、一般式(4)または一般式(5)で表される塩基化合物および硫黄の存在下で反応させ、一般式(2)で表される(ポリ)スルフィド化合物を得る工程を含む。
Figure 0006200124
一般式(1)中、XおよびXは水酸基またはハロゲン原子を示し、一方は水酸基であり、他方はハロゲン原子である。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、本発明の効果の観点から塩素原子であることが好ましい。
〜Rは同一または異なっていてもよく、水素原子、C1〜C10の直鎖または分岐アルキル基、置換または無置換アリール基を示す。R〜Rは、それぞれ同一または異なっていてもよい。
C1〜C10の直鎖または分岐アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
アリール基としては、フェニル、トリル、キシリル、ビフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリルなどの炭素数6〜18のアリール基等が挙げられる。
置換アリール基の置換基としては、炭素原子数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素原子1〜10のアルコキシル基またはアルキルチオ基、アミノ基等が挙げられる。
〜Rは同一または異なっていてもよく、水素原子またはC1〜C10の直鎖または分岐アルキル基が好ましく、いずれも水素原子であることが好ましい。
mは0〜2の整数を示し、好ましくは0または1、さらに好ましくは0である。
本実施形態において、チオール化合物としては、本発明の効果の観点から下記式(3)で表される化合物を好ましく用いることができる。
Figure 0006200124
本実施形態において、塩基化合物としては、下記一般式(4)で表される化合物、または下記一般式(5)で表される化合物を用いることができる。
M(SH)n (4)
一般式(4)中、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を表し、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属であり、より好ましくはナトリウムである。nは、Mで表されるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の価数を表す。
一般式(4)で表される化合物としては、硫化水素ナトリウム、硫化水素カリウム、硫化水素マグネシウム、硫化水素カルシウム等が挙げられる。本実施形態においては、硫化水素ナトリウムを用いることが好ましい。
Figure 0006200124
一般式(5)中、Q、QおよびQは、互いに同一または異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜20の直鎖または分枝状脂肪族基、または炭素数3〜20の脂環族基、置換または無置換芳香族基であり、これらの基はヘテロ原子を含んでいてもよく、水素原子、炭素数1〜20の直鎖または分枝状脂肪族基、または炭素数3〜20の脂環族基であることが好ましい。
炭素数1〜20の直鎖または分枝状脂肪族基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等の直鎖または分岐鎖のアルキル基、ビニル基(エテニル基)、ブテニル基、オクテニル基等の直鎖または分岐鎖のアルケニル基が挙げられる。
炭素数3〜20の脂環族基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基、3−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基等が挙げられる。
置換または無置換芳香族基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基等が挙げられる。
本実施形態においては、Q、QおよびQは互いに同一であることが好ましく、炭素数1〜20の直鎖または分枝状脂肪族基であることがより好ましく、エチル基が特に好ましい。
一般式(5)で表される化合物としては、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、s− ブチルアミン、t−ブチルアミン、
ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチルメチルアミン、
アニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリn−ブチルアミン、トリn−ヘキシルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、トリエチレンジアミン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。本実施形態においては、トリエチルアミンを用いることが好ましい。
従来の(ポリ)スルフィド化合物の製造方法は、クロロメルカプトプロパノールを炭酸水素ナトリウムとハロゲンとの存在下で反応させる。当該方法では大量の炭酸水素ナトリウム溶液を用いる必要があるため容積効率が悪く、生産性に改善の余地があった。さらに、当該反応においては、強酸であるハロゲン化水素が生成し、別途、当該化合物を中和する必要があるため、工程が煩雑となり生産性に改善の余地があった。またさらに、ハロゲン化水素を中和する際の発熱が大きいため冷却工程や冷却設備が必要であり、工程が煩雑であるばかりか製造コストが過大となった。
本実施形態においては、一般式(4)または一般式(5)で表される塩基化合物を用いており、上記のような問題が解消されているため、(ポリ)スルフィド化合物の生産性に優れ、製造コストを抑制することができる。
本工程においては、上記のような塩基化合物および硫黄の存在下、上記一般式(1)で表されるチオール化合物を反応させ、下記一般式(2)で表される(ポリ)スルフィド化合物を得る。
本工程は、反応溶媒中で行うことができ、反応溶媒としては、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族系溶媒類、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等の脂肪族系溶媒類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、メトキシエタノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、水等が用いられる。特に好ましくは水である。これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
硫黄の使用量は、一般式(1)で表されるチオール化合物に対して、0.96〜1.12当量が好ましく、0.98〜1.02当量であれば更に好ましい。
塩基化合物の使用量は、一般式(1)で表されるチオール化合物に対して、1.5〜3.5mol%が好ましく、1.7〜3.0mol%がさらに好ましく、1.7〜2.1mol%であれば特に好ましい。
反応温度は3〜20℃が好ましく、5〜15℃であれば更に好ましい。
反応時間は、特に限定されないが3〜20時間程度である。
反応は、大気圧下または減圧下で行うことができる。減圧下の場合は、50Torr〜600Torr(6.7kPa〜80.0kPa)が好ましく、50Torr〜200Torr(6.7kPa〜26.7kPa)がさらに好ましく、60Torr〜80Torr(8.0kPa〜10.7kPa)であれば特に好ましい。減圧下で反応を行うことにより、副生する硫化水素が系外に排出され、転化率が向上し、結果として収率が向上する。減圧下で反応を行うことにより、副生する硫化水素が系外に排出され、転化率が向上し、結果として収率が向上する。
また、本工程においては、上記のような塩基化合物および硫黄に対して、上記一般式(1)で表されるチオール化合物を滴下する反応形態や、硫黄および上記一般式(1)で表されるチオール化合物に対して上記のような塩基化合物を滴下する反応形態などで実施することも可能である。
以上の工程により、一般式(1)で表されるチオール化合物間でメルカプト基同士の酸化反応が選択的に進行し、下記一般式(2)で表されるビスハロヒドリン基を有する(ポリ)スルフィド化合物を高収率で得ることができる。
Figure 0006200124
一般式(2)中、X〜X、R〜Rおよびmは一般式(1)と同義であり、複数存在するX〜X、R〜Rおよびmは同一でも異なっていてもよい。pは0〜4の整数を示す。
本実施形態において、一般式(2)で表される(ポリ)スルフィド化合物としては、1,8-ジクロロ-2,7-ジヒドロキシ-4,5-ジチアオクタンが好ましい。
本実施形態においては、当該工程により、一般式(1)で表されるチオール化合物間でメルカプト基同士の酸化反応が選択的に進行するため、当該チオール化合物の同一分子内の副反応による下記一般式(a)または下記一般式(b)で表される構造と推定される含硫環化合物の生成が抑制される。
Figure 0006200124
式中、R〜Rおよびmは一般式(1)と同義である。
本実施形態においては、当該工程後の反応液中に、一般式(a)または一般式(b)で表される含硫環化合物が、一般式(2)で表される(ポリ)スルフィド化合物に対して10area%以下、好ましくは0.1〜5.0area%で含まれており、含硫環化合物の生成が抑制される。この含有率は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)において測定される。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による測定条件は以下の通りである。
(測定方法)
・HPLC機種:島津製作所社製SPD−10A
・測定波長:210nm
・カラム:YMC A−312 S−5 ODS 6mmID×150mm
・温度条件:40℃
・移動相:アセトニトリル/水=2/3(vol/vol)
・注入量:2μL
・試料調整:反応液500mgをアセトニトリル10mLで溶解
また、一般式(2)で表される(ポリ)スルフィド化合物の収率は好ましくは80〜95%である。
このように、本実施形態においては、副反応物である含硫環化合物の生成が抑制されており、一般式(2)で表される(ポリ)スルフィド化合物を光学材料用モノマーとして好適に用いることができる。
さらに、必要に応じて、一般式(2)で表される(ポリ)スルフィド化合物を得た後、公知の精製工程を行うこともできる。
(エピスルフィドの製造方法)
本実施形態のエピスルフィド化合物の製造方法は、以下の工程を含む。
工程(i):一般式(2)で表される(ポリ)スルフィド化合物を塩基条件下でエポキシ化し、下記一般式(6)で表されるエポキシ化合物を得る。
Figure 0006200124
一般式(6)中、R〜Rおよびmは一般式(1)と同義であり、複数存在するR〜Rおよびmは同一でも異なっていてもよい。pは0〜4の整数を示す。
工程(ii):前記エポキシ化合物を硫化剤と反応させて、下記一般式(7)で表されるエピスルフィド化合物を得る。
Figure 0006200124
一般式(7)中、R〜R、mおよびpは一般式(6)と同義である。
本実施形態のエピスルフィド化合物の製造方法は、(ポリ)スルフィド化合物の製造方法を一工程として含むことから、ひいてはエピスルフィド化合物の生産性に優れ、製造コストを抑制することができる。さらに、当該エピスルフィド化合物を用いて製造されるレンズについても、生産性に優れ、製造コストを抑制することができる。
また、本実施形態においては、従来の方法と異なりハロゲンを用いることなく(ポリ)スルフィド化合物が製造されるため、(ポリ)スルフィド化合物のハロゲン含有量は低い。そして、当該(ポリ)スルフィド化合物を用いて製造されるエピスルフィド化合物のハロゲン含有量も低い。そのため、当該エピスルフィド化合物を用いてレンズ等の光学材料を製造する場合において、ハロゲンに由来する副反応や副生物の生成が抑制され、品質に優れた光学材料を得ることもできる。
これらの工程について、以下詳細に説明する。
工程(i)
一般式(1)で表されるチオール化合物同士を、一般式(4)または一般式(5)で表される塩基化合物および硫黄の存在下で反応させて得られた、一般式(2)で表される(ポリ)スルフィド化合物に、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルアニリン、ピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメチラート、t−ブトキシカリウム、燐酸一水素二ナトリウム、酢酸ナトリウム等の有機・無機塩基類を加えて、エポキシ化合物を含む組成物を得る。
これら塩基は、単独でも2種類以上を併用してもよい。用いる塩基の種類は有機塩基類よりも無機塩基類の方が比較的好ましく、無機塩基類のなかでは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
これらの塩基の使用量は、(ポリ)スルフィド化合物に対して、1〜10当量が好ましく、2〜5当量であれば更に好ましい。
また、反応温度は−10〜60℃が好ましく、5〜30℃であれば更に好ましい。
本工程は、反応溶媒中で行うことができ、反応溶媒としては、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族系溶媒類、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等の脂肪族系溶媒類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、メトキシエタノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、水等が用いられる。特に好ましくはトルエンまたは水である。これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
工程(ii)
工程(i)で得られた一般式(6)で表されるエポキシ化合物を硫化剤と反応させ、一般式(7)で表されるエピスルフィド化合物を得る。
硫化剤としては、チオ尿素、又はチオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸カルシウム、チオシアン酸鉛等のチオシアン酸塩等が挙げられる。チオシアン酸塩を使用する場合は、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウムが好ましく、チオシアン酸ナトリウムが更に好ましい。
硫化剤であるチオ尿素、又はチオシアン酸塩の使用量は、例えば、エポキシ基に対して当量以上で用いられるが、好ましくは1〜5当量、更に好ましくは1〜3当量の範囲である。1当量未満では純度が低下し、5当量を超えると経済的に不利になる場合がある。
反応温度はチオ尿素、又はチオシアン酸塩の種類によって大きく異なる為特に限定はできないが、チオ尿素を使用する場合は凡そ10〜30℃が好ましく、チオシアン酸塩を使用する場合は凡そ30〜60℃が好ましい。
一般式(7)で表されるエピスルフィド化合物を合成する場合、通常、エポキシ化合物の合成時と同様の反応溶媒が使用される。例えば、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族系溶媒類、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等の脂肪族系溶媒類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、メトキシエタノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類等が好ましく用いられる。これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。エポキシ化の場合と異なり、チオエポキシ化の場合は、水は反応速度を遅くさせる傾向にある為、好ましくは用いられない。
本実施形態において、一般式(7)で表されるエピスルフィド化合物は、下記一般式(8)で表されるエピスルフィド化合物であることが好ましく、下記一般式(9)で表されるエピスルフィド化合物であることがさらに好ましい。
Figure 0006200124
一般式(8)中、pは0〜4の整数を示す。
Figure 0006200124
本実施形態においては、上記の製造方法により得られたエピスルフィド化合物を含む光学材料用重合性組成物を従来公知の方法で調製することができる。光学材料用重合性組成物は、得られたエピスルフィド化合物とともに、ポリイソシアネート化合物および/またはポリチオール化合物等を含むことができる。
さらに、光学材料用重合性組成物から従来公知の方法により光学材料を製造することができる。光学材料として、具体的には、プラスチックレンズ、カメラレンズ、発光ダイオード(LED)、プリズム、光ファイバー、情報記録基板、フィルター、発光ダイオード、自動車用光学レンズ、ロボット用光学レンズ等を挙げることができる。特に、プラスチックレンズ、カメラレンズ、発光ダイオード等の光学材料、光学素子として好適である。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の様々な構成を採用することができる。
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下説明中、特に言及が無い限り「部」、「%」は重量基準である。
[反応液組成分析方法]
・HPLC機種:島津製作所社製SPD−10A
・測定波長:210nm
・カラム:YMC A−312 S−5 ODS 6mmID×150mm
・温度条件:40℃
・移動相:アセトニトリル/水=2/3(vol/vol)
・注入量:2μL
・試料調整:反応液500mgをアセトニトリル10mLで溶解
[実施例1]
[1,8-ジクロロ-2,7-ジヒドロキシ-4,5-ジチアオクタンの合成]
セパラブルフラスコ容器に、蒸留水246.0重量部、硫黄粉末を14.43重量部、92.3wt%の1-クロロ-3-メルカプト-2-プロパノール123.5重量部(化合物:114.0重量部)を装入し、気相部に窒素ガスを流通させながら撹拌し、内温を20℃にした。次に48wt%NaSH水溶液2.73重量部(NaSH:1.31重量部)を1時間かけて装入した。装入後、内温20℃で3時間撹拌した。得られた反応液を上記分析方法にて測定した結果、目的物である1,8-ジクロロ-2,7-ジヒドロキシ-4,5-ジチアオクタンを62.5area%含有していた。
[実施例2]
セパラブルフラスコ容器に、蒸留水246.0重量部、硫黄粉末を14.43重量部、92.3wt%の1-クロロ-3-メルカプト-2-プロパノール123.5重量部(化合物:114.0重量部)を装入し、気相部に窒素ガスを流通させながら撹拌し、内温を20℃にした。次に、トリエチルアミン2.37重量部を1時間かけて装入した。装入後、内温20℃で3時間撹拌した。得られた反応液を実施例1と同方法にて測定した結果、目的物である1,8-ジクロロ-2,7-ジヒドロキシ-4,5-ジチアオクタンを71.9area%含有していた。
[実施例3]
セパラブルフラスコ容器に、蒸留水246.0重量部、硫黄粉末を14.43重量部装入し、撹拌しながら10℃まで冷却させ、ポンプで内圧を70Torrまで減圧した。次いで、滴下ロートに予め92.3wt%の1-クロロ-3-メルカプト-2-プロパノール123.5重量部(化合物:114.0重量部)と、48%NaSH水溶液3.15重量部(NaSH:1.51重量部)を混合させた溶液を装入しておき、内温10℃で5時間かけて滴下装入した。滴下装入後、内温10℃、内圧72Torr〜74Torrで11時間撹拌した。得られた反応液を実施例1と同方法にて測定した結果、目的物である1,8-ジクロロ-2,7-ジヒドロキシ-4,5-ジチアオクタンを90.6area%含有していた。
[実施例4]
セパラブルフラスコ容器に、蒸留水246.0重量部、硫黄粉末を14.43重量部、48%NaSH水溶液3.15重量部(NaSH:1.51重量部)を装入し、撹拌しながら10℃まで冷却させ、ポンプで内圧を70Torrまで減圧した。次いで、滴下ロートに予め92.3wt%の1-クロロ-3-メルカプト-2-プロパノール123.5重量部(化合物:114.0重量部)を装入しておき、内温10℃で5時間かけて滴下装入した。滴下装入後、内温10℃、内圧72Torr〜74Torrで11時間撹拌した。得られた反応液を実施例1と同方法にて測定した結果、目的物である1,8-ジクロロ-2,7-ジヒドロキシ-4,5-ジチアオクタンを94.9area%含有していた。
続いて、反応液から1,8-ジクロロ-2,7-ジヒドロキシ-4,5-ジチアオクタンを濾別後、水で洗浄、乾燥して、1,8-ジクロロ-2,7-ジヒドロキシ-4,5-ジチアオクタンを得た。
以下に、得られた化合物の同定データを示す。
H−NMR(溶媒:CDCl、内部標準物質:TMS)δ:2.64(2H)、2.96(4H)、3.71(4H)、4.15(2H)
13C−NMR(溶媒:CDCl)δ:42.4、48.1、69.8
[実施例5]
セパラブルフラスコ容器に、蒸留水246.0重量部、硫黄粉末を14.43重量部、トリエチルアミン2.73重量部を装入し、撹拌しながら10℃まで冷却させ、ポンプで内圧を70Torrまで減圧した。次いで、滴下ロートに予め92.3wt%の1-クロロ-3-メルカプト-2-プロパノール123.5重量部(化合物:114.0重量部を装入しておき、内温10℃で5時間かけて滴下装入した。滴下装入後、内温10℃、内圧72〜74Torrで11時間撹拌した。得られた反応液を実施例1と同方法にて測定した結果、目的物である1,8-ジクロロ-2,7-ジヒドロキシ-4,5-ジチアオクタンを90.3area%含有していた。
[実施例6]
[1,8-ジクロロ-2,7-ジヒドロキシ-4,5-ジチアオクタンの合成]
セパラブルフラスコ容器に、蒸留水622.8重量部、硫黄粉末を36.56重量部、48%NaSH水溶液0.66重量部(NaSH:0.32重量部)を装入し、撹拌しながら10℃まで冷却した。次いで、滴下ロートに予め92.3wt%の1-クロロ-3-メルカプト-2-プロパノール312.7重量部(化合物:288.6重量部)を装入しておき、内温10℃を保ちながら3時間で滴下装入した。滴下装入後、10℃で13時間撹拌した。この撹拌操作の間、反応系内の内圧をポンプで500Torrに減圧し、1時間で100Torrずつ減圧させていき、内圧100Torrになるまで減圧させた。また、攪拌開始から1時間目、5時間目、9時間目で48%NaSH水溶液を1.33重量部(NaSH:0.64重量部)ずつ追加装入した。得られた反応液を実施例1と同方法にて測定した結果、目的物である1,8-ジクロロ-2,7-ジヒドロキシ-4,5-ジチアオクタン92.1area%含有していた。
[ビス(2,3-エピチオプロピル)ジスルフィドの合成]
得られた反応液にトルエンを312.6重量部装入し、内温を10℃に保った。次いで滴下ロートに25%NaOH水溶液474.2重量部を装入し、10℃で2時間かけて滴下装入した。滴下終了後3時間、内温10℃を維持した状態で撹拌した。得られた反応液を一旦分液ロートに移液して水層を排出した。残ったトルエン層に13%NaCl水溶液152重量部を装入し、酢酸を加えて反応液pH=6.0〜6.2へ撹拌しながら調整した。pH調整後、20℃で15分間洗浄を行い、水層を排出した。再度トルエン層に13%NaCl水溶液152重量部を装入し20℃で15分間洗浄し、水層を排出した。残ったトルエン層をナスフラスコへ移液させ、35℃で3時間脱トルエンを行い、ビス(2,3-エポキシプロピル)ジスルフィド94.1wt%(1.055mol)を含む生成物200重量部を得た。
ビス(2,3-エポキシプロピル)ジスルフィドを含む生成物198.9重量部を、滴下ロートに装入した。別途、5つ口フラスコを準備し、酢酸38.5重量部と、チオ尿素169.4重量部と、メタノール280重量部と、純水87.5重量部を装入しておき、内温15℃で撹拌させた状態で、ビス(2,3-エポキシプロピル)ジスルフィドを3時間で装入した。この滴下の間、滴下開始から30分後に88%蟻酸27.5重量部を装入、滴下開始から90分後に88%蟻酸27.5重量部を装入、滴下から150分後に88%蟻酸27.5重量部を装入した。ビス(2,3-エポキシプロピル)ジスルフィドを含む生成物の滴下終了後、内温を15℃に保ったまま更に3時間撹拌を継続した。撹拌終了後、内温10℃に調整し、メチルイソブチルケトンを400重量部装入した。その後、滴下ロートに10%アンモニア水を358.5重量部装入し、10℃のまま撹拌しながら2時間で滴下した。滴下終了後、内温10℃で2時間撹拌した。撹拌終了後、5つ口の底抜きフラスコへ反応液を全量移液し、有機層と水層とに分液した後、水層を排出した。次いで、純水13%NaCl水溶液555.8重量部と、10%アンモニア水8.3重量部を装入し20〜25℃で有機層を15分洗浄した。洗浄終了後、有機層と水層とに分液し、水層を排出した後、13%NaCl水溶液555.8重量部と酢酸6.3重量部と、メタノール180.3重量部を装入し、20〜25℃で有機層を15分洗浄して、有機層と水層とに分液した後、水層を排出した。得られた有機層をナスフラスコに移液し、35℃で2時間、脱溶媒させ、更に35℃で5時間トッピングを行い、メチルイソブチルケトンを留出させた。この時点で、ビス(2,3-エピチオプロピル)ジスルフィドを76.8wt%含む生成物213.2重量部を得た。
次いで、5つ口フラスコにメチルシクロヘキサン1700重量部を装入し内温を25℃に調整後、ビス(2,3-エピチオプロピル)ジスルフィドを含む生成物213.2重量部を全量装入し1時間撹拌した。撹拌終了後、沈殿した不溶解物を全量排出してメチルシクロヘキサン溶液1845.3重量部を得た。
別途、カラム管に、シリカゲル38.4重量部をメチルシクロヘキサンで湿潤させたものを全量装入させたカラム管を準備した。シリカゲルを充填したカラム管にメチルシクロヘキン溶液全量を通液させて精製を行った。精製したメチルシクロヘキサン溶液をナスフラスコに移液し、35℃で2時間かけてメチルシクロヘキサンを留去した後、更に35℃で3時間トッピングを行い、97.7wt%ビス(2,3-エピチオプロピル)ジスルフィド118.3重量部を得た。
[比較例1]
[1,8-ジクロロ-2,7-ジヒドロキシ-4,5-ジチアオクタンの合成]
セパラブルフラスコ容器に、蒸留水246.0重量部、硫黄粉末を14.43重量部、92.3wt%の1-クロロ-3-メルカプト-2-プロパノール123.5重量部(化合物:114.0重量部)を装入し、気相部に窒素ガスを流通させながら撹拌し、内温を20℃にした。次にピリジン1.85重量部を1時間かけて装入した。装入後、内温20℃で3時間撹拌した。得られた反応液を実施例1と同方法にて測定した結果、目的物である1,8-ジクロロ-2,7-ジヒドロキシ-4,5-ジチアオクタンを2.6area%含有していた。
[比較例2]
セパラブルフラスコ容器に、蒸留水246.0重量部、硫黄粉末を14.43重量部、92.3wt%の1-クロロ-3-メルカプト-2-プロパノール123.5重量部(化合物:114.0重量部)を装入し、気相部に窒素ガスを流通させながら撹拌し、内温を20℃にした。次にN,N−ジメチルベンジルアミン3.16重量部を1時間かけて装入した。装入後、内温20℃で3時間撹拌した。得られた反応液を実施例1と同方法にて測定した結果、目的物である1,8-ジクロロ-2,7-ジヒドロキシ-4,5-ジチアオクタンを28.2area%含有していた。
[比較例3]
セパラブルフラスコ容器に、蒸留水246.0重量部、硫黄粉末を14.43重量部、92.3wt%の1-クロロ-3-メルカプト-2-プロパノール123.5重量部(化合物:114.0重量部)を装入し、気相部に窒素ガスを流通させながら撹拌し、内温を20℃にした。次に30wt%水酸化ナトリウム水溶液3.12重量部(NaOH:0.94重量部)を1時間かけて装入した。装入後、内温20℃で3時間撹拌した。得られた反応液を実施例1と同方法にて測定した結果、目的物である1,8-ジクロロ-2,7-ジヒドロキシ-4.5-ジチアオクタンを50.0area%含有していた。
[比較例4]
セパラブルフラスコ容器に、蒸留水246.0重量部、硫黄粉末を14.43重量部、92.3wt%の1-クロロ-3-メルカプト-2-プロパノール123.5重量部(化合物:114.0重量部)を装入し、気相部に窒素ガスを流通させながら撹拌し、内温を20℃にした。次に、30wt%炭酸ナトリウム水溶液8.27重量部(NaCO:2.48重量部)を1時間かけて装入した。装入後、内温20℃で3時間撹拌した。得られた反応液を実施例1と同方法にて測定した結果、目的物である1,8-ジクロロ-2,7-ジヒドロキシ-4,5-ジチアオクタンを54.8area%含有していた。
Figure 0006200124
Figure 0006200124
この出願は、2016年3月18日に出願された日本出願特願2016−054906号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0006200124
    (一般式(1)中、XおよびXは水酸基またはハロゲン原子を示し、一方は水酸基であり、他方はハロゲン原子である。R〜Rは同一または異なっていてもよく、水素原子、C1〜C10の直鎖または分岐アルキル基、置換または無置換アリール基を示す。R〜Rは、それぞれ同一または異なっていてもよい。mは0〜2の整数を示す。)
    で表されるチオール化合物同士を、下記一般式(4)または下記一般式(5)で表される塩基化合物および硫黄の存在下で反応させる、下記一般式(2)で表される(ポリ)スルフィド化合物の製造方法;
    M(SH)n (4)
    (一般式(4)中、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を表す。nは、Mで表されるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の価数を表す。)、
    Figure 0006200124
    (一般式(5)中、Q、QおよびQは、互いに同一または異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜20の直鎖または分枝状脂肪族基、または炭素数3〜20の脂環族基、置換または無置換芳香族基であり、これらの基はヘテロ原子を含んでいてもよい。)
    Figure 0006200124
    (一般式(2)中、X〜X、R〜Rおよびmは一般式(1)と同義であり、複数存在するX〜X、R〜Rおよびmは同一でも異なっていてもよい。pは0〜4の整数を示す。)。
  2. 前記チオール化合物同士を、50Torr〜600Torrの圧力下で反応させる、請求項1に記載の(ポリ)スルフィド化合物の製造方法。
  3. およびXにおける前記ハロゲン原子が塩素原子である、請求項1または2に記載の(ポリ)スルフィド化合物の製造方法。
  4. 前記一般式(1)で表されるチオール化合物は、下記式(3)
    Figure 0006200124
    で表される化合物を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の(ポリ)スルフィド化合物の製造方法。
  5. 前記一般式(4)で表される化合物が、硫化水素ナトリウムである、請求項1〜4のいずれかに記載の(ポリ)スルフィド化合物の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により(ポリ)スルフィド化合物を製造する工程と、
    前記(ポリ)スルフィド化合物を、塩基条件下でエポキシ化し、下記一般式(6)
    Figure 0006200124
    (一般式(6)中、R〜Rおよびmは一般式(1)と同義であり、複数存在するR〜Rおよびmは同一でも異なっていてもよい。pは0〜4の整数を示す。)
    で表されるエポキシ化合物を得る工程と、
    前記エポキシ化合物を硫化剤と反応させて下記一般式(7)
    Figure 0006200124
    (一般式(7)中、R〜R、mおよびpは一般式(6)と同義である。)
    で表されるエピスルフィド化合物を得る工程と、
    を含む、エピスルフィド化合物の製造方法。
  7. 前記エピスルフィド化合物が、下記一般式(8)
    Figure 0006200124
    (一般式(8)中、pは0〜4の整数を示す。)
    で表される化合物を含む、請求項6に記載のエピスルフィド化合物の製造方法。
  8. 前記エピスルフィド化合物が、下記式(9)
    Figure 0006200124
    で表される化合物を含む、請求項6または7に記載のエピスルフィド化合物の製造方法。
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