JP6199897B2 - ニッケル−チタン−希土類金属(Ni−Ti−RE)焼結合金を製造するための粉末混合物 - Google Patents

ニッケル−チタン−希土類金属(Ni−Ti−RE)焼結合金を製造するための粉末混合物 Download PDF

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Description

本開示は一般に、希土類元素を含むニッケル−チタン合金に関し、さらに詳細には、希土類元素を含むニッケル−チタン合金の粉末冶金処理に関する。
ニッケル−チタン合金は、一般的に、自己拡張型ステント、ステント移植皮弁、塞栓保護フィルター(embolic protection filters)、および石摘出バスケット(stone extraction baskets)などの腔内生体医用器具(intraluminal biomedical devices)の製造に用いられる。そのような器具は、等原子(equiatomic)または近等原子(near−equiatomic)ニッケル−チタン合金(一般的に、ニチノールと呼ばれる)の超弾性または形状記憶挙動を活用することができる。しかし、ニッケル−チタン合金はX線不透過性が劣るため、そのような器具は、X線透視撮影法などの非侵襲性イメージング技術を用いて体外から可視化するのが難しいことがある。腔内の器具が細いワイヤーまたは薄肉のストラットで作られている場合、可視化は特に難しい。それゆえに、臨床医は、身体血管内でニチノールのステントまたはバスケットを正確に配置し、かつ/または操作することができないであろう。
ニッケル−チタンの医療器具のX線不透過性を向上させるための現在の手法としては、重金属元素で作られたX線不透過性マーカー、コーティング、またはコアの使用がある。さらに、白金(Pt)、パラジウム(Pd)および金(Au)などの貴金属が、ニチノールのX線不透過性を向上させるために、こうした元素が高コストであるにもかかわらず、合金添加元素として用いられてきた。さらに最近の進歩において、エルビウムなどの希土類元素をニチノールと合金化して、Ni−Ti−Pt合金のX線不透過性より優れているとは言えないまでもそれに匹敵するX線不透過性を有する三元合金を生じさせることができることが示された(例えば、米国特許出願公開第2008/0053577号明細書(“Nickel−Titanium Alloy Including a Rare Earth Element”)。
希土類または他の合金元素を含むニッケル−チタン三元合金は、一般的に、真空溶融手法(vacuum melting techniques)で形成される。しかし、溶融物から合金を冷却すると、2次相のもろい網状組織が合金マトリックス中に形成されうる。それは、三元合金の加工性および機械的性質を低下させる可能性がある。このもろい2番目の相の網状組織を、適切な均質化熱処理ステップ及び/または熱機械的加工ステップによって壊すことができないと、医療器具または他の用途にニッケル−チタン三元合金を実際的に利用することはできないことがある。
開始粉末と適切な焼結条件との好ましい組合せを用いることにより、加工性が良好であるとともに望ましいオーステナイト終了(A)温度を示すNi−Ti−RE焼結合金を得ることができることが見出された。
本発明の態様は添付の特許請求の範囲で定義される。
本発明の第1の態様では、約55重量%のNi〜約61重量%のNiおよび約39重量%のTi〜約45重量%のTiを含んでいるNi−Ti合金粉とRE元素を含んでいるRE合金粉とを含む、ニッケル−チタン−希土類(Ni−Ti−RE)焼結合金を製造するための粉末混合物が提供される。
本発明の第2の態様によれば、ニッケル−チタン−希土類(Ni−Ti−RE)焼結合金を形成させる方法は、Ni−Ti合金粉およびRE合金粉を、電源に接続可能な導電性金型とパンチとを含む粉末固化装置に添加することを含む。Ni−Ti合金粉は、約55重量%のNi〜約61重量%のNiおよび約39重量%のTi〜約45重量%のTiを含み、RE合金粉はRE元素を含む。粉末を約730℃〜約840℃の焼結温度まで加熱し、その焼結温度で粉末に約60MPa〜約100MPaの圧力をかける。Ni−Ti−RE焼結合金が形成される。
本発明の実施形態を、添付図面を参照しながら例だけを用いて以下に説明する。
放電プラズマ焼結(SPS)装置およびSPS金型の断面概略図である。ここで、図1Aは、Hungria T.et al.,(2009) “Spark Plasma Sintering as a Useful Technique to the Nanostructuration of Piezo−Ferroelectric Materials,”Advanced Engineering Materials 11:8,P.615−631からのものである。 放電プラズマ焼結(SPS)装置およびSPS金型の断面概略図である。 示されている粒径分布(d50は平均粒径である)を有する、入手時の状態のままの例示的な予合金化(pre−alloyed)ガス噴霧粉末の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。 示されている粒径分布(d50は平均粒径である)を有する、入手時の状態のままの例示的な予合金化ガス噴霧粉末のSEM像である。 入手時の状態のままの例示的なHDHエルビウム粉末(すなわち、微粉砕/粉砕して粉末にし、脱水素された水素脆化(hydrogen embrittled)Er))の顕微鏡写真である。 ふるいにかける前の例示的なEr−Feガス噴霧粉末のSEM像である。 ふるいにかける前の例示的なEr−Agガス噴霧粉末のSEM像である。 SPS装置によって記録された、25℃/分のランプ速度(ramp rate)および815℃の焼結温度における最適化焼結法の例示的なSPSデータ(電流、温度、電圧、圧力および変位(圧縮)の時間発展曲線(time evolution curves)を含む)を示す。 焼結した後の試料番号4の微細構造を示すSEM像である。 焼結および熱間圧延した後の試料番号4の微細構造を示すSEM像である。 焼結した後の試料番号64の微細構造を示すSEM像である。 焼結および熱間圧延した後の試料番号64の微細構造を示すSEM像である。 例示的な焼結および圧延されたNi−Ti−Er−Fe試料の微細構造を示すSEM像ならびにエネルギー分散型X線分光分析で得られた対応する組成データ。Ni−Ti−Er−Fe試料は、直径25mmの焼結ビレットから直径5mmの棒に縮小した。 連続的に熱間圧延した後の例示的なNi−Ti−RE−Fe焼結試料を肉眼で見た外観を示す。 例示的な熱間圧延試料の微細構造を示すSEM像である。 冷延伸ワイヤー試料の微細構造のSEM像であり、直径が2mmのものである。 冷延伸ワイヤー試料の微細構造のSEM像であり、直径が1.71mmのものである。 冷延伸ワイヤー試料の微細構造のSEM像であり、直径が0.8mmのものである。 Ni−Ti二元合金ワイヤー(上)とNi−Ti−RE合金ワイヤー(下)とを比較したX線像である。
以下の明細書および添付の特許請求の範囲で使用される次の用語は、以下に示す意味を有する。
マルテンサイト開始温度(Ms)は、冷却の際に、マルテンサイト相変態を示す形状記憶物質へとマルテンサイトへの相変態が始まる温度である。
マルテンサイト終了温度(Mf)は、冷却の際に、マルテンサイトへの相変態が終結する温度である。
オーステナイト開始温度(As)は、加熱の際に、オーステナイト相変態を示す形状記憶物質へとオーステナイトへの相変態が開始する温度である。
オーステナイト終了温度(Af)は、加熱の際に、オーステナイトへの相変態が終結する温度である。
X線不透過性は、入射する電磁放射線(放射X線など)を物質または物体が吸収する能力を示す尺度である。X線不透過性物質は、優先的に入射X線を吸収する。またそれはX線像において高い放射線コントラストおよび良好な可視性を示す傾向がある。X線不透過性でない物質は、入射X線を透過する傾向があり、X線像において容易に見えないことがある。
加工性は、圧延、鍛造、押出しなどの方法で成形が行われる場合の、異なる形状及び/または寸法となるように合金が成形されうる際の容易さを表す。
冷間加工または冷間成形は、加熱によって部材の大きさ、形状及び/または機械的性質を変えることなく、塑性的に部材を変形させる。
熱間加工または熱間成形は、高温(典型的には、部材の再結晶温度以上)で部材を塑性的に変形させて、部材の大きさ、形状及び/または機械的性質を変える。
「熱機械的処理」という用語は、熱間加工および/または冷間加工を表しうる。
冷間加工パーセント(%)は、部材にもたらされる塑性変形の量の尺度であり、その量は所与の寸法における減少パーセントとして計算される。例えば、伸線の場合、冷間加工%は、1回の延伸によるワイヤーの断面積の減少パーセントに対応しうる。
「予合金化」という用語は、特定の合金組成物のインゴットから得られる(例えば、ガス噴霧法によって)粉末に変換された粉末を表すのに用いられる。そのような粉末は、本開示では、「予合金化粉末」または「合金粉」と呼ぶことがある。
焼結温度は、加圧力にさらすときに前駆体粉末を一緒に焼結することができる温度を表す。
軟化温度は、希土類元素に関連して用いる場合、高温硬度測定または溶融温度データによって決定される、希土類元素が軟化する温度を表す。
「含む(comprising)」、「含む(including)」および「有する(having)」という用語は、本明細書全体および請求項を通じて、はっきり記載された内容だけまたは記載されていない内容と組み合わせたものを包含する、限定的でない中間的な用語として同義的に使用される。
上で述べたように、新しい組合せの開始粉末を適切な焼結条件と組み合わせて使用すると、良好な加工性および延性を示すと共に望ましいA温度を有するNi−Ti−RE焼結合金を生じさせることができる。開始粉末は、焼結時にRE元素と反応しうるNiの量を過剰に埋め合わせるように選択することができる。そのようにしてNi−Ti−RE焼結合金が、十分な量のNiをマトリックス相にとどめて体温より低いA温度を示すようにすることができる。したがって、Ni−Ti−RE焼結合金は、体温において超弾性を有しうる。場合によっては、焼結合金を熱間加工し、かつ/または冷間加工した後でも、望ましいA温度が実現されうる。本発明者らは、焼結Ni−Ti−REの熱間加工性および冷間加工性が、開始粉末の組成だけでなく、焼結条件によっても影響されることを知った。例えば、以下にさらに述べるように、焼結温度を減少させつつ、焼結圧力を増大させることによって、改善された結果を得ることができる。
ニッケル−チタン−希土類金属(Ni−Ti−RE)焼結合金を製造するための粉末混合物は、Ni−Ti粉末および希土類元素含有粉末を含むことができる。Ni−Ti粉末は、適切な組成の予合金化Ni−Ti粉末(あるいはNi−Ti合金粉とも呼ばれる)であってよく、その組成は、実質的に等原子(すなわち、約50原子%のNi(約56重量%のNi)および50原子%のTi(約44重量%のTi))であるか、より好ましくは、ニッケルを多く含む(すなわち、約50原子%より多いNi(約56重量%のNi)ものでありうる。あるいはまた、Ni元素粉末およびTi元素粉末を同じ割合で使用してもよい。本開示全体を通じて、Ni元素とTi元素の粉末であるか、Ni−Ti合金粉(予合金化Ni−Ti粉末)であるかに関わらず、Ni元素とTi元素とを含む粉末は、Ni−Ti粉末と呼ぶことがある。
いろいろな別個の種類の希土類元素含有粉末をNi−Ti粉末に加えて、Ni−Ti−RE焼結合金を形成させることができる。「希土類元素」という用語は、周期律表のランタニド系列及び/またはアクチニド系列中に見いだされる元素を表すために、「希土類金属」と代替的に用いられており、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ac、Th、Pa、およびUを含む。さらに、イットリウム(Y)およびスカンジウム(Sc)が希土類元素と呼ばれることがあるが、それらはランタニド系列の元素でもアクチニド系列の元素でもない。典型的には、希土類元素は、La、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuからなる群から選択される。好ましくは、希土類元素はエルビウムを含む。
粉末は、(希土類元素のみと任意の付随的な不純物を含む)RE元素粉末であっても、希土類元素と任意の付随的な不純物のほかに、1種または複数種の更なる合金元素及び/またはドーパント元素を含むRE合金粉であってもよい。こうした粉末の具体例を以下に示す。
1つの実施形態によれば、Ni−Ti−RE焼結合金を製造するための粉末混合物は、Ni−Ti合金粉とRE合金粉とを含むことができる。Ni−Ti合金粉は、約55重量%のNi〜約61重量%のNiおよび約39重量%のTi〜約45重量%のTi、または約57重量%のNi〜約59重量%のNiおよび約41重量%のTi〜約43重量%のTiを含むことができ、RE合金粉はRE元素を含み、かつ少なくとも1種の更なる元素を含むこともできる。
少なくとも1種の更なる元素は、B、Al、Cr、Mn、Fe、Ni、Co、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、V、他の希土類元素、およびYからなる群から選択される更なる合金元素またはドーパント元素であってよい。更なる元素は、百万分率(ppm)という低いレベルから約95重量%もの濃度でRE合金粉中に存在することができる。本明細書で使用される場合のppmは、重量によるものである。典型的には、更なる元素は、濃度が約50重量%以下、約30重量%以下、または約15重量%以下であり、RE合金粉の約5重量%以下でありうる。例えば、ドーパント元素(Bなど)の場合、濃度は、少なくとも約10ppm、少なくとも約50ppm、または少なくとも約100ppmであってよい。典型的には、ドーパント元素の濃度は、約1000ppm以下、または約500ppm以下、または約300ppm以下である。更なる合金元素(例えば、遷移金属または別の金属でありうる)の場合、濃度は、RE合金粉の少なくとも約0.1重量%、少なくとも約1重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、または少なくとも約20重量%であってよい。
RE合金粉と混ぜられるNi−Ti合金粉は、第1二元合金粉と第2二元合金粉との混合物を含んでよく、第1二元合金粉は約54〜58重量%のNiおよび約42〜46重量%のTiを含み、第2二元合金粉は約58〜62重量%のNiおよび約38〜42重量%のTiを含む。例えば、第1二元合金粉は、約56重量%のNiおよび約44重量%のTiを含んでよく、第2二元合金粉は約60重量%のNiおよび約40重量%のTiを含む。第1二元合金粉と第2二元合金粉との重量比は、少なくとも約30:70、少なくとも約40:60、少なくとも約50:50、または少なくとも約60:40であってよい。この重量比はまた、約50:50以下、約60:40以下、または約70:30以下であってもよい。例えば、重量比は、約70:30〜約30:70、または約60:40〜約40:60の範囲であってよい。有利には、重量比は、実施例で述べられているように約40:60〜約50:50である。
Ni−Ti合金粉は、組成の異なる第1二元合金粉と第2二元合金粉との混合物を含むことはできず、単一の二元粉末組成物を含むことができる。例えば、Ni−Ti合金粉は、約58重量%のNi〜約59重量%のNiおよび約41重量%のTi〜約42重量%のTi(例えば、約58.5重量%のNiと約41.5重量%のTi)を含むことができる。
Ni−Ti合金粉とRE合金粉との重量比は、少なくとも約60:40、少なくとも約65:35、少なくとも約70:30、少なくとも約75:25、または少なくとも約80:20であってよい。典型的には、Ni−Ti合金粉とRE合金粉との重量比は、約90:10以下、または約85:15以下である。例えば、重量比は、約75:25〜約85:15、または約83:17であってよい。望ましい重量比は、RE合金粉中の任意の更なる元素の濃度を考慮に入れつつ、Ni−Ti−RE焼結合金における希土類元素の望ましい濃度に基づいて決定することができる。Ni−Ti−RE合金のX線不透過性に関する実験では、約10重量%のRE〜約30重量%のRE、約12重量%のRE〜約25重量%のRE、または約15重量%のRE〜約20重量%のREの量が、Ni−Ti−RE焼結合金にとって有利でありうることが示された。
好適なRE含有粉末の例としては、例えば、予合金化RE−Ni合金(例えば、Er−Ni合金)粉(任意選択で、BまたはFeがドープされている)で、細かい粒径となるようにガス噴霧法で製造されうるもの(図1Cおよび1Dを参照)、高純度のRE元素(例えば、Er)粉末(任意選択で、BまたはFeがドープされている)で、細かい粒径となるようにガス噴霧法で製造されうるもの、低純度のRE元素粉末(例えば、さらに脱水素化された水素化−脱水素化(HDH)RE粉末で、HDH Er(図1Eを参照)など)、および延性希土類合金(または金属間)粉末(例えば、銀または別の延性金属と合金化された希土類元素で、Er−AgまたはEr−Fe合金粉など)(図1Fおよび1Gを参照)がある。
企図された可能な粉末組成物の中には次のものがある(重量%)。Ni 55:Ti 45、Ni 56:Ti 44、Ni 57:Ti 43、Ni 58:Ti 42、Ni 59:Ti 41、Ni 60:Ti 40、Ni 60.5:Ti 39.5、およびNi 61:Ti 39; Er 98.5:Fe 1.5、Er(残りの部分):Fe 1.5:100ppmのB、Er(残りの部分):100ppmのB、Er(残りの部分):Ni 25.74:Fe 1、Er(残りの部分):Ni 25.74:Fe 1:100ppmのB、Er(残りの部分):Ni 26:100ppmのB(±5重量%のNi、±1重量%のFeまたは±0.5重量%のFe、および±50ppmのBを前提とする)。
粉末の平均粒径は小さくてもよく、例えば、D50サイズが約50ミクロンで、分布が約10ミクロン〜約100ミクロンである(D50は、中間粒径(median particle size)を表し、これは、示されるサイズよりも約50重量%の粒子が小さく、50重量%が大きいことを表す)。粒子のD50サイズは、約10〜約100ミクロン、または約30〜約70ミクロン、または約40〜約60ミクロンであってよい。しかし、粒径が小さくなると、表面積と体積との比が増大し、酸化物/酸素の含有量がそれに応じて増大しうる。それゆえに、噴霧、ふるい、輸送、貯蔵、混合および焼結は、有利には、酸素含有量を最小限に抑えるために、可能であれば、制御された真空または不活性ガス(例えば、アルゴン)の環境で実施される。
前述の粉末は、製品供給元から得ることができるか、または当該技術分野において知られている粉末製造法(例えば、ガス噴霧法、ボールミル粉砕など)を用いて製造できる。Ni−Ti合金粉は、ほとんどの工業用ガス噴霧法(黒鉛るつぼからの過熱溶融流の噴霧化、冷るつぼ(cold crucible)ガス噴霧法、電極誘導溶融噴霧法(electrode induction−melted atomization)などを含む)によって噴霧化することができる。希土類の金属および合金を噴霧化する際に、細心の注意を払うのは賢明である。というのは、純粋な希土類金属および希土類含量の多い一部の合金は、粉末化されると自然発火しうるからである。過熱した温度で溶融した場合、金属は非常に反応性があり、黒鉛るつぼおよびセラミックるつぼを侵食することがある。純粋な希土類金属および希土類含有量の多い一部の合金は、電極誘導溶融噴霧法により、また冷るつぼガス噴霧法により、噴霧化することができる。セラミックるつぼからの過熱溶融流のガス噴霧化は、非反応性組成物の希土類合金については安全である。希土類合金粉をさらに取り扱い、Ni−Ti粉末と混合する場合にも、細心の注意を払うのは賢明である。有利には、塵雲および温度上昇を避ける。Ni−Ti粉末と混合すると、希土類粉末は事実上希釈され、扱いが安全になる。
焼結法で高純度の元素粉末またはRE合金粉(ドーパント元素を含む)を使用する場合、粉末がNiと反応する傾向があるため「反応性」焼結と呼ぶことがある。RE元素によってNi−Tiマトリックスからニッケルが取り除かれることは、高純度のRE元素粉末を用いた反応性焼結のマイナス面となりうる。というのは、Niレベルが下がると、合金の変態温度(例えば、A)が、体温において超弾性が得られないレベルになるからである。以下の実施例に示すように、十分に脱水素化されたHDH RE粉末を用いるか、またはニッケルの除去を補う組成を有する予合金化RE−Ni粉末を用いることにより、この問題は完全に軽減または回避することができる。10−10バールの真空下において約900℃の温度で粉末を炉内で加熱することにより、DH Er粉末の完全な脱水素を行うことができる。
反応性焼結は有利でありうるが、一つには、希土類粒子はNiTi粒子と反応するため、焼結時にサイズが減少しうるからである。これにより、多数のより細かい粒子が開始希土類粒子と置き換わるか、またはより細かい粒子のハロー(halo)が、小さくなった最初の希土類粒子を取り囲みうる。こうした合金内でのTiを多く含む領域の形成をなくし、変態温度(例えば、A)を制御できる場合、ランプ速度を(例えば、約35℃/分まで)増大させることができるので、この方法は生産環境において非常に魅力的なものであろう。
予合金化RE−Ni粉末を使用する場合に問題となるのは、所与の原子百分率の希土類元素では、希土類元素粉末を使用した場合よりも第2相含有百分率が大きくなりうることである。このことは、合金において超弾性マトリックスが占める割合が小さくなり、回復可能な歪みまたは上側および下側の荷重プラトー(loading plateaus)が減少しうることを意味する。ErAgまたは他の延性希土類金属間化合物(イットリウム−銀(YAg)、イットリウム−銅(YCu)、ジスプロシウム−銅(DyCu)、セリウム−銀(CeAg)、エルビウム−銀(ErAg)、エルビウム−金(ErAu)、エルビウム−銅(ErCu)、ホルミウム−銅(HoCu)、ネオジム−銀(NdAg)など)などの延性およびX線不透過性の合金を使用することは、これを回避する方法となりうる(例えば、Gschneidner Jr.K.A.et al.(2009)“Influence of the electronic structure on the ductile behaviour of B2 CsCl−type AB intermetallics,“Acta Materialia 57,5876−5881(本明細書に援用する)を参照)。その中では、一部の金属間化合物で、熱処理および熱間圧延の後に20%を超える歪みが実現されることが報告されている。
1つの実施形態によれば、RE合金粉は、希土類金属(RE)のほかに鉄(Fe)を含むRE−Fe合金粉であってよい。例えば、Feは、RE合金粉中に、約0.5重量%のFe〜約2.5重量%のFe、または約1重量%〜約2重量%(例えば、約1.5重量%)のFe濃度で存在してよい。RE−Fe合金粉の残りの部分は、RE元素および任意の付随的な不純物であってよい。RE元素は、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ac、Th、Pa、U、YおよびScからなる群から選択することができる。典型的には、RE元素は、La、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuからなる群から選択される。一例として、RE元素はErであり、Er−Fe合金粉は約1.5重量%のFeを含むことができる。実施形態によっては、RE−Fe合金粉(Er−Fe合金粉であってよい)は、任意の付随的な不純物のほかにBをさらに含むことができる。例えば、RE−Fe合金粉は、Bを約50ppm〜約150ppmの濃度で含むRE−Fe−B粉末であってよい。
別の実施形態によれば、RE合金粉は、希土類金属のほかに鉄とニッケルを含むRE−Ni−Fe合金粉であってよい。例えば、RE−Ni−Fe合金粉は、約21重量%のNi〜約31重量%のNi、約0.5重量%のFe〜約1.5重量%のFeを含んでよく、残りの部分(残り)は希土類元素および任意の付随的な不純物であってよい。上記のように、RE元素は、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ac、Th、Pa、U、YおよびScからなる群から選択されるものであってよい。典型的には、RE元素は、La、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuからなる群から選択される。RE−Ni−Fe合金粉は、約26重量%のNi及び/または約1重量%のFeを含むことができる。RE−Ni−Fe合金粉は、約50ppm〜約150ppm(例えば、約100ppm)の濃度でBをさらに含んでもよい。一例として、RE元素はErであってよく、RE−Ni−Fe合金粉は約26重量%のNiおよび約1重量%のFeを含んでもよい。
別の実施形態によれば、RE合金粉は、希土類金属のほかにニッケルおよびホウ素を含むRE−Ni−B合金粉であってよい。例えば、RE−Ni−B合金粉は、約21重量%のNi〜約31重量%のNi、および約50ppm〜約150ppmの濃度でBを含んでもよく、残りの部分はRE元素および任意の付随的な不純物であってよい。上記のように、RE元素は、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ac、Th、Pa、U、YおよびScからなる群から選択されるものであってよい。典型的には、RE元素は、La、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuからなる群から選択される。一例として、RE元素はErであってよく、Bの濃度は約100ppmであってよい。RE−Ni−B合金粉は約26重量%のNiを含んでもよい。
別の実施形態によれば、RE合金粉は、希土類金属のほかにホウ素を含むRE−B合金粉であってよい。例えば、RE−B合金粉は、Bを約50ppm〜約150ppmの濃度で含んでもよく、残りの部分はRE元素および任意の付随的な不純物であってよい。上記のように、RE元素は、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ac、Th、Pa、U、YおよびScからなる群から選択されるものであってよい。典型的には、RE元素は、La、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuからなる群から選択される。一例として、RE元素はErであってよく、Bの濃度は約100ppmであってよい。
上述の混合物のいずれかから製造されるNi−Ti−RE焼結合金は、約5重量%のRE〜約35重量%のRE、約10重量%のRE〜約30重量%のRE、約12重量%のRE〜約25重量%のRE、または約15重量%のRE〜約20重量%のREを含むことができる。Ni−Ti−RE焼結合金は、約45重量%のNi〜約50重量%のNiおよび約33重量%のTi〜約38重量%のTiを含むこともできる。Ni−Ti−RE焼結合金は、NiTiマトリックス相と、マトリックス相中に分散した不連続領域を含む第2相とを含んでもよく、ここで、第2相はRE元素を含む。この第2相はまた、B、Al、Cr、Mn、Fe、Ni、Co、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、V、他の希土類元素、およびYからなる群から選択される更なる元素を含んでもよい。Ni−Ti−RE焼結合金中に複数種の第2相があってもよい。NiTiマトリックス相は、Ni:Tiの重量比が少なくとも約55:45、または少なくとも約56:44であってよい。Ni:Tiの重量比は、典型的には60:40以下であり、58:42以下であってよい。
Ni−Ti−RE焼結合金は、合金の組成および加工履歴によって異なる相構造を有する。第2相中に存在するRE元素は、NiおよびTiを含むNiTiマトリックス相との固溶体の形で存在してもよい。RE元素を含む第2相は、Ni及び/またはTiを含んでもよい。例えば、RE元素は、Ni及び/またはTiを含む金属間化合物相を形成しうる。言い換えれば、RE元素は、特定の割合のNi、および/または特定の割合のTiと結合して化合物相を形成しうる。RE元素は、Tiと置き換わることができ、Niとの1種または複数種の金属間化合物相、例えば、NiRE、NiRE、NiRE、NiRE、または別の相(例えば、NiRE(xおよびyは、整数値または小数値であってよく、典型的には1〜20である))などを形成しうる。あるいはまた、RE元素はNiと置き換わってよく、Tiと結合して固溶体または化合物(TiREなど)を形成しうる。Ni−Ti−RE合金は、NiおよびTiの1種または複数種の他の金属間化合物相(NiTiなど)を含むこともでき、その相は、組成および熱処理に応じてマトリックス相、NiTi及び/またはNiTiでありうる。RE元素は、NiおよびTiの両方の原子との三元金属間化合物相(NiTiREなど)を形成することもできる。RE元素は、希土類金属にほかに少なくとも1種の更なる元素(Mで表される)を含む四元金属間化合物相(NiTiREなど)を形成することもできる。様々なNi−Ti−RE合金中の一部の例示的な相を以下の表1に示す。その表において、x、y、zおよびmは、整数または小数値(典型的には1〜20)であってよい。
Ni−Ti−RE焼結合金中に(RE元素に加えて)存在してよい1種または複数種の更なる元素は、NiTiマトリックス相との固溶体であってよく、かつ/またはNi、Ti、及び/またはRE元素と一緒になって1種または複数種の第2相を形成してもよい。したがって第2相は、希土類元素のほかに更なる合金元素を含みうる。第2相は、これに加えて、またはこれの代わりとして、ニッケル(Ni)及び/またはチタン(Ti)を含むことができる。第2相の不連続粒子は、平均的大きさが約1〜約500ミクロン、好ましくは約1〜約150ミクロンでありうる。マトリックス相はNiTiを含みうる。
Figure 0006199897
Ni−Ti−RE焼結合金中に存在する1種または複数種の更なる合金元素は、Al、Cr、Mn、Fe、Ni、Co、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、V、他の希土類元素、およびYからなる群から選択されるものであってよい。Ni−Ti−RE焼結合金は、これに加えて、またはこれの代わりとして、少量(例えば、数百ppm以下)の非金属添加元素(例えば、B、C、H、N、またはOなど)を含みうるが、非金属元素は一般には、合金の組成を明記するのに使用される合金元素の合計には含まれない。Bは、加工性及び/または延性を向上させるために合金に意図的に添加されるドーパント元素と見なすことができる。またこれは、約10ppm〜約300ppm、約20〜約200ppm、または約50ppm〜約150ppmの量だけ存在してよい。好ましくは、C、O、およびNの量は、高い数密度の、及び/またはサイズの大きな、カーバイド、酸化物、窒化物または複雑な炭窒化物の粒子(Ni−Ti−RE合金の機械的性質に影響しうる)が形成されないようにするために、米国材料試験協会(American Society of Testing and Materials)(ASTM)規格F2063に適合する。Hは、好ましくは、合金の水素脆化を最小限に抑えるためにASTM規格F2063にしたがって制御する。前述のASTM規格を本明細書に援用する。
一例として、Ni−Ti−RE焼結合金は、約45重量%〜約50重量%のNi、約33重量%〜約38重量%のTi、および約15重量%のEr〜約20重量%のEr(または約16重量%のEr〜約17重量%のEr)を含むNi−Ti−Er焼結合金であってよい。Ni−Ti−RE焼結合金は、更なる元素(Fe及び/またはBであってよい)をさらに含んでもよい。例えば、Ni−Ti−Er合金は、約0.1重量%のFe〜約0.3重量%のFeを含んでもよい。Ni−Ti−Er合金は、これに加えて、またはこれの代わりとして約100ppm以下の量のBを含んでもよい。Ni−Ti−Er焼結合金は、NiTiマトリックス相と、マトリックス相中に分散した不連続領域を含む第2相とを含んでもよく、ここで、第2相はErを含む。第2相は、Niをさらに含んでもよい。例えば、ErとNiとを含む第2相は、少なくとも約50重量%のErを含む高エルビウム(erbium−rich)相であってよい。NiTiマトリックス相は、金属間化合物NiTiを含んでもよい。
焼結は、放電プラズマ焼結(SPS)法を用いて実施できるが、この方法は、粉末に圧力をかけながらパルス電流を粉末に通すことによって、金属及び/または合金の粉末から高密度の圧縮試験片を成形することを含む。低電圧の高パルス電流により、成形体全体に高局所温度で放電プラズマが生じて、粉末全体に均一な熱が生成しうる。
Ni−Ti−RE合金を製造するための従来の溶融技法(例えば、真空誘導溶解(VIM)または真空アーク融解(VAR))とは異なり、SPSでは、合金微細構造中に希土類元素の細かな分散または2次相が生じ得る。それゆえに、SPSによって製造されるビレットまたは成形体では、熱間加工または冷間加工の前に均質化熱処理を行う必要はないであろう。焼結ではまた、典型的な溶融法(典型的には1350℃を超える温度で実施される)よりもかなり低い温度(例えば、850℃未満)で、密度の高い三元合金成形体が形成されうる。また焼結温度は、所望される場合には、開始粒径を小さくし、かつ焼結圧力を高くすることにより、さらに低くすることができる。従来の溶融法および他の粉末冶金法と比べた場合のSPSの別の利点としては、焼結の間に粉末粒子を純化することができ、それによって得られるNi−Ti−RE三元合金中の不純物を最小限に抑えることができるという点がある。開始粉末中の不純物レベルとは無関係に、酸素を極めて少なくし、かつ受け入れ可能な炭素含有量にすることが可能である。例えば、SPSによって焼結した合金の酸素含有量は、約0.007原子%のOという低い値になりうるが、VIMで溶融させたNi−Ti合金試験片では約0.03原子%のOという酸素含有量が一般的である。
Ni−Ti−RE焼結合金を形成させるには、Ni−Ti合金粉およびRE合金粉を、電源に接続可能な導電性金型とパンチとを含むことができる粉末固化装置に加える。Ni−Ti合金粉は、約55重量%のNi〜約61重量%のNiおよび約39重量%のTi〜約45重量%のTiを含んでよく、RE合金粉はRE元素を含み、これはまた更なる元素を含んでもよい。RE元素および更なる元素は、前述のように選択されうる。
パルス電流を粉末に通してもよく、また粉末は望ましい焼結温度(約730℃〜約840℃でありうる)に加熱してもよい。粉末は、約35℃/分以下のランプ速度で焼結温度まで加熱することができる。ランプ速度は、好ましくは約25℃/分以下である。焼結温度で圧力を粉末に加える。焼結温度は、理論密度の少なくとも約95%である密度を有するNi−Ti−RE焼結合金を形成させるのに十分な保持時間の間維持する。
溶融加工と比べて焼結法が有利なのは、Ni−Ti−RE焼結合金をかなり短時間で形成させることができるからである。例えば、直径10mmのビレットの場合、焼結合金を生じさせる場合の保持時間は、焼結させる材料によって異なるが、典型的には、約15分〜約25分である。一般的に言えば、保持時間は、少なくとも約1分、少なくとも約10分、または少なくとも約15分(例えば、約1分〜約60分、約10分〜約20分、または約5分〜約15分)でありうる。したがって、焼結法は、合計時間が約72分以下でありうる。これは、ここで使用されるランプ速度が遅いにもかかわらず他の焼結手段で必要とされる時間よりも著しく短い。
一般に、適切な焼結圧力と共に、低い焼結温度(例えば、850℃未満)および遅いランプ速度(35℃以下)を用いると、所望の密度のNi−Ti−RE焼結合金をうまく形成させることができる。焼結圧力が高いほど(例えば、少なくとも約50MPa、少なくとも約60MPa、少なくとも約70MPa、または少なくとも約85MPa)、有利でありうる。典型的には、焼結圧力は約110MPa以下である。例えば、焼結温度で加える圧力は、約45MPa〜約110MPa、または約60MPa〜約100MPaの範囲であってよい。
焼結時の圧力を増大させて焼結温度の減少を補うことができ、かつ/または粉末の平均粒径を増大させることができる。有利には、焼結合金では、焼結法の結果として、理論密度の少なくとも約98%の密度が実現される。密度はまた、理論密度の少なくとも約95%、または理論密度の少なくとも約90%でありうる。
米国特許出願第13/656,151号明細書(“Method of Forming a Sintered Nickel−Titanium−Rare Earth Alloy,”という名称)(本明細書にその全体を援用する)で述べられているように、Ni−Ti−RE合金の焼結温度は、希土類元素の軟化温度と一致しうる。軟化温度は、希土類元素が17〜20または16〜21のロックウェル(E)硬さを有するときの温度でありうる。軟化温度は、希土類元素の絶対溶融温度(T)とも関係しうる。例えば、軟化温度は、約0.50・T〜約0.55・Tでありうる。したがって、望ましい焼結温度は、約650℃〜約850℃、または約700℃〜約825℃でありうる。希土類元素がErである場合、焼結温度は、好ましくは約730℃〜約840℃、740℃〜約840℃、または約750℃〜約800℃である。
Ni−Ti−RE焼結合金は、所望の最終形状を有する金型内で製造することができ、したがって、焼結合金は、プレスされたときの状態のままの形で、網形状または網に近い形状の部材として使用できる。あるいは、Ni−Ti−RE焼結合金はビレットまたはボタンの形であってもよく、また特定用途に合わせた所望の形状とするため、焼結の後にさらなる熱機械的処理を施してもよい。Ni−Ti−RE焼結合金の機械的特性及び/または超弾性特性は、熱機械的処理(1つまたは複数の(例えば、一連の)熱間加工及び/または冷間加工ステップを含みうる)によって変えるかまたは向上させることもできる。一連の熱間加工または冷間加工ステップは、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、または少なくとも40の、典型的には100以下の、連続的に実施される熱間加工または冷間加工ステップであってよい。熱間加工は、圧延、押出し、鍛造、延伸、及び/または(高温で実施され、Ni−Ti−RE焼結合金が塑性変形する)他の機械的方法を伴ってもよい。冷間加工は、圧延、押出し、鍛造、延伸、及び/または(室温で実施して合金を塑性的にさらに変形させる)他の機械的方法を伴ってもよい。典型的には、熱間加工は、冷間加工の前に実施する。当業者に知られているように、歪みを減少させるため、また後で行う冷間加工ステップのために合金の加工性を向上させるため、パス間焼きなまし(interpass annealing)ステップを、冷間加工ステップ間またはパス間に実施することができる。パス間焼きなましステップまたは再加熱ステップと呼ぶことのできるものは、熱間加工ステップ間またはパス間に実施してもよい。
1つの例として、Ni−Ti−RE焼結合金に対して、最大60回の熱間圧延パス(hot rolling passes)を実施して、焼結させたときの状態のビレット(直径が約25mmでありうる)から直径5mmの棒を成形し、その後、さらに小さい直径の棒またはワイヤー(例えば、直径が約5mm未満、約3mm未満、または約1mm未満)を形成させるために、一連の冷間加工(例えば、圧延及び/または延伸)およびパス間焼きなましステップを行う。熱間圧延およびパス間焼きなましステップは、約550℃〜約750℃、約600℃〜約750℃、または約630℃〜約730℃の温度範囲で実施できる。パス当たり少なくとも約3%の断面減少(area reduction)、一般にはパス当たり約5%〜約30%の断面減少が達成できる。断面減少は、パス当たり約5%〜パス当たり約15%、またはパス当たり約5%〜パス当たり約10%でもありうる。最終的な冷間加工形態(棒であってもワイヤーであってもよい)は、約550℃未満の温度で2〜10分間焼きなましすることができる。焼きなましは、空気中、真空中、あるいは、空気、Ar、NまたはHeのうちの1種または複数種を含むガス環境で行うことができる。酸化による合金の劣化を防ぐには、Arおよび空気を含むガス環境が好ましい。
当該技術分野において知られている熱機械的加工装置を、熱間加工及び/または冷間加工に使用できる。有利には、焼結された(また任意選択的に、熱機械的に処理された)Ni−Ti−RE合金部材は、オーステナイト終了温度が37℃以下でありうる。熱間加工及び/または冷間加工によって生じる変形のため、第2相の不連続領域は、細長い形状を含みうる。Ni−Ti−RE部材の冷間加工の後、達成されうる断面積の全減少%は、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約70%、または少なくとも約90%である。パス当たりの減少%は、典型的には、少なくとも約3%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、または少なくとも約20%であり、典型的には約30%以下である。
本明細書に記載している焼結法および任意選択の熱機械的処理は、様々な用途(埋め込み可能な医療器具での使用を含む)に適したNi−Ti−RE合金を形成させるのに特に有利であると考えられる。Ni−Ti−RE合金については、2007年9月6日に出願された米国特許出願公開第2008/0053577号明細書(“Nickel−Titanium Alloy Including a Rare Earth Element”)、および2010年11月15日に出願された米国特許出願公開第2011/0114230号明細書(“Nickel−Titanium Alloy and Method of Processing the Alloy”)に詳しく記載されている。これらはその全体を本明細書に援用する。
本明細書で述べる焼結法は、放電プラズマ焼結装置(例えば、Dr.Sinterlab SPS 515S(住友石炭鉱業(株)、日本)など)を用いて実施できる。この場合のSPS金型は良質の黒鉛で作られており、焼結は真空(およそ10−3トル)で行われる。典型的なSPSの実験では、粉末試料を高強度の黒鉛金型に詰め込み、図1Aおよび1Bに模式図で示されているように、上側電極と下側電極との間に配置する。焼結に適した例示的な粉末試料を図1C〜1Gに示す。SPS装置では、パルス直流を電極および試料に流す。例えば、12の電流パルスと2つのオフ電流(off−current)パルス(これは、12/2シーケンス(12/2 sequence)として知られる)を使用できる。46.2msの全シーケンス期間での12のオンパルス(on pulses)とその後の2つのオフパルス(off pulses)のシーケンスから、約3.3msという単一パルス固有時間が計算される。
実施例1
75回を超える実験を実施したが、これは、いろいろな開始粉末組成および様々な焼結パラメータを用いてNi−Ti合金粉とRE合金粉との混合物を焼結し、その後、熱間加工および冷間加工ステップを行って実施した。方法のパラメータおよび結果を以下の表2A〜6Bに要約する。焼結試料は、物理的な形が、直径25mm、厚さ約4mmの小さな円板であった。
各実験において、約56重量%のNiと約44重量%のTiとを含む第1二元合金粉(「Ni56Ti」)と、約60重量%のNiと約40重量%のTiとを含む第2二元合金粉(「Ni60Ti」)との混合物を、ErとFeとを含むRE合金粉と一緒に焼結した。第1および第2二元合金粉(Ni56TiおよびNi60Ti)のいろいろな重量比を実験で使用した。各実験において、Er−Fe合金粉は1.5重量%のFeを含んでいた。Er−Fe合金粉の残りの部分(残り)は、Erおよび任意の付随的な不純物であった。
表2Aは、70:30の重量比のNi56TiとNi60Tiとの粉末を含む試料1〜15についての結果を示し、表2Bは、試料1〜15に対応する焼結合金の組成を示す。表3Aは、60:40の重量比のNi56TiとNi60Tiとの粉末を含む試料21〜35についての結果を示し、表3Bは、試料21〜35に対応する焼結合金の組成を示す。表4Aは、50:50の重量比のNi56TiとNi60Tiとの粉末を含む試料41〜55についての結果を示し、表4Bは、試料41〜55に対応する焼結合金の組成を示す。表5Aは、40:60の重量比のNi56TiとNi60Tiとの粉末を含む試料61〜75についての結果を示し、表5Bは、試料61〜75に対応する焼結合金の組成を示す。表6Aは、30:70の重量比のNi56TiとNi60Tiとの粉末を含む試料81〜95についての結果を示し、表6Bは、試料81〜95に対応する焼結合金の組成を示す。
試料の各セットについて、760℃、800℃、および840℃の温度で、5分、30分、または60分の保持時間を用いて焼結および熱間圧延を実施した。各実験では、60または70MPaのいずれかの焼結圧力を使用した。場合によっては、焼結の後に、760℃、800℃、または840℃の温度において、24分または48分の熱処理保持時間で熱処理を行った。焼結の後に、熱間加工、次いで冷間加工を行った。結果は、以下の各表に示されているように、0(=劣る)〜3(=優れている)の段階で評価している。熱間加工は、760℃の温度での熱間圧延あるいは760℃〜800℃の温度での熱間押出加工(温度下で短い浸漬(約30分間)が行われた)を伴っており、冷間加工は、複数の冷間圧延パス(例えば、20〜60パスを伴っていた(好ましくは、約760℃以下でのパス間焼きなまし処理が行われた)。試料は、熱間加工および冷間加工できることに着目して評価した。最もよい熱機械的処理結果は、約760℃以下の温度および約70MPa以上の圧力で焼結および熱間圧延が行われたNi−Ti−RE合金試料で得られた。
焼結されたときのままの状態および熱機械的処理後のいくつもの試料の微細構造を、走査型電子顕微鏡法(SEM)で調べた。図3および4のSEM像は、焼結されたときのままの状態の試料4と熱間圧延後の試料4をそれぞれ示し、図5および6のSEM像は、焼結されたときのままの状態の試料64と熱間圧延後の試料64をそれぞれ示す。
別の熱機械的に処理された試料を、エネルギー分散型X線分光分析(EDX)で得られた局所組成データと一緒に、図7のSEM像に示す。最初は直径25mmだったビレットが、熱間圧延および冷間圧延によって直径5mmの棒にされた。焼結試料は、Ni56Ti粉末とEr−Fe合金粉とを混ぜたものから造った。ErNi第2相に幾つかの亀裂が明らかに見られるが、NiTiマトリックス相には見られない。ErNi相には、NiTiマトリックス相と強力に界面結合しているストリンガー(細長い領域)が形成されているのが見られる。Erを多く含む領域がErNi相に観察されるが、それが、相の展性を向上させると考えられる。EDXによると、Ni−Ti相はTiを多く含み、Er−Niストリンガーにもっとも近い領域でいっそう多く含むことが分かる。図8は、連続的な熱間圧延パスの後の例示的なNi−Ti−Er−Fe焼結試料を肉眼で見た外観を示す(試料は、熱間圧延の前にキャニングした)。
N16〜N20およびN36(「N−シリーズ」)と表示されている更なる実験セットは表7に要約されている。このシリーズの実験では、Ni−Ti−RE合金の加工性を高めるために、高い焼結圧力(1つだけ70MPaである以外は、100MPa)を使用した。さらに、焼結後の熱処理は行わなかった。というのは、熱処理により、試料の粒の成長ゆえに圧延性(rollability)が劇的に減少し、また望ましくないことにAが増大することが先の実験からから分かったからである。熱間加工および冷間加工に含まれるパス間焼きなましステップの間に、著しい粒の成長(ある場合)を引き起こすことなく、必要とされる均質化が行われると考えられる。
Nシリーズの試料で行われた実験では、使用したNi56Ti粉末とNi60Ti粉末との重量比は70:30および60:40であった。各試料は、760℃、730℃または700℃で、30分の保持時間の間焼結させた。焼結温度までのランプ速度は、25℃/分、38℃/分または50℃/分であった。焼結の後に、Nシリーズの試料を熱間圧延し(760℃)、その後、冷間圧延した。リグの場合に最大減少が可能であった。試料はすべてうまく処理されたが、50:50の重量比と760℃の焼結温度との組合せが冷間圧延の観点からもっとも良いことが分かった。
表8は、熱間圧延の結果及び/または冷間圧延の結果においてスコアが3(「優れている」)だったいろいろな例示的な試料についての、冷間圧延減少(試験片は平板圧延されたので、高さに関する減少)およびパス間焼きなまし処理を示す。
Figure 0006199897
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実施例2
Ni−Ti合金粉とRE合金粉とを含む粉末混合物の第2セットに対して、更なる焼結および熱機械的処理実験を実施した。上述の実験の場合のように、RE合金粉は、約1.5重量%のFeを含みかつ残りの部分がErおよび任意の付随的な不純物であるEr−Fe合金粉であった。いろいろな実験(試料S1〜S10)で、Er−Fe合金粉の代わりに、Ni−Er合金粉を使用した。長さが約30〜35mm、直径が25mmの円柱形のビレットまたはインゴットを、焼結実験で成形した(実施例1で成形した円板とは異なる)。
一部の実験では、約56重量%のNiおよび約44重量%のTiを含む第1二元合金粉(「Ni56Ti」)と、約60重量%のNiおよび約40重量%のTiを含む第2二元合金粉(「Ni60Ti」)との混合物を、Er−FeまたはNi−Er合金粉と一緒に焼結した。混合物では、いろいろ異なる第1および第2二元合金粉(Ni56TiおよびNi60Ti)の重量比を用いた。別の実験では、Ni56Ti粉末のみまたはNi60Ti粉末のみをEr−Fe合金粉と一緒に焼結した。試料S18〜S20の場合(以下の表9を参照)、粉末の粒径は以下のとおりであった:Ni56Ti粉末の場合、d50サイズは18.8μmであった。Ni60Ti粉末の場合、d50サイズは25〜50μmであった。Er−Fe合金粉の場合、d50粒径は25〜50μmであった。約760℃〜約880℃の温度範囲および約50MPa〜約85MPaの圧力で焼結を実施した。以下の表9に要約されているとおりである。ランプ速度はすべて約25℃/分以下であった。均質化熱処理は行わなかった。
実施例1の実験の場合のように、760℃が、熱間加工および冷間加工を良好に行うことのできるNi−Ti−RE焼結合金を製造するのに好ましい焼結温度であることが見出された。また、少なくとも約85MPaの焼結圧力および約15分以下の焼結時間が、好ましい加工条件であることが分かった。
Figure 0006199897
Figure 0006199897
焼結の後、焼結試料(インゴットまたはビレットと呼ばれることもある)を、熱間加工し冷間加工した。熱間加工の後にキャニング(包み込み)を行い、その後、インゴットを熱間圧延して小さくして約3mmの直径にした。正方形圧延リグ(square rolling rig)を熱間圧延に使用した。最初に、12のグルーブすべてを用いて焼結インゴットを熱間圧延して小さくして8mmの棒にした。その後、熱間圧延試料を被覆除去(decanned)し、もっと厚い缶に再びキャニングしてから、11のグルーブを通過させた。パス間焼きなましまたは再加熱は、各単独パスの前に、760℃で3分間行った。試料はうまく熱間圧延されて小さくなり、直径3mmの棒になった。
図9は、例示的な熱間圧延試料の微細構造を示すSEM像である。見て分かるように、NiErストリンガーの最大幅は20μm程度である。幅の小さい一部のストリンガーで、薄い濃淡部分が横切っているのが観察できる。
熱間圧延インゴットを冷延伸して直径を2mm以下、場合によっては1m未満(例えば、約0.8mm)にした。各パスで10%の断面減少が行われる3mm〜0.5mmの金型を冷延伸に使用した。パス間焼きなましステップを、各単独パスの前に、冷延伸ステップと冷延伸ステップの間に約760℃の温度で3分間実施した。パス間焼きなましステップは空気中で行った。
図10A〜10Cは、冷延伸ワイヤー試料の微細構造のSEM像であり、直径が2mm(図10A)、1.71mm(図10B)、および0.8mm(図10C)のものである。顕微鏡写真は、延伸パスを増やすにつれて(またワイヤー直径が減少するにつれて)NiErストリンガーの最大幅が減少することを示している。ストリンガーは、直径0.8mmのワイヤーで、幅がおよそ1〜5μmである。ストリンガーは、長さ方向に沿って幅方向亀裂が見られ、外観が鉄道線路のようになっている。
冷延伸後に、延伸されたワイヤーのAは、500℃での3分間の焼き戻し後の直径1.71mmの冷延伸ワイヤーおよび直径0.8mmの冷延伸ワイヤーで測定した場合に、約40℃〜約50℃の範囲である。曲げ試験および自由回復(free recovery)試験を、冷延伸された直径1.71mmのワイヤーおよび直径1.46mmのワイヤーで行った。図11のX線像に示すように、Ni−Ti−Er−Feワイヤー(下側)は、Ni−Ti二元合金ワイヤー(上側)と比べてX線不透過性が増大している。本発明を、ある特定の実施形態を参照しながらかなり詳しく説明してきたが、本発明から逸脱することなく他の実施形態で行うことも可能である。したがって、添付の特許請求の精神と範囲は、本明細書に含まれる好ましい実施形態の記述に限定されるべきではない。請求項の趣旨の範囲内で行われる実施形態はすべて、そのままのものであれ同等のものであれ、請求項に包含されることを意図している。さらに、必ずしも上述の利点だけが、本発明の利点ではなく、また必ずしも述べられた利点すべてが本発明のすべての実施形態で実現されると予期されることもない。
記載された実施形態および従属請求項の、任意選択および好ましい特徴や変更形態はすべて、本明細書で教示した本発明の態様すべてで使用できる。さらに、従属請求項の個々の特徴、ならびに記載された実施形態の、任意選択および好ましい特徴や変更形態はすべて、互いに組み合わせることが可能であり、また置き換えが可能である。
本願で優先権を主張する米国特許出願第61/587,919号明細書の開示内容および本出願に添付の要約書の開示内容を本明細書に援用する。

Claims (19)

  1. ニッケル−チタン−希土類(Ni−Ti−RE)焼結合金を製造するための粉末の混合物であって、
    54重量%〜58重量%のNi及び42重量%〜46重量%のTiからなる第1二元合金粉と58重量%〜62重量%のNi及び38重量%〜42重量%のTiからなる第2二元合金粉との混合物を含むNi−Ti合金粉であって全体として55重量%〜61重量%のNi及び39重量%〜45重量%のTiを含むNi−Ti合金粉と、
    希土類元素を含む希土類合金粉と、
    を含
    前記Ni−Ti合金粉と前記希土類合金粉との重量比が、60:40から90:10の間である、混合物。
  2. 前記第1二元合金粉が56重量%のNiおよび44重量%のTiを含み、かつ前記第2二元合金粉が60重量%のNiおよび40重量%のTiを含む、請求項1に記載の混合物。
  3. 前記第1二元合金粉と前記第2二元合金粉との重量比が70:30〜30:70である、請求項1または2に記載の混合物。
  4. 前記第1二元合金粉と前記第2二元合金粉との重量比が40:60〜50:50である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の混合物。
  5. 前記希土類合金粉が少なくとも1種の更なる元素を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の混合物。
  6. 前記少なくとも1種の更なる元素が、B、Al、Cr、Mn、Fe、Ni、Co、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、V、他の希土類元素、およびYからなる群から選択されるドーパント元素または更なる合金元素である、請求項5に記載の混合物。
  7. 前記少なくとも1種の更なる元素がFeを含む、請求項6に記載の混合物。
  8. 前記Feが、前記希土類合金粉中に1重量%〜2重量%の濃度で存在する、請求項7に記載の混合物。
  9. 前記希土類元素が、La、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuからなる群から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の混合物。
  10. 前記希土類元素がErを含む、請求項9に記載の混合物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の混合物から製造されるNi−Ti−RE焼結合金であって、45重量%〜50重量%のNi、33重量%〜38重量%のTi、および15重量%〜20重量%のREを含む、Ni−Ti−RE焼結合金。
  12. Feを含む、請求項11に記載のNi−Ti−RE焼結合金。
  13. NiTiマトリックス相と、前記マトリックス相中に分散した不連続領域を含む第2相とを含み、前記第2相が前記希土類元素を含む、請求項11または12に記載のNi−Ti−RE焼結合金。
  14. オーステナイト終了温度が37℃未満である、請求項11〜13のいずれか一項に記載のNi−Ti−RE焼結合金から製造される熱機械的に処理された部材。
  15. 54重量%〜58重量%のNi及び42重量%〜46重量%のTiからなる第1二元合金粉と、58重量%〜62重量%のNi及び38重量%〜42重量%のTiからなる第2二元合金粉との混合物を含み、全体として55重量%〜61重量%のNiおよび約39重量%〜45重量%のTiを含むNi−Ti合金粉、並びに希土類元素を含む希土類合金粉を、電源に接続可能な導電性金型とパンチとを含む粉末固化装置に添加するステップであって、前記Ni−Ti合金粉と前記希土類合金粉との重量比が、60:40から90:10の間である、ステップと;
    前記Ni−Ti合金粉及び希土類合金粉を730℃〜840℃の焼結温度に加熱するステップと;
    前記焼結温度において前記Ni−Ti合金粉及び希土類合金粉に60MPa〜100MPaの圧力を加えるステップと;
    Ni−Ti−RE焼結合金を形成させるステップと
    を含む、Ni−Ti−RE焼結合金の形成方法。
  16. 前記焼結温度までのランプ速度が25℃/分以下である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記希土類元素がErを含み、前記圧力が少なくとも85MPaであり、かつ前記焼結温度が730℃〜760℃である、請求項15または16に記載の方法。
  18. 前記Ni−Ti−RE焼結合金がFeを含む、請求項15〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 少なくとも730℃の温度で前記Ni−Ti−RE焼結合金を熱間加工して、熱間加工Ni−Ti−RE合金部材を形成させるステップを含み、かつ
    前記熱間加工Ni−Ti−RE合金部材を冷延伸して、直径が2mm以下のNi−Ti−RE合金ワイヤーを形成させるステップを含む、
    請求項15〜18のいずれか一項に記載の方法。
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