《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態について、図1〜図4(B)に基づいて説明する。
図1には、第1の実施形態に係る液晶露光装置10の構成が概略的に示されている。液晶露光装置10は、例えば液晶表示装置(フラットパネルディスプレイ)などに用いられる矩形(角型)のガラス基板P(以下、単に基板Pと称する)を露光対象物とするステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。
液晶露光装置10は、照明系12、回路パターンなどが形成されたマスクMを保持するマスクステージ装置14、投影光学系16、装置本体18、表面(図1で+Z側を向いた面)にレジスト(感応剤)が塗布された基板Pを保持する基板ステージ装置20A、及びこれらの制御系等を有している。以下、露光時にマスクMと基板Pとが投影光学系16に対してそれぞれ相対走査される方向をX軸方向とし、水平面内でX軸に直交する方向をY軸方向、X軸及びY軸に直交する方向をZ軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
照明系12は、例えば米国特許第5,729,331号明細書などに開示される照明系と同様に構成されている。照明系12は、露光用の照明光ILをマスクMに照射する。照明光ILとしては、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)などの光(あるいは、上記i線、g線、h線の合成光)が用いられる。
マスクステージ装置14は、中央部に開口部が形成された板状の部材から成るマスクステージ14aを有している。マスクステージ14aは、上記開口部内に挿入されたマスクMの外周縁部を支持ハンド14bにより吸着保持する。マスクステージ14aは、装置本体18の一部である鏡筒定盤18aに固定された一対のステージガイド14c上に搭載され、例えばリニアモータを含むマスクステージ駆動系(不図示)により走査方向(X軸方向)に所定の長ストロークで駆動されるとともに、Y軸方向、及びθz方向に適宜微少駆動される。マスクステージ14aのXY平面内の位置情報(θz方向の回転量情報を含む)は、鏡筒定盤18aに固定されたマスク干渉計14dにより、マスクステージ14aに固定されたバーミラー14eを用いて求められる。マスク干渉計14dには、Xマスク干渉計とYマスク干渉計とがそれぞれ複数含まれ、バーミラー14eには、Xマスク干渉計に対応するXバーミラーと、Yマスク干渉計に対応するYバーミラーとがそれぞれ含まれるが、図1では代表的にYマスク干渉計、及びYバーミラーのみが示されている。
投影光学系16は、マスクステージ14aの下方に配置され、鏡筒定盤18aに支持されている。投影光学系16は、例えば米国特許第6,552,775号明細書に開示された投影光学系と同様に構成されている。すなわち、投影光学系16は、マスクMのパターン像の投影領域が千鳥状に配置された複数の投影光学系(マルチレンズ投影光学系)を含み、Y軸方向を長手方向とする長方形状の単一のイメージフィールドを持つ投影光学系と同等に機能する。本実施形態では、複数の投影光学系それぞれとしては、例えば両側テレセントリックな等倍系で正立正像を形成するものが用いられている。
このため、照明系12からの照明光ILによってマスクM上の照明領域が照明されると、マスクMを通過した照明光により、投影光学系16を介してその照明領域内のマスクMの回路パターンの投影像(部分正立像)が、基板P上の照明領域に共役な照明光ILの照射領域(露光領域)に形成される。そして、マスクステージ装置14と基板ステージ装置20Aとの同期駆動によって、照明領域(照明光IL)に対してマスクMを走査方向に相対移動させるとともに、露光領域(照明光IL)に対して基板Pを走査方向に相対移動させることで、基板P上の1つのショット領域の走査露光が行われ、そのショット領域にマスクMに形成されたパターンが転写される。すなわち、液晶露光装置10では、照明系12及び投影光学系16によって基板P上にマスクMのパターンが生成され、照明光ILによる基板P上の感応層(レジスト層)の露光によって基板P上にそのパターンが形成される。
装置本体18は、鏡筒定盤18a、一対のサイドコラム18b、基板ステージ架台18cを備えている。鏡筒定盤18aは、XY平面に平行な板状の部材から成り、上記マスクステージ装置14、及び投影光学系16を支持している。一対のサイドコラム18bは、一方が鏡筒定盤18aの+Y側の端部近傍を下方から支持し、他方が鏡筒定盤18aの−Y側の端部近傍を下方から支持している。サイドコラム18bは、XZ平面に平行な板状の部材から成り、クリーンルームの床11上に防振装置18dを介して設置されている。これにより、装置本体18(及びマスクステージ装置14、投影光学系16)が、床11に対して振動的に分離される。
基板ステージ架台18cは、XY平面に平行な板状の部材から成り、一対のサイドコラム18bの下端部近傍間に架設されている。図2に示されるように、基板ステージ架台18cは、Y軸方向に所定間隔で複数(本第1の実施形態では、例えば2つ)設けられている。基板ステージ架台18cの上面には、図3に示されるように、Y軸方向に延びるYリニアガイド19aがX軸方向に所定間隔で複数本(例えば2本)固定されている。
基板ステージ装置20Aは、複数(例えば3つ)のベースフレーム22、一対のXビーム24、粗動ステージ28、微動ステージ30(図3では不図示。図1参照)、重量キャンセル装置40、第1ステップガイド50、一対の第2ステップガイド54、及びターゲット用ステージ60を有している。
例えば3つのベースフレーム22は、それぞれY軸方向に延びるYZ平面に平行な板状の部材から成り、X軸方向に所定間隔で互いに平行に配置されている。なお、図1は、図2のA−A線断面図に相当するが、図面の錯綜を避ける観点から、ベースフレーム22の図示が省略されている。例えば3つのベースフレーム22のうち、第1のベースフレーム22は、+X側の基板ステージ架台18cの+X側に、第2のベースフレーム22は、−X側の基板ステージ架台18cの−X側に、第3のベースフレーム22は、例えば2つの基板ステージ架台18cの間に、それぞれ基板ステージ架台18cに対して所定のクリアランスを介した状態で床11(図2参照)上に設置されている。複数のベースフレーム22それぞれの上端面(+Z側の端部)には、Y軸方向に延びるYリニアガイド23aが固定されている。
一対のXビーム24は、それぞれX軸方向に延びるYZ断面矩形の部材から成り、Y軸方向に所定間隔で互いに平行に配置されている。一対のXビーム24は、長手方向の両端部近傍、及び中央部それぞれがベースフレーム22に下方から支持されている。一対のXビーム24は、図2に示されるように、その下面における長手方向の両端部近傍それぞれにおいて、Y軸方向に延びる板状部材から成る接続部材24aにより互いに接続されている。また、Xビーム24の下面における長手方向の中央部には、スペーサ24bが取り付けられている。接続部材24a及びスペーサ24bの下面には、上記Yリニアガイド23aにスライド自在に係合するYスライド部材23bが固定されている。これにより、一対のXビーム24は、複数のベースフレーム22上でY軸方向に直進案内される。また、一対のXビーム24は、不図示のYアクチュエータ(例えばリニアモータ、送りねじ装置など)により、複数のベースフレーム22上で所定のストロークでY軸方向に駆動される。ここで、一対のXビーム24の下面のZ位置は、上記基板ステージ架台18cの上面に固定されたYリニアガイド19aの上端部のZ位置よりも+Z側に位置しており、一対のXビーム24は、基板ステージ架台18c(すなわち、装置本体18)に対して振動的に分離されている。
一対のXビーム24それぞれの上面には、図3に示されるように、X軸方向に延びるXリニアガイド25aが固定されている。また、一対のXビーム24それぞれの両側面は、X軸方向に所定間隔で配列された複数の永久磁石を含むX固定子26aが固定されている。
粗動ステージ28は、平面視(+Z方向から見て)矩形の板状部材から成り、上記一対のXビーム24上に搭載されている。粗動ステージ28の中央部には、開口部28aが形成されている。粗動ステージ28の下面には、図4(A)に示されるように、上記Xリニアガイド25aにスライド自在に係合し、該Xリニアガイド25aと共にXリニアガイド装置25を構成するXスライド部材25bが複数(ひとつのXリニアガイド25aにつき、例えば4つ)固定されている。これにより、粗動ステージ28は、一対のXビーム24上でX軸方向に直進案内される。
また、粗動ステージ28の下面であって、上記開口部28a+Y側の領域、及び−Y側の領域それぞれには、一対のX可動子26bが固定板27を介して上記X固定子26aに対向して取り付けられている。X可動子26bは、コイルユニットを有し、対応するX固定子26aとともに粗動ステージ28を一対のXビーム24上でX軸方向に駆動するためのXリニアモータ26を構成している。また、粗動ステージ28は、上記Xリニアガイド装置25の作用により、一対のXビーム24に対するY軸方向への相対移動が制限されており、一対のXビーム24と一体的にY軸方向へ移動する。すなわち、一対のXビーム24と粗動ステージ28とは、いわゆるガントリ式の2軸ステージ装置を構成している。
図1に戻り、微動ステージ30は、高さの低い直方体状の部材から成り、粗動ステージ28の上方に配置されている。微動ステージ30の上面には、基板ホルダ32が固定されている。基板ホルダ32は、その上面に載置された基板Pを、例えば真空吸着により吸着保持する。なお、図3では、図面の錯綜を避ける観点から、微動ステージ30、及び基板ホルダ32の図示が省略されている。微動ステージ30の−Y側の側面には、ミラーベース33を介してY軸に直交する反射面を有するYバーミラー34yが固定されている。また、微動ステージ30の−X側の側面には、図2に示されるように、ミラーベース33を介してX軸に直交する反射面を有するXバーミラー34xが固定されている。
微動ステージ30は、粗動ステージ28に固定された固定子と、微動ステージ30に固定された可動子とから成る複数のボイスコイルモータを含む微動ステージ駆動系により、粗動ステージ28上で3自由度方向(X軸、Y軸、θz方向)に微少駆動される。複数のボイスコイルモータには、例えば2つのXボイスコイルモータ36x(図1では不図示)、及び、例えば2つのYボイスコイルモータ36y(図2では不図示。図1参照)が含まれる。なお、図2において、例えば2つのXボイスコイルモータ36xは、紙面奥行き方向に重なっている。また、図1において、例えば2つのYボイスコイルモータ36yは、紙面奥行き方向に重なっている。
微動ステージ30は、上記複数のボイスコイルモータが発生する推力(電磁力)によって、粗動ステージ28に非接触で誘導され、これにより、その粗動ステージ28と共にX軸方向、及び/又はY軸方向に所定のストロークで移動する。また、微動ステージ30は、複数のボイスコイルモータにより粗動ステージ28に対して上記3自由度方向に適宜微少駆動される。
また、微動ステージ駆動系は、図1に示されるように、微動ステージ30をθx、θy、及びZ軸方向の3自由度方向に微少駆動するための複数のZボイスコイルモータ36zを有している。複数のZボイスコイルモータ36zは、例えば微動ステージ30の四隅部に対応する箇所に配置されている(図1では、4つのZボイスコイルモータ36zのうち2つのみが示され、他の2つは紙面奥側に隠れている)。複数のボイスコイルモータを含み、微動ステージ駆動系の構成については、例えば米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に開示されている。
微動ステージ30のX位置情報は、図2に示されるように、装置本体18に干渉計コラム18eと称される部材を介して固定されたXレーザ干渉計38xにより、Xバーミラー34xを用いて求められる。また、微動ステージ30のY位置情報は、図1に示されるように、装置本体18に固定されたYレーザ干渉計38yにより、Yバーミラー34yを用いて求められる。Xレーザ干渉計38x、及びYレーザ干渉計38yは、それぞれ複数設けられており(図1及び図2ではそれぞれ紙面奥行き方向に重なっている)、微動ステージ30のθz位置情報を求めることができるようになっている。
微動ステージ30のZ軸、θx、及びθy方向の位置(以下、Z・チルト位置と称する)情報は、図4(A)に示されるように、微動ステージ30の下面に取り付けられた複数(例えば、4つ)のZセンサ38zにより、後述するターゲット用ステージ60を用いて求められる。例えば4つのZセンサ38zは、Z軸回りに所定間隔で配置されている。基板ステージ装置20Aでは、上記複数のZセンサ38zの出力の平均値に基づいて微動ステージ30のZ位置情報が、上記複数のZセンサ38zの出力差に基づいて、微動ステージ30のθx及びθy方向の回転量情報が求められる。Zセンサ38zの種類は、特に限定されないが、例えばレーザ変位計、レーザ干渉計などを用いることができる。
重量キャンセル装置40は、図4(A)に示されるように、後述するレベリング装置46を介して微動ステージ30を下方から支持している。重量キャンセル装置40は、粗動ステージ28の開口部28a内に挿入されており、後述する第1ステップガイド50に下方から支持されている。重量キャンセル装置40は、その下端部にエアベアリング42を有しており、該エアベアリング42から第1ステップガイド50の上面に対して噴出される加圧気体(例えば空気)の静圧により、第1ステップガイド50上に所定のクリアランスを介して浮上している。なお、図4(A)は、図3のB−B線断面図に相当するが、図面の錯綜を避ける観点から、ベースフレーム22の図示が省略されている。
本実施形態の重量キャンセル装置40は、例えば米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に開示される重量キャンセル装置と同様の構成、及び機能を有している。すなわち、重量キャンセル装置40は、例えば不図示の空気ばねを有しており、該空気ばねが発生する重力方向上向き(+Z方向)の力により、微動ステージ30、基板ホルダ32などを含む系の重量(重量加速度による下向き(−Z方向)の力)を打ち消し、これにより、微動ステージのZ・チルト位置制御が行われる際に上記複数のZボイスコイルモータ36zの負荷を低減する。
重量キャンセル装置40は、その重心のZ位置とほぼ同じZ位置(重心高さ)で、粗動ステージ28に対して複数、例えば4つのフレクシャ装置44を介して機械的に接続されている。本実施形態のフレクシャ装置44は、例えば米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に開示されるフレクシャ装置と同様の構成、及び機能を有している。すなわち、フレクシャ装置44は、例えばXY平面に平行に配置された厚さの薄い帯状の鋼板と、その鋼板の両端部に設けられた滑節装置(例えばボールジョイント)とを含み、上記鋼板が滑節装置を介して重量キャンセル装置40と粗動ステージ28との間に架設されている。
フレクシャ装置44は、図3に示されるように、重量キャンセル装置40の+X側、−X側、+Y側、及び−Y側それぞれで重量キャンセル装置40と粗動ステージ28とを連結している。これにより、粗動ステージ28がX軸方向、及び/又はY軸方向に移動すると、重量キャンセル装置40は、複数のフレクシャ装置44の少なくともひとつを介して粗動ステージ28に牽引されることにより、その粗動ステージ28と一体的にX軸方向、及び/又はY軸方向に移動する。
図4(A)に戻り、レベリング装置46は、ベース46aと、ボール46bとを含む球面軸受け装置であり、微動ステージ30をθx及びθy方向に揺動(チルト動作)自在に下方から支持するとともに、微動ステージ30と一体的にXY平面に沿って移動する。レベリング装置46は、重量キャンセル装置40に取り付けられた不図示のエアベアリングを介して重量キャンセル装置40に下方から非接触支持されており、重量キャンセル装置40に対する水平面に沿った方向の相対移動が許容されている。なお、微動ステージ30をチルト動作自在に下方から支持することが可能であれば、レベリング装置として、例えば米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に開示されるような疑似球面軸受け装置を用いても良い。
第1ステップガイド50は、図3に示されるように、X軸方向に延びるXY平面に平行な板状部材から成り、例えば2つの基板ステージ架台18cの上に配置されている。第1ステップガイド50の長手方向の寸法は、微動ステージ30のX軸方向に関する移動ストロークよりも幾分長めに設定されている。また、第1ステップガイド50の幅方向(Y軸方向)寸法は、重量キャンセル装置40のフットプリントよりも幾分広幅に設定されている。第1ステップガイド50の上面は、XY平面(水平面)と平行になるように平面度が非常に高く仕上げられており、上記重量キャンセル装置40(及び微動ステージ30)がX軸方向に移動する際のガイド面として機能する。第1ステップガイド50の材料は、特に限定されないが、例えば石材(例えば斑レイ岩などの緻密な石材)、あるいはセラミックス、鋳鉄などを用いて形成することが好ましい。
第1ステップガイド50の下面には、図4(B)に示されるように、上記Yリニアガイド19aにスライド自在に係合するYスライド部材19bが複数(ひとつのYリニアガイド19aにつき、例えば2つ)固定されている。これにより、第1ステップガイド50は、複数のYリニアガイド19aに沿ってY軸方向に直進案内される。
第1ステップガイド50の+Xの端部には、図3に示されるように、一対の接続部材50aがY軸方向に所定間隔で固定されている。第1ステップガイド50は、+Y側の接続部材50aがフレクシャ装置52を介して+Y側のXビーム24に接続され、−Y側の接続部材50aがフレクシャ装置52を介して−Y側のXビーム24に接続されている。第1ステップガイド50の−X側の端部にも、同様に一対の接続部材52aが固定され、該一対の接続部材52aを介して第1ステップガイド50がフレクシャ装置52により一対のXビーム24それぞれに接続されている。フレクシャ装置52は、図4(A)に示されるように、第1ステップガイド50の重心のZ位置とほぼ同じZ位置(重心高さ)で、第1ステップガイド50とXビーム24とを接続している。
フレクシャ装置52の構成は、上記重量キャンセル装置40と粗動ステージ28とを接続するフレクシャ装置44と概ね同じである。すなわち、フレクシャ装置52は、Y軸方向に延びるXY平面に平行な厚さの薄い鋼板と、その鋼板の両端部に設けられた滑節装置(例えばボールジョイント)とを含み、上記鋼板が滑節装置を介して第1ステップガイド50とXビーム24との間に架設されている。従って、第1ステップガイド50とXビーム24とは、Y軸方向に関しては一体的(高剛性)に接続されるのに対し、他の5自由度方向(X、Z、θx、θy、θz)に関しては、振動的に分離される。
基板ステージ装置20Aでは、基板PをX軸方向に所定のストロークで駆動するために、粗動ステージ28がX軸方向に駆動されると、重量キャンセル装置40が粗動ステージ28に牽引されて第1ステップガイド50上をX軸方向に移動する。また、基板PをY軸方向に所定のストロークで駆動するために、一対のXビーム24がY軸方向に駆動されると、重量キャンセル装置40が粗動ステージ28に牽引されてY軸方向に移動する。この際、一対のXビーム24と第1ステップガイド50が一体的にY軸方向に移動する(重量キャンセル装置40と第1ステップガイド50とがY軸方向に相対移動しない)ので、重量キャンセル装置40が第1ステップガイド50から脱落することがない。したがって、第1ステップガイド50の幅方向(Y軸方向)寸法は、重量キャンセル装置40のX軸方向への移動をガイドできる程度の最低限の寸法で良く、軽量に形成することができる。
一対の第2ステップガイド54は、それぞれX軸方向に延びるYZ断面矩形の板状部材から成り、例えば2つの基板ステージ架台18cの上に配置されている。一対の第2ステップガイド54は、一方が第1ステップガイド50の+Y側に、他方が第1ステップガイド50の−Y側に、それぞれ第1ステップガイド50に対して所定のクリアランスを介して互いに平行に配置されている。
第2ステップガイド54の長手方向寸法は、図3に示されるように、第1ステップガイド50とほぼ同じに設定されているが、幅方向(Y軸方向)寸法は、第1ステップガイド50よりも狭く設定されている。また、図4(B)に示されるように、第2ステップガイド54の厚さ方向寸法は、第1ステップガイド50とほぼ同じに設定されている。第2ステップガイド54の下面には、上記Yリニアガイド19aにスライド自在に係合するYスライド部材19cが固定されている。これにより、第2ステップガイド54は、複数のYリニアガイド19aに沿ってY軸方向に直進案内される。
第2ステップガイド54の上面は、XY平面(水平面)と平行になるように平面度が非常に高く仕上げられており、後述するターゲット用ステージ60がX軸方向に移動する際にガイド面として機能する。第2ステップガイド54の材料は、特に限定されないが、例えば石材(例えば斑レイ岩などの緻密な石材)、あるいはセラミックス、鋳鉄、アルミ合金などを用いて形成することが好ましい。
一対の第2ステップガイド54は、図4(A)に示されるように、YZ断面U字状の部材から成る連結部材56により一体的に連結されている。第1ステップガイド50は、連結部材56の一対の対向面間に所定のクリアランスを介して挿入されている。連結部材56は、図2に示されるように、X軸方向に所定間隔で複数(本第1の実施形態では、例えば4つ)設けられている。
第2ステップガイド54の長手方向(+X側及び−X側)の両端部それぞれには、図3に示されるように、接続部材54aが固定されている。+Y側の第2ステップガイド54は、上記接続部材54aがフレクシャ装置58を介して+Y側のXビーム24に接続され、−Y側の第2ステップガイド54は、上記接続部材54aがフレクシャ装置58を介して−Y側のXビーム24に接続されている。フレクシャ装置58の構成は、上記第1ステップガイド50とXビーム24とを接続するフレクシャ装置52と概ね同じである。これにより、一対のXビーム24がY軸方向に移動すると、第1ステップガイド50、及び一対の第2ステップガイド54が一対のXビーム24と一体的にY軸方向に移動する。
ターゲット用ステージ60は、一対のXビーム24間に配置され、一対の第2ステップガイド54上に搭載されている。ターゲット用ステージ60は、図4(B)に示されるように、上部リング61、下部リング62、接続部材63、複数のターゲット64、及び複数のエアベアリング65を有している。
上部リング61は、図3に示されるように、中央に開口部が形成された円板状の部材から成る。下部リング62は、上記上部リング61とほぼ同じ外径寸法及び内径寸法で形成された(ただし厚みは上部リング61よりも薄い)円板状の部材から成り、図4(B)に示されるように、上部リング61の下方に配置されている(図3では上部リング61に対して紙面奥側に隠れている)。上記重量キャンセル装置40は、上部リング61及び下部リング62それぞれの開口部内に挿入されている。接続部材63は、上部リング61の下面と下部リング62の上面との間に挿入されており、上部リング61と下部リング62とを一体的に接続している。なお、下部リング62は、上部リング61よりも径が小さくても良いし、上部リング61は、粗動ステージ28よりも+Z側にあって、粗動ステージ28の開口部よりも径が大きくても良い。
本第1の実施形態では、上記複数のZセンサ38zに対応して、例えば4つのターゲット64は、図3に示されるように、θz方向(Z軸回り)に所定間隔で、対応するZセンサ38zの直下に位置するように上部リング61の上面に固定されている。ターゲット64の種類は、Zセンサ38zの種類に応じて選択することが望ましい。Zセンサ38zとして、例えば三角測量方式の反射型レーザ変位センサが用いられる場合には、ターゲット64に白色セラミックスを用いることが望ましく、Zセンサ38zとして、例えば垂直反射方式の反射型レーザ変位センサが用いられる場合には、ターゲット64に鏡を用いることが望ましい(上部リング61の上面を鏡面加工しターゲット64を省略しても良い)。ターゲット64は、微動ステージ30が粗動ステージ28に対して微少駆動される際の移動量を考慮して(計測ビームがターゲットから外れないように)面積が設定されている。
複数(本第1の実施形態では、例えば4つ)のエアベアリング65は、θz方向(Z軸回り)に所定間隔で下部リング62の下面に固定されている。例えば4つのエアベアリング65のうち、2つのエアベアリング65の気体噴出面(軸受け面)は、一方(+Y側)の第2ステップガイド54の上面に対向し、他の2つのエアベアリング65の気体噴出面は、他方(−Y側)の第2ステップガイド54の上面に対向している。ターゲット用ステージ60は、図4(B)に示されるように、上記複数のエアベアリング65から対応する第2ステップガイド54に対して噴出される加圧気体(例えば空気)の静圧により、一対の第2ステップガイド54上に所定のクリアランスを介して浮上している。
ターゲット用ステージ60は、図3に示されるように、複数のフレクシャ装置66により、粗動ステージ28に連結されている。フレクシャ装置66の構成は、上記重量キャンセル装置40と粗動ステージ28とを接続するフレクシャ装置44と概ね同じである(ただし、複数のフレクシャ装置44がX軸又はY軸に平行に(平面視で+字状に)配置されるのに対し、複数のフレクシャ装置66は、X軸又はY軸に、例えば45°の角度を成す方向に延びている)。
基板ステージ装置20Aでは、基板PをX軸方向に所定のストロークで駆動するために、粗動ステージ28がX軸方向に駆動されると、ターゲット用ステージ60が粗動ステージ28に牽引されて一対の第2ステップガイド54上をX軸方向に移動する。また、基板PをY軸方向に所定のストロークで駆動するために、一対のXビーム24がY軸方向に駆動されると、ターゲット用ステージ60が粗動ステージ28に牽引されてY軸方向に移動する。この際、一対のXビーム24と一対の第2ステップガイド54が一体的にY軸方向に移動する(ターゲット用ステージ60と一対の第2ステップガイド54とがY軸方向に相対移動しない)ので、ターゲット用ステージ60が一対の第2ステップガイド54から脱落することがない。
また、微動ステージ30は、粗動ステージ28に誘導されてX軸、及び/又はY軸方向に移動することから、ターゲット用ステージ60と微動ステージ30とは、一体的にX軸、及び/又はY軸方向に移動する。したがって、Zセンサ38zは、微動ステージ30のXY平面内の位置に関わらず、対応するターゲット64を用いて微動ステージ30のZ位置情報を求めることができる。
上述のようにして構成された液晶露光装置10(図1参照)では、不図示の主制御装置の管理の下、不図示のマスクローダによって、マスクステージ装置14へのマスクMのロードが行われるとともに、不図示の基板ローダによって基板ホルダ32上への基板Pのロードが行なわれる。その後、主制御装置により、不図示のアライメント検出系を用いてアライメント計測が実行され、そのアライメント計測の終了後、基板P上に設定された複数のショット領域に逐次ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。なお、この露光動作は従来から行われているステップ・アンド・スキャン方式の露光動作と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
上記露光動作時、アライメント動作時において、基板ステージ装置20Aでは、鏡筒定盤18aの下面であって、投影光学系16の近傍に固定された複数のセンサ15(オートフォーカスセンサ)により、基板Pの表面のZ位置情報が求められ、該複数のセンサ15の出力に基づいて、基板P上の露光領域のZ位置が投影光学系16の焦点深度内に位置するように、微動ステージ30のZ・チルト位置制御が複数のZボイスコイルモータ36zを用いて行われる。
以上説明した本実施形態に係る基板ステージ装置20Aによれば、微動ステージ30のZ位置情報を求める際に使用されるターゲット64が、重量キャンセル装置40とは別部材であるターゲット用ステージ60に取り付けられているので、仮にターゲット64を重量キャンセル装置40に取り付ける場合に比べて、重量キャンセル装置40を小型化、軽量化できる。また、仮にターゲット64を重量キャンセル装置40に取り付ける場合、第1ステップガイド50の上面の平面度が低くなっている場合、微動ステージ30のZ・チルト位置情報の計測精度が低下する可能性があるのに対し、基板ステージ装置20Aでは、微動ステージ30のZ・チルト位置情報を求める際に、一対の第2ステップガイド54上に搭載されたターゲット用ステージ60が用いられるので、仮に第1ステップガイド50の上面の平面度が低くなっていても、第2ステップガイド54の上面が計測基準面として機能するので、微動ステージ30のZ・チルト位置情報の計測精度には何ら問題ない。
また、微動ステージ30のZ・チルト位置は、複数のZボイスコイルモータ36zにより高精度で制御可能であるので、仮に第1ステップガイド50の上面の平面度が低下しても、微動ステージ30のZ・チルト位置情報の計測精度が確保できれば微動ステージ30のZ・チルト位置制御は高精度で行うことができる。したがって、第1ステップガイド50の上面の平面度を確保するために第1ステップガイド50の剛性を高めるなどの措置を施す必要がない。したがって、第1ステップガイド50を小型化(薄型化)、軽量化することができる。
なお、上記第1の実施形態に係る基板ステージ装置20Aの構成は、適宜変形が可能である。以下、上記第1の実施形態の変形例について説明する。なお、以下説明する第1の実施形態の変形例において、上記第1の実施形態と同様の構成、及び機能を有する要素に関しては、同一の符号を付してその詳細な説明を適宜省略する。
《第1の実施形態の変形例(その1)》
図5〜図6(B)には、上記第1の実施形態の変形例(その1)に係る基板ステージ装置20Bが示されている(なお、図5では微動ステージ30(図6(A)参照)は不図示)。
上記第1の実施形態の基板ステージ装置20A(図4(B)参照)において、微動ステージ30のZ・チルト位置情報は、複数のZセンサ38zにより、ターゲット用ステージ60に取り付けられたターゲット64を用いて求められたのに対し、図6(B)に示される基板ステージ装置20Bでは、複数のZセンサ38zにより、一対の第2ステップガイド54それぞれの上面を用いて求められる点が異なる。なお、一対の第2ステップガイド54の駆動方式を含み、他の要素については、図5及び図6(A)に示されるように、上記第1の実施形態と同じである。
Zセンサ38zに、例えば三角測量方式の反射型レーザ変位センサが用いられる場合、白色セラミックスで形成された帯状の部材をターゲット(Z・チルト位置情報計測用の基準面)として第2ステップガイド54の上面に取り付けると良い(第2ステップガイド54そのものをターゲットとして機能させるために、第2ステップガイド54自体をセラミックスで形成しても良いし、セラミックスなどを金属表面に溶射によって形成しても良い)。また、Zセンサ38zに、例えば垂直反射方式の反射型レーザ変位センサが用いられる場合には、第2ステップガイド54の上面のほぼ全体を覆う帯状の鏡を第2ステップガイド54に取り付けると良い(あるいは第2ステップガイド54の上面のほぼ全体に鏡面加工を施しても良い)。
基板ステージ装置20Bによれば、上記第1の実施形態の基板ステージ装置20Aに比べ、ターゲット用ステージ60(図3参照)を有していないので、構成が簡単である。また、慣性質量が小さくなるので、粗動ステージ28(すなわち基板P)の位置制御性が向上する。また、粗動ステージ28を駆動するためのリニアモータも小型化できる。また、第2ステップガイド54上にターゲット用ステージ60が搭載されないので、第2ステップガイド54の剛性を高めるなどの措置を施す必要がない。したがって、第2ステップガイド54を小型化(薄型化)、軽量化することができる。
《第1の実施形態の変形例(その2)》
図7及び図8には、上記第1の実施形態の変形例(その2)に係る基板ステージ装置20Cが示されている。上記第1の実施形態の基板ステージ装置20Aは、図4(A)に示されるように、第1ステップガイド50上で重量キャンセル装置40がレベリング装置46を介して微動ステージ30を下方から支持する構成であったのに対し、図8に示されるように、基板ステージ装置20Cでは、第1ステップガイド70A上にレベリング装置78が直接搭載されている点が異なる。なお、不図示であるが、第1ステップガイド70Aは、上記第1の実施形態と同様に、一対のXビーム24(図7及び図8では不図示。図1など参照)に対して機械的に連結されており、一対のXビーム24と一体的にY軸方向に移動する。また、粗動ステージ28は、一対のXビーム24上に搭載され、該一対のXビーム24上でX軸方向に駆動されると共に、一対のXビーム24と共にY軸方向に移動する。
第1ステップガイド70Aは、図7に示されるように、ガイド本体71、空気ばね72、及び一対のZボイスコイルモータ73を有しており、重量キャンセル装置、及びZアクチュエータとしても機能する。ガイド本体71は、図8に示されるように、下板部71a、上板部71b、及び一対のガイド板71cを有している。下板部71a、及び上板部71bは、それぞれX軸方向に延びるXY平面に平行な矩形の板状部材から成り、Z軸方向に所定間隔で互いに平行に配置されている。上板部71bは、下板部71aに固定された一対のガイド板71c(あるいは不図示のリニアガイド装置)に案内されて下板部71aに対してZ軸方向に移動可能となっている。
空気ばね72は、下板部71aと上板部71bとの間に挿入されており、上板部71bの中央部を下方から支持している。空気ばね72には、外部から加圧気体が供給され、微動ステージ30(レベリング装置78を含む)を含む系の重量と釣り合う重力方向上向きの力を上板部71bに対して作用させる。なお、空気ばね72は、X軸方向に所定の間隔で複数配置しても良い。
一対のZボイスコイルモータ73は、一方が第1ステップガイド70Aの+X側の端部近傍に、他方が第1ステップガイド70Aの−X側の端部近傍それぞれに配置されている。Zボイスコイルモータ73は、下板部71aに固定された固定子73aと、上板部71bに固定された可動子73bとを含み、微動ステージ30のZ位置制御が行われる際、上板部71bをZ軸方向に駆動する(微動ステージ30のθx、及びθy方向の位置制御は、上記実施形態と同様に微動ステージ駆動系を介して行われる)。
レベリング装置78は、ベース78aと、ボール78bとを含む球面軸受け装置であり、微動ステージ30をθx及びθy方向に揺動(チルト動作)自在に下方から支持するとともに、微動ステージ30と一体的にXY平面に沿って移動する。ベース78aは、粗動ステージ28の開口部28a内に挿入されており、気体噴出面(軸受け面)が−Z側(下側)を向いた不図示のエアベアリングを有している。レベリング装置78は、ベース78aから上板部71bの上面に対して噴出される加圧気体(例えば、空気)の静圧により、所定のクリアランスを介して第1ステップガイド70A上に浮上している。
微動ステージ30のZ・チルト位置情報は、図8に示されるように、上記基板ステージ装置20B(図5〜図6(B))参照と同様に、複数のZセンサ38zにより第2ステップガイド54の上面を用いて求められる(上記第1の実施形態と同様にターゲット用ステージ60(図3参照)を用いても良い)。
基板ステージ装置20Cでは、粗動ステージ28の上面と微動ステージ30の下面との間隔を短くすることができるので、基板ステージ装置20Cの全体的な高さ方向寸法が低くなる。また、慣性質量が小さくなるので、粗動ステージ28(すなわち基板P)の位置制御性が向上する。また、粗動ステージ28を駆動するためのリニアモータも小型化できる。
《第1の実施形態の変形例(その3)》
図9には、上記第1の実施形態の変形例(その3)に係る基板ステージ装置20Dが示されている。基板ステージ装置20Dは、上記基板ステージ装置20C(図7及び図8参照)に比べて、第1ステップガイド70Bの構成が異なる。以下、相違点についてのみ説明する。
第1ステップガイド70Bは、X軸方向に延びる中空の直方体状(箱形)の部材から成るガイド本体74と、ガイド本体74内に収容された複数のZアクチュエータ75とを含む。ガイド本体74は、例えば厚みが薄くされることにより、上面部の剛性が下面部に比べて低く設定されている。複数のZアクチュエータ75は、X軸方向に所定間隔で配列されており、ガイド本体74の上面部を+Z側に押圧する。なお、Zアクチュエータ75の種類は特に限定されないが、上面部の駆動量が微少であることから、例えばエアシリンダ、ピエゾ素子などを用いることができる。
基板ステージ装置20Dでは、図10に模式的に示されるように、複数のZアクチュエータ75(図10では不図示。図9参照)により、微動ステージ30がZ軸方向に駆動される。ここで、ガイド本体74の上面部は、複数のZアクチュエータ75に押圧されることにより変形し、水平面に対して傾斜するが、微動ステージ30がレベリング装置78を介して支持されているため、微動ステージ30のZ・チルト制御には支障がない。また、図10は、理解を容易にするためにガイド本体74の上面部の変形(撓み)が実際よりも誇張して示されている。基板ステージ装置20Dも、上記基板ステージ装置20Cと同様の効果を得ることができる。
《第1の実施形態の変形例(その4)》
図11には、上記第1の実施形態の変形例(その4)に係る基板ステージ装置20Eが示されている。基板ステージ装置20Eは、上記基板ステージ装置20D(図9参照)に比べて、第1ステップガイド70Cの構成が異なる。以下、相違点についてのみ説明する。
上記基板ステージ装置20Dの第1ステップガイド70B(図9参照)は、X軸方向に配列された複数のZアクチュエータ75を用いて微動ステージ30をZ軸方向に駆動したのに対し、図11に示されるように、第1ステップガイド70Cは、一対のカム装置76が微動ステージ30をZ軸方向に駆動する点が異なる。
一対のカム装置76は、一方が第1ステップガイド70Cの+X側の端部近傍、他方が第1ステップガイド70Cの−X側の端部近傍において、それぞれ下板部71aと上板部71bとの間に挿入されている。カム装置76は、下板部71aに固定されたベース板76a上にXリニアガイド装置76bを介してX軸方向に移動可能に搭載された下部くさび76cと、上板部71bに固定され、下部くさび76cに対向して配置された上部くさび76dと、下部くさび76cをX軸方向に駆動するアクチュエータ76eと、を含む。基板ステージ装置20Eも、上記基板ステージ装置20Dと同様の効果を得ることができる。
《第1の実施形態の変形例(その5)》
図12には、上記第1の実施形態の変形例(その5)に係る基板ステージ装置20Fが示されている。基板ステージ装置20Fは、上記基板ステージ装置20C(図7及び図8参照)に比べて、レベリング装置78(図7及び図8参照)、及び複数のZボイスコイルモータ36z(図7参照)を有していない点、並びに第1ステップガイド70Dの構成が異なる。以下、相違点についてのみ説明する。
第1ステップガイド70Dは、上記第1ステップガイド70A(図7及び図8参照)と同様に下板部71aと上板部71bとの間に空気ばね72が挿入され、複数のZボイスコイルモータ73により上板部71bが駆動される。なお、第1ステップガイド70Dは、上記第1ステップガイド70Aのようなガイド板71c(図8参照)を有していない。また、複数のZボイスコイルモータ73は、例えば第1ステップガイド70Dの+X側(あるいは−X側)の端部近傍にY軸方向に所定間隔で、例えば2つ配置されている(図12では紙面奥行き方向に重なっている)。すなわち、複数のZボイスコイルモータ73は、同一直線上にない3箇所に配置されている。
微動ステージ30の下面の中央部には、軸受け面が−Z側を向いたエアベアリング79が取り付けられている。微動ステージ30は、エアベアリング79から第1ステップガイド70Dの上面に対して噴出される加圧気体(例えば空気)の静圧により、第1ステップガイド70D上に所定のクリアランスを介して(非接触状態で)浮上している。
基板ステージ装置20Fでは、複数のZボイスコイルモータ73が上板部71bをZ軸方向、及び/又は水平面に対して傾動する方向(θx、及びθy方向)に適宜駆動することにより、微動ステージ30のZ・チルト制御が行われる。基板ステージ装置20Fによれば、上記基板ステージ装置20C(図7及び図8参照)に比べて、さらに構成が簡単である。なお、上記基板ステージ装置20D(図9参照)と同様に、複数のZアクチュエータ75(ただしY軸方向にも所定間隔で複数配置する)を用いて上板部71bを傾動させても良いし、上記基板ステージ装置20E(図11参照)と同様に。複数のカム装置76(ただし同一直線上にない3箇所に配置する)を用いて上板部71bを傾動させても良い。
《第2の実施形態》
次に第2の実施形態について図13〜図17を用いて説明する。第2の実施形態に係る液晶露光装置の構成は、基板ステージ装置20Gの構成を除き、上記第1の実施形態と同じであるので、上記第1の実施形態と同様の構成、及び機能を有する要素に関しては、同一の符号を付してその詳細な説明を適宜省略する。
図4(B)に示されるように、上記第1の実施形態の基板ステージ装置20Aでは、第1ステップガイド50が基板ステージ架台18c上に機械的なリニアガイド装置(Yリニアガイド19a、Yスライド部材19b)を介して搭載されたのに対し、図13に示されるように、本第2の実施形態の基板ステージ装置20Gは、第1ステップガイド55が、一対のベースフレーム80上に搭載されている点が異なる。また、上記第1の実施形態では、図2に示されるように、基板ステージ架台18cが、例えば2つ設けられたのに対し、本第2の実施形態の基板ステージ架台18fは、図13に示されるように、ひとつの板状の部材から成る。したがって、基板ステージ装置20Gは、Xビーム24の長手方向中央部を支持するベースフレーム22(図2参照)を有さない。
一対のベースフレーム80は、一方が基板ステージ架台18fの+X側であって基板ステージ架台18fとベースフレーム22との間に、他方が基板ステージ架台18fの−X側であって基板ステージ架台18fとベースフレーム22との間に、それぞれ基板ステージ架台18f、及びベースフレーム22に対して所定のクリアランスを介して配置されている。なお、図14及び図16は、図面の錯綜を避ける観点からベースフレーム22の図示が(図16ではXビーム24の図示も)省略されている。
ベースフレーム80は、Y軸方向に延びるXZ平面に平行な板状の部材から成り(図15参照)、支持板81及び防振装置82を介して床11上に設置されている。第1ステップガイド55は、ベースフレーム80に固定されたYリニアガイド84と、第1ステップガイド55の下面に固定されたYスライド部材19bとから成るYリニアガイド装置を介して一対のベースフレーム80上に搭載されており、Y軸方向に所定のストロークで移動可能となっている。したがって、第1ステップガイド55は、装置本体18、及び一対のベースフレーム22に対して振動的に分離されている。第1ステップガイド55は、図15に示されるように、上記第1の実施形態と同様に、一対のXビーム24に対して複数のフレクシャ装置52を介して機械的に連結されており、一対のXビーム24と一体的にY軸方向に移動する。なお、第1ステップガイド55は、自重による撓みを抑制するために上記第1の実施形態と比べて幾分厚さ方向寸法が大きく設定されている。
第2ステップガイド54は、図14に示されるように、上記第1の実施形態と同様、基板ステージ架台18fに固定されたYリニアガイド19aと、第2ステップガイド54の下面に固定されたYスライド部材19cとから成るYリニアガイド装置を介して基板ステージ架台18f上に搭載されており、Y軸方向に所定のストロークで移動可能になっている。また、一対の第2ステップガイド54は、図15に示されるように、長手方向の両端部が連結部材54bにより一体的に連結されている。一対の第2ステップガイド54は、上記第1の実施形態と同様、一対のXビーム24に対して複数のフレクシャ装置58(図13及び図14では不図示)を介して機械的に連結されており、一対のXビーム24と一体的にY軸方向に移動する。
本第2の実施形態も、図16及び図17に示されるように、上記第1の実施形態と同様、微動ステージ30に取り付けられた複数のZセンサ38zにより、第2ステップガイド54を用いて微動ステージ30のZ・チルト位置情報が求められる。
本第2の実施形態の基板ステージ装置20Gによれば、重量キャンセル装置40を支持する第1ステップガイド55がベースフレーム80により支持されるので、上記第1の実施形態に比べて基板ステージ架台18fの重力方向の剛性が要求されない。したがって、基板ステージ架台18fの薄型化、軽量化が可能となる。
また、微動ステージ30(及び重量キャンセル装置40)の位置に応じて基板ステージ架台18fには、偏荷重が作用するが、本第2の実施形態では、基板ステージ架台18f上に搭載されている部材が一対の第2ステップガイド54のみなので、上記第1の実施形態に比べ、上記偏荷重の影響が少ない。なお、微動ステージ30のZ・チルト位置情報は、第2ステップガイド54を用いず、上記第1の実施形態と同様にターゲット用ステージ60(図4(A)参照)を用いて求めても良い。
なお、上記第2の実施形態に係る基板ステージ装置20Gの構成は、適宜変形が可能である。以下、上記第2の実施形態に係る基板ステージ装置20Gの変形例について説明する。なお、以下説明する第2の実施形態の変形例において、上記第2の実施形態と同様の構成、及び機能を有する要素に関しては、同一の符号を付してその詳細な説明を適宜省略する。
《第2の実施形態の変形例(その1)》
図18及び図19には、上記第2の実施形態の変形例(その1)に係る基板ステージ装置20Hが示されている。微動ステージ30のZ・チルト位置情報は、上記第2の実施形態では、図17に示されるように、複数のZセンサ38zにより、第2ステップガイド54を用いて求められたのに対し、図18及び図19に示される基板ステージ装置20Hでは、複数のZセンサ38zにより、基板ステージ架台18gの上面を用いて求められる点が異なる。
基板ステージ装置20Hでは、Zセンサ38zとして、例えば三角測量方式の反射型レーザ変位センサが用いられており、基板ステージ架台18gの上面には、微動ステージ30のXY平面内の移動領域をカバーできる程度の面積を有する、例えば白色セラミックスにより形成された板状の部材から成るターゲット69が取り付けられている。なお、Zセンサ38zとして、例えば垂直反射方式の反射型レーザ変位センサが用いられる場合には、基板ステージ架台18gの上面を鏡面加工する(あるいは基板ステージ架台18gの上面にミラーを取り付ける)と良い。
基板ステージ装置20Hによれば、基板ステージ架台18g上に第1ステップガイド55をY軸方向に案内するためのYリニアガイドが設けられていないので、基板ステージ架台18gの上面をターゲットとして直接的に用いることができる。このように、基板ステージ装置20Hでは、図13などに示される上記第2の実施形態の基板ステージ装置20Gに比べて、第2ステップガイド54が設けられておらず、したがって、上記基板ステージ装置20Gに比べて基板ステージ架台18gをより薄型化、軽量化できる。また、第2ステップガイド54を有しないため、基板ステージ架台18gに偏荷重が作用することもない。
《第2の実施形態の変形例(その2)》
図20には、上記第2の実施形態の変形例(その2)に係る基板ステージ装置20Iが示されている。基板ステージ装置20Iは、上記第2の実施形態に係る基板ステージ装置20G(図13〜図17参照)と、上記第1の実施形態の変形例(その2)に係る基板ステージ装置20C(図7及び図8参照)とを組み合わせたような構成を有している。
すなわち、図20に示されるように、基板ステージ装置20Iは、上記基板ステージ装置20Cと同様に、第1ステップガイド70AがZアクチュエータ、及び重量キャンセル装置としての機能を有している。また、第1ステップガイド70Aは、上記基板ステージ装置20Gと同様に、一対のベースフレーム80上に搭載されており、基板ステージ架台18f、及びXビーム24に対して振動的に分離されている。基板ステージ装置20Iによれば、上記第2の実施形態の効果と併せて上記第1の実施形態の変形例(その2)の効果を得ることができる。すなわち、基板ステージ装置20Iでは、基板ステージ架台18fの軽量化を図ることができると共に、粗動ステージ28(すなわち基板P)の位置制御性が向上する。
《第2の実施形態の変形例(その3)》
図21及び図22には、上記第2の実施形態の変形例(その3)に係る基板ステージ装置20Jが示されている。上記第1の実施形態に係る基板ステージ装置20A(図1など参照)、及び上記第2の実施形態に係る基板ステージ装置20G(図13など参照)では、一対のXビーム24と粗動ステージ28とにより、いわゆるガントリ式の2軸ステージ装置が構成されたのに対し、基板ステージ装置20Jでは、重量キャンセル装置40を支持する第1ステップガイド57と粗動ステージ28とにより、いわゆるガントリ式の2軸ステージ装置が構成される点が異なる。
第1ステップガイド57は、X軸方向に延びるYZ断面矩形の板状部材から成り、上記第2の実施形態に係る基板ステージ装置20G(図13など参照)と同様に、長手方向の両端部それぞれが床11上に設置されたベースフレーム80に下方から支持され、装置本体18に対して振動的に分離されている。第1ステップガイド57は、図21及び図22では不図示であるが、例えばリニアモータ(あるいは送りねじ装置)などのアクチュエータにより、Y軸方向に所定のストロークで駆動される。第1ステップガイド57は、粗動ステージ28を安定して支持することができるように、上記第2の実施形態の基板ステージ装置20G(図14参照)が有する第1ステップガイド50に比べ広幅に形成(Y軸方向の寸法が大きく設定)されている。
粗動ステージ28の下面には、第1ステップガイド57の上面に軸受け面が対向して配置された複数(例えば4つ)のエアベアリング53が取り付けられている。また、粗動ステージ28の下面には、図22に示されるように、一対の取付板29が取り付けられ、上記第1ステップガイド57は、一対の取付板29間に挿入されている。一対の取付板29の第1ステップガイド57の側面に対向する面それぞれには、複数(例えば2つ)のエアベアリング53が取り付けられている。これにより、粗動ステージ28は、第1ステップガイド57に沿って低摩擦でX軸方向に所定のストロークで移動可能とされると共に、第1ステップガイド57に対するY軸方向の相対移動が制限される。粗動ステージ28は、第1ステップガイド57に固定されたX固定子(不図示)と、粗動ステージ28に固定されたX可動子(不図示)とから成るXリニアモータにより、第1ステップガイド57上でX軸方向に所定のストロークで駆動される。
微動ステージ30のZ・チルト位置情報は、上記基板ステージ装置20B(図5〜図6(B)参照)と同様に、複数のZセンサ38zにより一対の第2ステップガイド54の上面を用いて求められる。一対の第2ステップガイド54は、第1ステップガイド57に不図示のフレクシャ装置を介して連結されており、第1ステップガイド57に牽引されることにより、Y軸方向に第1ステップガイド57と一体的に移動する。なお、第1ステップガイド57が上記第2の実施形態の基板ステージ装置20G(図14参照)が有する第1ステップガイド50に比べ広幅であることから、一対の第2ステップガイド54の間隔も基板ステージ装置20Gよりも広くなっている。
基板ステージ装置20Jによれば、上記第2の実施形態に係る基板ステージ装置20G(図13など参照)に比べ、一対のXビーム24(図13〜図17参照)を有さない分、構成が簡単である。また、第1ステップガイド57が装置本体18に対して振動的に分離されているので、粗動ステージ28を駆動する際の反力が装置本体18に作用しない。なお、微動ステージ30のZ・チルト位置情報を求める際に用いられるターゲットは、重量キャンセル装置40に取り付けられても良い。
《第2の実施形態の変形例(その4)》
図23及び図24には、上記第2の実施形態の変形例(その4)に係る基板ステージ装置20Kが示されている。基板ステージ装置20Kは、上記第2の実施形態の変形例(その3)に係る基板ステージ装置20J(図21及び図22参照)と、上記第1の実施形態の変形例(その2)に係る基板ステージ装置20C(図7及び図8参照)とを組み合わせたような構成を有している。
すなわち、図23に示されるように、基板ステージ装置20Kの第1ステップガイド70Eは、本体部77を構成する下板部77aと上板部77bとの間に、例えば2つのZボイスコイルモータ73、及び空気ばね72が挿入され、上記基板ステージ装置20Cの第1ステップガイド70A(図7参照)と同様にZアクチュエータ、及び重量キャンセル装置としても機能する。図24に示されるように、第1ステップガイド70Eの下板部77a、及び上板部77bは、それぞれ上記基板ステージ装置20Cの第1ステップガイド70A(図8参照)に比べて幾分広幅に形成されている。
また、粗動ステージ28の下面には、上板部77bの上面に軸受け面が対向して配置された複数(例えば4つ)のエアベアリング53が取り付けられている。また、粗動ステージ28の下面には、図24に示されるように、一対の取付板29が取り付けられ、上記第1ステップガイド70Eは、一対の取付板29間に挿入されている。一対の取付板29の上板部77bの側面に対向する面それぞれには、複数(例えば2つ)のエアベアリング53が取り付けられている。これにより、粗動ステージ28は、第1ステップガイド70Eに沿って低摩擦でX軸方向に所定のストロークで移動可能とされると共に、第1ステップガイド70Eに対するY軸方向の相対移動が制限される。粗動ステージ28は、上板部77bの上面に固定されたX固定子88aと、粗動ステージ28の下面に固定されたX可動子88bとから成るXリニアモータにより、第1ステップガイド70Eに沿ってX軸方向に所定のストロークで駆動される。なお、図24には不図示であるが、上板部77bは下板部77aに対してX軸方向及びY軸方向の移動が制限されている。また、前記一対の取付板29に取付けられたエアベアリング53は下板部77aの側面に対向するように構成しても良い。
また、粗動ステージ28の上面中央部には、軸受け面が+Z側を向いたエアベアリング48が取り付けられており、レベリング装置46を下方から非接触支持している。微動ステージ30のZ・チルト位置情報は、上記基板ステージ装置20B(図5〜図6(B))参照と同様に、複数のZセンサ38zにより第2ステップガイド54の上面を用いて求められる。第1ステップガイド70Eでは、空気ばね72により粗動ステージ28、及び微動ステージ30を含む系の重量がキャンセルされることにより、粗動ステージ28、及び微動ステージ30をZ軸方向に駆動するためのZボイスコイルモータ73への負荷が低減される。なお、第1ステップガイド70Eは、Zボイスコイルモータ73により粗動ステージ28、及び微動ステージ30をZ軸方向に駆動したが、これに替えて、図9に示される第1ステップガイド70Bのように複数のZアクチュエータ75を用いても良いし、あるいは図11に示される第1ステップガイド70Cのように一対のカム装置76を用いても良い。
また、以上説明した第1及び第2の実施形態(その変形例も含む。以下同じ)の構成は、適宜変更が可能である。例えば、上記第1及び第2の実施形態において、第1ステップガイド50、及び一対の第2ステップガイド54それぞれは、一対のXビーム24に牽引されることによりY軸方向に移動する構成であったが、例えばリニアモータなどのアクチュエータにより一対のXビーム24と独立にX位置が制御されても良い。
また、照明光は、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。また、照明光としては、例えばDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。また、固体レーザ(波長:355nm、266nm)などを使用しても良い。
また、投影光学系16は、複数本の投影光学ユニットを備えたマルチレンズ方式の投影光学系であったが、投影光学ユニットの本数はこれに限らず、1本以上あれば良い。また、マルチレンズ方式の投影光学系に限らず、例えばオフナー型の大型ミラーを用いた投影光学系などであっても良い。また、上記実施形態では投影光学系PLとして、投影倍率が等倍のものを用いる場合について説明したが、これに限らず、投影光学系は縮小系及び拡大系のいずれでも良い。
なお、光透過性のマスク基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクが用いられたが、例えば米国特許第6,778,257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて、透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスク(可変成形マスク)、例えば、非発光型画像表示素子(空間光変調器とも呼ばれる)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)を用いる可変成形マスクを用いても良い。
また、物体を所定の二次元平面に沿って移動させる移動体装置(ステージ装置)としては、露光装置に限らず、例えば物体の検査に用いられる物体検査装置など、物体に関して所定の処理を行う物体処置装置に用いても良い。また、露光装置としては、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置、ステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用することができる。
なお、露光装置としては、サイズ(外径、対角線の長さ、一辺の少なくとも1つを含む)が500mm以上の基板、例えば液晶表示素子などのフラットパネルディスプレイ用の大型基板を露光する露光装置に対して適用することが特に有効である。
また、露光装置の用途としては、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば半導体製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるマスク又はレチクルを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。なお、露光対象となる物体はガラスプレートに限られるものでなく、例えばウエハ、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。また、露光対象物がフラットパネルディスプレイ用の基板である場合、その基板の厚さは特に限定されず、例えばフィルム状(可撓性を有するシート状の部材)のものも含まれる。
液晶表示素子(あるいは半導体素子)などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたマスク(あるいはレチクル)を製作するステップ、ガラス基板(あるいはウエハ)を製作するステップ、上述した各実施形態の露光装置、及びその露光方法によりマスク(レチクル)のパターンをガラス基板に転写するリソグラフィステップ、露光されたガラス基板を現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ガラス基板上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。