以下、一実施形態について、図1〜図7に基づいて説明する。
図1には、一実施形態に係る液晶露光装置10の構成が概略的に示されている。液晶露光装置10は、例えば液晶表示装置(フラットパネルディスプレイ)などに用いられる矩形(角型)のガラス基板P(以下、単に基板Pと称する)を露光対象物とするステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。
液晶露光装置10は、照明系12、回路パターンなどが形成されたマスクMを保持するマスクステージ14、投影光学系16、装置本体18、表面(図1で+Z側を向いた面)にレジスト(感応剤)が塗布された基板Pを保持する基板ステージ装置20、及びこれらの制御系等を有している。以下、露光時にマスクMと基板Pとが投影光学系16に対してそれぞれ相対走査される方向をX軸方向とし、水平面内でX軸に直交する方向をY軸方向、X軸及びY軸に直交する方向をZ軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
照明系12は、例えば米国特許第5,729,331号明細書などに開示される照明系と同様に構成されている。照明系12は、露光用の照明光ILをマスクMに照射する。照明光ILとしては、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)などの光(あるいは、上記i線、g線、h線の合成光)が用いられる。
マスクステージ14は、例えば真空吸着によりマスクMを保持している。マスクステージ14は、例えばリニアモータを含むマスクステージ駆動系(不図示)により走査方向(X軸方向)に所定の長ストロークで駆動されるとともに、Y軸方向、及びθz方向に適宜微少駆動される。マスクステージ14のXY平面内の位置情報(θz方向の回転量情報を含む)は、不図示のレーザ干渉計を含むマスク干渉計システムにより求められる。
投影光学系16は、マスクステージ14の下方に配置され、装置本体18の一部である上架台部18aに支持されている。投影光学系16は、例えば米国特許第6,552,775号明細書に開示された投影光学系と同様に構成されている。すなわち、投影光学系16は、マスクMのパターン像の投影領域が千鳥状に配置された複数の投影光学系(マルチレンズ投影光学系)を含み、Y軸方向を長手方向とする長方形状の単一のイメージフィールドを持つ投影光学系と同等に機能する。本実施形態では、複数の投影光学系それぞれとしては、例えば両側テレセントリックな等倍系で正立正像を形成するものが用いられている。
このため、照明系12からの照明光ILによってマスクM上の照明領域が照明されると、マスクMを通過した照明光により、投影光学系16を介してその照明領域内のマスクMの回路パターンの投影像(部分正立像)が、基板P上の照明領域に共役な照明光の照射領域(露光領域)に形成される。そして、マスクステージ14と基板ステージ装置20との同期駆動によって、照明領域(照明光IL)に対してマスクMを走査方向に相対移動させるとともに、露光領域(照明光IL)に対して基板Pを走査方向に相対移動させることで、基板P上の1つのショット領域の走査露光が行われ、そのショット領域にマスクMに形成されたパターンが転写される。
装置本体18は、上記マスクステージ14、及び投影光学系16を支持しており、複数の防振装置18dを介してクリーンルームの床11上に設置されている。装置本体18は、例えば米国特許出願公開第2008/0030702号明細書の開示される装置本体と同様に構成されており、上架台部18a、一対の下架台部18b(図1では一方のみ図示。図2参照)、及び一対の中架台部18cを有している。
図2に示されるように、一対の下架台部18bは、それぞれY軸方向に延びる部材から成り、X軸方向に離間して配置されている。−X側の下架台部18bの−X側の端部からは、凸部18eが突き出して形成されている。下架台部18bの上面には、Y軸方向に延びるYリニアガイド19aがX軸方向に所定間隔で、例えば3本固定されている。
基板ステージ装置20は、図3に示されるように、一対のベースフレーム22、補助ガイドフレーム24、Y粗動ステージ26、X粗動ステージ30、微動ステージ34、重量キャンセル装置50、Yステップガイド56、及び複数のケーブルガイド装置60(図3では不図示。図5参照)を有している。
図2に示されるように、一方のベースフレーム22は、+X側の下架台部18bの+X側に、他方のベースフレーム22は、−X側の下架台部18bの−X側に、補助ガイドフレーム24は、一対の下架台部18bの間にそれぞれ配置されている。ベースフレーム22は、図1に示されるように、Y軸方向に延びるYZ平面に平行な板状の部材から成る本体部22aと、本体部22aを下方から支持する複数の脚部22bとを有する。また、補助ガイドフレーム24は、図5に示されるように、Y軸方向に延びるYZ平面に平行な板状の部材から成る本体部24aと、本体部24aを下方から支持する複数の脚部24bとを有する。脚部22b、24bは、それぞれ例えば3つ設けられており、本体部22a、24aの長手方向両端部近傍、及び中央部を下方から支持している(複数の脚部22b、24bは、図2では不図示)。
ここで、図3に示されるように、ベースフレーム22の本体部22aのZ位置は、下架台部18bの上面よりも+Z側(高い位置)であるのに対し、補助ガイドフレーム24の本体部24aの上端部のZ位置は、下架台部18bの上面よりも−Z側(低い位置)である。なお、補助ガイドフレーム24の長さは、ベースフレーム22よりも幾分短くても良い。
一対のベースフレーム22、及び補助ガイドフレーム24それぞれの本体部22a、24a+Z側の端部には、図2に示されるように、Y軸方向に延びるYリニアガイド21aが固定されている。また、ベースフレーム22の本体部22a両側面それぞれには、複数の永久磁石を含むY固定子23aが固定されている。なお、上述した一対の下架台部18bは、機械的に連結されていても良い。この場合、一対の下架台部18bを連結する連結部材と補助ガイドフレーム24とが接触しないように、例えば補助ガイドフレーム24の本体部24aに孔部などを形成しても良い。
Y粗動ステージ26は、一対のXビーム28を有している。一対のXビーム28は、それぞれX軸方向に延びるYZ断面矩形の部材から成り(図1参照)、Y軸方向に所定間隔で互いに平行に配置されている。一対のXビーム28それぞれは、長手方向の両端部近傍がベースフレーム22に下方から支持され、中央部が補助ガイドフレーム24に下方から支持されている。Xビーム28の長手方向の両端部近傍それぞれの下面には、Yキャリッジ25と称される部材が固定されている。Yキャリッジ25は、XZ断面逆U字状の部材から成り(図3参照)、一対の対向面間に対応するベースフレーム22の本体部22aが挿入されている。
一方(+X側)のベースフレーム22に対応する2つのYキャリッジ25は、接続板27により接続されている。また、他方(−X側)のベースフレーム22に対応する2つのYキャリッジ25も同様に、接続板27により接続されている。また、図5に示されるように、一対のXビーム28(図5では一方は他方の紙面奥側に隠れている)の長手方向の中央部における下面には、嵩上げ部材29aを介して補助キャリッジ29と称される板状の部材が架設されている。
Yキャリッジ25の天井面には、図4に示されるように、例えばボールなどの転動体を複数含み、対応するYリニアガイド21aにスライド自在に係合するYスライド部材21bが複数固定されている。また、図5に示されるように、補助キャリッジ29の下面にも、対応するYリニアガイド21aにスライド自在に係合するYスライド部材21bが複数固定されている。Yリニアガイド21aとYスライド部材21bとは、例えば米国特許第6,761,482号明細書に開示されるようなリニアガイド装置を構成しており、Y粗動ステージ26は、図2に示される一対のベースフレーム22、及び補助ガイドフレーム24上でY軸方向に直進案内される。
また、図4に示されるように、Yキャリッジ25の一対の対向面それぞれには、コイルユニットを含むY可動子23bが上記Y固定子23aに対向して固定されている。Y粗動ステージ26は、上記Y固定子23aとY可動子23bとを含む複数(本実施形態では、例えば計8つ)のYリニアモータにより、図2に示される一対のベースフレーム22、及び補助ガイドフレーム24上でY軸方向に同期駆動される。Y粗動ステージ26のY位置は、例えばベースフレーム22に固定されたXリニアスケール(不図示)とYキャリッジ25に固定されたヘッド(不図示)とを含むYリニアエンコーダシステムにより求められる位置情報に基づいて主制御装置により適宜制御される。
Xビーム28の上面には、図2に示されるように、X軸方向に延びるXリニアガイド31aが固定されている。また、Xビーム28の両側面それぞれには、複数の永久磁石を含むX固定子33aが固定されている。すなわち、Xビーム28は、構造的にベースフレーム22の本体部22aとほぼ同じ(ただし寸法などは異なる)となっている。
X粗動ステージ30は、一対のXビーム28上に搭載され、該一対のXビーム28に対応する一対のXキャリッジ32を有している。Xキャリッジ32は、X軸方向に延びるXY平面に平行な板状部材から成る天井面部32aと、XZ平面に平行な板状部材から成る一対の側板面部32bとを有する。側板面部32bのX軸方向寸法は、天井面部32aよりも短く設定されている。Xキャリッジ32は、一方の側板面部32bの上端部近傍が天井面部32aの+Y側の側面中央部に、他方の側板面部32bの上端部近傍が天井面部32aの−Y側の側面中央部にそれぞれ接続されることにより、YZ断面逆U字状に形成されている(図5参照)。一対の側板面部32b間には、対応するXビーム28が挿入されている。
Xキャリッジ32の天井面部32aの下面には、図4に示されるように、例えばボールなどの転動体を複数含み、上記Xリニアガイド31aにスライド自在に係合するXスライド部材31bが固定されている。Xリニアガイド31aとXスライド部材31bとは、例えば米国特許第6,761,482号明細書に開示されるようなリニアガイド装置(以下、Xリニアガイド装置31と称する)を構成し、Xキャリッジ32は、対応するXビーム28に沿ってX軸方向に直進案内される。また、Xキャリッジ32の一対の側板面部32b(図4では一方のみ図示。他方は後述するL字状部材35の紙面奥側に隠れている)それぞれには、コイルユニットを含むX可動子33bが対応するXビーム28のX固定子33aに対向して固定されている。一対のXキャリッジ32は、上記X固定子33aとX可動子33bとを含む複数(本実施形態では、例えば4つ)のXリニアモータにより、対応するXビーム28に沿ってX軸方向に同期駆動される。
図2に戻り、−Y側のXキャリッジ32における天井面部32aの+Y側の側面であって、側板面部32bの+X側、及び−X側それぞれには、YZ断面L字状(図4参照)のL字状部材35の一端が固定されている。L字状部材35の他端は、+Y側に突き出している。また、−Y側のXキャリッジ32にも同様に、例えば2つのL字状部材35が固定されている。−Y側のXキャリッジ32の+X側のL字状部材35と+Y側のXキャリッジ32の+X側のL字状部材35との間には、連結板36が架設されている。また、−Y側のXキャリッジ32の−X側のL字状部材35と+Y側のXキャリッジ32の−X側のL字状部材35との間にも同様に、連結板36が架設されている。これにより、一対のXキャリッジ32は、一体的に接続されており、一対のXビーム28上で一体的にX軸方向に移動する。なお、一対のXキャリッジ32は、連結されていなくても良く、それぞれ独立にX位置が制御されても良い(実際には同期するように制御される)。また、X粗動ステージ30は、Xリニアガイド31aとXスライド部材31bとの作用により、一対のXビーム28に対するY軸方向への相対移動が制限されており、一対のXビーム28と一体的にY軸方向へ移動する。すなわち、Y粗動ステージ26とX粗動ステージ30とは、いわゆるガントリ式の2軸ステージ装置を構成している。
微動ステージ34は、図4に示されるように、高さの低い直方体状の部材から成り、X粗動ステージ30の上方に配置されている。微動ステージ34の上面には、基板ホルダ48が固定されている。基板ホルダ48は、XY平面に平行な平面視矩形の板状部材から成り、その上面上に載置された基板Pを真空吸着により吸着保持する。図7に示されるように(ただし基板ホルダ48は不図示)、微動ステージ34の−Y側の側面には、ミラーベース37を介してY軸に直交する反射面を有するYバーミラー38yが固定され、微動ステージ34の−X側の側面には、ミラーベース37を介してX軸に直交する反射面を有するXバーミラー38xが固定されている。
微動ステージ34は、複数のボイスコイルモータを含む微動ステージ駆動系により、X粗動ステージ30に対して6自由度方向(X軸、Y軸、Z軸、θx、θy、及びθz方向)に微少駆動される。複数のボイスコイルモータには、図2に示されるように、微動ステージ34をX軸方向に微少駆動する複数(例えば2つ)のXボイスコイルモータ40x、微動ステージ34をY軸方向に微少駆動する複数(例えば2つ)のYボイスコイルモータ40y、及び微動ステージ34をZ軸方向に駆動する複数(例えば4つ)のZボイスコイルモータ40zが含まれる。
例えば2つのXボイスコイルモータ40xは、図4に示されるように、一方が微動ステージ34の+Y側の角部近傍に、他方が微動ステージ34の−Y側の角部近傍にそれぞれ紙面左右対称に配置されている。Xボイスコイルモータ40xは、Xキャリッジ32にブラケット41xを介して固定されたX固定子42xと、微動ステージ34の側面にブラケット43xを介して固定されたX可動子44xとを含む。X固定子42xは、YZ断面T字状の部材から成り、不図示のコイルユニットを有している。X可動子44xは、YZ断面U字状の部材から成り、一対の対向面に永久磁石を含む磁石ユニットが固定されている。X固定子42xは、X可動子44xの一対の対向面間に所定(微動ステージ34がY軸、及び/又はZ軸方向に微少駆動されてもX固定子42xとX可動子44xとが接触しない程度)のクリアランスを介して挿入されている。
微動ステージ駆動系では、例えば2つのXボイスコイルモータ40xそれぞれのX固定子42xが有するコイルユニットに電流が供給されると、コイルユニットと磁石ユニットとの電磁的相互作用により発生するローレンツ力(推力)により、微動ステージ34がX粗動ステージ30に対してX軸方向に微少駆動される。例えば2つのXボイスコイルモータ40xのZ位置(X固定子42xのZ位置)は、微動ステージ34の重心位置(実際には、微動ステージ34は、X粗動ステージ30に対してZ軸方向に微少駆動されるので、微動ステージ34がZ軸方向の中立位置に位置した状態での重心位置)のZ位置とほぼ一致している。したがって、例えば2つのXボイスコイルモータ40xを用いて微動ステージ34をX軸方向に微少駆動する際に該微動ステージ34にθy方向のモーメントが作用しない。また、微動ステージ駆動系では、例えば2つのXボイスコイルモータ40xそれぞれが、異なるローレンツ力を発生するように電流値が制御されることにより、微動ステージ34がX粗動ステージ30に対して、微動ステージ34の重心を通るZ軸方向に平行な軸回り方向(θz方向)に微少角度で回転駆動される。
また、基板ステージ装置20では、X粗動ステージ30が一対のXビーム28に沿ってX軸方向に所定のストロークで移動する際、微動ステージ34とX粗動ステージ30とが一対的にX軸方向に移動するように、例えば2つのXボイスコイルモータ40xそれぞれのX固定子42xとX可動子44xとの間に発生するローレンツ力が制御される。これにより、微動ステージ34が非接触状態でX粗動ステージ30に誘導され、X粗動ステージ30と一対的にX軸方向に所定のストロークで移動する。
例えば2つのYボイスコイルモータ40y(図4では紙面奥行き方向に重なっている)は、配置(Z軸回りに90°回転させたように配置され、Y固定子42yがそれぞれ+Y側のXキャリッジ32に固定されている(図2参照))、及び推力の発生方向(Y軸方向)が異なる点を除き、上記例えば2つのXボイスコイルモータ40xと同様の構成(Xキャリッジ32にブラケット41yを介して固定されたY固定子42yと、微動ステージ34にブラケット43yを介して固定されたY可動子44yとを含む)となっており、基板ステージ装置20では、例えば2つのYボイスコイルモータ40yが発生するローレンツ力により、微動ステージ34がX粗動ステージ30に対してY軸方向(あるいはθz方向)に微少駆動されるとともに、X粗動ステージ30がY粗動ステージ26と一体的にY軸方向に移動する際に、非接触で微動ステージ34がX粗動ステージ30に誘導される。
例えば4つのZボイスコイルモータ40zは、図2に示されるように、微動ステージ34の四隅に対応して配置されている。Zボイスコイルモータ40zは、図4に示されるように、L字状部材35にブラケット41zを介して固定されたZ固定子42zと、微動ステージ34の下面にスペーサ43zを介して固定されたZ可動子44zとを含む。Z固定子42zは、XY断面T字状の部材から成り、不図示のコイルユニットを有している。Z可動子44zは、XY断面U字状の部材から成り、一対の対向面に永久磁石を含む磁石ユニットが固定されている。Z固定子42zは、Z可動子44zの一対の対向面間に所定(微動ステージ34がX軸、及び/又はY軸方向に微少駆動されてもZ固定子42zとZ可動子44zとが接触しない程度)のクリアランスを介して挿入されている。
微動ステージ駆動系では、例えば4つのZボイスコイルモータ40zそれぞれのZ固定子42zが有するコイルユニットに電流が供給されると、コイルユニットと磁石ユニットとの電磁的相互作用により発生するローレンツ力(推力)により、微動ステージ34がX粗動ステージ30に対してZ軸方向に微少駆動される。また、微動ステージ駆動系では、例えば4つのZボイスコイルモータ40zそれぞれが、異なるローレンツ力を発生するように電流値が制御されることにより、微動ステージ34がX粗動ステージ30に対して、θx方向、及び/又はθy方向に微少角度で回転駆動される。なお、本実施形態では、Zボイスコイルモータ40zは、微動ステージ34の四隅部に対応して、例えば4つ設けられたが、Zボイスコイルモータ40zの数、及び配置は、微動ステージ34をZ軸方向、θx方向、及びθy方向に微少駆動できるようにこれに限られず、例えば少なくとも同一直線上にない3箇所に配置されていれば良い。
微動ステージ34のX位置情報は、図3に示されるように、−X側の下架台部18bに形成された凸部18eの先端部に干渉計コラム18fを介して取り付けられたXレーザ干渉計39xにより、Xバーミラー38xを用いて求められる。また、微動ステージ34のY位置情報は、図1に示されるように、−Y側の中架台部18cに固定されたYレーザ干渉計39yにより、Yバーミラー38yを用いて求められる。Xレーザ干渉計39x、及びYレーザ干渉計39yは、水平面内で複数の測長光を対応するバーミラーに照射するようになっており、微動ステージ34のθz位置情報を求めることができるようになっている。凸部18eには、図2に示されるように、開口部18gが形成されている。上述した他方(−X側)のベースフレーム22の中央部の脚部22b(図2では不図示)は、上記開口部18gに挿入されており、ベースフレーム22と下架台部18b(装置本体18)とは、接触していない。
また、微動ステージ34のZ軸、θx、及びθy方向の位置情報は、図4に示されるように、微動ステージ34の下面に取り付けられた複数のZセンサ39zにより、重量キャンセル装置50にアーム状部材を介して固定されたターゲット38zを用いて求められる。複数のZセンサ39z(及び対応するターゲット38z)は、少なくとも同一直線上にない3箇所に配置されている。
なお、不図示であるが、X粗動ステージ30には、微動ステージ34のX粗動ステージ30に対する移動可能量を機械的に規定するストッパ部材、あるいはX軸、及びY軸方向に関して微動ステージ34のX粗動ステージ30に対する相対移動量を計測するためのギャップセンサ、微動ステージ34をX粗動ステージ30に対して所定の位置に位置決めするためのクランプ装置などが取り付けられている。
重量キャンセル装置50は、レベリング装置54を介して微動ステージ34を下方から支持している。重量キャンセル装置50は、一対のXビーム28間に挿入されている。重量キャンセル装置50は、不図示の空気ばねなどを有し、その空気ばねが発生する重力方向上向き(+Z方向)の力により、微動ステージ34、基板ホルダ48などを含む系の重量を打ち消し、これにより複数のZボイスコイルモータ40zの負荷を低減する。重量キャンセル装置50の下面には、エアベアリング52が取り付けられている。重量キャンセル装置50は、上記エアベアリング52からYステップガイド56に対して噴出される加圧気体(例えば空気)の静圧により、Yステップガイド56上に所定のクリアランスを介して浮上している。
重量キャンセル装置50は、図2に示されるように、複数のフレクシャ装置51を介してX粗動ステージ30に機械的に接続されており、X粗動ステージ30と一体的にX軸方向、及び/又はY軸方向に移動する。フレクシャ装置51を含み、本実施形態の重量キャンセル装置50の構成は、例えば米国特許出願公開第2010/0018950号明細書などに開示されている。図4に戻り、レベリング装置54は、球面軸受け装置(あるいは、例えば米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に開示されるような疑似球面軸受け装置)を含み、微動ステージ34をθx及びθy方向に揺動(チルト)自在に下方から支持している。重量キャンセル装置50は、不図示のエアベアリングを介してレベリング装置54を下方から非接触支持しており、水平面に平行な方向に関して重量キャンセル装置50と微動ステージ34とが相対移動可能となっている。
Yステップガイド56は、図2に示されるように、X軸方向に延びるYZ断面矩形の部材から成り(図4参照)、平面視で一対のXビーム28の間に配置されている。Yステップガイド56は、一対の下架台部18b上に搭載されており、図3に示されるように、その高さ位置は、ベースフレーム22の本体部22aとほぼ同じとなっている。図2に戻り、Yステップガイド56の長手方向の寸法は、微動ステージ34のX軸方向に関する移動ストロークよりも幾分長めに設定されている。Yステップガイド56の上面は、平面度が非常に高く仕上げられており、重量キャンセル装置50が微動ステージ34とともにX軸方向に移動する際のガイド面として機能する。
Yステップガイド56の下面には、下架台部18bの上面に固定されたYリニアガイド19aにスライド自在に係合するYスライド部材19bが複数固定されており、Yステップガイド56は、下架台部18b上でY軸方向に直進案内される。ここで、上述したように、補助ガイドフレーム24の本体部24aが下架台部18bの上面よりも低い位置に位置していることから、図3に示されるように、補助キャリッジ29は、Yステップガイド56の下方を通過し、Yステップガイド56とは接触しないようになっている。
Yステップガイド56の+X及び−Xの端部それぞれには、図2に示されるように、接続部材56aが固定されている。接続部材56aは、複数のフレクシャ装置57を介してYキャリッジ25に接続されている。Yステップガイド56は、一対のXビーム28がY軸方向に移動すると、一方のXビーム28にフレクシャ装置57を介して牽引されることにより、一対のXビーム28と一体的にY軸方向に移動する。上記重量キャンセル装置50は、X粗動ステージ30と一体的にX軸方向に移動する際には、Yステップガイド56上を移動するのに対し、X粗動ステージ30と一体的にY軸方向に移動する際には、一対のXビーム28、及びYステップガイド56と一体的にY軸方向に移動するので、Yステップガイド56上から脱落することがない。
図5及び図6から分かるように、本実施形態では、例えば4つのケーブルガイド装置60のうち、2つはYステップガイド56の+Y側に、他の2つはYステップガイド56の−Y側に、それぞれ+X側のYキャリッジ25と−X側のYキャリッジ25との間に架設された支持部材62上にX軸方向に離間した状態で図6で紙面左右対称に搭載されている。支持部材62の中間部は、スペーサ61を介して補助キャリッジ29に接続されており、例えば4つのケーブルガイド装置60は、Y粗動ステージ26と一体的にY軸方向に移動する。なお、図面の錯綜を避ける観点から、図1〜図4では、ケーブルガイド装置60の図示は省略されている。
ケーブルガイド装置60は、基板ステージ装置20の外部に設けられた外部装置(不図示)とX粗動ステージ30との間における電力、加圧気体など供給に用いられるケーブル、チューブなど)をX粗動ステージ30のX位置に応じて案内する装置であり、例えば米国特許出願公開第2003/0000198号明細書に開示されるケーブルガイド装置と同様に構成されている。すなわち、ケーブルガイド装置60では、電力、加圧気体など供給に用いられるケーブル、チューブなどがY軸方向から見てU字状に折り曲げて配置され、X粗動ステージ30のX位置に応じてその折り曲げ部の位置が変化することにより上記ケーブル、チューブなどが案内される。
上述のようにして構成された液晶露光装置10(図1参照)では、不図示の主制御装置の管理の下、不図示のマスクローダによって、マスクステージ14へのマスクMのロードが行われるとともに、不図示の基板ローダによって基板ホルダ48上への基板Pのロードが行なわれる。その後、主制御装置により、不図示のアライメント検出系を用いてアライメント計測が実行され、そのアライメント計測の終了後、基板P上に設定された複数のショット領域に逐次ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。なお、この露光動作は従来から行われているステップ・アンド・スキャン方式の露光動作と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
以上説明した本実施形態に係る基板ステージ装置20では、一対のXビーム28のY位置が、図7に示されるように、微動ステージ34の外側となっている。また、図4に示されるように、微動ステージ34の下面に固定されたZ可動子44zと共にZボイスコイルモータ40zを構成するZ固定子42zがL字状部材35に固定されることにより、そのZ位置がX粗動ステージ30のZ位置と重複して(本実施形態では、X粗動ステージ30の上面(Xキャリッジ32の上面)よりも下方となって)いる。なお、本実施形態では、Xビーム28の上端面に固定されたXリニアガイド31aに沿ってX粗動ステージ30が移動することから、Zボイスコイルモータ40zの下端部が、Xリニアガイド31aとXスライド部材31b(Xスライド部材31bが有する不図示の複数の転動体(ボールなど))との接触部を通るXY平面に平行な平面(X粗動ステージ30が移動する際のガイド面)よりも下方に位置しているとも言える。
これにより、Z軸方向に関して微動ステージ34とX粗動ステージ30とを接近させて配置することが可能となり、基板ステージ装置20がコンパクトになる。また、Xボイスコイルモータ40xのX固定子42xを支持するためのブラケット41x、及びYボイスコイルモータ40yのY固定子42yを支持するためのブラケット41yそれぞれのZ軸方向に関する寸法を短くすることができ、微動ステージ34をX軸、及び/又はY軸方向に微少駆動する際の駆動反力によってX粗動ステージ30に作用するモーメントを低減できる。したがって、X粗動ステージ30、及びブラケット41x、41y、更にはXビーム28を華奢にして軽量化でき、Xリニアガイド装置31のサイズ(負荷容量)も小さくすることができる。
また、Zボイスコイルモータ40zからXリニアガイド装置31までのY方向距離が短く設定されているため、微動ステージ34をZ・チルト駆動する際にX粗動ステージ30及びXリニアガイド装置31に作用するモーメントも小さい。ここで、各ボイスコイルモータ40x、40y、40zそれぞれとXリニアガイド装置31との距離は等しくする必要はなく、各ボイスコイルモータ40x、40y、40zの駆動反力に応じてモーメントが小さくなるように距離を決めれば良い。一般的にXボイスコイルモータ40x、Yボイスコイルモータ40yの駆動力(推力)に比べてZボイスコイルモータ40zの駆動力は小さいので、Xリニアガイド装置31からZボイスコイルモータ40zまでの距離が、Xリニアガイド装置31からXボイスコイルモータ40x、Yボイスコイルモータ40yまでの距離よりも長くなっても良い。
さらに、一対のXビーム28の中間部を支持する補助ガイドフレーム24の高さ位置が下架台部18bとほぼ同じであるので、一対のXビーム28の内側(実際にはYステップガイド56の両脇)にXケーブルガイド装置60を配置することができる。これにより、仮にXケーブルガイド装置60をXビーム28の外側に配置する場合に比べ、基板ステージ装置20のY軸方向寸法を短くできる。したがって、一対の中架台部18c(図1参照)間の寸法を小さくでき、装置本体18の剛性の確保が容易になる。
また、ベースフレーム22の本体部22aのZ位置が下架台部18bよりも+Z側であることから、下架台部18b(凸部18e)に干渉計コラム18f及びXレーザ干渉計39xを接続することができ、装置本体18の構造が簡単である。
以上説明した実施形態の構成は、適宜変更が可能である。例えば、Xビーム28に替えて、図8(A)に示されるように、XZ断面形状が上底が下底よりも長い等脚台形(逆台形)状のXビーム128を用い、該Xビーム128の両側面(傾斜角:θ)にX固定子33a(磁石ユニット)を取り付けると共に、対応するXキャリッジ132の一対の対向面にY可動子33b(コア付きのコイルユニット)を上記X固定子33aと平行に取り付けても良い。これによれば、Y固定子33aの永久磁石とY可動子33bの鉄心との磁気吸引力F(図8(B)参照)によって、Xキャリッジ132には、上向きの分力F1=F・sinθ(図8(B)参照)が2つ作用する。これにより、Xキャリッジ132の重量の一部あるいは全部を打ち消すことができる。また、水平方向の2つの分力F2は打ち消し合うので、Xリニアガイド装置31にかかる負荷を小さくすることができる。また、上記実施形態において、Xビーム28とベースフレーム22とが同様の構造であることから、ベースフレーム22(図3参照)を上記Xビーム128と同様に断面形状を逆台形状にしても良い。
また、一対のベースフレーム22と1つの補助ガイドフレーム24を互いに平行に配置するのが困難な場合、図9に示されるように、Xビーム128の端部に取り付けられたYキャリッジ25とXビーム128とがX軸方向に短ストロークで相対移動可能となるように、Xリニアガイド131aとXスライド部材131bとを含むXリニアガイド装置131に支持されたテーブル部材133上にXビーム128を固定しても良い。これにより、一対のXビーム128は、補助ガイドフレーム24のYリニアガイド21a(図2参照)に沿って移動するので、一対のベースフレーム22の設置精度(平行誤差)に影響されない。
また、X粗動ステージ30をX軸方向に直進案内するXリニアガイド31aは、Xビーム28の上端面に固定されたが、これに加えてXビーム28の側面にも設けられていても良い。同様にY粗動ステージ26をY軸方向に直進案内するYリニアガイド21aは、ベースフレーム22の上端面に固定されたが、これに加えてベースフレーム22の側面にも設けられていても良い。
また、装置本体18において、図10に示されるように、干渉計コラム18fを支持する凸部18eは、下架台部18bと別部材であっても良く、下架台部18bに対して、例えばボルトなどにより締結されても良い。
また、Y粗動ステージ26上にX粗動ステージ30が設けられる構成であったが、これとは逆にX粗動ステージ30上にY粗動ステージ26が設けられる構成であっても良い。また、重量キャンセル装置50を支持するガイド部材は、Y軸方向に延び、且つ重量キャンセル装置50と一体的にX軸方向に移動可能な構成であっても良い(ただしY粗動ステージ26の中央部を補助ガイドフレーム24により支持できない)。
また、照明光は、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。また、照明光としては、例えばDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。また、固体レーザ(波長:355nm、266nm)などを使用しても良い。
また、投影光学系16は、複数本の投影光学ユニットを備えたマルチレンズ方式の投影光学系であったが、投影光学ユニットの本数はこれに限らず、1本以上あれば良い。また、マルチレンズ方式の投影光学系に限らず、例えばオフナー型の大型ミラーを用いた投影光学系などであっても良い。また、上記実施形態では投影光学系16として、投影倍率が等倍のものを用いる場合について説明したが、これに限らず、投影光学系は縮小系及び拡大系のいずれでも良い。
また、光透過性のマスク基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクが用いられたが、例えば米国特許第6,778,257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて、透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスク(可変成形マスク)、例えば、非発光型画像表示素子(空間光変調器とも呼ばれる)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)を用いる可変成形マスクを用いても良い。
また、物体を所定の二次元平面に沿って移動させる移動体装置(ステージ装置)としては、露光装置に限らず、例えば物体の検査に用いられる物体検査装置など、物体に関して所定の処理を行う物体処置装置に用いても良い。また、露光装置としては、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置、ステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用することができる。
なお、露光装置としては、サイズ(外径、対角線の長さ、一辺の少なくとも1つを含む)が500mm以上の基板、例えば液晶表示素子などのフラットパネルディスプレイ用の大型基板を露光する露光装置に対して適用することが特に有効である。
また、露光装置の用途としては、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば半導体製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるマスク又はレチクルを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。なお、露光対象となる物体はガラスプレートに限られるものでなく、例えばウエハ、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。また、露光対象物がフラットパネルディスプレイ用の基板である場合、その基板の厚さは特に限定されず、例えばフィルム状(可撓性を有するシート状の部材)のものも含まれる。
液晶表示素子(あるいは半導体素子)などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたマスク(あるいはレチクル)を製作するステップ、ガラス基板(あるいはウエハ)を製作するステップ、上述した各実施形態の露光装置、及びその露光方法によりマスク(レチクル)のパターンをガラス基板に転写するリソグラフィステップ、露光されたガラス基板を現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ガラス基板上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。