JP6194794B2 - リチウム二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、高容量で、特に、高温環境下での使用に対するサイクル特性に優れ、長寿命のリチウム二次電池に関する。
リチウム二次電池は、携帯型電子機器やパソコン等に、広く利用され、小型化、軽量化が求められる一方において、高機能電子機器や電気自動車等に利用可能な高エネルギー密度で、充放電に伴う劣化を抑制し、サイクル特性に優れ、長寿命であることが求められている。リチウム電池は、それぞれ集電体上に形成された正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層とが、セパレーターを介して対向して配置され、これらが電解液に漬浸されて外装体に収納された構造を有し、電極活物質がリチウムイオンを可逆的に収蔵、放出することにより、充放電サイクルが行われる。
この種の負極活物質として、高エネルギー密度、低コスト、安全性の観点から、炭素系材料に代わり、ケイ素やケイ素酸化物、リチウムと合金を形成するスズ等の金属や、金属酸化物が用いられている。しかしながら、ケイ素を含む負極活物質層は充放電に伴う体積の膨張収縮が大きく、また、電解液との反応により、反復される充放電に伴い、負極活物質層から微粉の脱落等により電池の容量が低下する場合がある。特に、ケイ素やケイ素酸化物を負極活物質として用いた電池の場合、45℃以上の高温環境で使用すると、電池の容量の低下が大きく、積層ラミネート型電池において、劣化が顕著になる傾向にある。
このような充放電に伴う劣化を抑制するため、負極活物質として、炭素材料粒子と、ケイ素粒子、酸化ケイ素粒子を含有する負極(特許文献1)や、ケイ素を分散した二酸化ケイ素粒子の表面に炭素被膜を有する粒子を用いた負極(特許文献2)等が報告されている。
一方、使用する電解液に特定の物質を添加することにより、サイクル特性の向上を図ることが行われている。かかる添加物として、具体的には、無水安息香酸、無水フタル酸、無水マレイン酸(特許文献3)、特定の無水コハク酸等(特許文献4)、特定のマレイン酸誘導体等(特許文献5、6)が報告されている。
リチウム二次電池に対し、更なる高容量化を図り、高温環境下での使用に対し、容量の低下を抑制し、サイクル特性の向上、長寿命化が要請されている。
特開2003−123740 特開2004−47404 特許第2697365号 特開2006−294373 特開2011−60464 特許2007−317647
本発明の課題は、高容量であって、特に、高温環境下での使用に対し、容量の低下を抑制し、サイクル特性の向上を図り、長寿命のリチウム二次電池を提供することにある。
本発明は、正極活物質を含む正極活物質層と、負極活物質を含む負極活物質層と、これらを漬浸する電解液とを有するリチウム二次電池において、
電解液が、式(8)、式(9)及び式(11)〜(25)で表される環状酸無水物、式(26)、式(27)及び式(29)〜(35)で表される環状酸無水物、並びに式(4)で表される環状酸無水物から選ばれる1種以上の環状酸無水物を含み
Figure 0006194794
Figure 0006194794
Figure 0006194794
(式中、R10、R11は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜12のアルキル基を示す。)、前記負極活物質が、ケイ素、ケイ素酸化物及び炭素系材料を含むことを特徴とするリチウム二次電池に関する。
本発明のリチウム二次電池は、高容量であって、特に、高温環境下での使用に対し、容量の低下を抑制し、サイクル特性の向上を図り、長寿命である。
本発明のリチウム二次電池の一例を示す構成図である。 本発明のリチウム二次電池を適用した車両の一例を示す構成図である。
a 負極
b セパレーター
c 正極
d 負極集電体
e 正極集電体
f 正極端子
g 負極端子
110 組電池(リチウム二次電池)
本発明のリチウム二次電池は、正極活物質を含む正極活物質層と、負極活物質を含む負極活物質層と、これらを漬浸する電解液とを有する。
[負極活物質層]
負極活物質層は、充放電に伴いリチウムイオンを可逆的に吸蔵、放出可能な負極活物質を含み、この負極活物質が負極用結着剤によって負極集電体上に結着した構造を有するものであることが好ましい。
負極活物質としては、特に限定されるものではないが、ケイ素系材料を用いることが好ましい。ケイ素系材料としては、単体ケイ素や、ケイ素酸化物、ケイ酸塩、ケイ素とニッケルやコバルト等の遷移金属とのケイ素化合物等を挙げることができる。ケイ素化合物には、負極活物質の繰り返し充放電に対する膨脹収縮を緩和する作用があり、負極活物質として好ましい。更に、ケイ素化合物の種類によってはケイ素間の導通を確保する作用もあり、このような観点から、ケイ素化合物としてケイ素酸化物が好ましい。ケイ素酸化物は、SiOx(0<x<2)で表され、具体的には、SiO、SiO等を挙げることができ、電解液と反応が生じにくく、電池内に安定して存在することができる。ケイ素酸化物は、Liを含んでもよく、例えば、SiLiyOz(y>0、2>z>0)で表される。更に、ケイ素酸化物は、窒素、ホウ素及びイオウから選ばれる1種以上の元素を含むことが、負極活物質層の電気伝導性が低下するのを抑制することができ、集電率の向上を図ることができることから、好ましい。窒素、ホウ素及びイオウから選ばれる1種以上の元素のケイ素酸化物中の含有量は、0.1〜5質量%であることが、負極活物質層のエネルギー密度の低下を抑制し、集電性の向上が図れることから、好ましい。
また、ケイ素系材料としては、単体ケイ素とケイ素化合物の双方を含むことが好ましく、特にケイ素化合物としてケイ素酸化物を用いることが好ましい。これらは、負極活物質としてリチウムイオンの充放電の電位が異なり、具体的には、ケイ素はケイ素酸化物よりリチウムイオンの充放電の電位が低く、これらを含有する負極活物質層において、放電時の電圧の変化に伴い徐々にリチウムイオンを放出することができ、特定の電位で一時にリチウムイオンが放出されることによる負極活物質層の急激な体積収縮を抑制することができる。
これらの単体ケイ素とケイ素酸化物とを含有する負極活物質を製造する方法としては、例えば、単体ケイ素とケイ素酸化物とを混合し、高温減圧下にて焼結させる方法により製造することができる。また、ケイ素化合物として遷移金属と単体ケイ素との化合物を用いる場合には、例えば、単体ケイ素と遷移金属を混合、溶融させる方法や、単体ケイ素の表面に遷移金属を蒸着等により被覆する方法が挙げられる。
また、負極活物質として、炭素材料を含むことが、サイクル特性及び安全性が高くさらに連続充電特性も優れていることから、好ましい。炭素材料としては、コークス、アセチレンブラック、メゾフェーズマイクロビーズ、グラファイト等を挙げることができる。更に、これらの炭素材料をピッチ等の有機物で被覆した後で焼成したもの、CVD法等を用いて表面に非晶質の炭素を形成したもの等も、炭素材料として好適に使用することができる。ここで、被覆に用いる有機物としては、軟ピッチから硬ピッチまでのコールタールピッチ;乾留液化油等の石炭系重質油;常圧残油、減圧残油等の直留系重質油;原油、ナフサ等の熱分解時に副生する分解系重質油、例えばエチレンヘビーエンド等の石油系重質油を挙げることができる。また、これらの重質油を200〜400℃で蒸留して得られた固体状残渣物を、1〜100μmに粉砕したものも使用することができる。更に、炭素材料の被覆には、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂なども使用することができる。
このような負極活物質として、ケイ素、ケイ素酸化物に加え、炭素材料を含むことが、負極活物質の充放電に伴う体積膨張収縮を緩和し、導電性が確保されることから、好ましい。ケイ素及びケイ素酸化物と共に用いる炭素材料としては、黒鉛、非晶質炭素、ダイヤモンド状炭素、カーボンナノチューブ等を挙げることができる。結晶性の高い黒鉛は電気伝導性が高く、平坦であり、集電体との密着性に優れる。一方、結晶性の低い非晶質炭素は、充放電に伴う体積変化が小さいことから、充放電による負極活物質層の劣化を抑制することができる。負極活物質中のケイ素及びケイ素酸化物の含有量は、5質量%以上90質量%以下とすることが好ましく、40質量%以上70質量%以下とすることがより好ましい。炭素材料の含有量は、2質量%以上、50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、2質量%以上、30質量%以下である。
上記ケイ素やケイ素酸化物、炭素材料を粒子として用いる場合は、充放電に伴う体積変化の大きいもの程、小径とすることが、これらの粒子の体積変化による負極活物質層の体積変化を抑制することができるため、好ましい。具体的には、ケイ素酸化物の平均粒子径は炭素材料の平均粒子径より小さく、例えば、ケイ素酸化物の平均粒子径が炭素材料の平均粒子径の1/2以下であることが好ましい。ケイ素の平均粒子径は、ケイ素酸化物の平均粒子径より小さく、例えば、ケイ素の平均粒子径がケイ素酸化物の平均粒子径の1/2以下であることが好ましい。平均粒子径をこのような範囲に制御すれば、充放電による体積変化が大きい粒子が小径となり、負極活物質層の体積変化の緩和効果が大きく、エネルギー密度、サイクル寿命と効率のバランスに優れた二次電池を得ることができる。ケイ素の平均粒子径としては、具体的には、例えば20μm以下であることが、集電体との接触を担保し得ることから好ましく、より好ましくは15μm以下である。
負極活物質として、これらのケイ素、ケイ素酸化物と共に炭素材料を含む場合、これらが各粒子として含有されていてもよいが、これらが複合体として形成されていることが好ましい。複合体としては、ケイ素のクラスターの周囲にケイ素酸化物が存在し、その表面を炭素が被覆しているものが好ましい。複合体中において、ケイ素酸化物は、その少なくとも一部がアモルファス構造を有することが好ましい。ケイ素酸化物がアモルファス構造を有することにより、結晶構造に含まれる欠陥や結晶粒界等の不均一性に起因する要素が減少し、複合体における不均一な体積変化が抑制されると共に、炭素材料の表面に被膜形成を促進させる何等かの作用を及ぼすと考えられる。そして、負極活物質層の微粉化を抑制すると共に、電解液との反応を抑制することができる。ケイ素酸化物がアモルファス構造を有することは、X線回折測定(一般的なXRD測定)により、結晶構造を有する場合に観察される固有のピークがブロードとなることから、確認することができる。
上記複合体としては、ケイ素はその全部または一部がケイ素酸化物中に分散していることが好ましい。ケイ素の少なくとも一部をケイ素酸化物中に分散させることで、負極全体としての体積膨張をより抑制することができ、電解液の分解も抑制することができる。ケイ素酸化物中に分散されるケイ素の平均粒子径は、数ナノメートル〜数百ナノメートルを挙げることができる。粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により測定した値を採用することができる。また、ケイ素がケイ素酸化物中に分散していることは、透過型電子顕微鏡観察(一般的なTEM観察)とエネルギー分散型X線分光法測定(一般的なEDX測定)を併用することで確認することができる。具体的には、サンプルの断面を観察し、ケイ素酸化物中に分散しているケイ素部分の酸素濃度を測定し、酸素を含まないことにより確認することができる。
上記複合体中のケイ素の含有量は、5質量%以上90質量%以下とすることが好ましく、20質量%以上50質量%以下とすることがより好ましい。複合体中のケイ素酸化物の含有量は、5質量%以上90質量%以下とすることが好ましく、40質量%以上70質量%以下とすることがより好ましい。複合体中の炭素材料の含有量は、2質量%以上、50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、2質量%以上、30質量%以下である。
上記アモルファス構造のケイ素酸化物中にケイ素が分散した炭素被膜を有する複合体の製造方法としては、粒子状のケイ素酸化物とケイ素と炭素材料とをメカニカルミリングで混合する方法を挙げることができる。また、高温非酸素雰囲気下で有機化合物の気体雰囲気中にケイ素とケイ素酸化物の混合焼結物を導入する方法や、高温非酸素雰囲気下でケイ素とケイ素酸化物の混合焼結物と炭素の前駆体樹脂を混合する方法により、複合体を形成することができる。これらの方法に用いる粒子としては、上述と同様の平均粒子径を有するものを用いることができる。
また、負極活物質として、上記複合体の表面をシランカップリング剤によって処理したものを用いてもよい。
更に、負極活物質として、ケイ素以外の金属や、金属酸化物を含んでいてもよい。ケイ素以外の金属としては、リチウムと合金を形成することができる金属であって、放電時にリチウム合金からリチウムイオンを放出し、充電時にリチウム合金を形成することができる金属を挙げることができる。具体的には、アルミニウム、鉛、スズ、インジウム、ビスマス、銀、バリウム、カルシウム、水銀、パラジウム、白金、テルル、亜鉛、ランタンを挙げることができる。これらは1種又は2種以上を選択することができる。これらのうち、スズが好ましい。
負極活物質としての金属酸化物は、具体的には、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化リチウムを挙げることができ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの金属酸化物は、上記金属と共に用いられることが好ましく、特に、金属酸化物に含まれる金属と同じ金属と共に、用いられることが、充放電時に異なる電位でリチウムイオンの吸蔵放出が行われ、負極活物質層の急激な体積変化を抑制できることから、好ましく、上記スズと共に酸化スズを用いることが好ましい。
これらの金属酸化物は、その少なくとも一部がアモルファス構造を有することが好ましい。金属酸化物がアモルファス構造を有することにより、負極活物質層の微粉化を抑制すると共に、電解液との反応を抑制することができる。アモルファス構造を有する負極活物質層においては、結晶構造に含まれる欠陥や結晶粒界等の不均一性に起因する要素が減少し、不均一な体積変化が抑制されると考えられる。また、このような金属酸化物中に金属酸化物に含まれる金属が分散されたものであることが好ましい。
負極活物質の粒径は、特に限定されるものではないが、初期充電効率、レ−ト特性、サイクル特性等の電池特性が優れる点で、通常1μm以上、好ましくは15μm以上であり、通常50μm以下、好ましくは30μm以下程度である。
上記負極活物質を結着する負極結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリル酸やその塩、カルボキシメチルセルロースやその塩等を用いることができる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中、結着力の観点から、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリル酸(アルカリで中和されたリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩を含む)、カルボキシメチルセルロース(アルカリで中和されたリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩を含む)を含むことが好ましい。使用する負極用結着剤の量は、トレードオフの関係にある「十分な結着力」と「高エネルギー化」の観点から、負極活物質100質量部に対して、5〜25質量部であることが好ましい。
負極集電体は、結着剤により一体とされる負極活物質を含む負極活物質層を支持し、外部端子との導通を可能とする導電性を有するものであればよく、電気化学的安定性から、銅、ニッケル、SUS等を用いることができる。これらのうち、加工が容易であり、コストの点から、銅が好ましい。集電体は、予め粗面化処理をしたものが好ましい。その形状としては、箔、平板状、メッシュ状、エキスパンドメタル、パンチングメタル等の穴あきタイプ等を挙げることができる。
上記負極の製造方法としては、負極集電体上に、負極活物質と負極用結着剤とを溶媒でスラリーとした負極活物質層用塗布液を塗布、乾燥して作製することができる。塗工方法としては、ドクターブレード法、ダイコーター法等を挙げることができる。また、負極活物質層用材料を用いてCVD法、スパッタリング法等により形成することも、負極活物質用材料をロール成形しシート電極としたり、圧縮形成によりペレット電極として形成することもできる。予め負極活物質層を形成した後に、蒸着、スパッタ等の方法でアルミニウム、ニッケルまたはそれらの合金の薄膜を形成して、負極集電体としてもよい。
[正極活物質層]
正極活物質層は、正極活物質を含み、正極活物質が正極用結着剤によって正極集電体上に結着した構造を有するものが好ましい。
正極活物質は、充電時にリチウムイオンを電解液中へ放出し、放電時に電解液中からリチウムを吸蔵するものであり、LiMnO、LiMn(0<x<2)等の層状構造を持つマンガン酸リチウム、又はスピネル構造を有するマンガン酸リチウム;LiCoO、LiNiO、又はこれらの遷移金属の一部を他の金属で置き換えたもの;LiNi1/3Co1/3Mn1/3等の特定の遷移金属が半数を超えないリチウム遷移金属酸化物;これらのリチウム遷移金属酸化物において化学量論組成よりもLiを過剰にしたもの等が挙げられる。特に、LiαNiβCoγAlδ(1≦α≦1.2、β+γ+δ=1、β≧0.7、γ≦0.2)又はLiαNiβCoγMnδ(1≦α≦1.2、β+γ+δ=1、β≧0.6、γ≦0.2)が好ましい。正極活物質は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記正極活物質を結着して一体化する正極結着剤としては、具体的には、上記負極結着剤と同様のものを用いることができる。正極結着剤としては、汎用性、低コストの観点から、ポリフッ化ビニリデンが好ましい。使用する正極結着剤の量は、正極活物質100質量部に対して、2〜10質量部であることが好ましい。正極結着剤の含有量が2質量部以上であれば、活物質同士あるいは活物質と集電体との密着性が向上し、サイクル特性が良好になり、10質量部以下であれば、活物質比率が向上し、正極容量を向上させることができる。
上記正極活物質層には、正極活物質のインピーダンスを低下させる目的で、導電補助材を添加してもよい。導電補助材としては、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質微粒子を用いることができる。
正極集電体は、結着剤により一体化される正極活物質を含む正極活物質層を支持し、外部端子との導通を可能とする導電性を有するものであればよく、具体的には、上記負極集電体と同様のものの他、アルミニウム、銀等を用いることができる。
上記正極は、正極集電体上に、正極活物質と正極用結着剤とを含む正極活物質層用材料を用いて作製することができる。正極活物質層の作製方法には、負極活物質層の作製方法と同様の方法を適用することができる。
[電解液]
電解液は、充放電時に正極及び負極においてリチウムの吸蔵放出を可能とするため、正極と負極を漬浸してリチウムイオンを溶解可能な非水系の有機溶媒に、電解質を溶解したものである。
上記電解液の溶媒は、電池の動作電位において安定であり、電池の使用環境において、電極を漬浸できるように低粘度であることが好ましい。具体的には、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状カーボネート類;プロピレンカーボネート誘導体;ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;等の非プロトン性有機溶媒を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(MEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の環状又は鎖状カーボネート類が好ましい。
上記溶媒は、更に、フッ素化エーテル化合物を含むことが好ましい。フッ素化エーテル化合物は、ケイ素と親和性が高く、サイクル特性、特に電池の容量維持率を向上させる。フッ素化エーテル化合物は、非フッ素化鎖状エーテル化合物の水素の一部をフッ素で置換したフッ素化鎖状エーテル化合物でも、非フッ素化環状エーテル化合物の水素の一部をフッ素で置換したフッ素化環状エーテル化合物でもよい。
非フッ素化鎖状エーテル化合物としては、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、エチルブチルエーテル、プロピルブチルエーテル、ジブチルエーテル、メチルペンチルエーテル、エチルペンチルエーテル、プロピルペンチルエーテル、ブチルペンチルエーテル、ジペンチルエーテル等の非フッ素化鎖状モノエーテル化合物;1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)、1,2−ジプロポキシエタン、プロポキシエトキシエタン、プロポキシメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ブトキシプロポキシエタン、ブトキシエトキシエタン、ブトキシメトキシエタン、1,2−ジペントキシエタン、ペントキシブトキシエタン、ペントキシプロポキシエタン、ペントキシエトキシエタン、ペントキシメトキシエタン等の非フッ素化鎖状ジエーテル化合物を挙げることができる。
非フッ素化環状エーテル化合物としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、2−メチルテトラヒドロピラン、3−メチルテトラヒドロピラン、4−メチルテトラヒドロピラン等の非フッ素化環状モノエーテル化合物;1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、2−メチル−1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、2−メチル−1,3−ジオキサン、4−メチル−1,3−ジオキサン、5−メチル−1,3−ジオキサン、2,4−ジメチル−1,3−ジオキサン、4−エチル−1,3−ジオキサン等の非フッ素化環状ジエーテル化合物を挙げることができる。
これらの中、安定性が良好なフッ素化鎖状エーテル化合物が更に好ましい。フッ素化鎖状エーテル化合物としては、
H−(CX−CX−CHO−CX−CX−H
で表されるものが好ましい。式中、nは1、2、3又は4を示し、X〜Xは独立してフッ素原子又は水素原子を示す。但し、X〜Xの少なくとも1つはフッ素原子を示し、X〜Xの少なくとも1つはフッ素原子を示す。
電解液に含まれる電解質としては、リチウム塩が好ましい。リチウム塩としては、具体的に、LiPF、LiAsF、LiAlCl、LiClO、LiBF、LiSbF、LiCFSO、LiCSO、Li(CFSO、LiN(CFSO等を挙げることができる。
電解液中の電解質の濃度としては、0.01mol/L以上、3mol/L以下であることが好ましく、より好ましくは、0.5mol/L以上、1.5mol/L以下である。電解質濃度がこの範囲であると、安全性の向上を図ることができ、信頼性が高く、環境負荷の軽減に寄与する電池を得ることができる。
上記電解液は、不飽和結合を有する式(1)で表される環状酸無水物、式(2)で表される環状酸無水物、式(3)で表される環状酸無水物、及び式(4)で表される環状酸無水物から選ばれる1種以上の環状酸無水物を含む。これらの環状酸無水物は、負極活物質層表面で不飽和結合がラジカルとなって、重合反応が進行し、負極活物質層上に重合体からなる被膜を形成する。この重合体被膜は、リチウムイオンを透過させ、電解液の溶媒の透過を阻害することから、負極活物質層と電解液との反応を抑制し、反復される充放電による電池の容量の低下を抑制することができる。
式(1)で表される環状酸無水物は、無水マレイン酸誘導体であり、
Figure 0006194794
式(1)中、R、Rは、独立して、水素原子、ハロゲン原子、無置換基若しくは置換基を有する炭素数1〜12の炭化水素基、無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜12のアルコキシ基、又は無置換若しくは置換基を有するアルキルアミノ基を示す。ハロゲン原子としては、フッ素原子又は塩素原子が好ましい。炭素数1〜12の炭化水素基は、直鎖状又は分枝状のアルキル基が好ましく、R、Rの炭素数1〜12の炭化水素基が結合して環を形成していてもよい。炭素数1〜12の炭化水素基の置換基としては、不飽和炭素−炭素結合、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子等が好ましい。炭素数1〜12のアルコキシ基としては、直鎖状又は分枝状いずれであってもよく、その置換基としては、フッ素、塩素等のハロゲン原子、オキシ基、シアノ基、又はニトロ基等が好ましい。アルキルアミノ基としては、炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル基を有するものが好ましく、窒素原子に結合する2つのアルキル基が結合して環を形成していてもよい。アルキルアミノ基の置換基としては、オキシ基等を好適に挙げることができる。
式(1)で表される環状酸無水物としては、具体的に、式(5)〜(25)に示すものを挙げることができる。
Figure 0006194794
式(2)で表される環状酸無水物としては、無水コハク酸誘導体であり、
Figure 0006194794
式(2)中、R〜Rは、独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜12の炭化水素基を示し、bは1〜12の何れかの整数を示す。炭素数1〜12の炭化水素基は直鎖状又は分枝状のアルキル基が好ましく、R〜Rはそれぞれ、相互に結合して環を形成していてもよい。炭素数1〜12の炭化水素基の置換基としては、不飽和炭素−炭素結合、オキシ基、又はフッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子等を挙げることができる。
式(2)で表される環状酸無水物としては、具体的に、式(26)〜(35)に示すものを挙げることができる。
Figure 0006194794
式(3)で表される環状酸無水物は、無水コハク酸誘導体であり、
Figure 0006194794
式(3)中、R〜Rは、独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜12の炭化水素基を示す。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子を挙げることができる。炭素数1〜12の炭化水素基の置換基としては、不飽和炭素−炭素結合、ハロゲン原子等を挙げることができる。
式(3)で表される環状酸無水物としては、具体的に、式(36)〜(39)に示すものを挙げることができる。
Figure 0006194794
式(4)で表される環状酸無水物は、無水アコニット酸誘導体であり、
Figure 0006194794
式中、R10、R11は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜12のアルキル基を示す。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子が好ましい。炭素数1〜12のアルキル基としては直鎖状又は分枝状であってもよく、その置換基としては、不飽和二重結合、不飽和三重結合を含んでいてもよく、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等が好ましい。
式(4)で表される環状酸無水物としては、具体的に、式(40)〜(47)に示すものを挙げることができる。
Figure 0006194794
電解液中のこれらの環状酸無水物の含有量は、0.1質量%以上、2.0質量%以下であることが好ましい。電解液中の濃度がこの範囲であると、負極活物質層に、リチウムイオンを透過させ、電解液溶媒と負極活物質層との接触を抑制できる被膜を形成することができる。
[セパレーター]
セパレーターは、正極及び負極の導通を抑制し、荷電体の透過を阻害せず、電解液に対して耐久性を有するものであれば、いずれであってもよい。具体的な材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系微多孔膜、セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン等を採用することができる。これらは、多孔質フィルム、織物、不織布等として用いることができる。
[セル外装体]
外装体としては、上記正極及び負極、セパレーター、電解液を安定して保持可能な強度を有し、これらの物質に対して電気化学的に安定で、水密性を有するものが好ましい。具体的には、例えば、ステンレス、ニッケルメッキを施した鉄、アルミニウム、シリカ、アルミナをコーティングしたラミネートフィルムを用いることができ、ラミネートフィルムに用いる樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等を用いることができる。これらは、1層又は2層以上の構造体であってもよい。外装体としてのラミネートフィルムは、金属と比較して安価であるものの内部にガスが発生した場合に、内圧により変形が生じやすいが、上記環状酸無水物を含有する電解液を用いることにより、ガスの発生を抑制し変形が生じるのを抑制することができ、電池の設計における自由度を確保することができる。
[二次電池]
上記二次電池の形状は、上記円筒型、扁平捲回角型、積層角型、コイン型、扁平捲回ラミネート型、及び積層ラミネート型のいずれでもよい。この二次電池は充放電に伴うガス発生を顕著に抑制することができるため、負極活物質層の劣化を抑制することができ、長寿命化を図ることができ、特に高温環境で使用される場合においても負極活物質の劣化が抑制される。積層される電極の間隔が発生するガスにより広がり変形が生じやすい積層ラミネート型電池が高温環境で使用される場合であっても、変形を抑制することができ、長寿命化を図ることができる。
上記二次電池の一例として、図1に示す積層ラミネート型二次電池を挙げることができる。この積層ラミネート型二次電池は、銅箔等の金属からなる負極集電体d上に設けられた負極活物質層を有する負極aと、アルミニウム箔等の金属からなる正極集電体e上に設けられた正極活物質層を有する正極cとが、これらの接触を回避するポリプロピレン微多孔質膜からなるセパレーターbを介して交互に対向配置され、これらが図示しないラミネート外装体内に収納されている。ラミネート外装体内部には電解液が充填され、負極aと、正極cとは、それぞれ、活物質層が形成されていない集電体の部分で電気的に接続され、負極端子g、正極端子fがラミネート外装体の外部へ引き出され、充放電時に、外部電源や、使用機器に接続されるようになっている。
[車両]
上記リチウム二次電池は、車両のモーター駆動用電源として用いることができる。車両としては、電気自動車、ハイブリッド車、何れであってもよい。
この車両の一例として、上記リチウム二次電池を複数直列又は並列に接続した組電池として用いたものを、図2に示す。図2に示す車両は、車体100の中央部の座席下部分に、上記リチウム二次電池の組電池110を搭載したものである。
以下に、本発明のリチウム二次電池を詳細に説明する。
[実施例1]
[負極の作製]
負極活物質として、平均粒径5μmのケイ素と、平均粒径30μmの黒鉛とを、90:10の質量比で計量し、いわゆるメカニカルミリングで24時間混合して、負極活物質を得た。この負極活物質(平均粒径D50=5μm)と、負極用結着剤としてのポリイミド(商品名UワニスA:宇部興産株式会社製)とを、85:15の質量比で計量し、それらをn−メチルピロリドンと混合して、負極スラリーとした。負極スラリーを厚さ10μmの銅箔に塗布した後に乾燥し、窒素雰囲気300℃の熱処理を行い、負極を作製した。尚、この負極活物質を用いた実施例について、表中、「SiOx中Si分散」の欄に「N」と記す。
[正極の作製]
正極活物質としてニッケル酸リチウム(LiNi0.80Co0.15Al0.15)と、導電補助材としてカーボンブラックと、正極用結着剤としてポリフッ化ビニリデンとを、90:5:5の質量比で計量し、それらをn−メチルピロリドンと混合して、正極スラリーとした。正極スラリーを厚さ20μmのアルミ箔に塗布した後に乾燥し、プレスして、正極を作製した。
[電解液の調製]
体積比EC/DEC=30/70からなるカーボネート系非水溶媒に電解質としてLiPFを1mol/Lの濃度で溶解させた電解液に、環状酸無水物として、式(1)で表される環状酸無水物である式(8)に示す化合物を0.2質量%混合し、電解液を得た。
[リチウム二次電池]
得られた正極の3層と負極の4層を、セパレーターとしてポリプロピレン多孔質フィルムを挟みつつ交互に重ねた。正極活物質層に覆われていない正極集電体及び負極活物質層に覆われていない負極集電体の端部をそれぞれ溶接し、その溶接箇所に、アルミニウム製の正極端子とニッケル製の負極端子をそれぞれ溶接して、平面的な積層構造を有する電極素子を得た。
上記電極素子を外装体としてアルミニウムラミネートフィルムで包み、内部に電解液を注液した後、0.1気圧まで減圧しつつ封止して、二次電池を作製した。
[充放電サイクル特性の評価]
作製したリチウム二次電池の高温サイクル特性を以下のように測定した。二次電池に対し、60℃に保った恒温槽中で2.5Vから4.1Vの電圧範囲で50回充放電を反復し、放電容量を測定した。5サイクル目の放電容量D5に対する50サイクル目の放電容量D50の比率、D50/D5(単位:%)を算出し、維持率とした。また、5サイクル目の電池体積V5に対する50サイクル目の電池体積V50の比率、V50/V5(単位:%)を算出し、膨れ率とした。結果を表1に示す。
維持率については、75%以上で[A]、50%以上75%未満で「B」、25%以上50%未満で「C」、25%未満で「D」として評価した。膨れ率については、%未満で「A」、5%以上10%未満で「B」、10%以上20%未満で「C」、20%以上で「D」として評価した。結果を表1に示す。
[実施例2〜13]
環状酸無水物として、式(8)に示される化合物に替えて、表1に示す化合物を用いた以外は、実施例1と同様に二次電池を作製し、サイクル特性の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例14〜26]
負極結着剤としてポリイミドに替えてポリアミドイミド(PAI)(商品名パイロマックス:東洋紡績株式会社)を用い、環状酸無水物として、式(8)に示される化合物に替えて、表1に示す化合物を用いた以外は、実施例1と同様に二次電池を作製し、サイクル特性の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006194794
[実施例27〜39]
負極活物質として、ケイ素と黒鉛に加え、非晶質ケイ素酸化物(SiOx、0<x≦2)を、ケイ素、非晶質ケイ素酸化物、黒鉛の質量比29:61:10となるように用い、実施例1と同様にして負極活物質を得た。得られた負極活物質は、ケイ素がケイ素酸化物に分散し、表面に炭素被覆を有する平均粒径D50が5μmの粒子であった。得られた負極活物質を用いて、環状酸無水物として式(8)に示す化合物に替えて、表2に示すものを用いたこと以外は、実施例1と同様に二次電池を作製し、サイクル特性の評価を行った。結果を表2に示す。尚、この負極活物質を用いた実施例について、表中、「SiOx中Si分散」の欄に「Y」と記す。
[実施例40〜52]
負極活物質として、実施例27で用いたものを用い、負極結着剤としてポリイミドに替えてポリアミドイミド(PAI)(商品名パイロマックス:東洋紡績株式会社)を用い、環状酸無水物として式(8)に示される化合物に替えて、表2に示す化合物を用いた以外は、実施例1と同様に二次電池を作製し、サイクル特性の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0006194794
[比較例1]
電解液に環状酸無水物を添加しなかったこと以外、実施例1と同様にして二次電池を作製し、サイクル特性の評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例2〜4]
環状酸無水物として式(8)に示される化合物に替えて、それぞれ無水コハク酸、無水フタル酸、無水安息香酸を用いたこと以外は、実施例1と同様にして二次電池を作製し、サイクル特性の評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例5]
電解液に環状酸無水物を添加しなかったこと以外、実施例14と同様にして二次電池を作製し、サイクル特性の評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例6〜8]
環状酸無水物として式(8)に示される化合物に替えて、それぞれ無水コハク酸、無水フタル酸、無水安息香酸を用いたこと以外は、実施例14と同様にして二次電池を作製し、サイクル特性の評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例9]
電解液に環状酸無水物を添加しなかったこと以外、実施例27と同様にして二次電池を作製し、サイクル特性の評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例10〜12]
環状酸無水物として式(8)に示される化合物に替えて、それぞれ無水コハク酸、無水フタル酸、無水安息香酸を用いたこと以外は、実施例27と同様にして二次電池を作製し、サイクル特性の評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例13]
電解液に環状酸無水物を添加しなかったこと以外、実施例40と同様にして二次電池を作製し、サイクル特性の評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例14〜16]
環状酸無水物として式(8)で表される化合物に替えて、それぞれ無水コハク酸、無水フタル酸、無水安息香酸を用いたこと以外は、実施例40と同様にして二次電池を作製し、サイクル特性の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0006194794
結果から、実施例の二次電池の60℃における膨れ率は、比較例の二次電池と比較して、低減され、本発明のリチウム二次電池はサイクル特性に優れたものであることが分かる。
本願は、2011年6月23日出願の特願2011−139722及び、2012年6月6日出願の特願2012−129054に記載した総ての事項を、その内容として含むものである。
本発明は、電源を必要とするあらゆる産業分野、並びに電気的エネルギーの輸送、貯蔵および供給に関する産業分野にて利用することができる。具体的には、携帯電話、ノートパソコン等のモバイル機器の電源、車両のモーター駆動用電源等に利用することができる。

Claims (7)

  1. 正極活物質を含む正極活物質層と、負極活物質を含む負極活物質層と、これらを漬浸する電解液とを有するリチウム二次電池において、
    電解液が、式(8)、式(9)及び式(11)〜(25)で表される環状酸無水物、式(26)、式(27)及び式(29)〜(35)で表される環状酸無水物、並びに式(4)で表される環状酸無水物から選ばれる1種以上の環状酸無水物を含み
    Figure 0006194794
    Figure 0006194794
    Figure 0006194794
    (式中、R10、R11は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜12のアルキル基を示す。)、
    前記負極活物質が、ケイ素、ケイ素酸化物及び炭素系材料を含むことを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 負極活物質が、アルミニウム、鉛、スズ、インジウム、ビスマス、銀、バリウム、カルシウム、水銀、パラジウム、白金、テルル、亜鉛、及びランタンの金属、及び、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、及び酸化リチウムの金属酸化物から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池。
  3. 負極活物質が、ケイ素酸化物及び前記金属酸化物から選ばれる1種以上に、ケイ素及び前記金属から選ばれる1種以上が分散されたものであることを特徴とする請求項1または2記載のリチウム二次電池。
  4. ケイ素酸化物及び前記金属酸化物から選ばれる1種以上が、少なくとも一部にアモルファス構造を有することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のリチウム二次電池。
  5. 負極活物質層が、負極活物質をポリイミド及びポリアミドイミドから選ばれる1種以上を含む結着剤により一体化されたものであることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のリチウム二次電池。
  6. 電解液が、前記環状酸無水物を0.1質量%以上、2.0質量%以下の範囲で含有することを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のリチウム二次電池。
  7. 積層ラミネート型であることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のリチウム二次電池。
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