JP6187542B2 - 注出口栓及びこれを用いた包装容器 - Google Patents
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Description
図1に、包装容器3の斜視図を示す。包装容器3は、後述するシート材200を加工したブランク110を箱型に折曲げ、端部を重ね合わせてシールして形成される容器本体100と、注出口栓1とを備える。注出口栓1は、一例としてキャップ2を備える。容器本体100は、正立時に上部となる頂部101と、側面となる胴部102と、下部となる底部103とを含み、頂部101は、2つの屋根板106(106a、106b)と、屋根板106の間に折込まれる折込み板107および折返し板108とを含む。屋根板106aには、円形の注出孔114が形成される。注出口栓1は注出孔114に取付けられる。頂部101には、一例として、容器本体100を正立させた際の左右方向である幅方向に、破断強度を弱化させた脆弱部105が形成される。
図2に、注出口栓1の断面図(a)及び下方から見た平面図(b)を示す。注出口栓1は、円筒状の側壁11と、側壁11の内部を閉塞する隔壁14と、円盤状のフランジ部15と、フランジ部15の底面20に形成された複数の凹部17とを備える。注出口栓1は、低密度ポリエチレン(LDPE)等を用いて一体成形により製造することができる。分離を容易にするため、注出口栓1の材質は曲げ弾性率が100MPa以上180MPa以下、特に120MPa以上155MPa以下であることが望ましい。
リブ18は様々な形態をとることができる。図3に、リブ18の形状を変えた変形例に係る注出口栓1を底面20側から見た平面図を示す。図3の(a)に示す注出口栓の複数のリブ181は、フランジ部15の平面視において、フランジ部15の内方から外方に向かって、キャップ2の螺着時の回転方向(注出口栓1の場合は、底面20側から見て反時計回り)に対して直角未満の第1の所定角度の傾きをなして延伸するよう形成されている。第1の所定角度は例えば60°である。リブ181の傾きを直角未満とすることで、キャップ2の締付け方向へのトルクに対するフランジ部15の剛性を向上させてキャッピング工程におけるフランジ部15の破損を防止することができる。
図3の(b)に示す注出口栓には、リブ181に加えて、フランジ部15の平面視において、フランジ部15の内方から外方に向かって、キャップ2の螺着時の回転方向の逆方向に対して直角未満の第2の所定角度の傾きなして延伸するリブ182がさらに複数形成されている。第2の所定角度は例えば60°である。これにより、リブ182は三角形状の凹部17を円周状に並べたハニカム構造となるため、フランジ部15はフランジ部15を含む平面に平行な各方向からの荷重に対する剛性を向上させることができる。
図4に、容器本体100の素材となるブランクの一例であるブランク110の平面図を示す。ブランク110は、頂部101を構成する屋根板106a、106b、折込み板107および折返し板108と、胴部102を構成する4つの側面板111と、底部103を構成する底面板112と、端部に形成されたシール部113とを有する。ブランク110を図4に示す一点鎖線にしたがって折曲げ、シール部113を、これと反対側の端部にシールすることでブランク110が箱型に形成される。屋根板106aの中央付近には、注出口栓1を挿入して固定する注出孔114が形成されている。屋根板106a、106b、折込み板107および折返し板108には、容器本体100を正立させた際の左右方向である幅方向にわたって略全周に線状の脆弱部105が形成される。脆弱部105の一部は、注出孔114によって分断されている。すなわち、容器本体100を脆弱部105に沿って折曲げることによってできる折れ線は、注出孔114を通過する。脆弱部105は、その一部が注出孔114によって分断されていれば、容器本体100の上下方向にわたって形成してもよい。
図5の(a)および(b)に、ブランク110に用いられるシート材200の積層構造の2例を模式的に表す断面図を示す。シート材200は、包装容器3の外方から内方に向かって順に、印刷層208/熱可塑性樹脂層201/紙基材層202/接着樹脂層203/バリア層204/接着層205/シーラント層206を有する。
以下では、注出口栓1の分離方法を説明する。図6に、注出口栓1の分離方法に係る各工程を示す。
図6の(a)に、包装容器3を押し潰す工程を示す。本工程において、包装容器3の使用者は、屋根板106の下方に延びる、対向する2つの側面板111を互いに接する方向に押し込むことで、胴部102を押し潰す。押し潰される側面板111に接する2つの側面板111は、包装容器3の内部方向に折り畳まれる。
図6の(b)に、包装容器3を脆弱部105に沿って折曲げる工程を示す。本工程において、使用者は、図6の(b)に示すように、屋根部106を脆弱部105に沿って折曲げる。このとき、屋根板106にできる折れ線は、注出孔114を通過する。
図6の(c)に、注出口栓1を包装容器3から分離する工程を示す。前工程で注出口栓1の凹部17周辺に破断が生じているため、使用者はこれを起点としてわずかな力で注出口栓1を切断予定部22に沿って切断し、側壁11を含む部分を包装容器3から分離することができる。
参考例1として、図2に示す、側壁11の中心からそれぞれ放射状に延伸するようリブ18が形成された注出口栓1を作成した。
実施例2として、図3の(a)に示す、フランジ部15の平面視において、フランジ部15の内方から外方に向かって、キャップ2の螺着時の回転方向に対して60°の傾きをもって延伸するリブ181が形成された変形例1に係る注出口栓1を作成した。
比較例として、注出口栓1において凹部17及びリブ18を形成しなかった注出口栓を作成した。
2 キャップ
3 包装容器
11 側壁
12 外ネジ
13 プルリング
14 隔壁
16 ハーフカット
15 フランジ部
17 凹部
18、181、182 リブ
19 突起部
20 底面
21 外周面
22 切断予定部
23 リブの頂面
100 容器本体
101 頂部
102 胴部
103 底部
105 脆弱部
106、106a、106b 屋根板
107 折込み板
108 折返し板
110 ブランク
111 側面板
112 底面板
113 シール部
114 注出孔
200 シート材
201 熱可塑性樹脂層
202 紙基材層
203 接着樹脂層
204 バリア層
204a 基材フィルム
204b 蒸着層
204c 金属箔
205 接着層
206 シーラント層
207a、207b 傷加工部
208 印刷層
Claims (7)
- 円筒状の側壁と、
前記側壁の一端縁から外方に延伸するように設けられた円盤状のフランジ部とを備える注出口栓であって、
前記側壁の外周面には、キャップを螺着するネジ山が形成されており、
前記フランジ部の前記側壁とは反対側の面である底面には、複数のリブによって仕切られた複数の凹部が環状に配置されて切断予定部が形成され、
前記複数のリブは、前記フランジ部の平面視において、前記フランジ部の内方から外方に向かって、前記キャップの螺着時の回転方向に対して直角未満の第1の所定角度の傾きをもって延伸するよう形成されている、注出口栓。 - 前記複数のリブとして、前記フランジ部の平面視において、前記フランジ部の内方から外方に向かって、前記キャップの螺着時の回転方向の逆方向に対して直角未満の第2の所定角度の傾きをもって延伸するリブがさらに複数形成されている、請求項1に記載の注出口栓。
- 前記第1の所定角度は60°である、請求項1または2に記載の注出口栓。
- 前記第2の所定角度は60°である、請求項2に記載の注出口栓。
- 前記複数のリブの頂面は前記フランジ部の前記底面と同一平面に含まれる、請求項1〜4のいずれかに記載の注出口栓。
- 前記フランジ部の前記凹部が形成された部分の厚さをd1とし、各前記凹部間が前記複数のリブのそれぞれによって隔てられる距離をd2とし、各前記凹部の幅をd3としたとき、d2≦d1≦d3をみたす、請求項1〜5のいずれかに記載の注出口栓。
- シート材を箱型に折曲げ、端部を重ね合わせてシールして形成され、注出孔が設けられた容器本体と、前記注出孔に取り付けられた請求項1〜6のいずれかに記載の注出口栓とを備える包装容器であって、
前記容器本体には、線状の脆弱部が形成され、
前記容器本体を前記脆弱部に沿って折曲げることによってできる折れ線は、前記注出孔を通過する、包装容器。
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