JP6185065B2 - 陰イオンセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、電解質分析装置の陰イオンセンサ、及びそれを用いた分析装置に関する。
電解質分析装置は、血液や尿などの生体サンプル(以下、試料と称する)に含まれるナトリウムイオン、カリウムイオン、塩素イオンなどの特定のイオン成分の定量に応用されている。生体液中の特定イオン濃度は、生体の代謝反応と密接な関係にあり、特定イオン濃度の測定により、高血圧症状、腎疾患、神経障害等の種々の診断が可能になる。
試料中のイオンの検出に用いられる方法の一つに、イオンセンサを用いて試料中の特定イオンを測定するものが知られている。このようなイオンセンサを用いた測定では、まず、既知濃度の標準試料を予め測定し、その測定結果から検量線を算出する。そして、内部標準液と試料との電位差を測定し、その電位差と検量線を用いて試料中の特定イオンの濃度を測定する。イオンセンサでは、対象とするイオンの活量aとイオンセンサが示す電位Eとの間に、Nernstの式(式1)が成立する。
E=E0+2.303[RT/(ZF)]log(a) ・・・式1
式1において、Rは気体定数、Tは絶対温度、Zはイオン価、Fはファラデー定数、E0は標準電極電位である。このようにイオンセンサを用いれば、電位を測定することによって、イオン濃度の定量が可能となる。
塩素イオンの測定に使用される陰イオンセンサとしては、Ag/AgClを用いる固体膜電極や、ポリ塩化ビニルの如き高分子支持膜中に有機化合物からなる感応物質(リガンド)を担持させた高分子支持液膜型電極などがあるが、生体液中の塩素イオンの測定には後者のセンサが一般的に使用されている。
陰イオンセンサでは、高分子を基本骨格とし、第4級アンモニウム塩を陰イオン交換基として含む陰イオン交換樹脂膜を用いた陰イオン交換膜が用いられている。第4級アンモニウム塩の陰イオンに対する選択性は、イオン交換膜と試料溶液間のイオンの分配性に依存しており、選択性の序列はイオンの水和性に関する、いわゆるホフマイスター系列と準拠する。例えば、親油性の高い陰イオンが共存すると、塩素イオンの測定値が妨害を受けやすいという問題があり、陰イオン選択性の向上を目的として、過去に多くの手法が提案されてきた。
例えば、特許文献1には、塩素イオンセンサの性能低下を防止するために、イオン交換膜の試料と接触しない面に二液混合系エポキシ樹脂を用いて被覆処理する方法が記載されている。
また、特許文献2には、塩素イオン感応膜の性能を向上するために、陰イオン交換樹脂膜を、メタフェニレンジアミンを溶媒に溶解した溶液に浸漬する第1の工程と、メタフェニレンジアミンが含浸した陰イオン交換樹脂膜を、ホルムアルデヒドと塩酸との混合液に浸漬して、メタフェニレンジアミンとホルムアルデヒドとの縮合物を生成する第2の工程を有する製造方法により製造する方法が記載されている。
また、特許文献3には、イオンセンサシステムの消耗品の保管性能向上のためアミノ配糖体系抗生物質を含有することにより、イオン選択性電極用溶液の保存性を向上する方法が記載されている。
また、特許文献4には、塩濃度を調節することにより菌の増殖を抑制し、長期的に抗菌効果を有する電解質分析装置用希釈液についても記載されている。
特開2003-207476号公報 特開平10-318973号公報 特許第3321461号 特許第4252383号
特許文献1および2には、陰イオンセンサの性能を向上させるための方法が開示されているが、その保管性については何ら検討されていなかった。また、陰イオンセンサは、製造されてから時間が経過すると性能が劣化し、正確な測定ができないという問題もある。
そのメカニズムについては報告がなく、保管寿命を延ばす製造方法についての報告もない。
特許文献3および4には、イオンセンサに使用する消耗品として、イオン選択性電極用溶液や希釈液の保管中に雑菌が繁殖することを防ぐための方法が開示されているが、イオンセンサそのものの保管寿命については検討されていない。
本発明は上記課題に鑑みて、イオンセンサそのものの保管寿命を延ばすことにより、従来の陰イオンセンサよりも保管寿命の長い陰イオンセンサを提供することにある。
本発明は、陰イオンセンサ内の内部溶液(内部ゲル液)のpHを調製することで実現する。
本発明によれば、安定した性能を維持し、より長い保管寿命を有する陰イオンセンサを提供することが可能である。
フローセル型陰イオンセンサの中央図 フローセル型陰イオンセンサの断面図(図1の上端a−a’と下端a−a’の面の断面図) フローセル型陰イオンセンサの断面図(図1の上端bと下端bの断面図) フローセル型陰イオンセンサの斜視図 本発明に記載の内部溶液(内部ゲル液)の保管性能評価結果 本発明が適用される生化学自動分析装置の構成図
以下、図面を参照して本発明を実施例により詳細に説明する。まず、本発明による陰イオン交換体を使用する陰イオンセンサの実施例について説明する。
なお、本発明におけるイオンセンサは図7のような生化学自動分析装置に備えて使用されることが多い。例えば図7の装置構成では、希釈槽130にサンプル用ポンプ107にて試薬を分注する。また、サンプリングプローブ127でサンプルディスク上に保持されている試料容器101から試料を吸引用ポンプ126で吸引し、イオンセンサ128へ測定試料を流す。発生した電位はAD変換器129にて信号処理する。
イオンセンサには、複数種類のイオンを測定可能なイオンセンサが並べて配置されていてもよいが、少なくとも陰イオンセンサは含まれているものとする。陰イオンセンサは、ポリ塩化ビニルの如き高分子支持膜中に有機化合物からなる感応物質(リガンド)を担持させた高分子支持液膜型電極で構成されており、高分子を基本骨格とし、第4級アンモニウム塩を陰イオン交換基として含む、被覆処理された陰イオン交換樹脂体が用いられている。
図1は、本発明の実施例1のフローセル型陰イオンセンサの構成を示す中央図である。図1の上端a−a’と下端a−a’を結んだ面の断面図を図2とする。なお、イオンセンサの構成は、フロー型に限定されるものではなく、イオンセンサの陰イオン交換体が試料に接する構成となっていれば良い。
直方体状のフローセル型センサ本体1の内部には、測定対象の液体を通過させ、かつ、一部に穴が設けられている流路3、流路の穴を介して流路内を流れる液体に接触するように、穴の周囲に配置された塩素イオン感応膜2、塩素イオン感応膜2に生じる電位を出力する内部電極4、内部電極4と塩素イオン感応膜を電気的に導通させる内部溶液(内部ゲル液)を収容するための空間5が設けられている。塩素イオン感応膜2は、アミン系化合物で被覆処理された、第4級アンモニウム塩を有する陰イオン交換体である。なお、陰イオンセンサとしての機能を果たすものであれば、何ら塩素イオン感応膜に限定されるものではない。流路3は、図1および図2の紙面に垂直方向に、センサ本体1を横断するように形成されており、直径は約1mmである。フローセル型センサ本体1内部には、Ag/AgClからなる内部電極4が設置されており、内部電極4は空間5内の内部溶液(内部ゲル液)を介して、塩素イオン感応膜2と電気的に導通している。内部電極の電位を測定することにより、流路3中を流れる液体中に含まれる塩素イオン濃度を測定することができる。
図2の中央部には凹部9が形成されている。生化学自動分析装置に陰イオンセンサを設置する場合、この凹部9を掴むことによって所定の位置にセンサをセットすることが可能である。
図3は、図1の陰イオンセンサの上端bと下端bの断面図、図4は陰イオンセンサの斜視図である。
図3から明らかなように、塩素イオン感応膜2は流路側に凸になるように配置されている。塩素イオン感応膜2の一方側は流路3の穴を介して流路中を流れる液体と接触しており、塩素イオン感応膜2の他の一方側は空間5内に満たされた内部溶液(内部ゲル液)に接触している。
また、複数個のフローセル型センサを並べて使用する場合には、センサ同士を接合するために、直径1mmの流路3が形成された面の一方側に円柱状の凸部8、反対側の面に凸部8に係合する凹部6を設けていることが望ましい。複数個のフローセル型センサを並べて使用する場合には、フローセル型センサの凸部8を、隣接した他のフローセル型センサの凹部6にはめ込むことにより、流路3がずれることなく連通することとなる。この場合、各フローセル型センサは互いに異なるイオン種を検出し、試料液を順次流路に導入して連続的に複数イオン種のイオン濃度を測定できる。
図4は、凸部8を上に向けて陰イオンセンサを置いた場合の斜視図である。凸部8の内部には直径1mmの流路3が形成されており、その周囲に液洩れ防止用のO−リング9を設けてある。
上記の陰イオンセンサを用いた塩素イオンの測定法の評価方法は次の通りである。陰イオン選択性の評価においては、塩素イオン感応膜に対する妨害イオンの中で、血清中に含まれており最も影響の大きいHCO3イオンの影響を考慮し、HCO3選択係数を評価対象とした。HCO3選択係数の評価については特許文献2と同じ方法を用いた。概要は、塩素イオンを含む試料溶液に妨害イオンとしてHCO3イオンを添加し、Nicolsky−Eisenmannの式によりHCO3選択係数を求めるものである。陰イオンセンサの性能の指標として、HCO3選択係数の数値が小さいほど陰イオン選択性が優れていることになる。保管時に性能が劣化したと判断したのは、HCO3選択係数が0.3に達した期間とした。
内部溶液(内部ゲル液)は、以下のように調製した。
内部溶液(内部ゲル液)には、よりpHを安定させるために緩衝液を使用しているが、何ら緩衝液に限定されるものではない。緩衝液はpH11以上ではpHの管理が難しくなるため、NaCl、KClをベースとしてpH緩衝液を追加し、各pHが、pH3.7、pH4.9、pH7.6、pH9.0、pH10.0、pH11.0になり、かつ内部溶液(内部ゲル液)内の塩素イオン濃度を、1mmol/L以上であれば問題ないが、ここでは90〜100mmol/Lになるように調製した。pH緩衝液は、例えばグッド緩衝液や生化学用緩衝液を用いる。
グッド緩衝液の具体例としては、例えば、MES(2−(N−Morphilino)ethanesulfonic acid)緩衝液、Bis−Tris(Bis(2−hydroxyethyl)iminotris(hydroxymethyl)methane)緩衝液、ADA(N−(2−Acetamido)iminodiacetic acid)緩衝液、PIPES(Piperazine−N,N’−bis(2−ethanesulfonic acid)緩衝液、ACES(N−(2−Acetamido)−2−aminoethanesulfonic acid)緩衝液、MOPSO(3−(N−Morpholino)−2−hydroxypropanesulfonic acid)緩衝液、BES(N,N−Bis(2−hydroxyethyl)−2−aminoethanesulfonic acid)緩衝液、MOPS(3−(N−Morpholino)propanesulfonic acid)緩衝液、TES(N−Tris(hydroxymethyl)methyl−2−aminoethanesulfonic acid)緩衝液、HEPES(N−2−hydroxyethylpiperazine−N’−2−ethanesulfonic acid)緩衝液、DIPSO(3−[N,N−Bis(2−hydroxyethyl)amino]−2−hydroxypropanesulfonic acid)緩衝液、TAPSO(N−Tris(hydroxymethyl)methyl−2−hydroxy−3−aminopropanesulfonic acid)緩衝液、POPSO(Piperazine−N,N’−bis(2−hydroxypropanesulfonic acid)緩衝液、HEPPSO(N−2−Hydroxyethylpiperazine−N−2−hydroxypropane−3−sulfonic acid)緩衝液、EPPS(N−2−Hydroxyethylpiperazine−N’−3−propanesulfonic acid、別名HEPPS)緩衝液、Tricine(Tris(hydroxymethyl)methylglycine)緩衝液、Bicine(N、N−Bis(2−hydroxyethyl)glycine)緩衝液、TAPS(N−Tris(hydroxymethyl)methyl−3−aminopropanesulfonic acid)緩衝液、CHES(2−(Cyclohexylamino)ethanesulfonic acid)緩衝液、CAPSO(3−N−Cyclohexylamino−2−hydroxypropanesulfonic acid)緩衝液、CAPS(3−Cyclohexylaminopropanesulfonic acid)緩衝液等が挙げられる。
生化学用緩衝液の具体例として、例えば、塩化アンモニウム緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液、クエン酸−第2リン酸ナトリウム系、塩酸−ベロナールナトリウム−酢酸ナトリウム系、第1リン酸カリウム−第2リン酸ナトリウム系、第1リン酸カリウム−ホウ砂系、第1リン酸カリウム−水酸化ナトリウム系、塩酸−コリジン系、塩酸−ベロナールナトリウム系、塩酸−トリスアミノメタン系、塩酸−ホウ砂系、ホウ酸−炭酸ナトリウム系、ホウ酸−ホウ砂系、塩酸−アミノメチルプロパンジオール系、塩化アンモニウム−アンモニア系、グリシン−水酸化ナトリウム系、ホウ酸−水酸化ナトリウム系、塩酸−ジメチルグリシンナトリウム系、ホウ砂−水酸化ナトリウム系、ホウ砂−炭酸ナトリウム系、セーレンセン緩衝液、グリシン−塩化ナトリウム−塩酸系、第2クエン酸ナトリウム−塩酸系、第2クエン酸ナトリウム−水酸化ナトリウム系、ホウ砂−塩化ナトリウム系、ミカエリス緩衝液、ベロナールナトリウム−酢酸ナトリウム−塩酸系、クラーク−ルブス緩衝液、ホウ酸−塩化カリウム−水酸化ナトリウム系、アトキンス−パンチン緩衝液、パリティッシュ緩衝液、コルトホフ緩衝液、マックイルベイン緩衝液、ハスチング−センドロイ緩衝液、ブリトン−ロビンソン緩衝液、マレイン酸塩緩衝液、トリス−マレイン酸塩緩衝液、ベロナール緩衝液、ベロナール−酢酸塩緩衝液、などが挙げられ、何らこれらに限定されるものではない。
本実施例においては、pH3.7、pH4.9の内部溶液を調整する際には、酢酸ナトリウム緩衝液を使用し、pH7.6、pH9.6の内部溶液(内部ゲル液)を調整する際にはCHES緩衝液を使用し、pH11.0の内部溶液(内部ゲル液)を調整する場合には、pHとNaイオンとKイオンとClイオンの濃度調整をより容易にするために、塩化アンモニウム緩衝液を使用した。
なお、本実施例においてイオン交換体は、特許文献2に記載されているイオン交換体と同様のものを使用するものとしたが、作製方法や組成はこれに限らず、弱塩基性の官能基を含むイオン交換体を使用し、アミン系化合物で被覆処理している場合、本発明は有効である。
図5は、本発明に記載の内部溶液(内部ゲル液)の保管性能評価の結果を示す図である。上記のように、pH値を調整した内部溶液(内部ゲル液)を作製し、陰イオンセンサに充填した。それぞれのpHの内部溶液(内部ゲル液)においてHCO3選択係数を測定し、各pHにおいて陰イオンセンサの保管寿命を調べた。陰イオンセンサの保管寿命は、上記記載の方法によりHCO3選択係数を求め、陰イオン選択性を評価した。内部溶液(内部ゲル液)のpHを横軸とし、保管寿命(HCO3選択係数が0.30を超過すると見込まれる時間)を縦軸に示した。内部溶液(内部ゲル液)のpHが3.7においては陰イオンセンサの保管寿命が基準値と比較しておよそ2倍になった。pH4.9においては基準値のおよそ3倍になり、pH7.6以上では2年以上保管していても内部ゲル液は劣化しない。さらにpH9.0〜11.0ではおよそ3年となった。
得られた測定値と、以下に述べる比較例の測定値とを同一のグラフにプロットしたものが図5に相当する。内部溶液(内部ゲル液)のpH値を酸性からアルカリ性のいずれかに調製することにより保管寿命を大幅に伸ばすことができることが分かる。さらにpH値を9.0以上とすれば3年以上の保管期間を置いた陰イオンセンサであっても問題無く使用することが可能となる。
陰イオン交換体や陰イオン交換体表面を被覆している縮合物は一般的に緻密化膜としての機能を果たしている。縮合物の構成はアミン系化合物であり、第4級アンモニウム塩のような解離している塩基性物質においては、pKa(酸解離係数)より低いpHではアミノ基のプロトン化や分子鎖の切断反応が起こりやすくなる。内部溶液(内部ゲル液)が酸性〜アルカリ性条件下においては、プロトンが膜へ移行せず、陰イオン交換体を被覆している縮合物のアミノ基のプロトン化が起こらず、縮合物は緻密化膜としての役割を果たしたため、選択性が維持されたものと考えられる。
比較例1
比較例として、NaCl、KClをベースとしてpH緩衝液を追加し、pH1.0になり、かつ内部溶液(内部ゲル液)内の塩素イオン濃度を、90〜100mmol/Lになるように調製して作製した陰イオンセンサの保管期限の見積もりを行った。
pH1.0の内部溶液(内部ゲル液)は、NaClまたはKClにH3BO3、CaCl2、HClのいずれか、あるいはこれらを組み合わせて調製し、または、NaCl、KClに塩酸‐塩化カリウム緩衝液、グリシン‐塩酸緩衝液、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸‐リン酸緩衝液、リン酸緩衝液のいずれかにより調製した。調製した内部溶液(内部ゲル液)を陰イオンセンサに充填し、HCO3選択係数を測定し、陰イオンセンサの保管寿命を調べた。陰イオンセンサの保管寿命および保管試験方法は実施例1と同様とした。
pH1.0の内部溶液(内部ゲル液)の保管寿命を図5に示す。内部溶液(内部ゲル液)のpHを横軸とし、保管寿命を縦軸に示した。内部溶液(内部ゲル液)がpH1.0では1年以内にHCO3選択係数が0.30を超えた。
陰イオン交換体や陰イオン交換体表面を被覆している縮合物は一般的に緻密化膜としての機能を果たしている。縮合物の構成はアミン系化合物であり、第4級アンモニウム塩のような解離している塩基性物質においては、pKa(酸解離係数)より低いpHではアミノ基のプロトン化や分子鎖の切断反応が起こりやすくなる。内部溶液(内部ゲル液)が酸性条件下において、プロトンが徐々に膜へ移行し、陰イオン交換体を被覆している縮合物内のアミノ基のプロトン化が起こり、縮合物にイオン応答機能が発現することで緻密化膜としての役割を果たさず、劣化が加速し選択性が低下したものと考えられる。
1:センサ本体、2:塩素イオン感応膜、3:流路、4:内部電極、5:内部溶液(内部ゲル液)、6:凹部、7:電極端子、8:凸部、9:O−リング

Claims (6)

  1. 塩基性の官能基を含むイオン交換体を使用した膜を、所定のpKaの電離基を有するアミン系化合物で被覆処理したイオン電極膜と、
    イオン電極膜の第一面の一部もしくは全面が試料に接することができるよう配置されており、該イオン電極膜の第二面の一部もしくは全面と接するように内部溶液を収容する内部溶液収容部と、
    該内部溶液収容部内に収容された内部溶液に接するように設けられた電極と、を容器内に配置した陰イオンセンサにおいて、
    内部溶液が、NaClまたはKClとpH緩衝液を含み、pHが前記イオン電極膜を被覆するアミン系化合物のpKa以上に調製されていることを特徴とする陰イオンセンサ。
  2. 請求項1記載の陰イオンセンサにおいて
    イオンセンサ本体内の内部溶液のpHがpH3.7から11の間のいずれかであることを特徴とする陰イオンセンサ。
  3. 請求項2に記載の陰イオンセンサにおいて、
    内部溶液中の陰イオンの濃度が1mmol/L以上であることを特徴とする陰イオンセンサ。
  4. 請求項1に記載の陰イオンセンサにおいて、
    内部溶液は、Bis−Tris(Bis(2−hydroxyethyl)iminotris(hydroxymethyl)methane)緩衝液、HEPES(N−2−hydroxyethylpiperazine−N’−2−ethanesulfonicacid)緩衝液、塩化アンモニウム緩衝液、CHES緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液のいずれかでpHを調製することを特徴とする陰イオンセンサ。
  5. 請求項1記載の陰イオンセンサを搭載する電解質分析装置。
  6. 請求項1記載の陰イオンセンサを搭載する生化学自動分析装置。
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