JP6183592B2 - 高純度電気銅の電解精錬方法 - Google Patents

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Description

本発明は、イオウ(S)等の不純物の含有量が少ない高純度電気銅およびその電解精錬方法に関し、さらに詳しくは、脆くなく、剥がれなく、しかも生産性がよいという特性を兼ね備えた高純度電気銅の電解精錬方法に関する。
従来、銅の電解精錬において、硫酸銅を用いた電解精錬では、特に銀(Ag)とSの含有量を下げることができず、5N(99.999%)以上の高純度電気銅を得ることが困難なため、硝酸銅を用いた電解精錬が行われている(例えば、特許文献1)。また、一時的に浴温を低下させ、さらに2段階目の電解精錬を行うことにより不純物を低減することも知られている(例えば、特許文献2)。さらに、添加剤として、Sを含まない安定で不純物の少ない合成高分子添加剤であるポリエチレングリコール(PEG)やポリビニルアルコール(PVA)を用いることで、AgとSを一層低下させることも知られている(例えば、特許文献3)。
最近では、高純度電気銅をボンディングワイヤの用途に使用する場合、不純物濃度、特にSの含有量がワイヤー破断の原因となるためSの低減が強く求められるようになってきた。
特公平3−4629号公報 特表2006−134724号公報 特許4518262号
しかしながら、前記特許文献1に開示されたような硝酸銅を用いた電解精錬では、Sの含有量を0.05ppm程度までしか低減できないという課題があった。また、前記特許文献2に開示されたような2段階の電解精錬を行う方法では、浴温を一時的に10℃以下にしてフィルタで不純物を除去しながら、2段階の電解により精錬を行う必要があり、設備的に費用がかかるという課題があった。さらに、前記特許文献3に開示されたような添加剤として、Sを含まないPEGやPVAを用いる方法では、析出する高純度電気銅中のSの含有量を0.005ppm以下とすることができ、品質を向上させることができる。
ところが、例えば、PEG1000とPVA500(1000および500は分子量を示す)を使用した場合、面積が30cm角未満の小型のカソード(SUS板)を用いる場合には問題がないけれども、面積が30cm角以上の大型のカソード(SUS板)を用いて電解を行うと、カソード上に析出した高純度電気銅が非常に脆くなるという現象が起こる。そのため、析出した高純度電気銅をSUS板から剥がす際に割れてしまうため、次の工程である鋳造に移行する高純度電気銅の歩留まりが悪くなり、結果として、最終製品である高純度電気銅の生産性が大きく低下するという課題があった。
一方、添加量の分子量を大きく(PEG2000以上)すると脆さは改善されるものの、分子量の増加に伴い電解中のカソード(高純度電気銅)中に引張応力が発生する。そして、この引張応力が大きくなると、カソードは電解中にSUS板から反るように剥がれてしまう。この現象も、面積が30cm角未満の小型のカソード(SUS板)を用い、電解時間が短い場合には、反ることはあっても剥がれることは殆どないため特に問題はない。しかしながら、量産化を行う場合、大面積のカソードを用いて可能な限り、高い電流密度にて電解を行うことが必須の条件となるが、このような条件下では、カソードに析出する高純度電気銅が、剥がれやすく、電解中に高純度電気銅がカソード板から剥がれ、電槽内に落下してしまうという課題があった。
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題、すなわち、本発明の目的は、大面積(例えば、100cm角)のカソード板を用いて高純度電気銅の電解精製を行った場合においても、(1)カソード板に析出する高純度電気銅が十分な剛性を有している、(2)電解中にカソード板に析出する高純度電気銅が剥がれない、(3)電流密度を上げて電解を行うことにより生産性を上昇させることができる、という3つの条件を満たす高純度電気銅の電解精製方法を提供することである。
本発明者らは、大面積(例えば、100cm角)のカソードを用いて高純度電気銅の電解精製を行った場合においても下記の(a)〜(c)の条件のいずれか、および、(d)を満足する電解条件で電解精錬を行った場合、(1)脆くない、(2)剥がれない、という条件を満たす高純度電気銅が得られるという知見を得た。
(a)電解条件が、PEGの分子量が1000では、電流密度:1.2〜2.2A/dm
(b)電解条件が、PEGの分子量が1500では、電流密度:0.8〜1.7A/dm
(c)電解条件が、PEGの分子量が2000では、電流密度:0.4〜1.2A/dm
のいずれかであり、
(d)電解液中の添加剤濃度:20ppm以上(原単位換算をした場合、500mg/析出銅1kg以上)
前記(a)〜(c)の条件のいずれか、および、(d)を満足する電解条件で得た高純度電気銅は、Sの含有量が0.01ppm以下であるとともに、すぐれた剛性を有し、耐剥離性にもすぐれていることを解明した。さらに、その高純度電気銅は、結晶子サイズ、配向指数が所定の関係を有していることも突き止め、これまで手探りであった電解条件と、析出する高純度電気銅の機械的特性と、結晶レベルの構造との関係が明らかとなり、再現性よく、高品質の高純度電気銅を高い生産性レベルで電解精製することに道を拓いた。
本発明は、前記知見に基づいてなされたものであって、
「(1)硝酸銅溶液からなる電解液と面積が30cm角以上のステンレスからなるカソード電極と銅からなるアノードを用いて電解することにより前記カソード電極上に高純度電気銅を析出させる高純度電気銅の電解精製方法において、
(a)前記電解液が、ポリエチレングリコールとポリビニルアルコールの混合物からなる添加剤を20ppm以上含有し、
(b)析出する前記高純度電気銅1kgあたり500mg以上の量で前記添加剤を前記電解液に添加し、
(c)前記ポリエチレングリコールの分子量をZ、電解時の電流密度をX(A/dm)とするとき、1000≦Z≦2000、前記電流密度Xが
1.2−(Z−1000)×0.0008≦X≦2.2−(Z−1000)×0.001
の関係を満たす条件で電解することを特徴とする高純度電気銅の電解精製方法。
(2) 前記カソード電極が、面積が30cm角以上100cm角以下のステンレスからなることを特徴とする(1)に記載の高純度電気銅の電解精製方法。
(3) 前記ポリエチレングリコールとポリビニルアルコールの混合物からなる前記添加剤の混合比率が、体積比で4:1〜1:1であることを特徴とする(1)または(2)に記載の高純度電気銅の電解精製方法。
を特徴とするものである。
つぎに、本発明について詳細に説明する。
本発明の高純度電気銅の電解精製方法の最も重要な特徴は、電解液中に含有させるPEGとPVAを混合させてなる添加剤の濃度管理と、PEGの分子量に応じた電解時の電流密度管理にある。まず、第1の特徴は、添加剤の含有量を20ppm以上となるように濃度管理することにある。この添加剤は電解と共に消費されるため、適切な量を常時補充する。濃度管理を行うことで、電解による添加剤の消費以外の要因(電解液の希釈)によって添加剤が減少した場合にも、濃度を調整することで、常に20ppm以上を保ち、安定して電解を行うことができる。ここで、添加剤の含有量を20ppm以上とする理由は、添加剤には、電解時におけるカソード平面を平滑にするとともに不純物の共析を抑制するという効果があるが、20ppm未満であると、この効果が十分に発揮されず、高純度で高品質な高純度電気銅を得ることができない。一方、本発明においては、特に限定はしていないが、添加剤の含有量が400ppmを超えると、アノードの電流効率が低下する傾向にある。そこで、添加剤の含有量は400ppm以下とすることが好ましい。添加剤の含有量は、更に好ましくは20〜80ppmである。また、PEGとPVAを混合させてなる添加剤のPEG:PVAの好ましい混合比率は体積比で4:1〜1:1である。
電解液中の添加剤の含有量を20ppm以上に保つためには、原単位換算をした場合、添加剤は500mg/析出銅1kg以上は必要となる。これを、前述した特許文献3に開示された先行技術と比較してみると、特許文献3に開示された先行技術では、同文献の表1に記載されているように添加剤を300mg/析出銅1kgしか補充しておらず、その結果、カソード電極に析出した高純度電気銅は脆く、電解液面側の結晶子サイズも400nmを超えており、本発明品に比べ特性が十分でないことがわかる(詳細は後述する比較例参照)。
また、本発明の第2の特徴は、PEGの分子量に応じて電解時の電流密度を適切に制御することである。
すなわち、本発明者らは、PEGの分子量が大きくなるほど電解時に、カソード電極に析出する高純度電気銅に大きな引張応力が働くことを見出した。これは、PEGの分子量が大きくなるほど金属に対する親和力が大きくなり、カソード電極表面への吸着力も大きくなるため、高純度電気銅の析出に伴い、引張応力が高純度電気銅の中に次第に蓄積され、その結果として、高純度電気銅に大きな応力が働くためである。
そこで、本発明者らは、PEGの分子量が大きくなるにつれて、電解時の電流密度を低減させることにより、カソードに析出する高純度電気銅に過度な応力を加えることなく、高品質な高純度電気銅を得ることに成功した。
具体的には、電解条件が、PEGの分子量をZ、電解時の電流密度をX(A/dm)とするとき、PEGの分子量Zが1000≦Z≦2000、電解時の電流密度Xが1.2―(Z−1000)×0.0008≦X≦2.2−(Z−1000)×0.001の関係を満たす条件で電解する。
PEGの分子量Zは、好ましくは1000〜1500である。
電解条件を前述のように定めた理由は、本発明者らがデータマイニング(大量のデータを統計的、数学的手法で分析し、法則や因果関係を見つけ出す技術)の手法を用いて調べたところ、高純度電気銅が電解中にカソード電極から剥がれる、もしくは得られる高純度電気銅が脆くなる事と電流密度との間には、前述の関係式のような関係があることを見出した。
図1は、PEGの分子量(Z)と電流密度(X)を種々の値に設定して電解を行い、高純度電気銅の剥がれ及び脆さを評価した結果を示す。
電流密度(X)が2.2−(Z−1000)×0.001で算出される値よりも大きい場合、高純度電気銅に剥がれが生じた。すなわち、図1にプロットした電解条件がX=2.2−(Z−1000)×0.001の線分よりも上に位置すると、剥がれが生じた。
電流密度(X)が1.2−(Z−1000)×0.0008で算出される値よりも小さい場合、高純度電気銅が脆いことが分かった。すなわち、図1にプロットした電解条件がX=1.2−(Z−1000)×0.0008の線分よりも下に位置すると、脆くなった。
以上の結果から、上述した関係式が得られた。
実際には、市販されているPEGは、分子量を任意に選べるわけでなく、ある程度、特定されている。
本発明の場合、利用しやすいPEGとしては、分子量が1000、1500、2000のものであり、各PEGに対応する電解条件は、
PEGの分子量:1000では、電流密度:1.2〜2.2A/dm
PEGの分子量:1500では、電流密度:0.8〜1.7A/dm
PEGの分子量:2000では、電流密度:0.4〜1.2A/dm
となる。
本発明によれば、大掛かりな設備を必要とすることなく、大面積ですぐれた剛性と耐剥離性を有するS含有量0.01ppm以下を満足する高純度電気銅を得ることができる電解精製方法が提供される
PEGの分子量と電流密度を種々の値に設定して電解を行い、高純度電気銅の剥がれ及び脆さを評価した結果を示す図である。 本発明品および比較品の脆さの評価に用いた3点曲げ試験の説明図である。
つぎに、本発明について、実施例および比較例により具体的に説明する。
なお、以下に詳述した実施例および比較例においては、添加剤に用いるPEGおよびPVAは、市販されている入手しやすいものを用いているが、本発明の高純度電気銅の電解精製方法は、電解液がPEGとPVAの混合物からなる添加剤を20ppm以上含有し、PEGの分子量をZ、電解時の電流密度をX(A/dm)とするとき、1000≦Z≦2000、電流密度Xが1.2―(Z−1000)×0.0008≦X≦2.2−(Z−1000)×0.001の関係を満たすものであれば、PEGおよびPVAは市販のものに限定されない。
硝酸銅溶液からなる電解液のS含有量を1ppm以下に調整し、添加剤として、分子量が1000、1500、2000のPEGと分子量が500、2000のPVAとをそれぞれ、体積比で4:1の配分で混合し、40ppmに維持し、表1に示した電流密度で電解を行った。浴温は、すべて30℃とした。カソードは、ステンレスを用い、カソード面積は100cm×100cmとした。発明品1〜10、比較品1、2、4、5は、電解液中の添加剤の含有量を原単位換算で900mg/析出銅1kgとすることにより、添加剤の含有量を40ppmに維持した。比較品3は、電解液中の添加剤の含有量を原単位換算で150mg/析出銅1kgとすることにより、添加剤の含有量を20ppm未満とした。電解時間は、すべて5日間とした。以上のような条件で本発明品1〜10および比較品1〜5を作成した。そして、本発明品1〜10、比較品1〜5について、電解液面側の結晶子サイズ、カソード電極側の結晶子サイズ、カソード電極側の結晶の配向指数、カソード電極からの剥がれの有無、析出した高純度電気銅の脆さ、応力について測定した。応力はめっき膜の内部応力の評価方法の1つである、ストリップ応力測定法を用い、測定装置は藤化成株式会社のストリップ式電着応力試験器を使用した。その結果を表1に示した。
結晶子サイズは、高純度電気銅は結晶子の大きさが十分に大きく、格子歪みが存在しないと仮定できるので、X線回折法(XRD法)で高純度電気銅のカソード電極側の表面研磨面と電解液面側の表面研磨面にそれぞれX線を照射し(Bruker社製、AXS D8 Advanceにて測定)、得られた回折線をBruker社製 解析ソフトTOPASを使用して結晶子サイズを算出した。
また、カソード電極側の表面研磨面から観察された回折ピーク、特に(1,1,1)面の回折ピークと(2,2,0)面の回折ピークを比較することにより、カソード電極側の高純度電気銅の配向指数を求めた(Bruker社製、AXS D8 Advanceにて測定)。
前記XRD法の具体的な測定方法は、使用装置として、Bruker社製、AXS D8 Advanceを用い、使用管球・波長は、CuKα・1.54Åを使用し、サンプルサイズは、1.5cm×1.5cmに切断し、電解液面側とカソード電極側を測定した。測定範囲は、2θ=40〜100°を測定した。
カソード電極からの剥がれの有無については、目視にて行った。ステンレスのカソード電極面から少しでも剥がれたものについては、剥がれ「あり」とした。また、脆さについては、各サンプルから15mm(W)×50mm(L)×0.25tの試験片を切り出し、図1に示すような3点曲げ試験を行い、試験速度5mm/min.の荷重で割れたものは「あり」とし、割れなかったものは「なし」とした。
また、本発明品1〜10および比較品1〜5について、グロー放電質量分析法(GDMS)によってSの含有量を測定した結果、いずれも0.01ppm以下であった。さらに、C、S、N、H、O、Cl、Fを除いた後の金属不純物(測定する元素は、Ag、Al、など合計46元素)を測定した結果、いずれも金属不純物合計の含有量が1ppm以下、すなわち6N以上の高純度電気銅であることが確認できた。
なお、表1からもわかるように、従前の高純度電気銅の課題であった「剥がれ」および「脆さ」を克服するためには、PEGの分子量が1000の場合、電流密度は1.2〜2.2A/dm、PEGの分子量が2000の場合、電流密度は0.4〜1.2A/dmという条件で電解を行う必要があることがわかった。また、添加剤としてPEGと一緒に使用したPVAの分子量は、発明品1〜9と発明品10の結果から明らかなように本発明の効果に有意な差を与えるものでないことが確認できた。
表1の結果からわかるように、本発明の条件を満たす電解条件で精製した高純度電気銅は、いずれもカソード電極から剥がれることもなく、また、十分な剛性を有していることが確認できた。また、剥がれることもなく、かつ、十分な剛性を有している(脆くない)高純度電気銅は、電解面側結晶子サイズが400nm以下で、カソード電極側結晶子サイズが140nm以上で、カソード電極側の(1,1,1)面の配向指数が(2,2,0)面の配向指数より大きいことが特定できた。結晶子サイズは本発明ではおおむね、電解面側の結晶子サイズは200〜400nmであり、好ましくは290〜350nm。カソード電極側の結晶子サイズは140〜200nm、好ましくは155〜170nmであった。
一方、本発明の条件から外れる電解条件で精製した高純度電気銅は、剥がれか脆さのいずれかが劣るものであることが確認できた。
前記の通り、本発明によれば、大面積の高純度電気銅を精製することができ、しかも、電解中にカソード電極から剥がれたり、カソード電極から剥がす際に脆くて割れてしまったりというようなことがないので、高純度電気銅の生産性を著しく向上させるものである。この結果、硬度を低下させ、細線化に適合できる銅材を得ることが可能となる。特に、高音質を目標とするオーディオケーブル用導体や、信号の高速高品質伝送を目標とする半導体素子用のボンディングワイヤなどの細線化が可能となる。

Claims (3)

  1. 硝酸銅溶液からなる電解液と面積が30cm角以上のステンレスからなるカソード電極と銅からなるアノードを用いて電解することにより前記カソード電極上に高純度電気銅を析出させる高純度電気銅の電解精製方法において、
    (a)前記電解液が、ポリエチレングリコールとポリビニルアルコールの混合物からなる添加剤を20ppm以上含有し、
    (b)析出する前記高純度電気銅1kgあたり500mg以上の量で前記添加剤を前記電解液に添加し、
    (c)前記ポリエチレングリコールの分子量をZ、電解時の電流密度をX(A/dm)とするとき、1000≦Z≦2000、前記電流密度Xが
    1.2−(Z−1000)×0.0008≦X≦2.2−(Z−1000)×0.001
    の関係を満たす条件で電解することを特徴とする高純度電気銅の電解精製方法。
  2. 前記カソード電極が、面積が30cm角以上100cm角以下のステンレスからなることを特徴とする請求項1に記載の高純度電気銅の電解精製方法。
  3. 前記ポリエチレングリコールとポリビニルアルコールの混合物からなる前記添加剤の混合比率が、体積比で4:1〜1:1であることを特徴とする請求項1または2に記載の高純度電気銅の電解精製方法。
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