JP6740801B2 - 高純度銅電解精錬用添加剤と高純度銅製造方法 - Google Patents

高純度銅電解精錬用添加剤と高純度銅製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、塩素および銀の少ない高純度の銅を製造する銅電解精錬用の添加剤とその高純度銅製造方法に関する。
高純度銅の製造方法として、特許文献1に記載されているように、硫酸銅水溶液を電解し、陰極に析出した銅を陽極にしてさらに硝酸銅水溶液中において100A/m以下の低電流密度で再電解する二段階の電解を行う方法が知られている。
また、特許文献2に記載されているように、塩化物イオン、ニカワ等、および活性硫黄成分を含む硫酸銅電解液にPEG(ポリエチレングリコール)等のポリオキシエチレン系界面活性剤を添加することによって機械的特性とカソード密着性を高めた電解銅箔の製造方法が知られている。さらに、特許文献3に記載されているように、PVA(ポリビニルアルコール)等の平滑化剤とPEGなどのスライム促進剤を添加することによって銅表面が平滑で、不純物である銀や硫黄の含有量が少ない高純度電気銅を製造する方法が知られている。
特公平08−990号公報 特開平2001−123289号公報 特開2005−307343号公報
従来の銅電解精錬では、電解液に塩化物イオンが添加されており、その効果として、カソードに析出する電気銅の形態を改善すること及び、電解液中の銀イオンを塩化銀粒子として沈殿させることで、電解液中から銀イオンを析出させて、カソードへの銀の共析を防ぐことが挙げられる。しかし、塩化物イオンだけでは電解液中の銀イオンをすべて析出させることができず、さらに添加された塩化物イオンがカソードに移行し、電気銅の純度が低下するという問題があった。よって、従来の銅電解精錬では銀と塩素の含有量を低減することが難しい。
例えば、特許文献1の製造方法のように、硫酸銅浴の電解と硝酸銅浴の電解を行う二段階の製造方法では電解に手間がかかる問題がある。また、特許文献2〜3のように、PEGやPVAだけではカソードに析出する電気銅の塩素および銀の含有量を十分に低減することができない。
本発明は、従来の上記問題を解決したものであり、塩素および銀の少ない高純度の銅を容易に製造する銅電解精錬用の添加剤と該添加剤を用いた高純度銅の製造方法を提供する。
本発明は、上記課題を解決する以下の高純度銅電解精錬用添加剤に関する。
〔1〕銅電解精錬の電解液に添加される添加剤であって、電気銅の銀および塩素を低減するテトラゾールまたはテトラゾール誘導体(テトラゾール類と云う)を含み、さらに電気銅の応力を緩和する平均重合度200〜700のポリビニルアルコールまたはその誘導体を含むことを特徴とする高純度銅電解精錬用添加剤。
〔2〕上記テトラゾール誘導体が、テトラゾールのアルキル誘導体またはアミノ誘導体またはフェニル誘導体である上記[1]に記載する高純度銅電解精錬用添加剤。
〔3〕上記ポリビニルアルコールまたはその誘導体のケン化率が70〜99mol%である上記[1]または上記[2]に記載する高純度銅電解精錬用添加剤。
〔4〕上記ポリビニルアルコールの誘導体が、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、エチレン変性ポリビニルアルコール、またはポリオキシエチレン変性ポリビニルアルコールである上記[1]〜上記[3]の何れかに記載する高純度銅電解精錬用添加剤。
〔5〕上記添加剤が、上記テトラゾール類および平均重合度200〜700のポリビニルアルコールまたはその誘導体と共に、電気銅の不純物を低減するポリエチレングリコール、または芳香族環の疎水基とポリオキシアルキレン基の親水基とを有する非イオン性界面活性剤を含む上記[1]〜上記[4]の何れかに記載する高純度銅電解精錬用添加剤。
〔6〕上記芳香族環の疎水基とポリオキシアルキレン基の親水基とを有する非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンモノフェニルエーテル、またはポリオキシエチレンナフチルエーテルである上記[5]に記載する高純度銅電解精錬用添加剤。
本発明は、また上記高純度銅電解精錬用添加剤を用いた以下の高純度銅の製造方法に関する。
〔7〕上記[1]〜上記[6]の何れかに記載する添加剤を電解液に添加して銅電解精錬を行う高純度銅の製造方法。
〔8〕上記[7]の製造方法において、上記添加剤に含まれるテトラゾール類の添加濃度が0.1〜30mg/Lである高純度銅の製造方法。
〔9〕上記[7]または上記[8]の製造方法において、上記添加剤に含まれる上記ポリビニルアルコールまたはその誘導体の添加濃度が0.1〜100mg/Lである高純度銅の製造方法。
〔10〕上記[5]または上記[6]に記載する上記添加剤を用いた上記[7]の製造方法において、上記添加剤に含まれる上記ポリエチレングリコール、または上記非イオン性界面活性剤の添加濃度が2〜500mg/Lである高純度銅の製造方法。
〔11〕塩素含有量50質量ppm以下および銀含有量1質量ppm以下の高純度電気銅を製造する上記[7]〜上記[10]の何れかに記載する製造方法。
〔具体的な説明〕
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明は、銅電解精錬の電解液に添加される添加剤であって、電気銅の銀および塩素を低減するテトラゾールまたはテトラゾール誘導体(テトラゾール類と云う)を含み、さらに電気銅の応力を緩和する平均重合度200〜700のポリビニルアルコールまたはその誘導体を含むことを特徴とする高純度銅電解精錬用添加剤に関する。上記テトラゾール類を銀塩素低減剤と云い、上記平均重合度200〜700のポリビニルアルコールまたはその誘導体を応力緩和剤と云う。
また、本発明の上記添加剤は、上記テトラゾール類および上記平均重合度200〜700のポリビニルアルコールまたはその誘導体と共に、電気銅の不純物を低減するポリエチレングリコール、または芳香族環の疎水基とポリオキシアルキレン基の親水基とを有する非イオン性界面活性剤を含むことができる。上記ポリエチレングリコール、または芳香族環の疎水基とポリオキシアルキレン基の親水基とを有する非イオン性界面活性剤を不純物低減剤と云う。
さらに、本発明は、上記添加剤を電解液に添加して銅電解精錬を行う高純度銅の製造方法に関する。
本発明はテトラゾール類を高純度銅電解精錬の銀塩素低減剤として用いる。テトラゾール類はテトラゾールまたはテトラゾール誘導体である。テトラゾール誘導体は、例えば、テトラゾールのアルキル誘導体、またはアミノ誘導体、またはフェニル誘導体を用いることができる。具体的には、銀塩素低減剤として、1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾールなどを用いることができる。
本発明のテトラゾール類からなる銀塩素低減剤は、銅電解精錬において電解液に添加して使用され、電気銅の塩素および銀の含有量を低減する。銀塩素低減剤として用いるテトラゾール類は、電解液中の銀イオンと難溶性の塩を形成し、電解液中の銀イオンが減少することでカソードに銀を析出し難くし、また上記テトラゾール類は電解液中の塩化物イオンとも作用して塩化物がカソードに析出するのを防止する。一方、電解液中の銅イオンは電解液中でテトラゾール類と難溶性の塩を形成せず、銀イオンと塩化物イオンのみがテトラゾール類に選択的に作用されるので、銅イオンの電析はテトラゾール類に妨害されることなく、塩素含有量および銀含有量が大幅に少ない電気銅を得ることができる。具体的には、例えば、本発明の銀塩素低減剤を用いると、カソードに析出する電気銅の塩素濃度および銀濃度を、これを用いないときの各々約1/4〜約2/3に低減することができる。
一方、従来のように塩化物イオンを電解液に添加して液中の銀イオンと反応させ、塩化銀を沈殿させる方法では、塩化物イオンだけで液中の銀イオンを全て塩化銀として沈殿させることは難しいため、カソードに銀が析出し、電気銅の銀含有量が高くなる。このため本発明のような銀含有量の少ない電気銅を得ることができない。
銀塩素低減剤の添加濃度(電解液中の濃度)は0.1〜30mg/Lが好ましく、0.5〜10mg/Lがより好ましい。銀塩素低減剤の添加濃度が0.1mg/Lよりも少ないと、十分な効果がなく、30mg/Lより多いとカソードの電析状態が悪化し、粗大なデンドライト(以下、カソードに析出する樹枝状の析出物をデンドライトとする)が発生する。発生するデントライトは電解条件によっては、長さ2cm以上になる場合もある。
本発明の銀塩素低減剤と共に、ポリエチレングリコール、または芳香族環の疎水基とポリオキシアルキレン基の親水基とを有する非イオン性界面活性剤からなる不純物低減剤を用いることによって、電気銅の硫黄含有量を低減することができ、また銀含有量をさらに低減することができる。具体的には、例えば、ポリエチレングリコールもしくは芳香族環の疎水基とポリオキシアルキレン基の親水基とを有する非イオン性界面活性剤からなる不純物低減剤を電解液に添加することによって、電気銅の表面が平滑になり、電解液中の銀イオンおよび硫酸イオンが電気銅表面に付着し難くなるので、電気銅の銀濃度および硫黄濃度を大幅に低減することができる。
不純物低減剤は、ポリエチレングリコール、または芳香族環の疎水基とポリオキシアルキレン基の親水基とを有する非イオン性界面活性剤からなる。芳香族環の疎水基とポリオキシアルキレン基の親水基とを有する非イオン性界面活性剤は、例えば、疎水基はフェニル基またはナフチル基などであり、モノフェニル、ナフチル、クミル、アルキルフェニル、スチレン化フェニルモノフェニル、ナフチル、クミル、アルキルフェニル、スチレン化フェニル、ジスチレン化フェニル、トリスチレン化フェニル、トリベンジルフェニルなどなどが挙げられる。親水基のポリオキシアルキレン基は、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基などであり、ポリオキシエチレン基とポリオキシプロピレン基の両方を含むものでも良い。また、親水基のポリオキシアルキレン基の付加モル数は2〜20が好ましい。該付加モル数が2を下回ると不純物低減剤は電解液に溶解しない。また、該付加モル数が20を上回ると電気銅の収率が低下する傾向がある。親水基のポリオキシアルキレン基の付加モル数は2〜15であることがより好ましい。
不純物低減剤の具体的な化合物は、例えば、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンモノフェニルエーテル、ポリオキシエチレンメチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンモノフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンメチルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンナフチルエーテル、ポリオキシプロピレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシプロピレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシプロピレントリスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシプロピレンクミルフェニルエーテルなどである。
不純物低減剤の添加濃度(電解液中の濃度)は2〜500mg/Lの範囲が好ましく、10〜300mg/Lの範囲がより好ましい。不純物低減剤の濃度が2mg/Lを下回り、また500mg/Lより多くても電気銅の硫黄含有量を低減する効果は不十分である。
本発明の添加剤は、電気銅の銀および塩素を低減するテトラゾール類と共に、電気銅の応力を緩和する平均重合度200〜700のポリビニルアルコールまたはその誘導体(応力緩和剤)を含むことによって、カソードに析出する電気銅の反りが殆どなく、かつ硫黄含有量がより少ない電気銅を得ることができる。
上記応力緩和剤は、カソードに析出する電気銅の電着応力を緩和して該電気銅がカソードから落下するのを防止する。また、電着応力が緩和されることによって電気銅がカソードに長時間安定に保持されるので、緻密に析出した表面が平滑な電気銅が得られる。
応力緩和剤として用いるポリビニルアルコール誘導体は、例えば、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、エチレン変性ポリビニルアルコール、またはポリオキシエチレン変性ポリビニルアルコールである。
上記ポリビニルアルコールまたはその誘導体はケン化率70〜99mol%が好ましく、ポリビニルアルコールまたはその誘導体のケン化率を70〜90mol%とすることがより好ましい。ケン化率が70mol%未満であると、電着応力を緩和する効果が乏しくなる。一方、完全にケン化したもの(ケン化率100mol%)は溶解性が著しく低下し、ポリビニルアルコールまたはその誘導体を電解液に溶かし込めなくなる。
上記応力緩和剤のポリビニルアルコールまたはその誘導体は平均重合度200〜700が好ましい。ポリビニルアルコールおよびその誘導体の基本構造は水酸基の完全ケン化型と酢酸基を有する部分ケン化型から成り立っており、ポリビニルアルコールおよびその誘導体の重合度はその両者の総数であり、平均重合度は重合度の平均値である。平均重合度はJISK6726のポリビニルアルコール試験方法に基づいて測定することができる。
ポリビニルアルコールまたはその誘導体の平均重合度が200未満であると、電着応力を緩和する効果が乏しくなる。また、ポリビニルアルコールまたはその誘導体の平均重合度が200未満のものは、製造上困難なものもあり、かつ一般的に使用されていないため入手が難しい。一方、上記平均重合度が700を大幅に超えると、電着応力を緩和する効果が乏しくなるのでカソードに析出した電気銅に反りが発生するようになり、さらに電着抑制効果が生じて電気銅の収率が低下する傾向がある。従って、ポリビニルアルコールまたはその誘導体の平均重合度は200〜700が好ましい。
上記応力緩和剤の添加濃度(電解液中の濃度)は0.1〜100mg/Lの範囲が好ましく、1〜50mg/Lの範囲がより好ましい。応力緩和剤の添加濃度が0.1mg/Lより少ないと電気銅の反りを抑制する効果が不十分であり、また100mg/Lより多いと、電気銅の反りを抑制する効果が見られず、粗大なデンドライトが発生する。
本発明の銀塩素低減剤は、硫酸銅水溶液、硝酸銅水溶液、またはピロリン酸銅水溶液の何れの銅電解液についても使用することができる。本発明の銀塩素低減剤と共に上記不純物低減剤または応力緩和剤、あるいはこれらの両方を用いる場合にも上記何れの電解液について使用することができる。銅電解は一般の銅電解条件下で行うことができる。通常、電解液の銅濃度は5〜90g/Lが好ましく、20〜70g/Lがより好ましい。
なお、本発明の銀塩素低減剤、あるいは該銀塩素低減剤と共に不純物低減剤や応力緩和を使用する場合、塩化銅浴以外の電解液については、電解液の塩化物イオン濃度は200mg/L以下が好ましい。塩化物イオン濃度が200mg/Lを上回ると、銀塩素低減剤の塩素低減効果が低下して電気銅に塩化物が取り込まれやすくなり、電気銅の純度が低下するので好ましくない。なお、塩化物イオン濃度の下限値を5mg/Lとすることが好ましく、塩化物イオン濃度を5〜150mg/Lとすることがより好ましい
本実施形態の添加剤が上記銀塩素低減剤と上記不純物低減剤とを含む場合、該添加剤を電解液(銅電解液)に添加したときの電解液中における濃度比が(1:0.2〜2000)(銀塩素低減剤濃度:不純物低減剤濃度)となるように上記銀塩素低減剤と上記不純物低減剤とが混合されていることが好ましい。また、本実施形態の添加剤が上記不純物低減剤と上記応力緩和剤とを含む場合、該添加剤を電解液(銅電解液)に添加したときの電解液中における濃度比が(1:0.01〜1)(不純物低減剤濃度:応力緩和剤濃度)となるように上記不純物低減剤と上記応力緩和剤とが混合されていることが好ましい。
銅電解精錬において、本発明の銀塩素低減剤を用いることによって、銀含有量および塩素含有量ない高純度の電気銅を得ることができる。具体的には、塩素含有量50質量ppm以下および銀含有量1質量ppm以下の高純度電気銅を得ることができる。
銅電解精錬において、本発明の銀塩素低減剤と共に不純物低減剤や応力緩和剤を用いることによって、さらに銀含有量が少なく、また硫黄含有量が少なく、カソードからの反りや剥離の無い高純度の電気銅を得ることができる。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示す。
実施例および比較例において、(イ)電気銅の硫黄濃度、塩素濃度および銀濃度はGD−MS(グロー放電質量分析法)によって電気銅の中央部を測定した。(ロ)電気銅表面の光沢度は、JIS Z 8741:1997(ISO 2813:1994、ISO 7668:1986に対応)に基づき、光沢度計(日本電色社製品、HANDY GLOSSMETER PG-1M)を用いて入射角60°の条件で電気銅の中央部を測定した。光沢度が低いと電気銅表面に付着した電解液を十分に水洗洗浄し難いために電気銅表面に電解液が残留し易くなり、電気銅の純度が低下する。また電気銅に粗大なデンドライトが発生したものは、光沢度計が電気銅の上に置けず、光沢度が測定できないため、×とした。(ハ)電気銅の反りを目視観察によって判断した。反りが見られないものを○印、反りが小さいものを△、反りが大きく剥離が見られるものを×印で示した。(ニ)電気銅に粗大なデンドライトが見られるものをあり、見られないものをなしとした。
〔試験例1〕
本発明の添加剤に含まれる銀塩素低減剤(A、B、C)について、酸濃度50g/L、銅濃度50g/L、塩化物イオン濃度100mg/Lに調整した硫酸銅水溶液、硝酸銅水溶液、またはピロリン酸銅水溶液を銅電解液として用い、該銅電解液に、上記銀塩素低減剤を表1に示す濃度になるように加えた。また、アノードには硫黄濃度5質量ppmおよび銀濃度8質量ppmの電気銅を用い、カソードにはSUS316の板を用いた。電流密度を200A/m、浴温30℃にて5日間銅電解を行ない、12時間ごとにODSカラムを用いたHPLCによって銀塩素低減剤濃度を測定し、銀塩素低減剤濃度が初期の濃度を維持するように減少分を補給して電気銅をSUS板上に電析させた。使用した銀塩素低減剤(A、B、C)を以下に示す。結果を表1に示す。
銀塩素低減剤A:1H−テトラゾール
銀塩素低減剤B:5−アミノ−1H−テトラゾール
銀塩素低減剤C:5−メチル−1H−テトラゾール
表1に示すように、本発明の銀塩素低減剤を添加して製造した電気銅は、何れも反りが小さく、硫黄濃度10質量ppm未満、銀濃度2質量ppm未満、および塩素濃度80質量ppm未満の不純物の少ない高純度の電気銅が得られる。特に、銀塩素低減剤Aを用い、該Aの濃度を0.1〜30mg/Lの範囲に調整して製造した電気銅は、硫黄濃度7.3質量ppm以下、銀濃度1質量ppm以下、および塩素濃度51質量ppm以下であり、硫黄、銀、および塩素の各濃度が大幅に低減され、かつ電気銅表面に粗大なデンドライトが無く、光沢度0.8以上の高品位の電気銅を得ることができる。
また、銀塩素低減剤Bを用い、該Bの濃度10mg/Lにて製造した電気銅は、硫酸浴および硝酸浴の何れでも、硫黄濃度5.8質量ppm以下、銀濃度0.52質量ppm以下、塩素濃度42質量ppm以下であって光沢度0.9以上の粗大なデンドライトの無い高品位電気銅である。さらに、銀塩素低減剤Cを用い、該Cの濃度10mg/Lにて製造した電気銅は、硫酸浴およびピロリン酸浴の何れでも、硫黄濃度6.2質量ppm以下、銀濃度0.68質量ppm以下、塩素濃度46質量ppm以下の粗大なデンドライトの無い高品位電気銅であり、ピロリン酸浴を用いた電気銅は光沢度が0.5であるが、硫酸浴を用いた電気銅は光沢度が0.7であって光沢度の高い電気銅を得ることができる。
Figure 0006740801
〔実施例1〕
表2に示すように、試験例1の銀塩素低減剤(A、B、C)および他の銀塩素低減剤D(5−フェニル−1H−テトラゾール)と共に、応力緩和剤(L、M、N、O)を含む本発明の添加剤を用いた。また、不純物低減剤(F、G、H、I、J、K)を含む添加剤を用いた。これらの添加剤について、銀塩素低減剤の添加濃度を10mg/L、不純物低減剤の添加濃度を10、100mg/Lにし、応力添加剤の濃度を10mg/Lとした。銅電解液中の酸濃度、銅濃度、塩化物濃度およびその他の電解条件は試験例1と同様の条件で銅電解精錬を行い、電気銅を製造した。使用した不純物低減剤(F〜K)および応力緩和剤(L〜O)を以下に示す。
不純物低減剤F:平均分子量1500のポリエチレングリコール。
不純物低減剤G:平均分子量2500のポリエチレングリコール。
不純物低減剤H:エチレンオキサイドの付加モル数が5のポリオキシエチレンモノフェニルエーテル。
不純物低減剤I:エチレンオキサイドの付加モル数が10のポリオキシエチレンモノフェニルエーテル。
不純物低減剤J:エチレンオキサイドの付加モル数が7のポリオキシエチレンナフチルエーテル。
不純物低減剤K:エチレンオキサイドの付加モル数が15のポリオキシエチレンナフチルエーテル。
応力緩和剤L:ケン化率が88mol%で平均重合度が300のポリビニルアルコール。
応力緩和剤M:ケン化率が88mol%で平均重合度が600のポリビニルアルコール。
応力緩和剤N:ケン化率が98mol%で平均重合度が600のカルボキシ変性ポリビニルアルコール。
応力緩和剤O:ケン化率が98mol%で平均重合度が700のポリオキシエチレン変性ポリビニルアルコール。
結果を表2に示す。なお、表2の試料No.21、No.23〜26、No.28、No.30、No.32、No.34〜36、No.38、No.40、No.42、No.44、No.46、No.48、No.50、No.52が本発明の添加剤を使用した結果であり、その他は参考例である。

表2に示すように、本発明の銀塩素低減剤と不純物低減剤を用いて製造した電気銅は、硫黄濃度1.21ppm以下、銀濃度0.5ppm以下、塩素濃度30ppm以下の高純度電気銅であって、光沢度2以上の反りの少ない高品位電気銅である。さらに、応力緩和剤を併用したものは、反りの無い高品位電気銅を得ることができる。
また、表2に示す電気銅は、本発明の銀塩素低減剤と共に不純物低減剤を併用することによって、電気銅の硫黄濃度、銀濃度、および塩素濃度が大幅に低減されており、また光沢度の高い電気銅を得ることができる。
Figure 0006740801
〔比較例1〕
本発明の銀塩素低減剤を用いずに、不純物低減剤Fを用い、あるいは不純物低減剤Fと共に応力緩和剤Iを用い、その他は実施例1と同様の条件で銅電解精錬を行い、電気銅を製造した。不純物添加剤Fおよび応力緩和剤Mの添加濃度は何れも10mg/Lである。この結果を表3に示した。表3に示すように、本例の試料(No.30〜No.32)は何れも電気銅の塩素量が格段に多く、実施例1の塩素量の約2倍〜約6倍であり、銀含有量も実施例1の銀含有量の約1.1倍〜約5倍であった。
Figure 0006740801



















































Claims (11)

  1. 銅電解精錬の電解液に添加される添加剤であって、電気銅の銀および塩素を低減するテトラゾールまたはテトラゾール誘導体(テトラゾール類と云う)を含み、さらに電気銅の応力を緩和する平均重合度200〜700のポリビニルアルコールまたはその誘導体を含むことを特徴とする高純度銅電解精錬用添加剤。
  2. 上記テトラゾール誘導体が、テトラゾールのアルキル誘導体またはアミノ誘導体またはフェニル誘導体である請求項1に記載する高純度銅電解精錬用添加剤。
  3. 上記ポリビニルアルコールまたはその誘導体のケン化率が70〜99mol%である請求項1または請求項2に記載する高純度銅電解精錬用添加剤。
  4. 上記ポリビニルアルコールの誘導体が、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、エチレン変性ポリビニルアルコール、またはポリオキシエチレン変性ポリビニルアルコールである請求項1〜請求項3の何れかに記載する高純度銅電解精錬用添加剤。
  5. 上記添加剤が、上記テトラゾール類および平均重合度200〜700のポリビニルアルコールまたはその誘導体と共に、電気銅の不純物を低減するポリエチレングリコール、または芳香族環の疎水基とポリオキシアルキレン基の親水基とを有する非イオン性界面活性剤を含む請求項1〜請求項4の何れかに記載する高純度銅電解精錬用添加剤。
  6. 上記芳香族環の疎水基とポリオキシアルキレン基の親水基とを有する非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンモノフェニルエーテル、またはポリオキシエチレンナフチルエーテルである請求項5に記載する高純度銅電解精錬用添加剤。
  7. 請求項1〜請求項6の何れかに記載する添加剤を電解液に添加して銅電解精錬を行う高純度銅の製造方法。
  8. 請求項7の製造方法において、上記添加剤に含まれるテトラゾール類の添加濃度が0.1〜30mg/Lである高純度銅の製造方法。
  9. 請求項7または請求項8の製造方法において、上記添加剤に含まれる上記ポリビニルアルコールまたはその誘導体の添加濃度が0.1〜100mg/Lである高純度銅の製造方法。
  10. 請求項5または請求項6に記載する上記添加剤を用いた請求項7の製造方法において、上記添加剤に含まれる上記ポリエチレングリコール、または上記非イオン性界面活性剤の添加濃度が2〜500mg/Lである高純度銅の製造方法。
  11. 塩素含有量50質量ppm以下および銀含有量1質量ppm以下の高純度電気銅を製造する請求項7〜請求項10の何れかに記載する製造方法。
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