JP6183174B2 - ヒアルロン酸高含有固形食品及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、ヒアルロン酸を高含有した固形食品及びその製造方法に関する。
近年、「美容ブーム」や「健康ブーム」の高まりにより、様々な機能性成分が注目されている。その中でも、とりわけ関心がもたれている成分の1つにヒアルロン酸がある。幾多の研究の成果により、高純度のヒアルロン酸の生産方法が確立されたことも手伝い、ヒアルロン酸を用いた商品が数多く存在する。これらの商品群は、化粧品分野だけでなく、サプリメントや飲料といった食品分野でも数多くの商品が見られる。例えば、ヒアルロン酸を謳ったサプリメント商品として錠菓形態の「皇潤(登録商標、(株)エバーライフ製)」や、粉末状食品の「ヒアルロン酸コラーゲン(商品名、キューサイ(株)製)」などが存在し、これらは非常に大きな市場を形成している。
ところで、(財)日本健康・栄養食品協会によると、ヒアルロン酸の一日摂取目安量(上限)は240mgとされている。しかしながら、上述のような市販品を用いて、一日摂取目安量(上限)のヒアルロン酸を摂取するには、相当量の摂食が必要となる。健康食品の形態としては、錠菓や顆粒、ゼリーや飲料が一般的である。しかしながら、錠菓や顆粒は、口中の水分を奪いがちで、そもそも食べにくい形態であるのに、その上、ヒアルロン酸の含有量もあまり多くない為、摂食量が非常に多くなってしまう。この食べにくさ故に、毎日食べ続けるのは難しい。また、ゼリーや飲料の類は、要冷であることが多く、その喫食場所が限られてしまう為に、日常生活に取り込みにくい。これらの理由もあってか、せっかくヒアルロン酸の摂取を始めたにも拘わらず、摂取を断念する人も多い。
ヒアルロン酸を効率よく摂取する為に様々なヒアルロン酸含有食品が提案されており、例えば、ヒアルロン酸を0.005〜0.1重量%添加したゲル化食品(特許文献1)、ヒアルロン酸及びフコダインを含有し、錠剤や顆粒剤等の形態に調剤される機能性食品(特許文献2)、油脂、糖質及びヒアルロン酸を含有し、ヒアルロン酸含有量が好ましくは0.02〜5重量%であり、ヒアルロン酸を水及び/又はグリセリンに溶解させた後、得られた溶液と油脂とを混合することにより調製される油脂加工食品(特許文献3)等が挙げられる。
しかしながら、特許文献1及び3に記載の食品におけるヒアルロン酸含有量は十分高いとは言えない。また、特許文献2においてヒアルロン酸の好ましい含有量は4〜60重量%と規定されているが、実施例では2重量%の例が示されているのみである。これら以外にも、種々様々な食品にヒアルロン酸を添加する研究が成されているが、これらの食品におけるヒアルロン酸の含有量も、特許文献1〜3の食品と同様に、あまり高くない。
ヒアルロン酸の含有量が比較的高い食品として、ヒアルロン酸とデルマタン硫酸を含有する健康食品(特許文献4)が挙げられる。特許文献4には、ヒアルロン酸の含有量は該健康食品全体の0.0001〜90重量%と記載されている。しかしながら、特許文献4には、ヒアルロン酸5mgを含む単重300mgの錠剤(段落0025)や、ヒアルロン酸とデルマタン硫酸とを含有する物質を1.4mg/mlの割合で添加した溶液(段落0031)が記載されるのみである。前記錠剤におけるヒアルロン酸含有量は約1.67重量%であり、前記溶液におけるヒアルロン酸含有量は多くても0.14重量%である。特許文献4には、食品全体の25重量%以上のヒアルロン酸を含有させたという結果も、含有させる方法も記載されていない。
また、コラーゲンを40〜65質量%及びヒアルロン酸を0.01〜20質量%含有し、更に、2種以上の酸味料、梅酢粉末、甘味料、及びフレーバーを含有し、乾燥物である錠菓の形態に調製されるコラーゲン含有食品(特許文献5)が提案されている。しかしながら、特許文献5においても、具体的に示されるコラーゲン含有食品のヒアルロン酸含有量は0.11質量%に過ぎない。また、該コラーゲン含有食品が上限である20質量%のヒアルロン酸を含んでいるとしても、ヒアルロン酸の一日摂取目安量を摂取するには最低でも1.2g分の摂食が必要になるが、1.2g分の錠菓は体積が非常に大きいため、非常に食べにくい。
同様に、ヒアルロン酸の含有量を高めた食品として、平均分子量2万以下のヒアルロン酸及び/又はその塩を0.01〜20重量%含有し、水分が5重量%以下である菓子(特許文献6)が提案されている。該菓子は、チョコレートやビスケット、チュアブルタブレット、キャンディ等の比較的摂食し易い幅広い形態に調製される。しかしながら、特許文献6においても、具体的に示されるコラーゲン含有食品のヒアルロン酸含有量は0.8〜2重量%に過ぎない。したがって、特許文献6に記載の菓子を摂食する場合でも、ヒアルロン酸の1日の上限摂取量を摂取するのは簡単ではない。
また、特許文献6には、チョコレートのヒアルロン酸含有量が25重量%を超えると、チョコレート本来の風味が損なわれると記載されている。また、ビスケットに20重量%ものヒアルロン酸を含有させると、ヒアルロン酸の驚異的な吸水力により、非常に食べにくい食感となってしまう。また、健康食品ということを考えると、高カロリーなチョコレートやビスケットは消費者に受け容れられ難い。一方、チュアブルタブレットは特許文献4に記載のコラーゲン含有食品と同様の理由により食べにくい。キャンディは、水分が5重量%以下であるからハードキャンディの範疇に属するものであるが、20重量%を超えるヒアルロン酸を含有させると、ハードキャンディ特有の硬質な舐め心地を得ることができない。
更に、ヒアルロン酸含有量が20重量%を超えるようなヒアルロン酸高含有固形食品は、ヒアルロン酸が高粘性であるが故に、著しいべたつきを生じ、量産時に製造機械の容器やノズル、コンベア等の生産設備に付着して所定の形状に成形することが実質的に不可能であると共に、原料歩留まりが極端に低下し、ノズル等の目詰まりの原因にもなる。したがって、ヒアルロン酸高含有食品の量産は現実的ではない。また、テーブルスケールにおいてヒアルロン酸高含有食品を所定の形状に成形したとしても、ヒアルロン酸の高粘性に起因してその形状は経時的に変化し、元の形を保つことはできない。
現在では高純度のヒアルロン酸の生産が可能であるにも関らず、ヒアルロン酸を高含有し、食べやすい食品は見当たらない。このため、少量の摂食で、ヒアルロン酸の1日の上限摂取量又はそれに近い量を効率良くかつ容易に摂取でき、成形性や保形性に優れるヒアルロン酸高含有食品が求められている。
本発明の目的は、成形性及び保形性に優れ、量産が可能なヒアルロン酸高含有固形食品、及び、該固形食品を量産可能にする製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、(イ)ヒアルロン酸粉末を含む原料粉体及び水親和性溶媒のそれぞれ所定量を混練することにより、得られたヒアルロン酸高含有混練物のべたつきが抑制されるので、その成形性が顕著に向上し、該混練物を所望の形状に成形できること、及び(ロ)該混練物を所定の形状に成形した後、得られたヒアルロン酸高含有成形物に対して所定量の水を接触させて該成形物の水分含有量を調整することにより、該成形物の保形性が顕著に向上し、長期間にわたって元の形状が保持されること、を見出し、これにより、量産及び流通が可能で、風味の良好なヒアルロン酸高含有固形食品を得ることに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記のヒアルロン酸高含有固形食品、及びヒアルロン酸高含有固形食品の製造方法を提供する。
食品全体中に、ヒアルロン酸を25重量%〜60%重量、水親和性溶媒を35重量%〜50重量%、及び水分を3重量%〜10重量%含むことを特徴とするヒアルロン酸高含有固形食品。
上記ヒアルロン酸高含有固形食品の製造方法であって、ヒアルロン酸粉末を含む原料粉体と水親和性溶媒とを混練し、得られたヒアルロン酸高含有混練物を任意の大きさに成形してヒアルロン酸高含有成形物を得る工程と、ヒアルロン酸高含有成形物と水とを接触させる工程と、を有することを特徴とするヒアルロン酸高含有固形食品の製造方法。
上記ヒアルロン酸高含有固形食品の製造方法であって、ヒアルロン酸粉末を含む原料粉体と水親和性溶媒とを混練し、得られたヒアルロン酸高含有混練物を任意の大きさに成形してヒアルロン酸高含有成形物を得る工程と、ヒアルロン酸高含有成形物と水とを接触させる工程と、を有することを特徴とするヒアルロン酸高含有固形食品の製造方法。
本発明のヒアルロン酸高含有固形食品は、ヒアルロン酸含有量が非常に高いにもかかわらず、成形性及び保形性に優れ、量産及び流通が可能である。
以下本発明のヒアルロン酸高含有固形食品、及びその製造方法について、順を追って詳細に説明する。なお、本発明において、「ヒアルロン酸高含有」とは、本発明の固形食品中のヒアルロン酸含有量が25重量%〜60重量%であることを言う。また、本発明において「固形食品」とは、自由な形状に成形することが可能であり、かつ、一度成形するとずっとその形状を保つことができる定型性を有する食品を指す。ゲルや液体等の流動性を有する食品や、粉末状の食品は本発明における固形食品ではない。また、保形性を有してはいるが、液体や、粉末を閉じ込めただけのカプセル様の食品や、粉を固めただけの錠剤、ゼリーのような液体含量の多い半液体状の食品も、本発明における「固形食品」には含まれない。
[ヒアルロン酸高含有固形食品]
本発明のヒアルロン酸高含有固形食品(以下、単に「本発明の固形食品」とすることがある。)は、ヒアルロン酸を高含有し、かつ任意成分等を含有させることが容易であることから、任意成分による良好な風味付けが可能であるので、少量の摂食でヒアルロン酸の1日の上限摂取量又はそれに近い量を効率良くかつ容易に摂取できる。
本発明の固形食品は、ヒアルロン酸、水親和性溶媒、及び水分を必須成分として含有し、さらに任意成分を含有することができる。以下、各成分について詳しく説明する。
本発明のヒアルロン酸高含有固形食品(以下、単に「本発明の固形食品」とすることがある。)は、ヒアルロン酸を高含有し、かつ任意成分等を含有させることが容易であることから、任意成分による良好な風味付けが可能であるので、少量の摂食でヒアルロン酸の1日の上限摂取量又はそれに近い量を効率良くかつ容易に摂取できる。
本発明の固形食品は、ヒアルロン酸、水親和性溶媒、及び水分を必須成分として含有し、さらに任意成分を含有することができる。以下、各成分について詳しく説明する。
本発明の固形食品に用いられるヒアルロン酸は、N−アセチルグルコサミンとグルクロン酸とからなる二糖を構成単位とするムコ多糖である。本発明で使用できるヒアルロン酸としては粉末状であれば特に限定されないが、例えば、微生物発酵による生成物、鶏のトサカや白キクラゲ等の動植物からの抽出物等が挙げられる。また、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のヒアルロン酸塩を用いることもできる。これらのヒアルロン酸及びその塩は、1種を単独で又は目的によっては2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の固形食品におけるヒアルロン酸含有量は、該固形食品全体の25重量%〜60重量%、好ましくは30重量%〜50重量%、より好ましくは30重量%〜40重量%である。ヒアルロン酸含有量が25重量%未満では、少量の摂食でヒアルロン酸の1日の上限摂取量又はそれに近い量を効率良くかつ容易に摂取できないおそれがある。一方、ヒアルロン酸含有量が60重量%を超えると、後述する製造方法における、ヒアルロン酸粉末を含む原料粉体と水親和性溶媒とのそれぞれ所定量の混練により得られるヒアルロン酸高含有混練物にべたつきが生じ、その成形性が低下して任意の形状に成形し難くなるおそれがある。
また、本発明の固形食品においては、従来技術のようにヒアルロン酸を水親和性溶媒に溶解して溶液等の液状にするのではなく、ヒアルロン酸を高含有する、ヒアルロン酸粉末を含む原料粉体と水親和性溶媒との混練物とすることにより、ヒアルロン酸を高含有するにもかかわらず、ヒアルロン酸に基因するべたつきが顕著に抑制され、良好な成形性を有するヒアルロン酸高含有混練物が得られることを本発明者らは見出した。すなわち、本発明者らは、ヒアルロン酸粉末を含む原料粉体と水親和性溶媒とを混練することにより、べたつきが少なくかつ成形性の良好なヒアルロン酸高含有混練物が得られることを見出した。
本発明の固形食品に用いられる水親和性溶媒は、水と混合可能であり、かつ、ヒアルロン酸を溶解することが可能な液体を指す。このような水親和性溶媒の具体例としては、例えば、グリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらの中でも、風味やヒアルロン酸との混練時のべたつきの少なさを考えると、グリセリンが好ましい。なお、水親和性溶媒には水は含まれない。また、水が混合されていない水親和性溶媒を用いることが極力望ましい。
本発明の固形食品における水親和性溶媒の含有量は、該固形食品全体の35重量%〜50重量%、好ましくは40重量%〜50重量%である。水親和性溶媒の含有量が35重量%未満では、ヒアルロン酸と水親和性溶媒との混練物のまとまりがなく、成形直後に型崩れを起こし易くなるおそれがある。一方、水親和性溶媒の含有量が50重量%を超えると、ヒアルロン酸粉末を含む原料粉体と水親和性溶媒との混練物にべたつきが生じ、成形性が低下するおそれがある。
本発明の固形食品における水分含有量は、該固形食品全体の3重量%〜10重量%、好ましくは5重量%〜8重量%である。水分含有量が3重量%未満では、固形食品を保存する際に、その表面にひび割れなどが生じ、固形食品の風味や食感が損なわれるおそれがある。一方、水分含有量が10重量%を超えると、固形食品表面にべたつきが生じるおそれがある。
本発明の固形食品は、ヒアルロン酸、水親和性溶媒、及び水分の各成分が上記した所定の含有量を満たし、かつ本発明の固形食品の成形性や保形性を損なわない範囲であれば、任意成分として各種食品原料を含有することができる。該食品原料としては、例えば、酸味料や、甘味料、塩、乳化剤、香料、ゲル化剤等が挙げられる。このような食品原料の添加により、本発明の固形食品に任意の食感や風味着けをすることができる。なお、理由は定かではないが、酸味料としてクエン酸を用いると、製造時のべたつきがさらに抑制され、成形時等のハンドリングが一層しやすくなる。クエン酸含有量は特に限定されないが、べたつきを抑制する効果や風味への影響等を考慮すると、好ましくは本発明の固形食品全体の0.1重量%〜10重量%、より好ましくは1〜7重量%である。
また、ヒアルロン酸粉末を含む原料粉体と水親和性溶媒との混練物の成形のしやすさ等を鑑みれば、水分含有量の低い粉末食品原料の使用が望ましい。水分含有量の高い食品原料を用いると、ヒアルロン酸粉末が吸水してダマになることが多い為である。また、粒度に関しても、ヒアルロン酸粉末と他の粉末食品原料とが均一に混ざり合うように、ある程度粒度が揃ったほうが製造し易い。しかしながら、特別な目的の為に、敢えて水分含有量の高い食品原料を使用したり、粒度を不ぞろいにしたりしても本発明の価値が損なわれることはない。
[ヒアルロン酸高含有固形食品の製造方法]
本発明のヒアルロン酸高含有固形食品の製造方法は、ヒアルロン酸粉末を含む原料粉体と水親和性溶媒とを混練し、得られたヒアルロン酸高含有混練物を任意の形状及び大きさに成形してヒアルロン酸高含有成形物を得る工程(以下、「工程(1)」とすることがある)と、ヒアルロン酸高含有成形物と水とを接触させる工程(以下、「工程(2)」とすることがある。)と、を有することを特徴とする。
本発明のヒアルロン酸高含有固形食品の製造方法は、ヒアルロン酸粉末を含む原料粉体と水親和性溶媒とを混練し、得られたヒアルロン酸高含有混練物を任意の形状及び大きさに成形してヒアルロン酸高含有成形物を得る工程(以下、「工程(1)」とすることがある)と、ヒアルロン酸高含有成形物と水とを接触させる工程(以下、「工程(2)」とすることがある。)と、を有することを特徴とする。
工程(1)では、ヒアルロン酸粉末を含む原料粉体と水親和性溶媒とを混練することにより、べたつきが抑制され、成形性が向上したヒアルロン酸高含有混練物が得られる。したがって、工程(1)の実施により、製造時特に成形時のハンドリンク性ひいては本発明の固形食品の量産性が顕著に向上する。また、工程(2)では、工程(1)で得られたヒアルロン酸高含有混練物の成形物に水を接触させることにより、該成形物の保形性が顕著に向上する。したがって、工程(2)の実施により、本発明の固形食品の流通性が顕著に向上する。これらの効果により、本発明の製造方法によれば、ヒアルロン酸を高含有するにもかかわらず、量産及び流通可能で、ヒアルロン酸の1日の上限摂取量又はそれに近い量を効率良くかつ容易に摂取できる固形食品を容易に得ることができる。
工程(1)及び工程(2)について、以下により詳しく説明する。
工程(1)では、まず、ヒアルロン酸粉末を含む原料粉体と水親和性溶媒とを混練し、ヒアルロン酸高含有混練物を得る。このとき、最終的に得られる固形食品中のヒアルロン酸及び水親和性溶媒の含有量が上記した所定の範囲内に収まるように、ヒアルロン酸粉末を含む原料粉体と水親和性溶媒とを所定の比率で用い、これらを常法により練り上げる。この比率にて練り上げることにより、べたつきが抑制され、製造機械への付着が抑えられ、非常にコントロールしやすい粘土状のヒアルロン酸高含有混練物が得られる。また、混練時に任意成分として混在させる食品原料の種類や量、水親和性溶媒の種類等を適宜選択することにより、得られるヒアルロン酸高含有混練物のべたつきを一層抑制することができる。
混練に用いられる原料粉体は、ヒアルロン酸のみを含んでいてもよく、又はヒアルロン酸と共に任意成分である他の食品原料を含んでいてもよい。また、任意成分が粉末状食品原料である場合は、ヒアルロン酸粉末と粉末状食品原料とを、水親和性溶媒との混練前に混合しておき、得られた原料粉体に水親和性溶媒を混ぜ込むことが望ましい。ヒアルロン酸粉末と粉末状食品原料とを別々に水親和性溶媒と混練する場合には、使用する粉末状食品原料によっては、得られるヒアルロン酸高含有混練物に、ダマが生じやすかったり、べたつきが生じたりすることがある為である。また、この工程では、ヒアルロン酸高含有混練物のべたつきを抑制するという観点から、水や水溶液の添加は極力避けることが望ましい。
次に、ヒアルロン酸高含有混練物を、任意の方法で目的の形・大きさに成形する。成形方法としては、食品の製造分野において柔軟性のある原料生地の成形に利用される成形方法をいずれも利用でき、例えば、整丸機、スタンプ等が挙げられる。成形方法は、目的に応じて使い分ければ良い。こうして、ヒアルロン酸高含有混練物の成形物、すなわちヒアルロン酸高含有成形物が得られる。
工程(2)では、工程(1)にて作製したヒアルロン酸高含有成形物と水とを接触させることにより、該成形物に保形性を付与する。工程(2)を経ることにより、ヒアルロン酸高含有成形物のべたつきがより一層抑えられ、粘土状で柔軟性が高く、保形性に乏しかった該成形物に優れた保形性が生まれる。このような効果が得られる理由は現状では十分明らかではないが、該成形物の表面が水との接触によりゲル化すること等に基因しているものと推測される。
ヒアルロン酸高含有成形物と水との接触方法としては、該成形物表面のほぼ全面に水が接触する方法であれば特に限定されないが、例えば、水を直接吹きかける方法、水を噴霧する方法、水に浸漬する方法、水蒸気を接触させる方法などが挙げられる。水に浸漬する方法では、該成形物を水に浸漬した後に直ちに取り出すことが好ましい。また、水蒸気を接触させる方法には、該成形物に水蒸気を直接吹きかける方法、該成形物を蒸す方法等がある。これらの水の接触方法の中でも、最終製品である本発明の固形食品の品質を安定させるといった観点から、水を噴霧する方法、水蒸気を接触させる方法等が好ましく、水蒸気を接触させる方法がより好ましく、該成形物を蒸す方法がさらに好ましい。該成形物と接触させる水の中には、得ようとする固形食品の風味や対象者といった設計に応じて、例えば、果汁、糖液、調味液等が含まれていてもよい。
ヒアルロン酸高含有成形物と接触させる水の量は特に限定されないが、最終製品である固形食品の水分含有量を所定の範囲(3重量%〜10重量%)に調整するための目安としては、ヒアルロン酸高含有成形物100重量部に対して、1重量部〜9重量部である。水の量が1重量部より少ないと、該成形物に十分な保形性が付与されないおそれがある。また、水の量が9重量部を超えると、該成形物の表面が溶けてしまい、目的とする固形食品が得られないおそれがある。なお、前述の水の接触方法では、接触させる水の量が十分明確でない場合もある。そのような場合には、該成形物と水とを接触させる操作中に、該成形物の水分含有量を減圧乾燥法により経時的に測定する。そして、該成形物の水分含有量が所定の範囲(3重量%〜10重量%)になった時点を、該成形物100重量部に対して1〜9重量部の水が接触したとすることができる。
以上のようにして得られる本発明のヒアルロン酸高含有固形食品は、少量の摂食で多量のヒアルロン酸を摂取できるので、不快感なくかつ継続的なヒアルロン酸の摂取が可能になる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下において、「%」及び「部」は特に断らない限りそれぞれ「重量%」及び「重量部」を意味する。
(実施例1)
ヒアルロン酸粉末10部、クエン酸3部、マスカット香料0.1部、及び甘味料0.3部を混ぜ合わせ、原料粉体を得た。この原料粉体10部に対し、グリセリンを9部加え、混練した。得られた混練物は、べとつきが非常に少なく、十分成形可能であった。次に、得られた混練物を金型スタンプにより成形し、単重0.7gの球状成形体を得た。その後、スチーマーを用いて、得られた球状成形体を1分間蒸すことで、良好な風味を有し、保形性に優れ、水分含有量7%、単重0.72gのヒアルロン酸高含有食品を得ることができた。また、スチーマーを通すことにより、混練物の水分含有量が2.8%上昇した固形食品となった。
ヒアルロン酸粉末10部、クエン酸3部、マスカット香料0.1部、及び甘味料0.3部を混ぜ合わせ、原料粉体を得た。この原料粉体10部に対し、グリセリンを9部加え、混練した。得られた混練物は、べとつきが非常に少なく、十分成形可能であった。次に、得られた混練物を金型スタンプにより成形し、単重0.7gの球状成形体を得た。その後、スチーマーを用いて、得られた球状成形体を1分間蒸すことで、良好な風味を有し、保形性に優れ、水分含有量7%、単重0.72gのヒアルロン酸高含有食品を得ることができた。また、スチーマーを通すことにより、混練物の水分含有量が2.8%上昇した固形食品となった。
(実施例2)
ヒアルロン酸粉末15部、ビタミンC 1部、レモン香料0.1部、及び甘味料0.3部を混ぜ合わせ、原料粉体を得た。この原料粉体10部に対し、グリセリンを7.5部加え、混練した。次に、得られた混練物を金型スタンプにより成形し、単重1.0gの球状成形体を得た。その後、スチーマーを用いて、得られた球状成形体を1分間蒸すことで、良好な風味を有し、水分含有量6.5%、単重1.05gのヒアルロン酸高含有食品を得ることができた。この食品は、成形時に混練物のスタンプへの付着、成形物の型くずれが若干あったものの、それ以外は何ら問題のない、保形性に優れたものであった。また、スチーマーを通すことにより、混練物の水分含有量が4.8%上昇した固形食品となった。
ヒアルロン酸粉末15部、ビタミンC 1部、レモン香料0.1部、及び甘味料0.3部を混ぜ合わせ、原料粉体を得た。この原料粉体10部に対し、グリセリンを7.5部加え、混練した。次に、得られた混練物を金型スタンプにより成形し、単重1.0gの球状成形体を得た。その後、スチーマーを用いて、得られた球状成形体を1分間蒸すことで、良好な風味を有し、水分含有量6.5%、単重1.05gのヒアルロン酸高含有食品を得ることができた。この食品は、成形時に混練物のスタンプへの付着、成形物の型くずれが若干あったものの、それ以外は何ら問題のない、保形性に優れたものであった。また、スチーマーを通すことにより、混練物の水分含有量が4.8%上昇した固形食品となった。
(実施例3)
ヒアルロン酸粉末10部、クエン酸5部、グレープ香料0.1部、甘味料0.3部、着色料0.3部を混ぜ合わせ、原料粉体を得た。この原料粉体10部に対し、グリセリンを10部加え、混練した。次に、得られた混練物を金型スタンプにより成形し、単重0.6gの球状成形体を得た。その後、スチーマーを用いて、得られた球状成形体を1分間蒸すことで、良好な風味を有し、水分含有量7.2%、単重0.62gのヒアルロン酸高含有食品を得ることができた。この食品は、成形時に混練物のスタンプへの付着が若干あったものの、それ以外は何ら問題のない、保形性に優れたものであった。また、スチーマーを通すことにより、混練物の水分含有量が3.2%上昇した固形食品となった。
ヒアルロン酸粉末10部、クエン酸5部、グレープ香料0.1部、甘味料0.3部、着色料0.3部を混ぜ合わせ、原料粉体を得た。この原料粉体10部に対し、グリセリンを10部加え、混練した。次に、得られた混練物を金型スタンプにより成形し、単重0.6gの球状成形体を得た。その後、スチーマーを用いて、得られた球状成形体を1分間蒸すことで、良好な風味を有し、水分含有量7.2%、単重0.62gのヒアルロン酸高含有食品を得ることができた。この食品は、成形時に混練物のスタンプへの付着が若干あったものの、それ以外は何ら問題のない、保形性に優れたものであった。また、スチーマーを通すことにより、混練物の水分含有量が3.2%上昇した固形食品となった。
(比較例1)
実施例1と同じ混合比率で、原料粉体を得た。この原料粉体10部に対し、グリセリン5部を加え、混練した。次に、得られた混練物を金型スタンプにより成形し、単重0.8gの球状成形体を得ようとした。しかしながら、混練物にまとまりがなく、金型スタンプに多く付着し、綺麗な球状に成形することができなかった。
実施例1と同じ混合比率で、原料粉体を得た。この原料粉体10部に対し、グリセリン5部を加え、混練した。次に、得られた混練物を金型スタンプにより成形し、単重0.8gの球状成形体を得ようとした。しかしながら、混練物にまとまりがなく、金型スタンプに多く付着し、綺麗な球状に成形することができなかった。
(比較例2)
実施例1と同じ混合比率で、原料粉体を得た。この原料粉体10部に対し、グリセリンを25部加え、混練した。次に、得られた混練物を金型スタンプにより成形し、単重0.8gの球状成形体を得ようとした。しかしながら、混練物にまとまりがなく、金型スタンプに多く付着し、綺麗な球状に成形することができなかった。
実施例1と同じ混合比率で、原料粉体を得た。この原料粉体10部に対し、グリセリンを25部加え、混練した。次に、得られた混練物を金型スタンプにより成形し、単重0.8gの球状成形体を得ようとした。しかしながら、混練物にまとまりがなく、金型スタンプに多く付着し、綺麗な球状に成形することができなかった。
(比較例3)
実施例1と同じ混合比率、同じ方法で、単重0.8gの球状成形体を得た。この球状成形体をスチーマーにて3分間蒸すことで、水分含有量20.1%、単重9.5gのヒアルロン酸高含有食品を得ることができた。この食品は表面がべたついており、時間が経つと溶けたような見た目になった。
実施例1と同じ混合比率、同じ方法で、単重0.8gの球状成形体を得た。この球状成形体をスチーマーにて3分間蒸すことで、水分含有量20.1%、単重9.5gのヒアルロン酸高含有食品を得ることができた。この食品は表面がべたついており、時間が経つと溶けたような見た目になった。
実施例1〜3及び比較例1、2で得られたヒアルロン酸高含有食品の評価(成形性、保形性)を表1に示す。表1における評価基準は以下のとおり。
[成形性]
「◎」成形時に、割れ欠けや機器への付着が生じないか又は非常に少なく、目的とする形状・大きさに成形できる。
「×」成形時に、割れ欠けが生じたり、機器に付着したりしてしまい、目的とする形状・大きさに成形できない。
「◎」成形時に、割れ欠けや機器への付着が生じないか又は非常に少なく、目的とする形状・大きさに成形できる。
「×」成形時に、割れ欠けが生じたり、機器に付着したりしてしまい、目的とする形状・大きさに成形できない。
[保形性]
「◎」固形食品の形状が経時的に変わらずに、成形時の形を保つことができる。
「×」食品の形状が経時的に変わってしまい、成形時の形を保つことができない。
「◎」固形食品の形状が経時的に変わらずに、成形時の形を保つことができる。
「×」食品の形状が経時的に変わってしまい、成形時の形を保つことができない。
表1の結果より、実施例1〜3で得られたヒアルロン酸高含有食品はいずれも、成形性や量産性(製造性)に優れ、かつ良好な保形性を有することから、流通性に優れたものであり、市販品として有用であることがわかる。
Claims (2)
- 食品全体中に、ヒアルロン酸を25重量%〜60%重量、水親和性溶媒を35重量%〜50重量%、及び水分を3重量%〜10重量%含むことを特徴とするヒアルロン酸高含有固形食品。
- 請求項1に記載のヒアルロン酸高含有固形食品の製造方法であって、
ヒアルロン酸粉末を含む原料粉体と水親和性溶媒とを混練し、得られたヒアルロン酸高含有混練物を任意の大きさに成形してヒアルロン酸高含有成形物を得る工程と、
前記ヒアルロン酸高含有成形物と水とを接触させる工程と、
を有することを特徴とするヒアルロン酸高含有固形食品の製造方法。
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