JP5021101B1 - ゼリー飲料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スパウト口から出てくるゼリー塊が大きく、口の中で崩すような味わいのある食感を有し、離水の少ないゼリー飲料を提供する。
【解決手段】脱アシルジェランガムを0.1〜0.4質量%と、ネイティブジェランガムを0.001〜0.01質量%と、HLB9以上の界面活性剤と、水とを含有する加熱溶解したゼリー原料組成物を、スパウト付きパウチに充填し、ゲル化開始温度からゲル化終了温度までを3℃/min以下の冷却速度で冷却してゲル化させて得られるゼリー飲料。
【選択図】なし

Description

本発明は、スパウト付きパウチに封入されたゼリー飲料及びその製造方法に関し、更に詳しくは、スパウト口から出てくるゼリー塊が大きく、口の中で崩すような味わいのある食感を有し、離水の少ないゼリー飲料及びその製造方法に関する。
近年、スパウト付きパウチに封入されたゼリー飲料が、忙しくて食事が取れない時や、スポーツの際の手軽な栄養補給食品として、人気を得ている。
このようなゼリー飲料のゲル化剤の1つとして、脱アシルジェランガムが用いられている。脱アシルジェランガムを使用したゼリーは、耐熱性、耐酸性に優れ、その食感は硬くてもろく、フレーバーリリースが良いという特徴がある。
また、脱アシルジェランガムと、ネイティブジェランガムとを併用することで、多様な食感が得られることが知られており、ゼリーのゲル化剤として、脱アシルジェランガムと、ネイティブジェランガムとを併用することも行われている。
例えば、下記特許文献1には、脱アシルジェランガム0.03〜0.15重量%、ネイティブジェランガム0.03〜0.15重量%、アルギン酸ナトリウム0.05〜0.2重量%を含有するゼリーが開示されている。
ところで、ゲル化剤として脱アシルジェランガムを使用した場合、冷却速度を速めて急速にゲル化させると、離水が多くなる傾向があった。離水が多いと、特に、スパウト付パウチでゼリーを飲食する場合には、消費者に好ましくない印象を与えるだけではなく、誤嚥の原因になる恐れがあった。
このため、特にスパウト付きパウチでゼリーを飲食する場合においては、パウチに封入されるゼリーは離水が少ないことが望まれている。
離水の少ないゼリーを得るには、冷却速度を遅くして、ゆっくりとゲル化する方法が知られている。
例えば、特許文献2には、増粘剤として、i)ジェランガムとキサンタンガム、または、ii)寒天とローカストビーンガムを、全増粘剤の濃度が1質量%以下になるように含むゲル形成性組成物を、ゲル化開始からゲル化終了に至るまで、3℃/min以下の冷却速度で冷却してゲル化させて、離水率が1質量%以下の低離水性ゲル状組成物を製造することが開示されている。
特開2004−229514号公報 特許第4746259号公報
しかしながら、冷却速度を遅くしてゆっくりゲル化すると、離水は抑制できるものの、食感が柔らかくなりすぎる傾向にあり、ある程度の歯ごたえがあって、味わいのある食感を有するゼリーが得られ難くかった。
特に、スパウト付きパウチからゼリーを飲食した場合には、吸引経路の途中でゼリーが崩れて、スパウト口から出てくるゼリー塊の大きさが小さくなり易く、口の中で崩すような味わいのある食感が得られ難かった。
よって、本発明の目的は、スパウト口から出てくるゼリー塊が大きく、口の中で崩すような味わいのある食感を有し、離水の少ないゼリー飲料及びその製造方法を提供することにある。
ネイティブジェランガムは、形成するゲルの弾力が強く、脱アシルジェランガムと併用することで食感を調整できることが知られている。しかしながら、食感を調整するために一般的に使用される範囲の量で脱アシルジェランガムとネイティブジェランガムと併用したゼリー原料組成物をスパウト付きパウチに充填してゲル化させたものは、スパウト口からでてくるゼリーに弾力は認められるものの、ゼリー塊が均一で面白みに欠けるため、ゼリー塊を大きくするという目的には使用できないと考えられてきた。本発明者は、種々検討した結果、脱アシルジェランガムと、0.001〜0.01質量%という極少量のネイティブジェランガムと、HLB9以上の界面活性剤と、水とを含有する加熱溶解したゼリー原料組成物を、ゲル化開始温度からゲル化終了温度までを3℃/min以下の冷却速度で冷却してゲル化させることで、離水が少なく、スパウト口から出てくるゼリー塊が大きく、味わいのある食感を有するゼリー飲料が得られることを見出し、上記目的を達成するに至った。
すなわち、本発明のゼリー飲料は、脱アシルジェランガムを0.1〜0.4質量%と、ネイティブジェランガムを0.001〜0.01質量%と、HLB9以上の界面活性剤と、水とを含有する加熱溶解したゼリー原料組成物を、スパウト付きパウチに充填し、ゲル化開始温度からゲル化終了温度までを3℃/min以下の冷却速度で冷却してゲル化させて得られるものであることを特徴とする。
また、本発明のゼリー飲料の製造方法は、脱アシルジェランガムを0.1〜0.4質量%と、ネイティブジェランガムを0.001〜0.01質量%と、HLB9以上の界面活性剤と、水とを含有する加熱溶解したゼリー原料組成物を、スパウト付きパウチに充填し、ゲル化開始温度からゲル化終了温度までを3℃/min以下の冷却速度で冷却してゲル化させることを特徴とする。
本発明において、前記界面活性剤は、ショ糖脂肪酸エステルであることが好ましい。
本発明によれば、脱アシルジェランガムを0.1〜0.4質量%と、ネイティブジェランガムを0.001〜0.01質量%と、HLB9以上の界面活性剤と、水とを含有する加熱溶解したゼリー原料組成物を、スパウト付きパウチに充填し、ゲル化開始温度からゲル化終了温度までを3℃/min以下の冷却速度で冷却してゲル化させたことにより、スパウト口から出てくるゼリー塊が大きく、口の中で崩すような味わいのある食感を有し、離水の少ないゼリー飲料とすることができる。
処方1〜処方10のゼリー飲料の各スパウト口から吐出されるゼリー塊の大きさの分布を棒グラフに表した図表である。 処方1〜処方10のゼリー飲料の各スパウト口から吐出されるゼリー塊のうち、4mm以上の大きさのものの存在割合を棒グラフに表し、その合格ラインとともに図示した図表である。 処方1〜処方10のゼリー飲料の食感の評価点数を棒グラフに表しその合格ラインとともに図示した図表である。
まず、本発明のゼリー飲料の製造に用いるゼリー原料組成物について説明する。
本発明においては、ゼリー原料組成物に、ゲル化剤として、脱アシルジェランガムと、ネイティブジェランガムとを含有させる。
ジェランガムは、Sphingomonas.elodeaという微生物が菌体外に産出する多糖であり、グルコース、グルクロン酸、グルコース、L−ラムノースの4糖が反復して直鎖状に結合して構成されている。一般にゲル化剤として用いられるジェランガムとは、上記多糖を脱アシル化して得られる脱アシルジェランガムのことを意味し、脱アシル化されていないネイティブジェランガムと区別される。本発明では、ゲル化剤として脱アシルジェランガムとネイティブジェランガムとを併用する。
下記化学式(1)には、脱アシルジェランガムの有する構造を示す。
また、下記化学式(2)には、ネイティブジェランガムの有する構造を示す。
ジェランガムは、種々のカチオンの存在下でゲル形成能を示すが、特に二価カチオンの存在下でゲル化が促進される。したがって、ゼリー原料組成物には、二価カチオンを含有させることが好ましい。二価カチオンの原料としては、例えば乳酸カルシウムを挙げることができる。
脱アシルジェランガムは、ゼリー原料組成物中に0.1〜0.4質量%含有させることが必要であり、0.12〜0.3質量%が好ましい。脱アシルジェランガムの含有量が0.1質量%未満であると、弾力のあるゼリーが得られ難く、0.4質量%を超えると、硬すぎてスパウトからゼリーが出難くなる。
ネイティブジェランガムは、ゼリー原料組成物中に0.001〜0.01質量%含有させることが必要である。ネイティブジェランガムの含有量が0.001質量%未満であったり、0.01質量%を超えると、スパウト口から出てくるゼリー塊が崩れて小さくなり易く、味わいのある食感が得られ難くなる。ネイティブジェランガムをゼリー原料組成物中に0.001〜0.01質量%含有させることにより、スパウト口から出てくるゼリー塊を崩れにくくして大きくでき、口の中で崩すような味わいのある食感を有するゼリー飲料となる。この理由は、詳細は定かではないが、ネイティブジェランガムの含有量が0.001〜0.01質量%と極少量であるため、ネイティブジェランガム特有の高温域で形成されるゲルネットワークが疎になり、ネイティブジェランガムよりも低い温度帯でゲル化する脱アシルジェランガムのゲル形成を阻害することが少ないため、ゲルに必要以上の弾力を付与することなく、スパウト口からのゼリー塊を大きくする性質を付与することができるものと考えられる。
脱アシルジェランガムとネイティブジェランガムとの混合割合は、脱アシルジェランガム100質量部に対し、ネイティブジェランガムが0.4〜10質量部が好ましく、1〜8.5質量部がより好ましい。脱アシルジェランガムとネイティブジェランガムとの混合割合が上記範囲内であれば、スパウト口から出てくるゼリー塊を大きくでき、味わいのある食感を有するゼリー飲料となる。
本発明においては、脱アシルジェランガム及びネイティブジェランガム以外のゲル化剤(以下、他のゲル化剤という)を、ゼリー原料組成物に含有させてもよい。他のゲル化剤としては、寒天、κ−カラギーナン、ローカストビーンガム、グルコマンナン、キサンタンガム、グアーガム、タラガム、タマリンドシードガムなどが挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いてもよい。他のゲル化剤としては、より好ましい食感のゼリーに調整しつつ、ゼリー塊の大きさを大きくできるという理由から、κ−カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガムが好ましい。
本発明においては、ゼリー原料組成物に、HLB9以上の界面活性剤を含有させる。HLB9以上の界面活性剤を含有させることで、スパウト口から出てくるゼリー塊を崩れにくくして大きくできる。
界面活性剤のHLBは、10〜20が好ましく、11〜16がより好ましい。界面活性剤のHLB値が9未満であると、界面活性剤の水なじみが悪く、白濁や分離が起こり、効果が発揮されにくい。
なお、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance;親水親油バランス)とは、界面活性剤の水と油への親和性の程度を表す値であり、0から20までの値をとる。0に近いほど親油性が高く20に近いほど親水性が高くなり、これを決定する方法には、アトラス法、グリフィン法、ディビス法、川上法等が知られている。本発明におけるHLB値の決定法は特に限定するものではないが、一例を挙げると、アトラス法では、エステル系の界面活性剤について、鹸化価をS、界面活性剤を構成する脂肪酸の酸価をAとし、HLB値を20(1−S/A)で定義することができる。
HLB9以上の界面活性剤としては、食用に適したものであればよく、その種類・由来に特に制限はない。例えば、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチンなどが挙げられる。なかでも、少量でも本発明の効果が期待でき、界面活性剤由来の不快な風味が付与されにくいという理由から、ショ糖脂肪酸エステルが好ましい。
HLB9以上の界面活性剤は、ゼリー原料組成物中に0.005〜0.5質量%含有させることが好ましく、0.01〜0.1質量%がより好ましい。0.005質量%未満であると、スパウト口から出てくるゼリー塊が小さくなる傾向にあり、0.5質量%を超えると、界面活性剤由来の不快な風味が出てくる傾向にある。
本発明において、ゼリー原料組成物に、ゼリー飲料に必要な他の原料を更に含有させることができる。
他の原料としては、例えば、糖類、酸味料、ビタミン類、アミノ酸、ミネラル、タンパク質、コラーゲン、コラーゲンペプチド、果汁、香料、色素等が挙げられる。これらの他の原料は、予め、水等の溶媒に溶解させて用いることが好ましい。これら他の原料を、溶液に調製して用いることで、速やかに混合させることができる。
上記糖類としては、単糖、二糖、オリゴ糖、糖アルコール等いずれの糖類も使用できる。これらの糖類は単独又は2種類以上を使用できる。
上記酸味料としては、特に限定はなく、種々のものを用いることができる。例えば、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸、酒石酸、アスコルビン酸、グルコン酸、リン酸及びそれらの塩等が挙げられる。これらの酸味料は単独又は2種類以上を使用できる。
上記ビタミン類としては、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンH、ビタミンK、ビタミンP、パントテン酸、コリン、葉酸、イノシトール、ナイアシン、パラアミノ安息香酸(PABA)等が挙げられる。これらのビタミン類は単独又は2種類以上を使用できる。
上記アミノ酸としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、アスパラギン、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン等が挙げられる。これらのアミノ酸は単独又は2種類以上を使用できる。
上記ミネラルとしては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム等が挙げられる。これらのミネラルは単独又は2種類以上を使用できる。
上記タンパク質としては、乳由来のたんぱく質であるホエイたんぱく質分離物(WPI)、ホエイたんぱく質濃縮物(WPC)、大豆由来のたんぱく質である、分離大豆たんぱく質(SPI)、あるいはそれらの加水分解物等が挙げられる。これらを単独又は2種類以上を使用できる。
これらの原料を水に添加し、加熱溶解して、ゼリー原料組成物を調製する。加熱温度は特に限定されないが、65〜135℃が好ましく、80〜100℃がより好ましい。
本発明のゼリー飲料の製造方法では、上記加熱溶解したゼリー原料組成物を、スパウト付きパウチに充填し、必要に応じて加熱殺菌した後、冷却してゲル化させて製造する。殺菌方法としては、ゼリー原料組成物を加熱殺菌しながら容器に充填する方法、ゼリー原料組成物を容器に充填密封後、加熱殺菌する方法、ゼリー原料組成物を容器に充填する前に加熱殺菌し、その後無菌条件下で充填する無菌充填等いずれの方法も可能である。
このとき、本発明では、ゲル化開始温度からゲル化終了温度までを3℃/min以下の冷却速度で冷却してゲル化させる。前記冷却速度は、2.5℃/min以下が好ましく、1.0℃/min以下がより好ましい。前記冷却速度が3℃/minを超えると離水が多くなる。
なお、ゼリー原料組成物のゲル化開始及びゲル化終了は、試験管を用いて簡便に判定することができる。本発明では、直径1.5cmの試験管に、対象とするゼリー原料組成物5mLを採取し、これを倒立させたとき、ゲル状片が試験管底に残り始める時点をゲル化開始とし、ゼリー原料組成物の全量が落下しなくなるとともに、その表面が動かなくなる時点がゲル化終了とした。本発明においては、そのようなゲル化開始からゲル化終了に至るまでのゼリー原料組成物の平均の温度降下の度合い、すなわち、冷却速度を3℃/min以下に制御するものである。すなわち、実際の製造条件下において、そのようなゲル化開始及びゲル化終了の発現する温度を確認し、ゲル化開始温度からゲル化終了温度までの冷却速度を3℃/min以下に制御すればよい。
なお、本発明で用いられるスパウト付きパウチとは、蓋のできる吸い口を有する柔軟性容器を意味する。例えば、ラミネートフィルムからなるパウチ形状の容器であって、蓋の付いたストロー状の吸い口を有するもの、例えば、チアーパック(株式会社細川洋行製)と呼ばれるものが好ましく用いられる。
以上のようにして得られる本発明のゼリー飲料は、スパウト口から出てくるゼリー塊が大きく、ある程度の歯ごたえがあり、口の中で崩すような味わいのある食感を有している。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
表1に示す割合で、ベース原料、界面活性剤、ゲル化剤を混合し、水で全量を100質量部に補正して、処方1〜10のゼリー原料組成物を調製した。
各処方のゼリー原料組成物を95℃達温後に、その180gを約200ml容量、飲み口の口径φ8.5mmのスパウト付パウチ(商品名「チアーパック」 株式会社細川洋行製)に充填し、蓋をして密閉した後、90℃以上の熱湯中に5分間浸漬殺菌の後、45℃の温水中に5分間浸漬した。このときパウチ内製品の中心品温は50〜55℃であり、ゲル化は起こっていなかった。
温水浸漬の後、室温にて一晩静置した。静置後、中身は完全にゲル化していた。なお、ゲル化開始温度からゲル化終了温度までの冷却速度は、すべての処方について、1.0℃/min以下であった。
各処方のゼリー飲料について、スパウト口から崩れでてくるゼリー塊の大きさ及び食感の評価を以下の通り実施した。
(ゼリー塊の大きさ)
レオメータ(型番:「CR−500DX」、サン科学製)を使用し、平板状の冶具を、10℃の水に浸漬しておいた製品のパウチに押し付けて、移動速度60mm/分でゼリーを押し出すことによりスパウト口から崩れ出るサンプルを得た。そのサンプルを平皿に7g取り、水を23g加えて、平皿上にサンプルのゼリーを広げ、写真撮影した。このとき、スケールがわかるように定規も同一撮像範囲に入るようにした。サンプルの写真中のゼリー塊から、大きさを3〜4mm、4〜6mm、6〜9mmの階級に分けて、各階級に入るゼリー塊の数をそれぞれ数えた。ゼリー塊の形状がいびつなものについては、その長軸と短軸の平均値を用いて各階級に振り分けた。さらに、階級ごとの中心値をその代表値とし、ゼリー塊を球体として体積を算出し、撮影に用いたサンプル量(7g)とその比重(1.0505;10℃)からそれぞれの処方のゼリーについて、パウチより押し出したゼリー中での階級ごとのゼリーの存在割合を算出した。
(食感の官能評価)
ゼリー塊の大きさの評価の際に押し出した残りのゼリーを用い、6名のパネラーにより食感についての官能評価を実施し、その平均点を求めた。評価点の目安は、大きいゼリー塊が多く存在するものを5点、大きいゼリー塊が多くはないが確認できるものを4点、やや大きいゼリー塊が多く存在するものを3点、やや大きいゼリー塊は多くはないが確認できるものを2点、大きいゼリー塊はほとんどなく、細かくざらつくように感じるものを1点とした。
図1に、スパウト口から崩れでてくるゼリー塊の大きさの分布を棒グラフで図示した。また、図2に、スパウト口から崩れでてくるゼリー塊のうち、4mm以上の大きさのものの存在割合を棒グラフに表し、合格基準を20%と設定したときの合格ラインとともに図示した。また、図3に、ゼリー飲料の食感の評価点数を棒グラフに表し、合格基準を2.0点と設定したときの合格ラインとともに図示した。また、表2にゼリー飲料の官能評価の結果を記す。
上記結果から明らかなように、ネイティブジェランガムを含まない処方1は、スパウト口から押し出されるゼリー塊が小さく、食感に面白みがかけるものであった。なお、ここで、面白みとは、ある程度の歯ごたえがあって、口の中でゼリー塊を崩すような味わいのある食感を意味する。
また、ネイティブジェランガムをゼリー原料組成物中に0.01質量%以上含有する処方5は、スパウト口から押し出されるゼリー塊に弾力はあるものの、粒が小さく、食感に面白みがかけるものであった。
また、HLB9以上の界面活性剤を含まない処方8は、スパウト口から押し出されるゼリー塊が小さく、食感に面白みがかけるものであった。
これに対し、脱アシルジェランガムを0.1〜0.4質量%と、ネイティブジェランガムを0.001〜0.01質量%と、HLB9以上の界面活性剤とを含有するゼリー原料組成物を用いた、処方2〜4、6,7,9,10は、スパウト口から押し出されるゼリー塊が大きく、食感に面白みがあった。

Claims (4)

  1. 脱アシルジェランガムを0.1〜0.4質量%と、ネイティブジェランガムを0.001〜0.01質量%と、HLB9以上の界面活性剤と、水とを含有する加熱溶解したゼリー原料組成物を、スパウト付きパウチに充填し、ゲル化開始温度からゲル化終了温度までを3℃/min以下の冷却速度で冷却してゲル化させて得られるゼリー飲料。
  2. 前記界面活性剤は、ショ糖脂肪酸エステルである、請求項1に記載のゼリー飲料。
  3. 脱アシルジェランガムを0.1〜0.4質量%と、ネイティブジェランガムを0.001〜0.01質量%と、HLB9以上の界面活性剤と、水とを含有する加熱溶解したゼリー原料組成物を、スパウト付きパウチに充填し、ゲル化開始温度からゲル化終了温度までを3℃/min以下の冷却速度で冷却してゲル化させることを特徴とするゼリー飲料の製造方法。
  4. 前記界面活性剤として、ショ糖脂肪酸エステルを用いる、請求項3に記載のゼリー飲料の製造方法。
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