JP6762110B2 - レモン風味ゼリー飲料 - Google Patents
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Description
特許文献3に記載のゼリーは専ら飲料ではないカップ入りゼリー食品を意図して、高い硬度のゼリーとするために、特定のW/O組成物を含有させることを必要とするものであり、特許文献4に記載の発明は、カッパーカラギーナンを含有させることによってソフトゼリー飲料とするものである。
しかしながら、これらの特許文献による開示によっても、これまでにレモン味のスパウト付きパウチ入りゼリー飲料に関しては、せいぜい甘いレモン菓子のような味覚を有したゼリー飲料が存在するのみで、いわゆるレモンが本来持つ清涼感や刺激を訴求したレモン風味ゼリー飲料は存在しない。また、ゲル強度が酸味の感じ方や、フレーバーリリースに与える影響については開示されておらず、ましてレモンに特化した検討は行われていない。
そこで、レモン本来の清涼感や刺激、フレーバー感を有したレモン風味のゼリー飲料が求められていることに鑑み、本発明に至った。
1.酸度が0.7〜1.5(w/v%)、ゲル強度が40〜90(g)である、レモン風味ゼリー飲料。
2.レモン果汁を含有する1記載のレモン風味ゼリー飲料。
3.寒天を含有する1又は2に記載のレモン風味ゼリー飲料。
4.スパウト付きパウチ入りである1〜3のいずれかに記載のレモン風味ゼリー飲料。
なお、本明細書における酸度とはクエン酸換算酸度のことであり、中和滴定法(果実飲料の日本農林規格第25条)により測定することができる。また、ゲル強度とは、物性測定装置レオメーター(RHEO SD−700、株式会社サン科学)を用いて、品温25℃にて、直径30mmの球形プランジャーを60mm/分のスピードで進入させ、距離5mm時点で測定される値(単位;g)のことをいう。
本発明のレモン風味ゼリー飲料は、酸度が0.7〜1.5(w/v%)であることと、ゲル強度が40〜90(g)であることの条件を満たすことが必要であり、これらを満たすことによって、酸味が強いゼリー飲料であっても、良好なフレーバーリリース性とレモン果汁に由来するさわやかな酸味や清涼感、刺激を感じることができる。特にスパウト付きパウチに本発明のレモン風味ゼリー飲料を入れて飲用すると、スパウト付パウチから飲用する際の独特の飲用方法、つまり、スパウトを口に入れて吸い出すような飲み方のときには、他のカップ型容器内のゼリーとは異なり、より口の中で適切にゼリーが崩壊してフレーバーと共にレモン果汁の風味やフレーバーが適切な酸味、まろやかさや刺激の下で拡がる感触を感じることができる。
本発明のレモン風味ゼリー飲料は、酸度が0.7〜1.5(w/v%)、好ましくは0.8〜1.4(w/v%)である。酸度が0.7(w/v%)未満であると、十分に強いレモン風味を感じることができず、レモン特有の酸味や刺激を十分に感じることが困難となり、酸度が1.5(w/v%)を超えるとレモン特有の酸味や刺激が強すぎる場合がある。
また、ゲル強度は40〜90(g)であり、好ましくは50〜80(g)、さらに好ましくは60〜75(g)である。ゲル強度が40(g)未満であると口に入れたときに酸味の質が悪くなり、イガイガ感となってしまう。またゲル強度が90(g)を超えると、口の中でのフレーバーリリース性が悪化してレモン特有の風味やフレーバー、酸味を十分に感じることができなくなる可能性がある。
本発明のゼリー飲料において、専ら口当たりに大きく影響するゲル化剤としては以下の、ジェランガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、寒天、高強度寒天、カラギーナン、グルコマンナン、グアーガム、タラガム、タマリンドガム、アミロース、アミロペクチン、アガロース、アガロペクチン、ファーセレラン、アルギン酸、ペクチン、デキストラン、プルラン、セルロース、カードラン、ゼラチン等を使用することができる。
これらのゲル化剤のなかでも、好ましくはジェランガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム及び寒天から選ばれる1種以上を使用することであり、より好ましくは寒天とジェランガム、キサンタンガム、ローカストビーンガムから選ばれる1種以上を使用すること、さらに好ましくはジェランガム、キサンタンガム、ローストビーンガム及び寒天を全て使用することである。さらに、寒天の中でも高強度寒天を使用するのが特に好ましい。なお、ここでいう高強度寒天とは、0.8重量%における日寒水式のゲル強度が500g/cm2以上のものを指す。
本発明のゼリー飲料に含有されるゲル化剤の量としては、本発明中のゲル強度を得るに必要な量であって、ゲル化剤全体として0.10〜2.0重量%、より好ましくは0.20〜0.40重量%、さらに好ましくは0.22〜0.28重量%である。0.10重量%未満であると、適切なゲル強度にならず、酸味の質が悪化する可能性があり、2.0重量%を超えるとゲル強度が高くなりすぎて、レモンの風味やフレーバーを感じにくくなると共に飲用が困難になり易い。
また、寒天を含有させる場合には、本発明のゼリー飲料に対して0.05〜0.30重量%、好ましくは0.10〜0.20重量%である。0.05重量%未満では寒天を含有させる効果が小さくなり、0.30重量%を超えると、口に入れたときのレモン果汁による刺激やフレーバー感が弱くなる可能性がある。
また、高強度寒天を含有させる場合には、0.8重量%における日寒水式のゲル強度が600g/cm2以上のものを用いるのが好ましく、650g/cm2以上のものを用いるのがさらに好ましい。500g/cm2未満のものを用いると、所望のゲル強度にするために、ゲル化剤を多量に必要としてしまう場合がある。なお、ゲル強度が強過ぎると、口の中で適切にゼリーが崩壊せずにフレーバーや酸味、刺激を適切に感じることが出来なくなる可能性があるため、ゲル強度は900g/cm2以下のものを用いるのが好ましく、850g/cm2以下のものを用いるのがさらに好ましい。
上記ゲル化剤によってゲル化されるベース配合としては、レモン果汁や、クエン酸、無水クエン酸、クエン酸三ナトリウム等のクエン酸ナトリウム塩、ビタミンC等のレモン風香味の飲料に添加される材料を混合し得る。なお、レモン果汁の含有量は、レモン特有の風香味を適度に感じられる観点から50重量%以下であることが好ましく、40重量%以下であることがより好ましく、30重量%以下であることがさらに好ましい。レモン果汁含有飲料の果汁含有量は、1重量%以上であることが好ましく、5重量%以上であることがより好ましく、10重量%以上であることが特に好ましい。
これらの材料の他に、レモン以外の、例えばブルーベリー、グレープフルーツ、うめ、ピーチ、パイナップル、グレープ、ビルベリー、洋ナシ、マンゴー、アセロラ、バナナ、オレンジ、ライチ等の果汁や香料を、レモンの風味を毀損しない範囲内にて添加することができる。またレモンを含む各種果物の果肉の小片を添加して、果物としての食感に近くすることもできる。
上記クエン酸、無水クエン酸、クエン酸ナトリウム塩及びビタミンCはゼリー飲料の酸味を調整するために、必要に応じて添加されるものであり、また他の酸味料を必要に応じて添加することができる。
このようなカチオン含有物質として乳酸カルシウム、マルトビオン酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳清カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、メタリン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、水酸化カルシウム、パントテン酸カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウム塩、アスコルビン酸ナトリウム塩、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸第三カリウム、炭酸カリウム、酒石酸水素カリウム、ピロリン酸カリウム及びポリリン酸カリウムなどが挙げられる。
このようなカチオン含有化合物の添加量は、ゼリー飲料に対して1〜4重量%とすることが好ましいが、ゲル化の状況によって適宜添加量の調整を行うことが出来る。
ゲル化剤については、特に限定されないが、以下を使用した。
ジェランガム;三栄源エフ・エフ・アイ社製 ゲルアップJ−3200
キサンタンガム;三栄源エフ・エフ・アイ社製 サンエースE−S
ローカストビーンガム;三栄源エフ・エフ・アイ社製 ローカストビーンガムF
高強度寒天;伊那食品工業社製 カリコリカン
酸度とは、クエン酸換算の酸度であり、中和滴定法(果実飲料の日本農林規格第
25条)により測定した。
なお、3名の訓練されたパネラーの協議により評価を決定した。
これに対して、レモン果汁を多く添加して、酸度が0.9(w/v%)や1.4(w/v%)であるときは、レモン果汁の酸味や刺激を感じ、かつ口に入れたときの感触やフレーバーの拡がりに優れていた。
ゲル強度については、容器の下部(スパウトとは逆側)を切り取り、製品をプラスチックカップに移し、レオメーター(SUN RHEO TEX SD−700#)を用い、品温25℃にて、直径30mmの球形プランジャーを60mm/分のスピードで進入させ、距離5mm時点で測定を行った(単位;g)。
・フレーバーリリース
5名の訓練されたパネラーが、5点が最も強く、1点が最も弱いとして、フレーバーリリースを5段階で評価を行った。
その評価結果の平均値を取り、3点以上を◎、2〜3点を○、2点未満を×とした。また、コメントについて協議した。
5名のパネラーが、5点が酸味のカド、イガイガ感を強く感じる、1点がまろやかな酸味を感じる、として、酸味の感じ方を5段階で評価を行った。
その評価結果の平均値を取った。また、コメントを協議し、評価を決定した。
Claims (3)
- レモン果汁、及び、ゲル化剤として高強度寒天0.10〜0.20%を含有し、酸度が0.7〜1.5(w/v%)、ゲル強度が50〜80(g)である、レモン風味ゼリー飲料(但し、ホエイ蛋白濃縮物、ホエイ蛋白単離物、脱塩ホエイ、数平均分子量が500〜10000である蛋白加水分解物からなる群から選ばれる少なくとも1種であるpH3〜4で凝集しない蛋白質素材を2.5〜6.1重量%含有しない)。
- ジェランガム、キサンタンガム及びローカストビーンガムを含有する請求項1に記載のレモン風味ゼリー飲料。
- スパウト付きパウチ入りである請求項1又は2に記載のレモン風味ゼリー飲料。
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