JP2004229514A - 新規な外観及び食感を有するゼリー及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】新規な外観及び食感、具体的には、不連続でザラザラ又はジャリジャリとした外観でありながら、かつ、なめらかな口当たりとなり、口溶けが良好で、離水の少ないゼリーを提供する。
【解決手段】ゼリー中、脱アシル型ジェランガム0.03〜0.15重量%、ネイティブ型ジェランガム0.03〜0.15重量%、アルギン酸ナトリウム0.05〜0.2重量%を含有する。また、新規な外観及び食感を付与するゲル化剤組成物として、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、アルギン酸ナトリウム、可溶性カルシウム塩及びクエン酸三ナトリウムを必須成分として含む。更には、前記ゲル化剤組成物を、脱アシル型ジェランガム0.03〜0.15重量%、ネイティブ型ジェランガム0.03〜0.15重量%、アルギン酸ナトリウム0.05〜0.2重量%を含有する量添加して水に溶解し、加熱攪拌溶解後、冷却することにより製造する。
【選択図】なし
【解決手段】ゼリー中、脱アシル型ジェランガム0.03〜0.15重量%、ネイティブ型ジェランガム0.03〜0.15重量%、アルギン酸ナトリウム0.05〜0.2重量%を含有する。また、新規な外観及び食感を付与するゲル化剤組成物として、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、アルギン酸ナトリウム、可溶性カルシウム塩及びクエン酸三ナトリウムを必須成分として含む。更には、前記ゲル化剤組成物を、脱アシル型ジェランガム0.03〜0.15重量%、ネイティブ型ジェランガム0.03〜0.15重量%、アルギン酸ナトリウム0.05〜0.2重量%を含有する量添加して水に溶解し、加熱攪拌溶解後、冷却することにより製造する。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な外観及び食感を有するゼリー及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゼリー食品は、ゲル特有の柔らかな弾力性に富んだ組織を有し、また摂取した時、滑らかな舌触りが好まれ、デザートとして広く利用されている。寒天やゼラチン等のゲル化形成能を有する物質を用いて調製されたゼリー食品が多く上市されており、果肉様食感や不連続な組織を有する組織感を有するものや、弾力性のある食感を持ったものなの、所望の食感に調整することが種々検討なされている。
【0003】
中でも、ゲル化形成能を有する物質として、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、アルギン酸ナトリウムも、ゼリー用ゲル化剤として用いられていた。例えば、ジェランガム0.1〜2%及びネイティブジェランガム0.2〜5%を含有することを特徴とする食品用ゼリー(特許文献1)がある。このゼリーは、粒状ゼリーや魚の卵のようなイミテーション粒状食品とするものであり、カルシウムイオンを含有する溶液中にゲル化剤を配合した溶液を滴下して粒状のゲルを得るものである。
【0004】
また、更に、アルギン酸及びその塩類とジェランガムを併用したフルーツ果肉入りデザートゼリーとして、アルギン酸0.5部、ジェランガム0.1部、硫酸カルシウム0.3部、炭酸ナトリウム0.2部、キサンタンガム0.05部、ローカストビーンガム0.05部、異性化糖12部及び50%クエン酸0.3部を加え、ミカンさのうを分散させたデザートゼリーが挙げられている(特許文献2)。しかし、このゼリーは殺菌してもゾル化はしないものの、ミカンさのうを加えて新たな食感を作り出しているものであり、まだ、食感に改善の余地があった。
【0005】
【特許文献1】特開2000−325030号公報
【特許文献2】特開昭64−60339号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、今までにない新規な外観及び食感を有するゼリーを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねていたところ、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム及びアルギン酸ナトリウムを特定量使用することにより、今までにない新しい外観及び食感を有するゼリーとなることを見つけた。
【0008】
本発明はかかる知見に基づいて開発されたものであり、下記の態様を包含するものである:
項1.脱アシル型ジェランガム0.03〜0.15重量%、ネイティブ型ジェランガム0.03〜0.15重量%、アルギン酸ナトリウム0.05〜0.2重量%を含有することを特徴とする新規な外観及び食感を有するゼリー。
項2.脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、アルギン酸ナトリウム、可溶性カルシウム塩及びクエン酸三ナトリウムを必須成分として含むことを特徴とする新規な外観及び食感を付与するゲル化剤組成物。
項3.請求項2に記載のゲル化剤組成物を、脱アシル型ジェランガム0.03〜0.15重量%、ネイティブ型ジェランガム0.03〜0.15重量%、アルギン酸ナトリウム0.05〜0.2重量%を含有する量添加して水に溶解し、加熱攪拌溶解後、冷却することにより製造する、新規な外観及び食感を有するゼリーの製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のゼリーは、脱アシル型ジェランガム0.03〜0.15重量%、好ましくは、0.05〜0.1%、ネイティブ型ジェランガム0.03〜0.15重量%、好ましくは0.05〜0.1%、アルギン酸ナトリウム0.05〜0.2重量%、好ましくは0.07〜0.15%を含有することを特徴とする。この割合に含有することにより、新規な外観及び食感、具体的には、不連続でザラザラ又はジャリジャリした外観を有しながら、かつ、なめらかな口当たりとなり、口溶けが良く、離水の少ないゼリーとなったものである。
【0010】
本発明のゼリーを製造する際、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、アルギン酸ナトリウム、可溶性カルシウム塩及びクエン酸三ナトリウムを必須成分として含む一剤化されたゲル化剤組成物を使用することが好ましい。この組成物を使用することにより、水に溶解しやすく、また、製造時に容易に取り扱うことが出来るからである。脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム及びアルギン酸ナトリウムの配合割合は、ゼリーの最終添加量が、それぞれ、脱アシル型ジェランガム0.03〜0.15重量%、ネイティブ型ジェランガム0.03〜0.15重量%、アルギン酸ナトリウム0.05〜0.2重量%となるように任意に調整する。
【0011】
本発明のゲル化剤組成物で使用する可溶性カルシウム塩として、有機酸塩或いは無機酸塩の何れでもよく、例えば、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、フマル酸カルシウム、クエン酸カルシウム、コハク酸カルシウム、酢酸カルシウム等の有機酸塩、塩化カルシウム等の無機酸塩を好ましくあげることができ、これらより1種又は2種以上を選択して使用することが出来る。その中でも特に好ましくは、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウムが用いられる。可溶性カルシウム塩の配合量は、乳酸カルシウムの添加量として、ゼリーへの最終添加量が、0.1〜0.2重量%となるように任意に調整することができる。更に、クエン酸三ナトリウムの添加量であるが、ゼリーへの最終添加量が0.1〜0.2重量%となるように、任意に調整することができる。
【0012】
このゲル化剤組成物には、前記に掲げる必須成分として含まれていればよく、本発明の効果に影響を与えない限度でその他の糊料を任意に併用することが出来る。
【0013】
その他の糊料として、ファーセレラン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グァーガム、タラガム、グルコマンナン、寒天、タマリンド種子多糖類、ゼラチン、カラギナン等の糊料を1種又は2種以上併用することができる。
【0014】
更に、本発明のゼリーの製造方法として、前記のゲル化剤組成物を、脱アシル型ジェランガム0.03〜0.15重量%、ネイティブ型ジェランガム0.03〜0.15重量%、アルギン酸ナトリウム0.05〜0.2重量%を含有する量添加し、他の原料とともに水に溶解し、75〜95℃、5〜20分程度の加熱攪拌溶解を行い、室温による放冷或いは5〜15℃程度に冷却することにより製造する方法を挙げることができる。
【0015】
なお、本発明のゼリーには、前記ゲル化剤組成物以外にも、甘味料、香料、色素、酸化防止剤、日持ち向上剤、保存料等の添加剤を任意に併用することが出来る。
【0016】
甘味料としては、砂糖、液糖、水飴、蜂蜜、トレハロース、オリゴ糖等の糖類;エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、パラチニット、マンニトール等の糖アルコール;アスパルテーム、アセスルファムカリウム、アリテーム、スクラロース、ステビア、ソーマチン、ネオテーム等の高甘味度甘味料等が挙げられる。
【0017】
本発明により、新規な外観及び食感、具体的には、不連続でザラザラ又はジャリジャリした外観を有しながら、かつ、なめらかな口当たりとなり、口溶けが良く、離水の少ないゼリーとなった。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の内容を以下の実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。尚、本発明において特に記載しない限り、%とは重量%、部とは重量部、文中*印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製。※印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標を意味するものとする。
【0019】
実験例
下記処方のうち、水を攪拌しながら、砂糖、ゲル化剤、クエン酸三ナトリウム及び乳酸カルシウムの粉体混合物を加え、80℃10分間加熱攪拌溶解後、クエン酸(無水)を添加し、攪拌混合、全量を水にて補正し、容器充填し、85℃30分間殺菌して、水冷固化し、ゼリーを調製した。得られたゼリーの評価を表1及び表2に示す。
【0020】
処方 部
砂糖 15
クエン酸(無水) 0.2
ゲル化剤 下記表1参照
クエン酸三ナトリウム 下記表1参照
乳酸カルシウム 下記表1参照
水にて 計100とする
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
表1及び2より、脱アシル型ジェランガム0.03〜0.15重量%、ネイティブ型ジェランガム0.03〜0.15重量%及びアルギン酸ナトリウム0.05〜0.2重量%の範囲で含有し、更に、乳酸カルシウム及びクエン酸三ナトリウムを必須成分として含有するゼリーのみが、本発明の目的とする、不連続でザラザラ又はジャリジャリとした外観であり、かつ、食感は口溶けが良く、離水が少ないゼリーとなった。
【0024】
実施例1:アップルゼリー
下記処方のうち、水を攪拌しながら、砂糖及びゲル化剤の粉体混合物を加え、80℃10分間加熱攪拌溶解した後、果汁、クエン酸、香料を加えて全量補正後、容器充填し、85℃30分間殺菌して、水冷固化し、アップルゼリーを調製した。
出来上がったアップルゼリーは、不連続でザラザラとした外観でありながら、食してみるとなめらかで口溶けが良く、しかも、離水も少なかった。
【0025】
【0026】
注1)
ゲルアップJ−3839の配合
・脱アシル型ジェランガム 13%
・ネイティブ型ジェランガム 4%
・アルギン酸ナトリウム 10.5%
・タマリンド種子多糖類 6%
・クエン酸三ナトリウム 10%
・乳酸カルシウム 10%
・食品素材 46.5%
【0027】
実施例2:マスカットゼリー
下記処方のうち、水を攪拌しながら、砂糖及びゲル化剤の粉体混合物を加え、80℃10分間加熱攪拌溶解した後、果汁、クエン酸、色素、香料を加えて全量補正後、容器充填し、85℃30分間殺菌して、水冷固化し、マスカットゼリーを調製した。
出来上がったマスカットゼリーは、不連続でジャリジャリとした外観でありながら、食してみると、なめらかな口当たりとなり、口溶けも良く、しかも、離水も少なかった。
【0028】
【0029】
注2)
ゲルアップJ−3841の配合
・脱アシル型ジェランガム 4%
・ネイティブ型ジェランガム13%
・アルギン酸ナトリウム 10.5%
・タマリンド種子多糖類 6%
・クエン酸三ナトリウム 10%
・乳酸カルシウム 10%
・食品素材 46.5%
【0030】
実施例3:ピーチゼリー
下記処方のうち、水を攪拌しながら、砂糖及びゲル化剤の粉体混合物を加え、80℃10分間加熱攪拌溶解した後、果汁、クエン酸、色素、香料を加えて全量補正後、容器充填し、85℃30分間殺菌して、水冷固化し、ピーチゼリーを調製した。
出来上がったピーチゼリーは、不連続でザラザラとした外観でありながら、食してみるとなめらかな口当たりとなり、口溶けも良く、しかも、離水も少なかった。
【0031】
【0032】
注3)
ゲルアップJ−3840の配合
・脱アシル型ジェランガム 8.5%
・ネイティブ型ジェランガム 8.5%
・アルギン酸ナトリウム 10.5%
・タマリンド種子多糖類 6%
・クエン酸三ナトリウム 10%
・乳酸カルシウム 10%
・食品素材 46.5%
【0033】
実施例4:コーヒーゼリー
下記処方のうち、水及び水飴を攪拌しながら、砂糖、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、アルギン酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム及び乳酸カルシウムの粉体混合物を加え、80℃10分間加熱攪拌溶解した後、コーヒーエキス、香料を加えて攪拌溶解し、全量補正後、容器充填し、8℃の冷水にて水冷固化し、コーヒーゼリーを調製した。
【0034】
出来上がったコーヒーゼリーは、不連続でジャリジャリとした外観でありながら、食してみると、なめらかな口当たりとなり、口溶けも良く、しかも、離水も少なかった。
【0035】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な外観及び食感を有するゼリー及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゼリー食品は、ゲル特有の柔らかな弾力性に富んだ組織を有し、また摂取した時、滑らかな舌触りが好まれ、デザートとして広く利用されている。寒天やゼラチン等のゲル化形成能を有する物質を用いて調製されたゼリー食品が多く上市されており、果肉様食感や不連続な組織を有する組織感を有するものや、弾力性のある食感を持ったものなの、所望の食感に調整することが種々検討なされている。
【0003】
中でも、ゲル化形成能を有する物質として、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、アルギン酸ナトリウムも、ゼリー用ゲル化剤として用いられていた。例えば、ジェランガム0.1〜2%及びネイティブジェランガム0.2〜5%を含有することを特徴とする食品用ゼリー(特許文献1)がある。このゼリーは、粒状ゼリーや魚の卵のようなイミテーション粒状食品とするものであり、カルシウムイオンを含有する溶液中にゲル化剤を配合した溶液を滴下して粒状のゲルを得るものである。
【0004】
また、更に、アルギン酸及びその塩類とジェランガムを併用したフルーツ果肉入りデザートゼリーとして、アルギン酸0.5部、ジェランガム0.1部、硫酸カルシウム0.3部、炭酸ナトリウム0.2部、キサンタンガム0.05部、ローカストビーンガム0.05部、異性化糖12部及び50%クエン酸0.3部を加え、ミカンさのうを分散させたデザートゼリーが挙げられている(特許文献2)。しかし、このゼリーは殺菌してもゾル化はしないものの、ミカンさのうを加えて新たな食感を作り出しているものであり、まだ、食感に改善の余地があった。
【0005】
【特許文献1】特開2000−325030号公報
【特許文献2】特開昭64−60339号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、今までにない新規な外観及び食感を有するゼリーを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねていたところ、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム及びアルギン酸ナトリウムを特定量使用することにより、今までにない新しい外観及び食感を有するゼリーとなることを見つけた。
【0008】
本発明はかかる知見に基づいて開発されたものであり、下記の態様を包含するものである:
項1.脱アシル型ジェランガム0.03〜0.15重量%、ネイティブ型ジェランガム0.03〜0.15重量%、アルギン酸ナトリウム0.05〜0.2重量%を含有することを特徴とする新規な外観及び食感を有するゼリー。
項2.脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、アルギン酸ナトリウム、可溶性カルシウム塩及びクエン酸三ナトリウムを必須成分として含むことを特徴とする新規な外観及び食感を付与するゲル化剤組成物。
項3.請求項2に記載のゲル化剤組成物を、脱アシル型ジェランガム0.03〜0.15重量%、ネイティブ型ジェランガム0.03〜0.15重量%、アルギン酸ナトリウム0.05〜0.2重量%を含有する量添加して水に溶解し、加熱攪拌溶解後、冷却することにより製造する、新規な外観及び食感を有するゼリーの製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のゼリーは、脱アシル型ジェランガム0.03〜0.15重量%、好ましくは、0.05〜0.1%、ネイティブ型ジェランガム0.03〜0.15重量%、好ましくは0.05〜0.1%、アルギン酸ナトリウム0.05〜0.2重量%、好ましくは0.07〜0.15%を含有することを特徴とする。この割合に含有することにより、新規な外観及び食感、具体的には、不連続でザラザラ又はジャリジャリした外観を有しながら、かつ、なめらかな口当たりとなり、口溶けが良く、離水の少ないゼリーとなったものである。
【0010】
本発明のゼリーを製造する際、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、アルギン酸ナトリウム、可溶性カルシウム塩及びクエン酸三ナトリウムを必須成分として含む一剤化されたゲル化剤組成物を使用することが好ましい。この組成物を使用することにより、水に溶解しやすく、また、製造時に容易に取り扱うことが出来るからである。脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム及びアルギン酸ナトリウムの配合割合は、ゼリーの最終添加量が、それぞれ、脱アシル型ジェランガム0.03〜0.15重量%、ネイティブ型ジェランガム0.03〜0.15重量%、アルギン酸ナトリウム0.05〜0.2重量%となるように任意に調整する。
【0011】
本発明のゲル化剤組成物で使用する可溶性カルシウム塩として、有機酸塩或いは無機酸塩の何れでもよく、例えば、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、フマル酸カルシウム、クエン酸カルシウム、コハク酸カルシウム、酢酸カルシウム等の有機酸塩、塩化カルシウム等の無機酸塩を好ましくあげることができ、これらより1種又は2種以上を選択して使用することが出来る。その中でも特に好ましくは、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウムが用いられる。可溶性カルシウム塩の配合量は、乳酸カルシウムの添加量として、ゼリーへの最終添加量が、0.1〜0.2重量%となるように任意に調整することができる。更に、クエン酸三ナトリウムの添加量であるが、ゼリーへの最終添加量が0.1〜0.2重量%となるように、任意に調整することができる。
【0012】
このゲル化剤組成物には、前記に掲げる必須成分として含まれていればよく、本発明の効果に影響を与えない限度でその他の糊料を任意に併用することが出来る。
【0013】
その他の糊料として、ファーセレラン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グァーガム、タラガム、グルコマンナン、寒天、タマリンド種子多糖類、ゼラチン、カラギナン等の糊料を1種又は2種以上併用することができる。
【0014】
更に、本発明のゼリーの製造方法として、前記のゲル化剤組成物を、脱アシル型ジェランガム0.03〜0.15重量%、ネイティブ型ジェランガム0.03〜0.15重量%、アルギン酸ナトリウム0.05〜0.2重量%を含有する量添加し、他の原料とともに水に溶解し、75〜95℃、5〜20分程度の加熱攪拌溶解を行い、室温による放冷或いは5〜15℃程度に冷却することにより製造する方法を挙げることができる。
【0015】
なお、本発明のゼリーには、前記ゲル化剤組成物以外にも、甘味料、香料、色素、酸化防止剤、日持ち向上剤、保存料等の添加剤を任意に併用することが出来る。
【0016】
甘味料としては、砂糖、液糖、水飴、蜂蜜、トレハロース、オリゴ糖等の糖類;エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、パラチニット、マンニトール等の糖アルコール;アスパルテーム、アセスルファムカリウム、アリテーム、スクラロース、ステビア、ソーマチン、ネオテーム等の高甘味度甘味料等が挙げられる。
【0017】
本発明により、新規な外観及び食感、具体的には、不連続でザラザラ又はジャリジャリした外観を有しながら、かつ、なめらかな口当たりとなり、口溶けが良く、離水の少ないゼリーとなった。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の内容を以下の実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。尚、本発明において特に記載しない限り、%とは重量%、部とは重量部、文中*印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製。※印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標を意味するものとする。
【0019】
実験例
下記処方のうち、水を攪拌しながら、砂糖、ゲル化剤、クエン酸三ナトリウム及び乳酸カルシウムの粉体混合物を加え、80℃10分間加熱攪拌溶解後、クエン酸(無水)を添加し、攪拌混合、全量を水にて補正し、容器充填し、85℃30分間殺菌して、水冷固化し、ゼリーを調製した。得られたゼリーの評価を表1及び表2に示す。
【0020】
処方 部
砂糖 15
クエン酸(無水) 0.2
ゲル化剤 下記表1参照
クエン酸三ナトリウム 下記表1参照
乳酸カルシウム 下記表1参照
水にて 計100とする
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
表1及び2より、脱アシル型ジェランガム0.03〜0.15重量%、ネイティブ型ジェランガム0.03〜0.15重量%及びアルギン酸ナトリウム0.05〜0.2重量%の範囲で含有し、更に、乳酸カルシウム及びクエン酸三ナトリウムを必須成分として含有するゼリーのみが、本発明の目的とする、不連続でザラザラ又はジャリジャリとした外観であり、かつ、食感は口溶けが良く、離水が少ないゼリーとなった。
【0024】
実施例1:アップルゼリー
下記処方のうち、水を攪拌しながら、砂糖及びゲル化剤の粉体混合物を加え、80℃10分間加熱攪拌溶解した後、果汁、クエン酸、香料を加えて全量補正後、容器充填し、85℃30分間殺菌して、水冷固化し、アップルゼリーを調製した。
出来上がったアップルゼリーは、不連続でザラザラとした外観でありながら、食してみるとなめらかで口溶けが良く、しかも、離水も少なかった。
【0025】
【0026】
注1)
ゲルアップJ−3839の配合
・脱アシル型ジェランガム 13%
・ネイティブ型ジェランガム 4%
・アルギン酸ナトリウム 10.5%
・タマリンド種子多糖類 6%
・クエン酸三ナトリウム 10%
・乳酸カルシウム 10%
・食品素材 46.5%
【0027】
実施例2:マスカットゼリー
下記処方のうち、水を攪拌しながら、砂糖及びゲル化剤の粉体混合物を加え、80℃10分間加熱攪拌溶解した後、果汁、クエン酸、色素、香料を加えて全量補正後、容器充填し、85℃30分間殺菌して、水冷固化し、マスカットゼリーを調製した。
出来上がったマスカットゼリーは、不連続でジャリジャリとした外観でありながら、食してみると、なめらかな口当たりとなり、口溶けも良く、しかも、離水も少なかった。
【0028】
【0029】
注2)
ゲルアップJ−3841の配合
・脱アシル型ジェランガム 4%
・ネイティブ型ジェランガム13%
・アルギン酸ナトリウム 10.5%
・タマリンド種子多糖類 6%
・クエン酸三ナトリウム 10%
・乳酸カルシウム 10%
・食品素材 46.5%
【0030】
実施例3:ピーチゼリー
下記処方のうち、水を攪拌しながら、砂糖及びゲル化剤の粉体混合物を加え、80℃10分間加熱攪拌溶解した後、果汁、クエン酸、色素、香料を加えて全量補正後、容器充填し、85℃30分間殺菌して、水冷固化し、ピーチゼリーを調製した。
出来上がったピーチゼリーは、不連続でザラザラとした外観でありながら、食してみるとなめらかな口当たりとなり、口溶けも良く、しかも、離水も少なかった。
【0031】
【0032】
注3)
ゲルアップJ−3840の配合
・脱アシル型ジェランガム 8.5%
・ネイティブ型ジェランガム 8.5%
・アルギン酸ナトリウム 10.5%
・タマリンド種子多糖類 6%
・クエン酸三ナトリウム 10%
・乳酸カルシウム 10%
・食品素材 46.5%
【0033】
実施例4:コーヒーゼリー
下記処方のうち、水及び水飴を攪拌しながら、砂糖、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、アルギン酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム及び乳酸カルシウムの粉体混合物を加え、80℃10分間加熱攪拌溶解した後、コーヒーエキス、香料を加えて攪拌溶解し、全量補正後、容器充填し、8℃の冷水にて水冷固化し、コーヒーゼリーを調製した。
【0034】
出来上がったコーヒーゼリーは、不連続でジャリジャリとした外観でありながら、食してみると、なめらかな口当たりとなり、口溶けも良く、しかも、離水も少なかった。
【0035】
Claims (3)
- 脱アシル型ジェランガム0.03〜0.15重量%、ネイティブ型ジェランガム0.03〜0.15重量%、アルギン酸ナトリウム0.05〜0.2重量%を含有することを特徴とする新規な外観及び食感を有するゼリー。
- 脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、アルギン酸ナトリウム、可溶性カルシウム塩及びクエン酸三ナトリウムを必須成分として含むことを特徴とする新規な外観及び食感を付与するゲル化剤組成物。
- 請求項2に記載のゲル化剤組成物を、脱アシル型ジェランガム0.03〜0.15重量%、ネイティブ型ジェランガム0.03〜0.15重量%、アルギン酸ナトリウム0.05〜0.2重量%を含有する量添加して水に溶解し、加熱攪拌溶解後、冷却することにより製造する、新規な外観及び食感を有するゼリーの製造方法。
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- 2003-01-28 JP JP2003019102A patent/JP2004229514A/ja active Pending
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